JP2931024B2 - カルデスモン様ポリペプチド - Google Patents

カルデスモン様ポリペプチド

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JP2931024B2 JP2056536A JP5653690A JP2931024B2 JP 2931024 B2 JP2931024 B2 JP 2931024B2 JP 2056536 A JP2056536 A JP 2056536A JP 5653690 A JP5653690 A JP 5653690A JP 2931024 B2 JP2931024 B2 JP 2931024B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はカルデスモンの機能単位のアミノ酸配列を有
するポリペプチド及びそのDNA配列と製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
カルデスモンは骨格筋、心筋を除くすべての組織に存
在しているカルモジュリン、アクチン、及びトロポミオ
シン結合能を有するタンパク質で、平滑筋のアクチン−
ミオシン系の調節機構に関与している。
この調節機構はカルシウムイオン濃度に依存した機構
(フリップ・フロップ制御)でアクチン−ミオシン系を
制御している〔プロシーディングズ オブ ザ ナショ
ナル アカデミー オブ サイエンシーズ オブ ザ
USA(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、第78巻、第5652〜565
5頁(1981)〕。
カルシウムイオン濃度が低い時はカルデスモンはアク
チンフィラメント・トロポミオシン系に結合し、アクチ
ン−ミオシン間相互作用を抑制する。一方カルシウムイ
オン濃度の増加により活性型カルモジュリン・カルデス
モン複合体が形成され、この複合体はアクチンフィラメ
ント・トロポミオシン系から遊離する。この結果、カル
デスモンによるアクチン−ミオシン間抑制作用が解除さ
れ、アクチン−ミオシン間相互作用が起こる。
カルデスモンはニワトリ砂嚢平滑筋から初めて精製さ
れ、その後他のセキツイ動物からも精製されているが、
そのアミノ酸配列は不明である。タンパク質分解酵素、
α−キモトリプシンによるニワトリカルデスモンの限定
分解の結果、カルボキシル末端側の約35kDa(キロダル
トン)の大きさのポリペプチドがカルシウムイオン濃度
に依存したフリップ・フロップ制御機構の機能単位であ
ることが明らかにされている〔ジャーナル オブ バイ
オケミストリー(J.Biochem.)、第102巻、第1065〜107
3頁(1987)〕。
細胞の形態変化は細胞ガン化の特徴的な指標として用
いられている。細胞形態の維持とアクチン構造とは密接
に関連しており、ガン化による細胞形態変化は細胞骨格
を構成するフィラメント系の1つであるアクチンケーブ
ルの形態変化・消失とよく一致する〔プロシーディング
ズ オブ ザ ナショナル アカデミー オブ サイエ
ンシーズ オブ ザ USA、第72巻、第994〜998頁(197
5)〕。蛍光抗体法によりカルデスモンの細胞内局在を
調べたところ正常細胞ではアクチンケーブル、細胞の器
壁接着部位、及びラッフル部分に局在が認められるが、
ガン細胞では明確な局在場所がなくなることが示されて
いる〔プロシーディングズ オブ ザ ナショナル ア
カデミー オブ サイエンシーズ オブ ザ USA、第8
1巻、第3133〜3137頁(1984)〕。
また種々のガン遺伝子を持つウィルスを用いて培養細
胞をガン化させるとカルデスモン量が低下するが逆にリ
ン酸化の程度は上昇することが報告されている〔プロシ
ーディングス オブ ザ ナショナル アカデミー オ
ブ サイエンシーズ オブ ザ USA、第81巻、第3133
〜3137頁(1984)及び細胞工学 別冊3「カルシウムシ
グナリングの分子制御」第140〜153頁(1987)〕。
この様にカルデスモンと細胞のガン化による形態の変
化とは密接な関係にあることが示唆される。この因果関
係が解明されれば、カルデスモンはガンの治療薬となる
ことが期待される。更に、カルデスモンをコードするDN
A配列はガンの診断に用いられる可能性がある。
また、アクチン・トロポミオシン結合機能単位、又は
カルモジュリン結合単位だけを単離できればカルシウム
イオン濃度にかかわらずアクチン−ミオシン間相互作用
を抑制又は促進できるため血管拡張物質あるいは消化管
運動促進調節物質として利用できる可能性もある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、カルデスモンの機能単位であるカル
ボキシル末端側の約35kDaのポリペプチド、及びその遺
伝子工学的製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明を概説すれば、本発明の第1の発明はカルデス
モン様ポリペプチドをコードするDNAに関する発明であ
って、下記一般式I: 〔式中RはAla−X、H−X又はHを示し、Xは下記一
般式II: で表されるポリペプチド残基を示す〕で表されるポリペ
プチドをコードするDNAであることを特徴とする。
また、本発明の第2の発明は本発明の第1の発明にお
けるポリペプチドをコードするDNAを含有させた組換え
体プラスミドを導入させた形質転換体に関する。
そして、本発明の第3の発明は本発明の第1の発明に
おけるポリペプチドの製造方法に関する発明であって、
本発明の第2の発明の形質転換体を培養し、該培養物よ
り本発明の第1の発明におけるポリペプチドを採取する
ことを特徴とする。
本発明者らはニワトリcDNAライブラリーからカルデス
モンの機能単位であるC末端側の35kDaのポリペプチド
をコードするcDNAクローンを選び出し、その塩基配列分
析からカルデスモンの機能単位のアミノ酸配列を決定し
た。更に、そのcDNAを発現用プラスミドに接続して、大
腸菌に導入し、カルデスモン様ポリペプチドを発現させ
ることに成功した。以下に記す知見に基づいて本発明を
完成させた。
以下、本発明を具体的に説明する。
カルデスモンが分布する組織から、Poly(A)+RNAを
含む全RNAを抽出し、これをオリゴ(dT)を結合させた
セルロース担体等で精製する。これを鋳型として逆転写
酵素を用いてcDNA合成を行う。cDNA合成方法として岡山
・バーグ法あるいはガブラー・ホフマン法が知られてい
る。このようにして合成したcDNAをプラスミドやファー
ジベクターに接続して、宿主に導入し、cDNAライブラリ
ーを構築する。
cDNAライブラリーから目的のクローンをスクリーニン
グする場合、2通りの方法がある。目的とするタンパク
質の部分的なアミノ酸配列を決定し、そのアミノ酸配列
をコードするオリゴヌクレオチドを合成し、それをプロ
ーブとしてスクリーニングする方法と目的とするタンパ
ク質に対する抗体を調製し、発現ベクターに構築したcD
NAライブラリーから免疫学的手法を用いてスクリーニン
グする方法である。
免疫学的スクリーニングを行う場合、発現用ベクター
としてλat11がよく用いられる。λgt11は市販されてお
り、例えばストラトジーン社から購入することもでき
る。λgt11を用い免疫学的スクリーニングする手段とし
ては、まずライブラリーをプレート上で増幅させ、IPTG
処理をしたニトロセルロースやナイロンのフィルターを
プレートに重ね、発現を誘起させ、発現したタンパク質
をフィルターに吸着させる。このフィルターをウシ血清
アルブミンを含む緩衝液(以下、ブロッキング溶液とい
う)に浸してブロッキングした後、目的とするタンパク
に対する抗体を含むブロッキング溶液に浸し、目的タン
パク質と抗体を結合させる。フィルターを洗浄した後、
酵素標識した二次抗体を含むブロッキング溶液に浸し、
目的タンパク質と結合した抗体と二次抗体を結合させ
る。アルカリホスファターゼやパーオキシダーゼで標識
した抗体は市販されている。フィルターを洗浄し、非吸
着の二次抗体を除いた後、基質溶液に浸し発色したクロ
ーンを選択する。このようにして得た組換え体ファージ
を宿主大腸菌に感染させ、その溶菌液から、ファージDN
Aを調製する。組換え体ファージDNAからcDNAを分離精製
し、塩基配列を決定する。カルデスモンの機能単位であ
る35kDaのポリペプチドのN末端の部分的アミノ酸配列
を決定し、これと塩基配列分析により決定したアミノ酸
配列を比較することにより、クローンの確認を行う。
発現の確認は、カルモジュリン−アフィニティーカラ
ム又はトロポミオシン・アフィニティーカラムに対する
親和性によりカルモジュリン及びトロポミオシン結合能
を確認することができる。またアクチンとの結合能はコ
セデメンテーション法により確認できる。
大腸菌からのカルデスモン様ペプチドの精製には上記
のアフィニティーカラムクロマトグラフィーを用いる。
すなわち、培養菌体を超音波処理して上清を得、更に、
カルデスモンの熱安定性を利用して、加熱処理を行っ
て、可溶性画分を得る。次いで陰イオン交換カラムを通
過させ核酸を除く。この通過液をアフィニティーカラム
クロマトグラフィーによってカルデスモン様ポリペプチ
ドを得ることができる。
以上のことから、本発明により、カルデスモンの機能
単位の一次構造が明らかとなり、その遺伝子工学的製造
方法を提供することが可能となった。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1 カルデスモンの機能単位であるポリペプチドをコード
するcDNAのクローニング (1−1)cDNAライブラリーの構築 ニワトリ胚砂嚢平滑筋から全RNAをグアニジン−塩化
セシウム法〔バイオケミストリー(Biochemistry)、第
18巻、第5294〜5299頁(197)〕により抽出し、Poly
(A)+RNAをオリゴ(dT)−セルロースカラムクロマト
グラフィーを行って精製する。精製したPoly(A)+RNA
を鋳型、オリゴ(dT)をプライマーとしてcDNAの合成を
ガブラー・ホフマン法〔ジーン(Gene)、第25巻、第26
3〜269頁(1983)〕に従い行った。T4DNAポリメラーゼ
によりcDNAの末端を平滑末端にした後、EcoR I−メチラ
ーゼによりcDNA内に存在するEcoR Iサイトをメチル化し
た。更にEcoR I−リンカー〔d(pG−G−A−A−T−
T−C−C)〕とcDNAをT4DNAリガーゼを用い連結させ
た後、EcoR I分離することにより両末端にBcoR Iサイト
を持つcDNAを構築した。このcDNAとλgt11−EcoR Iアー
ム(ストラトジーン社)をT4DNAリガーゼを用いて連結
させた後、ガイガパックゴールド(ストラトジーン社)
によりインビトロパッケージングを行いcDNAライブラリ
ーを構築した。
(1−2)cDNAライブラリーからのスクリーニング 宿主菌として大腸菌Y1090株を用いてプラークを形成
させた。すなわちY1090株をL培地に0.02%マルトース
を含む培地で、37℃で一晩培養し、遠心分離により集菌
する。これを10mM MgSO4に懸濁したものとファージ液を
混合し37℃で15分間保温し、ファージを宿主菌に吸着さ
せる。これを軟寒天(10mM MgSO4を含むL培地に終濃度
0.6%になるようにアガロースを加え、オートクレーブ
で処理した後78℃に保ったもの)を加え、L−プレート
上に広げた(以下、プレーティングと略す)。プレート
を42℃で3時間保温し、プラークを形成させた後、100m
M IPTG処理をしたナイロン膜、ハイボンド(Hybond)−
N(アマーシャム社)をプレート上に重ね、更に37℃で
3時間保温させた。ナイロン膜をプレートからはがし、
α−キモトリプシン分離による約35kDaフラグメント
〔ジャーナル オブ バイオケミストリー(J.Bioche
m.)、第102巻、第1065〜1073頁(1987)〕を免疫した
ウサギから得た抗カルデスモン35kDaフラグメント・ウ
サギ抗体及びアルカリホスファターゼで標識した抗ウサ
ギ・ヤギ抗体F(ab′)フラグメントを二次抗体とし
て用いた免疫学的スクリーニングを行い、ポジディブク
ローンをNBT及びBCIPで発色させた。200000クローン中
4つのポジティブシグナルを得た。発色したシグナルに
相当する位置のプラークを寒天ごと500μのSM溶液〔5
0mM トリス(Tris)−HCl、100mM NaCl、10mM MgSO4
pH7.5〕に懸濁し、適度に希釈してプレーティングし、
上記と同様のスクリーニングを行い、4つのシグナルフ
ァージを単離した。
(1−3)組換え体λg11DNAの調製 次にクローン化したファージをそれぞれ105個程度プ
レーティングし、42℃で3時間、続いて37℃で一晩保温
した後、15mlのSM溶液、数滴のクロロホルムを加え室温
で30分間放置する。上層軟寒天をかき取り、SM溶液と共
に遠沈管に入れ3000rpmで15分間、遠心分離する。上清
に40%(w/v)ポリエチレングリコール6000を終濃度10
%になる様に加えよくかくはんした後4℃で1時間放置
し、3000rpmで15分間遠心分離を行う。上清を捨て、沈
殿物に数mlのSM溶液を加えてかくはんし、4℃保存する
(以下、プレートライセート法と略す)。上記の方法で
1×1010PFU/mlのファージ液を得た。
L培地で一晩培養した大腸菌Y1090株を集菌し、10mM
MgSO4に懸濁し、上記ファージ液と多重感染度が0.01に
なる様に混合し、37℃で15分間保温する。ファージ・大
腸菌混合液を10mM MgSO4を含むL培地に接種し、37℃で
溶菌した大腸菌残渣が認められるまで培養する。塩化ナ
トリウム、クロロホルムをそれぞれ終濃度が0.5M及び0.
5%になる様に加え、更に37℃で15分間かくはんする。
遠心分離した上清にポリエチレングリコール6000を10%
(w/v)になる様に溶かし、4℃で一晩放置する。沈殿
したファージを遠心分離して集めTM溶液(50mM トリス
−HCl、10mM MgSO4、pH7.8〕に溶かしグリセロールステ
ップグラジェント超遠心分離法〔1982年、コールド ス
プリング ハーバー ラボラトリー発行、T.マニアステ
ィス(T.Maniastis)ほか著、モレキュラー・クローニ
ング、ア・ラボラトリー・マニュアル(Malecular Clon
ing,A Laboratory Manual)第83〜84頁〕によりファー
ジを精製する。
得られたファージをTM溶液に懸濁し、DNase I及びRNa
se Aを加え37℃で30分間保温後、EDTA、プロテネースK
(シグマ社)、及びSDSをそれぞれ終濃度が20mM、50μg
/ml、及び0.5%になる様に加え65℃で1時間保温する。
フェノール抽出、ジエチルエーテル抽出を行い、水層に
1/10量の5M塩化ナトリウム溶液と2倍量のエタノールを
加え、DNAを沈殿させた(以下、エタノール沈殿と略
す)。遠心分離により沈殿したDNAを回収し、70%エタ
ノールで洗浄した後乾燥し、100μのTE溶液(10mM
トリス−HCl、10mM EDTA、pH8.0〕に溶解させた。
(1−4)挿入断片の塩基配列決定 先に調製した組換え体λgt11DNAをEcoR I分解し、挿
入断片を分離、精製し、M13mp18RF DNAのEcoR Iサイト
にクローニングする。組換え体M13mp18RF DNAをSal I及
びSph Iで分離した後、エキソヌクレアーゼIIIを用いた
手法〔続生化学実験講座1.「遺伝子研究法I」第186〜2
00頁(1986)〕によりSal I末端から5′側に約300bp
(ベースペア)ずつ欠失した変異体を作製した。挿入断
片の方向が逆の組換え体M13mp18RF DNAについても同様
の操作を行い欠失変異体を作製した。大腸菌JM109をそ
れぞれのM13mp18誘導体RF DNAで形質転換し、M13mp18誘
導体一本鎖DNAを調製し、ジデオキシ法によって塩基配
列を決定し、アミノ酸配列を決定した(第1図)。すな
わち第1図は本発明のポリペプチドの一例をコードする
塩基配列及びアミノ酸配列を示す図である。
実施例2 カルデスモン様ポリペプチドを発現するプラ
スミドの構築 (2−1)カルデスモンの機能単位を含む307アミノ酸
残基から成るポリペプチドをコードするプラスミドの構
築。
M13mp18RF DNAのEcoR Iサイトに挿入されたcDNA断片
をSau3A I及びAva IIで分解し、306アミノ酸残基のポリ
ペプチドをコードするDNA断片を分離精製し、クレノウ
フラグメントで平滑末端にした。Nco Iリンカー〔d(p
AG−CCATGGCT)〕をT4DNAリガーゼを用い連結させた
後、Nco I分解を行い両末端にNco Iサイトを持つ断片を
得た。これをプラスミドpTV118NのNco Iサイトに挿入
し、大腸菌HB101に導入し、プラスミドpTCGCaD307を得
た。このプラスミドはカルデスモンの機能単位である30
6アミノ酸残基のポリペプチドのN末端にアラニン残基
が1個付加したポリペプチドをコードする。
pTCGCaD307を導入した大腸菌HB101をBscherichia col
i HB101/pTCGCaD307と表示し、工業技術院微生物工業技
術研究所に寄託した〔微工研菌寄第10666号(FERM P−1
0666)〕。
(2−2)カルデスモンの機能単位である306アミノ酸
残基のポリペプチドをコードするプラスミドの構築。
pTCGCaD307への部分特異的変異の導入はクンケル(Ku
nkel)らの方法〔プロシーディングズ オブ ザ ナシ
ョナル アカデミー オブ サイエンシーズ オブ ザ
USA、第82巻、第488〜492頁(1985)及びメソッズ
イン エンザイモロジー(Methods in Bnzymology)第1
54巻、第367〜382頁(1987)〕に準じて構成された、サ
イト−ダイレクテッド ミュタジェネシス システム
ミュータン−K(Site−directed mutagenesis system
Mutan−K)〔宝酒造(株)販売〕を用いて行い、天然
型カルデスモンの機能単位である306アミノ酸残基のポ
リペプチドをコードするプラスミドpTCGCaD306を構築し
た。
プラスミドpTCGCaD307の一本鎖DNAを大腸菌BW313に導
入し、一本鎖DNAを回収した。得られた一本鎖DNAをあら
かじめリン酸化したオリゴヌクレオチド〔d(pCAGACCA
TGGATCGTAAA)〕とアニーリングさせ、T4DNAポリメラー
ゼ、B.coli DNAリガーゼを加え反応させ、二本鎖DNAを
形成させる。これを大腸菌BMH71−18mut Sに形質転換
し、pTCGCaD306を得た。
(2−3)カルデスモンの機能単位を含む136アミノ酸
残基から成るポリペプチドをコードするプラスミドの構
築。
プラスミドpTCGCaD307をAcc I分解した後、クレノウ
フラグメントにより平滑末端化する。更に、BamH I分解
し、C末端側の136アミノ酸残基をコードする領域及び
マルチクローニングサイトの一部を含む断片を分離す
る。この断片をpTV118NのNco I分解、クレノウフラグメ
ントにより平滑末端化した末端とBamH I分解末端の間に
挿入し、プラスミドpTCGCaD136を得た。
pTCGCaD136を導入した大腸菌HB101をBscherichia col
i HB101/pTCGCaD136と表示し、工業技術院微生物工業技
術研究所に寄託した〔微工研菌寄第11324号(FERM P−1
1324)〕。
実施例3 カルデスモン様ポリペプチドの大腸菌におけ
る発現 (3−1)307アミノ酸残基から成るカルデスモン様ポ
リペプチドの大腸菌における発現 pTCGCaD307を導入した大腸菌HB101を50μg/mlのアン
ピシリンを含むL−培地5mlに接種し、37℃で一晩振と
う培養する。これを同濃度のアンピシリンを含むL−培
地500mlに接種し37℃で振とう培養し、対数増殖中期に
達した時点で、IPTGを終濃度2mMになるように添加し、
更に17時間培養を行い集菌した。
菌株をE溶液〔0.3M塩化カリウム、0.5mM EGTA、0.5m
M MgCl2、0.5mM DTT、0.3mM PMSF、50mMトリス−HCl pH
7.0〕に懸濁し超音波により菌体を破壊する。遠心後、
上清を95℃で5分間保温し冷却する。遠心して残渣を除
き、上清をC1溶液〔120mM塩化ナトリウム、0.1mM EGT
A、0.2mM DTT、10mMトリス−HCl、pH7.3〕に対して透析
する。透析内液をC1溶液で平衡化したDEAE−トヨパール
650Mカラムを通過させる。この通過液に塩化カルシウム
を終濃度5mMになるように添加した後、C2溶液〔70mM塩
化ナトリウム、0.2mM塩化カルシウム、0.1mM DTT、10mM
トリス−HCl、pH7.5〕で平衡化したカルモジュリンと
カップリングさせたセファロース4B(ファルマシア・LK
B)カラム〔ジャーナル オブ バイオケミストリー、
第102巻、第1065〜1073頁(1987)〕にかけ、1.2mM EGT
Aを含むC2溶液で溶出した。
上記の方法で精製したニワトリカルデスモン様ポリペ
プチドはカルモジュリンとカップリングさせたアフィニ
ティー樹脂とカルシウムイオンに依存して結合、遊離す
ることから天然型カルデスモンと同様のカルモジュリン
に対する作用を保有することが示された。
アクチンとの結合能及びフリップ・フロップ制御能は
コセデメンテーション法〔BBRC、第132巻、第645〜651
頁(1985)及びジャーナル オブ バイオケミストリ
ー、第102巻、第1065〜1073頁(1987)〕により確認し
た。
トロポミオシンとの結合能はトロポミオシンとカップ
リングさせたアフィニティーカラムとの吸着により確認
した。すなわち、江橋らの方法〔ジャーナル オブ バ
イオケミストリー、第78巻、第859〜861頁(1975)〕に
よりニワトリ砂嚢平滑筋から調製したトロポミオシンを
セファロース4B樹脂(ファルマシア・LKB)とカップリ
ングさせたアフィニティーカラムに上記の方法で精製し
たニワトリカルデスモン様ポリペプチドをかけ塩化カリ
ウム濃度を順次かえて溶出したところ40mMから60mMの濃
度で溶出された。これは、ニワトリ由来のカルデスモン
の溶出パターンと一致した。
(3−2)136アミノ酸残基から成るカルデスモン様ポ
リペプチドの大腸菌における発現 pTCGCaD136を導入した大腸菌HB101を実施例(3−
1)と同様の条件で培養、抽出、加熱処理を行って、カ
ルモジュリンとカップリングさせたアフィニティー樹脂
を用いて本カルデスモン様ポリペプチドを精製した。
また、本カルデスモン様ポリペプチドはアクチン及び
トロポミオシン共に結合能を持つことを実施例(3−
1)と同様の方法を用いて確認した。
以上の結果、C末端側の136アミノ酸残基から成るポ
リペプチドがカルデスモンの全機能を持つことが明らか
にされた。
〔発明の効果〕
以上の結果から、本発明によりカルデスモンの機能単
位の全アミノ酸配列及びそのDNA配列が明らかとなり、
カルデスモン様ポリペプチドの遺伝子工学的製造方法が
提供された。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のポリペプチドの一例をコードする塩基
配列及びアミノ酸配列を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 38/00 A61K 37/02 (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (72)発明者 加藤 郁之進 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒 造株式会社中央研究所内 (72)発明者 祖父江 憲治 大阪府茨木市東中条町3―5 (56)参考文献 Journal of Bioche mistry,102(5)(1987),p. 1065−1073 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 - 15/90 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) Geneseg

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルデスモンの機能単位であり、下記一般
    式I: 〔式中RはAla−X,又はHを示し、Xは下記一般式II: で表されるポリペプチド残基を示す〕で表されるポリペ
    プチドをコードするDNA。
  2. 【請求項2】請求項1記載のポリペプチドをコードする
    DNAを含有させた組換え体プラスミドを導入させた形質
    転換体。
  3. 【請求項3】請求項2記載の形質転換体を培養し、該培
    養物より請求項1記載のポリペプチドを採取することを
    特徴とする請求項1記載のポリペプチドの製造方法。
JP2056536A 1989-04-28 1990-03-09 カルデスモン様ポリペプチド Expired - Fee Related JP2931024B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

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