JPH10155491A - 新規な蛋白質及びそれをコードするdna - Google Patents

新規な蛋白質及びそれをコードするdna

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JPH10155491A
JPH10155491A JP8334882A JP33488296A JPH10155491A JP H10155491 A JPH10155491 A JP H10155491A JP 8334882 A JP8334882 A JP 8334882A JP 33488296 A JP33488296 A JP 33488296A JP H10155491 A JPH10155491 A JP H10155491A
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protein
bas
amino acid
grip
pdz
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JP8334882A
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Kazuhiko Maekawa
前川  和彦
Noriko Imagawa
紀子 今川
Osamu Yoshie
修 義江
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Shionogi and Co Ltd
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Shionogi and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細胞内シグナル伝達に関与する新規な蛋白質
を得る。 【解決手段】 PDZドメインを有する蛋白質と結合
し、カルボキシ末端に配列番号1に記載のアミノ酸番号
397−404で示されるアミノ酸配列を有する蛋白
質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト細胞内シグナ
ル伝達に関与する蛋白質の遺伝子工学的な製造に関し、
さらに詳しくは、チロシンリン酸化蛋白質(チロシン残
基がリン酸化された蛋白質)との結合活性を示す蛋白質
をコードするDNA、該DNAを含有するベクター、該
ベクターで形質転換された宿主細胞、得られた形質転換
体を培養することによる、組換え蛋白質の製造、及びこ
のようにして製造された組換え蛋白質に関する。
【0002】
【従来の技術】細胞内のシグナル伝達過程として非常に
重要なものに、ある種の蛋白質の可逆的チロシンリン酸
化がある。このタイプのシグナル伝達機構は、通常、触
媒型受容体タンパクを介しており、まず、該タンパクが
細胞外でリガンドと結合すると、細胞質側に露出した触
媒部位で細胞中の特定の蛋白質(自己を含む)のチロシ
ン残基をリン酸化し、細胞内にシグナルを伝達する。シ
グナル伝達は、このチロシンのリン酸化と、リン酸化さ
れた蛋白質の脱リン酸化を通して行われる。即ち、蛋白
質のチロシン残基のリン酸化または脱リン酸化は、調節
される蛋白質のコンフォメーションの変化を引き起こし
たり、あるいは新たな蛋白質−蛋白質結合を誘導するこ
とにより、細胞内でシグナルを伝えていると考えられ
る。蛋白質のチロシンリン酸化はプロテインチロシンキ
ナーゼ(以下チロシンキナーゼと呼称)、脱リン酸はプ
ロテインチロシンフォスファターゼ(以下チロシンフォ
スファターゼと呼称)によって、それぞれ行われる。す
でに記したように、チロシンリン酸化によって伝えられ
るシグナルは可逆的であるので、チロシンフォスファタ
ーゼによって脱リン酸化される基質は、即ちチロシンキ
ナーゼによってリン酸化される基質であり、この「基
質」となる蛋白質がシグナル伝達系において非常に重要
な役割を担っていると考えられる。
【0003】多くの癌遺伝子産物や成長因子受容体が、
チロシンキナーゼ活性を有している事が発見されて以
来、チロシン残基における蛋白質のリン酸化の重要性が
認識され、これまでに非常に多数のチロシンキナーゼ
や、チロシンフォスファターゼがクローニングされてい
る。しかしながら、チロシンキナーゼの基質となる蛋白
質そのもの、さらにはチロシンフォスファターゼが、脱
リン酸化されるべきチロシンリン酸化蛋白質(基質)を
どのように選択するかについては、殆ど理解が進んでい
ない状態である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】チロシンリン酸化−脱
リン酸化に関与する蛋白質を同定し、細胞内シグナル伝
達機構を調べることが、様々なシグナルによって刺激さ
れる生理作用、細胞の正常又は異常な増殖や細胞接着機
構等の研究の推進に役立つと考えられる。既知のチロシ
ンフォスファターゼの1つにPTP−BAS(プロテイ
ン チロシン フォスフォターゼ−BAS)がある。PT
P−BASはヒト好塩基球より単離された細胞質型チロ
シンフォスファターゼで、FAP−1、PTP−L1、
PTP−1E、PTPN13とも呼ばれ[Maekawa,K.,
Imagawa,N., Nagamatsu,M 及びHarada,S. FEBS lett. 3
37,200-206(1994);Sato, T., Irie,S., Kitada,S. 及
びRead,C., Science 268, 411-415 (1995)]、分子内に
1つのBand4.1 相同領域とチロシンフォスファターゼ(P
TPase)活性領域、そして5つのPDZドメインと呼ば
れる領域を持つ。Band4.1 相同領域は細胞骨格に結合し
ている蛋白質 Band4.1に相同性を示す領域で、これを持
つ分子を細胞骨格近傍にアンカーする働きがあると考え
られている。またチロシンフォスファターゼ活性領域は
プロテインチロシンフォスファターゼに、必ず1つ以上
存在する相同性の高い領域であり、チロシン脱リン酸化
能はこの領域によって発揮されると考えられている。一
方PDZドメインは別名GLGFリピートあるいはDH
Rとも呼ばれ、PSD−95やDLG−Rファミリー及
びZO−1等の蛋白質に共通して見い出された領域であ
る。近年、PDZ領域を介して蛋白質−蛋白質結合が形
成されることが見出され、この領域が様々な細胞内シグ
ナル伝達に関与する事が分かってきた[Kim,E.,Nietha
mmer,M.,Rothschild,A.,Jan,Y.N. 及びSheng,M. : Nat
ure 378, 85-88 (1995)]。PTP−BASはこのPD
Zドメインを少なくとも5つ有しているが(図3)、り
ん酸化蛋白質と結合する仕組みは未だ見いだされていな
いことから、基質となるりん酸化蛋白質を認識し、脱り
ん酸化する機構の解明が急がれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、細胞内シ
グナル伝達に関与する蛋白質を得ることを目的として鋭
意、研究を重ねた結果、PTP−BASのPDZドメイ
ンをバイト(bait)として用い、この領域に結合する蛋
白質の遺伝子をYeast Two-hybrid System(Vojtek,A.,
B., Hollenberg,S.,M.,及び Cooper, J.,A.: Cell 74,2
05-214(1993))を利用して単離し、その塩基配列を決定
し、それによってコードされている新規な蛋白質のアミ
ノ酸配列を決定した。これらの塩基配列及びアミノ酸配
列は、それぞれ配列番号1及び2に示されている。この
新規な蛋白質は、分子内に2つのPH(pleckstrin homo
logy)ドメインと、C末端領域にPDZドメインとの結
合領域とを有し、リン酸化蛋白質に対して結合活性を示
すことが分かった。これらの事実は、該蛋白質がシグナ
ル伝達機構に関与することを示唆するものである。
【0006】従って、本発明は、PDZドメインを有す
る蛋白質と結合し、カルボキシ末端に配列番号1に記載
のアミノ酸番号397−404で示されるアミノ酸配列
を有する蛋白質を提供するものである。本発明はまた、
カルボキシ末端に配列番号1に記載のアミノ酸番号39
3−404で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質を提
供するものである。上記の本発明の蚕白質には、PDZ
ドメイン結合領域と2個のPHドメインを有する蛋白質
が含まれる。本発明により、細胞内シグナル伝達に関与
する新規な蛋白質をコードするDNAがクローニングさ
れ、該蛋白質のアミノ酸配列及びそれをコードしうるD
NAが開示されたので、当業者ならば、当該技術分野で
既知の方法によって該アミノ酸配列において1又はそれ
以上のアミノ酸の挿入、欠失又は置換により、本発明の
新規な蛋白質を得ることができる。従って、本発明はま
た、配列番号1に記載のアミノ酸配列又は該アミノ酸配
列に対する1以上のアミノ酸の挿入、欠失又は置換によ
り導かれるアミノ酸配列を有し、PDZドメインを有す
る蚕白質と結合しうる蛋白質を提供する。
【0007】本発明はまた、上記の新規な蛋白質をコー
ドしているDNA、該DNAを含有するベクター、該ベ
クターで形質転換された宿主細胞、及び該形質転換体を
培養することによる、新規な組換え蛋白質の製造方法を
も提供する。本発明の蛋白質は、後述するように、蛋白
質分子全体のみならずそのフラグメントも有用であり、
そのようなフラグメントとして、配列番号1のアミノ酸
番号290−404、特にアミノ酸番号393−40
4、中でもアミノ酸番号397−404で示される配列
を有するペプチドフラグメントを挙げることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の蛋白質及びそれ
をコードするDNA、及びその製造方法について、詳し
く説明する。なお、本明細書中、本発明の新規な蛋白質
を「BAS−GRIP」と呼称する。またBAS−GR
IPをコードするDNAをBAS−GRIP DNAと
呼称するが、単にBAS−GRIPと記載することもあ
る。本発明の目的から、BAS−GRIPをコードする
DNAは、合成DNA(例、cDNA)又は天然のDN
A(ゲノムDNA)のいずれであってもよく、これら全
てを包含するものである。また、本発明の蛋白質BAS
−GRIPが結合するチロシン残基がリン酸化された蛋
白質を「チロシンリン酸化蛋白質」と称する。
【0009】PHドメインはpleckstrin、dynamin や m
SOS といった種々のシグナル伝達タンパクに見いだされ
るドメインであり、その機能としてG蛋白質との結合や
フォスファチジルイノシトール−4、5−二リン酸(P
IP2)などのリン脂質との結合が報告されている[Ha
rlan,J.E., Hajduk,P.J. Yoon H.S. 及び Fesik,S.W.:N
ature,371,168-170(1994)]。また、pleckstrin の結晶
構造解析の結果から、PHドメインが、一次構造上は全
く相同性のない、Shc やIRS-1 のリン酸化チロシン結合
(PTB:phospho-tyrosine binding)ドメインとよく
似た立体構造をしている事が報告されており、機能面で
も同様の働きをすることが期待される[Lemmon,M.A.,Fe
rguson,K.M.及びSchlessinger,J.:Cell,85,621-624(19
96)]。しかしながら、実際にPHドメインが、チロシ
ンリン酸化蛋白質と結合する事を示した報告はない。
【0010】後述するように、本発明のBAS−GRI
Pは、PHドメインを介してチロシンリン酸化蛋白質と
結合することが示唆され、チロシンりん酸化を介する細
胞内シグナル伝達機構に関与していることが明らかにな
った。具体的には、BAS−GRIPは、PDZドメイ
ンをもつチロシンフォスファターゼ、例えばPTP−B
ASに基質(チロシンりん酸化蛋白質)を提供する活性
を有する可能性が示唆された。また、本発明のBAS−
GRIPとPDZとの結合には、C末端側のアミノ酸配
列、配列番号1におけるアミノ酸番号290〜404、
中でもアミノ酸番号393−404の12アミノ酸が重
要な役割を果していることが示された。従って、これら
のペプチドフラグメント又はそれに対する抗体は、PD
Zドメインと、それに結合する蚕白質(例えばFAS)
の結合を阻害し、シグナル伝達を変化させることがで
き、有用である。なお、ペプチド及びDNAは、新規P
DZ含有蚕白の検索に利用できる。以下に、BAS−G
RIPの製造方法、その解析結果を説明する。
【0011】(1)BAS−GRIPを コードするDN
A分子の単離 PTP−BAS(type2)のPDZドメインを含むアミ
ノ酸残基番号1206−1496の領域(Maekawa,K.
ら、FEBS lett. 337,200-206(1994))をバイト(Bait)
として、ヒト腎臓由来cDNAより製作されたtwo-hybr
id screening用ライブラリー(Clontech社、CA、USA)
をyeast two-hybrid system(前掲)によってスクリー
ニングした。これにより、このPDZ領域と結合する活
性のある遺伝子の一部または全部がLexA 結合ドメイン
と融合した形で単離される。単離した遺伝子断片をプロ
ーブとして用いて、再びヒト腎臓由来cDNAより作製
されたλgt10ライブラリー(Clontech社、CA、USA)を
ハイブリダイゼーションによりスクリーニングして陽性
クローン(S4-1)を得、配列決定し、目的のPTP−BA
SのPDZ領域と結合する遺伝子であることを確認し
た。
【0012】(2)BAS−GRIPの 一次構造 単離したBAS−GRIPをコードするDNA(クロー
ンS4-1)の塩基配列を決定し(配列番号2)、アミノ酸
配列を推定した(配列番号1)。配列番号1のアミノ酸
配列における1位のメチオニン残基(配列表2の64位
から66位のATGコドンに相当)は、翻訳開始部位に
典型的な保存配列に囲まれている。またその上流にはイ
ンフレームで終始コドン(配列表2の46位から48位
のTAAコドンに相当)があり、これ以上、上流に蛋白
質コード領域がないことを示している。このアミノ酸配
列のコンピューター解析により、BAS−GRIPには
pleckstrinと弱い相同性を示す領域が2カ所見出され、
さらに解析を進めた結果、これらはPHドメインである
ことが分かった。図1及び2に、BAS−GRIPの2
つのPHドメイン(図中、PH1及びPH2)とヒトpl
eckstrinPHドメイン(図中、PlekN)、ヒトDynaminP
Hドメイン(図中、DynA)とを対比させて示す。また、
図3に、スクリーニングに用いたPTP−BASのPD
Zドメイン及びBAS−GRIPの構造模式図を示す。
【0013】(3)BAS−GRIPの PDZドメイン
との結合 BAS−GRIPがどの部分でPDZドメインと結合す
るかを調べるため、種々の変異体をコードするDNAを
作製し、Yeast Two-hybrid Systemによって各変異体の
結合活性を調べた。その結果、図4に示すように、結合
はBAS−GRIPのC末端から12アミノ酸以内の領
域で行われ、C末端のバリンにアラニンを人工的に付加
すると結合活性が失われる事が分かった。即ちC末端の
バリンがフリーのカルボキシル末端をもつことが、BA
S−GRIPとPDZドメインとの結合に重要である。
従って、この12アミノ酸ペプチド断片又はそれに対す
る抗体を用いて、PDZドメインと、それに結合する蚕
白質(例えばFAS)の結合を阻害し、シグナル伝達を
変化させることができる。また、ペプチド及びDNAは
新規PDZ含有蚕白の検索に利用できる。
【0014】(4)BAS−GRIPの 染色体上の位置
決定 BAS−GRIPがヒト染色体のどの部位に存在するか
を決定するため、BAS−GRIPの一部を特異的にゲ
ノムDNAから増幅するプライマーを用い、ヒト−ハム
スターの雑種細胞から単離したDNAパネルをテンプレ
ートに用いてPCRを行った。その結果、ヒト10番染
色体上にBAS−GRIPはコードされていることがわ
かった。その位置をさらに詳しく決定するため、同じく
ヒト−ハムスターRadiation Hybrid panelをテンプレー
トにしてPCRを行った。その結果、BAS−GRIP
をコードする遺伝子は10番染色体の長腕に存在するマ
ーカーWI−5255の近傍に位置することが分かっ
た。
【0015】(5)BAS−GRIPの 機能及び考察 上記の様に、BAS−GRIPは2つのPHドメインお
よびC末端領域にPDZドメインと結合できる部位を有
する。BAS−GRIPがチロシンフォスファターゼP
TP−BASのPDZドメインと結合する蛋白質として
単離されたこと、およびpleckstrinのPHドメインの立
体構造が、一次構造的には相同性のないPTBドメイン
と似ている(Lemmon,M.A.,Ferguson,K.M.,Schlessinge
r,J.:Cell,85,621-624(1996))ことから、このPHドメ
インにはチロシンリン酸化された蛋白質と結合する活性
があると推察され、それを以下のようにして確認した。
【0016】1)BAS−GRIPのN末端にHAエピ
トープタグを導入した変異体HA−BAS−GRIPを
作製し、これを発現ベクターに組み込み、35S−メチオ
ニン、システイン存在下でサル腎臓由来COS7細胞に
発現させた。この細胞をPAO(酸化フェニル砒素(Ph
enyl arsine oxide))で処理したのち、細胞を可溶化
し、HAエピトープタグに対する抗体またはBAS−G
RIPに対する抗体で免疫沈降を行った。PAOはチロ
シンフォスファターゼに対する阻害剤で、この薬剤で細
胞を処理することにより、細胞内のチロシン脱リン酸化
酵素は機能を失い、結果的に細胞内でチロシンリン酸化
が昂進した状態になる。即ち、通常は、特定のシグナル
に反応して、特定の蛋白質がリン酸化され、やがて脱リ
ン酸化され、平常状態に戻るが、PAO処理によって、
蛋白質が継続的にリン酸化される異常な状態になる。特
定のシグナルがない時でも、チロシンキナーゼは弱く活
性化されているが、細胞内にチロシンフォスファターゼ
が同時に存在しているため、シグナルは伝わらない。と
ころがPAO処理によってフォスファターゼ活性が阻害
されるためにこの平衡状態が崩れ、シグナルが入らなく
ても蛋白質がチロシンリン酸化された状態になる。
【0017】従って、何らかの刺激でチロシンリン酸化
された状態の蛋白質がBAS−GRIPに結合するなら
ば、BAS−GRIPを免疫沈降した場合、その蛋白質
がBAS−GRIPと一緒に免疫沈降されると考えられ
る。上記の条件でPAO処理した細胞およびPAO処理
しなかった細胞からHA−BAS−GRIPを免疫沈降
した結果、約100Kダルトンおよび約25Kダルトン
の蛋白質がPAO処理特異的に共沈してくることが分か
った(図5)。 2)共沈した蛋白質がリン酸化されていることを確認す
るため、同様の実験を、35S−メチオニン、システイン
でなく、32P存在下で行った。その結果、同様にPAO
処理特異的にリン酸化された約100Kダルトンおよび
約25Kダルトンの蛋白質が共沈することが示された。
この2つの蛋白質がチロシンにリン酸化を受けているこ
とを確かめるために、この蛋白に相当するバンドを切り
抜き、ホスホアミノ酸分析を行ったところ、これらの約
100Kダルトン及び約25Kダルトンの蛋白質は、い
ずれもチロシンリン酸化されていることが示された(図
6)。
【0018】3)上記のように、BAS−GRIPはP
TP−BASのPDZドメイン結合能及びチロシンリン
酸化蛋白質結合能を有しており、PTP−BASにはチ
ロシンリン酸化蛋白質と結合する仕組みは見いだされて
いないことから、チロシンリン酸化蛋白質を、PTP−
BAS近傍にリクルートしてくる機能を担っていると考
えられる。従って、BAS−GRIPがその機能を失
う、又は阻害されることにより、特定の蛋白質が脱リン
酸化されなくなり、該蛋白質はそれが関与するシグナル
の受けた状態で維持されることになる。その結果、既述
の「可逆的チロシンリン酸化」システムが崩れ、細胞内
シグナル伝達機構が正常に作動しなくなり、生理的な異
常が引き起こされる可能性がある。
【0019】4)また、BAS−GRIPのPDZ結合
部位はセリン−X(任意のアミノ酸)−バリンといった
PSD−95などのPDZドメイン結合コンセンサス配
列をもっていることから、PTP−BAS以外のPDZ
を有する蛋白質と結合することが予想される。このよう
に、BAS−GRIPは、チロシンキナーゼの基質であ
ると同時にフォスファターゼの基質でもあり、細胞内シ
グナル伝達に関与する蛋白質のスクリーニング、シグナ
ル伝達の機構等の解明に有用である。
【0020】本発明のBAS-GRIPをコードするD
NAの発現には、当業者既知の発現ベクター−宿主系か
ら、適当なものを選択して用いることができる。次い
で、選択した発現ベクターのプロモーターの下流に本発
明のBAS-GRIP DNAを挿入し、適当な宿主に導
入し、培養することにより、製造することができる。本
発明のBAS−GRIP DNAを担持する発現ベクタ
ーで形質転換するための宿主としては、大腸菌等の原核
性微生物、S.セレビシエ等の真核性微生物、さらには
より高等な動物細胞、哺乳類細胞等が用いられる。
【0021】宿主として、原核性細胞、特に大腸菌を使
用するのに適した発現ベクターは既知であり、例えば、
lacプロモーターやtacプロモーターを用いるものがあ
る。BAS−GRIP DNAを大腸菌宿主中で発現さ
せるためには、あらかじめ、このDNAを大腸菌の遺伝
子発現系に連結しておく必要がある。大腸菌の発現系に
ついてはすでに多くの成書[例、マニアティスら(Man
iatis),(1982),Moleular Cloning:A Labor
atory Manual,Cold Spring Harbor Laborator
y]があり、それらに従って行うことができる。
【0022】酵母での発現のためのプロモーターとして
は、ADHプロモーター等、哺乳動物細胞での発現のた
めのプロモーターとしては、SRαプロモーター、CM
Vプロモーター、CAGプロモーター、EF−1aプロ
モーター等を挙げることができる。発現ベクターによる
宿主細胞の形質転換は既知であり、Molecular Clonin
g:ALABOLATORY MANUAL, Cold Spring Harbor Laborato
ry Pressに記載の方法で行うことができる。例えば、原
核性宿主の場合は、コンピテントセル作製法、真核性宿
主の場合は、コンピテントセル作製法、哺乳動物細胞の
場合はトランスフェクション法、エレクトロポレーショ
ン法により行うことができる。次いで、得られた形質転
換体を適当な培地に培養する。生産されたBAS−GR
IPが培養溶液、培養濾液(上澄み)中に存在していると
きは、培養物を濾過又は遠心分離する。培養濾液から、
天然又は合成の蛋白質の精製、単離に一般的に用いられ
る常法(例えば透析、ゲル濾過、抗BAS−GRIPモ
ノクロナール抗体を用いてのアフィニティカラムクロマ
トグラフィー、適当な吸着剤を用いてのカラムクロマト
グラフィー、高速液体クロマトグラフィー等)によって
BAS−GRIPを精製することができる。生産された
BAS−GRIPが培養形質転換体のペリプラズム及び
細胞質中に存在するときは、濾過や遠心分離によって細
胞を集め、それらの細胞壁及び/又は細胞膜を、たとえ
ば超音波及び/又はリゾチーム処理によって、破壊し
て、デブリス(細胞破砕物)を得る。デブリスを適当な
水溶液(例えばトリス−塩酸緩衝液)に溶解させる。こ
の溶液から、常法によって、BAS−GRIPを精製す
ることができる。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を詳しく説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。実施例1 PTP−BASのPDZドメインと結合する
遺伝子断片のクローニング クローニングはYeast two-hybrid systemにより行っ
た。PTP−BAS(type2)のアミノ酸残基番号12
06から1496に相当する部分をLexAのDNA結合ド
メインとの融合蛋白として発現するプラスミドpBTM116-
G2を構築し、これをbaitとして使用した。スクリーニン
グの対象となるライブラリーは1×106個の独立した
クローンを持つ、ヒト腎臓由来のcDNAをインサート
とした、human kidney MATCHMAKER cDNAライブラリー
[Clontech社、CA、USA]を用いた。これらのプラスミ
ドを文献[Vojtek,A.,B., Hollenberg,S.,M., & Coope
r, J.,A. : Cell 74,205-214(1993)]に記載されてい
るようにイーストL40株にトランスフォームし、ヒス
チジン要求性の消失及びβガラクトシダーゼ活性の発現
を指標として陽性クローンの単離を行った。スクリーニ
ングは5mM 3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾー
ルを含むSD−LWH培地で作製したプレートを使用し
た。このスクリーニングで4個の陽性クローンを得た。
この陽性クローンの配列を、それぞれ、Autoread Seque
ncing Kit[Pharmacia Biotech社、Uppsala、Sweden]
とA.L.F.DNAシーケンサー[Pharmacia Biotech社、Upp
sala、Sweden]を使用して決定した。その結果、これら
は全く同じ配列を持っていることが判明した。このヌク
レオチド配列の解析により、two-hybrid systemスクリ
ーニング陽性クローンG2Y13は、1785個ヌクレ
オチドからなるインサートを持ち、35アミノ酸がLexA
のDNA結合ドメインの下流にEcoRI制限酵素サイトで
融合した、融合蛋白を発現することがわかった。
【0024】実施例2 BAS−GRIP遺伝子全長c
DNAの単離 two-hybridスクリーニングで得られた陽性クローンG2
Y13から制限酵素EcoRIでインサートを切り出し、こ
れをReady-To-Go DNA Labeling Kit[PharmaciaBiotech
社、Uppsala、Sweden]および「α−32P]dCTPを使
用して標識したものをプローブとして、ヒト腎臓由来c
DNAを含むλgt10ライブラリー[Clontech社、CA、US
A]をスクリーニングした。このスクリーニングでは、
5×SSPE(pH7.7)、5×Denhardt's溶液、0.
5%SDS及び20μg/mlサケ精子DNAを含有する
緩衝液中、60℃にて18時間ハイブリダイゼーション
を行った。その結果、1個の陽性クローンS4−1を得
た。このS4−1の配列解析を行ったところ、two-hybr
id systemでクローニングしたクローン(G2Y13)と
3'側が719bp重複したシーケンスをもっていること
がわかった。これらクローンの構造及び相互関係の模式
図を図3に示す。ヌクレオチド解析により、S4−1は
63ヌクレオチドの5'非翻訳領域と612ヌクレオチ
ドの3'非翻訳領域を伴う404アミノ酸をコードする
1212ヌクレオチドのオープン解読枠を含有している
ことが判明した。S4−1のヌクレオチド配列を配列番
号2に示す。また、404アミノ酸からなるアミノ酸配
列を配列番号1に示す。
【0025】実施例3 PTP−BASのPDZドメイ
ンに対する、BAS−GRIP結合部位の決定 two-hybridスクリーニングで得られた陽性クローンG2
Y13から、PCR法により、図4に示すように、アミ
ノ酸残基をC末端側から、あるいはN末端側から欠損し
たミュータントプラスミドをpBTM116上に構築し、yeast
two-hybrid systemでPTP−BASのPDZドインと
の結合を調べた。結果を図4に示す。図中、結合活性を
示さなかったものは点線で、結合活性を示したものは実
線で表されている。図4から明らかに、C末端を1残基
でも欠損したもの(クローンN11,N22,N26,N30,N31,N3
3)はPDZドメインとの結合活性を失い、またC末端
に人工的にアラニンを付加したもの(クローンN34A)も
結合活性を持たない。N末端側から欠損させた場合、C
末端部12アミノ酸を含んだクローン(クローンC22,C1
2)は結合活性を示したが、さらに4アミノ酸をも削っ
た、C末端部8アミノ酸のクローン(クローンC8)では
結合活性がないことが分かる。以上の結果から、BAS
−GRIPのPTP−BASのPDZドメインへの結合
には、C末端の12アミノ酸が重要であり、かつ、C末
端のバリンのカルボキシル末端がフリーであることが必
須であることが分かる。またC末端のSer-Asp-ValのSer
をAlaにかえた変異体(クローンC12SA)でも結合力が弱
まったことから、このSerも結合に何らかの寄与をして
いると考えられる。
【0026】実施例4 BAS−GRIPと、PTP−
BASのPDZドメインとのin vitroでの結合 PTP−BAS(type2)のアミノ酸残基番号1206
から1496に相当する部分をGSTとの融合蛋白とし
て発現するベクターpGEX4T1-G2Nと、同じ構築物である
が、アミノ酸残基番号1365−1400(Gly-Asp-Ar
g-Val-Leu)を欠損させたpGEX4T1-G2Dと、アミノ酸残基
番号1364Thrと1365Glyの間にVal-Leu-Phe-Asp-
Lysを挿入されたpGEX4T1-G2Iを構築した。pGEX4T1-G2D
は、種々のPDZをもつ蛋白質でよく保存されている部
分のうち5アミノ酸を削ったミュータントであり、pGEX
4T1-G2I は、alternative splice産物として見つかった
挿入配列を入れたものである。いずれもスクリーニング
に用いたPDZドメインの保存性の高い部位にアミノ酸
の欠損または挿入がなされており、PDZドメインの立
体構造に影響を及ぼすと考えられる。即ち、BAS−G
RIPとPTP−BASのPDZとの結合が非特異的な
ものであれば、ほぼ同じ強度でミュータントと結合し、
微妙な立体構造を要求する特異的なものであれば、結合
に差が出ると期待される。
【0027】S4−1をpGEM1ベクターに、T7プロモ
ーターでmRNAが合成されるように組み込んだpGEM1-
S4-1を構築し、これをテンプレートにして35S−Metと
TNT T7coupled Reticulocyte Lysate System[Pr
omega社、WI、USA]を利用して35S−Metラベルされた
蛋白質をin vitroで合成した。この蛋白質とpGEX4T1-G2
N、pGEX4T1-G2D、pGEX4T1-G2Iを使って調製したGST
融合蛋白質各10μgをGlutathione-Sepharoseに結合
させ、結合バッファー[50mM Tris-HCl(pH8.0)、150mM
NaCl、5mM DTT、1mM EDTA、0.1% Triton X-100、protea
se inhibitor]中で4℃、16時間混合した。その後、
結合バッファーで6回洗浄し、ゲルごとSDS化し、S
DS−PAGEにかけた。ゲルを乾燥後、そのオートラ
ジオグラムをとった。その結果、図7に示すように、正
常なPDZドインのみで結合が観察され、ミュータント
とは全く結合しなかった。なお、図中、n.Sと表示した
バンドはpGEM1ベクター由来の転写産物である。また、
BAS−GRIPcDNAからは、本来のfull length以
外に途中のMetから転写を開始したと思われるサイズの
小さなバンドが2本検出されている。図7から、PDZ
ドメインとBAS−GRIPの結合は特異的であること
が分る。
【0028】実施例5 BAS−GRIPに対するポリ
クローナル抗体の作製 BAS−GRIPの内、アミノ酸残基番号290からC
末端404までをGSTとの融合蛋白質として発現する
プラスミドpGEX-monoを構築し、これを大腸菌DH5α
で発現し、Glutatinone Sepharose 4Bカラム[Pharmaci
a Biotech社、Uppsala、Sweden]を用いてPharmacia
Biotech社のマニュアルに従ってGST融合蛋白質GS
T−monoBAS−GRIPを精製し、これを免疫原とし
てウサギに対して免疫を行った。2週間に1回免疫を行
い、4回免疫した。終了後、全採血を行い、抗BAS−
GRIPウサギ血清を得た。その一部をGST−Sephar
oseカラムにかけてGSTに対する抗体を除き、素通り
画分を(GST−monoBAS−GRIP)−Sepharose
カラムにかけて結合画分を0.1Mグリシン−HCl
(pH2.0)で溶出し、1M Tris−HCl(pH8.
0)で中和後、PBSに透析することによってアフィニ
ティー精製を行った。以下の実験には、血清ではなく全
てこの精製抗体を使用した。
【0029】実施例6 COS7細胞でのBAS−GR
IPcDNAの発現 BAS−GRIP全長を動物細胞で発現させるためヒト
腎臓由来λgt10ライブラリーをスクリーニングして得ら
れた陽性クローンS4−1を動物細胞発現ベクターpEFB
OSに組み込み、pEFBOS-S4-1を構築した。このプラスミ
ドをヒト腎臓由来細胞株COS7細胞にトランスフェク
ションし、48時間培養後、RIPAバッファー[10mM
Tris-HCl(pH7.4)、1% NP-40、0.1%sodium deoxycholat
e、0.1%SDS、0.15M NaCl、1mM EDTA、protease inhibit
or]にて可溶化し、上清をSDS−PAGEにかけた
後、イモビロン−Pにトランスファーを行い、前項で精
製した抗BAS−GRIP精製抗体にてウエスタンブロ
ッティングを行った。その結果、pEFBOS-S4-1を導入し
たCOS7上清からのみ、抗BAS−GRIP抗体で約
50Kダルトンの位置にバンドが現れた(図8)。
【0030】実施例7 PAO処理によるBAS−GR
IPへの蛋白質の結合の検出 N末端にHAエピトープタグ[配列番号3:Tyr-Pro-Ty
r-Asp-Val-Pro-Asp-Tyr-Ala]を付加して、BAS−G
RIPを発現するプラスミドpEFBOS-NT-S4-1を構築し、
それを用いてサル腎臓由来COS7細胞にトランスフェ
クションした。24時間培養後、35S−メチオニン、シ
ステイン存在下で16時間培養し、その後、終濃度10
μMの酸化フェニル砒素(PAO)を加え、可溶化バッ
ファー(1%ジギトニン/10mMトリエタノールアミ
ン/150mM塩化ナトリウム/10mMヨードアセトア
ミド/1mM EDTA/プロテアーゼ阻害剤)で可溶
化した後、遠心し、上清を採取した。コントロールとし
てPAO処理していないものを使用した。このプラスミ
ド由来の産物はN末端にHAエピトープタグが導入され
ているので、抗HA抗体でも検出する事が出来る。これ
らの上清を、まず4℃でproteinG-sepharose[Pharmaci
a Biotech社、Uppsala、Sweden]と2時間転倒混和
し、proteinGに対する非特異結合の吸収をおこなったの
ち、1μgの抗HAモノクローナル抗体12CA5[Boehring
erMannheim社、Mannheim、Germany]または実施例6で
調製した精製抗BAS−GRIP抗体を加え、4℃で1
時間転倒混和した。次いで、20μlベッドボリューム
のprteinGを加え、更に4℃1時間転倒混和後、可溶化
バッファーで6回洗浄し、SDS化した後、ポリアクリ
ルアミドゲルにて泳動した。泳動後、ゲルを乾かし、オ
ートラジオグラムをとった。その結果BAS−GRIP
由来の約50Kダルトンのバンドとそのalternativespl
ice産物である約30Kダルトンのバンドが、PAO処
理の有無にかかわらず現れ、その他、約100Kダルト
ンと約25Kダルトンのバンド(それぞれp100、p
25と命名)がPAO処理依存的にBAS−GRIPと
共沈してきた(図5)。この結果はBAS−GRIPが
何らかの蛋白質と結合することを示している。
【0031】実施例8 PAO処理特異的にBAS−G
RIPに結合する蛋白質のチロシンリン酸化の証明 PAO処理によってBAS−GRIPに結合する蛋白質
がリン酸化されているか否かを調べるため、35S−メチ
オニン、システインの代わりに32Pを用いてラベルを行
い、上記と同様の実験を行った。その結果、やはりPA
O処理特異的にp25およびp100のバンドが現れ、
これらがリン酸化された蛋白質であることが分かった
(図6参照)。このp25およびp100のバンドをS
DS−PAGEのゲルから切り出し、抽出液(0.05M
NH4HCO3、0.1% SDS、0.05%v/vメ
ルカプトエタノール)で抽出後、BSAをキャリヤーと
して加え、TCAで沈殿させ、この沈殿を洗浄後、6N
塩酸で、105℃にて2時間加水分解を行った。この加
水分解物を1mMリン酸化チロシン、リン酸化スレオニ
ン、リン酸化セリンを含む溶液で溶かし、TLCプレー
ト上にスポットした。これを展開溶媒(酢酸:ピリジ
ン:水=10:1:189)で500V、1時間泳動
後、ニンヒドリンにて発色させ、リン酸化チロシン、リ
ン酸化スレオニン、リン酸化セリンの移動位置を検出し
た。このプレートをX線フィルムに感光させ、どの位置
32Pの陰が現れるかを観察した。その結果、リン酸化
チロシンの位置にのみ、バンドが現れ、他のアミノ酸位
には何も検出されなかった(図9参照)。これは、PA
O処理によってBAS−GRIPに結合するp25とp
100蛋白質が、チロシンリン酸化されていることを示
している。
【0032】実施例9 BAS−GRIPのPCRによ
る染色体上の位置決定 まず、Somatic Cell Hybrid(BIOS laboratories)に対
して以下のプライマーP1とP2を用いPCRを行っ
た。 P1; GCCAAAGATG ATAAAGGGGG (配列番号4) P2; TACATTGTTA CCACCCGAAT GAG (配列番号5) このプライマーは同一エクソンに存在するBAS−GR
IP塩基番号1278−1487、210bpを増幅す
る。PCRはAmpliTaqDNAポリメラーゼ[PERKIN ELM
ER、CT、USA]を用い、94℃1分間−58℃1分間
−72℃1分間のサイクルを30回行った。その結果細
胞株010由来のDNAでのみ増幅されたバンドを認め
た。このことからBAS−GRIPはヒト10番染色体
上に存在することが分かった。次いで、Low Resolution
GENEBRIDGE 4 Radiation Hybrid Panel[Research Gen
etics, Inc.Alabama, USA]に対してプライマーP1と
P2を用い、上記と同じ条件でPCRを行った。得られ
た結果をインターネットを利用してWICGR Mapping Serv
ice[http:/www-genome.wi.mit.edu/cgi-bin/contig/rh
mapper.pl]で解析したところ、ヒト10番染色体上の
マーカー、WI−5255の近傍3.15cRのところに位置
することがわかった。
【0033】
【発明の効果】2個のPHドメインと、PDZ結合領域
とを持った本発明の蛋白質BAS−GRIPは、PDZ
ドメインを持ったシグナル伝達物質と、リン酸化を介し
て伝わるシグナルの橋渡しをする機能を有しており、そ
のリン酸化蛋白質との結合にPHドメインが関与してい
ることが初めて明らかになった、新規な蛋白質である。
このBAS−GRIPのPHドメインは、これらの物質
とPDZドメインを持つ蛋白質(例、チロシンフォスフ
ァターゼ)とをつなぐ役割も果たしていると考えられ
る。従って、これらの連携を、促進あるいは阻害するこ
とにより、細胞内のシグナル伝達を操作することが可能
である。さらに、BAS−GRIPは、他のPDZドメ
インの結合コンセンサス配列として知られている配列:
Ser−任意のアミノ酸−ValをそのC末端に有し、
本明細書中で例示したPTP−BAS以外のPDZ含有
蛋白質とも相互作用しうることから、PDZ含有タンパ
ク質検索及びその分布や機能の解析にも有用である。こ
のような目的には、BAS−GRIPそのもの、及び、
任意のペプチド断片も有用である。例えば、C末端部の
アミノ酸ペプチドで、これをBAS−GRIPの偽物と
して使用することにより、BAS−GRIPとPDZと
の結合を阻害し、シグナル伝達系を操作することが可能
である。さらには、BAS−GRIPのC末端部アミノ
酸ペプチドを使って(Yeast-two hybrid systemや細胞
のライセートをこのペプチドのカラムにつけるなどの方
法で)PDZ含有新規蚕白質のクローニングを行うこと
も可能である。
【0034】また、BAS−GRIPの染色体上の位置
から、BAS−GRIP遺伝子がある種の癌において、
抑制遺伝子として機能していることが予測される。従っ
て、この遺伝子の発現あるいは変異を調べることによ
り、癌の遺伝子診断への途が拓かれる可能性もある。ま
た、Yeast-two hybrid systemや West-Western法等によ
り、BAS−GRIPを使って、チロシンリン酸化に関
与する蛋白質の検索ができる。上記のBAS−GRIP
の様々な用途には、BAS−GRIPそのもののみなら
ず、例えば、C末端の12アミノ酸ペプチドなど、適当
なペプチド断片も有用である。当業者ならば、個々の目
的に応じて、最も適切なペプチド断片を選択することが
でき、さらに、既知の方法で、配列番号1に示されるア
ミノ酸配列から、1又はそれ以上のアミノ酸の挿入、欠
失、置換等により導かれるアミノ酸配列を有し、かつ同
等の機能を有するBAS−GRIPの誘導体を得ること
もできる。従って、これらの様々な誘導体も本発明の範
囲に包含される。
【0035】
【配列表】
【0036】配列番号:1 配列の長さ:404 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: Met Pro Tyr Val Asp Arg Gln Asn Arg Ile Cys Gly Phe Leu Asp Ile 1 5 10 15 16 Glu Glu Asn Glu Asn Ser Gly Lys Phe Leu Arg Arg Tyr Phe Ile Leu 20 25 30 32 Asp Thr Arg Glu Asp Ser Phe Val Trp Tyr Met Asp Asn Pro Gln Asn 35 40 45 48 Leu Pro Ser Gly Ser Ser Arg Val Gly Ala Ile Lys Leu Thr Tyr Ile 50 55 60 64 Ser Lys Val Ser Asp Ala Thr Lys Leu Arg Pro Lys Ala Glu Phe Cys 65 70 75 80 80 Phe Val Met Asn Ala Gly Met Arg Lys Tyr Phe Leu Gln Ala Asn Asp 85 90 95 96 Gln Gln Asp Leu Val Glu Trp Val Asn Val Leu Asn Lys Ala Ile Lys 100 105 110 112 Ile Thr Val Pro Lys Gln Ser Asp Ser Gln Pro Asn Ser Asp Asn Leu 115 120 125 128 Ser Arg His Gly Glu Cys Gly Lys Lys Gln Val Ser Tyr Arg Thr Asp 130 135 140 144 Ile Val Gly Gly Val Pro Ile Ile Thr Pro Thr Gln Lys Glu Glu Val 145 150 155 160 160 Asn Glu Cys Gly Glu Ser Ile Asp Arg Asn Asn Leu Lys Arg Ser Gln 165 170 175 176 Ser His Leu Pro Tyr Phe Thr Pro Lys Pro Pro Gln Asp Ser Ala Val 180 185 190 192 Ile Lys Ala Gly Tyr Cys Val Lys Gln Gly Ala Val Met Lys Asn Trp 195 200 205 208 Lys Arg Arg Tyr Phe Gln Leu Asp Glu Asn Thr Ile Gly Tyr Phe Lys 210 215 220 224 Ser Glu Leu Glu Lys Glu Pro Leu Arg Val Ile Pro Leu Lys Glu Val 225 230 235 240 240 His Lys Val Gln Glu Cys Lys Gln Ser Asp Ile Met Met Arg Asp Asn 245 250 255 256 Leu Phe Glu Ile Val Thr Thr Ser Arg Thr Phe Tyr Val Gln Ala Asp 260 265 270 272 Ser Pro Glu Glu Met His Ser Trp Ile Lys Ala Val Ser Gly Ala Ile 275 280 285 288 Val Ala Gln Arg Gly Pro Gly Arg Ser Ala Ser Ser Glu His Pro Pro 290 295 300 304 Gly Pro Ser Glu Ser Lys His Ala Phe Arg Pro Thr Asn Ala Ala Ala 305 310 315 320 320 Ala Thr Ser His Ser Thr Ala Ser Arg Ser Asn Ser Leu Val Ser Thr 325 330 335 336 Phe Thr Met Glu Lys Arg Gly Phe Tyr Glu Ser Leu Ala Lys Val Lys 340 345 350 352 Pro Gly Asn Phe Lys Val Gln Thr Val Ser Pro Arg Glu Pro Ala Ser 355 360 365 368 Lys Val Thr Glu Gln Ala Leu Leu Arg Pro Gln Ser Lys Asn Gly Pro 370 375 380 384 Gln Glu Lys Asp Cys Asp Leu Val Asp Leu Asp Asp Ala Ser Leu Pro 385 390 395 400 400 Val Ser Asp Val 404 404
【0037】配列番号:2 配列の長さ:2944 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 GGTGCAGTTT AGCATGTTCC TCTGTGTTCT GCATCTCCTG TAGTGTAATG TTCAAGCTCA 60 GAA 63 ATG CCT TAT GTG GAT CGT CAG AAT CGC ATT TGT GGT TTT CTA GAC ATT 111 GAA GAA AAT GAA AAC AGT GGG AAA TTT CTT CGA AGG TAC TTC ATA CTG 159 GAT ACC AGA GAA GAT AGT TTC GTG TGG TAC ATG GAT AAT CCA CAG AAC 207 CTA CCT TCT GGA TCA TCA CGT GTT GGA GCC ATT AAG CTT ACC TAC ATT 255 TCA AAG GTT AGC GAT GCT ACT AAG CTA AGG CCA AAG GCG GAG TTC TGT 303 TTT GTT ATG AAT GCA GGA ATG AGG AAG TAC TTC CTA CAA GCC AAT GAT 351 CAG CAG GAC CTA GTG GAA TGG GTA AAT GTG TTA AAC AAA GCT ATA AAA 399 ATT ACA GTA CCA AAG CAG TCA GAC TCA CAG CCT AAT TCT GAT AAC CTA 447 AGT CGC CAT GGT GAA TGT GGG AAA AAG CAA GTG TCT TAC AGA ACT GAT 495 ATT GTT GGT GGC GTA CCC ATC ATT ACT CCC ACT CAG AAA GAA GAA GTA 543 AAT GAA TGT GGT GAA AGT ATT GAC AGA AAT AAT CTG AAA CGG TCA CAA 591 AGC CAT CTT CCT TAC TTT ACT CCT AAA CCA CCT CAA GAT AGT GCG GTT 639 ATC AAA GCT GGA TAT TGT GTA AAA CAA GGA GCA GTG ATG AAA AAC TGG 687 AAG AGA AGA TAT TTT CAA TTG GAT GAA AAC ACA ATA GGC TAC TTC AAA 735 TCT GAA CTG GAA AAG GAA CCT CTT CGC GTA ATA CCA CTT AAA GAG GTT 783 CAT AAA GTC CAG GAA TGT AAG CAA AGC GAC ATA ATG ATG AGG GAC AAC 831 CTC TTT GAA ATT GTA ACA ACG TCT CGA ACT TTC TAT GTG CAG GCT GAT 879 AGC CCT GAA GAG ATG CAC AGT TGG ATT AAA GCA GTC TCT GGC GCC ATT 927 GTA GCA CAG CGG GGT CCC GGC AGA TCT GCG TCT TCT GAG CAT CCC CCC 975 GGT CCT TCA GAA TCC AAA CAC GCT TTC CGT CCT ACC AAC GCA GCC GCC 1023 GCC ACC TCA CAT TCC ACA GCC TCT CGC AGC AAC TCT TTG GTC TCA ACC 1071 TTT ACC ATG GAG AAG CGA GGA TTT TAC GAG TCT CTT GCC AAG GTC AAG 1119 CCA GGG AAC TTC AAG GTC CAG ACT GTC TCT CCA AGA GAA CCA GCT TCC 1167 AAA GTG ACT GAA CAA GCT CTG TTA AGA CCT CAA AGT AAA AAT GGC CCT 1215 CAG GAA AAA GAT TGT GAC CTA GTA GAC TTG GAC GAT GCG AGC CTT CCG 1263 GTC AGT GAC GTG 1275 TGAGGCAGAA GCGCACGGAG CCTGCCTGCC TCTGCCGTCC TCAGTTTCCT TTCATGAGGC 1335 TTCTAGCCAA AGATGATAAA GGGGGAAATG GTTTTTAGTG CGTATATTAT ACTGCCTCTT 1395 AGGTGTACTC TTTATAAGCT GGTAAACCAA GAATCTAGGG AGTGGCCAAA CTAAATATAA 1455 TTTCTTTAAA AAAGAAAGAA AAAGGAAAAA TCCAAAATAT CTCAGTATCA TCTGTCTGAA 1515 GCATTGTGTG TTCTCATTCG GGTGGTAACA ATGTATGTGT AATATTTTTT TCTTAGTGAT 1575 TTTGACAGTT TAAATGTTTA ACAACTTAAA GCATTAAAAA TGCTTATTAA TAACTTTGGT 1635 CATTTAAAAA ATGCTACAAT GACTTCCTAT TAAAGGTTCA ATATTTACAC ATTCTTATTG 1695 GTTGATATTA CCACATGAAA TATTGCCAGA CCAAGATACC TAAACTCATG ATGTCTGTGG 1755 TGCTGTAAAA TTTATACTAA AATGTGGACT ATTTTGAAAT TATAACCATT TTTGATGCCC 1815 TGAATCTTGA GGTGACTTAT TTTGCATAGA GGATATGGAT AGACCAACAG TAAGGGTTGT 1875 GGGTTATACC GGCATAGAGA AAAGAAGAAA ACTAGAATTG AAACAACTGT GTCTTAGACA 1935 TTTGTTTGAA AAAGCTTCAT CAGGCCTTGG AGCAGTCACT GCTTTATTCC GCAAAAATTA 1995 TTTGGTAGGA AATTTTTGGG AGATCTGATT TTCTTATCCA AGTTTTGTAA ATAGTTGTTA 2055 TTTCTATATT TGGATTGGTG AAAGACCTCA AGTTTATATG TAAAGACATA ACTGCCCTTA 2115 GTCATGAAAT TGTTGTGACC TCTACTTTTT GTCACTAATA GCCTACATTC AAGTGCCTGT 2175 GTTTTTTCAT CTTGTTTAGG AATGTTTTGA GATTAATGTG CTTAAAAGTC CTACGTGACT 2235 GATTTTAAAC ATTGTGATAA AATTAATTTT CAGTAGAATA GTTGAATGTG TTAAGATAGG 2295 ATTTTATGTT AGAGATACCA GAATGCTGGT ATTCTACTAC TTGTGCAATA TATATGTTTT 2355 AAAAAAACAA ATTTGAGAAT ACATTTAATC ATAGGGATAT AGATATAAGC ACCTCTCTAA 2415 AGAATCTTTA GTTTCCGACG TTGAATTATA GACCAGTTTG AGTAAGTACT GCTTTTTTTT 2475 TTTTGGAGAC GGGCTCTCGC TCTGTTGCTC AGGCTGGAGT GCAGTGGCGT GATCTCAGCT 2535 CACTACAGCC TCCACCTCGT GGGTTCAAAC AGTTGTGCTG CCTCAGCTTC CCGAGTAGCT 2595 AGGATTACAG GTGCATGCCA CCACACCTGG CTAATTTTTG TATTTTAGTA GAGATGGGGT 2655 TTCACCATGT TGGCCAGGCT CGTCTCGAAC TCCTGACTTC AGGTGATCCA CCCATCTCAG 2715 CCTCCCAAAG TGCTGGGATT ACAGGCGTGA GCCACCATGC CCGGCCCATA AGTACCGTTT 2775 TTGAGGTTCA GTCTTAAACA TTTGCTTTAA GAAAACAGTC TTGAATTTCA CATGCTGCTA 2835 TTTTTATATT TTGCCATTTT ACAGTACTGT TTTGTTTTGA ATTCATGCAT ATCATTGAAA 2895 ATTTCTCGTT TTCATTTTCT TAGATGACTT CTTGTCTGAG ACAGAAAAA 2944
【0038】配列番号:3 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成ペプチド 配列: Tyr Pro Tyr Asp Val Pro Asp Tyr Ala 5 9 9
【0039】配列番号:4 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列: GCCAAAGATG ATAAAGGGGG 20
【0040】配列番号:5 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列: TACATTGTTA CCACCCGAAT GAG 23
【図面の簡単な説明】
【図1】 BAS−GRIPの2つのPHドメインと、
ヒトpleckstrin及びヒトdynaminのPHドメインとの相
同性の比較のための模式図。
【図2】 BAS−GRIPの2つのPHドメインと、
ヒトpleckstrin及びヒトdynaminのPHドメインとの相
同性の比較のための模式図。
【図3】 PTP−BAS及びBAS−GRIPの構造
模式図。
【図4】 PTP−BASのPDZドメインとの結合領
域を決めるためのミュータントの構造を示す模式図。図
中、結合活性を示さなかったものを点線で、結合活性を
示したものを実線で表している。
【図5】 N末端にHAエピトープタグが付加されたB
AS−GRIPを発現するプラスミドpEFBOS-NT-S4-1を
発現させたCOS7細胞を35S−メチオニン、システイ
ン存在下で培養し、PAO処理後、抗HAモノクローナ
ル抗体又は精製抗BAS−GRIP抗体と共沈する蛋白
質を示す、ポリアクリルアミドゲル電気泳動の模写図。
約100Kダルトンと約25Kダルトンの位置に、PA
O処理依存的に精製抗BAS−GRIP抗体により共沈
する、2つの蛋白質p100及びp25が示されてい
る。
【図6】 図5と同様の実験を、35S−メチオニン、シ
ステインの代わりに32Pを用いて行った結果を示す模写
図。
【図7】 PTP−BAS(type2)のアミノ酸残基番
号1206から1496に相当する部分をGSTとの融合蛋白と
して発現するベクターpGEX4T1-G2Nと、アミノ酸残基番
号1365-1400を欠損させたpGEX4T1-G2D及びアミノ酸残基
番号1364Thrと1365Glyの間に挿入を含むpGEX4T1-G2Iと
を用いて調製したGST融合蛋白質,GST-G2N,GST-G2D
及びGST-G2Iと、pGEM1ベクターを用いてBAS−GRI
PをコードするS4−1を組み込んだpGEM1-S4-1をテン
プレートにして、in vitroで合成した35S−Metラベル
蛋白質との結合活性を示す、SDS−PAGEの模写
図。図中、n.Sと表示したバンドはpGEM1ベクター由来の
転写産物であり、BAS−GRIPcDNAからは、本
来のfull length以外に途中のMetから転写を開始したと
思われるサイズの小さなバンドが2本検出されている。
【図8】 BAS−GRIPをコードするクローンS4
−1を組み込んだ発現ベクターpEFBOS-S4-1によりトラ
ンスフェクションしたCOS細胞により発現された蛋白
質の、抗BAS−GRIP精製抗体によるウエスタンブ
ロッティングの結果を示す模写図。
【図9】 図6のリン酸化されたバンドp25とp10
0の、ホスホアミノ酸分析の結果を示す模写図。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/02 C12N 5/00 B //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PDZドメインを有する蛋白質と結合
    し、カルボキシ末端に配列番号1に記載のアミノ酸番号
    397−404で示されるアミノ酸配列を有する蛋白
    質。
  2. 【請求項2】 カルボキシ末端に配列番号1に記載のア
    ミノ酸番号393−404で示されるアミノ酸配列を有
    する蛋白質。
  3. 【請求項3】 PDZドメイン結合領域と2個のPHド
    メインを有する請求項1又は2記載の蛋白質。
  4. 【請求項4】 配列番号1に記載のアミノ酸配列又は該
    アミノ酸配列に対する1以上のアミノ酸の挿入、欠失又
    は置換により導かれるアミノ酸配列を有する請求項1又
    は2記載の蛋白質。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の蛋白質
    をコードするDNA。
  6. 【請求項6】 配列番号2に記載する塩基配列からなる
    DNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
    し、かつPDZドメインを有する蛋白質と結合する蛋白
    質をコードするDNA。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載のDNAを含有する
    ベクター。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のベクターで形質転換され
    た形質転換体。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の形質転換を培地で培養す
    ることからなる請求項1〜4のいずれかに記載の蛋白質
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜4のいずれかに記載の蛋白
    質に対する抗体。
  11. 【請求項11】 請求項5又は6記載のDNAにハイブ
    リダイズし、該DNAの一部又は全部の増幅に使用しう
    るオリゴヌクレオチド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002012276A3 (en) * 2000-08-03 2003-11-06 Medical Res Council Pleckstrin homology polypeptides and dna encoding such

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