JP2766779B2 - トロンビンによるプロテインcの活性化を促進する作用を有するペプチドをコードするdna - Google Patents

トロンビンによるプロテインcの活性化を促進する作用を有するペプチドをコードするdna

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトロンビンのプロテ
インC活性化を促進する作用を有するペプチドをコード
する新規なデオキシリボ核酸(以下“DNA”と称す
る)に関する。更に詳しくは、本発明は抗血液凝固作用
及び血小板凝集抑制作用を有し、循環器系の疾患の治療
に有用なペプチドをコードするDNAに関する。本発明
は、また、その新規なペプチドをコードするDNA、該
DNAを含有する複製可能な組換え体DNA、該組換え
体DNAで形質転換された微生物または細胞に関する。
【0002】本明細書において、アミノ酸及びペプチド
は下記に示すIUPAC−IUB生化学命名委員会(C
BN)で採用された略号を用いて表される。なお、アミ
ノ酸などに関し光学異性体があり得る場合は、特に明示
しなければL体を示すものとする。更に、特に明示しな
い限りペプチドのアミノ酸配列の左端及び右端はそれぞ
れN末端およびC末端である。 Gln:グルタミン残基 Asp:アスパラギン酸残基 Pro:プロリン残基 Tyr:チロシン残基 Val:バリン残基 Lys:リジン残基 Glu:グルタミン酸残基 Ala:アラニン残基 Asn:アスパラギン残基 Leu:ロイシン残基 Phe:フェニルアラニン残基 Gly:グリシン残基 His:ヒスチジン残基 Ser:セリン残基 Thr:スレオニン残基 Ile:イソロイシン残基 Trp:トリプトファン残基 Arg:アルギニン残基 Met:メチオニン残基 Cys:システイン残基
【0003】また、ポリデオキシリボヌクレオチドおよ
びオリゴヌクレオチドは下記の如き略号で表されるデオ
キシリボヌクレオチドの配列により表記する。 A:2′−デオキシアデニル酸残基 C:2′−デオキシシチジル酸残基 G:2′−デオキシグアニル酸残基 T:チミジル酸残基 特に明示しない限り、デオキシリボヌクレオチド配列の
左端及び右端はそれぞれ5′末端及び3′末端である。
【0004】
【従来の技術】現在、血栓溶解剤として用いられるもの
には、ストレプトキナーゼやウロキナーゼがある。ま
た、抗血液凝固剤としてはヘパリンやワーファリンが用
いられている。さらに、血小板凝集抑制剤としてはアス
ピリン、スルフィンピラゾン、ジピリダモール等が使わ
れている。
【0005】現在これらの血栓溶解剤、抗血液凝固剤お
よび血小板凝集抑制剤は、それぞれ別個に、あるいは併
用して、例えば、心筋梗塞、血栓症、塞栓症、末梢血管
閉塞症、閉塞性動脈硬化症、血管内血液凝固症候群(D
IC)、狭心症、一過性脳虚血発作、妊娠中毒症等の疾
患の治療及び予防に用いられている。しかしながら、こ
れらの血栓溶解剤、抗血液凝固剤および血小板凝集抑制
剤は非常に複雑な機構から成り立つ血液の凝固線溶系の
極く一部に作用するにすぎない。そこで、血液の凝固線
溶系に広く作用し、優れた血液凝固抑制作用を示す薬剤
が要望されていた。
【0006】ところで、血液凝固機構において重要な役
割を演じているビタミンK依存性の蛋白質としてプロテ
インCが知られている。近年、そのプロテインCの活性
化を促進し、トロンビンの作用による血小板の活性化と
フィブリン形成を抑制する物質が、ウサギの肺、ウシの
肺、ヒトの肺やヒト胎盤などに存在し、それが前述の薬
剤に比べて優れた血液凝固抑制作用を有することが報告
されている。
【0007】ウサギ肺に存在する物質については、例え
ば、シー ティー エスモン(C.T.Esmon)
ら、プロシーディング オブ ナショナル アカデミー
オブサイエンス ユーエスエー(Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA)、78巻、2249頁
(1981年);エヌ エル エスモン(N.L.Es
mon)ら、ザ ジャーナル オブ バイオロジカル
ケミストリー(J.Biol Chem.)、257
巻、859頁(1982年);シー ティー エスモン
(C.T.Esmon)ら、ザ ジャーナル オブ バ
イオロジカル ケミストリー(J.Biol.Che
m.)、257巻、7944頁(1982年);エヌ
エル エスモン(N.L.Esmon)ら、ザ ジャー
ナル オブ バイオロジカル ケミストリー(J.Bi
ol.Chem.),258巻、12238頁(198
2年)を参照することができる。
【0008】ウシの肺に存在する物質については、例え
ば楠本ら、生化学、56巻、890頁(1984年)を
参照することができる。また、ヒト胎盤に存在する物質
については、例えば特開昭60−199819;黒沢
ら、日本血液学会誌、47巻、632頁(1984
年);エッチ エッチ サーレム.(H.H.Sale
m)ら、ジャーナル オブ バイオロジカル ケミスト
リー(J.Biol.Chem.)、259巻、122
46頁(1984年);エス クロサワ(S.Kuro
sawa)ら、トロンボシス リサーチ(Thromb
osis Research)、37巻、353頁(1
985年)を参照することができる。また、ヒト肺に存
在する物質については、例えば楠本ら、生化学、57
巻、1102頁(1985年)を参照することができ
る。
【0009】上記の先行技術文献には上記物質の一般的
性質が記載されている。しかしながら、その物質の構
造、例えばアミノ酸配列などは解明されておらず、未だ
にその物質は同定されていない。従って、上記の先行技
術文献に報告されている物質が単一物質であるか否か、
また、これらの先行技術文献の記載にしたがって同一の
物質が繰返し得られるか否かについては全く不明であ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述の通り、これらの
物質のアミノ酸配列の長さを始め、その物質をコードす
るDNAの塩基配列やその制限酵素サイトについての情
報など全く手掛かりのない状態であって、遺伝子操作等
の技術により大量にこれらの物質を提供する術のない状
況にあった。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の技
術的背景にあって、トロンビンに結合し、トロンビンに
よるプロテインC活性化を促進する物質の遺伝子を見出
すべく鋭意研究を重ねた。本発明のペプチド全長を含む
cDNAの取得は困難を極め、本発明の参考例や実施例
に詳細に示される通り、最初に行ったヒト肺cDNAラ
イブラリーからのクローニングにおいて、何度実施して
も結局、全長cDNAを含むクローンの取得が不可能で
あった。即ち、ここで最終的に得られたTM137の
5’末端側の塩基配列情報を参考に、さらに5’末端側
へ延長されたクローンの取得を何度も試みたが、これ以
上5’末端側へ延長したクローンは取得できず、結局、
本発明のペプチドのN末端をコードするクローンが取得
できないばかりか、結果的に確認されたことだが、本発
明のペプチドのコード領域の塩基配列において半分程度
しか取得できない結果と終わった。これは、本発明のペ
プチド全長を含むmRNAかかなり大きいものであり、
都合よくペプチド全長をコードする部分をcDNAとし
て逆転写できなかった、あるいは配列的な特徴により逆
転写しにくい構造をとっていたものと理解されるが、い
ずれにしてもこの状況においては、cDNA断片の繋ぎ
合わせにより全長cDNAを作成することさえも不可能
であった。
【0012】そこで本発明者らは、ヒト臍帯内皮細胞か
らcDNAライブラリーを調製し、このcDNAライブ
ラリーにおいて、先に得られた5’末端側の塩基配列情
報を参考にして、クローンの選択を行った結果、TMP
5、さらにTMP26を取得することに成功し、これら
を繋ぎ合わせて本発明のペプチドの全長cDNAを調製
するに至った。従来より、しばしば経験されることであ
るが、全長cDNAの取得は、採用するcDNAライブ
ラリーの種類か、目的とする配列の特徴により、成功す
ることもあれば不可能であることもあり、これは即ち、
cDNAライブラリーを調製するに当たって使用するm
RNAをいずれの組織から取得するか、または、その時
に使用する試薬や手法等により左右されるものでもあ
る。本発明のDNAは、十分な洞察と経験と試行錯誤の
結果取得することができるに至ったものであり、従来な
し得なかった貴重な技術をこの分野に提供するものと位
置づけられる。即ち、本発明により開示された塩基配列
の情報に従えば、今後本発明のDNAを取得することは
当業者においては簡単であって、本発明の利益は莫大な
ものである。
【0013】後記するように、本発明は、アミノ酸配列
や塩基配列で特定されるばかりでなく、制限酵素地図に
おける制限酵素サイトによっても定義されるが、制限酵
素サイトは、塩基配列を知っている場合か、または全長
cDNAを取得した後、各種制限酵素による該全長cD
NAの分解反応を検討することにより得られる情報であ
るが、本発明以前の状態においては、そもそも全長cD
NAの取得さえも困難な状況であることから、上記の制
限酵素地図の制限酵素サイトによる定義は、発明として
十分な要件を充足しており、またこの制限酵素サイトの
情報が、遺伝子操作の手法においては最も大切であるこ
とは容易に理解されるところである。
【0014】本発明者らの検討の結果、完成された本発
明のDNAをペプチドとして発現させたところ、該ペプ
チドが、トロンビンに結合し、トロンビンによるプロテ
インC活性化を促進して血液凝固を制御することが確認
された。また、組換えDNA技術によって他のヒト由来
蛋白をまったく含まない純粋な形態で、大量にかつ容易
に製造でき、医薬として利用しやすいことを確認した。
さらに、本発明のDNA、または本発明のDNAを組み
換えた組換え体DNAを用いることにより、本発明のD
NAがコードする全長のペプチドの他、相違するアミノ
酸配列を有したり、構成するアミノ酸の長さが異なるペ
プチドを取得する原料とすることができる有用なもので
ある。
【0015】即ち、本発明の目的は、トロンビンに結合
し、トロンビンによるプロテインCの活性化を促進する
作用を有するペプチドをコードするヒト由来のDNAま
たはその相補的DNAを提供することにある。更にま
た、本発明の他の目的は、該ペプチドをコードするDN
Aを含有する複製可能な組換え体DNAを提供すること
にある。更にまた、本発明の他の目的は、上述のような
組換え体DNAで形質転換された微生物または細胞を提
供することにある。
【0016】即ち、本発明は、配列番号1の1−557
(以下、式(I)と表記することがある)、または配列
番号3の1−575いずれかのアミノ酸配列をコードす
るDNAである。上記のアミノ酸配列からなるペプチド
は、トロンビンに結合し、トロンビンによるプロテイン
Cの活性化を促進する作用を有するペプチドであって、
該ペプチドがトロンビンに結合することは、例えば、本
明細書の実施例に記載されているように、DIP−トロ
ンビン〔ジイソプロピルホスフォロトロンビン(dii
sopropylphosphoro−thrombi
n)、またはDIP−トロンビン−アガロースに結合す
ることにより確認される。また、トロンビンによるプロ
テインCの活性化を促進する活性を有することも、本明
細書の実施例に記載されている通りである。
【0017】本発明のDNAは、上記アミノ酸配列をコ
ードするDNAであり、該DNAは、抽出や分離、精
製、適当な切断等の適宜の処理により、人為的に調製さ
れていることが好ましく、さらに具体的に例示すれば、
配列番号2の1−1671(以下、式(II)と表記す
ることがある)、または配列番号4の1−1725のい
ずれかの塩基配列からなるDNAが挙げられる。
【0018】さらに本発明のDNAは、トロンビンに結
合し、トロンビンによるプロテインCの活性化を促進す
る作用を有するペプチドをコードする塩基配列であり、
図19の制限酵素地図に示された制限酵素サイトを有す
ることを特徴とする塩基配列を含むヒト由来のDNA、
またはそのペプチドコード領域DNAであると位置づけ
ることができる。
【0019】上記のヒト由来のDNAとしては、人為的
に調製された図19の制限酵素地図に示されたTMJ2
が、典型的な例として挙げられる。DNAの本質は内包
する遺伝情報を保存し、伝えることにあることから、ヒ
ト由来のDNAは、ヒトから直接に採取されたDNAと
の意味の他に、多くの場合には、m−RNAからのcD
NAであったり、その増幅複製物であるDNAであった
り、場合によっては、合成により調製されていてもよ
く、要は、内包する遺伝情報の由来がヒトの遺伝子オリ
ジンであることを意味するものである。
【0020】図19の制限酵素地図は、図11のTMJ
2を転記したものであって、その長さや位置関係等につ
いては図11を参考にすることができる。また、より詳
しくは図11に示されたTM137やTMP5やTMP
26のそれぞれの塩基配列を示す図4、図8及び図10
から具体的には、開始コドン(ATG)の最初の塩基で
あるAから終始コドン(TGA)の直前の塩基までの長
さが1725bpであることがわかる。この1725b
pという長さは、図19の標準となる寸法と理解すべき
であるが、図19または図11において、開始コドン
(ATG)の最初の塩基であるAから終始コドン(TG
A)の直前の塩基は、斜線および斜交線で示されてお
り、この間の長さが前記の1725bpであることを意
味する。
【0021】本発明で、ペプチドコード領域DNAと
は、本発明のペプチドをコードする塩基配列の領域を示
すものであって、文言から直接的に判断すれば、図19
または図11における斜交線の部分を意味することにな
るが、本発明の説明にもある通り、斜線として示される
リーダー配列を含んでもよいことから、斜線および斜交
線で示される部分を意味することも含む。具体的には、
斜交線の部分のDNAとして、配列番号1の1−557
のアミノ酸配列をコードするDNA、さらに好ましくは
配列番号2の1−1671の塩基配列が例示され、また
斜線および斜交線で示される部分のDNAとして、配列
番号3の1−575のアミノ酸配列をコードするDN
A、さらに好ましくは配列番号4の1−1725の塩基
配列が例示される。
【0022】遺伝暗号の縮重に従い、遺伝子から生産さ
れるポリペプチドのアミノ酸配列を変えることなくその
遺伝子の塩基配列の少なくとも1つの塩基を他の種類の
塩基に置換することができる。従って、本発明のDNA
はまた、遺伝略号の縮重に基づく置換によって変化され
た塩基配列を含有することも可能である。この場合、上
記置換により得られた塩基配列から演繹されるアミノ酸
配列は前に定義したアミノ酸配列と一致する。
【0023】従来種々のペプチドにおいて多型性と呼ば
れる自然の変異も存在することが知られている。そし
て、自然の変異によりまたは人工の変異により、ペプチ
ドの活性に重大な変化を与えることなく、ペプチドの構
造の一部を変化させることが可能である。本発明のDN
Aを用いてこれらのペプチドを人工的に作製することも
可能である。従って、本発明のDNAは前記アミノ酸配
列を有するペプチドの相同変異体(Homologou
s variant)に相当する構造を有するペプチド
をコードするDNAも含む意味としてとらえることがで
きる。
【0024】本発明のDNAがコードするペプチドは少
なくとも1個の糖残基を含有していてもよいし、含有し
ていなくてもよい。すなわち、本発明では、少なくとも
アミノ酸配列として本明細書に説明された配列であるこ
とを示すのであって、特に糖残基により限定されるもの
ではない。本発明のDNAは前述のペプチドを組換えD
NA技術を用いて製造するのに用いることができる。本
発明のDNAは以下のようにして得ることができる。
【0025】(1)トロンビンのプロテインC活性化を
促進することのできるヒト肺由来のペプチドに特異的
な、ウサギから得られる抗体を用いて、ヒト肺から調製
したcDNAライブラリーからその抗体と結合するペプ
チドをコードするcDNA断片を単離し、単離したcD
NA断片の塩基配列を分析する。得られたcDNA断片
はトロンビンのプロテインC活性化を促進することので
きるヒト肺由来のペプチドの一部分をコードしている。
その部分はそのペプチドのC末端を含むがN末端を含ま
ない。
【0026】(2)上述のように、得られたcDNA断
片はヒト肺由来のペプチドの全アミノ酸配列をコードし
ておらず、そのペプチドのN末端アミノ酸配列に対応す
る塩基配列を欠いているので、N末端アミノ酸配列をコ
ードするcDNA断片を上記工程(1)で得られるcD
NA断片を利用して通常の公知のプライマー エクステ
ンション法により以下のようにして得る。まず、上記工
程(1)で得られたcDNA断片のコードするペプチド
のN末端側のアミノ酸配列に対応するcDNA断片の一
部分を有機化学合成する。次に、合成したDNAをプラ
イマーとして用いて通常の公知のプライマー エクステ
ンション法によりヒトさい帯内皮細胞より調製したポリ
(A)RNAから上記工程(1)で得られるcDNA
断片の5′末端の上流の塩基配列を有するcDNA断片
を得る。上記プライマー エクステンションを繰り返す
ことによりヒト肺由来のペプチドのN末端アミノ酸配列
をコードするcDNA断片を得る。
【0027】(3)次に、前記工程(1)及び(2)で
得られたcDNA断片を所望のペプチドの全アミノ酸配
列をコードするように結合することにより、N末端アミ
ノ酸のコドンから始まる1671塩基対(以下“bp”
と略する)のオープンリーディングフレームを含有する
cDNAを得る。このオープンリーディングフレームの
塩基配列は前述の式(II)で表される塩基配列と同じ
である。このようにして得られたcDNAの塩基配列は
公知の方法で分析して式(II)で表される塩基配列と
一致することを確認する。
【0028】本発明のDNAは、本発明により開示され
て始めて明確に認識できるようになり、この開示に基づ
いて有機化学合成することによっても得ることができ
る。また、本発明のDNAは、本発明の開示によれば、
前述のプライマー エクステンションを行うことなく、
前駆体DNAから調製することもできる。前駆体DNA
は、前記工程(1)で得られるDNA断片またはそのD
NA断片の塩基配列に基づいて調製した合成DNAをプ
ローブとして用いる通常のハイブリダイゼーション法に
よってヒト染色体DNAライブラリーから得ることがで
きる。
【0029】上述の配列番号1の1−557のアミノ酸
配列からなるペプチドをコードする人為的に調製された
DNA、好ましくは、配列番号2の1−1671の塩基
配列からなるDNAは、更に、例えば次式:Met L
eu Gly Val Leu Val Leu Gl
y AlaLeu Ala Leu Ala Gly
Leu Gly Phe Proで表されるようなリー
ダー配列をコードする塩基配列を5′末端塩基配列とし
て含有していてもよく、そのようなDNAの例示とし
て、配列番号3の1−575のアミノ酸配列からなるペ
プチドをコードする人為的に調製されたDNA、好まし
くは、配列番号4の1−1725の塩基配列からなるD
NAが挙げられる。
【0030】本発明によれば、上記DNAに対して相補
的なDNAもまた提供される。本発明によれば、上記D
NAとそれに相補的なDNAが互いに相補的に結合して
2重鎖DNAを形成していてもよい。更にまた、本発明
によれば、前記の本発明のDNAと複製可能な発現ベク
ターとからなる複製可能な組換え体DNAが提供され
る。該組換え体DNAは、それによって形質転換された
微生物または細胞中で、本発明のペプチドを発現するこ
とができる。適したベクターの例としては、プラスミド
pBR322、pBR327、YRp7、pSV2−d
hfr(ATCC 37146)、pBPV−1(9−
1)(ATCC 37111)などが挙げられる。尚、
発現ベクターは宿主として使用する微生物または細胞に
適したものを選択する必要がある。
【0031】更に本発明はまた、上述の複製可能な組換
え体DNAで形質転換された微生物または細胞に関す
る。微生物の例としては、エシェリヒア コリ(Esc
herichia coli)の菌株、例えばイー コ
リ(E.coli)K12株294(ATCC 314
46)、イー コリ(E.coli)B、イー コリ
(E.coli)X1776(ATCC 3153
7)、イー コリ(E.coli)C600およびイー
コリ(E.coli)C600hfl並びにイー コ
リ(E.coli)W3110(F、λ、プロトト
ロフィック、ATCC27375);バチラス サブチ
リス(Bacillus subtilis)の如きバ
チラス(Bacillus)属の菌株;サルモネラ チ
フィムリウム(Salmonella typhimu
rium)またはセラチア マーセサンス(Serra
tia marcesans)等の大腸菌以外の腸内
菌;シュードモーナス(Pseudomonas)属の
種々の菌株;およびサッカロミセスセレビシエ(Sac
charomyces cerevisiae)などが
挙げられる。細胞の例としては、VERO(ATCC
CCL−81)細胞、HeLa細胞、チャイニーズハム
スター卵巣(CHO)細胞株、WI38、BHK、CO
S−7およびMDCK細胞株等の動物細胞が挙げられ
る。
【0032】上述の本発明の形質転換された微生物また
は細胞は、例えば、 (a)前述のペプチドをコードするDNAと複製可能な
発現ベクターに連結して、該DNAと該複製可能な発現
ベクターとからなる複製可能な組換え体DNAを得、 (b)該複製可能な組換え体DNAで微生物または細胞
を形質転換させて形質転換体を形成せしめ、 (c)該形質転換体を該微生物または細胞の親細胞から
選別し、 (d)該形質転換体を培養して、該形質転換体に該DN
Aを発現させて該ペプチドを産生せしめ、そして (e)該ペプチドを培養した形質転換体から単離する ことを含む本発明のDNAがコードするペプチドの製造
方法に利用することができる。
【0033】本発明の方法によれば、前述の本発明のD
NAが正しく転写し、それによって得られるmRNAか
らの翻訳が正しく行われるように本発明のDNAを複製
可能な発現ベクターのプロモーターなどのDNA領域の
下流に組入れて該DNAを有する複製可能な組換え体D
NAを得、得られた該組換え体DNAで微生物または細
胞を形質転換させて該組換え体DNAを含有する形質転
換体を得る。得られた形質転換体は、該組換え体DNA
に与えられた表現型によって微生物または培養細胞の親
細胞から単離される。得られた形質転換体を培養して前
記DNAの有する遺伝情報を発現させて本発明のペプチ
ドを製造することができる。
【0034】尚、本発明のDNA及び組換え体DNAを
構築するために必要なDNA配列、例えばプロモーター
や複製起源等をクローニングするためには原核細胞を宿
主として用いる宿主−ベクター系を使用するのが好まし
い。原核細胞の例としてはエシェリヒア コリ(Esc
herichia coli)の菌株、例えばイーコリ
(E.coli)K12株294(ATCC 3144
6)、イー コリー(E.coli)B、イー コリー
(E.coli)X1776(ATCC 3153
7)、イー コリー(E.coli)C600およびイ
ー コリー(E.coli)C600hfl並びにイー
コリー(E.coli)W3110(F、λ、プ
ロトトロフィック、ATCC 27375);バチラス
サブチリス(Bacillus subtilis)
の如きバチラス(Bacillus)属の菌株;サルモ
ネラ チフィムリウム(Salmonella typ
himurium)またはセラチア マーセサンス(S
erratia marcesans)等の大腸菌以外
の腸内細菌;シュードモーナス(Pseudomona
s)属の種々の菌株;およびサッカロミセス セレビシ
エ(Saccharomyces cerevisia
e)などが挙げられる。
【0035】これらの細菌のうちエシェリヒア コリ
(E.coli)K12株294が最も好ましい。上記
微生物を宿主として使用する場合、これら微生物に適し
たプラスミドベクターが組換え体DNAの複製可能な発
現ベクターとして一般に用いられる。例えば大腸菌を形
質転換するためのプラスミドベクターとしてはプラスミ
ドpBR322やpBR327などを用いることができ
る。プラスミドベクターは通常複製起源、プロモータ
ー、および組換え体DNAで形質転換した細胞を選別す
るのに有用な表現型を組換え体DNAに与えるマーカー
遺伝子等を含んでいる。プロモーターの例としては、β
−ラクタマーゼ及びラクトースプロモーター、トリプト
ファンプロモーター等が挙げられる。マーカー遺伝子の
例としては、アンピシリン耐性遺伝子やテトラサイクリ
ン耐性遺伝子が挙げられる。
【0036】一方、本発明のDNAを発現して該ペプチ
ドを製造するためには上記の原核細胞を宿主として用い
る宿主−ベクター系および脊椎動物の細胞などの真核生
物の細胞を宿主細胞として用いる宿主−ベクター系を使
用することができる。真核細胞の例としては前述の動物
の細胞株などの細胞が挙げられる。本発明のDNAを前
述の真核細胞で発現させるために、本発明の組換え体D
NAは一般に遺伝子発現を制御するための機能配列、例
えば、複製起源、本発明のDNAの上流に位置すべきプ
ロモーター、リボゾーム結合部位、ポリアデニル化部位
や転写終止配列を含有している。本発明のDNAを真核
細胞内で発現させるのに用いることのできるそのような
機能配列はウィルスやウィルス性物質から得ることがで
きる。
【0037】例えば、本発明で用いることのできるプロ
モーターはアデノウィルス2、ポリオーマウィルス、シ
ミアンウィルス40(SV40)等から得ることができ
る。特に、アデノウィルス2の主後期プロモーターやS
V40の初期および後期プロモーターが好ましい。ま
た、トロンビンのプロテインC活性化を促進する作用を
有するヒト肺由来のペプチドをコードする遺伝子の上流
の位置に本来存在するプロモーターも、上述の宿主−ベ
クター系で使用するのに適しているならば使用すること
ができる。複製起源については、外来性の起源、例え
ば、アデノウィルス、ポリオーマ、SV40、水庖性口
内炎ウィルス(VSV)、ウシ乳頭腫ウィルス(BP
V)等のウィルス由来の複製起源を用いることができ
る。また、発現ベクターとして宿主染色体に組み込まれ
るような性質を有するベクターを用いる場合、宿主染色
体の複製起源を利用することができる。
【0038】本発明の複製可能な組換え体DNAで形質
転換された微生物または細胞は、前述のとおり、組換え
体DNAに与えられた少なくとも1種の表現型によって
形質転換されずに残った親細胞から選別される。表現型
は少なくとも1種のマーカー遺伝子を組換え体DNAに
挿入することによって与えることができる。また複製可
能な発現ベクターが本来有しているマーカー遺伝子を利
用することもできる。マーカー遺伝子の例としては、例
えば、ネオマイシン耐性などの薬剤耐性遺伝子やジヒド
ロ葉酸レダクターゼ(以下“DHFR”と称する)をコ
ードする遺伝子などが挙げられる。これに関し、DHF
R遺伝子をマーカー遺伝子として用いる場合、DHFR
には様々のタイプがあるため、その使用するマーカー遺
伝子のコードしているDHFRのタイプによって用いる
べき宿主を選択しなければならない。
【0039】例えば、マーカー遺伝子として野生型DH
FRをコードする遺伝子を用いる場合、宿主としてはD
HFR欠損株を用いるのが好ましい。DHFR欠損株は
ヒポキサンチン、グリシン及びチミジンを要求するの
で、ヒポキサンチン、グリシン及びチミジンを含まない
培地中では成育できない。しかしながら、DHFR欠損
株をDHFR遺伝子を含有する組換え体DNAで形質転
換すると、その株はもはやヒポキサンチン、グリシン及
びチミジンを要求しなくなり、ヒポキサンチン、グリシ
ン及びチミジンを含まない培地中でも成育することがで
きる。従って、形質転換細胞はヒポキサンチン、グリシ
ン及びチミジンについての栄養要求性を判断基準にして
形質転換されないで残った細胞から容易に選択すること
ができる。
【0040】一方、メトトレキセート(MTX)に対す
る親和性の低い変異体DHFRをコードする遺伝子(以
下“MTX耐性DHFR遺伝子”と称する)をマーカー
遺伝子として用いる場合には、宿主細胞は正常なDHF
Rをコードする遺伝子を有していればよくDHFRを欠
損している必要はない。その理由は以下のとおりであ
る。正常DHFRはMTXによって阻害されるため、正
常DHFRをコードする遺伝子を含有する宿主細胞はM
TXの存在下ではヒポキサンチン、グリシン及びチミジ
ンを要求する。
【0041】しかしながら、その宿主細胞がMTX耐性
DHFR遺伝子を含有する組換え体DNAで形質転換す
ると形質転換細胞はMTX存在下においてももはやヒポ
キサンチン、グリシン及びチミジンを要求しない。従っ
て、形質転換細胞は、MTX存在下におけるヒポキサン
チン、グリシン及びチミジンについての栄養要求性を判
断基準として用いて形質転換されていない細胞から選択
することができる。これに関し、真核細胞の大多数がM
TX感受性であるのでMTX耐性DHFR遺伝子はマー
カー遺伝子として用いるのに好都合である。
【0042】サッカロミセス セレビシエ(Sacch
aromyces cerevisiae)などの酵母
も本発明のDNAを発現するための宿主として用いるこ
とができる。酵母で本発明のDNAを発現するためには
複製可能な発現ベクターとして例えばプラスミドYRp
7を用いることができる。プラスミドYRp7はtrp
l遺伝子を含有しており、このtrpl遺伝子をマーカ
ー遺伝子として利用することができる。
【0043】酵母細胞用の発現ベクターのプロモーター
の例としては、3−ホスホグリセレートキナーゼまたは
エノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデ
ヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルベートデカルボ
キシラーゼ、ホスホフラクトキナーゼ、グルコース−6
−ホスフェートイソメラーゼ、グルコキナーゼ、などの
解糖系に関与する酵素類の遺伝子のプロモーターやアル
コールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロームC、酸性
ホスファターゼ、窒素代謝に関与する酵素、マルトース
及びラクトースの利用に関与する酵素類の遺伝子のプロ
モーターが挙げられる。これらのうち、アルコールデヒ
ドロゲナーゼ2、イソチトクロームC、酸性ホスファタ
ーゼ、窒素代謝に関与する酵素類、グリセルアルデヒド
−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、及びマルトース
及びラクトースの利用に関与する酵素類の遺伝子のプロ
モーターは、これらのプロモーターによる転写を宿主の
培養条件を変えることによって制御することができるの
で有利である。
【0044】酵母細胞中における転写や翻訳を制御する
ための複製起源や終止コドンおよびその他のDNA配列
としては、酵母細胞に適している通常の公知のDNA配
列を用いることができる。形質転換した微生物または細
胞は通常の栄養培地を用いて通常の公知の方法で培養す
ることにより本発明のペプチドをコードするDNAを発
現して本発明のペプチドを製造することができる。培養
後、本発明のペプチドは形質転換体の培養物から通常の
公知の方法、例えばカラムクロマトグラフィーなどを用
いて単離することができる。このようにして得られたペ
プチドは様々な種類と長さの糖鎖を少なくとも1種含有
していてもよい。得られたペプチドが糖鎖を含有してい
るか否かは用いる宿主細胞の種類によって異なる。ま
た、ペプチドが糖鎖を含有している場合の糖鎖の種類や
長さも用いる宿主細胞の種類によって異なる。
【0045】一般に、翻訳開始シグナルのATGから翻
訳されたペプチドは宿主細胞から分泌されるときにプロ
セッシングを受けて成熟蛋白になることが知られてい
る。本発明で提供されるペプチドの場合もそのようなプ
ロセッシングを受けることがある。ペプチドがプロセッ
シングを受ける部位は、宿主により、または培養条件に
より変化する場合がある。例えば、本発明のDNAがコ
ードするペプチドが、式(I)で表されるペプチドとN
末端アミノ酸配列として前述の18個のアミノ酸からな
るリーダー配列とを含むプロセッシングを受けていない
未成熟形で形質転換細胞中で産生される場合、その未成
熟形ペプチドはプロセッシングを受けてリーダー配列が
削除されて成熟形となることがある。しかしながら、前
述のように未成熟形ペプチドのプロセッシングを受ける
位置は使用する宿主の種類や宿主の培養条件により変化
するので必ずしも上記のようなプロセッシングが起きる
とは限らない。
【0046】前述のとおり、トロンビンによるプロテイ
ンCの活性化を促進する作用を有するペプチドは組換え
DNA技術を用いる方法により製造することができる。
プロテインCは血液凝固線溶機構において重要な役割を
演じているビタミンK依存性の蛋白質であり、トロンビ
ンの作用により活性化される。活性型プロテインCは、
生体内で血液凝固系補酵素の活性型第V因子、および活
性型第VIII因子を失活させ、また血栓溶解作用を有
するプラスミノーゲンアクチベーターの産生に関与して
いることが知られている。〔鈴木宏治、医学の歩み、第
125巻、901頁、(1983年)〕。該ペプチド
は、このトロンビンによるプロテインCの活性化を促進
して抗血液凝固作用と血栓溶解作用を示す活性型プロテ
インCを大量に産生せしめるものである。従って、該ペ
プチドは生体における抗血液凝固及び血栓溶解に大きく
寄与するものである。
【0047】前述のように、該ペプチドは抗血液凝固作
用と血小板凝集抑制作用及び血栓溶解作用を有するので
例えば、心筋梗塞、血栓症、塞栓症、末梢血管閉塞症、
閉塞性動脈硬化症、血管内血液凝固症候群(DIC)、
狭心症、一過性脳虚血発作、妊娠中毒症等の疾患の治療
及び予防に用いることができる。しかしながら、該ペプ
チドを含有する医薬組成物を製造するためには、高純度
の該ペプチドを再現性よく、かつ大量に製造することが
必須である。そのような方法としては、例えば本発明の
DNAを用いた遺伝子工学的手法が考えられる。この手
法によれば、高純度で他のヒト由来の蛋白を含まない形
態で該ペプチドを得ることができる。
【0048】前述のように、先行文献によれば、これま
でにウサギ肺、ウシ肺、ヒト胎盤、ヒト肺について抽出
法により組織由来の該ペプチドについて研究がなされ、
その一般的性質が調べられてきた。しかしながら、その
物質の構造、例えばアミノ酸配列などは解明されておら
ず、未だにその物質は同定されていない。従って、上記
の先行技術文献に報告されている物質が単一物質である
か否か、医薬組成物を製造するのに十分な純度を有して
いるかどうか、また、これらの先行技術文献の記載の手
法にしたがえば、同一の物質が繰返し得られるか否かに
ついても全く不明である。
【0049】本発明の医薬組成物となすに際しては、本
発明のペプチドと、薬剤として使用可能な担体とを混合
すればよい。通常、本発明のペプチドの性状から適当量
の界面活性剤を添加することが好ましい。即ち、上記の
疾患を治療または予防するのに有効な量の本発明のペプ
チドを適当な量の担体と混ぜて、患者に効果的に投与す
るのに適した医薬組成物を調製することができる。薬剤
として使用可能な担体としては、例えば、メチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロースなどが例示される。
【0050】また本発明の医薬組成物としては凍結乾燥
された製剤となすことが好ましい。また本発明の医薬組
成物は注射用製剤として用いることが好ましい。さらに
は、点滴静注用製剤とすることが好ましい。注射剤とし
て用いる場合に、上記の担体は、薬剤として投与可能で
あり、且つ注射可能な溶液となり得る担体であることが
好ましく、この担体としては、ショ糖、精製ゼラチン、
アルブミン、マンニトール、ブドウ糖および塩化ナトリ
ウムからなる群より選ばれた1種以上が例示され、また
各種無機塩のpH調整剤などを添加することも好ましい
例として挙げられる。また本発明においては、上記担体
が、グリセリンであることもまた好ましい。上記の担体
は、製剤を調製する際に添加することが好ましいが、用
時に溶解された際において添加されることも許されるも
のである。
【0051】本発明のペプチドの成人1回当たりの投与
量は年齢、性別、体重、症状等により異なるが、一般に
約0.1〜200mgであり、一日当たり一回または必
要に応じて数回、注射、好ましくは点滴静注により投与
する。本発明者は、本発明のペプチドが副作用の少ない
極めて有用なものであることを確認しており、例えば、
動物実験でラットiv投与において約3mg/Kgで全
く死亡例や害を生ずることがなく、有効な作用も認めら
れることから、ヒトの体重を約60〜70Kgと考えて
上記の投与量が妥当なものとして提示される。
【0052】本発明をより詳細に記述するために参考例
及び実施例により説明するが、本発明の範囲はこれらの
実施例にのみ限定されるものではない。
【実施例】参考例1 (プロテインC活性化を促進する作用の測定) 本発明のペプチドのプロテインC活性化の促進作用の測
定は、合成基質Boc−Leu−Ser−Thr−Ar
g−MCA(Boc及びMCAはそれぞれt−ブトキシ
カルボニル基及び4−メチルクマリル−7−アミドの略
称である)を用いる公知のプロテインC測定法〔ワイ
オーノ(Y.Ohno)ら、ザ ジャーナル オブ バ
イオケミストリー(J.Biochem.)90巻、1
387頁(1981年)〕に従って行なった。すなわ
ち、プロテインC(最終濃度0.5μM)及びトロンビ
ン(最終濃度80nM)を含有する水溶液5μlに本発
明で得られたペプチドを含む水溶液5μl(0〜0.0
1 A280/ml)を加え、これにNaCl、CaC
、血清アルブミン及びトリス塩酸緩衝液(pH7.
4)をそれぞれ最終濃度が0.15M、2.5mM、1
mg/ml及び20mMになるように、そして全量が3
0μlとなるように加えた。
【0053】得られた混合物を37℃で15分間反応さ
せてプロテインCを活性化した後に2μMのアンチトロ
ンビンIIIを10μl及び10単位/mlのヘパリン
を含有する水溶液を10μl加えて37℃で15分間加
温して反応を停止させた。得られた反応混合物に、前述
の合成基質Boc−Leu−Ser−Thr−Arg−
MCA〔財団法人蛋白質研究奨励会ペプチド研究会(P
eptide Institute)(日本)製〕20
0μMを含む20mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)
250μlを加え、37℃で10分間反応させた後、2
0%酢酸0.5mlを加えて反応を停止させ、遊離して
きたAMC(7−アミノ−7−メチル−クマリン)の濃
度を励起波長380nm、発光波長440nmで蛍光分
光光度計RF−540型(島津製作所製、日本)により
測定した。得られた蛍光強度を既知濃度のAMCの蛍光
強度と比較して、遊離したAMC量を求めた。値は1分
間当りに生成するAMC量で表わす。このAMC量から
本発明で得られたペプチドを含まない水溶液を加えたと
きのAMC量を引いた値がサンプルのトロンビンによる
プロテインC活性化を促進する強さを示す。
【0054】ここで、プロテインCはヒト血しょうから
鈴木らの方法〔鈴木(Suzuki)ら、ザ ジャーナ
ル オブ バイオロジカル ケミストリー(J.Bio
l.Chem.)、258巻、1914頁、(1983
年等)〕で精製した。また、ヒトトロンビンはランドブ
ラッド(Lundblad)らの方法〔ランドブラッド
(Lundblad)ら、バイオケミカル アンド バ
イオフィジカル リサーチ コミュニケーション(Bi
ochem.Biophys.Res.Commu
n.)66巻、482頁(1975年)〕で精製した。
【0055】参考例2 (1):(ヒト肺cDNAライブラリーの入手) ヒトの肺のポリ(A)RNAより調製したバクテリオ
ファージλgt11cDNAライブラリーは、米国、ク
ローンテック社(Clontech Laborato
ries,Inc.、922 Industrial,
Ave.Palo Alto,CA94303)より購
入した(カタログ番号HL1004)。
【0056】(2):(トロンビンによるプロテインC
活性化を促進する作用のあるグリコペプチドの精製) プロテインC活性化を促進する作用のあるグリコペプチ
ドは、以下のようにしてヒト肺より抽出して得た。公立
病院より提供されたヒト肺標本約800gを鋏で約1c
m四方程度の大きさに細切りした後、得られた組織片に
1mMのDFP(Diisopropyl fluor
ophosphate)を含む4℃に冷却した500m
lの生理食塩水を加え、ワーリングブレンダーとしてA
ce Homogenizer AM−1型(日本精器
会社製、日本)を用いて4℃で5分間、ホモジナイズし
た。ホモジナイズ後、混合物を氷中で5分間冷却した。
【0057】次に、混合物を更に4℃で5分間、ホモジ
ナイズし氷中で5分間冷却した。上記のホモジナイズ及
び冷却操作を更に3回くり返した。得られたホモジェネ
ートを12,000gで4℃において30分間遠心分離
にかけて上澄液とペレットに分け、ペレットを集める。
これに0.5%(v/v)トリトンX−100、0.2
5M庶糖、1mMベンズアミジン塩酸、0.5mM C
aClを含む0.02Mトリス塩酸緩衝液(pH7.
5)100mlに懸濁し、ワーリングブレンダーを用い
て4℃で5分間、5回ホモジナイズして細胞抽出物を得
た。
【0058】得られた抽出物を35,000g、10℃
で60分間遠心分離にかけて上澄液を集めた。エヌ エ
ル エスモン(N.L.Esmon)ら〔ザ ジャーナ
ルオブ バイオロジカル ケミストリー(J.Bio
l.Chem.)、257巻、859頁(1982
年)〕の方法に従って作成したDIP−トロンビン〔ジ
イソプロピルホスフォロトロンビン(diisopro
pylphosphoro−thrombin)〕を、
ピー クオトレカサス(P.Cuatrecasas)
の方法〔ザ ジャーナル オブ バイオロジカル ケミ
ストリー(J.Biol.Chem.)、245巻、3
059頁(1970年)〕に従ってブロムシアン化した
アガロースに結合させて、DIP−トロンビン−アガロ
ースを作成した。
【0059】次にDIP−トロンビン−アガロースを
2.5cmφ×10cmの大きさのカラムに充填してD
IP−トロンビン−アガロースカラムを作成し、室温で
0.1M NaCl、0.5mM CaCl、1mM
ベンズアミジン塩酸、0.5%(v/v)Lubrol
PX(半井科学薬品製、日本)を含む0.02Mトリ
ス塩酸緩衝液(pH7.5)でカラムを平衡化した。次
いで、上記の抽出上澄液をカラムに供した。カラムを
0.3M NaCl、0.5mM CaCl、1mM
べンズアミジン塩酸、0.5%(v/v)Lubrol
PXを含む0.02Mトリス塩酸緩衝液(pH7.
5)で洗浄した後、1M NaCl、0.1mM ED
TA、1mMベンズアミジン塩酸0.5%(v/v)L
ubrol PXを含む0.02Mトリス塩酸緩衝液
(pH7.5)で溶出して2.0mlずつフラクシヨン
を集めた。溶出によって得られる各フラクションについ
て前記の方法でトロンビンのプロテインCの活性化促進
能を測定した。同時に島津製作所(日本)製スペクトロ
フォトメーターUV−240を用いて各フラクションの
波長280nmにおける吸光度(A280)を測定し
た。
【0060】プロテインC活性化能のある画分を回収
し、0.1M NaCl、0.5mMCaCl、0.
05%(v/v)Lubrol PXを含む0.02M
トリス塩酸緩衝液(pH7.5)で透析した。得られた
透析液を2回目のDIP−トロンビン−アガロースカラ
ムクロマトグラフィーに供した。即ち、透析液を1.5
cmφ×10cmの大きさのDIP−トロンビン−アガ
ロースカラムに供し、0.4M NaCl、0.5mM
CaCl、0.1%(v/v)LubrolPXを
含む0.02Mトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で洗浄
後、さらに0.4M NaCl、0.1mM EDT
A、0.1%(v/v)Lubrol PXを含む0.
02Mトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で洗浄し、次い
で1M NaCl、0.5mM EDTA、0.1%
(v/v)Lubrol PXを含む0.02Mトリス
塩酸緩衝液(pH7.5)で溶出した。
【0061】プロテインC活性化能のある画分を回収
し、更に0.1M NaCl、0.05%(v/v)L
ubrol PXを含む0.02Mトリス塩酸緩衝液
(pH7.5)で透析した。得られた透析液を3回目の
DIP−トロンビン−アガロースカラムクロマトグラフ
ィーに供した。カラムの大きさ、洗浄条件および溶出条
件は2回目のDIP−トロンビン−アガロースカラムク
ロマトグラフィーの条件と全く同じ条件で行なった。な
お、溶出して得られるフラクションは2mlずつ集め
た。プロテインC活性化能のある画分を回収し、0.1
M NaCl、0.05%(v/v)Lubrol P
Xを含む0.02Mトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で
透析した後、0.9cmφ×8cmの大きさの4回目の
DIP−トロンビン−アガロースカラムクロマトグラフ
ィーに供した。0.35M NaCl、0.5mM C
aCl、0.1%(v/v)Lubrol PXを含
む0.02Mトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で洗浄
後、1M NaCl、0.5mMEDTA、0.1%
(v/v)Lubrol PXを含む0.02Mトリス
塩酸緩衝液(pH7.5)で溶出した。溶出して得られ
たフラクションは1.9mlずつ集めた。
【0062】この第4回目のDIP−トロンビン−アガ
ロースカラムクロマトグラフィーの溶出パターンを図1
に示す。フラクションナンバー48番目から56番目ま
でを回収した。このようにして精製されたフラクション
の吸光度から、得られた精製品の分子吸光係数を一般的
な蛋白質の分子吸光係数にならない10.0(E1%
1cm・280nm=10.0)と規定してそれに基づ
き本精製品の量を計算したところ約500μgであっ
た。なお、得られた精製画分をポリアクリルアミドゲル
濃度5〜10%のグラジェントを用いるSDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動を50Vの電圧で2時間行な
い、銀染色によってバンドを観察したところ単一バンド
のみ確認された。
【0063】また、この精製タンパク約10μgを20
0mMのNaClおよび0.1%(v/v)Lubro
l PXを含む50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.
5)で透析後、同じ緩衝液で平衡化したConAセファ
ロース(ファルマシア社製、カタログ番号17−044
0)のカラム(樹脂量約1ml)に供し、同じ緩衝液で
充分洗浄したところ、このタンパクはConAセファロ
ースに吸着して洗浄液中には溶出されなかった。次い
で、0.5Mのメチル−α−D−マンノピラノシド(M
ethyl−α−D−mannnopyranosid
e)(米国Sigma社製、カタログ番号M−688
2)を含む以外は上記と同じ緩衝液を通したところ、こ
のタンパク質は溶出した。従って、このタンパク質は糖
を含むいわゆるグリコペプチドであることがわかった。
【0064】(3):(トロンビンのプロテインC活性
化を促進するグリコペプチドのアミノ酸配列分析) このグリコペプチドのアミノ酸配列は以下の様にして分
析した。精製したグリコペプチドを0.1%(v/v)
ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液で室温で16
時間透析してアミノ酸配列分析用試料とする。アプライ
ドバイオシステムズ社(米国)製アミノ酸シークエンシ
ングアナライザー(モデル470A)を用い、アール
エム ヘウイック(R.M.Hewick)らの方法
〔ザ ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリ
ー(J.Biol.Chem.)256巻、7990
頁、(1981年)〕に準じて、N末端側より順次エド
マン分析を行なった。
【0065】遊離してくるフェニルチオヒダントイン
アミノ酸を、スペクトロフイジクス社(米国)製高速液
体クロマトグラフィー用装置(SP8100)および米
国デュポン社製ゾルバックスODSカラムを用いて分析
を行ない、アミノ酸配列を決定した。その結果、アミノ
酸配列の一部が明らかになり、N末端より11個目まで
は下記アミノ酸配列を有するものであることがわかっ
た。 Ala−Pro−Ala−Glu−Pro−Gln−Pro−Gly−Gly− Ser−Gln
【0066】(4):(N末端アミノ酸配列をコードす
るDNAプローブの作成) トロンビンによるプロテインC活性化を促進するグリコ
ペプチドのN末端アミノ酸配列をコードするDNAプロ
ーブは、前述のN末端アミノ酸配列より、ヒト由来遺伝
子においてアミノ酸をコードする塩基配列の塩基の使用
頻度を考慮して〔ニュークリック アシド リサーチ
(Nucleic Acid Res.)、9巻、R4
3頁、(1981年)〕、N末端からのアミノ酸配列を
コードする塩基配列として、5′CTGGG AGCC
G CCGGG CTGGG GCTCG GCGGG
GGC3′の33merを、また大塚ら〔イー オーツ
カエト アール(E.Ohtsuka,et a
l.)、ザ ジャーナル オブバイオロジカル ケミス
トリー(J.Biol.Chem.)第260巻、26
05頁、1985年〕に従って、デオキシイノシン
(“1”で示す)をチミジル酸の代りに用いてN末端か
らのアミノ酸配列をコードする塩基配列として、 (1)5′GCICC IGCIG AACCI CAGCC IGG3′ (2)5′GCICC IGCIG AGCCI CAACC IGG3′ (3)5′GCICC IGCIG AGCCI CAGCC IGG3′ (4)5′GCICC IGCIG AACCI CAACC IGG3′ の4種類の23merを米国アプライド バイオシステ
ムズ(AppliedBiosystems)社製の3
80A型DNA合成機で合成し、メーカーマニュアルに
したがって精製し、実験書〔イー エフ マニアティス
ら(Maniatis E.F.,et al)、モレ
キュラークローニング(Molecular Clon
ing)、122頁、1982年)の記載にしたがっ
て、TDNAキナーゼ、およびγ−32P−ATPを
用いてラベル化した。
【0067】(5):(トロンビンによるプロテインC
活性化を促進する作用のあるグリコペプチドの抗体) トロンビンのプロテインC活性化を促進する作用のある
グリコペプチドに対するウサギ抗体は、前述のようにし
て精製したトロンビンによるプロテインC活性化を促進
する作用のあるヒト肺由来のグリコペブチドを用いて、
成書〔エル ハドソンら(L.Hudson et a
l.)、プラクティカル イムノロジー(Practi
cal Immunology)、9頁(1976
年)、ブラックウェル サイエンティフィック パブリ
ケーションズ(BlackwellScientifi
c Publications)〕に従って作製した。
【0068】この抗体がトロンビンによるプロテインC
活性化を促進する作用のあるヒト肺由来のグリコペブチ
ドと反応することを以下の様にして確認した。すなわ
ち、参考例2−(2)に記載の方法で得た精製タンパク
の約10ngをニトロセルロースのフィルターにスポッ
トする。よく風乾した後、この抗体を一次抗体としてニ
トロセルロースフィルター上のタンパクと反応させ、次
いでヤギで調製したビオチン化抗ウサギIgG(ザイメ
ット ラボラトリー社製、米国、カタログ番号62−1
840)を二次抗体として反応させた後、アビジン ビ
オチン化した西洋ワサビ由来パーオキシダーゼ(アマシ
ャムジャパン社製、日本、カタログ番号RPN.105
1)を作用させる方法で発色させると黒褐色のスポット
を与えた。
【0069】(6):(ヒトさい帯内皮細胞の採集及び
培養) ヒトさい帯内皮細胞はディスパーゼII(合同酒精製、
日本)を用いるマノらの方法〔ワイ マノら(Y.Ma
no,et al.)、エクスペリンエンシア(Exp
erientia)、第39巻、第1144頁、(19
83年)〕に従って、私立病院より提供された新鮮なヒ
トさい帯から得た静脈より採集し培養した。
【0070】参考例3 (組換え体DNAの取得) (1):(ポリ(A)RNAの調製) ヒト内皮細胞よりチャーギンらの方法〔ジェイ エム
チャーギン(Chirgwin,J.M.et a
l.)、バイオケミストリー(Biochemistr
y)、第18巻、5294頁(1979年)〕に従って
ポリ(A)RNAを調製した。
【0071】(2):(ヒト肺cDNAライブラリーよ
りのスクリーニング) ヒト肺のポリ(A)RNAより調製したcDNAをバ
クテリオファージλgt11に組み込んだcDNAライ
ブラリー(クローンテック社製、米国)をそのマニュア
ルに従ってイー コリ(E.coli)Y1090(ク
ローンテック社製、米国)に感染させたものをLB培地
プレート上に15cm径プレート1枚当り約10万プラ
ーク程度になる様に移植した。42℃で3.5時間培養
後、あらかじめ10mMのIPTG(isopropy
l−β−D−thiogalactopyranosi
de)に浸してから乾燥させたニトロセルロースフィル
ター(BA85メンブランフィルター、シュライヒャー
アンド シェル社製、独国)をプレートの上に載せ、
37℃で3.5時間インキュベートして、ペプチドをI
PTGで誘導発現させてニトロセルロースフィルター上
にうつしとる。
【0072】このニトロセルロースフィルターに、マニ
ュアルに従って、ウサギで調製したトロンビンのプロテ
インC活性化を促進する作用を有する参考例2−(5)
で得られたグリコペプチドに対する抗体を一次抗体とし
て反応させ、次いでヤギで調製したビオチン化抗ウサギ
IgG(ザイメッド ラボラトリー社製、米国、カタロ
グ番号62−1840)を二次抗体として反応させた
後、アビジン ビオチン化した西洋ワサビ由来パーオキ
シダーゼ(アマーシャム ジャパン社製、日本、カタロ
グ番号RPN.1051)で発色させて、陽性のクロー
ンを単離した。この陽性クローンの保有する組換え体c
DNA/λgt11に含まれるcDNA断片をTM13
と称した。
【0073】(3):(N末端アミノ酸配列をコードす
るDNAプローブとのハイブリダイゼーション) 参考例3−(2)で得られたDNA断片TMI3が参考
例2−(4)で調製したN末端アミノ酸配列をコードす
るDNAプローブとハイブリダイズするか否かを実験書
〔シルハービイ(Silhavy)ら、エクスペリメン
ツ ウイズ ジーン フュージョンズ(Experim
ents With Gene Fusions)、1
91頁、(1984年)コールド スプリングハーバー
ラボラトリー(Cold Spring Harbo
r Laboratory)〕に従って実施した。DN
A断片TM13はいずれのN末端アミノ酸配列をコード
するDNAプローブともハイブリダイズしないことがわ
かった。
【0074】(4):(TM13の塩基配列) 参考例3−(2)で得られるクローンがするDNA断片
TM13の塩基配列をサンガーらの方法(サンガー エ
フ ら(Sanger,F,et al.)、プロシー
ディング オブ ナショナル アカデミー オブ サイ
エンス ユーエスエー(Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA)、74巻、5463頁(1977
年)にしたがって決定した。結果を図2及び図3に示
す。
【0075】(5):(DNA断片TM13をプローブ
としたヒト肺cDNAライブラリーのスクリーニング) DNA断片TM13を制限酵素KpnIおよびPvuI
Iで消化して約440塩基対のDNA断片を得、これを
ニックトランスレーション法で32Pで標識した。この
DNA断片をプローブとしてヒト肺cDNAライブラリ
ーよりプラークハイブリダイゼーションを行なって陽性
のクローンをスクリーニングした。すなわち、常法に従
ってクローンTM13のDNAをKpnIおよびPvu
IIで消化してポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離
し、抽出、精製して約440bpの精製断片約500n
gを得た。このDNAをアマーシャム ジャパン(日
本)社製のニックトランスレーション キット(カタロ
グ番号N.5000)を用い、それに添付のユーザー
マニュアルに従ってα−32P−dCTPを用いて標識
した。
【0076】この32Pで標識したDNA断片をプロー
ブとして実験書〔マニアティス(Maniatis)
ら、モレキユラー・クローニング(Molecular
Cloning)、320頁、1982年、コールド
スプリング ハーバー ラボラトリー(Cold S
pring Harbor Laboratory)〕
に従ってヒト肺cDNAライブラリーのプラークハィブ
リダイゼーションを行なった。陽性のクローンを単離
し、そのクローンが含有する組換え体を各種制限酵素で
解析したところ、得られた組換え体にはTM13よりも
前記ペプチドのN末端側の塩基配列をコードしていると
思われる約2,400bpのDNA断片が組み込まれて
いることがわかった。このDNA断片をTM137と称
した。
【0077】(6):(DNA断片TM137の塩基配
列) 前記(5)で得られたDNA断片TM137の塩基配列
を参考例3−(4)に記載の方法と同様に決定した。結
果を図3〜図7に示す。この結果より、DNA断片TM
137は、参考例2−(3)に記載したN末端アミノ酸
配列をコードする塩基配列を含まないことがわかった。
【0078】(7):(プライマー エクステンショ
ン) 参考例3−(4)で得られたDNA断片の塩基配列のう
ち、DNA断片TM13のN末端側の配列を基に3種類
の合成DNAを参考例2−(4)に記載と同様にして作
成し、HTM131、HTM132、HTM133と命
名した。なお、合成DNAの設計に当っては、ヒトさい
帯内皮細胞より調製したmRNAとハイブリダイズする
側の塩基配列を利用した。各合成DNAの塩基配列は以
下のとおりであり、それらの合成DNAが対応するDN
A断片TM13での位置を図2に、またTM137での
位置を図4に示した。
【0079】 HTM131: 5′GACGCAGAGGTAGCTAGTTT 3′ (20mer) HTM132: 5′AACATCTGGCACCTG 3′ (15mer) HTM133: 5′GACAGGCAGTCTGGTTGCAA 3′ (20mer)
【0080】次に、このHTM133をプライマーとし
て参考例3−(1)に記載した方法で得たヒトさい帯内
皮細胞より調製したポリ(A)RNAをもちいて、い
わゆるプライマー エクステンション(Primer
Extension)法を行なって、DNA断片TM1
37のさらに5′上流部分を合成した。すなわち、約1
μg/μlのポリ(A)RNA5μlに約27ng/
μlのHTM133溶液20μlを加え65℃で20分
間加熱後、室温にまで約1時間かけて冷却した。それ以
降は、cDNA合成システム(アマシャム ジャパン
社、日本、カタログ番号RPN1256)を用いて、そ
のマニュアルに従ってcDNAを合成した。但し、cD
NA合成システムに入っているオリゴ(dT)プライマ
ーのかわりにHTM133を用いて実施した。
【0081】合成されたcDNAは実験書〔マニアティ
ス(Maniatis)ら、モレキュラー クローニン
グ(Molecular Cloning)、241
頁、1982年、コールド スプリング ハーバー ラ
ボラトリー(Cold Spring Harbor
Laboratory)〕に従って両末端にCテールを
つけ、両末端にGテールをつけたpBR322(ATC
C37017)と混合し、65℃、5分間加熱後57
℃、2時間加熱した後、ゆっくりと室温に戻した後大腸
菌K12MC1061(ベックマン シティ オブ ホ
ープ メディカルインスティテュート、米国より入手)
を形質転換した。詳しくは、大腸菌K12MC1061
株のコロニーをLB培地を用いて、550nmにおける
吸光度が0.3になるまで培養した。該培養物50ml
を集め、25mlの10mM RbClを含む10mM
3−(N−モルホリノ)プロパン−スルホン酸(MO
PS)(pH7.0)溶液で洗浄し、次いで50mM
CaCl、10mM RbClを含む25mlの0.
1M MOPS(pH6.5)に再び懸濁した。
【0082】得られた懸濁液を30分間氷冷し、遠心
後、上澄を除去し、30μlのDMSOおよび50mM
CaClと10mM RbClを含む2.0mlの
0.1M MOPS(pH6.5)の混合液中に懸濁さ
せた。懸濁液を200μlずつ分注し、前述のプラスミ
ドDNA溶液10μlをそれぞれに加えた。該混合液を
30分間氷冷した後、44℃で60秒ヒートショックを
与え、ただちに、あらかじめ37℃に温めておいた5m
lのLB培地を加えた。この溶液を37℃で1時間培養
した後、それぞれの溶液を遠心し、上澄を除去し、細胞
ペレットを得た。該細胞ペレットにLB培地を加え、撹
拌した後、懸濁液とした。該懸濁液を5μg/mlのテ
トラサイクリンを含むLB寒天プレートにまき37℃で
1夜培養を行なった。
【0083】このようにして得られるcDNAバンクよ
り、参考例2−(4)に記載した方法に従って5′末端
32Pで標識したHTM131及びHTM132をそ
れぞれプローブとして、コロニーハイブリダイゼーショ
ンを参考例3−(3)と同様の方法で実施した。コロニ
ーハイブリダイゼーションで約70,000個の形質転
換体をスクリーニングしてHTM131及びHTM13
2の両者のプローブと反応するコロニーが6クローン得
られた。この6クローンから、実験書〔マニアティス
(Maniatis)ら、モレキュラー クローニング
(Molecular Cloning)、366頁、
1982年、コールド スプリング ハーバー ラボラ
トリー(Cold Spring Harbor La
boratory)〕に従ってプラスミドDNA(これ
を“pTMP5”と称する)を調製し、各種の制限酵素
を用いて切断し、電気泳動で解析したところ、6クロー
ンから得られたプラスミドDNAは全て同一であり、約
900bpの大きさのDNA断片とベクターからなるこ
とがわかった。このDNA断片をTMP5と命名した。
【0084】(8):(DNA断片TMP5とN末端ア
ミノ酸配列をコードするDNAプローブとのハイブリダ
イゼーション) 参考例3−(3)に記載の方法と同様にして、DNA断
片TMP5がN末端アミノ酸配列をコードするDNAプ
ローブとハイブリダイズするか否かを調べた。DNA断
片TMP5はいずれのN末端DNAプローブともハイブ
リダイズしない、つまりN末端アミノ酸配列部分をコー
ドしていないことが分かった。
【0085】(9):(DNA断片TMP5の塩基配
列) 参考例3−(4)に記載の方法と同様にして、DNA断
片TMP5の塩基配列を決定した。結果を図8〜図9に
示す。
【0086】(10):(第2回目のプイマー エクス
テンション) 参考例3−(7)に記載の方法と同様にして、DNA断
片TMP5の塩基配列を基にしてHTM134、HTM
135、HTM136の3本の20merの合成DNA
を作成する。これらの合成DNAと対応するDNA断片
TMP5における位置を図8に示す。参考例3−(7)
に記載の方法と同様にしてプライマー エクステンショ
ンをHTM136をプライマーとし、HTM134、及
びHTM135をプローブとして実施した。約50,0
00個の形質転換体から、HTM134、及びHTM1
35とハイブリダイズする形質転換体が一種類得られ
た。この形質転換体が保有する組換え体に含まれている
DNA断片をTMP26と命名した。
【0087】(11):(DNA断片TMP26とN末
端アミノ酸配列をコードするDNAプローブとのハイブ
リダイゼーシヨン) 参考例3−(3)に記載の方法と同様にしてDNA断片
TMP26がN末端アミノ酸配列をコードするDNAプ
ローブとハイブリダイズするか否かを調べた。その結
果、DNA断片TMP26は参考例2−(4)で合成し
た33merのN末端アミノ酸配列をコードするDNA
プローブ及び4種の25merのプローブのミックスプ
ローブとハイブリダイズした。つまり、DNA断片TM
P26はN末端アミノ酸配列部分をコードしていること
が分かった。
【0088】(12):(DNA断片TMP26の塩基
配列) 参考例3−(4)に記載の方法と同様にして、DNA断
片TMP26の塩基配列を決定した。DNA断片TMP
26のカルボキシル末端からの約540塩基の塩基配列
を図10に示す。
【0089】(13):(DNA断片TMP26、TM
P5及びTMP137の接合) 参考例3−(1)〜(12)で得られ、塩基配列を決定
した4本のDNA断片(TM13、TM137、TMP
5及びTMP26)のその塩基配列における対応関係お
よび簡単な制限酵素地図を図11に示す。図11に示す
ようにDNA断片TMP26に含まれるN末端アミノ酸
配列をコードする塩基配列の上流にある最初のATGよ
りオープンリーディングフレームを組むとDNA断片T
MP26、TMP5を通過してTM137の途中まで続
く1,725bpからなることが分かった。この各DN
A断片にわたるオープンリーディングフレームをコード
するDNA断片を得るためにDNA断片TMP26、T
MP5及びTM137を次のようにして常法に従って継
ぎあわせた。
【0090】(13−1)(DNA断片TM137とT
MP5の継ぎあわせ) まず、λgt11のEcoRIサイトに挿入されている
DNA断片TM137を単離し、プラスミドpUC18
(ファルマシア社製、スウェーデン、カタログ番号27
−4949−01)のEcoRIサイトに挿入してプラ
スミドpUC18TM137を得た。次に、プラスミド
pUC18TM137を制限酵素HincII、Eco
RIで消化して4%(v/v)ポリアクリルアミドゲル
電気泳動で分離し、電気泳動抽出装置(日本、アート社
製、MAX−YIELD)を用いて約2,300bp
のDNA断片を回収し、エタノール沈殿を行なって精製
した。
【0091】一方、参考例3−(7)で得られたTMP
5をプラスミドpBR322に組み込んだプラスミドp
TMP5をDdeIで完全に消化した後、切断末端を
E.coliDNAポリメラーゼ(Klenow Po
lI断片)を用いて平滑末端にして約800bpのDN
A断片を回収し、このDNA断片をpUC18のSma
Iサイトに挿入してプラスミドpUC18TMP5を得
た。次に、このプラスミドpUC18TMP5を制限酵
素BamHIおよびHincIIで完全消化して約60
0bpのBamHI−HincII断片を得た。
【0092】以上のようにしてプラスミドpUC18T
M137より調製した約2,300bpのDNAの断片
及びプラスミドpUC18TMP5より調製した約60
0bpのDNA断片プラスミドpUC18のBamHI
およびEcoRIで消化して調製したベクターに挿入し
てプラスミドpUC18TMJ1を得た。この工程を図
12に示す。 (13−2)(DNA断片TMJ1とTMP26の継ぎ
あわせ) プラスミドpUC18TMJ1を制限酵素DdeI、K
pnI及びBamHIで完全消化し、約950bp及び
約1,500bpの断片を回収した。
【0093】一方、DNA断片TMP26をプラスミド
pUC13(ファルマシア社製、スウェーデン、カタロ
グ番号27−4954−01)の制限酵素PstIサイ
トに挿入してプラスミドpUC13TMP26を得た。
これをBbeIで完全消化した後、切断末端をTDN
Aポリメラーゼを用いて平滑末端にし、さらに制限酵素
BglIIで完全消化して約170bpのDNA断片を
得た。さらに別に、プラスミドpUC13TMP26を
BglII及びDdeIで完全消化して約280bpの
DNA断片を得た。次に、上記の約170bp、約28
0bp、約950bpのDNA断片をTDNAリガー
ゼを用いて継ぎあわせ、制限酵素KpnIで消化した
後、50Vの電圧で4℃で2時間、1.3%低融点アガ
ロースゲル電気泳動にかけて精製単離し、約1,400
bpのDNA断片を得た。
【0094】また別途、プラスミドpUC18をSph
Iで完全に消化した後、E.coli DNAポリメラ
ーゼで切断末端を平滑末端にした後、BamHIで完全
消化してベクターを調製した。このベクターに上述の約
1,400bp及び約1,500bpのDNA断片をT
DNAリガーゼを用いて挿入して、プラスミドpUC
18TMJ2を得た。この工程を図13に示す。
【0095】参考例4 (ヒト染色体からの目的遺伝子のスクリーニング) ヒト染色体ライブラリーからの目的遺伝子のスクリーニ
ングは以下のようにして実施した。λファージのベクタ
ーEMBL−3に入ったヒト染色体ライブラリーは米国
クローンテック社(Clontech Laborat
ries,Inc.922Industrial Av
e.Palo Alto,CA94303)より購入し
た(カタログ番号HL1006)。このライブラリーよ
り参考例3−(2)で得られたDNA断片TM13をプ
ローブとして用いて参考例3−(5)と同様の方法でス
クリーニングを行なったところ、約2万bpインサート
を含有する染色体クローンが1種類得られた。この染色
体クローンを制限酵素BamHIで完全消化して1.0
%アガロースゲル電気泳動を行ない、実験書〔マニアテ
ィス(Maniatis)ら、モレキュラー クローニ
ング(MolecularCloning)、382
頁、1982年、コールド スプリング ハーバーラボ
ラトリー(Cold Spring Harbor L
aboratory)〕に従ってサザン ブロット ハ
イブリダイゼーションを同じプーロブを用いて実施し
た。
【0096】その結果、約4,000bpのDNA断片
に強い陽性のバンドを得たのでその断片を常法に従って
単離し、プラスミドpUC18のBamHIサイトにサ
ブクローニングした。この約4,000bpのDNAの
塩基配列を決定したところ、参考例3−(13−2)で
作製したプラスミドpUC18TMJ2に挿入されてい
るDNA断片の塩基配列と完全に一致することが分かっ
た。
【0097】実施例1 (プラスミドpSV2TMJ2の作製) プラスミドpSV2TMJ2の構築 プラスミドpSV2−dhfr(ATCC 3714
6)をHindIII及びBglIIで完全消化してS
V40の初期転写プロモーター及びSV40の転写ター
ミネータを有するベクターを得た。次に参考例2−(1
3−2)で作成したプラスミドpUC18TMJ2をH
indIIIで部分消化した後BamHIで完全消化し
て約2,900bpのDNA断片を単離した。このDN
A断片をTMJ2と称した。この2,900bpのDN
A断片と上記の如く調製したベクターとをT4DNAリ
ガーゼを用いて継ぎ合わせ、プラスミドpSV2TMJ
2を得た。プラスミドpSV2TMJ2を構築する工程
を図14に示す。得られたプラスミドpSV2TMJ2
についてはブダペスト条約の規定に基き、アメリカン
タイプ カルチャー コレクション(ATCC)に寄託
番号第67283号として寄託されている。
【0098】実施例2 (プラスミドpSV2TMJ2によるCOS−1細胞の
形質転換) COS−1細胞(ATCC CRL1650)を培養器
中に入れた10%(v/v)のウシ胎児血清(以下“F
CS”と略する)を加えたダルベッコの最小必須培地
(以下“MEM”と略する)〔米国、フローラボラトリ
(Flow Laboratories)社製、カタロ
グ番号10−331)を用いて、37℃で5%炭酸ガス
インキュベーター中で対数増殖期になるまで培養し、
0.1%トリプシン及び0.02%EDTAを用いて培
養器に付着増殖した細胞を培養器よりはがして、ハンク
ス平衡塩類溶液〔米国、フローラボラトリー(Flow
Laboratories)社製、カタログ番号17
−101−22〕に約1×10/mlの濃度になるよ
うに懸濁した。
【0099】実施例1で得られたプラスミドpSV2T
MJ2を約2μg/μlになるように1mMトリス塩酸
緩衝液(pH8.0)に懸濁した。約10pμgのプラ
スミドpSV2TMJ2を含む得られたプラスミド懸濁
液5μlを1.5ml容量のエッペンドルフ型試験管に
入れ、次いでこの試験管に上述の如く得られたCOS−
1細胞の細胞懸濁液200μlを入れて0℃で10分間
放置した。試験管内の懸濁液を米国D.E.P.SYS
TEM社製細胞融合装置FPH1001型のキュベット
に移し、1.2kVで40μ秒の条件で2回電気パルス
を与えた。その後懸濁液を再び元のエッペンドルフ型試
験管に移し、0℃で5分間放置した後、10%(v/
v)FCSを加えたダルベッコのMEM10mlを以下
のように用いて直径10cmの組織培養用プレートに移
した。即ち、少量の10%(v/v)FCSを含むダル
ベッコのMEMを懸濁液に加えてその混合物を組織培養
用プレートに移した。次いで、試験管を残りのダルベッ
コのMEMで数回洗浄して洗浄液を同じプレートに加え
た。その後、プレートは5%CO存在下37℃で24
時間培養した。
【0100】(トロンビンによるプロテインC活性化を
促進する作用の確認) 培養終了後、プレートの培地をFCSを含まないダルベ
ッコのMEMに交換し、48時間培養した。培養上澄液
を5μl採取し、これを試料として参考例1に記載した
方法で、プロテインC活性化の促進作用を測定した。更
に、直径10cmの組織培養用プレート1枚分の細胞を
米国コースター(Coaster)社製セルスクレイパ
ー(Cell Scraper)(カタログ番号301
0)を用いて掻き取って集め、800rpm、10分間
の条件で遠心分離して集める。このペレットを試料とし
て用い、参考例1に記載した方法でプロテインCの活性
化を促進する作用を測定した。またコントロールとして
はプラスミドpSV2−dhfrでトランスフォームし
たCOS−1細胞の培養上澄液及び細胞ペレットを試料
として用いた。
【0101】プラスミドpSV2TMJ2によって形質
転換された細胞の産生するペプチドのトロンビンによる
プロテインC活性化の促進作用を測定した。その結果、
細胞ペレットの試料が強いプロテインC活性化促進作用
を示し、生成したプロテインCの量は約300ngであ
った。一方、コントロールとして用いたプラスミドpS
V2−dhfrでトランスフォームした細胞では、この
活性は検出されなかった。
【0102】実施例3 (プラスミドpSV2TMJ2によるCHO細胞の形質
転換及び形質転換細胞の産生するペプチドのトロンビン
によるプロテインC活性化の促進作用の測定) 約4μgのプラスミドpSV−2−neo(ATCC
37150)、及び約20μgの実施例1で作成したプ
ラスミドpSV2TMJ2を混合してエタノール沈殿し
た。沈殿物を風乾後、450μlのTE(pH7.9、
1mMトリス塩酸緩衝液、0.1mM EDTA)に溶
解し、500μlの2×HBS(50mM HEPE
S、280mM NaCl、1.5mM Na2HPO
、pH7.12)を加えた。次いで50μlの2.5
M CaClを滴下し室温に10分間放置した。一
方、10%(v/v)FCS及び1v/v%ペニシリン
−ストレプトマイシン(米国、フローラボラトリー製、
カタログ番号16−700−49)を含有するHam’
sF−12培地(米国、フローラボラトリー社製、カタ
ログ番号10−421−20)を用いて直径6cmの組
織培養用プレートにプレート1枚当たり細胞数約5×1
程度播種したCHO−KI株(ATCCCCLD
61)を1夜培養し、培地を新鮮な培地に交換し、更に
3時間培養した。
【0103】このCHO−KIに前述のCaClを滴
下したプラスミドDNA溶液を重層し、37℃で約8時
間培養した。5mlのPBS(−)(米国、フローラボ
ラトリー社製、カタログ番号28−103−05)を用
いて2回洗浄し、さらに、5mlの前述の培地で洗浄
後、新鮮な培地を加えて約16時間さらに培養した。プ
レートに付着した細胞を0.25%トリプシン、0.0
2%EDTA溶液を用いて剥がし、直径10cmの組織
培養プレート4枚に広げて培養した。24時間後、培地
を選択培地に交換した。選択培地の組成は前述の培地に
400μg/mlになる様にジェネティシンC−418
(米国GIBCO社製、カタログ番号860−181
1)を添加したものである。3〜4日おきに培地交換を
行いながら約2週間培養して、トランスフォームした細
胞をクローニングした。この操作で得られた細胞のクロ
ーンをそれぞれ直径10cmの組織培養プレートでコン
フルエントになるまで生育させた。途中、培地のFCS
濃度を10%から1%に減らした培地に切り換えて培養
した。
【0104】プラスミドpSV2TMJ2によって形質
転換された細胞の産生するペプチドのトロンビンによる
プロテインC活性化の促進作用を測定した。その結果、
細胞ペレットの試料が強いプロテインC活性化促進作用
を示した。一方、コントロールとして用いたプラスミド
pSV2−neoだけで形質転換した細胞及びその培養
上澄液では本活性は検出されなかった。
【0105】実施例4 (プラスミドpSV2TMJ2によるC127I細胞の
形質転換および形質転換細胞の産生するペプチドのトロ
ンビンによるプロテインC活性化の促進作用の測定) 実施例1で作成したプラスミドpSV2TMJ2をHi
ndIIIで完全消化した後、切断末端をDNAポリメ
ラーゼを用いて平滑末端にし、TDNAリガーゼを作
用させ、プラスミドpSV2TMJ2のHindIII
サイトを欠失したプラスミドpSV2TMJ2−1を得
た。次いで、このプラスミドpSV2TMJ2−1をP
vuII及びBamHIで完全消化して約4,100b
pのDNA断片を得た。これをプラスミドpUC18の
HincII及びBamHIで完全消化したベクターに
挿入してプラスミドpUCTMJ2−1を得た。
【0106】一方、プラスミドpBR322(ATCC
37017)からコバスルビアスらの方法〔エル コ
バスルビアス(L.Covasrubias et a
l)、ジーン(Gene)、13、25、(1981
年)に従ってプラスミドpBR327を作製した。得ら
れたプラスミドpBR327をBamHI及びHind
IIIで消化して得た約2,960bpのDNA断片
に、プラスミドpUCTMJ2−1をBamHI及びH
indIIIで完全消化して得たDNA断片を挿入して
プラスミドpBRTMJ2−1を得た。このプラスミド
pBRTMJ2−1をHindIIIで完全消化したも
のとプラスミドpBPV−1(9−1)(ATCC37
111)をHindIIIで完全消化して得た断片とを
DNAリガーゼを用いて継いで、C127細胞発現
用のプラスミドpdBPVTMJ2−1を得る。以上の
工程を図15〜図16に示す。
【0107】次に、pdBPVTMJ2−1で実施例3
に記載の方法に準じてC127I細胞(ATCC CR
L 1616)をトランスフォームした。10%FCS
及び1(v/v)%ペニシリン−ストレプトマイシン
(米国、フローラボラトリー社製、カタログ番号16−
700−49)を含むダルベッコのMEMで約3週間培
養したところ、フォーカスを形成する細胞が6個得られ
たのでそれぞれの細胞をクローニングして、それぞれ直
径10cmの組織細胞用プレートでコンフルエントにな
るまで生育させた。その後、培地をFCSを含まない培
地に置換して培養した。この培地で1日培養した後、培
養した細胞のペレットをかきとり、これを用いて参考例
1に記載した方法でプロテインC活性化の促進作用を測
定したところ、強い活性が認められた。一方コントロー
ルとして用いたプラスミドpBPV−1(9−1)だけ
でトランスフォームした細胞では本活性は検出されなか
った。
【0108】実施例5 (本発明のDNAのコードするペプチドの精製) 実施例3に記載した方法で、プラスミドpSV2TMJ
2及びプラスミドpSV2−neoで形質転換したCH
O細胞を直径10cmの組織培養用プレート25枚を用
いて培養した。培養後、培養物を800rpmで10分
間遠心分離にかけて細胞を集めた。得られた細胞ペレッ
トに、0.5%(v/v)トリトンX−100、0.2
5M庶糖、1mMベンズアミジン塩酸、0.5mMCa
Clを含む0.02Mトリス塩酸緩衝液(pH7.
5)100mlに懸濁し、ワーリングブレンダーを用い
て4℃で5分間、5回ホモジナイズして細胞抽出物を得
た。得られた抽出物を3,5000g、10℃で60分
間遠心分離にかけて上澄液を集めた。この上澄液から、
以下の操作により本発明DNAのコードするペプチドの
精製品を得た。
【0109】細胞抽出物をpH7.5に調製した後、D
IP−トロンビン−アガロースのカラムクロマトグラフ
ィーにかけて調製した。すなわち、エヌ エル エスモ
ン(N.L.Esmon)ら〔ザ ジャーナル オブ
バイオロジカル ケミストリー(J.Biol.Che
m)、257巻、859頁、(1982年)〕の方法に
したがって作製したDIP−トロンビン〔ジイソプロピ
ルホスホロトロンビン(diisopropylpho
sphorothrombin)を、ピー クオトレカ
サス(P.Cuatrecasas)の方法〔ザ ジャ
ーナル オブバイオロジカル ケミストリー(J.Bi
ol.Chem)、245巻、359頁、(1970
年)〕にしたがってブロムシアン化したアガロースに結
合させてDIP−トロンビン−アガロースを作製した。
【0110】次に、DIP−トロンビン−アガロースを
2.5cmφ×10cmの大きさのカラムに充填してD
IP−トロンビン−アガロースカラムを作製して室温で
0.1M NaCl、0.5mM CaCl、1mM
ベズアミジン塩酸、0.5%(v/v)Lubrol
PX(半井化学薬品製、日本)を含む0.02Mトリス
塩酸緩衝液(pH7.5)でカラムを平衡化した。次い
で、上記の細胞抽出物をカラムに供した。カラムを0.
3M NaCl、0.5mM CaCl、1mMベン
ズアミジン塩酸、0.5%(v/v)Lubrol P
Xを含む0.02Mトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で
洗浄した後、1M NaCl、0.1mM EDTA、
1mMベンズアミジン塩酸0.5%(v/v)Lubr
olPXを含む0.02Mトリス塩酸緩衝液(pH7.
5)で溶出して2.0mlずつフラクションを集めた。
【0111】溶出によって得られる各フラクションにつ
いて前記の方法でプロテインC活性化の促進作用を測定
した。同時に島津製作所(日本)製スペクトロフォトメ
ータ−UV−240を用いて各フラクションの波長28
0nmにおける吸光度(A280)を測定した。活性の
ある画分を回収し、0.1M NaCl、0.5mMC
aCl、0.5%(v/v)Lubrol PX(半
井化学薬品製、日本)を含む0.02Mトリス塩酸緩衝
液(pH7.5)で透析した。次いで、得られた透析液
を2回目のDIP−トロンビン−アガロースカラムクロ
マトグラフィーに供した。
【0112】即ち、透析液を1.5cmφ×10cmの
大きさのDIP−トロンビン−アガロースカラムに通
し、0.4M NaCl、0.5mM CaCl
0.1%(v/v)Lubrol PXを含む0.02
Mトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で洗浄後、更に0.
4M NaCl、0.1mM EDTA、0.1%(v
/v)Lubrol PXを含む0.02Mトリス緩衝
液(pH7.5)で洗浄し、次いで1M NaCl、
0.5mM EDTA、0.1%(v/v)Lubro
l PXを含む0.02Mトリス塩酸緩衝液(pH7.
5)で溶出した。活性画分を回収し精製品を−80℃で
凍結保存した。この製品の分子吸光係数を一般的な蛋白
質の分子吸光係数にならない10.0(E1% 1cm
280nm=10.0)と規定して、それに基づき精製
品の量を計算したところ約3μgであった。尚、この精
製品をポリアクリルアミド濃度5−10%のグラジェン
トを用いるSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を
行い、銀染色によってバンドを観察したところ単一のバ
ンドのみ確認された。
【0113】実施例6 (トロンビンによるプロテインC活性化を促進する作用
の確認) 精製した本発明のDNAがコードするペプチドのプロテ
インC活性化の促進作用を以下の方法にて評価した。即
ち、0.1M NaCl、3.6mM CaCl、1
0mg/mlウシ血清アルブミンを含む0.02Mトリ
ス塩酸緩衝液(pH7.5)に50μg/mlのプロテ
インC、5nMのトロンビンおよび5nMの精製した本
発明のDNAがコードするペプチドを加えて37℃で反
応させた。反応物に300μg/mlのアンチトロンビ
ンIII(米国シグマ社製)および5mM EDTAを
加えて反応を停止して、生成した活性型プロテインCの
量を前述の合成基質を用いる方法で測定した。
【0114】その結果を図17に示すが、本発明のDN
Aがコードするペプチドを無添加の場合(B)では活性
化プロテインCの生成は認められなかった(点線)が、
本発明のDNAがコードするペプチドを添加した場合
(A)には、反応時間と共に生成した活性化プロテイン
Cの量が増加した(実線)。
【0115】実施例7 (抗血液凝固作用の確認) 本発明のDNAがコードするペプチドがトロンビンによ
るフィブリノーゲンのフィブリンへの変換を阻害し、血
液凝固を実質的に阻害することはハインリッヒアメルン
グ社(独)製のコアギュロメーターKC−10を用いて
血液凝固時間を測定することによって調べた。即ち、5
mM CaCl、0.1M NaClを含む0.05
Mトリス塩酸緩衝液(pH7.5)に3.0μgのフィ
ブリノーゲン(米国シグマ社製、フラクションI)を加
え、これに0−50nMの精製した本ペプチドを加え、
次いで、全量が0.4mlになるように10nMのトロ
ンビンを加えて凝固時間を測定した。その結果を図18
に示す。トロンビンにくらべ、添加した精製ペプチドの
量が多くなるにしたがって、血液凝固時間が延長される
ことが確認された。
【0116】実施例8 本発明のDNAがコードするペプチドがトロンビンの血
小板凝集作用を実質的に阻害することはSIENCO社
(米国)製のプレートレットアグリゴメーターを用いて
評価した。即ち、30万cells/μlの血小板液
(Platelet Rich Plasma、P.
R.P.)250μlに1単位のトロンビン(約0.4
μg)を加えると血小板が凝集するが、トロンビンを加
える前にその加えるトロンビンと等モル以上の精製した
本発明のDNAがコードするペプチドを加えておくと血
小板の凝集が起きなかった。
【0117】
【発明の効果】本発明のDNAがコードする、トロンビ
ンによるプロテインCの活性化を促進する作用を有する
ペプチドは、抗血液凝固作用、血小板凝集抑制作用、血
栓溶解作用を併せ持ち副作用の少ない循環器系疾患など
の治療用薬として極めて有用な物質である。また、本ペ
プチドは、このような医薬用途以外に、例えば人工血
管、人工臓器、カテーテルなどの医用人工材料に結合さ
せて、血栓の形成を防止する薬剤として用いることがで
きる。
【0118】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:557 配列の型:アミノ酸 配列の種類:蛋白質
【0119】 配列番号:2 配列の長さ:1671 配列の型:塩基配列 配列の種類:DNA
【0120】 配列番号:3 配列の長さ:575 配列の型:アミノ酸 配列の種類:蛋白質
【0121】 配列番号:4 配列の長さ:1725 配列の型:塩基配列 配列の種類:DNA
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒト肺から精製して得られるトロンビンによる
プロテインC活性化を促進する作用を有するペプチドを
参考例2において4回目のDIP−トロンビン−アガロ
−スカラムクロマトグラフィーに供した結果を示すグラ
フである。
【図2】本発明の参考例3−(2)で得られるDNA断
片TM13の塩基配列を示すものである。
【図3】図2に続くDNA断片TM13の塩基配列を示
すものである。
【図4】本発明の参考例3−(5)で得られるDNA断
片TM137の塩基配列を示すものである。
【図5】図4に続くDNA断片TM137の塩基配列を
示すものである。
【図6】図5に続くDNA断片TM137の塩基配列を
示すものである。
【図7】図6に続くDNA断片TM137の塩基配列を
示すものである。
【図8】本発明の参考例3−(7)で得られるDNA断
片TMP5の塩基配列を示すものである。
【図9】図8に続くDNA断片TMP5の塩基配列を示
すものである。
【図10】本発明の参考例3−(10)で得られるDN
A断片TMP26の塩基配列を示すものである。
【図11】DNA断片TMP13、TM137、TMP
5およびTMP26と参考例3−(13−1)及び3−
(13−2)で得られるDNA断片TMJ1とTMJ2
の各制限酵素地図と、これらのDNA断片の有する塩基
配列における対応関係を示すものであり、縦方向にみて
各DNA断片の互いに重なる部分は共通の塩基配列を有
することを示す。図中DNA断片TMJ2の制限酵素地
図の斜線部分と斜交線部分とを含む部分は考えられるオ
ープンリーディングフレームであり、斜交線部分に本発
明のペプチドをコードする塩基配列が存在するものであ
る。
【図12】TMJ1とそれに結合したTMP5を含有す
るプラスミドpUC18TMJ1の構築を示すフローチ
ャートである。
【図13】TMJ1とそれに結合したTMP26を含有
するプラスミドpUC18TMJ2の構築を示すフロー
チャートである。
【図14】TMJ2を動物細胞宿主用発現ベクターにT
MJ2を挿入することによりプラスミドpSV2TMJ
2の構築を示すフローチャートである。
【図15】本発明の複製可能な組換え体DNAであるプ
ラスミドpdBPVTMJ2−1の構築を示すフローチ
ャートである。
【図16】図15に続く複製可能な組換え体DNAであ
るプラスミドpdBPVTMJ2−1の構築を示すフロ
ーチャートである。
【図17】精製した本発明のDNAがコードするペプチ
ドの存在下および非存在下におけるプロテインCとトロ
ンビンとの反応によって生成した活性化プロテインCの
量と反応時間との関係を示すグラフである。
【図18】精製した本発明のDNAがコードするペプチ
ドを添加した血液の凝固時間と精製した本発明のDNA
がコードするペプチドの添加量との関係を示すグラフで
ある。
【図19】図11の一部であるDNA断片TMJ2の制
限酵素地図である。図中、斜線部分と斜交線部分とを含
む部分は考えられるオープンリーディングフレームであ
り、斜交線部分に本発明のペプチドをコードする塩基配
列が存在するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/02 A61K 37/02 ACB (C12P 21/02 C12R 1:91) (56)参考文献 特開 昭62−169728(JP,A) 特表 平3−503757(JP,A) 生化学 第57巻 第8号 P.1102 J.CLIN.INVEST.VO L.76,P.2178−2181 THE EMBO JOURNA L.,VOL.6,NO.7(1987) P.1891−1897 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/09 ZNA BIOSIS(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ(G ENETYX) WPI(DIALOG)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1の1−557、または配列番
    号3の1−575のいずれかのアミノ酸配列をコードす
    る塩基配列を含有するDNA
  2. 【請求項2】 配列番号2の1−1671、または配列
    番号4の1−1725のいずれかの塩基配列からなる請
    求項1に記載のDNA
  3. 【請求項3】 トロンビンに結合し、トロンビンによる
    プロテインCの活性化を促進する作用を有するペプチド
    をコードする塩基配列であり、図19の制限酵素地図に
    示された制限酵素サイトを有することを特徴とする塩基
    配列を含むヒト由来のDNA、またはそのペプチドコー
    ド領域DNA
  4. 【請求項4】 図19の制限酵素地図に示された制限酵
    素サイトを有するTMJ2である請求項3に記載のヒト
    由来のDNA
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のDNA
    に対して相補的なDNA
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のDNA
    と複製可能な発現ベクターとを含有する複製可能な組換
    え体DNA
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の複製可能な組換え体D
    NAで形質転換された微生物または細胞
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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生化学 第57巻 第8号 P.1102

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