JPH10113195A - 凍結乾燥製剤の製造法 - Google Patents

凍結乾燥製剤の製造法

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JPH10113195A
JPH10113195A JP9310091A JP31009197A JPH10113195A JP H10113195 A JPH10113195 A JP H10113195A JP 9310091 A JP9310091 A JP 9310091A JP 31009197 A JP31009197 A JP 31009197A JP H10113195 A JPH10113195 A JP H10113195A
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cys
pro
gly
ala
thrombin
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JP9310091A
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Shuji Yamamoto
修司 山本
Koji Suzuki
宏治 鈴木
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が容易であり、使用しやすい、血液凝固
を制御するため、または血小板凝集を制御するため、ま
たは血栓溶解のために有用な凍結乾燥製剤を得るもので
ある。 【解決手段】 トロンビンに結合し、トロンビンによる
プロテインCの活性化を促進する作用を有し、少なくと
も界面活性剤の非存在下で可溶性である実質的に精製さ
れた可溶性ペプチドと、投与可能、かつ生理食塩水又は
ブドウ糖注射液に溶解し得る担体とを含有する水溶液
を、凍結乾燥することを特徴とする凍結乾燥製剤の製造
法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トロンビンに結合
し、トロンビンのプロテインC活性化を促進する作用を
有し、可溶性の新規なペプチドを有効成分とする凍結乾
燥製剤に関する。更に詳しくは、本発明は血栓溶解作
用、抗血液凝固作用及び血小板凝集抑制作用を有する凍
結乾燥製剤であって、したがって、血液凝固を制御する
ための、または血小板凝集を制御するための、または血
栓溶解のための医薬組成物として有用な凍結乾燥製剤に
関する。
【0002】本明細書において、アミノ酸及びペプチド
は下記に示すIUPAC−IUB生化学命名委員会(C
BN)で採用された略号を用いて表される。なお、アミ
ノ酸などに関し光学異性体があり得る場合は、特に明示
しなければL体を示すものとする。更に、特に明示しな
い限りペプチドのアミノ酸配列の左端及び右端はそれぞ
れN末端およびC末端である。 Gln:グルタミン残基 Asp:アスパラギン酸残基 Pro:プロリン残基 Tyr:チロシン残基 Val:バリン残基 Lys:リジン残基 Glu:グルタミン酸残基 Ala:アラニン残基 Asn:アスパラギン残基 Leu:ロイシン残基 Phe:フェニルアラニン残基 Gly:グリシン残基 His:ヒスチジン残基 Ser:セリン残基 Thr:スレオニン残基 Ile:イソロイシン残基 Trp:トリプトファン残基 Arg:アルギニン残基 Met:メチオニン残基 Cys:システイン残基
【0003】また、ポリデオキシリボヌクレオチドおよ
びオリゴヌクレオチドは下記の如き略号で表されるデオ
キシリボヌクレオチドの配列により表記する。 A:2′−デオキシアデニル酸残基 C:2′−デオキシシチジル酸残基 G:2′−デオキシグアニル酸残基 T:チミジル酸残基 特に明示しない限りデオキシリボヌクレオチド配列の左
端及び右端はそれぞれ5′末端及び3′末端である。
【0004】
【従来の技術】現在、血栓溶解剤として用いられるもの
には、ストレプトキナーゼやウロキナーゼがある。ま
た、抗血液凝固剤としてはヘパリンやワーファリンが用
いられている。さらに、血小板凝集抑制剤としてはアス
ピリン、スルフィンピラゾン、ジピリダモール等が使わ
れている。これらの血栓溶解剤、抗血液凝固剤および血
小板凝集抑制剤は、それぞれ別個に、あるいは併用し
て、例えば、心筋梗塞、血栓症、塞栓症、末梢血管閉塞
症、閉塞性動脈硬化症、血管内血液凝固症候群(DI
C)、狭心症、一過性脳虚血発作、妊娠中毒症等の疾患
の治療及び予防に用いられている。しかしながら、これ
らの血栓溶解剤、抗血液凝固剤および血小板凝集抑制剤
は非常に複雑な機構から成り立つ血液の凝固線溶系の極
く一部に作用するにすぎない。そこで、血液の凝固線溶
系に広く作用し、優れた血液凝固抑制作用を示す薬剤が
要望されていた。
【0005】ところで、血液凝固機構において重要な役
割を演じているビタミンK依存性の蛋白質としてプロテ
インCが知られている。近年、そのプロテインCの活性
化を促進し、トロンビンの作用による血小板の活性化と
フィブリン形成を抑制する物質が、ウサギの肺、ウシの
肺、ヒトの肺やヒト胎盤などに存在し、それが前述の薬
剤に比べて優れた血液凝固抑制作用を有することが報告
されている。ウサギ肺に存在する物質については、例え
ば、シー ティー エスモン(C.T.Esmon)
ら、プロシーディング オブ ナショナル アカデミー
オブ サイエンス ユーエスエー(Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA)、78巻、2249頁
(1981年);エヌ エル エスモン(N.L.Es
mon)ら、ザ ジャーナル オブ バイオロジカル
ケミストリー(J.Biol.Chem.)、257
巻、859頁(1982年);シー ティー エスモン
(C.T.Esmon)ら、ザ ジャーナル オブ バ
イオロジカル ケミストリー(J.Biol.Che
m.)、257巻、7944頁(1982年);エヌ
エル エスモン(N.L.Esmon)ら、ザ ジャー
ナル オブ バイオロジカル ケミストリー(J.Bi
ol.Chem.)、258巻、12238頁(198
2年)を参照することができる。
【0006】ウシの肺に存在する物質については、例え
ば楠本ら、生化学、56巻、890頁(1984年)を
参照することができる。また、ヒト胎盤に存在する物質
については、例えば特開昭60−199819;黒沢
ら、日本血液学会誌、47巻、632頁(1984
年);エッチ エッチ サーレム(H.H.Sale
m)ら、ジャーナル オブ バイオロジカル ケミスト
リー(J.Biol.Chem.)、259巻、122
46頁(1984年);エス.クロサワ(S.Kuro
sawa)ら、トロンボシス リサーチ(Thromb
osis Research)、37巻、353頁(1
985年)を参照することができる。また、ヒト肺に存
在する物質については、例えば楠本ら、生化学、57
巻、1102頁(1985年)を参照することができ
る。
【0007】上記の先行技術文献には上記物質の一般的
性質が記載されているが、その物質の構造、例えばアミ
ノ酸配列などは解明されておらず、未だにその物質は同
定されていない。従って、上記の先行技術文献に報告さ
れている物質が単一物質であるか否か、また、これらの
先行技術文献の記載にしたがって同一の物質が繰返し得
られるか否かについては全く不明である。さらにまた、
上記の先行技術文献に報告されている物質は、細胞膜上
に存在するものであり、界面活性剤の非存在下では不溶
性であって、循環器疾患の治療などの医薬組成物として
用いる場合にはそのままでは投与量を多くすることがで
きないものであり、そもそも生体由来であることから十
分な量が確保できず、その物質が本当に医薬として使用
できるものであるか否かの検討さえも出来ない状態であ
った。注射剤とする場合に不溶物が存在することは、循
環器疾患を有する患者において致命的であることから、
界面活性剤の添加を必須とするが、上記の問題を有する
患者にとって界面活性剤の添加は予想外の問題を引き起
こす可能性は否定できず、場合によっては好ましいもの
ではない。
【0008】また、一部には細胞膜上に存在する以外の
形態、例えば血中や尿中に存在する旨の開示があるが
〔イシイら、ジャーナル オブ クリニカル インベス
ティゲーション(J.Clin.Invest.)、7
6巻、2178頁(1985年)〕、精製が十分にされ
ていないことが明確であり、またその活性や作用、物性
やその由来等の解析や検討が不十分であり、ましてやア
ミノ酸配列等の構造についての解析は全くなく、そもそ
も医薬として使用できる効果と安全性を有し、しかも医
薬として常に安定的に供給し得るものとの位置づけをす
ることはできないものであった。即ち、従来、上記物質
においては、その物性や構造等についての十分な解析が
ない状況であって、トロンビンに結合し、トロンビンに
よるプロテインCの活性化を促進する作用を有する性質
が得られ、且つ十分な可溶性を有するペプチドを含む凍
結乾燥製剤など望むべき状況では全くなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来より、主に血液凝
固を制御するための、または血小板凝集を制御するため
の、または血栓溶解のための、有用な医薬組成物、特に
凍結乾燥製剤の提供が求められていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の技
術的背景にあって、血液の凝固線溶系の一因子であるプ
ロテインCを活性化して血液凝固を抑制するだけでな
く、線溶作用を増進する物質を見出すべく鋭意研究を重
ねた結果、意外にも、後述するように本発明のペプチド
が、トロンビンに結合し、且つトロンビンによるプロテ
インC活性化を促進して血液凝固を制御することができ
るだけでなく、線溶を促進することができ、血液凝固を
制御する薬剤、即ち、血液凝固を制御するための、また
は血小板凝集を制御するための、または血栓溶解のため
の医薬組成物として有用であることを見出した。また該
ペプチドをコードするDNAを単離し、更にまた、その
ペプチドが、組換えDNA技術によって、好ましくは他
のヒト由来蛋白をまったく含まない純粋な形態で、大量
にかつ容易に製造でき、しかも可溶性のペプチドと担体
からなる本発明の医薬組成物が凍結乾燥製剤として容易
に製造されることを確認した。本発明は、これらの知見
に基づいて完成したものである。
【0011】即ち本発明は、トロンビンに結合し、トロ
ンビンによるプロテインCの活性化を促進する作用を有
し、少なくとも界面活性剤の非存在下で可溶性である実
質的に精製された可溶性ペプチドと、投与可能、かつ生
理食塩水又はブドウ糖注射液に溶解し得る担体とを含有
する水溶液を、凍結乾燥することを特徴とする凍結乾燥
製剤(以下、医薬組成物ということもある)の製造法で
ある。本発明の実質的に精製された可溶性ペプチドとし
ては、下記(a)〜(f)に規定される可溶性ペプチド
が好ましい。 (a)トロンビンに結合し、(b)トロンビンによるプ
ロテインCの活性化を促進する作用を有する、(c)少
なくとも界面活性剤の非存在下で可溶性である、(d)
トロンビンによる凝固時間を延長する、(e)トロンビ
ンによる血小板凝集を抑制する、(f)SDS−ポリア
クリルアミドゲル上にて、銀染色が可能である。
【0012】本発明のペプチドは、トロンビンによるプ
ロテインCの活性化を促進する活性物質として検知さ
れ、回収される。通常本活性は、試料を0.15M食
塩、2.5mM塩化カルシウム、1mg/ml血清アル
ブミンを含有するpH7.4の20mMトリス塩酸緩衝
液中にトロンビン及びプロテインCの存在下添加し、生
成される活性化プロテインCの量を定量し評価される。
従って、本発明のペプチドは、上記緩衝液中に少なくと
も検知され得る濃度まで可溶性であるし、後述の通り、
少なくとも界面活性剤の非存在下で溶解でき、例えば血
管内に注射可能な水溶液となり得る性質を有する可溶性
ペプチドであればよい。
【0013】このように、ペプチドが可溶性であること
は、そのペプチドを医薬組成物として使用するに際して
極めて有用なことであることについては、既に述べた通
りであるが、例えば、従来の物質においては、界面活性
剤の非存在下では不溶性であり、不溶物が存在する注射
剤としないために界面活性剤の添加を必須とするが、種
々の問題を有する循環器疾患の患者において、この界面
活性剤の添加は予想外の問題を引き起こす可能性は否定
できないし、また界面活性剤の添加量との兼ね合いもあ
って、必ずしも十分に高い含有濃度の製剤が調製できな
い可能性もあることが考えられるが、これに対し、本発
明のペプチドは、可溶性であるが故に、これらの問題は
ことごとく解決されるものである。また、本発明のペプ
チドの精製が容易であることの他、凍結乾燥製剤を製造
する場合においても、またその凍結乾燥製剤を再溶解し
て使用する場合にも極めて都合のよいことである。
【0014】本発明のペプチドがトロンビンに結合する
ことは、本明細書実施例に記載されているように、DI
P−トロンビン−アガロ−スに結合することにより確認
される。また、トロンビンによるプロテインCの活性化
を促進する活性を有すること、トロンビンによる凝固時
間を延長すること、トロンビンによる血小板凝集を抑制
することも、本明細書実施例に記載されている通りであ
る。本発明の凍結乾燥製剤に用いる可溶性ペプチドが本
発明の実施例に示される通り、医薬組成物に適する程度
に実質的に精製されていることが必要である。また、該
可溶性ペプチドは、SDS−ポリアクリルアミドゲル上
にて、銀染色が可能であることも実施例に記載の通りで
ある。
【0015】また、本発明の可溶性ペプチドが、DIP
−トロンビン−アガロースカラムに結合せしめたとき
に、1M NaCl、0.1mM EDTA、1mM
ベンズアミジン塩酸、0.5%(v/v)ポリドカノー
ル(商品名;Lubrol PX)を含む0.02Mト
リス塩酸緩衝液(pH7.5)により溶出できる性質を
有することも好ましいし、また該可溶性ペプチドが、
0.1M NaCl、0.5mM CaCl2 、0.5
%(v/v)ポリドカノールを含む0.02Mトリス塩
酸緩衝液(pH7.5)により平衡化したDIP−トロ
ンビン−アガロースカラムに、該緩衝液にて該可溶性ペ
プチドを溶解せしめた溶液を接触せしめた場合に、該可
溶性ペプチドが前記カラムに結合せしめることができる
性質を有することも好ましい。また、本発明のペプチド
が、少なくとも、Ala−Pro−Ala−Glu−P
ro−Gln−Pro−Gly−Gly−Ser−Gl
nのアミノ酸配列を含有することを特徴とする場合も好
ましい。
【0016】本発明のペプチドは、トロンビンに結合
し、トロンビンによるプロテインCの活性化を促進する
作用を有し、少なくとも界面活性剤の非存在下で可溶性
である性質を有すれば特に限定されなくともよいが、本
発明の可溶性ペプチドのアミノ酸配列の相同性が、該ア
ミノ酸配列の範囲において、図40の制限酵素地図に示
された制限酵素サイトを有することにより特徴付けられ
るヒト由来のDNAがコードし得るトロンビンに結合
し、トロンビンによるプロテインCの活性化を促進する
作用を有するペプチドのアミノ酸配列と完全に一致する
相同性であることが好ましい。このヒト由来のDNA
は、図40の制限酵素地図の開始コドンの最初の塩基か
ら終止コドンの直前の塩基までの1725bpの塩基配
列がコード領域であり、コードされるそのアミノ酸配列
の具体的例示としては、配列番号7の1−575のアミ
ノ酸配列が好ましい例として挙げられる。なお、図40
は図11の一部分を示したものである。本発明で用いる
ペプチドは可溶性であるため、上記のヒト由来のDN
A、具体的にはTMJ2がコードし得るアミノ酸配列の
全配列自体と区別されることは明白である。
【0017】本発明のペプチドにおいては、トロンビン
に結合し、トロンビンによるプロテインCの活性化を促
進する作用を有し、界面活性剤の非存在下で可溶性であ
れば特に限定されないが、前記の各性質を有することが
好ましく、好ましい具体例としては、配列番号1の1−
118のアミノ酸配列、即ち、下記式(I): Val Glu Pro Val Asp Pro Cys Phe Arg Ala Asn Cys Glu Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Pro Ile Pro His Glu Pro His Arg Cys Gln Met Phe Cys Asn Gln Thr Ala Cys Pro Ala Asp Cys Asp Pro Asn Thr Gln Ala Ser Cys Glu Cys Pro Glu Gly Tyr Ile Leu Asp Asp Gly Phe Ile Cys Thr Asp Ile Asp Glu Cys Glu Asn Gly Gly Phe Cys Ser Gly Val Cys His Asn Leu Pro Gly Thr Phe Glu Cys Ile Cys Gly Pro Asp Ser Ala Leu Val Arg His Ile Gly Thr Asp Cys で表されるアミノ酸配列を含有するペプチドが例示され
る。
【0018】勿論、式(I)で表されるアミノ酸配列
は、最も好ましい例であって、上記の活性に程度の差が
あっても、上記の活性が認められる限り、特に式(I)
で表されるアミノ酸配列に拘泥する必要はない。また、
ヒトにおいては、多型性と言われる変異があることは通
常十分に考えられることである。即ち、本発明のペプチ
ドは実質的に前記式(I)で表されるアミノ酸配列から
成っていてもよいし、また、その作用と機能を阻害しな
い限り若干の欠損、付加、置換等があっても、その相同
変異体のアミノ酸配列であってもよく、式(I)で表さ
れるアミノ酸配列のN末端及び/またはC末端に結合し
た少なくとも1種の他のペプチドのアミノ酸配列を更に
含有してもよい。
【0019】例えば、ペプチドが、配列番号3の1−4
98のアミノ酸配列、またはそのN末端及び/又はC末
端の任意の個数のアミノ酸が削除されているアミノ酸配
列からなり、トロンビンに結合し、トロンビンによるプ
ロテインCの活性化を促進する作用を有するペプチドで
あることも好ましい。また、ペプチドが、配列番号8の
1−272のアミノ酸配列、またはそのN末端及び/又
はC末端の任意の個数のアミノ酸が削除されているアミ
ノ酸配列からなり、トロンビンに結合し、トロンビンに
よるプロテインCの活性化を促進する作用を有するペプ
チドであることも好ましい。また、ペプチドが、配列番
号6の1−236のアミノ酸配列、またはそのN末端及
び/又はC末端の任意の個数のアミノ酸が削除されてい
るアミノ酸配列からなり、トロンビンに結合し、トロン
ビンによるプロテインCの活性化を促進する作用を有す
るペプチドであることも好ましい。すなわち、本発明の
ペプチドが、(i)配列番号3の1−498のアミノ酸
配列からなるペプチド、(ii)前記(i)に記載のペ
プチドのアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミ
ノ酸配列からなり、且つトロンビンに結合し、トロンビ
ンによるプロテインCの活性化を促進する作用を有する
活性を有する可溶性ペプチド、のいずれかであることも
好ましい。上記の(ii)の欠失、置換若しくは付加に
ついては、1若しくは数個のアミノ酸が通常想定される
が、本願明細書に示される開示にしたがい、当業者は特
にこれらに限定されないものと理解するものである。ま
た、可溶性ペプチドが、(i)配列番号8の1−272
のアミノ酸配列において、少なくとも該配列番号8の1
19−236のアミノ酸配列を包含するように該配列番
号8のN末端及び/又はC末端の任意の個数のアミノ酸
が削除されていてもよいアミノ酸配列からなるトロンビ
ンに結合し、トロンビンによるプロテインCの活性化を
促進する作用を有する可溶性ペプチド、(ii)前記
(i)に記載のペプチドの1若しくは数個のアミノ酸が
欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、
且つトロンビンに結合し、トロンビンによるプロテイン
Cの活性化を促進する作用を有する活性を有する可溶性
ペプチド、のいずれかである場合が好ましい。因みに、
これらの更に具体的なペプチドの例としては、(1)上
記式(I)のペプチドの他、下記のペプチドの(2)〜
(5)が挙げられる。
【0020】(2)式(I)で表されるアミノ酸配列の
N末端に下記のアミノ酸配列: Cys Ser Val Glu Asn Gly Gly Cys Glu His Ala Cys Asn Ala Ile Pro Gly Ala Pro Arg Cys Gln Cys Pro Ala Gly Ala Ala Leu Gln Ala Asp Gly Arg Ser Cys Thr Ala Ser Ala Thr Gln Ser Cys Asn Asp Leu Cys Glu His Phe Cys Val Pro Asn Pro Asp Gln Pro Gly Ser Tyr Ser Cys Met Cys Glu Thr Gly Tyr Arg Leu Ala Ala Asp Gln His Arg Cys Glu Asp Val Asp Asp Cys Ile Leu Glu Pro Ser Pro Cys Pro Gln Arg Cys Val Asn Thr Gln Gly Gly Phe Glu Cys His Cys Tyr Pro Asn Tyr Asp Leu Val Asp Gly Glu Cys が結合してなるペプチド(即ち、配列番号6の1−23
6のアミノ酸配列)。
【0021】(3)式(I)で表されるアミノ酸配列の
N末端及びC末端にそれぞれ下記のアミノ酸配列: Cys Ser Val Glu Asn Gly Gly Cys Glu His Ala Cys Asn Ala Ile Pro Gly Ala Pro Arg Cys Gln Cys Pro Ala Gly Ala Ala Leu Gln Ala Asp Gly Arg Ser Cys Thr Ala Ser Ala Thr Gln Ser Cys Asn Asp Leu Cys Glu His Phe Cys Val Pro Asn Pro Asp Gln Pro Gly Ser Tyr Ser Cys Met Cys Glu Thr Gly Tyr Arg Leu Ala Ala Asp Gln His Arg Cys Glu Asp Val Asp Asp Cys Ile Leu Glu Pro Ser Pro Cys Pro Gln Arg Cys Val Asn Thr Gln Gly Gly Phe Glu Cys His Cys Tyr Pro Asn Tyr Asp Leu Val Asp Gly Glu Cys 及び Asp Ser Gly Lys Val Asp Gly Gly Asp Ser Gly Ser Gly Glu Pro Pro Pro Ser Pro Thr Pro Gly Ser Thr Leu Thr Pro Pro Ala Val Gly Leu Val His Ser Gly が結合してなるペプチド(即ち、配列番号8の1−27
2のアミノ酸配列)。
【0022】(4)式(I)で表されるアミノ酸配列の
N末端及びC末端にそれぞれ下記のアミノ酸配列: Ala Pro Ala Glu Pro Gln Pro Gly Gly Ser Gln Cys Val Glu His Asp Cys Phe Ala Leu Tyr Pro Gly Pro Ala Thr Phe Leu Asn Ala Ser Gln Ile Cys Asp Gly Leu Arg Gly His Leu Met Thr Val Arg Ser Ser Val Ala Ala Asp Val Ile Ser Leu Leu Leu Asn Gly Asp Gly Gly Val Gly Arg Arg Arg Leu Trp Ile Gly Leu Gln Leu Pro Pro Gly Cys Gly Asp Pro Lys Arg Leu Gly Pro Leu Arg Gly Phe Gln Trp Val Thr Gly Asp Asn Asn Thr Ser Tyr Ser Arg Trp Ala Arg Leu Asp Leu Asn Gly Ala Pro Leu Cys Gly Pro Leu Cys Val Ala Val Ser Ala Ala Glu Ala Thr Val Pro Ser Glu Pro Ile Trp Glu Glu Gln Gln Cys Glu Val Lys Ala Asp Gly Phe Leu Cys Glu Phe His Phe Pro Ala Thr Cys Arg Pro Leu Ala Val Glu Pro Gly Ala Ala Ala Ala Ala Val Ser Ile Thr Tyr Gly Thr Pro Phe Ala Ala Arg Gly Ala Asp Phe Gln Ala Leu Pro Val Gly Ser Ser Ala Ala Val Ala Pro Leu Gly Leu Gln Leu Met Cys Thr Ala Pro Pro Gly Ala Val Gln Gly His Trp Ala Arg Glu Ala Pro Gly Ala Trp Asp Cys Ser Val Glu Asn Gly Gly Cys Glu His Ala Cys Asn Ala Ile Pro Gly Ala Pro Arg Cys Gln Cys Pro Ala Gly Ala Ala Leu Gln Ala Asp Gly Arg Ser Cys Thr Ala Ser Ala Thr Gln Ser Cys Asn Asp Leu Cys Glu His Phe Cys Val Pro Asn Pro Asp Gln Pro Gly Ser Tyr Ser Cys Met Cys Glu Thr Gly Tyr Arg Leu Ala Ala Asp Gln His Arg Cys Glu Asp Val Asp Asp Cys Ile Leu Glu Pro Ser Pro Cys Pro Gln Arg Cys Val Asn Thr Gln Gly Gly Phe Glu Cys His Cys Tyr Pro Asn Tyr Asp Leu Val Asp Gly Glu Cys 及び Asp Ser Gly Lys Val Asp Gly Gly Asp Ser Gly Ser Gly Glu Pro Pro Pro Ser Pro Thr Pro Gly Ser Thr Leu Thr Pro Pro Ala Val Gly Leu Val His Ser Gly が結合してなるペプチド(即ち、配列番号3の1−49
8のアミノ酸配列)。
【0023】(5)配列番号14の1−462のアミノ
酸配列からなるペプチド。 Ala Pro Ala Glu Pro Gln Pro Gly Gly Ser Gln Cys Val Glu His Asp Cys Phe Ala Leu Tyr Pro Gly Pro Ala Thr Phe Leu Asn Ala Ser Gln Ile Cys Asp Gly Leu Arg Gly His Leu Met Thr Val Arg Ser Ser Val Ala Ala Asp Val Ile Ser Leu Leu Leu Asn Gly Asp Gly Gly Val Gly Arg Arg Arg Leu Trp Ile Gly Leu Gln Leu Pro Pro Gly Cys Gly Asp Pro Lys Arg Leu Gly Pro Leu Arg Gly Phe Gln Trp Val Thr Gly Asp Asn Asn Thr Ser Tyr Ser Arg Trp Ala Arg Leu Asp Leu Asn Gly Ala Pro Leu Cys Gly Pro Leu Cys Val Ala Val Ser Ala Ala Glu Ala Thr Val Pro Ser Glu Pro Ile Trp Glu Glu Gln Gln Cys Glu Val Lys Ala Asp Gly Phe Leu Cys Glu Phe His Phe Pro Ala Thr Cys Arg Pro Leu Ala Val Glu Pro Gly Ala Ala Ala Ala Ala Val Ser Ile Thr Tyr Gly Thr Pro Phe Ala Ala Arg Gly Ala Asp Phe Gln Ala Leu Pro Val Gly Ser Ser Ala Ala Val Ala Pro Leu Gly Leu Gln Leu Met Cys Thr Ala Pro Pro Gly Ala Val Gln Gly His Trp Ala Arg Glu Ala Pro Gly Ala Trp Asp Cys Ser Val Glu Asn Gly Gly Cys Glu His Ala Cys Asn Ala Ile Pro Gly Ala Pro Arg Cys Gln Cys Pro Ala Gly Ala Ala Leu Gln Ala Asp Gly Arg Ser Cys Thr Ala Ser Ala Thr Gln Ser Cys Asn Asp Leu Cys Glu His Phe Cys Val Pro Asn Pro Asp Gln Pro Gly Ser Tyr Ser Cys Met Cys Glu Thr Gly Tyr Arg Leu Ala Ala Asp Gln His Arg Cys Glu Asp Val Asp Asp Cys Ile Leu Glu Pro Ser Pro Cys Pro Gln Arg Cys Val Asn Thr Gln Gly Gly Phe Glu Cys His Cys Tyr Pro Asn Tyr Asp Leu Val Asp Gly Glu Cys Val Glu Pro Val Asp Pro Cys Phe Arg Ala Asn Cys Glu Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Pro Ile Pro His Glu Pro His Arg Cys Gln Met Phe Cys Asn Gln Thr Ala Cys Pro Ala Asp Cys Asp Pro Asn Thr Gln Ala Ser Cys Glu Cys Pro Glu Gly Tyr Ile Leu Asp Asp Gly Phe Ile Cys Thr Asp Ile Asp Glu Cys Glu Asn Gly Gly Phe Cys Ser Gly Val Cys His Asn Leu Pro Gly Thr Phe Glu Cys Ile Cys Gly Pro Asp Ser Ala Leu Val Arg His Ile Gly Thr Asp Cys
【0024】本発明のペプチドはN末端アミノ酸残基と
してアミノ酸メチオニンを含有していてもよい。本発明
のペプチドはまた、N末端アミノ酸配列として例えば次
式:Met Leu Gly Val Leu Val
Leu Gly AlaLeu Ala Leu A
la Gly Leu Gly Phe Proで表さ
れるアミノ酸配列を有するリーダー配列、またはその一
部を含有していてもよい。
【0025】自然の変異によりまたは人工の変異によ
り、ペプチドの活性および可溶性に重大な変化を与える
ことなく、ペプチドの構造の一部を変化させることが可
能である。本発明のペプチドは、トロンビンに結合し、
トロンビンによるプロテインCの活性化を促進する作用
を有する限り、前記アミノ酸配列を有するペプチドの相
同変異体(Homologous variant)に
相当する構造を有するペプチドも包含する。本発明のペ
プチドは少なくとも1個の糖残基を含有していてもよい
し、含有していなくてもよい。即ち、本発明では少なく
ともアミノ酸配列として、本明細書に説明された配列で
あることを示すものであって、特に糖残基により限定さ
れるものではない。
【0026】本発明のペプチドを製造するに当たって
は、例えば、以下の方法により遺伝子操作技術を用いる
ことが好ましい。この遺伝子操作技術に用いるヒト由来
の遺伝子としては、例えば図11に示される制限酵素地
図のTMJ2等の遺伝子を出発原料として、本明細書に
開示されるトロンビンに結合し、トロンビンによるプロ
テインCの活性化を促進する作用を有し、好ましくは配
列番号7の1−575のアミノ酸配列の部分配列からな
る、また他の好ましい態様としては界面活性剤の非存在
下で可溶性であるペプチドである、ペプチドをコードす
る遺伝子へと、通常の遺伝子操作技術で変更すれば良い
ものであり、例えば、本明細書で開示された種々のペプ
チドをコードする遺伝子を用いればよい。
【0027】本発明における好ましい遺伝子を例示すれ
ば、以下の例が挙げられる。例えば、次式(II)(即
ち、配列番号4の1−354の塩基配列): GTGGAGCCCG TGGACCCGTG CTTCAGAGCC AACTGCGAGT ACCAGTGCCA GCCCCTGAAC CAAACTAGCT ACCTCTGCGT CTGCGCCGAG GGCTTCGCGC CCATTCCCCA CGAGCCGCAC AGGTGCCAGA TGTTTTGCAA CCAGACTGCC TGTCCAGCCG ACTGCGACCC CAACACCCAG GCTAGCTGTG AGTGCCCTGA AGGCTACATC CTGGACGACG GTTTCATCTG CACGGACATC GACGAGTGCG AAAACGGCGG CTTCTGCTCC GGGGTGTGCC ACAACCTCCC CGGTACCTTC GAGTGCATCT GCGGGCCCGA CTCGGCCCTT GTCCGCCACA TTGGCACCGA CTGT で表される塩基配列を含有するDNAである。
【0028】遺伝暗号の縮重に従い、遺伝子から生産さ
れるポリペプチドのアミノ酸配列を変えることなくその
遺伝子の塩基配列の少なくとも1つの塩基を他の種類の
塩基に置換することができる。従って、本発明のDNA
はまた、遺伝暗号の縮重に基づく置換によって変化され
た塩基配列を含有することも可能である。この場合、上
記置換により得られた塩基配列から演繹されるアミノ酸
配列は前に定義したアミノ酸配列と一致する。
【0029】本発明のDNAは前記式(II)で表される
塩基配列と、その5′末端および/または3′末端に結
合した少なくとも1種の他の塩基配列とを含有していて
もよい。式(II)で表される塩基配列と少なくとも1種
の他の塩基配列とを含有するDNAの例としては下記の
DNA(1)〜(5)が挙げられる。 (1)上記式(II)で表されるDNA(即ち、配列番号
4の1−354の塩基配列)。
【0030】(2)式(II)で表される塩基配列とその
5′末端に結合した次式: TGCAGCGTGG AGAACGGCGG CTGCGAGCAC GCGTGCAATG CGATCCCTGG GGCTCCCCGC TGCCAGTGCC CAGCCGGCGC CGCCCTGCAG GCAGACGGGC GCTCCTGCAC CGCATCCGCG ACGCAGTCCT GCAACGACCT CTGCGAGCAC TTCTGCGTTC CCAACCCCGA CCAGCCGGGC TCCTACTCGT GCATGTGCGA GACCGGCTAC CGGCTGGCGG CCGACCAACA CCGGTGCGAG GACGTGGATG ACTGCATACT GGAGCCCAGT CCGTGTCCGC AGCGCTGTGT CAACACACAG GGTGGCTTCG AGTGCCACTG CTACCCTAAC TACGACCTGG TGGACGGCGA GTGT で表される塩基配列が結合してなるDNA(即ち、配列
番号9の1−708の塩基配列)。
【0031】(3)式(II)で表される塩基配列の5′
末端および3′末端に夫々次式: TGCAGCGTGG AGAACGGCGG CTGCGAGCAC GCGTGCAATG CGATCCCTGG GGCTCCCCGC TGCCAGTGCC CAGCCGGCGC CGCCCTGCAG GCAGACGGGC GCTCCTGCAC CGCATCCGCG ACGCAGTCCT GCAACGACCT CTGCGAGCAC TTCTGCGTTC CCAACCCCGA CCAGCCGGGC TCCTACTCGT GCATGTGCGA GACCGGCTAC CGGCTGGCGG CCGACCAACA CCGGTGCGAG GACGTGGATG ACTGCATACT GGAGCCCAGT CCGTGTCCGC AGCGCTGTGT CAACACACAG GGTGGCTTCG AGTGCCACTG CTACCCTAAC TACGACCTGG TGGACGGCGA GTGT 及び GACTCCGGCA AGGTGGACGG TGGCGACAGC GGCTCTGGCG AGCCCCCGCC CAGCCCGACG CCCGGCTCCA CCTTGACTCC TCCGGCCGTG GGGCTCGTGC ATTCGGGC で表される塩基配列が結合してなるDNA(即ち、配列
番号11の1−816の塩基配列)。
【0032】(4)式(II)で表される塩基配列の5′
末端および3′末端に夫々次式: GCACCCGCAG AGCCGCAGCC GGGTGGCAGC CAGTGCGTCG AGCACGACTG CTTCGCGCTC TACCCGGGCC CCGCGACCTT CCTCAATGCC AGTCAGATCT GCGACGGACT GCGGGGCCAC CTAATGACAG TGCGCTCCTC GGTGGCTGCC GATGTCATTT CCTTGCTACT GAACGGCGAC GGCGGCGTTG GCCGCCGGCG CCTCTGGATC GGCCTGCAGC TGCCACCCGG CTGCGGCGAC CCCAAGCGCC TCGGGCCCCT GCGCGGCTTC CAGTGGGTTA CGGGAGACAA CAACACCAGC TATAGCAGGT GGGCACGGCT CGACCTCAAT GGGGCTCCCC TCTGCGGCCC GTTGTGCGTC GCTGTCTCCG CTGCTGAGGC CACTGTGCCC AGCGAGCCGA TCTGGGAGGA GCAGCAGTGC GAAGTGAAGG CCGATGGCTT CCTCTGCGAG TTCCACTTCC CAGCCACCTG CAGGCCACTG GCTGTGGAGC CCGGCGCCGC GGCTGCCGCC GTCTCGATCA CCTACGGCAC CCCGTTCGCG GCCCGCGGAG CGGACTTCCA GGCGCTGCCG GTGGGCAGCT CCGCCGCGGT GGCTCCCCTC GGCTTACAGC TAATGTGCAC CGCGCCGCCC GGAGCGGTCC AGGGGCACTG GGCCAGGGAG GCGCCGGGCG CTTGGGACTG CAGCGTGGAG AACGGCGGCT GCGAGCACGC GTGCAATGCG ATCCCTGGGG CTCCCCGCTG CCAGTGCCCA GCCGGCGCCG CCCTGCAGGC AGACGGGCGC TCCTGCACCG CATCCGCGAC GCAGTCCTGC AACGACCTCT GCGAGCACTT CTGCGTTCCC AACCCCGACC AGCCGGGCTC CTACTCGTGC ATGTGCGAGA CCGGCTACCG GCTGGCGGCC GACCAACACC GGTGCGAGGA CGTGGATGAC TGCATACTGG AGCCCAGTCC GTGTCCGCAG CGCTGTGTCA ACACACAGGG TGGCTTCGAG TGCCACTGCT ACCCTAACTA CGACCTGGTG GACGGCGAGT GT 及び GACTCCGGCA AGGTGGACGG TGGCGACAGC GGCTCTGGCG AGCCCCCGCC CAGCCCGACG CCCGGCTCCA CCTTGACTCC TCCGGCCGTG GGGCTCGTGC ATTCGGGC で表される塩基配列が結合してなるDNA(即ち、配列
番号5の1−1494の塩基配列)。
【0033】(15)配列番号15の1−1386の塩
基配列からなるDNA。 GCACCCGCAG AGCCGCAGCC GGGTGGCAGC CAGTGCGTCG AGCACGACTG CTTCGCGCTC TACCCGGGCC CCGCGACCTT CCTCAATGCC AGTCAGATCT GCGACGGACT GCGGGGCCAC CTAATGACAG TGCGCTCCTC GGTGGCTGCC GATGTCATTT CCTTGCTACT GAACGGCGAC GGCGGCGTTG GCCGCCGGCG CCTCTGGATC GGCCTGCAGC TGCCACCCGG CTGCGGCGAC CCCAAGCGCC TCGGGCCCCT GCGCGGCTTC CAGTGGGTTA CGGGAGACAA CAACACCAGC TATAGCAGGT GGGCACGGCT CGACCTCAAT GGGGCTCCCC TCTGCGGCCC GTTGTGCGTC GCTGTCTCCG CTGCTGAGGC CACTGTGCCC AGCGAGCCGA TCTGGGAGGA GCAGCAGTGC GAAGTGAAGG CCGATGGCTT CCTCTGCGAG TTCCACTTCC CAGCCACCTG CAGGCCACTG GCTGTGGAGC CCGGCGCCGC GGCTGCCGCC GTCTCGATCA CCTACGGCAC CCCGTTCGCG GCCCGCGGAG CGGACTTCCA GGCGCTGCCG GTGGGCAGCT CCGCCGCGGT GGCTCCCCTC GGCTTACAGC TAATGTGCAC CGCGCCGCCC GGAGCGGTCC AGGGGCACTG GGCCAGGGAG GCGCCGGGCG CTTGGGACTG CAGCGTGGAG AACGGCGGCT GCGAGCACGC GTGCAATGCG ATCCCTGGGG CTCCCCGCTG CCAGTGCCCA GCCGGCGCCG CCCTGCAGGC AGACGGGCGC TCCTGCACCG CATCCGCGAC GCAGTCCTGC AACGACCTCT GCGAGCACTT CTGCGTTCCC AACCCCGACC AGCCGGGCTC CTACTCGTGC ATGTGCGAGA CCGGCTACCG GCTGGCGGCC GACCAACACC GGTGCGAGGA CGTGGATGAC TGCATACTGG AGCCCAGTCC GTGTCCGCAG CGCTGTGTCA ACACACAGGG TGGCTTCGAG TGCCACTGCT ACCCTAACTA CGACCTGGTG GACGGCGAGT GTGTGGAGCC CGTGGACCCG TGCTTCAGAG CCAACTGCGA GTACCAGTGC CAGCCCCTGA ACCAAACTAG CTACCTCTGC GTCTGCGCCG AGGGCTTCGC GCCCATTCCC CACGAGCCGC ACAGGTGCCA GATGTTTTGC AACCAGACTG CCTGTCCAGC CGACTGCGAC CCCAACACCC AGGCTAGCTG TGAGTGCCCT GAAGGCTACA TCCTGGACGA CGGTTTCATC TGCACGGACA TCGACGAGTG CGAAAACGGC GGCTTCTGCT CCGGGGTGTG CCACAACCTC CCCGGTACCT TCGAGTGCAT CTGCGGGCCC GACTCGGCCC TTGTCCGCCA CATTGGCACC GACTGT
【0034】本発明のDNAは、例えば、以下のように
して得ることができる。 (1)トロンビンのプロテインC活性化を促進すること
のできるヒト肺由来のペプチドに特異的な、ウサギから
得られる抗体を用いて、ヒト肺から調製したcDNAラ
イブラリーからその抗体と結合するペプチドをコードす
るcDNA断片を単離し、単離したcDNA断片の塩基
配列を分析する。得られたcDNA断片はトロンビンの
プロテインC活性化を促進することのできるヒト肺由来
のペプチドの一部分をコードしている。その部分はその
ペプチドのC末端を含むがN末端を含まない。
【0035】(2)上述のように、得られたcDNA断
片はヒト肺由来のペプチドの全アミノ酸配列をコードし
ておらず、そのペプチドのN末端アミノ酸配列に対応す
る塩基配列を欠いているので、N末端アミノ酸配列をコ
ードするcDNA断片を上記工程(1)で得られるcD
NA断片を利用して通常の公知のプライマー エクステ
ンション法により以下のようにして得る。
【0036】まず、上記工程(1)で得られたcDNA
断片のコードするペプチドのN末端側のアミノ酸配列に
対応するcDNA断片の一部分を有機化学合成する。次
に、合成したDNAをプライマーとして用いて通常の公
知のプライマー エクステンション法によりヒトさい帯
内皮細胞より調製したポリ(A)+ RNAから上記工程
(1)で得られるcDNA断片の5′末端の上流の塩基
配列を有するcDNA断片を得る。上記プライマー エ
クステンションを繰り返すことによりヒト肺由来のペプ
チドのN末端アミノ酸配列を含み、さらにそのN末端側
に後記のリーダー配列をコードするcDNA断片を得
る。
【0037】(3)次に、前記工程(1)及び(2)で
得られたcDNA断片を適宜結合することにより、開始
コドンから始まる1725塩基対(以下“bp”と略す
る)のオープンリーディングフレームを含有するcDN
A(以下“cDNA−A”と略する)を得る。このオー
プンリーディングフレームの塩基配列は、配列番号10
の1−1725の塩基配列である。またリーダー配列を
コードする塩基配列を除外し、ヒト肺由来のペプチドの
N末端アミノ酸配列からの塩基配列とすれば、配列番号
12の1−1671の塩基配列となる。このcDNA−
Aから、前述のDNA(1)〜(5)の塩基配列と実質
的に同等の塩基配列を有するcDNAは、以下の部分を
位置特異的変異法で削除することによって得ることがで
きる。
【0038】(i)DNA(4)の塩基配列と実質的に
同等の塩基配列を含有するcDNAを調製するに当たっ
ては、削除する部分としては、前記のオープンリーディ
ングフレームにおける開始コドンの最初の塩基から数え
て1549番目から1725番目の塩基までの部分であ
る。 (ii)DNA(5)の塩基配列と実質的に同等の塩基配
列を含有するcDNAを調製するに当たっては、削除す
る部分としては、前記のオープンリーディングフレーム
における開始コドンの最初の塩基から数えて1441番
目から1725番目の塩基までの部分である。 (iii)DNA(3)の塩基配列と実質的に同等の塩基配
列を含有するcDNAを調製するに当たっては、削除す
る部分としては、前記のオープンリーディングフレーム
における開始コドンの最初の塩基から数えて55番目か
ら732番目および1549番目から1725番目の塩
基までの部分である。
【0039】(iv) DNA(2)の塩基配列と実質的に
同等の塩基配列を含有するcDNAを調製するに当たっ
ては、削除する部分としては、前記のオープンリーディ
ングフレームにおける開始コドンの最初の塩基から数え
て55番目から732番目および1441番目から17
25番目の塩基までの部分である。 (v) DNA(1)の塩基配列と実質的に同等の塩基配
列を含有するcDNAを調製するに当たっては、削除す
る部分としては、前記のオープンリーディングフレーム
における開始コドンの最初の塩基から数えて55番目か
ら1086番目および1441番目から1725番目の
塩基までの部分である。このようにして得られた各cD
NAの塩基配列は公知の方法で分析して、DNA(1)
〜(5)の塩基配列とそれぞれ一致することを確認す
る。
【0040】上記の本発明のDNAは有機化学合成する
ことによっても得ることができる。また、本発明のDN
Aは前述のプライマー エクステンションを行うことな
く、前駆体DNAから調製することもできる。前駆体D
NAは、前記工程(1)で得られるDNA断片またはそ
のDNA断片の塩基配列に基づいて調製した合成DNA
をプローブとして用いる通常のハイブリダイゼーション
法によってヒト染色体DNAライブラリーから得ること
ができる。
【0041】前述の如く、式(II)の塩基配列を含有す
る本発明のDNAは次式: Met Leu Gly Val Leu Val Leu Gly Ala Leu Ala Leu Ala Gly Leu Gly Phe Pro で表されるようなリーダー配列をコードする塩基配列を
5′末端塩基配列として含有していてもよく、通常細胞
等での発現においてこのリーダー配列の全部又は一部は
削除され得る。
【0042】本発明によれば、上記DNAと相補的なD
NAもまた提供される。本発明によれば、上記DNAと
それに相補的なDNAが互いに相補的に結合して2重鎖
DNAを形成していてもよい。本発明のDNAは前述の
すべてのペプチドの相同変異体に相当する構造を有する
ペプチドをコードする塩基配列を含有することも可能で
ある。
【0043】遺伝暗号の縮重に従い、遺伝子から生産さ
れるポリペプチドのアミノ酸配列を変えることなく、そ
の遺伝子の塩基配列の少なくとも1つの塩基を他の種類
の塩基に置換することができる。従って、本発明のDN
Aはまた、遺伝暗号の縮重に基づく置換によって変化さ
れた塩基配列を含有することも可能である。この場合、
上記置換により得られた塩基配列から演繹されるアミノ
酸配列は前に定義したアミノ酸配列と一致する。すなわ
ち、本発明は前述の種々のペプチドのアミノ酸配列をコ
ードするDNAまたはその相補的DNAである。
【0044】更にまた、本発明によれば、前記の本発明
のDNAと複製可能な発現ベクターとからなる複製可能
な組換え体DNAが提供される。該組換え体DNAは、
それによって形質転換された微生物または細胞中で、本
発明のペプチドを発現することができる。適したベクタ
ーの例としては、プラスミドpBR322、pBR32
7、YRp7、pSV2−dhfr(ATCC 371
46)、pBPV−1(9−1)(ATCC 3711
1)などが挙げられる。尚、発現ベクターは宿主として
使用する微生物または細胞に適したものを選択する必要
がある。
【0045】更に本発明はまた、上述の複製可能な組換
え体DNAで形質転換された微生物または細胞に関す
る。微生物の例としては、エシェリヒア コリ(Esc
herichia coli)の菌株、例えばイー コ
リ(E.coli)K12株294(ATCC 314
46)、イー コリ(E.coli)B、イー コリ
(E.coli)X1776(ATCC 3153
7)、イー コリ(E.coli)C600およびイー
コリ(E.coli)C600hfl並びにイー コ
リ(E.coli)W3110(F−、λ−、プロトト
ロフィック、ATCC27375);バチラス サブチ
リス(Bacillus subtilis)の如きバ
チラス(Bacillus)属の菌株;サルモネラ チ
フィムリウム(Salmonella typhimu
rium)またはセラチア マーセサンス(Serra
tia marcesans)等の大腸菌以外の腸内
菌;シュードモーナス(Pseudomonas)属の
種々の菌株;およびサッカロミセスセレビシエ(Sac
charomyces cerevisiae)などが
挙げられる。細胞の例としては、VERO(ATCC
CCL−81)細胞、HeLa細胞、チャイニーズハム
スター卵巣(CHO)細胞株、WI38、BHK、CO
S−7およびMDCK細胞株等の動物細胞が挙げられ
る。
【0046】例えば、前述の配列番号7の1−575の
アミノ酸配列をコードする遺伝子の場合を例にとると、
生体内では、血管内皮細胞膜上に次式の一次構造(即
ち、配列番号13の1−557のアミノ酸配列)で発現
される。
【0047】 Ala Pro Ala Glu Pro Gln Pro Gly Gly Ser Gln Cys Val Glu His Asp Cys Phe Ala Leu Tyr Pro Gly Pro Ala Thr Phe Leu Asn Ala Ser Gln Ile Cys Asp Gly Leu Arg Gly His Leu Met Thr Val Arg Ser Ser Val Ala Ala Asp Val Ile Ser Leu Leu Leu Asn Gly Asp Gly Gly Val Gly Arg Arg Arg Leu Trp Ile Gly Leu Gln Leu Pro Pro Gly Cys Gly Asp Pro Lys Arg Leu Gly Pro Leu Arg Gly Phe Gln Trp Val Thr Gly Asp Asn Asn Thr Ser Tyr Ser Arg Trp Ala Arg Leu Asp Leu Asn Gly Ala Pro Leu Cys Gly Pro Leu Cys Val Ala Val Ser Ala Ala Glu Ala Thr Val Pro Ser Glu Pro Ile Trp Glu Glu Gln Gln Cys Glu Val Lys Ala Asp Gly Phe Leu Cys Glu Phe His Phe Pro Ala Thr Cys Arg Pro Leu Ala Val Glu Pro Gly Ala Ala Ala Ala Ala Val Ser Ile Thr Tyr Gly Thr Pro Phe Ala Ala Arg Gly Ala Asp Phe Gln Ala Leu Pro Val Gly Ser Ser Ala Ala Val Ala Pro Leu Gly Leu Gln Leu Met Cys Thr Ala Pro Pro Gly Ala Val Gln Gly His Trp Ala Arg Glu Ala Pro Gly Ala Trp Asp Cys Ser Val Glu Asn Gly Gly Cys Glu His Ala Cys Asn Ala Ile Pro Gly Ala Pro Arg Cys Gln Cys Pro Ala Gly Ala Ala Leu Gln Ala Asp Gly Arg Ser Cys Thr Ala Ser Ala Thr Gln Ser Cys Asn Asp Leu Cys Glu His Phe Cys Val Pro Asn Pro Asp Gln Pro Gly Ser Tyr Ser Cys Met Cys Glu Thr Gly Tyr Arg Leu Ala Ala Asp Gln His Arg Cys Glu Asp Val Asp Asp Cys Ile Leu Glu Pro Ser Pro Cys Pro Gln Arg Cys Val Asn Thr Gln Gly Gly Phe Glu Cys His Cys Tyr Pro Asn Tyr Asp Leu Val Asp Gly Glu Cys Val Glu Pro Val Asp Pro Cys Phe Arg Ala Asn Cys Glu Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Pro Ile Pro His Glu Pro His Arg Cys Gln Met Phe Cys Asn Gln Thr Ala Cys Pro Ala Asp Cys Asp Pro Asn Thr Gln Ala Ser Cys Glu Cys Pro Glu Gly Tyr Ile Leu Asp Asp Gly Phe Ile Cys Thr Asp Ile Asp Glu Cys Glu Asn Gly Gly Phe Cys Ser Gly Val Cys His Asn Leu Pro Gly Thr Phe Glu Cys Ile Cys Gly Pro Asp Ser Ala Leu Val Arg His Ile Gly Thr Asp Cys Asp Ser Gly Lys Val Asp Gly Gly Asp Ser Gly Ser Gly Glu Pro Pro Pro Ser Pro Thr Pro Gly Ser Thr Leu Thr Pro Pro Ala Val Gly Leu Val His Ser Gly Leu Leu Ile Gly Ile Ser Ile Ala Ser Leu Cys Leu Val Val Ala Leu Leu Ala Leu Leu Cys His Leu Arg Lys Lys Gln Gly Ala Ala Arg Ala Lys Met Glu Tyr Lys Cys Ala Ala Pro Ser Lys Glu Val Val Leu Gln His Val Arg Thr Glu Arg Thr Pro Gln Arg Leu
【0048】また上記遺伝子をCOS細胞、CHO細胞
またはC127 細胞で遺伝子工学的に発現させた場合も、
同様にそれら細胞膜上に発現・濃縮され、培養液中には
活性が検知されないので、トリトンX−100等の界面
活性剤の存在下調製する。しかし、該ペプチドのアミノ
酸配列のC末端から59番目以降の配列 Leu Leu Ile Gly Ile Ser Ile Ala Ser Leu Cys Leu Val Val Ala Leu Leu Ala Leu Leu Cys His Leu Arg Lys Lys Gln Gly Ala Ala Arg Ala Lys Met Glu Tyr Lys Cys Ala Ala Pro Ser Lys Glu Val Val Leu Gln His Val Arg Thr Glu Arg Thr Pro Gln Arg Leu を除くことにより、分泌され得る形態で培養液中に可溶
物として検知・回収できる。
【0049】本発明のペプチドを製造する方法は、例え
ば以下の方法が好ましい例として挙げられるが、他の方
法によることも本発明が達成される限り特に限定されな
い。 (a)前述のペプチドをコードするDNAと複製可能な
発現ベクターに連結して、該DNAと該複製可能な発現
ベクターとからなる複製可能な組換え体DNAを得、
(b)該複製可能な組換え体DNAで微生物または細胞
を形質転換させて形質転換体を形成せしめ、(c)該形
質転換体を該微生物または細胞の親細胞から選別し、
(d)該形質転換体を培養して、該形質転換体に該DN
Aを発現させて該ペプチドを産生せしめ、そして(e)
該ペプチドを培養した形質転換体から単離する
【0050】本発明の方法によれば、前述の本発明のD
NAが正しく転写し、それによって得られるmRNAか
らの翻訳が正しく行われるように本発明のDNAを複製
可能な発現ベクターのプロモーターなどのDNA領域の
下流に組入れて該DNAを有する複製可能な組換え体D
NAを得、得られた該組換え体DNAで微生物または細
胞を形質転換させて該組換え体DNAを含有する形質転
換体を得る。得られた形質転換体は、該組み換え体DN
Aに与えられた表現型によって微生物または培養細胞の
親細胞から単離される。得られた形質転換体を培養して
前記DNAの有する遺伝情報を発現させて本発明のペプ
チドを製造する。
【0051】上述のペプチドの製造方法の(d)工程に
おいて、形質転換体を培養して該ペプチドを生産させる
に際して、本明細書の実施例5の表4において、血清を
含有しないか、または通常よりその含有量を減少せしめ
た培地にて培養した場合に、本ペプチドが増加すること
が示され、有益な方法であることがわかる。したがっ
て、この方法により製造された場合には、血清由来蛋白
質を実質的に含有しないペプチドが得られるものであ
り、医薬組成物としてきわめて優れたものとなる。ま
た、本実施例の通り、ポリドカノール(Lubrol
PX)等の界面活性剤の存在下で該ペプチドを精製する
場合には、結果として本発明の医薬組成物としては、界
面活性剤を含有するものとなる。
【0052】トロンビンに結合し、トロンビンによるプ
ロテインCの活性化を促進する作用を有するペプチドに
関して、従来、アミノ酸配列等の解明が不可能であって
遺伝子操作により製造された例はなく、したがって、実
質的に他のヒト由来の成分を含有しない精製されたペプ
チドとしては、天然型の配列番号13の1−557のア
ミノ酸配列からなるペプチドも含めて従来、知られてい
ないものであって、本発明の開示するところによって、
初めて遺伝子操作により製造された実質的に他のヒト由
来の成分を含有しない精製された可溶性ペプチドが取得
し得たものである。したがって、前述のとおり、該可溶
性ペプチドとして、ヒト由来の夾雑成分を実質的に含有
しない組換えペプチドが好ましい例として挙げられる。
【0053】尚、本発明のDNA及び組み換え体DNA
を構築するために必要なDNA配列、例えばプロモータ
ーや複製起源等をクローニングするためには原核細胞を
宿主として用いる宿主−ベクター系を使用するのが好ま
しい。
【0054】原核細胞の例としてはエシェリヒア コリ
(Escherichia coli)の菌株、例えば
イー コリ(E.coli)K12株294(ATCC
31446)、イー コリ(E.coli)B、イー
コリ(E.coli)X1776(ATCC 315
37)、イー コリ(E.coli)C600およびイ
ー コリ(E.coli)C600hfl並びにイー
コリ(E.coli)W3110(F−、λ− 、プロ
トトロフィック、ATCC 27375);バチラス
サブチリス(Bacillus subtilis)の
如きバチラス(Bacillus)属の菌株;サルモネ
ラ チフィムリウム(Salmonella typh
imurium)またはセラチア マーセサンス(Se
rratia marcesans)等の大腸菌以外の
腸内細菌;シュードモナス(Pseudomonas)
属の種々の菌株;およびサッカロミセス セレビシエ
(Saccharomyces cerevisia
e)などが挙げられる。
【0055】これらの細菌のうちエシェリヒア コリ
(E.coli)K12株294が最も好ましい。上記
微生物を宿主として使用する場合、これら微生物に適し
たプラスミドベクターが組換え体DNAの複製可能な発
現ベクターとして一般に用いられる。例えば大腸菌を形
質転換するためのプラスミドベクターとしてはプラスミ
ドpBR322やpBR327などを用いることができ
る。プラスミドベクターは通常複製起源、プロモータ
ー、および組換え体DNAで形質転換した細胞を選別す
るのに有用な表現型を組換え体DNAに与えるマーカー
遺伝子等を含んでいる。
【0056】プロモーターの例としては、β−ラクタマ
ーゼ及びラクトースプロモーター、トリプトファンプロ
モーター等が挙げられる。マーカー遺伝子の例として
は、アンピシリン耐性遺伝子やテトラサイクリン耐性遺
伝子が挙げられる。一方、本発明のDNAを発現して本
発明のペプチドを製造するためには上記の原核細胞を宿
主として用いる宿主−ベクター系および脊椎動物の細胞
などの真核生物の細胞を宿主細胞として用いる宿主−ベ
クター系を使用することができる。真核細胞の例として
は前述の動物の細胞株などの細胞が挙げられる。本発明
のDNAを前述の真核細胞で発現させるために、本発明
の組換え体DNAは一般に遺伝子発現を制御するための
機能配列、例えば、複製起源、本発明のDNAの上流に
位置すべきプロモーター、リボゾーム結合部位、ポリア
デニル化部位や転写終止配列を含有している。本発明の
DNAを真核細胞内で発現させるのに用いることのでき
るそのような機能配列はウィルスやウィルス性物質から
得ることができる。
【0057】例えば、本発明で用いることのできるプロ
モーターは、アデノウィルス2、ポリオーマウィルス、
シミアンウィルス40(SV40)などから得ることが
できる。特に、アデノウィルス2の主後期プロモーター
やSV40の初期および後期プロモーターが好ましい。
また、トロンビンのプロテインC活性化を促進する作用
を有するヒト肺由来のペプチドをコードする遺伝子の上
流の位置に本来存在するプロモーターも、上述の宿主−
ベクター系で使用するのに適しているならば使用するこ
とができる。
【0058】複製起源については、外来性の起源、例え
ば、アデノウィルス、ポリオーマ、SV40、水疱性口
内炎ウィルス(VSV)、ウシ乳頭腫ウィルス(BP
V)等のウィルス由来の複製起源を用いることができ
る。また、発現ベクターとして宿主染色体に組み込まれ
るような性質を有するベクターを用いる場合、宿主染色
体の複製起源を利用することができる。
【0059】本発明の複製可能な組換え体DNAで形質
転換された微生物または細胞は、前述のとおり、組換え
体DNAに与えられた少なくとも1種の表現型によって
形質転換されずに残った親細胞から選別される。表現型
は少なくとも1種のマーカー遺伝子を組換え体DNAに
挿入することによって与えることができる。また複製可
能な発現ベクターが本来有しているマーカー遺伝子を利
用することもできる。マーカー遺伝子の例としては、例
えば、ネオマイシン耐性などの薬剤耐性遺伝子やジヒド
ロ葉酸レダクターゼ(以下“DHFR”と称する)をコ
ードする遺伝子などが挙げられる。これに関し、DHF
R遺伝子をマーカー遺伝子として用いる場合、DHFR
には様々のタイプがあるため、その使用するマーカー遺
伝子のコードしているDHFRのタイプによって用いる
べき宿主を選択しなければならない。
【0060】例えば、マーカー遺伝子として野生型DH
FRをコードする遺伝子を用いる場合、宿主としてはD
HFR欠損株を用いるのが好ましい。DHFR欠損株は
ヒポキサンチン、グリシン及びチミジンを要求するの
で、ヒポキサンチン、グリシン及びチミジンを含まない
培地中では成育できない。しかしながら、DHFR欠損
株をDHFR遺伝子を含有する組換え体DNAで形質転
換すると、その株はもはやヒポキサンチン、グリシン及
びチミジンを要求しなくなり、ヒポキサンチン、グリシ
ン及びチミジンを含まない培地中でも成育することがで
きる。従って、形質転換細胞はヒポキサンチン、グリシ
ン及びチミジンについての栄養要求性を判断基準にして
形質転換されないで残った細胞から容易に選択すること
ができる。
【0061】一方、メトトレキセート(MTX)に対す
る親和性の低い変異体DHFRをコードする遺伝子(以
下“MTX耐性DHFR遺伝子”と称する)をマーカー
遺伝子として用いる場合には、宿主細胞は正常なDHF
Rをコードする遺伝子を有していればよく、DHFRを
欠損している必要はない。その理由は以下のとおりであ
る。正常DHFRはMTXによって阻害されるため、正
常DHFRをコードする遺伝子を含有する宿主細胞はM
TXの存在下ではヒポキサンチン、グリシン及びチミジ
ンを要求する。
【0062】しかしながら、その宿主細胞がMTX耐性
DHFR遺伝子を含有する組換え体DNAで形質転換す
ると形質転換細胞はMTX存在下においてももはやヒポ
キサンチン、グリシン及びチミジンを要求しない。従っ
て、形質転換細胞は、MTX存在下におけるヒポキサン
チン、グリシン及びチミジンについての栄養要求性を判
断基準として用いて形質転換されていない細胞から選択
することができる。これに関し、真核細胞の大多数がM
TX感受性であるのでMTX耐性DHFR遺伝子はマー
カー遺伝子として用いるのに好都合である。
【0063】サッカロミセス セレビシエ(Sacch
aromyces cerevisiae)などの酵母
も本発明のDNAを発現するための宿主として用いるこ
とができる。酵母で本発明のDNAを発現するためには
複製可能な発現ベクターとして例えばプラスミドYRp
7を用いることができる。プラスミドYRp7はtrp
l遺伝子を含有しており、このtrpl遺伝子をマーカ
ー遺伝子として利用することができる。
【0064】酵母細胞用の発現ベクターのプロモーター
の例としては、3−ホスホグリセレートキナーゼまたは
エノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデ
ヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルベートデカルボ
キシラーゼ、ホスホフラクトキナーゼ、グルコース−6
−ホスフェートイソメラーゼ、グルコキナーゼ、などの
解糖系に関与する酵素類の遺伝子のプロモーターやアル
コールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロームC、酸性
ホスファターゼ、窒素代謝に関与する酵素、マルトース
及びラクトースの利用に関与する酵素類の遺伝子のプロ
モーターが挙げられる。これらのうち、アルコールデヒ
ドロゲナーゼ2、イソチトクロームC、酸性ホスファタ
ーゼ、窒素代謝に関与する酵素類、グリセルアルデヒド
−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、及びマルトース
及びラクトースの利用に関与する酵素類の遺伝子のプロ
モーターは、これらのプロモーターによる転写を宿主の
培養条件を変えることによって制御することができるの
で有利である。
【0065】酵母細胞中における転写や翻訳を制御する
ための複製起源や終止コドンおよびその他のDNA配列
としては、酵母細胞に適している通常の公知のDNA配
列を用いることができる。形質転換した微生物または細
胞は通常の栄養培地を用いて通常の公知の方法で培養す
ることにより本発明のペプチドをコードするDNAを発
現して本発明のペプチドを製造することができる。培養
後、本発明のペプチドは形質転換体の培養物から通常の
公知の方法、例えばカラムクロマトグラフィーなどを用
いて単離することができ、本明細書の記載に従って、本
発明の医薬組成物として使用できる程度に実質的に精製
されることが通常行われる。
【0066】このようにして得られたペプチドは、本発
明の作用と可溶性を有する限り、様々な種類と長さの糖
鎖を少なくとも1種含有していてもよいし、また複数の
アミノ酸配列からなるペプチドの混合物であってもよ
い。得られたペプチドが糖鎖を含有しているか否かは用
いる宿主細胞の種類によって異なる。また、ペプチドが
糖鎖を含有している場合の糖鎖の種類や長さも用いる宿
主細胞の種類によって異なる。
【0067】一般に翻訳開始シグナルのATGから翻訳
されたペプチドは宿主細胞から分泌されるときにプロセ
ッシングを受けて成熟蛋白になることが知られている。
本発明のペプチドの場合もそのようなプロセッシングを
受けることがある。ペプチドがプロセッシングを受ける
部位は、宿主により、または培養条件により変化する場
合がある。例えば、本発明のペプチドが、式(I)で表
されるペプチドとN末端アミノ酸配列として前述の18
個のアミノ酸からなるリーダー配列とを含むプロセッシ
ングを受けていない未成熟形で形質転換細胞中で産生さ
れる場合、その未成熟形ペプチドはプロセッシングを受
けてリーダー配列が削除されて成熟形となることがあ
る。しかしながら、前述のように未成熟形ペプチドのプ
ロセッシングを受ける位置は使用する宿主の種類や宿主
の培養条件により変化するので必ずしも上記のようなプ
ロセッシングが起きるとは限らない。
【0068】前述のとおり、本発明のトロンビンによる
プロテインCの活性化を促進する作用を有するペプチド
は組換えDNA技術を用いる方法により製造することが
できる。また、本発明のペプチドは通常の公知の方法に
より、例えば市販の自動ペプチド合成装置などを用いて
有機合成により製造することもできる。本発明のペプチ
ドはトロンビンによるプロテインC活性化を促進する作
用を有する。プロテインCは血液凝固線溶機構において
重要な役割を演じているビタミンK依存性の蛋白質であ
り、トロンビンの作用により活性化される。活性型プロ
テインCは、生体内で血液凝固系補酵素の活性型第V因
子、および活性型第VII因子を失活させ、また血栓溶
解作用を有するプラスミノーゲンアクチベーターの産生
に関与していることが知られている。〔鈴木宏治、医学
の歩み、第125巻、901頁、(1983年)〕。
【0069】本発明のペプチドは、このトロンビンによ
るプロテインCの活性化を促進して抗血液凝固作用と血
栓溶解作用を示す活性型プロテインCを大量に産生せし
めるものである。従って、本発明のペプチドは生体にお
ける抗血液凝固及び血栓溶解に大きく寄与するものであ
る。前述のように、本発明の医薬組成物は抗血液凝固作
用と血小板凝集抑制作用及び血栓溶解作用を有するの
で、血液凝固を制御するための、または血小板凝集を制
御するための医薬組成物として用いることが可能であ
り、具体的には、例えば、心筋梗塞、血栓症、塞栓症、
末梢血管閉塞症、閉塞性動脈硬化症、血管内血液凝固症
候群(DIC)、狭心症、一過性脳虚血発作、妊娠中毒
症等の疾患の治療及び予防に用いることができる。
【0070】本発明の凍結乾燥製剤を製造するに際して
は、実質的に精製された可溶性ペプチドと、投与可能、
かつ生理食塩水又はブドウ糖注射液に溶解し得る担体と
を含有する水溶液を、凍結乾燥すればよく、この凍結乾
燥の手法や条件は、本実施例や適用例を参考に行うこと
ができ、例えば、一次、二次の2回に分割して凍結乾燥
することも一括して行うことも任意である。
【0071】薬剤として投与可能であり、かつ生理食塩
水又はブドウ糖注射液に溶解し得る担体としては、ショ
糖、精製ゼラチン、アルブミン、マンニトール、ブドウ
糖および塩化ナトリウムからなる群より選ばれた1種以
上が例示され、また各種無機塩のpH調整剤などを添加
することも好ましい例として挙げられる。その結果、本
発明の凍結乾燥製剤は、医薬組成物全体として可溶性で
あり、且つ綺麗に凍結乾燥が可能であって、好ましい。
また本発明においては、上記担体が、グリセリンである
こともまた可能である。上記の担体は、製剤を調製する
際に添加することが好ましい。
【0072】本発明のペプチドの成人1回当たりの投与
量は、年齢、性別、体重、症状等により異なるが、一般
に約0.1〜200mgであり、一日当たり一回または
必要に応じて数回、例えば血管内注射、好ましくは点滴
静注により投与する方法が例示される。本発明者等は、
本発明のペプチドが副作用の少ない極めて有用なもので
あることを確認しており、例えば、動物実験でラットi
v投与において約3mg/Kgで全く死亡例や害を生ず
ることがなく、有効な作用も認められることから、ヒト
の体重を約60〜70Kgと考えて上記の投与量が妥当
なものとして提示される。
【0073】
【実施例】本発明をより詳細に記述するために参考例及
び実施例により説明するが、本発明の範囲はこれらの実
施例にのみ限定されるものではない。 参考例1 (プロテインC活性化を促進する作用の測定)本発明の
ペプチドのプロテインC活性化の促進作用の測定は、合
成基質Boc−Leu−Ser−Thr−Arg−MC
A(Boc及びMCAはそれぞれt−ブトキシカルボニ
ル基及び4−メチルクマリル−7−アミドの略称であ
る)を用いる公知のプロテインC測定法〔ワイ オーノ
(Y.Ohno)ら、ザ ジャーナル オブ バイオケ
ミストリー(J.Biochem.)90巻、1387
頁(1981年)〕に従って行なった。すなわち、プロ
テインC(最終濃度0.5μM)およびトロンビン(最
終濃度80nM)を含有する水溶液5μlに本発明のペ
プチドを含む水溶液5μl(0〜0.01 A280 /m
l)を加え、これにNaCl、CaCl2 、血清アルブ
ミン及びトリス塩酸緩衝液(pH7.4)をそれぞれ最
終濃度が0.15M、2.5mM、1mg/ml及び2
0mMになるように、そして全量が30μlとなるよう
に加えた。得られた混合物を37℃で15分間反応させ
てプロテインCを活性化した後に2μMのアンチトロン
ビンIII を10μl及び10単位/mlのヘパリンを含
有する水溶液を10μl加えて37℃で15分間加温し
て反応を停止させた。
【0074】得られた反応混合物に、前述の合成基質B
oc−Leu−Ser−Thr−Arg−MCA〔財団
法人蛋白質研究奨励会ペプチド研究会(Peptide
Institute)(日本)製〕200μMを含む
20mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)250μlを
加え、37℃で10分間反応させた後、20%酢酸0.
5mlを加えて反応を停止させ、遊離してきたAMC
(7−アミノ−7−メチル−クマリン)の濃度を励起波
長380nm、発光波長440nmで蛍光分光光度計R
F−540型(島津製作所製、日本)により測定した。
得られた蛍光強度を既知濃度のAMCの蛍光強度と比較
して、遊離したAMC量を求めた。値は1分間当りに生
成するAMC量で表わす。このAMC量から本発明のペ
プチドを含まない水溶液を加えたときのAMC量を引い
た値がサンプルのトロンビンによるプロテインC活性化
を促進する強さを示す。
【0075】ここで、プロテインCはヒト血漿から鈴木
らの方法〔鈴木(Suzuki)ら、ザ ジャーナル
オブ バイオロジカル ケミストリー(J.Biol.
Chem.)、258巻、1914頁(1983年
等)〕で精製した。また、ヒトトロンビンはランドブラ
ッド(Lundblad)らの方法〔ランドブラッド
(Lundblad)ら、バイオケミカル アンド バ
イオフィジカル リサーチ コミュニケーション(Bi
ochem.Biophys.Res.Commu
n.)66巻、482頁(1975年)〕で精製した。
【0076】参考例2 (1):(ヒト肺cDNAライブラリーの入手) ヒトの肺のポリ(A)+ RNAより調製したバクテリオ
ファージλgt11cDNAライブラリーは、米国、クロ
ーンテック社(Clontech Laborator
ies,Inc.、922 Industrial,A
ve.PaloAlto,CA94303)より購入し
た(カタログ番号HL1004)。
【0077】(2):(トロンビンによるプロテインC
活性化を促進する作用のあるグリコペプチドの精製) プロテインC活性化を促進する作用のあるグリコペプチ
ドは、以下のようにしてヒト肺より抽出して得た。公立
病院より提供されたヒト肺標本約800gを鋏で約1c
m四方程度の大きさに細切りした後、得られた組織片に
1mMのDFP(Diisopropyl fluor
ophosphate)を含む4℃に冷却した500m
lの生理食塩水を加え、ワーリングブレンダーとしてA
ce Homogenizer AM−1型(日本精器
会社製、日本)を用いて4℃で5分間、ホモジナイズし
た。ホモジナイズ後、混合物を氷中で5分間冷却した。
次に混合物を更に4℃で5分間、ホモジナイズし氷中で
5分間冷却した。上記のホモジナイズ及び冷却操作を更
に3回くり返した。得られたホモジェネートを12,0
00gで4℃において30分間遠心分離にかけて上澄液
とペレットに分け、ペレットを集める。これに0.5%
(v/v)トリトンX−100、0.25M庶糖、1m
Mベンズアミジン塩酸、0.5mM CaCl2 を含む
0.02Mトリス塩酸緩衝液(pH7.5)100ml
に懸濁し、ワーリングブレンダーを用いて4℃で5分
間、5回ホモジナイズして細胞抽出物を得た。
【0078】得られた抽出物を35,000g、10℃
で60分間遠心分離にかけて上澄液を集めた。エヌ エ
ル エスモン(N.L.Esmon)ら〔ザ ジャーナ
ルオブ バイオロジカル ケミストリー(J.Bio
l.Chem.)、257巻、859頁(1982
年)〕の方法に従って作成したDIP−トロンビン〔ジ
イソプロピルホスフォロトロンビン(diisopro
pylphosphoro−thrombin)を、ピ
ー クオトレカサス(P.Cuatrecasas)の
方法〔(ザ ジャーナル オブ バイオロジカル ケミ
ストリー(J.Biol.Chem.)、245巻、3
059頁(1970年)〕に従ってブロムシアン化した
アガロースに結合させて、DIP−トロンビン−アガロ
ースを作成した。
【0079】次に、DIP−トロンビン−アガロースを
2.5cmφ×10cmの大きさのカラムに充填してD
IP−トロンビン−アガロースカラムを作成し、室温で
0.1M NaCl、0.5mM CaCl2 、1mM
ベンズアミジン塩酸、0.5%(v/v)Lubrol
PX(半井科学薬品製、日本)を含む0.02Mトリ
ス塩酸緩衝液(pH7.5)でカラムを平衡化した。次
いで、上記の抽出上澄液をカラムに供した。カラムを
0.3M NaCl、0.5mM CaCl2 、1mM
ベンズアミジン塩酸、0.5%(v/v)Lubrol
PXを含む0.02Mトリス塩酸緩衝液(pH7.
5)で洗浄した後、1M NaCl、0.1mM ED
TA、1mMベンズアミジン塩酸0.5%(v/v)L
ubrolPXを含む0.02Mトリス塩酸緩衝液(p
H7.5)で溶出して2.0mlずつフラクシヨンを集
めた。溶出によって得られる各フラクションについて前
記の方法でトロンビンのプロテインCの活性化促進能を
測定した。同時に島津製作所(日本)製スペクトロフォ
トメーターUV−240を用いて各フラクションの波長
280nmにおける吸光度(A280 )を測定した。
【0080】プロテインC活性化能のある画分を回収
し、0.1M NaCl、0.5mMCaCl2 、0.
05%(v/v)Lubrol PXを含む0.02M
トリス塩酸緩衝液(pH7.5)で透析した。得られた
透析液を2回目のDIP−トロンビン−アガロースカラ
ムクロマトグラフィーに供した。即ち、透析液を1.5
cmφ×10cmの大きさのDIP−トロンビン−アガ
ロースカラムに供し、0.4M NaCl、0.5mM
CaCl2 、0.1%(v/v)LubrolPXを
含む0.02Mトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で洗浄
後、さらに0.4M NaCl、0.1mM EDT
A、0.1%(v/v)Lubrol PXを含む0.
02Mトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で洗浄し、次い
で1M NaCl、0.5mM EDTA、0.1%
(v/v)Lubrol PXを含む0.02Mトリス
塩酸緩衝液(pH7.5)で溶出した。
【0081】プロテインC活性化能のある画分を回収
し、さらに0.1M NaCl、0.05%(v/v)
Lubrol PXを含む0.02Mトリス塩酸緩衝液
(pH7.5)で透析した。得られた透析液を3回目の
DIP−トロンビン−アガロースカラムクロマトグラフ
ィーに供した。カラムの大きさ、洗浄条件および溶出条
件は2回目のDIP−トロンビン−アガロースカラムク
ロマトグラフィーの条件と全く同じ条件で行なった。な
お、溶出して得られるフラクションは2mlずつ集め
た。プロテインC活性化能のある画分を回収し、0.1
M NaCl、0.05%(v/v)Lubrol P
Xを含む0.02Mトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で
透析した後、0.9cmφ×8cmの大きさの4回目の
DIP−トロンビン−アガロースカラムクロマトグラフ
ィーに供した。0.35M NaCl、0.5mM C
aCl2 、0.1%(v/v)Lubrol PXを含
む0.02Mトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で洗浄
後、1M NaCl、0.5mMEDTA、0.1%
(v/v)Lubrol PXを含む0.02Mトリス
塩酸緩衝液(pH7.5)で溶出した。溶出して得られ
たフラクションは1.9mlずつ集めた。
【0082】この第4回目のDIP−トロンビン−アガ
ロースカラムクロマトグラフィーの溶出パターンを図1
に示す。フラクションナンバー48番目から56番目ま
でを回収した。このようにして精製されたフラクション
の吸光度から、得られた精製品の分子吸光係数を一般的
な蛋白質の分子吸光係数にならない10.0(E1% 1cm
・280nm=10.0)と規定してそれに基づき本精
製品の量を計算したところ約500μgであった。な
お、得られた精製画分をポリアクリルアミドゲル濃度5
〜10%のグラジェントを用いるSDS−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動を50Vの電圧で2時間行ない、銀
染色によってバンドを観察したところ単一バンドのみ確
認された。
【0083】また、この精製タンパク約10μgを20
0mMのNaClおよび0.1%(v/v)Lubro
l PXを含む50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.
5)で透析後、同じ緩衝液で平衡化したConAセファ
ロース(ファルマシア社製、カタログ番号17−044
0)のカラム(樹脂量約1ml)に供し、同じ緩衝液で
充分洗浄したところ、このタンパクはConAセファロ
ースに吸着して洗浄液中には溶出されなかった。次いで
0.5Mのメチル−α−D−マンノピラノシド(Met
hyl−α−D−mannopyranoside)
(米国Sigma社製、カタログ番号M−6882)を
含む以外は上記と同じ緩衝液を通したところ、このタン
パク質は溶出した。従って、このタンパク質は糖を含む
いわゆるグリコペプチドであることがわかった。
【0084】(3):(トロンビンのプロテインC活性
化を促進するグリコペプチドのアミノ酸配列分析) このグリコペプチドのアミノ酸配列は以下の様にして分
析した。精製したグリコペプチドを0.1%(v/v)
ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液で室温で16
時間透析してアミノ酸配列分析用試料とする。アプライ
ドバイオシステムズ社(米国)製アミノ酸シークエンシ
ングアナライザー(モデル470A)を用い、アール
エム ヘウイック(R.M.Hewick)らの方法
〔ザ ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリ
ー(J.Biol.Chem.)256巻、7990頁
(1981年)〕に準じて、N末端側より順次エドマン
分析を行なった。遊離してくるフェニルチオヒダントイ
ン アミノ酸を、スペクトロフイジクス社(米国)製高
速液体クロマトグラフィー用装置(SP8100)およ
び米国デュポン社製ゾルバックスODSカラムを用いて
分析を行ない、アミノ酸配列を決定した。その結果、ア
ミノ酸配列の一部が明らかになり、N末端より11個目
までは下記アミノ酸配列を有するものであることがわか
った。 Ala−Pro−Ala−Glu−Pro−Gln−P
ro−Gly−Gly−Ser−Gln
【0085】(4):(N末端アミノ酸配列をコードす
るDNAプローブの作成) トロンビンによるプロテインC活性化を促進するグリコ
ペプチドのN末端アミノ酸配列をコードするDNAプロ
ーブは、前述のN末端アミノ酸配列より、ヒト由来遺伝
子においてアミノ酸をコードする塩基配列の塩基の使用
頻度を考慮して〔ニュークリック アシド リサーチ
(Nucleic Acid Res.)、9巻、R4
3頁(1981年)〕、N末端からのアミノ酸配列をコ
ードする塩基配列として、5′CTGGG AGCCG
CCGGG CTGGG GCTCG GCGGGG
GC3′の33merを、また大塚ら〔イー オーツカ
エト アール(E.Ohtsuka,et al.)、
ザ ジャーナル オブバイオロジカル ケミストリー
(J.Biol.Chem.)第260巻、2605頁
(1985年)〕に従って、デオキシイノシン(“I”
で示す)をチミジル酸の代りに用いてN末端からのアミ
ノ酸配列をコードする塩基配列として、 (1)5′GCICC IGCIG AACCI CAGCC IGG3′ (2)5′GCICC IGCIG AGCCI CAACC IGG3′ (3)5′GCICC IGCIG AGCCI CAGCC IGG3′ (4)5′GCICC IGCIG AACCI CAACC IGG3′ の4種類の23merを米国アプライド バイオシステ
ムズ(AppliedBiosystems)社製の3
80A型DNA合成機で合成し、メーカーマニュアルに
従って精製し、実験書〔イー エフ マニアティスら
(Maniatis E.F.,et al)、モレキ
ュラークローニング(MolecularClonin
g)、122頁(1982年)〕の記載にしたがって、
4 DNAキナーゼ、およびγ−32P−ATPを用いて
ラベル化した。
【0086】(5):(トロンビンによるプロテインC
活性化を促進する作用のあるグリコペプチドの抗体) トロンビンのプロテインC活性化を促進する作用のある
グリコペプチドに対するウサギ抗体は、前述のようにし
て精製したトロンビンによるプロテインC活性化を促進
する作用のあるヒト肺由来のグリコペプチドを用いて、
成書〔エル ハドソンら(L.hudson et a
l.)、プラクティカル イムノロジー(Practi
cal Immunology)、9頁(1976
年)、ブラックウェル サイエンティフィック パブリ
ケーションズ(BlackwellScientifi
c Publications)〕に従って作製した。
【0087】この抗体がトロンビンによるプロテインC
活性化を促進する作用のあるヒト肺由来のグリコペプチ
ドと反応することを以下の様にして確認した。すなわ
ち、参考例2−(2)に記載の方法で得た精製タンパク
の約10ngをニトロセルロースのフィルターにスポッ
トする。よく風乾した後、この抗体を一次抗体としてニ
トロセルロースフィルター上のタンパクと反応させ、次
いでヤギで調製したビオチン化抗ウサギIgG(ザイメ
ット ラボラトリー社製、米国、カタログ番号62−1
840)を二次抗体として反応させた後、アビジン・ビ
オチン化した西洋ワサビ由来パーオキシダーゼ(アマシ
ャムジャパン社製、日本、カタログ番号RPN.105
1)を作用させる方法で発色させると黒褐色のスポット
を与えた。
【0088】(6):(ヒトさい帯内皮細胞の採集及び
培養) ヒトさい帯内皮細胞はディスパーゼII(合同酒精社
製、日本)を用いるマノらの方法〔ワイ マノら(Y.
Mano,et al.)、エクスペリンエンシア(E
xperientia)、第39巻、第1144頁(1
983年)〕に従って、私立病院より提供された新鮮な
ヒトさい帯から得た静脈より採集し培養した。
【0089】参考例3 (組換え体DNAの取得) (1):(ポリ(A)+ RNAの調製) ヒト内皮細胞よりチャーギンらの方法〔ジェイ エム
チャーギン(Chirgwin,J.M.et a
l.)、バイオケミストリー(Biochemistr
y)、第18巻、5294頁(1979年)〕に従って
ポリ(A)+ RNAを調製した。
【0090】(2):(ヒト肺cDNAライブラリーよ
りのスクリーニング) ヒト肺のポリ(A)+ RNAより調製したcDNAをバ
クテリオファージλgt11に組み込んだcDNAライ
ブラリー(クローンテック社製、米国)をそのマニュア
ルに従ってイー コリ(E.coli)Y1090(ク
ローンテック社製、米国)に感染させたものをLB培地
プレート上に15cm径プレート1枚当り約10万プラ
ーク程度になる様に移植した。42℃で3.5時間培養
後、あらかじめ10mMのIPTG(isopropy
l−β−D−thiogalactopyranosi
de)に浸してから乾燥させたニトロセルロースフィル
ター(BA85メンブランフィルター、シュライヒャー
アンド シェル社製、独国)をプレートの上に載せ、
37℃で3.5時間インキュベートして、ペプチドをI
PTGで誘導発現させてニトロセルロースフィルター上
にうつしとる。
【0091】このニトロセルロースフィルターに、マニ
ュアルに従って、ウサギで調製したトロンビンのプロテ
インC活性化を促進する作用を有する参考例2−(5)
で得られたグリコペプチドに対する抗体を一次抗体とし
て反応させ、次いでヤギで調製したビオチン化抗ウサギ
IgG(ザイメッド ラボラトリー社製、米国、カタロ
グ番号62−1840)を二次抗体として反応させた
後、アビジン・ビオチン化した西洋ワサビ由来パーオキ
シダーゼ(アマーシャム ジャパン社製、日本、カタロ
グ番号RPN.1051)で発色させて、陽性のクロー
ンを単離した。この陽性クローンの保有する組換え体c
DNA/λgt11に含まれるcDNA断片をTM13
と称した。
【0092】(3):(N末端アミノ酸配列をコードす
るDNAプローブとのハイブリダイゼーション) 参考例3−(2)で得られたDNA断片TM13が参考
例2−(4)で調製したN末端アミノ酸配列をコードす
るDNAプローブとハイブリダイズするか否かを実験書
〔シルハービイ(Silhavy)ら、エクスペリメン
ツ ウイズ ジーン フュージョンズ(Experim
ents With Gene Fusions)、1
91頁(1984年)、コールド スプリング ハーバ
ー ラボラトリー(Cold Spring Harb
or Laboratory)〕に従って実施した。D
NA断片TM13はいずれのN末端アミノ酸配列をコー
ドするDNAプローブともハイブリダイズしないことが
わかった。
【0093】(4):(TM13の塩基配列) 参考例3−(2)で得られるクローンが含有するDNA
断片TM13の塩基配列をサンガーらの方法(サンガー
エフ ら(Sanger,F,et al.)、プロ
シーディング オブ ナショナル アカデミー オブ
サイエンス ユーエスエー(Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA)、74巻、5463頁(197
7年)にしたがって決定した。結果を図2、図3に示
す。
【0094】(5):(DNA断片TM13をプローブ
としたヒト肺cDNAライブラリーのスクリーニング) DNA断片TM13を制限酵素KpnIおよびPvuII
で消化して約440塩基対のDNA断片を得、これをニ
ックトランスレーション法で32Pで標識した。このDN
A断片をプローブとしてヒト肺cDNAライブラリーよ
りプラークハイブリダイゼーションを行なって陽性のク
ローンをスクリーニングした。すなわち、常法に従って
クローンTM13のDNAをKpnIおよびPvuIIで
消化してポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離し、抽
出、精製して約440bpの精製断片約500ngを得
た。このDNAをアマーシャム ジャパン(日本)社製
のニックトランスレーション キット(カタログ番号
N.5000)を用い、それに添付のユーザー マニュ
アルに従ってα−32P−dCTPを用いて標識した。
【0095】この32Pで標識したDNA断片をプローブ
として実験書〔マニアティス(Maniatis)ら、
モレキユラー クローニング(Molecular C
loning)、320頁(1982年)、コールド
スプリング ハーバー ラボラトリー(Cold Sp
ring Harbor Laboratory)〕に
従ってヒト肺cDNAライブラリーのプラークハィブリ
ダイゼーションを行なった。陽性のクローンを単離し、
そのクローンが含有する組換え体を各種制限酵素で解析
したところ、得られた組換え体にはTM13よりも前記
ペプチドのN末端側の塩基配列をコードしていると思わ
れる約2,400bpのDNA断片が組み込まれている
ことがわかった。このDNA断片をTM137と称し
た。
【0096】(6):(DNA断片TM137の塩基配
列) 前記(5)で得られたDNA断片TM137の塩基配列
を参考例3−(4)に記載の方法と同様に決定した。結
果を図4〜図7に示す。この結果より、DNA断片TM
137は、参考例2−(3)に記載したN末端アミノ酸
配列をコードする塩基配列を含まないことがわかった。
【0097】(7):(プライマー エクステンショ
ン) 参考例3−(4)で得られたDNA断片の塩基配列のう
ち、DNA断片TM13のN末端側の配列を基に3種類
の合成DNAを参考例2−(4)に記載と同様にして作
成し、HTM131、HTM132、HTM133と命
名した。なお、合成DNAの設計に当っては、ヒトさい
帯内皮細胞より調製したmRNAとハイブリダイズする
側の塩基配列を利用した。各合成DNAの塩基配列は以
下のとおりであり、それらの合成DNAが対応するDN
A断片TM13での位置を図2に、またTM137での
位置を図4に示した。
【0098】 HTM131: 5′GACGCAGAGGTAGCTAGTTT 3′(20mer) HTM132: 5′AACATCTGGCACCTG 3′ (15mer) HTM133: 5′GACAGGCAGTCTGGTTGCAA 3′(20mer) 次に、このHTM133をプライマーとして参考例3−
(1)に記載した方法で得たヒトさい帯内皮細胞より調
製したポリ(A)+ RNAを用いて、いわゆるプライマ
ー エクステンション(Primer Extensi
on)法を行なって、DNA断片TM137のさらに
5′上流部分を合成した。
【0099】すなわち、約1μg/μlのポリ(A)+
RNA5μlに約27ng/μlのHTM133溶液2
0μlを加え、65℃で20分間加熱後、室温にまで約
1時間かけて冷却した。それ以降は、cDNA合成シス
テム(アマシャム ジャパン社製、日本、カタログ番号
RPN1256)を用いて、そのマニュアルに従ってc
DNAを合成した。但し、cDNA合成システムに入っ
ているオリゴ(dT)プライマーのかわりにHTM13
3を用いて実施した。
【0100】合成されたcDNAは実験書〔マニアティ
ス(Maniatis)ら、モレキュラー クローニン
グ(Molecular Cloning)、241頁
(1982年)、コールド スプリング ハーバー ラ
ボラトリー(Cold Spring Harbor
Laboratory)〕に従って両末端にCテールを
つけ、両末端にGテールをつけたpBR322(ATC
C 37017)と混合し、65℃、5分間加熱後57
℃、2時間加熱した後、ゆっくりと室温に戻した後大腸
菌K12MC1061(ベックマン シティ オブ ホ
ープ メディカルインスティテュート、米国より入手)
を形質転換した。詳しくは、大腸菌K12MC1061
株のコロニーをLB培地を用いて、550nmにおける
吸光度が0.3になるまで培養した。該培養物50ml
を集め、25mlの10mM RbClを含む10mM
3−(N−モルホリノ)プロパン−スルホン酸(MO
PS)(pH7.0)溶液で洗浄し、次いで50mM
CaCl2、10mM RbClを含む25mlの0.
1M MOPS(pH6.5)に再び懸濁した。
【0101】得られた懸濁液を30分間氷冷し、遠心
後、上澄を除去し、30μlのDMSOおよび50mM
CaCl2 と10mM RbClを含む2.0mlの
0.1M MOPS(pH6.5)の混合液中に懸濁さ
せた。懸濁液を200μlずつ分注し、前述のプラスミ
ドDNA溶液10μlをそれぞれに加えた。該混合液を
30分間氷冷した後、44℃で60秒ヒートショックを
与え、ただちに、あらかじめ37℃に温めておいた5m
lのLB培地を加えた。この溶液を37℃で1時間培養
した後、それぞれの溶液を遠心し、上澄を除去し、細胞
ペレットを得た。該細胞ペレットにLB培地を加え、撹
拌した後、懸濁液とした。該懸濁液を5μg/mlのテ
トラサイクリンを含むLB寒天プレートにまき37℃で
1夜培養を行なった。このようにして得られるcDNA
バンクより、参考例2−(4)に記載した方法に従って
5′末端を32Pで標識したHTM131及びHTM13
2をそれぞれプローブとして、コロニーハイブリダイゼ
ーションを参考例3−(3)と同様の方法で実施した。
【0102】コロニハイブリダイゼーションで約70,
000個の形質転換体をスクリーニングしてHTM13
1及びHTM132の両者のプローブと反応するコロニ
ーが6クローン得られた。この6クローンから、実験書
〔マニアティス(Maniatis)ら、モレキュラー
クローニング(Molecular Clonin
g)、366頁(1982年)、コールド スプリング
ハーバー ラボラトリー(Cold Spring
Harbor Laboratory)〕に従ってプラ
スミドDNA(これを“pTMP5”と称する)を調製
し、各種の制限酵素を用いて切断し、電気泳動で解析し
たところ、6クローンから得られたプラスミドDNAは
全て同一であり、約900bpの大きさのDNA断片と
ベクターからなることがわかった。このDNA断片をT
MP5と命名した。
【0103】(8):(DNA断片TMP5とN末端ア
ミノ酸配列をコードするDNAプローブとのハイブリダ
イゼーション) 参考例3−(3)に記載の方法と同様にして、DNA断
片TMP5がN末端アミノ酸配列をコードするDNAプ
ローブとハイブリダイズするか否かを調べた。DNA断
片TMP5はいずれのN末端DNAプローブともハイブ
リダイズしない、つまりN末端アミノ酸配列部分をコー
ドしていないことが分かった。
【0104】(9):(DNA断片TMP5の塩基配
列) 参考例3−(4)に記載の方法と同様にして、DNA断
片TMP5の塩基配列を決定した。結果を図8〜図9に
示す。
【0105】(10):(第2回目のプライマー エク
ステンション) 参考例3−(7)に記載の方法と同様にして、DNA断
片TMP5の塩基配列を基にしてHTM134、HTM
135、HTM136の3本の20merの合成DNA
を作成する。これらの合成DNAと対応するDNA断片
TMP5における位置を図8に示す。参考例3−(7)
に記載の方法と同様にしてプライマー エクステンショ
ンをHTM136をプライマーとし、HTM134、及
びHTM135をプローブとして実施した。約50,0
00個の形質転換体から、HTM134、及びHTM1
35とハイブリダイズする形質転換体が一種類得られ
た。この形質転換体が保有する組換え体に含まれている
DNA断片をTMP26と命名した。
【0106】(11):(DNA断片TMP26とN末
端アミノ酸配列をコードするDNAプローブとのハイブ
リダイゼーシヨン) 参考例3−(3)に記載の方法と同様にしてDNA断片
TMP26がN末端アミノ酸配列をコードするDNAプ
ローブとハイブリダイズするか否かを調べた。その結
果、DNA断片TMP26は参考例2−(4)で合成し
た33merのN末端アミノ酸配列をコードするDNA
プローブ及び4種の25merのプローブのミックスプ
ローブとハイブリダイズした。つまり、DNA断片TM
P26はN末端アミノ酸配列部分をコードしていること
が分かった。
【0107】(12):(DNA断片TMP26の塩基
配列) 参考例3−(4)に記載の方法と同様にして、DNA断
片TMP26の塩基配列を決定した。DNA断片TMP
26のカルボキシル末端からの約540塩基の塩基配列
を図10に示す。
【0108】(13):(DNA断片TMP26、TM
P5及びTMP137の接合) 参考例3−(1)〜(12)で得られ、塩基配列を決定
した4本のDNA断片(TM13、TM137、TMP
5及びTMP26)のその塩基配列における対応関係お
よび簡単な制限酵素地図を図11に示した。図11に示
すようにDNA断片TMP26に含まれるN末端アミノ
酸配列をコードする塩基配列の上流にある最初のATG
よりオープンリーディングフレームを組むとDNA断片
TMP26、TMP5を通過してTM137の途中まで
続く1,725bpからなることが分かった。この各D
NA断片にわたるオープンリーディングフレームをコー
ドするDNA断片を得るためにDNA断片TMP26、
TMP5及びTM137を次のようにして常法に従って
継ぎあわせた。
【0109】(13−1)(DNA断片TM137とT
MP5の継ぎあわせ) まず、λgt11のEcoRIサイトに挿入されている
DNA断片TM137を単離し、プラスミドpUC18
(ファルマシア社製、スウェーデン、カタログ番号27
−4949−01)のEcoRIサイトに挿入してプラ
スミドpUC18TM137を得た。次にプラスミドp
UC18TM137を制限酵素HincII、EcoRI
で消化して4%(v/v)ポリアクリルアミドゲル電気
泳動で分離し、電気泳動抽出装置(日本、アート社製、
MAX−YIELDR)を用いて約2,300bpのD
NA断片を回収し、エタノール沈殿を行なって精製し
た。
【0110】一方、参考例3−(7)で得られたTMP
5をプラスミドpBR322に組み込んだプラスミドp
TMP5をDdeIで完全に消化した後、切断末端を
E.coli DNAポリメラーゼ(Klenow P
olI断片)を用いて平滑末端にして約800bpのD
NA断片を回収し、このDNA断片をpUC18のSm
aIサイトに挿入してプラスミドpUC18TMP5を
得た。次にこのプラスミドpUC18TMP5を制限酵
素BamHIおよびHincIIで完全消化して約600
bpのBamHI−HincII断片を得た。以上の様に
してプラスミドpUC18TM137より調製した約
2,300bpのDNAの断片及びプラスミドpUC1
8TMP5より調製した約600bpのDNA断片プラ
スミドpUC18のBamHIおよびEcoRIで消化
して調製したベクターに挿入してプラスミドpUC18
TMJ1を得た。この工程を図12に示した。
【0111】(13−2)(DNA断片TMJ1とTM
P26の継ぎあわせ) プラスミドpUC18TMJ1を制限酵素DdeI、K
pnI及びBamHIで完全消化し、約950bp及び
約1,500bpの断片を回収した。一方、DNA断片
TMP26をプラスミドpUC13(ファルマシア社
製、スウェーデン、カタログ番号27−4954−0
1)の制限酵素PstIサイトに挿入してプラスミドp
UC13TMP26を得た。これをBbeIで完全消化
した後、切断末端をT4 DNAポリメラーゼを用いて平
滑末端にし、さらに制限酵素Bgl IIで完全消化して約
170bpのDNA断片を得た。さらに別に、プラスミ
ドpUC13TMP26をBgl II及びDdeIで完全
消化して約280bpのDNA断片を得た。
【0112】次に上記の約170bp、約280bp、
約950bpのDNA断片をT4 DNAリガーゼを用い
て継ぎあわせ、制限酵素KpnIで消化した後、50V
の電圧で4℃で2時間、1.3%低融点アガロースゲル
電気泳動にかけて精製単離し、約1,400bpのDN
A断片を得た。また別途、プラスミドpUC18をSp
hIで完全に消化した後、E.coli DNAポリメ
ラーゼで切断末端を平滑末端にした後、BamHIで完
全消化してベクターを調製した。このベクターに上述の
約1,400bp及び約1,500bpのDNA断片を
4 DNAリガーゼを用いて挿入して、プラスミドpU
C18TMJ2を得た。この工程を図13に示す。
【0113】参考例4 (ヒト染色体からの目的遺伝子のスクリーニング)ヒト
染色体ライブラリーからの目的遺伝子のスクリーニング
は以下のようにして実施した。λファージのベクターE
MBL−3に入ったヒト染色体ライブラリーは米国クロ
ーンテック社(Clontech Laboratri
es,Inc.922Industrial Ave.
Palo Alto,CA94303)より購入した
(カタログ番号HL1006)。このライブラリーより
参考例3−(2)で得られたDNA断片TM13をプロ
ーブとして用いて参考例3−(5)と同様の方法でスク
リーニングを行なったところ、約2万bpインサートを
含有する染色体クローンが1種類得られた。この染色体
クローンを制限酵素BamHIで完全消化して1.0%
アガロースゲル電気泳動を行ない、実験書〔マニアティ
ス(Maniatis)ら、モレキュラー クローニン
グ(Molecular Cloning)、382頁
(1982年)、コールド スプリング ハーバーラボ
ラトリー(Cold Spring Harbor L
aboratory)〕に従ってサザン ブロット ハ
イブリダイゼーションを同じプーロブを用いて実施し
た。
【0114】その結果、約4,000bpのDNA断片
に強い陽性のバンドを得たのでその断片を常法に従って
単離し、プラスミドpUC18のBamHIサイトにサ
ブクローニングした。この約4,000bpのDNAの
塩基配列を決定したところ、参考例3−(13−2)で
作製したプラスミドpUC18TMJ2に挿入されてい
るDNA断片の塩基配列と完全に一致することが分かっ
た。
【0115】実施例1 (プラスミドpSV2TMJ2、pSV2TMD1、p
SV2TMD2、pSV2TMD4及び、pSV2TM
D5の作製) (1)プラスミドpSV2TMJ2の構築 プラスミドpSV2−dhfr(ATCC 3714
6)をHindIII 及びBgl IIで完全消化してSV4
0の初期転写プロモーター及びSV40の転写ターミネ
ータを有するベクターを得た。次に参考例2−(13−
2)で作成したプラスミドpUC18TMJ2をHin
dIII で部分消化した後BamHIで完全消化して約
2,900bpのDNA断片を単離した。このDNA断
片をTMJ2と称した。この2,900bpのDNA断
片と上記の如く調製したベクターとをT4 DNAリガー
ゼを用いて継ぎ合わせ、プラスミドpSV2TMJ2を
得た。プラスミドpSV2TMJ2を構築する工程を図
14に示す。得られたプラスミドpSV2TMJ2につ
いてはブダペスト条約の規定に基き、アメリカン タイ
プ カルチャー コレクション(ATCC)に寄託番号
第67283号として寄託されている。
【0116】(2)プラスミドpSV2TMD1の構築 (a)DNA断片TMD1の作製 前記工程(1)で得られたプラスミドpSV2TMJ2
をNcoIで完全消化した後、切断末端をE.coli
DNAポリメラーゼを用いて平滑末端にした。次いでH
indIII で完全消化して約1,900bpのDNA断
片を得た。得られたDNA断片をTMJ3と称した。一
方、ファージM−13mp19(宝酒造社製、日本、カ
タログ番号3119)をHindIII 及びHincIIで
消化してベクターを調製した。このベクターにDNA断
片TMD3を挿入して組換え体プラスミドM−13mp
19TMJ3を得た。また別途、下記の塩基配列を有す
る削除用DNAプローブ〔以下“ディリーター(del
eter)”と称する〕を有機合成した:5′−GGA
GGCCGCTCAGCCCGAATGCACG−3′
(25 mer)。合成ディリーターをTMDと称した。
【0117】このようにして作成したディリーターTM
Dを用い、メソッド イン エンザイモロジー(Met
hod in Enzymology)、第100巻、
468頁(1983年)、アカデミック プレス(Ac
ademic Press)に記載の方法に従って部位
特異的変異の手法で前記の如く得られた組換え体プラス
ミドM−13mp19TMJ13の177塩基からなる
部分の削除を行った。即ち、25pmolのディリータ
ーTMDおよび10pmolのM13プライマーM3
(ユニバーサルプライマー、宝酒造社製、カタログ番号
3831)の5′末端をT4 キナーゼを用いてリン酸化
した後、0.5pmolの組換え体プラスミドM13m
p19TMJ3のシングルストランドDNAを加え、9
5℃で5分間加熱後、室温にまで冷却した。
【0118】次いで、5単位のE.coli DNAポ
リメラーゼ1(Klenow Fragment)、及
び10単位のT4 DNAリガーゼを混合物に加えて37
℃で30分間インキュベートして混合物中に組換え体プ
ラスミドを生成させた。得られた混合物をイー コリ
(E.coli)JM105(ファルマシア社製、スウ
ェーデン、カタログ番号27−1550)に加えた。そ
れによって、このイーコリを組換え体プラスミドでトラ
ンスフェクションした。37℃で一夜培養して生じた寒
天培地上のプラークをニトロセルロースフィルターに移
しとり、80℃で2時間加熱後、プレハイブリダイゼー
ションを行った。プレハイブリダイゼーションは6×S
ET〔0.9M NaCl、180mMトリス緩衝液
(pH8.0)、6mM EDTA〕、5×Denha
rts’〔0.1%(w/v)フィコール(Ficol
l)、0.1%(w/v)ポリビニルピロリドン、0.
1%(w/v)、ウシ血清アルブミン(BSA)〕、
0.1%SDS,100μg/ml変性サケ精子DNA
を含む溶液中で55℃、2時間加温することにより実施
した。
【0119】次いで上記の溶液中の変性サケ精子DNA
のかわりに32PでラベルしたTMDを加えた溶液を用い
てハイブリダイゼーション反応を55℃、2時間実施し
た。次に6×SSC(0.9M食塩、0.09Mクエン
酸三ナトリウムの水溶液)を用いてニトロセルロースフ
ィルターを洗浄した。洗浄は室温で、5分間、2回洗っ
た後、55℃、65℃、75℃、と段階的に温度を上げ
ていって、それぞれ5分間2回ずつ洗った。X線フィル
ムXAR−5(イーストマン コダック社製、米国)を
得られたニトロセルロースフィルターに密着させて−8
0℃、一夜露出させたところ、X線フイルム上に強く露
光した黒いスポットが数10個検出された。
【0120】各スポットは組換え体プラスミドで感染し
たクローンに対応するものである。そのうち、6クロー
ンを選択し、各クローンの組換え体プラスミドを単離し
て制限酵素解析、及び塩基配列の解析を行ったところ、
これらのクローンの保有する組換え体プラスミドは、制
限部位と塩基配列がそれぞれ同一であることがわかっ
た。得られた組換え体プラスミドをM13−TMD1と
称した。さらにこの組換え体プラスミドM13−TMD
1は、開始コドン(ATG)と、その下流に498個の
アミノ酸からなる本発明のペプチドをコードする塩基配
列を含む塩基配列を含有するDNA断片を有することが
わかった。この組換え体プラスミドM13−TMD1に
含まれるDNA断片をTMD1と称した。図15に組換
え体プラスミドM−13mp19TMJ3とディリータ
−TMDとがハイブリダイズし、DNA断片TMJ3に
対応するDNA領域の一部が削除されるところを示す。
【0121】(b)プラスミドpSV2TMD1の構築 実施例1−(2)−(a)で作製した組換え体プラスミ
ドM13−TMD1をHindIII およびBamHIで
完全消化してTMD1の約1,900bp DNA断片
を単離した。一方、プラスミドpSV2−dhfr(A
TCC 37146)をHindIII 及びBgl IIで完
全消化してベクターを得た。このベクターとDNA断片
TMD1とをT4 DNAリガーゼを用いて継ぎあわせ、
プラスミドpSV2TMD1を得た。
【0122】(3)プラスミドpSV2TMD2の構築 (a)DNA断片TMD2の作製 下記の塩基配列:5′−CTCCACGCTGCAGG
GGAACCCCAGG−3′(25mer)を有する
ディリーターTMd2 をディリーターTMDの代わりに
削除用DNAプローブとして用いる以外は実施例1−
(2)−(a)と実質的に同様の方法を繰り返して、T
MD2と称するDNA断片を含む組換え体プラスミドM
13−TMD2を得た。DNA断片TMD2は、実施例
1−(2)−(a)で得られたDNA断片TMD1の
5′末端から678bpのDNAが削除された構造を有
する。このDNA断片TMD2は開始コドン(ATG)
と、その下流に272個のアミノ酸からなる本発明のペ
プチドをコードする塩基配列を含む塩基配列を有してい
た。図16に組換え体プラスミドM13−TMD1とデ
ィリーターTMd2とがハイブリダイズし、DNA断片
TMD1に対応するDNA領域の一部が削除されるとこ
ろを示す。
【0123】(b)プラスミドpSV2TMD2の構築 実施例1−(3)−(a)で作製した組換え体プラスミ
ドM13−TMD2をHindIII およびBamHIで
完全消化してTMD2の約1,200bpDNA断片を
単離した。一方、プラスミドpSV2−dhfr(AT
CC 37146)をHindIII 及びBgl IIで完全
消化してベクターを得た。このベクターとDNA断片T
MD2とをT4 DNAリガーゼを用いて継ぎあわせ、プ
ラスミドpSV2TMD2を得た。
【0124】(4)プラスミドpSV2TMD4の作製 (a)DNA断片TMD3の作製 前記工程(1)で得られたプラスミドpSV2TMJ2
をNcoIで完全消化した後、切断末端をE.coli
DNAポリメラーゼを用いて平滑末端にした。次いでH
indIII で完全消化して約1,900bpのDNA断
片を得た。得られたDNA断片をTMJ3と称した。一
方、ファージM−13mp19(宝酒造社製、日本、カ
タログ番号3119)のHindIII 及びHincIIで
消化してベクターを調製した。このベクターにDNA断
片TMJ3を挿入して組換え体プラスミドM−13mp
19TMJ3を得た。また別途、下記の塩基配列を有す
るディリーターを有機合成した:5′−GGAGGCC
GCTCAACAGTCGGTGCCA−3′(25 me
r)。合成ディリーターをTMd3と称した。
【0125】このようにして作製したディリーターTM
3 を用い、メソッド イン エンザイモロジー(Me
thod in Enzymology)、第100
巻、468頁(1983年)、アカデミック プレス
(Academic Press)に記載の方法に従っ
て部位特異的変異の手法で前記の如く得られた組換え体
プラスミドM−13mp19TMJ3の285bpから
なる部分の削除を行った。即ち、25pmolのディリ
ーターTMd3 及び10pmolのM13プライマーM
3(ユニバーサルプライマー、宝酒造社製、カタログ番
号3831)の5′末端をT4 キナーゼを用いてリン酸
化した後、0.5pmolの組換えプラスミドM13m
p19TMJ3のシングルストランドDNAを加え、9
5℃で5分間加熱後、室温にまで冷却した。
【0126】次いで5単位のE.coliDNAポリメ
ラーゼ1(Klenow Fragment)、及び1
0単位のT4 DNAリガーゼを混合物に加えて37℃で
30分間インキュベートして混合物中に組換え体プラス
ミドを生成させた。得られた混合物をイー コリ(E.
coli)JM105(ファルマシア社製、スウェーデ
ン、カタログ番号27−1550)に加えた。それによ
りイー コリを組換え体プラスミドでトランスフェクシ
ョンした。37℃で一夜培養して生じた寒天培地上のプ
ラークをニトロセルロースフィルターに移しとり、80
℃で2時間加熱後、プレハイブリダイゼーションを行っ
た。プレハイブリダイゼーションは、6×SET〔0.
9M NaCl、180mMトリス緩衝液(pH8.
0)、6mM EDTA〕、5×Denharts’
〔0.1%(w/v)フィコール(Ficoll)、
0.1%(w/v)ポリビニルピロリドン、0.1%
(w/v)ウシ血清アルブミン(BSA)〕、0.1%
SDS,100μg/ml変性サケ精子DNAを含む溶
液中で55℃、2時間加温することにより実施した。
【0127】次に上記の溶液中の変性サケ精子DNAの
かわりに32PでラベルしたTMd3を加えた溶液を用い
てハイブリダイゼーション反応を55℃、2時間実施し
た。次いで6×SSC(0.9M食塩、0.09Mクエ
ン酸三ナトリウムの水溶液)を用いてニトロセルロース
フィルターを洗浄した。洗浄は室温で、5分間、2回洗
った後、55℃、65℃、75℃、と段階的に温度を上
げていって、それぞれ5分間2回ずつ洗った。X線フィ
ルムXAR−5(イーストマン コダック社製、米国)
を得られたニトロセルロースフィルターに密着させて−
80℃、一夜露出させたところ、X線フィルム上に強く
露光した黒いスポットが数10個検出された。各スポッ
トは組換え体プラスミドで感染したクローンに対応する
ものである。そのうち、6クローンを選択し、各クロー
ンの組換え体プラスミドを単離して制御酵素解析、及び
塩基配列の解析を行ったところ、これらのクローンの保
有する組換え体プラスミドは制限部位と塩基配列がそれ
ぞれ同一であることがわかった。
【0128】得られた組換え体プラスミドをM13−T
MD3と称した。更にこの組換え体プラスミドM13−
TMD3は、開始コドン(ATG)と、その下流に46
2個のアミノ酸からなるペプチドをコードする塩基配列
(配列番号15の1−1386の塩基配列)を含有する
DNA断片を有することがわかった。この組換え体プラ
スミドM13−TMD3に含まれるDNA断片をTMD
3と称した。図17に組換え体プラスミドM−13mp
19TMJ3とディリーターTMd3 とがハイブリダイ
ズし、DNA断片TMJ3に対応するDNA領域の一部
が削除されるところを示す。
【0129】(b)DNA断片TMD4の作製 部位特異的変異の手法を用いて、ディリーターTMd3
の代わりに実施例1−(3)−(a)で得られたディリ
ーターTMd2 を用いる以外は実施例1−(4)−
(a)と実質的に同様の方法で、上述の如く得られた組
換え体プラスミドM13−TMD3の一部を削除して、
TMD4と称するDNA断片を含む組換え体プラスミド
M13−TMD4を得た。DNA断片TMD4は実施例
1−(4)−(a)で得られたDNA断片TMD3の
5′末端から678bpのDNAが削除された構造を有
する。このDNA断片TMD4は開始コドン(ATG)
と、その下流に236個のアミノ酸からなる本発明のペ
プチドをコードする塩基配列を含む塩基配列を有してい
た。図18に組換え体プラスミドM13−TMD3とデ
ィリーターTMd2 とがハイブリダイスし、DNA断片
TMD3に対応するDNA領域の一部が削除されるとこ
ろを示す。
【0130】(c)プラスミドpSV2TMD4の構築 実施例1−(4)−(b)で作製した組換え体プラスミ
ドM13−TMD4をHindIII 及びBamHIで完
全消化してTMD4の約1,100bpDNA断片を単
離した。一方、プラスミドpSV2−dhfr(ATC
C 37146)をHindIII 及びBgl IIで完全消
化してベクターを得た。このベクターとDNA断片TM
D4とをT4 DNAリガーゼを用いて継ぎあわせ、プラ
スミドpSV2TMD4を得た。
【0131】(5)プラスミドpSV2TMD5の構築 (a)DNA断片TMD5の作製 下記の塩基配列:5′−CACGGGCTCCACGG
GGAACCCCAGG−3′(25mer)を有する
ディリーターTMd4 をディリーターTMd2 の代わり
に削除用DNAプローブとして用いる以外は実施例1−
(4)−(b)と実質的に同様の方法を繰り返して、T
MD5と称するDNA断片を含む組換え体プラスミドM
13−TMD5を得た。DNA断片TMD5を実施例1
−(4)−(a)で得られたDNA断片TMD3の5′
末端から1,032bpのDNAが削除された構造を有
する。このDNA断片TMD5は開始コドン(ATG)
と、その下流に118個のアミノ酸からなる本発明のペ
プチドをコードする塩基配列を含む塩基配列を有してい
た。図19に組換え体プラスミドM13−TMD3とデ
ィリーターTMd4 とがハイブリダイズし、DNA断片
TMD3に対応するDNA領域の一部が削除されるとこ
ろを示す。
【0132】(b)プラスミドpSV2TMD5の構築 実施例1−(5)−(a)で作製した組換え体プラスミ
ドM13−TMD5をHindIII 及びBamHIで完
全消化してTMD5の約740bp DNA断片を単離
した。一方、プラスミドpSV2−dhfr(ATCC
37146)をHindIII 及びBgl IIで完全消化
してベクターを得た。このベクターとDNA断片TMD
5とをT4 DNAリガーゼを用いて継ぎあわせ、プラス
ミドpSV2TMD5を得た。
【0133】実施例2 (プラスミドpSV2TMD5によるCOS−1細胞の
形質転換)COS−1細胞(ATCC CRL165
0)を培養器中に入れた10%(v/v)のウシ胎児血
清(以下“FCS”と略する)を加えたダルベッコの最
小必須培地(以下“MEM”と略する)〔米国、フロー
ラボラトリ(Flow Laboratories)
社製、カタログ番号10−331)〕を用いて、37℃
で5%炭酸ガスインキュベーター中で対数増殖期になる
まで培養し、0.1%トリプシン及び0.02%EDT
Aを用いて培養器に付着増殖した細胞を培養器よりはが
して、ハンクス平衡塩類溶液〔米国、フロー ラボラト
リー(FlowLaboratories)社製、カタ
ログ番号17−101−22〕に約1×107 個/ml
の濃度になるように懸濁した。
【0134】実施例1−(5)で得られたプラスミドp
SV2TMD5を約2μg/μlになるように1mMト
リス塩酸緩衝液(pH8.0)に懸濁した。約10μg
のプラスミドpSV2TMD5を含む得られたプラスミ
ド懸濁液5μlを1.5ml容量のエッペンドルフ型試
験管に入れ、次いでこの試験管に上述の如く得られたC
OS−1細胞の細胞懸濁液200μlを入れて、0℃で
10分間放置した。試験管内の懸濁液を米国D.E.
P.SYSTEM社製細胞融合装置FPH1001型の
キュベットに移し、1.2kVで40μ秒の条件で2回
電気パルスを与えた。その後懸濁液を再び元のエッペン
ドルフ型試験管に移し、0℃で5分間放置した後、10
%(v/v)FCSを加えたダルベッコのMEM10m
lを以下のように用いて直径10cmの組織培養用プレ
ートに移した。即ち、少量の10%(v/v)FCSを
含むダルベッコのMEMを懸濁液に加えて、その混合物
を組織培養用プレートに移した。次いで試験管を残りの
ダルベッコのMEMで数回洗浄して洗浄液を同じプレー
トに加えた。その後、プレートは5%CO2 存在下37
℃で24時間培養した。
【0135】(トロンビンによるプロテインC活性化を
促進する作用の確認)培養終了後、プレートの培地をF
CSを含まないダルベッコのMEMに交換し、48時間
培養した。培養上澄液を5μl採取し、これを試料とし
て参考例1に記載した方法で、プロテインC活性化の促
進作用を測定した。更に、直径10cmの組織培養用プ
レート1枚分の細胞を米国コースター(Coaste
r)社製セルスクレイパー(Cell Scrape
r)(カタログ番号3010)を用いて掻き取って集
め、800rpm、10分間の条件で遠心分離して集め
る。このペレットを試料として用いて参考例1に記載し
た方法でプロテインCの活性化を促進する作用を測定し
た。またコントロールとしてはプラスミドpSV2−d
hfrでトランスフォームしたCOS−1細胞の培養上
澄液及び細胞ペレットを試料として用いた。結果を表1
に示す。表中に示す吸光度の数値は試料の吸光度を組織
培養用プレート1枚分に換算したものである。
【0136】
【表1】
【0137】実施例3 (プラスミドpSV2TMD4によるCOS−1細胞の
形質転換および形質転換細胞の産生するペプチドのトロ
ンビンによるプロテインC活性化の促進作用の測定)プ
ラスミドpSV2TMD4を用いる以外は実施例2と同
様の操作を行い、プラスミドpSV2TMD4によって
形質転換された細胞の産生するペプチドのトロンビンに
よるプロテインC活性化の促進作用を測定した。その結
果を表2に示す。表中に示す吸光度の数値は試料の吸光
度を組織培養用プレート1枚分に換算したものである。
【0138】
【表2】
【0139】実施例4 (プラスミドpSV2TMD2によるCOS−1細胞の
形質転換および形質転換細胞の産生するペプチドのトロ
ンビンによるプロテインC活性化の促進作用の測定)プ
ラスミドpSV2TMD2を用いる以外は実施例2と同
様の操作を行い、プラスミドpSV2TMD2によって
形質転換された細胞の産生するペプチドのトロンビンに
よるプロテインC活性化の促進作用を測定した。その結
果を表3に示す。表中に示す吸光度の数値は試料の吸光
度を組織培養用プレート1枚分に換算したものである。
【0140】
【表3】
【0141】実施例5 (プラスミドpSV2TMD1によるCOS−1細胞の
形質転換および形質転換細胞の産生するペプチドのトロ
ンビンによるプロテインC活性化の促進作用の測定)プ
ラスミドpSV2TMD1を用いる以外は実施例2と同
様の操作を行い、プラスミドpSV2TMD1によって
形質転換された細胞の産生するペプチドのトロンビンに
よるプロテインC活性化の促進作用を測定した。その結
果を表4に示す。表中に示す吸光度の数値は試料の吸光
度を組織培養用プレート1枚分に換算したものである。
【0142】
【表4】
【0143】実施例6 (プラスミドpSV2TMJ2によるCOS−1細胞の
形質転換および形質転換細胞の産生するペプチドのトロ
ンビンによるプロテインC活性化の促進作用の測定)プ
ラスミドpSV2TMJ2を用いる以外は実施例2と同
様の操作を行い、プラスミドpSV2TMJ2によって
形質転換された細胞の産生するペプチドのトロンビンに
よるプロテインC活性化の促進作用を測定した。その結
果、細胞ペレットの試料が強いプロテインC活性化促進
作用を示し、生成したプロテインCの量は約300ng
であった。一方、コントロールとして用いたプラスミド
pSV2−dhfrでトランスフォームした細胞ではこ
の活性は検出されなかった。
【0144】実施例7 (プラスミドpSV2TMD5によるCHO細胞の形質
転換と形質転換細胞における発現)約4μgのプラスミ
ドpSV−2−neo(ATCC 37150)、及び
約20μgの実施例1−(5)で作成したプラスミドp
SV2TMD5を混合してエタノール沈殿した。沈殿物
を風乾後、450μlのTE(pH7.9、1mMトリ
ス塩酸緩衝液、0.1mM EDTA)に溶解し、50
0μlの2×HBS(50mM HEPES、280m
M NaCl、1.5mM Na2 HPO4、pH7.
12)を加えた。次いで50μlの2.5M CaCl
2 を滴下し室温に10分間放置した。
【0145】一方、10%(v/v)FCS及び1v/
v%ペニシリン−ストレプトマイシン(米国、フロー
ラボラトリー社製、カタログ番号16−700−49)
を含有するHam’sF−12培地(米国、フロー ラ
ボラトリー社製、カタログ番号10−421−20)を
用いて直径6cmの組織培養用プレートにプレート1枚
当たり細胞数約5×102 程度播種したCHO−KI株
(ATCC CCLD61)を1夜培養し、培地を新鮮
な培地に交換し、更に3時間培養した。このCHO−K
Iに前述のCaCl2 を滴下したプラスミドDNA溶液
を重層し、37℃で約8時間培養した。5mlのPBS
(−)(米国、フロー ラボラトリー社製、カタログ番
号28−103−05)を用いて2回洗浄し、さらに、
5mlの前述の培地で洗浄後、新鮮な培地を加えて約1
6時間さらに培養した。
【0146】プレートに付着した細胞を0.25%トリ
プシン、0.02%EDTA溶液を用いてはがし、直径
10cmの組織培養プレート4枚に広げて培養した。2
4時間後、培地を選択培地に交換した。選択培地の組成
は前述の培地に400μg/mlになる様にジェネティ
シンC−418(米国GIBCO社製、カタログ番号8
60−1811)を添加したものである。3〜4日おき
に培地交換を行いながら約2週間培養して、トランスフ
ォームした細胞をクローニングした。
【0147】この操作で得られた細胞のクローンをそれ
ぞれ直径10cmの組織培養プレートでコンフルエント
になるまで生育させた。途中、培地のFCS濃度を10
%から1%に減らした培地に切り換えて培養した。この
FCS含有選択培地で培養した培養液50μlをとり、
これを用いて参考例1に記載した方法でプロテインC活
性化を促進する作用を測定したところ、強いプロテイン
C活性化促進作用が認められた。一方、コントロールと
して用いたプラスミドpSV2−neoだけでトランス
フォームした細胞では、本活性は検出されなかった。
【0148】実施例8 (プラスミドpSV2TMD4によるCHO細胞の形質
転換及び形質転換細胞の産生するペプチドのトロンビン
によるプロテインC活性化の促進作用の測定)プラスミ
ドpSV2TMD4を用いる以外は実施例7と同様の操
作を行い、プラスミドpSV2TMD4によって形質転
換された細胞の産生するペプチドのトロンビンによるプ
ロテインC活性化の促進作用を測定したところ強いプロ
テインC活性化促進作用が認められた。一方、コントロ
ールとして用いたプラスミドpSV2−neoだけでト
ランスフォームした細胞では、本活性は検出されなかっ
た。
【0149】実施例9 (プラスミドpSV2TMD2によるCHO細胞の形質
転換及び形質転換細胞の産生するペプチドのトロンビン
によるプロテインC活性化の促進作用の測定)プラスミ
ドpSV2TMD2を用いる以外は実施例7と同様の操
作を行い、プラスミドpSV2TMD2によって形質転
換された細胞の産生するペプチドのトロンビンによるプ
ロテインC活性化の促進作用を測定したところ強いプロ
テインC活性化促進作用が認められた。一方、コントロ
ールとして用いたプラスミドpSV2−neoだけでト
ランスフォームした細胞では、本活性は検出されなかっ
た。
【0150】実施例10 (プラスミドpSV2TMD1によるCHO細胞の形質
転換及び形質転換細胞の産生するペプチドのトロンビン
によるプロテインC活性化の促進作用の測定)プラスミ
ドpSV2TMD1を用いる以外は実施例7と同様の操
作を行い、プラスミドpSV2TMD1によって形質転
換された細胞の産生するペプチドのトロンビンによるプ
ロテインC活性化の促進作用を測定したところ強いプロ
テインC活性化促進作用が認められた。一方、コントロ
ールとして用いたプラスミドpSV2−neoだけでト
ランスフォームした細胞では、本活性は検出されなかっ
た。
【0151】実施例11 (プラスミドpSV2TMJ2によるCHO細胞の形質
転換及び形質転換細胞の産生するペプチドのトロンビン
によるプロテインC活性化の促進作用の測定)約4μg
のプラスミドpSV−2−neo(ATCC 3715
0)、及び約20μgの実施例1で作成したプラスミド
pSV2TMJ2を混合してエタノール沈殿した。沈殿
物を風乾後、450μlのTE(pH7.9、1mMト
リス塩酸緩衝液、0.1mM EDTA)に溶解し、5
00μlの2×HBS(50mM HEPES、280
mM NaCl、1.5mM Na2HPO4、pH
7.12)を加えた。次いで50μlの2.5M Ca
Cl2 を滴下し室温に10分間放置した。
【0152】一方、10%(v/v)FCS及び1v/
v%ペニシリン−ストレプトマイシン(米国、フロー
ラボラトリー社製、カタログ番号16−700−49)
を含有するHam’sF−12培地(米国、フロー ラ
ボラトリー社製、カタログ番号10−421−20)を
用いて直径6cmの組織培養用プレートにプレート1枚
当たり細胞数約5×102 程度播種したCHO−KI株
(ATCC CCLD61)を1夜培養し、培地を新鮮
な培地に交換し、更に3時間培養した。このCHO−K
Iに前述のCaCl2 を滴下したプラスミドDNA溶液
を重層し、37℃で約8時間培養した。5mlのPBS
(−)(米国、フロー ラボラトリー社製、カタログ番
号28−103−05)を用いて2回洗浄し、さらに、
5mlの前述の培地で洗浄後、新鮮な培地を加えて約1
6時間さらに培養した。
【0153】プレートに付着した細胞を0.25%トリ
プシン、0.02%EDTA溶液を用いてはがし、直径
10cmの組織培養プレート4枚に広げて培養した。2
4時間後、培地を選択培地に交換した。選択培地の組成
は前述の培地に400μg/mlになる様にジェネティ
シンC−418(米国GIBCO社製、カタログ番号8
60−1811)を添加したものである。3〜4日おき
に培地交換を行いながら約2週間培養して、トランスフ
ォームした細胞をクローニングした。この操作で得られ
た細胞のクローンをそれぞれ直径10cmの組織培養プ
レートでコンフルエントになるまで生育させた。途中、
培地のFCS濃度を10%から1%に減らした培地に切
り換えて培養した。
【0154】プラスミドpSV2TMJ2によって形質
転換された細胞の産生するペプチドのトロンビンによる
プロテインC活性化の促進作用を細胞ペレットを試料と
して用いて測定したところ強いプロテインC活性化促進
作用が認められた。一方、コントロールとして用いたプ
ラスミドpSV2−neoだけで形質転換した細胞及び
その培養上澄液では、本活性は検出されなかった。
【0155】実施例12 (プラスミドpSV2TMD5によるC127I細胞の形
質転換および形質転換細胞の産生するペプチドのトロン
ビンによるプロテインC活性化の促進作用の測定) 実施例1−(5)で作成したプラスミドpSV2TMD
5をHindIII で完全消化した後、切断末端をDNA
ポリメラーゼを用いて平滑末端にし、T4 DNAリガー
ゼを作用させ、プラスミドpSV2TMD5のHind
III サイトを欠失したプラスミドpSV2TMD5−1
を得た。次いでこのプラスミドpSV2TMD5−1を
PvuII及びBamHIで完全消化して約1,700b
pのDNA断片を得た。これをプラスミドpUC18の
HincII及びBamHIで完全消化したベクターに挿
入してプラスミドpUCTMD5−1を得た。
【0156】一方、プラスミドpBR322(ATCC
37017)からコバスルビアスらの方法〔エル コ
バスルビアス(L.Covasrubias et a
l)、ジーン(Gene)、13、25、(1981
年)に従ってプラスミドpBR327を作製した。得ら
れたプラスミドpBR327をBamHI及びHind
III で消化して得た約2960bpのDNA断片に、プ
ラスミドpUCTMD5−1をBamHI及びHind
III で完全消化して得た約2600bpのDNA断片を
挿入してプラスミドpBRTMD5−1を得た。このプ
ラスミドpBRTMD5−1をHindIII で完全消化
したものとプラスミドpBPV−1(9−1)(ATC
C 37111)をHindIII で完全消化して得た断
片とをT4DNAリガーゼを用いて継いで、C127 細胞
発現用のプラスミドpdBPVTMD5−1を得た。以
上の工程を図20〜図21に示す。
【0157】次に、実施例7に記載の方法に準じてpd
BPVTMD5−1でC127 I細胞(ATCC CRL
1616)をトランスフォームした。10%FCS及び
1v/v%ペニシリン−ストレプトマイシン(米国、フ
ロー ラボラトリー社製、カタログ番号16−700−
49)を含むダルベッコのMEMで約3週間培養したと
ころ、フォーカスを形成する細胞が6個得られたのでそ
れぞれの細胞をクローニングして、それぞれ直径10c
mの組織培養用プレートでコンフルエントになるまで生
育させた。その後、培地をFCSを含まない培地に置換
して培養した。この培地で1日培養した培養液50μl
をとり、これを用いて参考例1に記載した方法でプロテ
インC活性化の促進作用を測定したところ強い活性が認
められた。一方、コントロールとして用いたプラスミド
pBV−1(9−1)だけでトランスフォームした細胞
では、本活性は検出されなかった。
【0158】実施例13 (プラスミドpSV2TMD4によるC127I細胞の形
質転換および形質転換細胞の産生するペプチドのトロン
ビンによるプロテインC活性化の促進作用の測定) 実施例1−(4)で作成したプラスミドpSV2TMD
4をHindIII で完全消化した後、切断末端をDNA
ポリメラーゼを用いて平滑末端にし、T4 DNAリガー
ゼを作用させ、プラスミドpSV2TMD4のHind
III サイトを欠失したプラスミドpSV2TMD4−1
を得た。次いでこのプラスミドpSV2TMD4−1を
PvuII及びBamHIで完全消化して約2100bp
の断片を得た。これをプラスミドpUC18のHinc
II及びBamHIで完全消化したベクターに挿入してプ
ラスミドpUCTMD4−1を得た。
【0159】一方、プラスミドpBR322(ATCC
37017)からコバスルビアスらの方法〔エル コ
バスルビアスら(L.Covasrubias et
al)、ジーン(Gene)、13、25、(1981
年)に従ってプラスミドpBR327を作製した。得ら
れたプラスミドpBR327をBamHI及びHind
III で消化して得た約2,960bpのDNA断片に、
プラスミドpUCTMD4−1をBamHI及びHin
dIII で完全消化して得た約3,000bpのDNA断
片を挿入してプラスミドpBRTMD4−1を得た。こ
のプラスミドpBRTMD4−1をHindIII で完全
消化したものとプラスミドpBPV−1(9−1)(A
TCC 37111)をHindIII で完全消化して得
た断片とをT4 DNAリガーゼを用いて継いで、C127
細胞発現用のプラスミドpdBPVTMD4−1を得
た。以上の工程を図22〜図23に示す。
【0160】次に、pdBPVTMD4−1で実施例7
に記載の方法に準じてC127 I細胞(ATCC CRL
1616)をトランスフォームした。10%FCS及
び1v/v%ペニシリン−ストレプトマイシン(米国、
フロー ラボラトリー社製、カタログ番号16−700
−49)を含むダルベッコのMEMで約3週間培養した
ところ、フォーカスを形成する細胞が6個得られたので
それぞれの細胞をクローニングして、それぞれ直径10
cmの組織培養用プレートでコンフルエントになるまで
生育させた。その後、培地をFCSを含まない培地に置
換して培養した。この培地で1日培養した培養液50μ
lをとり、これを用いて参考例1に記載した方法でプロ
テインC活性化の促進作用を測定したところ、強い活性
が認められた。一方、コントロールとして用いたプラス
ミドpBPV−(9−1)だけでトランスフォームした
細胞では、本活性は検出されなかった。
【0161】実施例14 (プラスミドpSV2TMD2によるC127 I細胞の形
質転換および形質転換細胞の産生するペプチドのトロン
ビンによるプロテインC活性化の促進作用の測定) 実施例1−(3)で作成したプラスミドpSV2TMD
2をHindIII で完全消化した後、切断末端をDNA
ポリメラーゼを用いて平滑末端にし、T4 DNAリガー
ゼを作用させ、プラスミドpSV2TMD2のHind
III サイトを欠失したプラスミドpSV2TMD2−1
を得た。次いでこのプラスミドpSV2TMD2−1を
PvuII及びBamHIで完全消化して約2, 200b
pのDNA断片を得た。これをプラスミドpUC18の
HincII及びBamHIで完全消化したベクターに挿
入してプラスミドpUCTMD2−1を得た。
【0162】一方プラスミドpBR322(ATCC
37017)からコバスルビアスらの方法〔エル コバ
スルビアスら(L.Covasrubias et a
l)、ジーン(Gene)、13、25、(1981
年)に従ってプラスミドpBR327を作製した。得ら
れたプラスミドpBR327をBamHIおよびHin
dIII で消化して得た約2,960bpのDNA断片
に、プラスミドpUCTMD2−1をBamHI及びH
indIII で完全消化して得た約3,070bpのDN
A断片を挿入して、プラスミドpBRTMD2−1を得
た。このプラスミドpBRTMD2−1をHindIII
で完全消化したものとプラスミドpBPV−1(9−
1)(ATCC 37111)をHindIII で完全消
化して得た断片とT4 DNAリガーゼを用いて、C127
細胞発現用のプラスミドpdBPVTMD2−1を得
た。以上の工程を図24〜図25に示す。
【0163】次に、pdBPVTMD2−1で実施例7
に記載の方法に準じてC127 I細胞(ATCC CRL
1616)をトランスフォームした。10%FCS及び
1v/v%ペニシリン−ストレプトマインシ(米国、フ
ロー ラボラトリー社製、カタログ番号16−700−
49)を含むダルベッコのMEMで約3週間培養したと
ころ、フォーカスを形成する細胞が6個得られたのでそ
れぞれの細胞をクローニングして、それぞれ直径10c
mの組織培養用プレートでコンフルエントになるまで生
育させた。その後、培地をFCSを含まない培地に置換
して培養した。この培地で1日培養した培養液50μl
をとり、これを用いて参考例1に記載した方法でプロテ
インC活性化の促進作用を測定したところ強い活性が認
められた。一方、コントロールとして用いたプラスミド
pBPV−1(9−1)だけでトランスフォームした細
胞では、本活性は検出されなかった。
【0164】実施例15 (プラスミドpSV2TMD1によるC127 I細胞の形
質転換および形質転換細胞の産生するペプチドのトロン
ビンによるプロテインC活性化の促進作用の測定) 実施例1−(2)で作成したプラスミドpSV2TMD
1をHindIII で完全消化した後、切断末端をDNA
ポリメラーゼを用いて平滑末端にし、T4 DNAリガー
ゼを作用させ、プラスミドpSV2TMD1のHind
III サイトを欠失したプラスミドpSV2TMD1−1
を得た。次いでこのプラスミドpSV2TMD1−1を
PvuII及びBamHIで完全消化して約3, 100b
pのDNA断片を得た。これをプラスミドpUC18の
HincII及びBamHIで完全消化したベクターに挿
入してプラスミドpUCTMD1−1を得た。
【0165】一方プラスミドpBR322(ATCC
37017)からコバスルビアスらの方法〔エル コバ
スルビアスら(L.Covasrubias et a
l)、ジーン(Gene)、13、25、(1981
年)に従ってプラスミドpBR327を作製した。得ら
れたプラスミドpBR327をBamHI及びHind
III で消化して得た約2, 960bpのDNA断片に、
プラスミドpUCTMD1−1をBamHI及びHin
dIII で完全消化して得たDNA断片を挿入してプラス
ミドpBRTMD1−1を得た。このプラスミドpBR
TMD1−1をHindIII で完全消化したものとプラ
スミドpBPV−1(9−1)(ATCC37111)
をHindIII で完全消化して得た断片とをT4 DNA
リガーゼを用いて継いで、C127 細胞発現用のプラスミ
ドpdBPVTMD1−1を得た。以上の工程を図26
〜図27に示す。
【0166】次に、pdBPVTMD1−1で実施例7
に記載の方法に準じてC127 I細胞(ATCC CRL
1616)をトランスフォームした。10%FCS及
び1v/v%ペニシリン−ストレプトマイシン(米国、
フロー ラボラトリー社製、カタログ番号16−700
−49)を含むダルベッコのMEMで約3週間培養した
ところ、フォーカスを形成する細胞が6個得られたので
それぞれの細胞をクローニングして、それぞれ直径10
cmの組織細胞用プレートでコンフルエントになるまで
生育させた。その後、培地をFCSを含まない培地に置
換して培養した。この培地で1日培養した培養液50μ
lをとり、これを用いて参考例1に記載した方法でプロ
テインC活性化の促進作用を測定したところ、強い活性
が認められた。一方、コントロールとして用いたプラス
ミドpBPV−1(9−1)だけでトランスフォームし
た細胞では、本活性は検出されなかった。
【0167】実施例16 (プラスミドpSV2TMJ2によるC127 I細胞の形
質転換および形質転換細胞の産生するペプチドのトロン
ビンによるプロテインC活性化の促進作用の測定) 実施例1−(1)で作成したプラスミドpSV27MJ
2をHindIII で完全消化した後、切断末端をDNA
ポリメラーゼを用いて平滑末端にし、T4 DNAリガー
ゼを作用させ、プラスミドpSV2TMJ2のHind
III サイトを欠失したプラスミドpSV2TMJ2−1
を得た。次いでこのプラスミドpSV2TMJ2−1を
PvuII及びBamHIで完全消化して約4, 100b
pのDNA断片を得た。これをプラスミドpUC18の
HincII及びBamHIで完全消化したベクターに挿
入してプラスミドpUCTMJ2−1を得た。
【0168】一方、プラスミドpBR322(ATCC
37017)からコバスルビアスらの方法〔エル コ
バスルビアス(L.Covasrubias et a
l)、ジーン(Gene)、13、25、(1981
年)に従ってプラスミドpBR327を作製した。得ら
れたプラスミドpBR327をBamHI及びHind
III で消化して得た約2,960bpのDNA断片に、
プラスミドpUCTMJ2−1をBamHI及びHin
dIII で完全消化して得たDNA断片を挿入してプラス
ミドpBRTMJ2−1を得た。このプラスミドpBR
TMJ2−1をHindIII で完全消化したものとプラ
スミドpBPV−1(9−1)(ATCC37111)
をHindIII で完全消化して得た断片とをT4 DNA
リガーゼを用いて継いで、C127 細胞発現用のプラスミ
ドpdBPVTMJ2−1を得る。以上の工程を図28
〜図29に示す。
【0169】次に、pdBPVTMJ2−1で実施例7
に記載の方法に準じてC127 I細胞(ATCC CRL
1616)をトランスフォームした。10%FCS及
び1(v/v%)ペニシリン−ストレプトマイシン(米
国、フロー ラボラトリー社製、カタログ番号16−7
00−49)を含むダルベッコのMEMで約3週間培養
したところ、フォーカスを形成する細胞が6個得られた
のでそれぞれの細胞をクローニングして、それぞれ直径
10cmの組織細胞用プレートでコンフルエントになる
まで生育させた。その後、培地をFCSを含まない培地
に置換して培養した。この培地で1日培養した後、培養
した細胞のペレットをかきとり、これを用いて参考例1
に記載した方法でプロテインC活性化の促進作用を測定
したところ、強い活性が認められた。一方、コントロー
ルとして用いたプラスミドpBPV−1(9−1)だけ
でトランスフォームした細胞では本活性は検出されなか
った。
【0170】実施例17 (本発明の培養液からのトロンビンによるプロテインC
の活性化を促進する作用を有するペプチドの精製)実施
例7に記載した方法で培養したプラスミドpSV2−n
eo及びプラスミドpSV2TMD5でトランスフォー
ムしたCHO細胞を直径10cmの組織培養用プレート
25枚で培養した。培地は1日おきに4回新鮮な培地と
交換した。この培養液をすべて集め(約100ml)、
pH7.5に調製した後DIP−トロンビン−アガロー
スのカラムクロマトグラフィーにかけて調製した。すな
わち、エヌ エル エスモン(N.L.Esmon)ら
〔ザ ジャーナルオブ バイオロジカル ケミストリー
(J.Biol.Chem)、257巻、859頁、
(1982年)〕の方法にしたがって作製したDIP−
トロンビン〔ジイソプロピルホスホロトロンビン(di
isopropylphosphorothrombi
n)〕を、ピー クオトレカサス(P.Cuatrec
asas)の方法〔ザ ジャーナル オブ バイオロジ
カル ケミストリー(J.Biol.Chem)、24
5巻、359頁(1970年)〕にしたがってブロムシ
アン化したアガロースに結合させてDIP−トロンビン
−アガロースを作製した。
【0171】次にDIP−トロンビン−アガロースを
2.5cmφ×10cmの大きさのカラムに充填してD
IP−トロンビン−アガロースカラムを作製して室温で
0.1M NaCl、0.5mM CaCl2 、1mM
ベンズアミジン塩酸、0.5%(v/v)Lubrol
PX(半井化学薬品製、日本)を含む0.02Mトリ
ス塩酸緩衝液(pH7.5)でカラムを平衡化した。次
いで、上記の上澄液をカラムに供した。カラムを0.3
M NaCl、0.5mM CaCl2 、1mMベンズ
アミジン塩酸、0.5%(v/v)Lubrol PX
を含む0.02Mトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で洗
浄した後、1M NaCl、0.1mMEDTA、1m
Mベンズアミジン塩酸、0.5%(v/v)Lubro
l PXを含む0.02Mトリス塩酸緩衝液(pH7.
5)で溶出して2.0mlずつフラクションを集めた。
溶出によって得られる各フラクションについて前記の方
法でプロテインC活性化の促進作用を測定した。同時に
島津製作所(日本)製スペクトロフォトメーターUV−
240を用いて、各フラクションの波長280nmにお
ける吸光度(A280 )を測定した。活性のある画分を回
収し、0.1M NaCl、0.5mM CaCl2
0.5%(v/v)Lubrol PX(半井化学薬品
製、日本)を含む0.02Mトリス塩酸緩衝液(pH
7.5)で透析した。得られた透析液を2回目のDIP
−トロンビン−アガロースカラムクロマトグラフィーに
供した。
【0172】即ち、透析液を1.5cmφ×10cmの
大きさのDIP−トロンビン−アガロースカラムに通
し、0.4M NaCl、0.5mM CaCl2
0.1%(v/v)Lubrol PXを含む0.02
Mトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で洗浄後、さらに
0.4M NaCl、0.1mM EDTA、0.1%
(v/v)Lubrol PXを含む0.02Mトリス
緩衝液(pH7.5)で洗浄し、次いで1M NaC
l、0.5mM EDTA、0.1%(v/v)Lub
rol PXを含む0.02Mトリス塩酸緩衝液(pH
7.5)で溶出した。活性画分を回収し、精製品を−8
0℃で凍結保存した。この精製品の分子吸光係数を一般
的な蛋白質の分子吸光係数にならない10.0(E1%
1cm ・280nm=10.0)と規定して、それに基づ
き精製品の量を計算したところ約4.7μgであった。
尚、この精製品をポリアクリルアミドゲル濃度5−10
%のグラジェントを用いるSDS−ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動を行い、銀染色によってバンドを観察した
ところ単一のバンドのみ確認された。
【0173】実施例18 プラスミドpSV2TMD4を用いる以外は実施例17
と同様の操作を行い本発明のペプチドの精製品を得、波
長280nmにおける吸光度を測定した。この精製品の
分子吸光係数を一般的な蛋白質の分子吸光係数にならい
10.0(E1% 1cm ・280nm=10.0)と規定し
て、それに基づき精製品の量を計算したところ約4.5
μgであった。尚、この精製品をポリアクリルアミドゲ
ル濃度5−10%のグラジェントを用いるSDS−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動を行い、銀染色によってバ
ンドを観察したところ単一のバンドのみ確認された。
【0174】実施例19 プラスミドpSV2TMD2を用いる以外は実施例17
と同様の操作を行い本発明のペプチドの精製品を得、波
長280nmにおける吸光度を測定した。この精製品の
分子吸光係数を一般的な蛋白質の分子吸光係数にならい
10.0(E1% 1cm ・280nm=10.0)と規定し
て、それに基づき精製品の量を計算したところ約4μg
であった。尚、この精製品をポリアクリルアミドゲル濃
度5−10%のグラジェントを用いるSDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動を行い、銀染色によってバンド
を観察したところ単一のバンドのみ確認された。
【0175】実施例20 プラスミドpSV2TMD1を用いる以外は実施例17
と同様の操作を行い本発明のペプチドの精製品を得、波
長280nmにおける吸光度を測定した。この精製品の
分子吸光係数を一般的な蛋白質の分子吸光係数にならい
10.0(E1% 1cm ・280nm=10.0)と規定し
て、それに基づき精製品の量を計算したところ約3μg
であった。尚、この精製品をポリアクリルアミド濃度5
−10%のグラジェントを用いるSDS−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動を行い、銀染色によってバンドを観
察したところ単一のバンドのみ確認された。
【0176】実施例21 実施例11に記載した方法で、プラスミドpSV2TM
J2及びプラスミドpSV2−neoで形質転換したC
HO細胞を直径10cmの組織培養用プレート25枚を
用いて培養した。培養後、培養上澄液を800rpmで
10分間遠心分離にかけて細胞を集めた。得られた細胞
ペレットに、0.5%(v/v)トリトンX−100、
0.25M庶糖、1mMベンズアミジン塩酸、0.5m
M CaCl2 を含む0.02Mトリス塩酸緩衝液(p
H7.5)100mlに懸濁し、ワーリングブレンダー
を用いて4℃で5分間、5回ホモジナイズして細胞抽出
物を得た。得られた抽出物を35,000g、10℃で
60分間遠心分離にかけて上澄液を集めた。この上澄液
から、実施例17と同様の操作により本発明のペプチド
の精製品を得、波長280nmにおける吸光度を測定し
た。この精製品の分子吸光係数を一般的な蛋白質の分子
吸光係数にならない10.0(E1% 1cm ・280nm=
10.0)と規定して、それに基づき精製品の量を計算
したところ約3μgであった。尚、この精製品をポリア
クリルアミド濃度5−10%のグラジェントを用いるS
DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、銀染色
によってバンドを観察したところ単一のバンドのみ確認
された。
【0177】実施例22 (トロンビンによるプロテインC活性化を促進する作用
の確認)精製した本発明のペプチドのプロテインC活性
化の促進作用を次の方法にて評価した。即ち、0.1M
NaCl、3.6mM CaCl2 、10mg/ml
ウシ血清アルブミンを含む0.02Mトリス塩酸緩衝液
(pH7.5)に50μg/mlのプロテインC、5n
Mのトロンビン及び5nMの精製した本発明のペプチド
を加えて37℃で反応させた。反応物に300μg/m
lのアンチトロンビンIII(米国シグマ社製)および5m
M EDTAを加えて反応を停止して、生成した活性型
プロテインCの量を前述の合成基質を用いる方法で測定
した。結果を図30〜図34に示すが、本発明のペプチ
ドを無添加の場合(B)では活性化プロテインCの生成
は認められなかった(点線)が、本発明のペプチドを添
加した場合(A)には、反応時間と共に生成した活性化
プロテインCの量が増加した(実線)。
【0178】実施例23 (抗血液凝固作用の確認)本発明のペプチドがトロンビ
ンによるフィブリノーゲンのフィブリンへの変換を阻害
し、血液凝固を実質的に阻害することはハインリッヒ
アメルング社(独国)製のコアギュロメーターKC−1
0を用いて血液凝固時間を測定することによって調べ
た。即ち、5mM CaCl2 、0.1M NaClを
含む0.05Mトリス塩酸緩衝液(pH7.5)に3.
0μgのフィブリノーゲン(米国シグマ社製、フラクシ
ョンI)を加え、これに0−50nMの精製した本発明
のペプチドを加え、次いで、全量が0.4mlになるよ
うに10nMのトロンビンを加えて凝固時間を測定し
た。結果を図35〜図39に示す。トロンビンにくら
べ、添加した精製ペプチドの量が多くなるにしたがっ
て、血液凝固時間が延長されることが確認された。
【0179】実施例24 (血小板凝集抑制作用の確認)本発明のペプチドがトロ
ンビンの血小板凝集作用を実質的に阻害することはSI
ENCO社(米国)製のプレートレットアグリゴメータ
ーを用いて評価した。即ち、30万cells/μlの
血小板液(Platelet Rich Plasm
a、P.R.P.)250μlに1単位のトロンビン
(約0.4μg)を加えると血小板が凝集するが、トロ
ンビンを加える前にその加えるトロンビンと等モル以上
の精製した本発明のペプチドを加えておくと血小板の凝
集が起きなかった。
【0180】
【適用例】以下に上記の各実施例で得られた種々の可溶
性のペプチドの適用例を応用例をもって説明するが、本
発明はそれら応用例により何ら限定されるものではな
い。 応用例1 精製した本発明のペプチド 10 mg 精製ゼラチン 20 mg マンニトール 100 mg 塩化ナトリウム 7.8mg リン酸(1及び2)ナトリウム 15.4mg 上記成分を注射用蒸留水2mlに溶解し、通常の製剤条
件により中性付近の注射用製剤を調製した。即ち、前記
溶解液を、無菌バイアルに入れ、−35℃で2時間予備
凍結し、−35℃で真空度0.075Torrで35時
間一次乾燥し、次いで30℃、真空度0.03Torr
で5時間二次乾燥して、注射用バイアルを製造した。得
られた組成物は、投与直前に生理食塩水もしくはブドウ
糖注射液500mlに溶解され、その溶解液は、点滴静
注するのに用いられる。
【0181】応用例2 精製した本発明のペプチド 2.5 mg アルブミン 5 mg マンニトール 25 mg 塩化ナトリウム 1.95mg リン酸(1及び2)ナトリウム 3.85mg 上記成分を注射用蒸留水2mlに溶解し、通常の製剤条
件により中性付近の注射用製剤を調製した。即ち、前記
溶解液を、無菌バイアルに入れ、−35℃で2時間予備
凍結し、−35℃で真空度0.075Torrで35時
間一次乾燥し、次いで30℃、真空度0.03Torr
で5時間二次乾燥して、注射用バイアルを製造した。得
られた組成物は、投与直前に生理食塩水もしくはブドウ
糖注射液500mlに溶解され、その溶解液は、点滴静
注するのに用いられる。
【0182】
【発明の効果】本発明のペプチドは、抗血液凝固作用、
血小板凝集抑制作用、血栓溶解作用を併せ持ち副作用の
少ない循環器系疾患などの治療用薬として極めて有用な
物質である。また、本発明のペプチドは、このような医
薬用途以外に、たとえば、人工血管、人工臓器、カテー
テルなどの医用人工材料に結合させて、血栓の形成を防
止する薬剤として用いることができる。
【0183】
【配列表】
出願人氏名:旭化成工業株式会社 発明の名称:凍結乾燥製剤の製造法 整理番号 :P971112A 出願日 :平成9年11月12日 配列の数 :15 配列番号:1 配列の長さ:118 配列の型:アミノ酸 配列の種類:蛋白質 配列 Val Glu Pro Val Asp Pro Cys Phe Arg Ala Asn Cys Glu Tyr Gln Cys 1 5 10 15 Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys Val Cys Ala Glu Gly Phe 20 25 30 Ala Pro Ile Pro His Glu Pro His Arg Cys Gln Met Phe Cys Asn Gln 35 40 45 Thr Ala Cys Pro Ala Asp Cys Asp Pro Asn Thr Gln Ala Ser Cys Glu 50 55 60 Cys Pro Glu Gly Tyr Ile Leu Asp Asp Gly Phe Ile Cys Thr Asp Ile 65 70 75 80 Asp Glu Cys Glu Asn Gly Gly Phe Cys Ser Gly Val Cys His Asn Leu 85 90 95 Pro Gly Thr Phe Glu Cys Ile Cys Gly Pro Asp Ser Ala Leu Val Arg 100 105 110 His Ile Gly Thr Asp Cys 115
【0184】配列番号:2 配列の長さ:59 配列の型:アミノ酸 配列の種類:蛋白質 配列 Leu Leu Ile Gly Ile Ser Ile Ala Ser Leu Cys Leu Val Val Ala Leu 1 5 10 15 Leu Ala Leu Leu Cys His Leu Arg Lys Lys Gln Gly Ala Ala Arg Ala 20 25 30 Lys Met Glu Tyr Lys Cys Ala Ala Pro Ser Lys Glu Val Val Leu Gln 35 40 45 His Val Arg Thr Glu Arg Thr Pro Gln Arg Leu 50 55
【0185】配列番号:3 配列の長さ:498 配列の型:アミノ酸 配列の種類:蛋白質 配列 Ala Pro Ala Glu Pro Gln Pro Gly Gly Ser Gln Cys Val Glu His Asp 1 5 10 15 Cys Phe Ala Leu Tyr Pro Gly Pro Ala Thr Phe Leu Asn Ala Ser Gln 20 25 30 Ile Cys Asp Gly Leu Arg Gly His Leu Met Thr Val Arg Ser Ser Val 35 40 45 Ala Ala Asp Val Ile Ser Leu Leu Leu Asn Gly Asp Gly Gly Val Gly 50 55 60 Arg Arg Arg Leu Trp Ile Gly Leu Gln Leu Pro Pro Gly Cys Gly Asp 65 70 75 80 Pro Lys Arg Leu Gly Pro Leu Arg Gly Phe Gln Trp Val Thr Gly Asp 85 90 95 Asn Asn Thr Ser Tyr Ser Arg Trp Ala Arg Leu Asp Leu Asn Gly Ala 100 105 110 Pro Leu Cys Gly Pro Leu Cys Val Ala Val Ser Ala Ala Glu Ala Thr 115 120 125 Val Pro Ser Glu Pro Ile Trp Glu Glu Gln Gln Cys Glu Val Lys Ala 130 135 140 Asp Gly Phe Leu Cys Glu Phe His Phe Pro Ala Thr Cys Arg Pro Leu 145 150 155 160 Ala Val Glu Pro Gly Ala Ala Ala Ala Ala Val Ser Ile Thr Tyr Gly 165 170 175 Thr Pro Phe Ala Ala Arg Gly Ala Asp Phe Gln Ala Leu Pro Val Gly 180 185 190 Ser Ser Ala Ala Val Ala Pro Leu Gly Leu Gln Leu Met Cys Thr Ala 195 200 205 Pro Pro Gly Ala Val Gln Gly His Trp Ala Arg Glu Ala Pro Gly Ala 210 215 220 Trp Asp Cys Ser Val Glu Asn Gly Gly Cys Glu His Ala Cys Asn Ala 225 230 235 240 Ile Pro Gly Ala Pro Arg Cys Gln Cys Pro Ala Gly Ala Ala Leu Gln 245 250 255 Ala Asp Gly Arg Ser Cys Thr Ala Ser Ala Thr Gln Ser Cys Asn Asp 260 265 270 Leu Cys Glu His Phe Cys Val Pro Asn Pro Asp Gln Pro Gly Ser Tyr 275 280 285 Ser Cys Met Cys Glu Thr Gly Tyr Arg Leu Ala Ala Asp Gln His Arg 290 295 300 Cys Glu Asp Val Asp Asp Cys Ile Leu Glu Pro Ser Pro Cys Pro Gln 305 310 315 320 Arg Cys Val Asn Thr Gln Gly Gly Phe Glu Cys His Cys Tyr Pro Asn 325 330 335 Tyr Asp Leu Val Asp Gly Glu Cys Val Glu Pro Val Asp Pro Cys Phe 340 345 350 Arg Ala Asn Cys Glu Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr 355 360 365 Leu Cys Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Pro Ile Pro His Glu Pro His 370 375 380 Arg Cys Gln Met Phe Cys Asn Gln Thr Ala Cys Pro Ala Asp Cys Asp 385 390 395 400 Pro Asn Thr Gln Ala Ser Cys Glu Cys Pro Glu Gly Tyr Ile Leu Asp 405 410 415 Asp Gly Phe Ile Cys Thr Asp Ile Asp Glu Cys Glu Asn Gly Gly Phe 420 425 430 Cys Ser Gly Val Cys His Asn Leu Pro Gly Thr Phe Glu Cys Ile Cys 435 440 445 Gly Pro Asp Ser Ala Leu Val Arg His Ile Gly Thr Asp Cys Asp Ser 450 455 460 Gly Lys Val Asp Gly Gly Asp Ser Gly Ser Gly Glu Pro Pro Pro Ser 465 470 475 480 Pro Thr Pro Gly Ser Thr Leu Thr Pro Pro Ala Val Gly Leu Val His 485 490 495 Ser Gly
【0186】配列番号:4 配列の長さ:354 配列の型:塩基配列 配列の種類:DNA 配列 GTG GAG CCC GTG GAC CCG TGC TTC AGA GCC AAC TGC GAG TAC CAG TGC 48 CAG CCC CTG AAC CAA ACT AGC TAC CTC TGC GTC TGC GCC GAG GGC TTC 96 GCG CCC ATT CCC CAC GAG CCG CAC AGG TGC CAG ATG TTT TGC AAC CAG 144 ACT GCC TGT CCA GCC GAC TGC GAC CCC AAC ACC CAG GCT AGC TGT GAG 192 TGC CCT GAA GGC TAC ATC CTG GAC GAC GGT TTC ATC TGC ACG GAC ATC 240 GAC GAG TGC GAA AAC GGC GGC TTC TGC TCC GGG GTG TGC CAC AAC CTC 288 CCC GGT ACC TTC GAG TGC ATC TGC GGG CCC GAC TCG GCC CTT GTC CGC 336 CAC ATT GGC ACC GAC TGT 354
【0187】配列番号:5 配列の長さ:1494 配列の型:塩基配列 配列の種類:DNA 配列 GCA CCC GCA GAG CCG CAG CCG GGT GGC AGC CAG TGC GTC GAG CAC GAC 48 TGC TTC GCG CTC TAC CCG GGC CCC GCG ACC TTC CTC AAT GCC AGT CAG 96 ATC TGC GAC GGA CTG CGG GGC CAC CTA ATG ACA GTG CGC TCC TCG GTG 144 GCT GCC GAT GTC ATT TCC TTG CTA CTG AAC GGC GAC GGC GGC GTT GGC 192 CGC CGG CGC CTC TGG ATC GGC CTG CAG CTG CCA CCC GGC TGC GGC GAC 240 CCC AAG CGC CTC GGG CCC CTG CGC GGC TTC CAG TGG GTT ACG GGA GAC 288 AAC AAC ACC AGC TAT AGC AGG TGG GCA CGG CTC GAC CTC AAT GGG GCT 336 CCC CTC TGC GGC CCG TTG TGC GTC GCT GTC TCC GCT GCT GAG GCC ACT 384 GTG CCC AGC GAG CCG ATC TGG GAG GAG CAG CAG TGC GAA GTG AAG GCC 432 GAT GGC TTC CTC TGC GAG TTC CAC TTC CCA GCC ACC TGC AGG CCA CTG 480 GCT GTG GAG CCC GGC GCC GCG GCT GCC GCC GTC TCG ATC ACC TAC GGC 528 ACC CCG TTC GCG GCC CGC GGA GCG GAC TTC CAG GCG CTG CCG GTG GGC 576 AGC TCC GCC GCG GTG GCT CCC CTC GGC TTA CAG CTA ATG TGC ACC GCG 624 CCG CCC GGA GCG GTC CAG GGG CAC TGG GCC AGG GAG GCG CCG GGC GCT 672 TGG GAC TGC AGC GTG GAG AAC GGC GGC TGC GAG CAC GCG TGC AAT GCG 720 ATC CCT GGG GCT CCC CGC TGC CAG TGC CCA GCC GGC GCC GCC CTG CAG 768 GCA GAC GGG CGC TCC TGC ACC GCA TCC GCG ACG CAG TCC TGC AAC GAC 816 CTC TGC GAG CAC TTC TGC GTT CCC AAC CCC GAC CAG CCG GGC TCC TAC 864 TCG TGC ATG TGC GAG ACC GGC TAC CGG CTG GCG GCC GAC CAA CAC CGG 912 TGC GAG GAC GTG GAT GAC TGC ATA CTG GAG CCC AGT CCG TGT CCG CAG 960 CGC TGT GTC AAC ACA CAG GGT GGC TTC GAG TGC CAC TGC TAC CCT AAC 1008 TAC GAC CTG GTG GAC GGC GAG TGT GTG GAG CCC GTG GAC CCG TGC TTC 1056 AGA GCC AAC TGC GAG TAC CAG TGC CAG CCC CTG AAC CAA ACT AGC TAC 1104 CTC TGC GTC TGC GCC GAG GGC TTC GCG CCC ATT CCC CAC GAG CCG CAC 1152 AGG TGC CAG ATG TTT TGC AAC CAG ACT GCC TGT CCA GCC GAC TGC GAC 1200 CCC AAC ACC CAG GCT AGC TGT GAG TGC CCT GAA GGC TAC ATC CTG GAC 1248 GAC GGT TTC ATC TGC ACG GAC ATC GAC GAG TGC GAA AAC GGC GGC TTC 1296 TGC TCC GGG GTG TGC CAC AAC CTC CCC GGT ACC TTC GAG TGC ATC TGC 1344 GGG CCC GAC TCG GCC CTT GTC CGC CAC ATT GGC ACC GAC TGT GAC TCC 1392 GGC AAG GTG GAC GGT GGC GAC AGC GGC TCT GGC GAG CCC CCG CCC AGC 1440 CCG ACG CCC GGC TCC ACC TTG ACT CCT CCG GCC GTG GGG CTC GTG CAT 1488 TCG GGC 1494
【0188】配列番号:6 配列の長さ:236 配列の型:アミノ酸 配列の種類:蛋白質 配列 Cys Ser Val Glu Asn Gly Gly Cys Glu His Ala Cys Asn Ala Ile Pro 1 5 10 15 Gly Ala Pro Arg Cys Gln Cys Pro Ala Gly Ala Ala Leu Gln Ala Asp 20 25 30 Gly Arg Ser Cys Thr Ala Ser Ala Thr Gln Ser Cys Asn Asp Leu Cys 35 40 45 Glu His Phe Cys Val Pro Asn Pro Asp Gln Pro Gly Ser Tyr Ser Cys 50 55 60 Met Cys Glu Thr Gly Tyr Arg Leu Ala Ala Asp Gln His Arg Cys Glu 65 70 75 80 Asp Val Asp Asp Cys Ile Leu Glu Pro Ser Pro Cys Pro Gln Arg Cys 85 90 95 Val Asn Thr Gln Gly Gly Phe Glu Cys His Cys Tyr Pro Asn Tyr Asp 100 105 110 Leu Val Asp Gly Glu Cys Val Glu Pro Val Asp Pro Cys Phe Arg Ala 115 120 125 Asn Cys Glu Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys 130 135 140 Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Pro Ile Pro His Glu Pro His Arg Cys 145 150 155 160 Gln Met Phe Cys Asn Gln Thr Ala Cys Pro Ala Asp Cys Asp Pro Asn 165 170 175 Thr Gln Ala Ser Cys Glu Cys Pro Glu Gly Tyr Ile Leu Asp Asp Gly 180 185 190 Phe Ile Cys Thr Asp Ile Asp Glu Cys Glu Asn Gly Gly Phe Cys Ser 195 200 205 Gly Val Cys His Asn Leu Pro Gly Thr Phe Glu Cys Ile Cys Gly Pro 210 215 220 Asp Ser Ala Leu Val Arg His Ile Gly Thr Asp Cys 225 230 235
【0189】配列番号:7 配列の長さ:575 配列の型:アミノ酸 配列の種類:蛋白質 配列 Met Leu Gly Val Leu Val Leu Gly Ala Leu Ala Leu Ala Gly Leu Gly 1 5 10 15 Phe Pro Ala Pro Ala Glu Pro Gln Pro Gly Gly Ser Gln Cys Val Glu 20 25 30 His Asp Cys Phe Ala Leu Tyr Pro Gly Pro Ala Thr Phe Leu Asn Ala 35 40 45 Ser Gln Ile Cys Asp Gly Leu Arg Gly His Leu Met Thr Val Arg Ser 50 55 60 Ser Val Ala Ala Asp Val Ile Ser Leu Leu Leu Asn Gly Asp Gly Gly 65 70 75 80 Val Gly Arg Arg Arg Leu Trp Ile Gly Leu Gln Leu Pro Pro Gly Cys 85 90 95 Gly Asp Pro Lys Arg Leu Gly Pro Leu Arg Gly Phe Gln Trp Val Thr 100 105 110 Gly Asp Asn Asn Thr Ser Tyr Ser Arg Trp Ala Arg Leu Asp Leu Asn 115 120 125 Gly Ala Pro Leu Cys Gly Pro Leu Cys Val Ala Val Ser Ala Ala Glu 130 135 140 Ala Thr Val Pro Ser Glu Pro Ile Trp Glu Glu Gln Gln Cys Glu Val 145 150 155 160 Lys Ala Asp Gly Phe Leu Cys Glu Phe His Phe Pro Ala Thr Cys Arg 165 170 175 Pro Leu Ala Val Glu Pro Gly Ala Ala Ala Ala Ala Val Ser Ile Thr 180 185 190 Tyr Gly Thr Pro Phe Ala Ala Arg Gly Ala Asp Phe Gln Ala Leu Pro 195 200 205 Val Gly Ser Ser Ala Ala Val Ala Pro Leu Gly Leu Gln Leu Met Cys 210 215 220 Thr Ala Pro Pro Gly Ala Val Gln Gly His Trp Ala Arg Glu Ala Pro 225 230 235 240 Gly Ala Trp Asp Cys Ser Val Glu Asn Gly Gly Cys Glu His Ala Cys 245 250 255 Asn Ala Ile Pro Gly Ala Pro Arg Cys Gln Cys Pro Ala Gly Ala Ala 260 265 270 Leu Gln Ala Asp Gly Arg Ser Cys Thr Ala Ser Ala Thr Gln Ser Cys 275 280 285 Asn Asp Leu Cys Glu His Phe Cys Val Pro Asn Pro Asp Gln Pro Gly 290 295 300 Ser Tyr Ser Cys Met Cys Glu Thr Gly Tyr Arg Leu Ala Ala Asp Gln 305 310 315 320 His Arg Cys Glu Asp Val Asp Asp Cys Ile Leu Glu Pro Ser Pro Cys 325 330 335 Pro Gln Arg Cys Val Asn Thr Gln Gly Gly Phe Glu Cys His Cys Tyr 340 345 350 Pro Asn Tyr Asp Leu Val Asp Gly Glu Cys Val Glu Pro Val Asp Pro 355 360 365 Cys Phe Arg Ala Asn Cys Glu Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr 370 375 380 Ser Tyr Leu Cys Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Pro Ile Pro His Glu 385 390 395 400 Pro His Arg Cys Gln Met Phe Cys Asn Gln Thr Ala Cys Pro Ala Asp 405 410 415 Cys Asp Pro Asn Thr Gln Ala Ser Cys Glu Cys Pro Glu Gly Tyr Ile 420 425 430 Leu Asp Asp Gly Phe Ile Cys Thr Asp Ile Asp Glu Cys Glu Asn Gly 435 440 445 Gly Phe Cys Ser Gly Val Cys His Asn Leu Pro Gly Thr Phe Glu Cys 450 455 460 Ile Cys Gly Pro Asp Ser Ala Leu Val Arg His Ile Gly Thr Asp Cys 465 470 475 480 Asp Ser Gly Lys Val Asp Gly Gly Asp Ser Gly Ser Gly Glu Pro Pro 485 490 495 Pro Ser Pro Thr Pro Gly Ser Thr Leu Thr Pro Pro Ala Val Gly Leu 500 505 510 Val His Ser Gly Leu Leu Ile Gly Ile Ser Ile Ala Ser Leu Cys Leu 515 520 525 Val Val Ala Leu Leu Ala Leu Leu Cys His Leu Arg Lys Lys Gln Gly 530 535 540 Ala Ala Arg Ala Lys Met Glu Tyr Lys Cys Ala Ala Pro Ser Lys Glu 545 550 555 560 Val Val Leu Gln His Val Arg Thr Glu Arg Thr Pro Gln Arg Leu 565 570 575
【0190】配列番号:8 配列の長さ:272 配列の型:アミノ酸 配列の種類:蛋白質 配列 Cys Ser Val Glu Asn Gly Gly Cys Glu His Ala Cys Asn Ala Ile Pro 1 5 10 15 Gly Ala Pro Arg Cys Gln Cys Pro Ala Gly Ala Ala Leu Gln Ala Asp 20 25 30 Gly Arg Ser Cys Thr Ala Ser Ala Thr Gln Ser Cys Asn Asp Leu Cys 35 40 45 Glu His Phe Cys Val Pro Asn Pro Asp Gln Pro Gly Ser Tyr Ser Cys 50 55 60 Met Cys Glu Thr Gly Tyr Arg Leu Ala Ala Asp Gln His Arg Cys Glu 65 70 75 80 Asp Val Asp Asp Cys Ile Leu Glu Pro Ser Pro Cys Pro Gln Arg Cys 85 90 95 Val Asn Thr Gln Gly Gly Phe Glu Cys His Cys Tyr Pro Asn Tyr Asp 100 105 110 Leu Val Asp Gly Glu Cys Val Glu Pro Val Asp Pro Cys Phe Arg Ala 115 120 125 Asn Cys Glu Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr Leu Cys 130 135 140 Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Pro Ile Pro His Glu Pro His Arg Cys 145 150 155 160 Gln Met Phe Cys Asn Gln Thr Ala Cys Pro Ala Asp Cys Asp Pro Asn 165 170 175 Thr Gln Ala Ser Cys Glu Cys Pro Glu Gly Tyr Ile Leu Asp Asp Gly 180 185 190 Phe Ile Cys Thr Asp Ile Asp Glu Cys Glu Asn Gly Gly Phe Cys Ser 195 200 205 Gly Val Cys His Asn Leu Pro Gly Thr Phe Glu Cys Ile Cys Gly Pro 210 215 220 Asp Ser Ala Leu Val Arg His Ile Gly Thr Asp Cys Asp Ser Gly Lys 225 230 235 240 Val Asp Gly Gly Asp Ser Gly Ser Gly Glu Pro Pro Pro Ser Pro Thr 245 250 255 Pro Gly Ser Thr Leu Thr Pro Pro Ala Val Gly Leu Val His Ser Gly 260 265 270
【0191】配列番号:9 配列の長さ:708 配列の型:塩基配列 配列の種類:DNA 配列 TGC AGC GTG GAG AAC GGC GGC TGC GAG CAC GCG TGC AAT GCG ATC CCT 48 GGG GCT CCC CGC TGC CAG TGC CCA GCC GGC GCC GCC CTG CAG GCA GAC 96 GGG CGC TCC TGC ACC GCA TCC GCG ACG CAG TCC TGC AAC GAC CTC TGC 144 GAG CAC TTC TGC GTT CCC AAC CCC GAC CAG CCG GGC TCC TAC TCG TGC 192 ATG TGC GAG ACC GGC TAC CGG CTG GCG GCC GAC CAA CAC CGG TGC GAG 240 GAC GTG GAT GAC TGC ATA CTG GAG CCC AGT CCG TGT CCG CAG CGC TGT 288 GTC AAC ACA CAG GGT GGC TTC GAG TGC CAC TGC TAC CCT AAC TAC GAC 336 CTG GTG GAC GGC GAG TGT GTG GAG CCC GTG GAC CCG TGC TTC AGA GCC 384 AAC TGC GAG TAC CAG TGC CAG CCC CTG AAC CAA ACT AGC TAC CTC TGC 432 GTC TGC GCC GAG GGC TTC GCG CCC ATT CCC CAC GAG CCG CAC AGG TGC 480 CAG ATG TTT TGC AAC CAG ACT GCC TGT CCA GCC GAC TGC GAC CCC AAC 528 ACC CAG GCT AGC TGT GAG TGC CCT GAA GGC TAC ATC CTG GAC GAC GGT 576 TTC ATC TGC ACG GAC ATC GAC GAG TGC GAA AAC GGC GGC TTC TGC TCC 624 GGG GTG TGC CAC AAC CTC CCC GGT ACC TTC GAG TGC ATC TGC GGG CCC 672 GAC TCG GCC CTT GTC CGC CAC ATT GGC ACC GAC TGT 708
【0192】配列番号:10 配列の長さ:1725 配列の型:塩基配列 配列の種類:DNA 配列 ATG CTT GGG GTC CTG GTC CTT GGC GCG CTG GCC CTG GCC GGC CTG GGG 48 TTC CCC GCA CCC GCA GAG CCG CAG CCG GGT GGC AGC CAG TGC GTC GAG 96 CAC GAC TGC TTC GCG CTC TAC CCG GGC CCC GCG ACC TTC CTC AAT GCC 144 AGT CAG ATC TGC GAC GGA CTG CGG GGC CAC CTA ATG ACA GTG CGC TCC 192 TCG GTG GCT GCC GAT GTC ATT TCC TTG CTA CTG AAC GGC GAC GGC GGC 240 GTT GGC CGC CGG CGC CTC TGG ATC GGC CTG CAG CTG CCA CCC GGC TGC 288 GGC GAC CCC AAG CGC CTC GGG CCC CTG CGC GGC TTC CAG TGG GTT ACG 336 GGA GAC AAC AAC ACC AGC TAT AGC AGG TGG GCA CGG CTC GAC CTC AAT 384 GGG GCT CCC CTC TGC GGC CCG TTG TGC GTC GCT GTC TCC GCT GCT GAG 432 GCC ACT GTG CCC AGC GAG CCG ATC TGG GAG GAG CAG CAG TGC GAA GTG 480 AAG GCC GAT GGC TTC CTC TGC GAG TTC CAC TTC CCA GCC ACC TGC AGG 528 CCA CTG GCT GTG GAG CCC GGC GCC GCG GCT GCC GCC GTC TCG ATC ACC 576 TAC GGC ACC CCG TTC GCG GCC CGC GGA GCG GAC TTC CAG GCG CTG CCG 624 GTG GGC AGC TCC GCC GCG GTG GCT CCC CTC GGC TTA CAG CTA ATG TGC 672 ACC GCG CCG CCC GGA GCG GTC CAG GGG CAC TGG GCC AGG GAG GCG CCG 720 GGC GCT TGG GAC TGC AGC GTG GAG AAC GGC GGC TGC GAG CAC GCG TGC 768 AAT GCG ATC CCT GGG GCT CCC CGC TGC CAG TGC CCA GCC GGC GCC GCC 816 CTG CAG GCA GAC GGG CGC TCC TGC ACC GCA TCC GCG ACG CAG TCC TGC 864 AAC GAC CTC TGC GAG CAC TTC TGC GTT CCC AAC CCC GAC CAG CCG GGC 912 TCC TAC TCG TGC ATG TGC GAG ACC GGC TAC CGG CTG GCG GCC GAC CAA 960 CAC CGG TGC GAG GAC GTG GAT GAC TGC ATA CTG GAG CCC AGT CCG TGT 1008 CCG CAG CGC TGT GTC AAC ACA CAG GGT GGC TTC GAG TGC CAC TGC TAC 1056 CCT AAC TAC GAC CTG GTG GAC GGC GAG TGT GTG GAG CCC GTG GAC CCG 1104 TGC TTC AGA GCC AAC TGC GAG TAC CAG TGC CAG CCC CTG AAC CAA ACT 1152 AGC TAC CTC TGC GTC TGC GCC GAG GGC TTC GCG CCC ATT CCC CAC GAG 1200 CCG CAC AGG TGC CAG ATG TTT TGC AAC CAG ACT GCC TGT CCA GCC GAC 1248 TGC GAC CCC AAC ACC CAG GCT AGC TGT GAG TGC CCT GAA GGC TAC ATC 1296 CTG GAC GAC GGT TTC ATC TGC ACG GAC ATC GAC GAG TGC GAA AAC GGC 1344 GGC TTC TGC TCC GGG GTG TGC CAC AAC CTC CCC GGT ACC TTC GAG TGC 1392 ATC TGC GGG CCC GAC TCG GCC CTT GTC CGC CAC ATT GGC ACC GAC TGT 1440 GAC TCC GGC AAG GTG GAC GGT GGC GAC AGC GGC TCT GGC GAG CCC CCG 1488 CCC AGC CCG ACG CCC GGC TCC ACC TTG ACT CCT CCG GCC GTG GGG CTC 1536 GTG CAT TCG GGC TTG CTC ATA GGC ATC TCC ATC GCG AGC CTG TGC CTG 1584 GTG GTG GCG CTT TTG GCG CTC CTC TGC CAC CTG CGC AAG AAG CAG GGC 1632 GCC GCC AGG GCC AAG ATG GAG TAC AAG TGC GCG GCC CCT TCC AAG GAG 1680 GTA GTG CTG CAG CAC GTG CGG ACC GAG CGG ACG CCG CAG AGA CTC 1725
【0193】配列番号:11 配列の長さ:816 配列の型:塩基配列 配列の種類:DNA 配列 TGC AGC GTG GAG AAC GGC GGC TGC GAG CAC GCG TGC AAT GCG ATC CCT 48 GGG GCT CCC CGC TGC CAG TGC CCA GCC GGC GCC GCC CTG CAG GCA GAC 96 GGG CGC TCC TGC ACC GCA TCC GCG ACG CAG TCC TGC AAC GAC CTC TGC 144 GAG CAC TTC TGC GTT CCC AAC CCC GAC CAG CCG GGC TCC TAC TCG TGC 192 ATG TGC GAG ACC GGC TAC CGG CTG GCG GCC GAC CAA CAC CGG TGC GAG 240 GAC GTG GAT GAC TGC ATA CTG GAG CCC AGT CCG TGT CCG CAG CGC TGT 288 GTC AAC ACA CAG GGT GGC TTC GAG TGC CAC TGC TAC CCT AAC TAC GAC 336 CTG GTG GAC GGC GAG TGT GTG GAG CCC GTG GAC CCG TGC TTC AGA GCC 384 AAC TGC GAG TAC CAG TGC CAG CCC CTG AAC CAA ACT AGC TAC CTC TGC 432 GTC TGC GCC GAG GGC TTC GCG CCC ATT CCC CAC GAG CCG CAC AGG TGC 480 CAG ATG TTT TGC AAC CAG ACT GCC TGT CCA GCC GAC TGC GAC CCC AAC 528 ACC CAG GCT AGC TGT GAG TGC CCT GAA GGC TAC ATC CTG GAC GAC GGT 576 TTC ATC TGC ACG GAC ATC GAC GAG TGC GAA AAC GGC GGC TTC TGC TCC 624 GGG GTG TGC CAC AAC CTC CCC GGT ACC TTC GAG TGC ATC TGC GGG CCC 672 GAC TCG GCC CTT GTC CGC CAC ATT GGC ACC GAC TGT GAC TCC GGC AAG 720 GTG GAC GGT GGC GAC AGC GGC TCT GGC GAG CCC CCG CCC AGC CCG ACG 768 CCC GGC TCC ACC TTG ACT CCT CCG GCC GTG GGG CTC GTG CAT TCG GGC 816
【0194】配列番号:12 配列の長さ:1671 配列の型:塩基配列 配列の種類:DNA 配列 GCA CCC GCA GAG CCG CAG CCG GGT GGC AGC CAG TGC GTC GAG CAC GAC 48 TGC TTC GCG CTC TAC CCG GGC CCC GCG ACC TTC CTC AAT GCC AGT CAG 96 ATC TGC GAC GGA CTG CGG GGC CAC CTA ATG ACA GTG CGC TCC TCG GTG 144 GCT GCC GAT GTC ATT TCC TTG CTA CTG AAC GGC GAC GGC GGC GTT GGC 192 CGC CGG CGC CTC TGG ATC GGC CTG CAG CTG CCA CCC GGC TGC GGC GAC 240 CCC AAG CGC CTC GGG CCC CTG CGC GGC TTC CAG TGG GTT ACG GGA GAC 288 AAC AAC ACC AGC TAT AGC AGG TGG GCA CGG CTC GAC CTC AAT GGG GCT 336 CCC CTC TGC GGC CCG TTG TGC GTC GCT GTC TCC GCT GCT GAG GCC ACT 384 GTG CCC AGC GAG CCG ATC TGG GAG GAG CAG CAG TGC GAA GTG AAG GCC 432 GAT GGC TTC CTC TGC GAG TTC CAC TTC CCA GCC ACC TGC AGG CCA CTG 480 GCT GTG GAG CCC GGC GCC GCG GCT GCC GCC GTC TCG ATC ACC TAC GGC 528 ACC CCG TTC GCG GCC CGC GGA GCG GAC TTC CAG GCG CTG CCG GTG GGC 576 AGC TCC GCC GCG GTG GCT CCC CTC GGC TTA CAG CTA ATG TGC ACC GCG 624 CCG CCC GGA GCG GTC CAG GGG CAC TGG GCC AGG GAG GCG CCG GGC GCT 672 TGG GAC TGC AGC GTG GAG AAC GGC GGC TGC GAG CAC GCG TGC AAT GCG 720 ATC CCT GGG GCT CCC CGC TGC CAG TGC CCA GCC GGC GCC GCC CTG CAG 768 GCA GAC GGG CGC TCC TGC ACC GCA TCC GCG ACG CAG TCC TGC AAC GAC 816 CTC TGC GAG CAC TTC TGC GTT CCC AAC CCC GAC CAG CCG GGC TCC TAC 864 TCG TGC ATG TGC GAG ACC GGC TAC CGG CTG GCG GCC GAC CAA CAC CGG 912 TGC GAG GAC GTG GAT GAC TGC ATA CTG GAG CCC AGT CCG TGT CCG CAG 960 CGC TGT GTC AAC ACA CAG GGT GGC TTC GAG TGC CAC TGC TAC CCT AAC 1008 TAC GAC CTG GTG GAC GGC GAG TGT GTG GAG CCC GTG GAC CCG TGC TTC 1056 AGA GCC AAC TGC GAG TAC CAG TGC CAG CCC CTG AAC CAA ACT AGC TAC 1104 CTC TGC GTC TGC GCC GAG GGC TTC GCG CCC ATT CCC CAC GAG CCG CAC 1152 AGG TGC CAG ATG TTT TGC AAC CAG ACT GCC TGT CCA GCC GAC TGC GAC 1200 CCC AAC ACC CAG GCT AGC TGT GAG TGC CCT GAA GGC TAC ATC CTG GAC 1248 GAC GGT TTC ATC TGC ACG GAC ATC GAC GAG TGC GAA AAC GGC GGC TTC 1296 TGC TCC GGG GTG TGC CAC AAC CTC CCC GGT ACC TTC GAG TGC ATC TGC 1344 GGG CCC GAC TCG GCC CTT GTC CGC CAC ATT GGC ACC GAC TGT GAC TCC 1392 GGC AAG GTG GAC GGT GGC GAC AGC GGC TCT GGC GAG CCC CCG CCC AGC 1440 CCG ACG CCC GGC TCC ACC TTG ACT CCT CCG GCC GTG GGG CTC GTG CAT 1488 TCG GGC TTG CTC ATA GGC ATC TCC ATC GCG AGC CTG TGC CTG GTG GTG 1536 GCG CTT TTG GCG CTC CTC TGC CAC CTG CGC AAG AAG CAG GGC GCC GCC 1584 AGG GCC AAG ATG GAG TAC AAG TGC GCG GCC CCT TCC AAG GAG GTA GTG 1632 CTG CAG CAC GTG CGG ACC GAG CGG ACG CCG CAG AGA CTC 1671
【0195】配列番号:13 配列の長さ:557 配列の型:アミノ酸 配列の種類:蛋白質 配列 Ala Pro Ala Glu Pro Gln Pro Gly Gly Ser Gln Cys Val Glu His Asp 1 5 10 15 Cys Phe Ala Leu Tyr Pro Gly Pro Ala Thr Phe Leu Asn Ala Ser Gln 20 25 30 Ile Cys Asp Gly Leu Arg Gly His Leu Met Thr Val Arg Ser Ser Val 35 40 45 Ala Ala Asp Val Ile Ser Leu Leu Leu Asn Gly Asp Gly Gly Val Gly 50 55 60 Arg Arg Arg Leu Trp Ile Gly Leu Gln Leu Pro Pro Gly Cys Gly Asp 65 70 75 80 Pro Lys Arg Leu Gly Pro Leu Arg Gly Phe Gln Trp Val Thr Gly Asp 85 90 95 Asn Asn Thr Ser Tyr Ser Arg Trp Ala Arg Leu Asp Leu Asn Gly Ala 100 105 110 Pro Leu Cys Gly Pro Leu Cys Val Ala Val Ser Ala Ala Glu Ala Thr 115 120 125 Val Pro Ser Glu Pro Ile Trp Glu Glu Gln Gln Cys Glu Val Lys Ala 130 135 140 Asp Gly Phe Leu Cys Glu Phe His Phe Pro Ala Thr Cys Arg Pro Leu 145 150 155 160 Ala Val Glu Pro Gly Ala Ala Ala Ala Ala Val Ser Ile Thr Tyr Gly 165 170 175 Thr Pro Phe Ala Ala Arg Gly Ala Asp Phe Gln Ala Leu Pro Val Gly 180 185 190 Ser Ser Ala Ala Val Ala Pro Leu Gly Leu Gln Leu Met Cys Thr Ala 195 200 205 Pro Pro Gly Ala Val Gln Gly His Trp Ala Arg Glu Ala Pro Gly Ala 210 215 220 Trp Asp Cys Ser Val Glu Asn Gly Gly Cys Glu His Ala Cys Asn Ala 225 230 235 240 Ile Pro Gly Ala Pro Arg Cys Gln Cys Pro Ala Gly Ala Ala Leu Gln 245 250 255 Ala Asp Gly Arg Ser Cys Thr Ala Ser Ala Thr Gln Ser Cys Asn Asp 260 265 270 Leu Cys Glu His Phe Cys Val Pro Asn Pro Asp Gln Pro Gly Ser Tyr 275 280 285 Ser Cys Met Cys Glu Thr Gly Tyr Arg Leu Ala Ala Asp Gln His Arg 290 295 300 Cys Glu Asp Val Asp Asp Cys Ile Leu Glu Pro Ser Pro Cys Pro Gln 305 310 315 320 Arg Cys Val Asn Thr Gln Gly Gly Phe Glu Cys His Cys Tyr Pro Asn 325 330 335 Tyr Asp Leu Val Asp Gly Glu Cys Val Glu Pro Val Asp Pro Cys Phe 340 345 350 Arg Ala Asn Cys Glu Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr 355 360 365 Leu Cys Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Pro Ile Pro His Glu Pro His 370 375 380 Arg Cys Gln Met Phe Cys Asn Gln Thr Ala Cys Pro Ala Asp Cys Asp 385 390 395 400 Pro Asn Thr Gln Ala Ser Cys Glu Cys Pro Glu Gly Tyr Ile Leu Asp 405 410 415 Asp Gly Phe Ile Cys Thr Asp Ile Asp Glu Cys Glu Asn Gly Gly Phe 420 425 430 Cys Ser Gly Val Cys His Asn Leu Pro Gly Thr Phe Glu Cys Ile Cys 435 440 445 Gly Pro Asp Ser Ala Leu Val Arg His Ile Gly Thr Asp Cys Asp Ser 450 455 460 Gly Lys Val Asp Gly Gly Asp Ser Gly Ser Gly Glu Pro Pro Pro Ser 465 470 475 480 Pro Thr Pro Gly Ser Thr Leu Thr Pro Pro Ala Val Gly Leu Val His 485 490 495 Ser Gly Leu Leu Ile Gly Ile Ser Ile Ala Ser Leu Cys Leu Val Val 500 505 510 Ala Leu Leu Ala Leu Leu Cys His Leu Arg Lys Lys Gln Gly Ala Ala 515 520 525 Arg Ala Lys Met Glu Tyr Lys Cys Ala Ala Pro Ser Lys Glu Val Val 530 535 540 Leu Gln His Val Arg Thr Glu Arg Thr Pro Gln Arg Leu 545 550 555
【0196】配列番号:14 配列の長さ:462 配列の型:アミノ酸 配列 Ala Pro Ala Glu Pro Gln Pro Gly Gly Ser Gln Cys Val Glu His Asp 1 5 10 15 Cys Phe Ala Leu Tyr Pro Gly Pro Ala Thr Phe Leu Asn Ala Ser Gln 20 25 30 Ile Cys Asp Gly Leu Arg Gly His Leu Met Thr Val Arg Ser Ser Val 35 40 45 Ala Ala Asp Val Ile Ser Leu Leu Leu Asn Gly Asp Gly Gly Val Gly 50 55 60 Arg Arg Arg Leu Trp Ile Gly Leu Gln Leu Pro Pro Gly Cys Gly Asp 65 70 75 80 Pro Lys Arg Leu Gly Pro Leu Arg Gly Phe Gln Trp Val Thr Gly Asp 85 90 95 Asn Asn Thr Ser Tyr Ser Arg Trp Ala Arg Leu Asp Leu Asn Gly Ala 100 105 110 Pro Leu Cys Gly Pro Leu Cys Val Ala Val Ser Ala Ala Glu Ala Thr 115 120 125 Val Pro Ser Glu Pro Ile Trp Glu Glu Gln Gln Cys Glu Val Lys Ala 130 135 140 Asp Gly Phe Leu Cys Glu Phe His Phe Pro Ala Thr Cys Arg Pro Leu 145 150 155 160 Ala Val Glu Pro Gly Ala Ala Ala Ala Ala Val Ser Ile Thr Tyr Gly 165 170 175 Thr Pro Phe Ala Ala Arg Gly Ala Asp Phe Gln Ala Leu Pro Val Gly 180 185 190 Ser Ser Ala Ala Val Ala Pro Leu Gly Leu Gln Leu Met Cys Thr Ala 195 200 205 Pro Pro Gly Ala Val Gln Gly His Trp Ala Arg Glu Ala Pro Gly Ala 210 215 220 Trp Asp Cys Ser Val Glu Asn Gly Gly Cys Glu His Ala Cys Asn Ala 225 230 235 240 Ile Pro Gly Ala Pro Arg Cys Gln Cys Pro Ala Gly Ala Ala Leu Gln 245 250 255 Ala Asp Gly Arg Ser Cys Thr Ala Ser Ala Thr Gln Ser Cys Asn Asp 260 265 270 Leu Cys Glu His Phe Cys Val Pro Asn Pro Asp Gln Pro Gly Ser Tyr 275 280 285 Ser Cys Met Cys Glu Thr Gly Tyr Arg Leu Ala Ala Asp Gln His Arg 290 295 300 Cys Glu Asp Val Asp Asp Cys Ile Leu Glu Pro Ser Pro Cys Pro Gln 305 310 315 320 Arg Cys Val Asn Thr Gln Gly Gly Phe Glu Cys His Cys Tyr Pro Asn 325 330 335 Tyr Asp Leu Val Asp Gly Glu Cys Val Glu Pro Val Asp Pro Cys Phe 340 345 350 Arg Ala Asn Cys Glu Tyr Gln Cys Gln Pro Leu Asn Gln Thr Ser Tyr 355 360 365 Leu Cys Val Cys Ala Glu Gly Phe Ala Pro Ile Pro His Glu Pro His 370 375 380 Arg Cys Gln Met Phe Cys Asn Gln Thr Ala Cys Pro Ala Asp Cys Asp 385 390 395 400 Pro Asn Thr Gln Ala Ser Cys Glu Cys Pro Glu Gly Tyr Ile Leu Asp 405 410 415 Asp Gly Phe Ile Cys Thr Asp Ile Asp Glu Cys Glu Asn Gly Gly Phe 420 425 430 Cys Ser Gly Val Cys His Asn Leu Pro Gly Thr Phe Glu Cys Ile Cys 435 440 445 Gly Pro Asp Ser Ala Leu Val Arg His Ile Gly Thr Asp Cys 450 455 460
【0197】配列番号:15 配列の長さ:1386 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 配列 GCACCCGCAG AGCCGCAGCC GGGTGGCAGC CAGTGCGTCG AGCACGACTG CTTCGCGCTC 60 TACCCGGGCC CCGCGACCTT CCTCAATGCC AGTCAGATCT GCGACGGACT GCGGGGCCAC 120 CTAATGACAG TGCGCTCCTC GGTGGCTGCC GATGTCATTT CCTTGCTACT GAACGGCGAC 180 GGCGGCGTTG GCCGCCGGCG CCTCTGGATC GGCCTGCAGC TGCCACCCGG CTGCGGCGAC 240 CCCAAGCGCC TCGGGCCCCT GCGCGGCTTC CAGTGGGTTA CGGGAGACAA CAACACCAGC 300 TATAGCAGGT GGGCACGGCT CGACCTCAAT GGGGCTCCCC TCTGCGGCCC GTTGTGCGTC 360 GCTGTCTCCG CTGCTGAGGC CACTGTGCCC AGCGAGCCGA TCTGGGAGGA GCAGCAGTGC 420 GAAGTGAAGG CCGATGGCTT CCTCTGCGAG TTCCACTTCC CAGCCACCTG CAGGCCACTG 480 GCTGTGGAGC CCGGCGCCGC GGCTGCCGCC GTCTCGATCA CCTACGGCAC CCCGTTCGCG 540 GCCCGCGGAG CGGACTTCCA GGCGCTGCCG GTGGGCAGCT CCGCCGCGGT GGCTCCCCTC 600 GGCTTACAGC TAATGTGCAC CGCGCCGCCC GGAGCGGTCC AGGGGCACTG GGCCAGGGAG 660 GCGCCGGGCG CTTGGGACTG CAGCGTGGAG AACGGCGGCT GCGAGCACGC GTGCAATGCG 720 ATCCCTGGGG CTCCCCGCTG CCAGTGCCCA GCCGGCGCCG CCCTGCAGGC AGACGGGCGC 780 TCCTGCACCG CATCCGCGAC GCAGTCCTGC AACGACCTCT GCGAGCACTT CTGCGTTCCC 840 AACCCCGACC AGCCGGGCTC CTACTCGTGC ATGTGCGAGA CCGGCTACCG GCTGGCGGCC 900 GACCAACACC GGTGCGAGGA CGTGGATGAC TGCATACTGG AGCCCAGTCC GTGTCCGCAG 960 CGCTGTGTCA ACACACAGGG TGGCTTCGAG TGCCACTGCT ACCCTAACTA CGACCTGGTG 1020 GACGGCGAGT GTGTGGAGCC CGTGGACCCG TGCTTCAGAG CCAACTGCGA GTACCAGTGC 1080 CAGCCCCTGA ACCAAACTAG CTACCTCTGC GTCTGCGCCG AGGGCTTCGC GCCCATTCCC 1140 CACGAGCCGC ACAGGTGCCA GATGTTTTGC AACCAGACTG CCTGTCCAGC CGACTGCGAC 1200 CCCAACACCC AGGCTAGCTG TGAGTGCCCT GAAGGCTACA TCCTGGACGA CGGTTTCATC 1260 TGCACGGACA TCGACGAGTG CGAAAACGGC GGCTTCTGCT CCGGGGTGTG CCACAACCTC 1320 CCCGGTACCT TCGAGTGCAT CTGCGGGCCC GACTCGGCCC TTGTCCGCCA CATTGGCACC 1380 GACTGT 1386
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒト肺から精製して得られる、トロンビンによ
るプロテインC活性化を促進する作用を有するペプチド
を参考例2において4回目のDIP−トロンビン−アガ
ロ−スカラムクロマトグラフィーに供した結果を示すグ
ラフである。
【図2】参考例3−(2)で得られる、DNA断片TM
13の塩基配列を示すものである。
【図3】図2に続き参考例3−(2)で得られる、DN
A断片TM13の塩基配列を示すものである。
【図4】参考例3−(5)で得られる、DNA断片TM
137の塩基配列を示すものである。
【図5】図4に続き参考例3−(5)で得られる、DN
A断片TM137の塩基配列を示すものである。
【図6】図5に続き参考例3−(5)で得られる、DN
A断片TM137の塩基配列を示すものである。
【図7】図6に続き参考例3−(5)で得られる、DN
A断片TM137の塩基配列を示すものである。
【図8】参考例3−(7)で得られる、DNA断片TM
P5の塩基配列を示すものである。
【図9】図8に続き参考例3−(7)で得られる、DN
A断片TMP5の塩基配列を示すものである。
【図10】参考例3−(10)で得られる、DNA断片
TMP26塩基配列を示すものである。
【図11】DNA断片TMP13、TM137、TMP
5およびTMP26と参考例3−(13−1)及び3−
(13−2)で得られるDNA断片TMJ1とTMJ2
の各制限酵素地図と、これらのDNA断片の有する塩基
配列における対応関係を示すものであり、縦方向にみて
各DNA断片の互いに重なる部分は共通の塩基配列を有
することを示す。図中DNA断片TMJ2の制限酵素地
図の斜線部分は斜交線部分とを含む部分は考えられるオ
ープンリーディングフレームであり、斜交線部分に本発
明の塩基配列が存在するものである。
【図12】TMJ1とそれに結合したTMP5を含有す
るプラスミドpUC18TMJ1の構築を示すフローチ
ャートである。
【図13】TMJ1とそれに結合したTMP26を含有
するプラスミドpUC18TMJ2の構築を示すフロー
チャートである。
【図14】TMJ2を動物細胞宿主用発現ベクターにT
MJ2を挿入することによりプラスミドpSV2TMJ
2の構築を示すフローチャートである。
【図15】実施例1−(2)−(a)で得られた組換え
体プラスミドM−13mp19TMJ3にディリーター
TMDが相補的にハイブリダイズしたところを示すもの
であり、ディリーターがプラスミドにハイブリダイズし
ている部分の周辺の塩基配列とそれによってコードされ
ているアミノ酸配列を示すものである。
【図16】実施例1−(2)−(b)で得られた組換え
体プラスミドpSV2TMD1にディリーターTMd2
が相補的にハイブリダイズしたところを示すものであ
り、ディリーターがプラスミドにハイブリダイズしてい
る部分の周辺の塩基配列とそれによってコードされてい
るアミノ酸配列を示すものである。
【図17】実施例1−(2)−(a)で得られた組換え
体プラスミドM−13mp19TMJ3にディリーター
TMd3が相補的にハイブリダイズしたところを示すも
のであり、ディリーターがプラスミドにハイブリダイズ
している部分の周辺の塩基配列とそれによってコードさ
れているアミノ酸配列を示すものである。
【図18】実施例1−(4)−(a)で得られた組換え
体プラスミドM13−TMD3にディリーターTMd2
が相補的にハイブリダイズしたところを示すものであ
り、ディリーターがプラスミドにハイブリダイズしてい
る部分の周辺の塩基配列とそれによってコードされてい
るアミノ酸配列を示すものである。
【図19】実施例1−(4)−(a)で得られた組換え
体プラスミドM13−TMD3にディリーターTMd4
が相補的にハイブリダイズしたところを示すものであ
り、ディリーターがプラスミドにハイブリダイズしてい
る部分の周辺の塩基配列とそれによってコードされてい
るアミノ酸配列を示すものである。
【図20】本発明の複製可能な組換え体DNAであるプ
ラスミドpdBPVTMD5−1の構築を示すフローチ
ャートである。
【図21】図20に続く複製可能な組換え体DNAであ
るプラスミドpdBPVTMD5−1の構築を示すフロ
ーチャートである。
【図22】本発明の複製可能な組換え体DNAであるプ
ラスミドpdBPVTMD4−1の構築を示すフローチ
ャートである。
【図23】図22に続く複製可能な組換え体DNAであ
るプラスミドpdBPVTMD4−1の構築を示すフロ
ーチャートである。
【図24】本発明の複製可能な組換え体DNAであるプ
ラスミドpdBPVTMD2−1の構築を示すフローチ
ャートである。
【図25】図24に続く複製可能な組換え体DNAであ
るプラスミドpdBPVTMD2−1の構築を示すフロ
ーチャートである。
【図26】本発明の複製可能な組換え体DNAであるプ
ラスミドpdBPVTMD1−1の構築を示すフローチ
ャートである。
【図27】図24に続く複製可能な組換え体DNAであ
るプラスミドpdBPVTMD1−1の構築を示すフロ
ーチャートである。
【図28】本発明の複製可能な組換え体DNAであるプ
ラスミドpdBPVTMJ2−1の構築を示すフローチ
ャートである。
【図29】図27に続く複製可能な組換え体DNAであ
るプラスミドpdBPVTMJ2−1の構築を示すフロ
ーチャートである。
【図30】プラスミドpSV2TMD5でトランスフォ
ームした細胞を培養・精製し、得られたペプチドの存在
下及び非存在下における、プロテインCとトロンビンと
の反応によって生成した活性化プロテインCの量と反応
時間との関係を示すグラフである。
【図31】プラスミドpSV2TMD4でトランスフォ
ームした細胞を培養・精製し、得られたペプチドの存在
下及び非存在下における、プロテインCとトロンビンと
の反応によって生成した活性化プロテインCの量と反応
時間との関係を示すグラフである。
【図32】プラスミドpSV2TMD2でトランスフォ
ームした細胞を培養・精製し、得られたペプチドの存在
下及び非存在下における、プロテインCとトロンビンと
の反応によって生成した活性化プロテインCの量と反応
時間との関係を示すグラフである。
【図33】プラスミドpSV2TMD1でトランスフォ
ームした細胞を培養・精製し、得られたペプチドの存在
下及び非存在下における、プロテインCとトロンビンと
の反応によって生成した活性化プロテインCの量と反応
時間との関係を示すグラフである。
【図34】プラスミドpSV2TMJ2でトランスフォ
ームした細胞を培養・精製し、得られたペプチドの存在
下及び非存在下における、プロテインCとトロンビンと
の反応によって生成した活性化プロテインCの量と反応
時間との関係を示すグラフである。
【図35】プラスミドpSV2TMD5でトランスフォ
ームした細胞を培養・精製し、得られたペプチドを添加
した血液の凝固時間と精製した本発明のペプチドの添加
量との関係を示すグラフである。
【図36】プラスミドpSV2TMD4でトランスフォ
ームした細胞を培養・精製し、得られたペプチドを添加
した血液の凝固時間と精製した本発明のペプチドの添加
量との関係を示すグラフである。
【図37】プラスミドpSV2TMD2でトランスフォ
ームした細胞を培養・精製し、得られたペプチドを添加
した血液の凝固時間と精製した本発明のペプチドの添加
量との関係を示すグラフである。
【図38】プラスミドpSV2TMD1でトランスフォ
ームした細胞を培養・精製し、得られたペプチドを添加
した血液の凝固時間と精製した本発明のペプチドの添加
量との関係を示すグラフである。
【図39】プラスミドpSV2TMJ2でトランスフォ
ームした細胞を培養・精製し、得られたペプチドを添加
した血液の凝固時間と精製した本発明のペプチドの添加
量との関係を示すグラフである。
【図40】DNA断片TMJ2の制限酵素地図である。
図中、斜線部分と斜交線部分とを含む部分は考えられる
オープンリーディングフレームであり、斜交線部分に本
発明のペプチドをコードする塩基配列が存在するもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07K 14/745 C12N 5/00 B (C12P 21/02 C12R 1:91) (31)優先権主張番号 特願昭62−305876 (32)優先日 昭62(1987)12月4日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭62−305877 (32)優先日 昭62(1987)12月4日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭62−305878 (32)優先日 昭62(1987)12月4日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トロンビンに結合し、トロンビンによる
    プロテインCの活性化を促進する作用を有し、少なくと
    も界面活性剤の非存在下で可溶性である実質的に精製さ
    れた可溶性ペプチドと、投与可能、かつ生理食塩水又は
    ブドウ糖注射液に溶解し得る担体とを含有する水溶液
    を、凍結乾燥することを特徴とする凍結乾燥製剤の製造
    法。
  2. 【請求項2】 実質的に精製された可溶性ペプチドが、
    下記(a)〜(f)に規定される可溶性ペプチドである
    請求項1に記載の製造法。 (a)トロンビンに結合し、(b)トロンビンによるプ
    ロテインCの活性化を促進する作用を有する、(c)少
    なくとも界面活性剤の非存在下で可溶性である、(d)
    トロンビンによる凝固時間を延長する、(e)トロンビ
    ンによる血小板凝集を抑制する、(f)SDS−ポリア
    クリルアミドゲル上にて、銀染色が可能である。
  3. 【請求項3】 該可溶性ペプチドが、組換えペプチドで
    あって、少なくとも該組換えペプチド中に、ヒト由来の
    夾雑成分を実質的に含有しない請求項1または2に記載
    の製造法。
  4. 【請求項4】 該可溶性ペプチドのアミノ酸配列の相同
    性が、該アミノ酸配列の範囲において、下記の制限酵素
    地図 【化1】 に示された制限酵素サイトを有することにより特徴付け
    られるヒト由来のDNAがコードし得るトロンビンに結
    合し、トロンビンによるプロテインCの活性化を促進す
    る作用を有するペプチドのアミノ酸配列と完全に一致す
    る相同性であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の製造法。
  5. 【請求項5】 該可溶性ペプチドが、DIP−トロンビ
    ン−アガロースカラムに結合せしめたときに、1M N
    aCl、0.1mM EDTA、1mM ベンズアミジ
    ン塩酸、0.5%(v/v)ポリドカノールを含む0.
    02Mトリス塩酸緩衝液(pH7.5)により溶出でき
    る性質を有するか、又は該可溶性ペプチドが、0.1M
    NaCl、0.5mM CaCl2 、0.5%(v/
    v)ポリドカノールを含む0.02Mトリス塩酸緩衝液
    (pH7.5)により平衡化したDIP−トロンビン−
    アガロースカラムに、該緩衝液にて該可溶性ペプチドを
    溶解せしめた溶液を接触せしめた場合に、該可溶性ペプ
    チドが前記カラムに結合せしめることができる性質を有
    することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    製造法。
  6. 【請求項6】 該可溶性ペプチドが、少なくとも、Al
    a−Pro−Ala−Glu−Pro−Gln−Pro
    −Gly−Gly−Ser−Glnのアミノ酸配列を含
    有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の製造法。
  7. 【請求項7】 該凍結乾燥製剤が、血液凝固を制御する
    ための、または血小板凝集を制御するための、または血
    栓溶解のための凍結乾燥製剤であること、又は該凍結乾
    燥製剤が静注用製剤であること、又は該凍結乾燥製剤中
    に可溶性ペプチドが1回投与量として0.1〜200m
    g含有されること、のいずれかを特徴とする請求項1〜
    6のいずれかに記載の製造法。
  8. 【請求項8】 該可溶性ペプチドが、(i)配列番号3
    の1−498のアミノ酸配列からなる可溶性ペプチド、
    (ii)前記(i)に記載の可溶性ペプチドのアミノ酸
    が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からな
    り、且つトロンビンに結合し、トロンビンによるプロテ
    インCの活性化を促進する作用を有する活性を有する可
    溶性ペプチド、のいずれかであることを特徴とする請求
    項1〜7のいずれかに記載の製造法。
  9. 【請求項9】 該可溶性ペプチドが、(i)配列番号8
    の1−272のアミノ酸配列において、少なくとも該配
    列番号8の119−236のアミノ酸配列を包含するよ
    うに該配列番号8のN末端及び/又はC末端の任意の個
    数のアミノ酸が削除されていてもよいアミノ酸配列から
    なるトロンビンに結合し、トロンビンによるプロテイン
    Cの活性化を促進する作用を有する活性を有する可溶性
    ペプチド、(ii)前記(i)に記載の可溶性ペプチド
    の1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加
    されたアミノ酸配列からなり、且つトロンビンに結合
    し、トロンビンによるプロテインCの活性化を促進する
    作用を有する活性を有する可溶性ペプチド、のいずれか
    であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載
    の製造法。
  10. 【請求項10】 該可溶性ペプチドが、トロンビンに結
    合し、トロンビンによるプロテインCの活性化を促進す
    る作用を有し、少なくとも界面活性剤の非存在下で可溶
    性であって、以下のアミノ酸配列を包含するアミノ酸配
    列からなる実質的に精製された可溶性ペプチドであるこ
    とを特徴とする請求項1〜9に記載の製造法。 (i)配列番号1の1−118のアミノ酸配列、(i
    i)配列番号1の1−118のアミノ酸配列において1
    若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加され
    たアミノ酸配列であり、且つトロンビンに結合し、トロ
    ンビンによるプロテインCの活性化を促進する作用を有
    する活性を発現するアミノ酸配列。
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