JPH05219957A - 組織因子誘導体 - Google Patents

組織因子誘導体

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JPH05219957A
JPH05219957A JP3033513A JP3351391A JPH05219957A JP H05219957 A JPH05219957 A JP H05219957A JP 3033513 A JP3033513 A JP 3033513A JP 3351391 A JP3351391 A JP 3351391A JP H05219957 A JPH05219957 A JP H05219957A
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JP
Japan
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tissue factor
amino acid
derivative
cdna
vii
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JP3033513A
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English (en)
Inventor
Jun Mizuguchi
純 水口
Chikahide Nozaki
周英 野崎
Hiroshi Goto
啓 後藤
Fukusaburo Hamada
福三郎 濱田
Seiji Miyamoto
誠二 宮本
Akinobu Funatsu
昭信 船津
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Chemo Sero Therapeutic Research Institute Kaketsuken
Original Assignee
Chemo Sero Therapeutic Research Institute Kaketsuken
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 汎発性血管内凝固症治療薬として有効な血液
凝固第VII因子との結合活性を有する組織因子誘導体の
作製方法の提供。 【構成】 ヒト組織因子の親水性ペプチド領域の一部か
らなり、本来のヒト組織因子のアミノ末端側のジスルフ
ィド結合を構成しうるアミノ酸配列、好ましくはアミノ
末端アミノ酸から数えて11番目のアミノ酸から67番
目のアミノ酸までのペプチド領域を含むN端側アミノ酸
配列からなる組織因子誘導体を遺伝子組換え法を用いて
作製する。さらに、得られた組織因子誘導体と血液凝固
第VII因子との結合活性を評価する独自の測定系を開発
し、得られた組織因子誘導体が血液凝固第VII因子との
結合活性を有することを確認する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遺伝子組換え組織因子
誘導体に関する。さらに詳細には、血液凝固第VII因子
(以下、F.VII)との結合活性を有する組織因子誘導体
に関する。
【0002】
【従来技術】出血は生体にとって最も重篤な状態のひと
つであり、これを制御する一連の血液凝固反応が、数多
くある生体防御反応の中でも重要なシステムである事は
よく知られている。多くの複雑な反応から構成される一
連の血液凝固反応はカスケード反応と呼ばれている。カ
スケード反応は、内因系カスケード反応と外因系カスケ
ード反応の2つに大別される。血液凝固研究の歴史を見
ると、内因系カスケード反応の研究が先に行われた。こ
れは外因系を構成する一連の凝固因子群の精製が困難で
ありその実態が分析出来なかった事にある。これに比べ
て、内因系を構成する一連の凝固因子は、困難を伴いつ
つも研究が行われそのメカニズムが蛋白分子レベルで解
明された。その結果、内因系の研究が進展するにつれ、
実際に生体内でおこる血液凝固カスケード反応における
内因系の果たす生理的意義は疑問視されるようになって
きた(Y. Nemerson, Blood, 71(1988)p1-8)。
【0003】一方、遺伝子工学・モノクローナル抗体等
を中心としたバイオテクノロジーは驚異的な発達を遂
げ、多くの未知の蛋白質を分子レベルで解析することを
可能にした。この波は凝固因子の研究分野にも当然波及
して来た。このような状況の中で、外因系を構成する血
液凝固因子をバイオテクノロジーの手法を用いて、蛋白
分子レベルで解析することが可能となった。その結果現
在では、生理的に重要な血液凝固反応は主として外因系
カスケード反応であると考えられるようになった(Y. N
emerson, Blood, 71(1988)p1-8)。外因系カスケード反
応は、組織因子がその開始因子である。従って、生理的
に血液が凝固する殆どの場合、組織因子がその引き金を
引いている。即ち止血という正常な血液凝固反応から、
血栓症・汎発性血管内凝固症候群など病的な血液凝固反
応にいたるまで、組織因子はそれらの開始因子という意
味で非常に重要な蛋白質である(第1図)。
【0004】血液は組織因子に接触するだけで凝固す
る。組織因子は血球、血管内皮細胞等、血液が通常接し
ている生体構成成分の表面には存在せず、それ以外の大
部分の組織に存在する。このことが『組織因子』の名前
の由来でもある。組織因子は脂質部分と蛋白の安定な複
合体で、一種のリポ蛋白で、細胞膜中に存在している
(小林紀夫、Annual Review 血液 1988 p136)。まず、
血中の血液凝固第VII因子(以下F.VIIと省略)が組織
因子に結合し複合体を形成する。この複合体が血液凝固
第IX因子、X因子(以下それぞれF.IX、F.Xと省略)を
活性化する事によって血液凝固カスケード反応が進行
し、最終的に血液が凝固する。これらの反応において組
織因子は、F.VIIがF.IX、F.Xを活性化する反応にお
いて必須である。即ち組織因子がF.VIIと複合体を形成
しなければ、上記の反応は進行せず重篤な出血症状を呈
することになる。組織因子それ自体の機能は補酵素であ
る。即ち組織因子がないと反応は実質的に進まない。以
上のことから組織因子は、止血という正常な血液凝固反
応においてスイッチの役割を果たしている(第1図)。
【0005】組織因子は通常、血球・血管内皮細胞等、
血液が通常接している生体構成成分の表面には存在しな
い。このため血液は通常血管が破壊されるなどして組織
因子に接触しない限り、凝固することなく流動性を保ち
続けている。しかしながらある疾患では血液中に組織因
子が出現し、その結果血液が凝固を開始し、汎発性血管
内凝固(DIC)という病態を呈する事がある。血液中
に組織因子が出現する疾患としては白血病、その中でも
急性前骨髄性白血病が上げられる。この疾患においてD
ICが出現する機構は次の通りである。白血球がある種
の癌化状態になると、その表面に組織因子を発現する。
白血球上に発現した組織因子は血液と接触するので全身
のあちこちで凝固反応が進行する。このため全身に微細
な血栓が多数生じ、その結果DIC症状を呈することと
なる。以上の事より組織因子は、DICという異常な血
液凝固反応においてその原因物質の役割を果たしている
といえる
【0006】組織因子の存在は古くより指摘されていた
が、実際蛋白質レベルで発見、同定されたのは1985年前
後である(Broze, J. Biol. Chem., 260(1985)10917-109
20 etc)。その後、組織因子のアミノ酸部分シークエン
スが解明される(Am.Heat.Assoc., Bach及びMorrissey
ら、1986年11月)などの研究成果を経て、cDNAクロ
ーニングが行われるようになった。その中で、Spicerら
は、組織因子のアポ蛋白は263アミノ酸残基からなり、
さらに、この蛋白は3つのドメインからなり、1-219残
基の親水性ペプチド領域が細胞外に、220-242残基が細
胞膜内に、243-263残基が細胞質内に存在していること
を報告している(E.Spicer et al, Proc. Natl.Acad. S
ci. USA, 84(1987)5148-5152)。組織因子のアポ蛋白
は、それ自身凝固活性はないが、細胞膜のリン脂質内に
埋め込まれた形で凝固活性化作用を示す。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】従来技術の項目で述
べたように、組織因子は血液凝固の開始因子である。従
って、組織因子が血液と接触する事によって生じるDI
C等の血液凝固異常疾患の治療には、組織因子を無力化
することが非常に有効であると期待される。現在、DI
C治療薬の代表的なものとしては、AT-III、ヘパリン、
FOY等があるが、そのいずれも作用するポイントが血
液凝固カスケード反応の下流であるため、量的に増幅さ
れた凝固因子をブロックする必要があり、多くの投与量
が必要である。これと比較して、F.VIIと結合し、かつ
凝固活性を持たない組織因子誘導体をアナログとして患
者に投与してやれば、血液凝固カスケード反応の最上流
をブロックすることとなり、より少量の投与量で済み、
最も理に適ったDIC治療薬となりうる。
【0008】Genentech社は、1986年11月の Am. Heart
Assoc. において、Bachら、及びMorrisseyらのグループ
の発表した組織因子の部分アミノ酸配列データーを基に
オリゴヌクレオチドプローブを作製し、これを用いて組
織因子(1−220;アミノ末端アミノ酸(1)から22
0番目のアミノ酸までのペプチドを意味する)のcDN
Aをスクリーニング及びクローニングしたと述べている
(特開昭63-301797)。又、得られた組織因子を再脂質
化し、これを血友病犬に投与したときの無毒性・止血上
の有効性を述べている。すなわち、Genentech社は組織
因子を血有病の治療薬としての応用を考えている。
【0009】Scripps研究所のエジントンらは、PCT公
開:WO88/07543、第13回国際止血血栓学会、Cell, 50
(1987)129-135等の中で、組織因子の蛋白質1次構造を
基に10〜30残基から構成される種々のペプチドを合成
し、これら合成ペプチドによる凝固阻害実験をin-vitro
で行っている。その結果、『Trp-Lys-Ser』構造を含む
2種類の合成ペプチドが、凝固反応を阻害したので、こ
れらをF.VII分子との結合部位であると称している。し
かし、この実験ではこれら合成ペプチドが直接F.VIIと
結合し凝固反応を阻害したかどうかは不明であり、単に
合成されたペプチドがその化学的性質等の偶然性故に、
複雑な凝固反応系の別の所を阻害した可能性は否定出来
ない。更に重要な事には、これら多種の合成ペプチドを
リン脂質で再構成すると、そのほとんどが、凝固反応を
阻害している。従って、この実験系は果たして特異的な
ものかどうか疑念の余地がある。
【0010】以上のことより、組織因子をDIC治療薬
として応用するには、F.VIIと結合しかつ凝固活性を持
たない組織因子誘導体をデザインする必要がある。即
ち、組織因子の任意の部分誘導体を可能な限りインタ
クトなコンフォメーションを伴った状態で調製できる
事、血液凝固第VII因子との結合力を特異的に調べら
れるスクリーニング系を持つ事が非常に重要である。さ
らに、これらを踏まえた上で、凝固反応を阻害すること
を満足しなければならない。また、DIC治療薬として
の応用を考えた場合、大量に、安定に、しかも低コスト
で得られることが重要となる。実際、生体臓器を原料と
して、組織因子及びその誘導体、特にF.VII結合部位を
調製し、治療薬に応用することは、原料の入手・収率・
コスト・純度・コンタミする微生物等の問題より、実質
上不可能である。
【0011】このような場合には、遺伝子組換え法が一
つの有効な手段と考えられる。しかしながら、遺伝子組
換え法では、組換え蛋白が大きいと、発現効率が悪く、
コストも高くなり、また、Cys-Cys結合が多い分子種で
は、ジスルフィド結合の再構成の不正確のため、生産性
が低下する等の欠点がある。逆に、組換え蛋白が小さす
ぎると、組織因子が本来有する生物学的活性、すなわ
ち、F.VII結合活性が喪失し、さらに、このような分子
サイズの小さいペプチドは、菌体内で分解を受け易く、
発現量をコントロールすることが困難であるという欠点
がある。
【0012】
【問題を解決するための手段】このような状況におい
て、本発明者らは、DIC治療薬として有効な、F.VII
結合活性を有する、可能な限りコンパクトな組織因子誘
導体を調製すべく検討を重ねた結果、ヒト組織因子の親
水性ペプチド領域においてジスルフィド結合が保存され
ている領域(49−57)、かつ、ヒト及びマウスの組
織因子のアミノ酸配列の比較データより、ホモロジーが
最も高い領域(11−67)が重要であると考え、少な
くともその領域を含むアミノ酸配列をコードするDNA
フラグメントを選択した。そして、遺伝子組換え法を用
いて、係る領域を含む種々の組織因子誘導体を調製する
ことに成功した。さらに、本発明によって、強いF.VII
結合活性を有する組織因子誘導体を調製することに成功
した。特に、高発現性、及び、強いF.VII結合活性を有
する、上記ペプチド領域を含む、より分子サイズの小さ
い組織因子誘導体を得ることに成功した。
【0013】すなわち、本発明は、DIC治療薬として
の応用の可能性を有する、最もエッセンシャルかつ、十
分なF.VII結合活性をもった最小のヒト組織因子誘導体
を提供するものである。
【0014】以下に本発明の組織因子誘導体の調製方法
について詳細に説明する。
【0015】まず、組織因子の蛋白質フラグメントを調
製するのに必要なセルラインとしては、白血病細胞の一
種で組織因子を常に高く発現しているRET-1 cellが用い
られる。
【0016】このRET-1 cell 由来RNAから合成され
たcDNAより、ポリメラーゼ・チェイン・リアクショ
ン(PCR)法を用いて、所望とするアミノ酸配列をコ
ードするDNAフラグメントを増幅する。この場合、公
知のヒト組織因子の塩基配列(J. Morrissey et al., C
ell, 50(1987)129-135 等)を基に、所望とするDNA
フラグメントの5'側及び3'側プライマーをDNA合成機
を用いて調製する。
【0017】ここで、公知のヒト組織因子の塩基配列
(J. Morrissey et al., Cell, 50(1987)129-135 等)
より、ジスルフィド結合が保存されている領域は49−
57であり、さらに、ヒト及びマウスの組織因子のアミ
ノ酸配列の比較データ(S. Hartzell et al., Molecula
r and Cellular Biology, 9(1989)2567-2573)より、ホ
モロジーが最も高い領域は11−67である。また、宿
主として大腸菌を用いる場合、一般的に分子量が10K
D(キロダルトン)以下の分子は分解を受け易く、その
発現量をコントロールすることが困難であるため、N端
側アミノ酸約10KDを含むポリペプチドをデザインす
るか、または、βgalactosidase(以下、βGal)等と融
合させて発現させることが望ましい。従って、本発明の
組織因子誘導体を調製する場合、ヒト組織因子のアミノ
酸配列のうち、少なくとも49−57領域、好ましくは
11−67領域、さらに好ましくは1−83領域を含む
アミノ酸配列をコードするDNAフラグメントを用いる
ことが望ましい。
【0018】このようにして得られたDNAフラグメン
トを発現ベクターに組み込み、該発現ベクターで宿主細
胞を形質転換させる。宿主細胞には、大腸菌、酵母、動
物細胞等が用いられる。該形質転換細胞を培養すること
によって、所望とする組織因子誘導体が得られる。βGa
l融合法を用いた場合は、組織因子誘導体及びβGalの融
合蛋白質が得られる。所望とする組織因子誘導体の発現
は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動及びウエスタン・
ブロット法によって確認することができる。
【0019】このようにして得られた組織因子誘導体
は、少なくとも49−57のジスルフィド結合領域を含
むポリペプチドであり、好ましくは11−67領域を含
むポリペプチドである。このような本発明の組織因子誘
導体の最も好ましいものの一つとして、1−83のペプ
チド領域からなる分子量約10KDのポリペプチドが挙
げられる。
【0020】次に、得られた組織因子誘導体のF.VII結
合活性を評価する。まず、F.VIIをコーティングしたE
LISAプレートに上記で得られた組織因子誘導体を反
応させ、その後、パーオキシダーゼで標識したヒト組織
因子に対するモノクローナル抗体を反応させる。ここ
で、本発明で用いたこのモノクローナル抗体はヒト組織
因子誘導体をマウスに免疫することにより、常法に従っ
て得られたもので、このモノクローナル抗体を産生する
ハイブリドーマHTF-K108は、工業技術院微生物工学研究
所(微工研)に受託番号第11979(FERM P-11979)
として寄託されている。この系を用いると、得られた組
織因子誘導体のF.VII結合活性を評価することが可能と
なる。
【0021】
【発明の効果】以上、本発明により、遺伝子組換え法を
用いて、F.VII結合活性を有するよりコンパクトな組織
因子誘導体を調製することが可能となった。その結果、
分子サイズの小さい組織因子誘導体を発現する系が高発
現性を有し、かつ、これより発現された組織因子誘導体
が優れたF.VII結合活性を有していることが明らかとな
った。このことは、DIC治療薬としての応用の観点か
ら、この組織因子誘導体が非常に有効であることを示唆
するものである。
【0022】以下、本発明の理解を深めるために実施例
に沿って説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0023】
【実施例1】組織因子に対するモノクローナル抗体の作製 組織因子に対するモノクローナル抗体はヒト胎盤由来の
組織因子を免疫原として、常法に従い作製した。
【0024】(1)組織因子の精製 ヒト胎盤をホモジナイズしアセトンパウダーを作製し
た。次に2%トライトンX100で組織因子を抽出し、
第VII因子をリガンドとしたアフィニティーカラムクロ
マトグラフィーで組織因子を精製した。純度はSDS PAGE
法で測定した(第3図)。
【0025】(2)免疫・ハイブリドーマの作製 精製ヒト組織因子を免疫原としてBALB/cマウスへ免疫し
た。抗血清を採取し、組織因子活性阻害能を測定・確認
後、マウスの脾臓からB細胞を回収し、ミエローマ(P
3X63)とフュージョンさせ、ハイブリドーマを作製
した。約400ウエルのハイブリドーマが形成された。
その後の培養は一般的手法に従った。
【0026】(3)スクリーニング・クローニング スクリーニングはELISAプレートに、免疫原として
も使用した組織因子抗原を吸着させ、BSAでブロッキ
ング後、ハイブリドーマの培養上清を反応させた。非特
異成分を十分洗い流し、西洋ワサビパーオキシダーゼ標
識抗マウスIgGを反応させた。基質としてはオルソフェ
ニルジアミンを用いた。適当に発色後、2Mの硫酸で反
応を停止させ、492nmの吸光度を測定した。約50ウエ
ルのハイブリドーマが陽性を示した。この50個につい
て力価の高い14クローンを選択し、更にクローニング
を行いモノクローナル抗体を得た。クローニング後、抗
体のサブクラスを検定したところ総てIgG1、κの組み
合わせであった。
【0027】(4)モノクローナル抗体の調製 このようにして作製したハイブリドーマ14クローンを
各々プリスタン処理したマウス腹腔内で培養させ、モノ
クローナル抗体を含む腹水を回収した。腹水からモノク
ローナル抗体の精製はファルマシア社から販売されてい
るプロテインAカラムクロマトグラフィーで行った。
【0028】(5)モノクローナル抗体のキャラクタリゼ
ーション このようにして得られた、モノクローナル抗体14種類
について、3種類の組換え組織因子誘導体;rTF1-219、
rTF1-174、rTF1-83と反応性をウエスタンブロットで調
べた。その結果、クローンナンバーHTF-K108のみが全て
の組換え組織因子誘導体と反応した。このモノクローナ
ル抗体を産生するハイブリドーマ(HTF-K108)は、工業
技術院微生物工業研究所(微工研)に受託番号FERM-P11
979号として寄託されている。以下の実施例には本クロ
ーンを使用した。
【0029】
【実施例2】組織因子cDNAの合成 (1)細胞の選択とRNAの抽出 組織因子高発現セルラインとしてRET-1 cellを選択し
た。これは森川らによって樹立された急性前骨髄性白血
病由来のセルラインで(森川;J.Histochem.Cytochem.,3
0:569.1982)、中村らによって組織因子の高い発現が確
認されている。RET-1 cell(3ディッシュ:30ml)を培養
し、γ-インターフェロン(東レ社製品)・フォルボー
ルエステル(Phorbol Myristate Acetate=Tetradecanoyl
Phorbol Acetate=TPA シグマ社)でインダクションをか
けた状態で3時間培養した。次に細胞を回収し、燐酸バ
ッファーで洗浄し、グアニジンチオシアネートで核酸を
抽出した。次に塩化セシウムの密度勾配遠心でRNAを
分画しフェノールエタノール法で沈澱回収した。本サン
プルを50μlのトリス−EDTAバッファーに懸濁
し、RET-1 cell由来RNAサンプルとした。
【0030】(2)RNAサンプルからcDNAの合成 RNAサンプルからcDNAの合成は、アマシャム社か
ら市販されている「cDNA合成システム・プラス」を
用いて行った。取り扱い説明書に従い以下のように行っ
た。RNAサンプルに逆転写酵素を作用させてファース
トストランドcDNAを合成した。プライマーはランダ
ムヘキサヌクレオチドを用いた。このようにして作製し
たRNA/cDNAハイブリッドを基質とし以下のよう
に行った。まず大腸菌リボヌクレアーゼHを作用させて
RNA鎖にニックとギャップを形成させた。引き続き大
腸菌DNAポリメラーゼIを作用させてRNA鎖をDN
Aに置き換えた。最後にT4DNAポリメラーゼを作用
させてファーストストランドDNAの3'末端にある小さ
なオーバーハングを除去した。以上の様にしてRET-1 ce
ll由来の総てのcDNA混合物を得た。
【0031】
【実施例3】組織因子(1−219)(rTF1-219)の作製 (1)PCR法による組織因子 cDNAの増幅 ヒト組織因子の塩基配列はモリシー等(J.Morrissey et
al,Cell,50:129-135(1987))、スパイサー等(E.Spicer
et al,ProNAS,84:5148-5152(198) )、スカルパチー等
(E.Scarpati et al,Biochemistry,26:5234-5238(198
7))、フィッシャー等(K.Fisher et al,Thrombsis Resea
rch,48:89-99,(1987))らによって発表されている。これ
らのデーターを基にPCR用のプライマーをDNA合成
機(アプライド社)で調製した。5'側のプライマーは、
制限酵素であるNcoIサイト、開始コドン、Ala及びアミ
ノ酸配列1−4を含む20merからなる配列(5'-CCATGGCT
-TCA-GGC-ACT-ACA-3')をもったDNAフラグメントで
ある。これをTFN1と命名した。3'側のプライマーは、ア
ミノ酸配列216−219、ストップコドン、制限酵素
HindIIIサイトに対するアンチセンスの19merから構成さ
れる配列(5'-AAGCTTA-TTC-TCT-GAA-TCC-3')を持った
DNAフラグメントである。これをTFC219と命名した。
【0032】上記の2つのDNAフラグメントを5'側及
び3'側のプライマーとした。これにシータス社より市販
されているPCRキットを用いて、先に調製したRET-1
cell由来の総てのcDNA混合物から組織因子cDNA
(アミノ酸配列1−219、蛋白質分子量;約26K、
DNAサイズ約660bp)を特異的に増幅した。操作法
はキットの添付文書に従った。PCR後、サンプルの一
部をアガロース電気泳動で分析し、分子量を確認したと
ころ、約660bpの位置に特異的に増幅されたバンドが観
察された。これは予想どおりの分子サイズであった。
又、コントロールとしてcDNA無しのサンプルでPC
Rを行ったが、いかなるバンドも検出されなかった(第
4図)。次にサンプル全量をアガロース電気泳動にアプ
ライしバンドを確認後バンドを含むアガロース断片を切
り出した。アガロース断片を少量のバッファーと共に透
析チューブに入れ電流を流しアガロース断片からPCR
増幅DNAフラグメントを抽出した。これをエタノール
で沈澱させ適当量のバッファーに懸濁した。このように
して得られたフラグメントをTFDNA1-219と命名した。
【0033】(2)rTF1-219発現用ベクターの調製 発現ベクターに組み込むため、TFDNA1-219を制限酵素Nc
oIとHindIIIで消化した。発現ベクターとして、ファル
マシア社から発売されているpKK233-2を用いた。pKK233
-2を制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、アガロース電気
泳動で分離・抽出し、制限酵素によって切り放される小
さなDNA断片を除去した。この消化済み発現ベクター
と、RET-1TF1-219DNAフラグメントの2つをT4リガ
ーゼで結合させた。これをpTF1-219と命名した(第5
図)
【0034】(3)トランスフォーメーション・発現・ス
クリーニング 上記反応溶液でJM109のコンピータントセル(宝酒
造販売)をトランスフォーメーションし、アンピシリン
を含んだアガロースプレートにまき、37℃で一晩培養
し、コロニーを形成させた。ランダムに14コロニーを
サンプリングし、2mMのイソプロピルベーターチオガラ
クトピラノシドを含む10mlのLB培地で37℃、一晩
振蕩培養した。培養液から大腸菌体を回収しグラスビー
ズで破壊し、1%SDSを含むTBSバッファーで37
℃、1時間処理し、蛋白質を抽出した。抽出サンプル1
4個についてSDS ポリアクリルアミド電気泳動を行い、
引き続きウェスタン・ブロットを行った。抗体には、実
施例1で得られた抗ヒトTFマウスモノクローナル抗体
HTF-K108を使用した。その結果14コロニー中13コロ
ニーが抗体と反応し、分子量約26KDの位置にバンドが確
認された。このようにして得られた組換え蛋白をrTF1-2
19と命名した。陰性コントロールとして大腸菌の抽出液
・陽性コントロールとしてヒト胎盤から精製した組織因
子を用いた。結果の一部を第6図に示す。
【0035】
【実施例4】組織因子(1−174)(rTF1-174)の作製 細胞の選択とRNAの抽出・RNAサンプルからcDN
Aの合成までのステップは実施例2と同じである。
【0036】(1)PCR法による組織因子 cDNAの増
PCR法を用いたcDNAの増幅反応に使う、プライマーの
塩基配列は、フィッシャー(K.Fisher et al,Thrombsis
Research,48:89-99,(1987))らのデーターを基にDNA
合成機(アプライド社)で調製した。5'側のプライマー
は実施例3のTFN1を用いた。3'末端のプライマーはアミ
ノ酸配列171-174、ストップコドン、HindIIIサイトを含
むアンチコドン側の19merから構成される配列(5'-AAGC
TTA-CTC-ATT-AGT-GTT-3')を持ったDNAフラグメント
を用いた。これをTFC176と命名した。
【0037】上記の2つのDNAフラグメントを5'側及
び3'側のプライマーとした。これにシータス社より供給
されているPCRキットを用いて、先に調製したRET-1
cell由来の総てのcDNA混合物から組織因子cDNA
(アミノ酸配列1−174、蛋白質分子量;約21K、
DNAサイズ約520bp)を特異的に増幅した。操作法
はキットに付属している業者の添付文書に従った。PC
R後、サンプルの一部をアガロース電気泳動で分析し分
子量を確認したところ約520bpの位置に特異的に増幅
されたバンドが観察された。これは予想どおりの分子サ
イズであった。又、コントロールとしてcDNA無しの
サンプルでPCRを行ったが、いかなるバンドも検出さ
れなかった(第4図)。次にサンプル全量をアガロース
電気泳動にアプライしバンドを確認後バンドを含むアガ
ロース断片を切り出した。アガロース断片を少量のバッ
ファーと共に透析チューブに入れ電流を流しアガロース
断片からPCR増幅DNAフラグメントを抽出した。こ
れをエタノールで沈澱させ適当量のバッファーに懸濁し
た。このようにして得られたフラグメントをTFDNA1ー174
と命名した。
【0038】(2)rTF1-174発現用ベクターの調製 発現ベクターに組み込むため、TFDNA1ー174を制限酵素Nc
oI・HindIIIで消化した。発現ベクターとして、ファル
マシア社から発売されているpKK233-2を用いた。pKK233
-2を制限酵素NcoI・HindIIIで消化し、アガロース電気
泳動で分離・抽出し、制限酵素によって切り放される小
さなDNA断片を除去した。この消化・精製済み発現ベク
ターと、TFDNA1ー174の2つをT4リガーゼで結合させ
た。この操作によって得られたプラスミドをpTF1-174と
命名した。
【0039】(3)トランスフォーメーション・発現・ス
クリーニング pTF1-174をコンピータントな大腸菌株JM109へトラ
ンスフォーメーションし、アンピシリンを含んだアガロ
ースプレートに蒔き37℃で一晩培養し、コロニーを形
成させた。ランダムな20コロニーをサンプリングし、
2mMのイソプロピルベーターチオガラクトピラノシドを
含む10mlのLB培地で37℃、一晩振蕩培養した。培
養液から大腸菌体を回収しグラスビーズで破壊し、1%
SDSを含むTBSバッファーで37℃、1時間インキ
ュベーションし蛋白質を抽出した。抽出サンプルについ
てSDS ポリアクリルアミド電気泳動を行い、引き続きウ
ェスタン・ブロットを行った。組織因子に対する抗体は
HTF-K108を使用した。その結果20コロニー中18コロ
ニーが抗体と反応し、分子量約21KDの位置にバンド
が確認された。このようにして得られた組換え蛋白をrT
F1-174と命名した。陰性コントロールとして大腸菌の抽
出液・陽性コントロールとしてヒト胎盤から精製した組
織因子を用いた。結果の一部を第6図に示す。
【0040】
【実施例5】組織因子(1−83)(rTF1-83)の作製 細胞の選択とRNAの抽出・RNAサンプルからcDN
Aの合成までのステップは実施例2と同じである。
【0041】(1)PCR法による組織因子 cDNAの増
PCR法を用いたcDNAの増幅反応に使う、プライマーの
塩基配列は、フィッシャー(K.Fisher et al,Thrombsis
Research,48:89-99,(1987))らのデーターを基にDNA
合成機(アプライド社)で調製した。5'側のプライマー
は実施例1のTFN1を用いた。3'末端のプライマーはアミ
ノ酸配列80-83、ストップコドン、制限酵素HindIIIサイ
トを含むアンチコドン側の19merから構成される配列
(5'-AAGCTTA-CAC-ATT-CCC-TGC-3')を持ったDNAフ
ラグメントを用いた。これをTFC83と命名した。
【0042】上記の2つのDNAフラグメントを5'側及
び3'側のプライマーとした。これにシータス社より供給
されているPCRキットを用いて、先に調製したRET-1
cell由来の総てのcDNA混合物から組織因子cDNA
(アミノ酸配列1−83、蛋白質分子量;約10KD、
DNAサイズ約250bp)を特異的に増幅した。操作法
はキットに付属している業者の添付文書に従った。PC
R後、サンプルの一部をアガロース電気泳動で分析し分
子量を確認したところ約250bpの位置に特異的に増幅
されたバンドが観察された。これは予想どおりの分子サ
イズであった。又、コントロールとしてcDNA無しの
サンプルでPCRを行ったが、いかなるバンドも検出さ
れなかった(第4図)。次にサンプル全量をアガロース
電気泳動にアプライしバンドを確認後バンドを含むアガ
ロース断片を切り出した。アガロース断片を少量のバッ
ファーと共に透析チューブに入れ電流を流しアガロース
断片からPCR増幅DNAフラグメントを抽出した。こ
れをエタノールで沈澱させ適当量のバッファーに懸濁し
た。このようにして得られたフラグメントをTFDNA1ー83
と命名した。
【0043】(2)rTF1-83発現用ベクターの調製 発現ベクターに組み込むため、TFDNA1ー83を制限酵素Nco
I・HindIIIで消化した。発現ベクターとして、ファルマ
シア社から発売されているpKK233-2を用いた。pKK233-2
を制限酵素NcoI・HindIIIで消化し、アガロース電気泳
動で分離・抽出し、制限酵素によって切り放される小さ
なDNA断片を除去した。この消化・精製済み発現ベクタ
ーと、TFDNA1ー83の2つをT4リガーゼで結合させた。
この操作によって得られたプラスミドをpTF1-83と命名
した。
【0044】(3)トランスフォーメーション・発現・ス
クリーニング pTF1-83をコンピータントな大腸菌株JM109へトラ
ンスフォーメーションし、アンピシリンを含んだアガロ
ースプレートに蒔き37℃で一晩培養し、コロニーを形
成させた。ランダムな38コロニーをサンプリングし、
2mMのイソプロピルベーターチオガラクトピラノシドを
含む10mlのLB培地で37℃、一晩振蕩培養した。培
養液から大腸菌体を回収しグラスビーズで破壊し、1%
SDSを含むTBSバッファーで37℃、1時間インキ
ュベーションし蛋白質を抽出した。抽出サンプルについ
てSDS ポリアクリルアミド電気泳動を行い、引き続きウ
ェスタン・ブロットを行った。組織因子に対する抗体は
HTF-K108を使用した。その結果38コロニー中18コロ
ニーが抗体と反応し、分子量約10KDの位置にバンド
が確認された。このようにして得られた組換え蛋白をrT
F1-83と命名した。陰性コントロールとして大腸菌の抽
出液・陽性コントロールとしてヒト胎盤から精製した組
織因子を用いた。結果の一部を第6図に示す。
【0045】
【実施例6】組織因子のF.VIIに対する結合アッセイ法 (1)アッセイ法の構築 ELISAプレートにF.VIIをコートしBSAでブロッ
キング反応を行った。このプレートにヒト胎盤由来精製
組織因子を1-1000μg/mlの濃度で37度で1時間反応さ
せた。トリス緩衝液で洗浄後、西洋ワサビ由来のパーオ
キシダーゼで標識したHTF-K108を反応させた。過剰の
(未反応の)標識抗体を十分洗い流した後、オルソフェ
ニールジアミンを基質とし発色させ492/630nmの吸光度
を測定した。その結果、本アッセイ系は組織因子の濃度
に依存して発色した(第2図)。F.VIIはモノクロー
ナル抗体で精製した。モノクローナル抗体、精製法は、
今村らの方法によった(特許願平1−202239)。
組織因子,HTF-K108は実施例1の物を使用した。
【0046】(2)組織因子誘導体のF.VII結合活性測定 上記で構築されたアッセイ系において、ヒト胎盤由来精
製組織因子のかわりに、実施例3〜5で得られた3種類
の組換え組織因子誘導体を用いて、その組織因子誘導体
のF.VIIに対する結合活性を測定した。その結果、3種
類の組換え組織因子誘導体全てがF.VIIと結合した。第
1表に組織因子誘導体の血液凝固第VII因子に対する結
合アッセイの結果する。
【0047】
【第1表】 陽性コントロール;胎盤由来組織因子(20ng/ml) 陰性コントロール;大腸菌抽出液
【0048】
【実施例7】組織因子(1−219)のβガラクトシダーゼとの融合
発現(βrTF1-219の調製) 細胞の選択とRNAの抽出・RNAサンプルからcDN
Aの合成までのステップは実施例1と同じである。
【0049】(1)PCR法による組織因子cDNAの増
PCR法を用いたcDNAの増幅反応に使う、プライマーの
塩基配列は、フィッシャー(K.Fisher et al,Thrombsis
Research,48:89-99,(1987))らのデータを基にDNA合
成機(アプライド社)で調製した。5'側のプライマーは
XhoIサイト、NcoIサイト、開始コドン、アミノ酸配列の
−1〜+6を含むセンス側の32merから構成される配
列(5'-CTCGAG-CCATGGCT-TCA-GGC-ACT-ACA-AAT-ACT-
3')を持ったDNAフラグメントである。これをβTFN1
と命名した。
【0050】3'末端のプライマーはアミノ酸配列214-21
9、ストップコドン、制限酵素HindIIIサイト、SalIサイ
トを含むアンチコドン側の31merから構成される配列
(5'-GTCGAC-AAGCTTA-TTC-TCT-GAA-TCC-CCC-TTT-3')を
持ったDNAフラグメントである。これをβTFC219と命
名した。
【0051】上記の2つのDNAフラグメントを5'側及
び3'側のプライマーとした。これにシータス社より供給
されているPCRキットを用いて、先に調製したRET-1
cell由来の総てのcDNA混合物から組織因子cDNA
(アミノ酸配列1−219、蛋白質分子量;約26K、
DNAサイズ約660bp)を特異的に増幅した。操作法
はキットに付属している業者の添付文書に従った。PC
R後、サンプルの一部をアガロース電気泳動で分析し分
子量を確認したところ約660bpの位置に特異的に増幅
されたバンドが観察された。これは予想どおりの分子サ
イズであった。又、コントロールとしてcDNA無しの
サンプルでPCRを行ったが、いかなるバンドも検出さ
れなかった(第4図)。次にサンプル全量をアガロース
電気泳動にアプライしバンドを確認後バンドを含むアガ
ロース断片を切り出した。アガロース断片を少量のバッ
ファーと共に透析チューブに入れ電流を流しアガロース
断片からPCR増幅DNAフラグメントを抽出した。こ
れをエタノールで沈澱させ適当量のバッファーに懸濁し
βTFDNA1ー219と命名した。
【0052】(2)βrTF1-219発現用ベクターの調製 発現ベクターに組み込むため、βTFDNA1ー219をXhoI、Sa
lIの制限酵素で消化した。βガラクトシダーゼ(βGa
l)融合発現ベクターとしては、アマシャム社から発売
されているpUEX2を用いた。pUEX2を制限酵素SalIで消化
後、アルカリフォスファターゼで処理し、末端の燐酸残
基を除去した。この消化・脱燐酸化済み発現ベクター
と、βTFDNA1ー219の2つをT4リガーゼで結合させた。
この操作によって得られたプラスミドをpβTF1-219と命
名した(第7図)。
【0053】(3)トランスフォーメーション・発現・ス
クリーニング pβTF1-219をコンピータントな大腸菌株HB-101へトラン
スフォーメーションし、アンピシリンを含んだアガロー
スプレートに蒔き30℃で一晩培養させ、コロニーを形
成させた。ランダムな48コロニーをサンプリングし、
10mlのLB培地で30℃、一晩振蕩培養した。培養温
度を42℃に上げて発現プラスミドの誘導培養を2時間
行なった。培養液から大腸菌体を回収しグラスビーズで
破壊し、1%SDSを含むTBSバッファーで37℃、
1時間インキュベーションし蛋白質を抽出した。抽出サ
ンプルについてSDSポリアクリルアミド電気泳動を行
い、クマシ−ブリリアントブルーで染色した。48コロ
ニー中4コロニーが、分子量約145KDの位置にβGALとT
F1ー219の融合蛋白質として確認された。
【0054】引き続きウェスタン・ブロットを行った。
組織因子に対する抗体はHTF-K108を使用した。分子量14
5KDの位置にバンドが確認された。このようにして得ら
れた組換え蛋白をβrTF1-219と命名した。これは先に、
SDSポリアクリルアミド電気泳動において、確認された
のと同じ145KDの位置であった。陰性コントロールとし
て大腸菌の抽出液・陽性コントロールとしてヒト胎盤か
ら精製した組織因子を用いた。結果の一部を第8図に示
す。
【0055】
【実施例8】組織因子(1−83)のβガラクトシダーゼとの融合発
現(βrTF1-83の調製) 細胞の選択とRNAの抽出・RNAサンプルからcDN
Aの合成までのステップは実施例1と同じである。
【0056】(1)PCR法による組織因子cDNAの増
PCR法を用いたcDNAの増幅反応に使う、プライマーの
塩基配列は、フィッシャー(K.Fisher et al,Thrombsis
Research,48:89-99,(1987))らのデーターを基にDNA
合成機(アプライド社)で調製した。5'側のプライマー
は実施例7で使用した物を用いた。
【0057】3'末端のプライマーはアミノ酸配列78-8
3、ストップコドン、制限酵素HindIIIサイト、SalIサ
イトを含むアンチコドン側の31merから構成される配列
(5'-GTCGAC-AAGCTTA-CAC-ATT-CCC-TGC-CGG-GTA-3')を
持ったDNAフラグメントである。これをβTFC83と命
名した。
【0058】上記の2つのDNAフラグメントを5'側及
び3'側のプライマーとした。これにシータス社より供給
されているPCRキットを用いて、先に調製したRET-1
cell由来の総てのcDNA混合物から組織因子cDNA
(アミノ酸配列1−83、蛋白質分子量;約10K、D
NAサイズ約250bp)を特異的に増幅した。操作法は
キットに付属している業者の添付文書に従った。PCR
後、サンプルの一部をアガロース電気泳動で分析し分子
量を確認したところ約250bpの位置に特異的に増幅さ
れたバンドが観察された。これは予想どおりの分子サイ
ズであった。又、コントロールとしてcDNA無しのサ
ンプルでPCRを行ったが、いかなるバンドも検出され
なかった(第4図)。次にサンプル全量をアガロース電
気泳動にアプライしバンドを確認後バンドを含むアガロ
ース断片を切り出した。アガロース断片を少量のバッフ
ァーと共に透析チューブに入れ電流を流しアガロース断
片からPCR増幅DNAフラグメントを抽出した。これ
をエタノールで沈澱させ適当量のバッファーに懸濁しβ
TFDNA1ー83と命名した。
【0059】(2)βrTF1-83発現用ベクターの調製 発現ベクターに組み込むため、TFDNA1ー83をXhoI、SalI
の制限酵素で消化した。βGal融合発現ベクターとして
は、アマシャム社から発売されているpUEX2を用いた。p
UEX2を制限酵素SalIで消化後、アルカリフォスファター
ゼで処理し、末端の燐酸残基を除去した。この消化・脱
燐酸化済み発現ベクターと、βTFDNA1ー83の2つをT4
リガーゼで結合させた。この操作によって得られたプラ
スミドをpβTF1-83と命名した。
【0060】(3)トランスフォーメーション・発現・ス
クリーニング pβTF1-83をコンピータントな大腸菌株HB-101へトラン
スフォーメーションし、アンピシリンを含んだアガロー
スプレートに蒔き30℃で一晩培養させ、コロニーを形
成させた。ランダムな48コロニーをサンプリングし、
10mlのLB培地で30℃、一晩振蕩培養した。培養温
度を42℃に上げて発現プラスミドの誘導培養を2時間
行なった。培養液から大腸菌体を回収しグラスビーズで
破壊し、1%SDSを含むTBSバッファーで37℃、
1時間インキュベーションし蛋白質を抽出した。抽出サ
ンプルについてSDSポリアクリルアミド電気泳動を行
い、クマシ−ブリリアントブルーで染色した。48コロ
ニー中4コロニーが、分子量約130KDの位置にβGalとTF
1-83の融合蛋白質として確認された。
【0061】引き続きウェスタン・ブロットを行った。
組織因子に対する抗体はHTF-K108を使用した。分子量13
0KDの位置にバンドが確認された。このようにして得ら
れた組換え蛋白をβrTF1-83と命名した。これは先に、S
DSポリアクリルアミド電気泳動において、確認されたの
と同じ140KDの位置であった。陰性コントロールとして
大腸菌の抽出液・陽性コントロールとしてヒト胎盤から
精製した組織因子を用いた。結果の一部を第8図に示
す。
【0062】
【実施例9】βGal融合組織因子誘導体のF.VII結合活性測定 (1)アッセイ法の構築 実施例6に従った。
【0063】(2)組織因子誘導体のF.VII結合活性測定 上記で構築されたアッセイ系を使用して、実施例7、8
で得られた、2種類のβGal融合組織因子誘導体のF.VII
に対する結合性を測定した。その結果2種類の組換え組
織因子誘導体ともF.VIIと結合した。第2表にβGal融合
組織因子誘導体の血液凝固第VII因子に対する結合アッ
セイの結果を示す。
【0064】
【第2表】 陽性コントロール;胎盤由来組織因子(20ng/ml) 陰性コントロール;大腸菌抽出液
【0065】
【実施例10】動物培養細胞を用いた組織因子(1−83)(rTFS-8
3)の調製 細胞の選択とRNAの抽出・RNAサンプルからcDN
Aの合成までのステップはrTF1-219と同じである。
【0066】(1)PCR法による組織因子 cDNAの増
ヒト組織因子の塩基配列はモリシー等(J.Morrissey et
al,Cell,50:129-135(1987))、スパイサー等(E.Spicer
et al,ProNAS,84:5148-5152(1987))、スカルパチー等
(E.Scarpati et al,Biochemistry,26:5234-5238(198
7))、フィッシャー等(K.Fisher et al,Thrombsis Resear
ch,48:89-99,(1987))らによって発表されている。これ
らのデーターを基にPCR用のプライマーをDNA合成
機(アプライド社)で調製した。5'側のプライマーは制
限酵素XhoIサイト、NcoIサイト、開始コドン、Met及び
アミノ酸配列−32〜−27を含むコドン側の26merか
らなる配列(5'-CTCGAG-CCATGGAG-ACC-CCT-GCC-TGG-
3')もったDNAフラグメントである。3'末端のプライ
マーは実施例7で使用した物を用いた。
【0067】上記の2つのDNAフラグメントを5'側及
び3'側のプライマーとした。これにシータス社より供給
されているPCRキットを用いて、先に調製したRET-1
cell由来の総てのcDNA混合物から組織因子cDNA
(アミノ酸配列−32〜83、DNAサイズ350bp)
を特異的に増幅した。操作法はキットに付属している業
者の添付文書に従った。PCR後、サンプルの一部をア
ガロース電気泳動で分析し分子量を確認したところ約3
50bpの位置に特異的に増幅されたバンドが観察され
た。これは予想どおりの分子サイズであった。又、コン
トロールとしてcDNA無しのサンプルでPCRを行っ
たが、いかなるバンドも検出されなかった(第4図)。
次にサンプル全量をアガロース電気泳動にアプライしバ
ンドを確認後バンドを含むアガロース断片を切り出し
た。アガロース断片を少量のバッファーと共に透析チュ
ーブに入れ電流を流しアガロース断片からPCR増幅D
NAフラグメントを抽出した。これをエタノールで沈澱
させ適当量のバッファーに懸濁しTFDNAS-83と命名し
た。
【0068】(2)rTFS-83発現用ベクターの調製 動物細胞発現ベクターに組み込むため、TFDNAS-83を制
限酵素XhoI・SalIで消化した。発現ベクターとして、当
所で独自に開発したpSAC/DHFR(欧州公開特許E
P-351586A)を用いた。pSAC/DHFRを制限酵素Sa
lIで消化した。この消化済み発現ベクターと、TFDNAS-8
3DNAフラグメントの2つをT4リガーゼで結合させた。
この操作によって得られたプラスミドをpTFS-83と命名
した(第9図)。
【0069】(3)トランスフォーメーション・発現・ス
クリーニング pRTFS32-83をチャイニーズハムスターオバレー(CH
O)細胞に導入した。方法はファルマシア社市販のDE
AEデキストランキットに準じた。トランスフォーマン
ト用核酸欠損培地(ギブコ社製核酸欠損培地;アルファ
ーメム)で2週間培養しトランスフォーマントを作成し
た。ランダムに20コロニーをサンプリングし各を培養
した。これらの上清を回収し濃縮後、ウエスタンブロッ
トを行った。組織因子に対する抗体はHTF-K108を使用し
た。その結果20コロニー中12コロニーが抗体と反応
した。ただしクローンごとにバンドの濃さは異なった。
陰性コントロールとしてCHO細胞の培養上清・陽性コ
ントロールとしてヒト胎盤から精製した組織因子を用い
た。
【0070】12コロニーのうち、特に活性の高いコロ
ニーを選び、それを10-8Mの濃度のメトトレキセート
(MTX)を含む培地で培養し、MTX耐性のトランス
フォーマントを作成した。ランダムに20コロニー選
び、上記と同様にウエスタンブロッティングを行った。
その結果特に力価の高い、コロニーを選び、更に10- 7
Mの濃度のメトトレキセートを含む培地で培養した。同
様な操作を繰り返し、10-6Mの濃度のメトトレキセー
トを含む培地で耐性及び、ウエスタンブロッティング活
性の高いクローンを得た。このようにして得られた組換
え蛋白をrTFS-83と命名した。その結果の一部を第6図
に示す。
【0071】(4)動物細胞で発現した組織因子誘導体の
F.VII結合活性測定 1)アッセイ法の構築 実施例6に従った。
【0072】2)組織因子誘導体のF.VII結合活性測定 上記で構築されたアッセイ系を使用して、実施例10で
得られた、動物細胞で発現された分泌型の融合組織因子
誘導体のF.VIIに対する結合性を測定した結果、F.VIIと
結合した。第3表にrTFS-83のF.VIIに対する結合アッセ
イの結果を示す。
【0073】
【第3表】 陽性コントロール;胎盤由来組織因子(20ng/ml) 陰性コントロール;細胞培養上清
【図面の簡単な説明】
【第1図】血液凝固因子活性化カスケード反応図を示
す。
【第2図】組織因子の血液凝固第VII因子に対する結合
アッセイ法を示す。
【第3図】ヒト胎盤由来精製組織因子のSDSポリアクリ
ルアミド電気泳動の結果を示す。
【第4図】組織因子DNAフラグメントPCRプロダクトのア
ガロース電気泳動による分析結果を示す。
【第5図】組織因子(1−219)発現プラスミドの構
築行程を示す。
【第6図】組織因子誘導体のウエスタンブロットアッセ
イの結果を示す。
【第7図】βGal融合組織因子(1−219)発現プラ
スミドの構築行程を示す。
【第8図】βGal組織因子誘導体のウエスタンブロット
アッセイの結果を示す。
【第9図】動物培養細胞を用いた組織因子誘導体発現プ
ラスミドの構築行程を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 5/10 15/62 C12P 21/02 C 8214−4B C12Q 1/68 A 8114−4B // A61K 37/02 ACA 8314−4C (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 宮本 誠二 熊本県菊池郡西合志町須屋2066−8 (72)発明者 船津 昭信 熊本県熊本市清水町麻生田1775−7

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト組織因子の親水性ペプチド領域の一
    部からなり、少なくとも本来のヒト組織因子のアミノ末
    端側のジスルフィド結合を構成しうるペプチド領域を含
    み、血液凝固第VII因子との結合活性を有する組織因子
    誘導体。
  2. 【請求項2】 ヒト組織因子のアミノ末端アミノ酸から
    数えて11番目のアミノ酸から67番目のアミノ酸まで
    のペプチド領域を含む前記第1項記載の組織因子誘導
    体。
  3. 【請求項3】 ヒト組織因子のアミノ末端アミノ酸から
    数えて1番目のアミノ酸から83番目のアミノ酸までの
    ペプチド領域を含む前記第1項記載の組織因子誘導体。
  4. 【請求項4】 分子量が約10キロダルトンのポリペプ
    チドである前記第1項記載の組織因子誘導体。
  5. 【請求項5】 ヒト組織因子の親水性ペプチド領域の一
    部からなる、少なくとも本来の組織因子のアミノ末端側
    のジスルフィド結合を構成しうるアミノ酸配列をコード
    するcDNAを発現ベクターに組み込み、該ベクターで
    宿主細胞を形質転換し、該形質転換細胞を培養すること
    からなる組織因子誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 該cDNAが、ヒト組織因子のアミノ末
    端アミノ酸から数えて11番目のアミノ酸から67番目
    のアミノ酸までのペプチド領域をコードする遺伝子断片
    を含む前記第5項記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 該cDNAが、ヒト組織因子のアミノ末
    端アミノ酸から数えて1番目のアミノ酸から83番目の
    アミノ酸までのペプチド領域をコードする遺伝子断片を
    含む前記第5項記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 該cDNAが、分子量が約10キロダル
    トンのポリペプチドをコードする遺伝子断片である前記
    第5項記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 宿主細胞が大腸菌である前記第5項記載
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 発現ベクターがβガラクトシダーゼと
    の融合蛋白を発現するベクターで、組織因子誘導体がβ
    ガラクトシダーゼ融合蛋白として得られる前記第9項記
    載の製造方法。
  11. 【請求項11】 宿主細胞が動物細胞である前記第5項
    記載の製造方法。
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