JPH0214224Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は主に電気機器を収納して使用する防水
構造とした合成樹脂製箱の改良に関するものであ
る。

（従来の技術） 従来のこの種合成樹脂製箱は箱本体を一体に成
形したものであるので金型の制約上から箱本体の
開口部周縁に水切り溝を同時に成形することがで
きず、防水構造とするには開口部と扉との間にパ
ツキン等の密閉部材を介在させなければならない
ものであつた。

従つてこのような従来のものは、密閉部材の組
立て取付が面倒で、かつ高価なものとなるばかり
でなく、上下の高さが異なる寸法のものを製造す
る場合には各々金型を作成しなければならず、製
品の単価に占める金型代も多くなりコストが高く
なるなど種々の問題があつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案はこのような従来の問題点を解決して、
組立てが容易で安価に製造することができ、しか
も断面形状が同一で高さのみが異なる場合には新
たな金型を作成する必要もない合成樹脂製箱を目
的として完成されたものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案はこのような目的を達成するためになさ
れたもので、引抜き、押出し等の連続成形により
成形された部材からなり、その前面側が上下に亘
つて開口するとともに左右の側枠部の先端に水切
り溝が一体に形成された胴枠部と、該側枠部の水
切り溝の上面に当接できる水平な水切り溝を下面
に備え、該胴枠部の上面を覆う屋根板部と、胴枠
部の下面を覆う浅箱状の底板部となることを特徴
とするものである。

（実施例） 次に本考案の実施例を図面に基づき詳細に説明
する。

１は引抜き、押出し等の連続成形によつて成形
された硬質合成樹脂製の部材からなり、その前面
側を上下に亘つて開口させた胴枠部である。本実
施例では該胴枠部１は左右の側枠部２，２と背枠
部３とをビス４等により接合したものであるが、
側枠部２，２と背枠部３とを断面コ字状に同時に
連続成形したものを用いてもよい。側枠部２，２
の先端には開口部を外向きとした垂直な水切り溝
５，５が一体に形成されている。前述のとおり側
枠部２，２は連続成形されたものであるので水切
り溝５，５もこれと一体に同一長さに形成できる
が、水切り溝５，５の上端は所要の長さだけ切欠
いておく。

６は傾斜の緩やかな山形状の天板７の外周に周
枠部８を垂設した硬質合成樹脂製の屋根板部で、
該屋根板部６はその周枠部８を前記胴枠部１の上
端開口外側に嵌合して該胴枠部１の上端開口を覆
うものである。この屋根板部６はその前部下面に
水平な水切り溝９を備えたもので、本実施例では
図示のように別体に形成された溝部材１０を天板
７の下面の突起１１にビス１２により締付固定し
たものである。屋根板部６は第３図に示されるよ
うに取付金具１８により胴枠部１に取付けられて
いる。１３は前記水切り溝５，５の下端間に介装
する下方前板１４を前方上部に一体に連設した浅
箱状の底板部であり、その上面に突設した枠状段
部１５に胴枠部１の下端開口内側を嵌合して該胴
枠部１の下端開口を覆うものである。

（作用） このように構成されたものは、第１図に示され
るように前面の開口部を覆う周枠部１６付きの扉
１７を取付けて使用するものであるが、本考案に
係るものは扉１７の周枠部１６の側方および上方
の縁部から侵入しようとする雨水は胴枠部１の左
右の側枠部２，２の先端に一体に形成した断面Ｌ
字状の水切り溝５，５及びその上端に位置する屋
根板部６の水切り溝９により遮られるとともに、
上方の水切り溝９内の雨水は側方の水切り溝５，
５に流下して該側方の水切り溝５，５に降りこん
だ雨水と共に下方に排出されるので、パツキン等
を設けなくても開口部から箱内へ雨水が侵入する
おそれがない。

また、本考案に係る合成樹脂製箱は胴枠部１と
屋根板部６および底板部１３を夫々別体として成
形したうえ組立製作するものであり、特に胴枠部
１は全面側を上下に亘つて開口させた形状に連続
形成されたものであるから成形体を所定の長さに
切断したのち、側方の水切り溝５，５の上方を切
欠することにより同一の金型により高さの異なる
種々の合成樹脂製箱を提供出来る利点がある。

さらに、本実施例のように胴枠部１を対称な形
状の左右の側枠部２，２と背枠部３を別異に成形
して組立ててなるものとした場合には側枠部２は
同一の成形金型により成形したものを天地を逆に
して使用するだけでよいので多種の金型を製作す
る必要がない利点もある。なお、本実施例にあつ
ては屋根板部６の天板７の内面に突設しためねじ
付の突起１１に溝部材１０を取付けたが、溝部材
１０の取付方法はこれに限定されるものではな
い。

（考案の効果） 本考案は以上の説明によつて明らかなようにパ
ツキン等の密閉部材を設けなくとも箱内に雨水が
侵入することがなく、また同一の金型のみで上下
の高さの異なる種々の大きさの合成樹脂製箱が製
作できる利点を有するものであるから、従来の合
成樹脂製箱の問題点を一掃したものとして、その
実用的価値は極めて大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部切欠斜視
図、第２図は同じく分解状態で示す一部切欠斜視
図、第３図は一部切欠側面図である。 １：胴枠部、２：側枠部、５：水切り溝、６：
屋根板部、９：水切り溝、１３：底板部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 引抜き、押出し等の連続成形により成形された
   部材からなり、その前面側が上下に亘つて開口す
   るとともに左右の側枠部２，２の先端に水切り溝
   ５，５が一体に形成された胴枠部１と、該胴枠部
   １の水切り溝５，５の上面に当接できる水平な水
   切り溝９を下面に備え、該胴枠部１の上面を覆う
   屋根板部６と、胴枠部１の下面を覆う浅箱状の底
   板部１３とからなることを特徴とする合成樹脂製
   箱。