JPH0213898A - ルテニウム含有硝酸溶液の蒸発処理方法及びその装置 - Google Patents

ルテニウム含有硝酸溶液の蒸発処理方法及びその装置

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JPH0213898A
JPH0213898A JP63162551A JP16255188A JPH0213898A JP H0213898 A JPH0213898 A JP H0213898A JP 63162551 A JP63162551 A JP 63162551A JP 16255188 A JP16255188 A JP 16255188A JP H0213898 A JPH0213898 A JP H0213898A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は使用済原子燃料再処理における核分裂生成物を
含有する硝酸溶液の蒸発方法及びその装置に係り、特に
放射性ルテニウムの揮発と蒸発装置の腐食との防止に有
効で減圧下に適用するに好適なルテニウム含有硝酸溶液
の蒸発方法に関する。
〔従来の技術〕
従来の方法は、特開昭61−260196号に記載され
るように、ルテニウムを含んだ硝酸の蒸発処理において
蒸発装置内における溶液の平均加熱時間を短縮すること
によってルテニウムの揮発が抑制され、その除染係数と
装置構成材料の耐食性とを改善することを特徴とし、さ
らに、蒸発処理中の溶液温度を常圧下の沸点より低く保
ち、特に、蒸発処理に先立って硝酸溶液中のルテニウム
イオンをニトロシルルテニウム錯化合物に変化させてお
くことによって効果が示されていた。
しかし、この方法では蒸発装置について、平均加熱時間
を短縮するという条件があり、一般の蒸発装置に適用す
る点については配慮されていなかった。
また、他の従来例として、ジャーナル・オブ・ケミカル
・アンド・エンジニャリング・データ第5巻 第4号(
1960年)第521頁から第524頁(Journa
l of Chemical Engineering
 Data。
voΩ、5. &4.1960. p521〜P524
)においてルテニウムを含んだ硝酸溶液を蒸発する場合
、蒸気に含まれるルテニウムの濃度が蒸発缶液中のルテ
ニウム濃度に対する比率であるルテニウムの揮発係数は
蒸発装置内をほぼ大気圧下で二酸化窒素で満たすことに
よって101から10−5台に低下するため、これによ
りルテニウムの揮発が抑制されることが示されている。
さらに、特開昭60−46380号に記載のように、重
金属及び/またはその化合物を含有する硝酸溶液を取扱
う装置の防食方法において、該硝酸溶液にNOxガスを
強制添加することの効果を示している。
これら従来の例は、ルテニウムを含んだ硝酸の蒸発装置
において、蒸発装置内に酸化窒素ガスを吹込めばルテニ
ウムの揮発抑制と同時にステンレス鋼の防食が可能であ
ることを示している。しかし、この従来の方法は、特開
昭60−46380号に記載されているように、防食に
必要なNOxガスの吹込量はいちがいには規定できず、
基本的には過不働態領域にあるステンレス鋼の腐食電位
を不働態化領域に移行させるために必要な量といわれて
おり、硝酸中におけるルテニウムの化学的挙動に明確に
基づくものではなかった。
熱中性子の存在下にウラン−235の核分裂によってル
テニウムの生成する確率は22.0 %であり、一方、
プルトニウム−239の場合には46.5 %であるこ
とが知られている。
核分裂によって生成するルテニウムの同位体としては質
量数が98から109までに種類があるが、質量数が1
05,107,108,109のものは短半減期の同位
体であって使用済燃料の再処理を行う時点では実質的に
存在し得ない。
実質的に問題となる放射性のルテニウムの質量数103
(半減期=3.98  日)と106(半減期=368
日)で残余は安定同位体である。
再処理を行う時点(原子炉から取出後4年)で代表的な
軽水炉使用済燃料に含まれるルテニウムの重量は全核分
裂生成物重量の約6.5 %であるが放射能の比率は約
12%である。
現在、再処理技術の主流となっているピュレツウス法で
は、使用済燃料の硝酸溶液からトリブチル燐酸−ドデカ
ン混合物でウランとプルトニウムを溶媒抽出し、核分裂
生成物を含んだ硝酸溶液は蒸発処理して硝酸を回収して
再使用し、濃縮液は貯蔵することが原則となっている。
核分裂生成物を含有する硝酸溶液を蒸発、濃縮する過程
でルテニウムの揮発は蒸発缶から留出する硝酸の濃度に
依存することが知られており、留出液の硝酸濃度が2な
いし3規定である通常の場合に、ルテニウム揮発抑制手
段を講じない大気圧下蒸発で留出液中のルテニウム濃度
は缶液濃度の100ないし10分の1程度であるとされ
ている。
使用済燃料の再処理において、使用済燃料を硝酸に溶解
する反応は、 U02+3HNO,−+UO,(No、)、+1/2N
O+1/2NO□+3/2H,0 で示され、270グラムの二酸化ウランが溶解する際に
22.4 リットルの酸化窒素が発生する。
270グラムの燃料中に存在する約0.5 グラムのル
テニウムは硝酸に溶解するとともに酸化窒素と遊離硝酸
の影響を受けて、−最大が (Ru N O(N 03)x(N 0JY(OH)よ
−(H20’)s x −!:l” −x−v−”であ
るニトロシルルテニウム錯化合物を生成することが知ら
れている。
同様の反応はルテニウムイオンを含む硝酸溶液に酸化窒
素、亜硝酸または亜硝酸塩を加温下に反応させることに
よっても見出される。
上記のニトロシルルテニウム錯化合物は亜硝酸が共存し
ない硝酸溶液中でニトロ基(N O,)とヒドロキシル
基(OH)の配位数が減少する傾向があり、放置された
硝酸溶液中では大部分のルテニウムはニドラド基(N 
oa)と水(H2O)のみを配位するニトロシルルテニ
ウム・ニドラド錯体となっている。ニトロシルルテニウ
ム・ニドラド錯体が濃厚な硝酸中で加熱されると酸化し
て分解し、さらに酸化すれば揮発性の四酸化ルテニウム
を生成して硝酸蒸気とともに揮発することにより蒸発装
置の除染係数を低下する。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、ルテニウムを含んだ硝酸の蒸発処理に
おいて、ルテニウムの揮発を抑制し、その除染係数と装
置構成材料の耐食性を改善する方法において、蒸発装置
内における硝酸の平均加熱時間を短縮する条件があり、
一般の蒸発装置に適用する点については配慮されていな
かった。
本発明の目的は、ルテニウムを含んだ硝酸の蒸発処理に
おいて、ルテニウムの揮発を抑制し、その除染係数と装
置構成材料の耐食性を改善する方法において一般の蒸発
装置に適用できる方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、蒸発処理に先立って硝酸中のルテニウムイ
オンを単に一般的なニトロシルルテニウム錯化合物でな
く、特に、ニトロ基(No”)を配位したニトロシルル
テニウム錯化合物に変換したものを用いることにより、
達成される。即ち、ルテニウム含有硝酸溶液からなる被
蒸発液を蒸発装置に継続的に供給しながら加熱蒸発を行
うルテニウム含有硝酸溶液の蒸発処理方法において、前
記被蒸発液を蒸発装置に供給するに当り、該被蒸発液中
に含まれるルテニウムの一部ないし全部の化学形態をニ
トロ基が配位したニトロシル錯体に変換してから前記蒸
発装置に継続的に供給しながら蒸発処理を行なうことに
より達成される。
〔作用〕
本発明は、ルテニウムイオン及びニトロシルルテニウム
・ニドラド錯体を硝酸溶液中で酸化窒素または亜硝酸と
反応させることによりニトロ基を配位したニトロシルル
テニウム錯化合物に転移する現象にもとづいてなされた
ものである。
ニトロ基を配位したニトロシルルテニウム錯化合物への
転位速度は溶液の温度と亜硝酸濃度が高いほど大となる
ことが知られているが、溶液の温度と硝酸あるいは硝酸
塩濃度が高いほど生成した錯体の分解速度も大きくなる
ため転移率は低下する。さらに、硝酸溶液と空気の成分
特に酸素との接触を防止することはルテニウム化合物の
ニトロ基を配位したニトロシルルテニウム錯化合物への
転移速度と転移率を高めるために効果がある。
硝酸溶液中のルテニウムのすべてもしくは一部がニトロ
基を配位したニトロシルルテニウム錯化合物となってい
る様な硝酸溶液を蒸発操作が行われている蒸発装置に供
給するとニトロシルルテニウム錯化合物に配位したニト
ロ基はニドラド基に置換してゆくが、この置換過程にお
いて硝酸溶液の酸化還元電位がニトロ基の放出が続いて
いる間は低く保たれている効果があり、従って、この間
はルテニウムニトロシル・ニドラド錯体の酸化分解と最
終生成物としての四酸化ルテニウムへの酸化が抑制され
ることになる。
そこで、本発明が採用している技術的手段の基本的な作
用は、蒸発装置への供給液中のルテニウムニトロシル錯
体を、予めニトロ基が配位したものに変換したものを供
給するようにし、蒸発装置内に常に一定濃度以上のルテ
ニウムニトロシル・ニトロ錯体を存在せしめることによ
り、ルテニウムの揮発を抑制するものである。
本発明でいう、継続的に供給とは、連続的又は間歇的に
供給することを意味する。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面により説明する。
1は容器であり、2はルテニウムを含んだ硝酸溶液であ
り、3の給液管を経由して容器1に供給される。硝酸溶
液はヒータ4によって一定温度に加熱される。5は導入
管であり酸化窒素ガスが容器内に導入される。6は多孔
板であって硝酸溶液中に酸化窒素ガスを小気泡として分
散し、気液接触を促進させる。過剰の酸化窒素ガスは排
出管7から容器外に流出する。8は移送管であって容器
1内の硝酸溶液を蒸発缶9に送り込むために用いられる
。蒸発缶9の内部は、10の排気管を通じて減圧に保た
れ、11の濃縮液は12のヒータで加熱されて減圧下に
おける沸騰点に保たれる。濃縮液の沸騰によって発生す
る硝酸蒸気は、13の分留管を通って14の冷却器で液
化され、15の上部液留に入り、弁の操作によって16
の下部液留に移された後、17の給気管から空気を導入
して下部液留内を大気圧としてから留出液を外部に取り
出す、蒸発缶9内の濃縮液は塩の濃度で一定値に達する
まで蒸発を続けた後、給気管17から蒸発缶内に空気を
導入して大気圧としてから、液抜出管18によって濃縮
液を外部に抜き出すように構成しである。。
・  本実施例で用いた被蒸発液である硝酸溶液は大部
分が二酸化ウランからなる使用済原子燃料の溶解のため
に用いたもので、この溶液を、トリブチル燐酸と正ドデ
カンの混合物でウランとプルトニウムの大部分を抽出除
去した残液である。該硝酸溶液の濃度は3規定、金属濃
度は6g/Qであり、このうちルテニウムの濃度は0.
2  g/nであった。
本実施例において、蒸発操作の開始前に容器1は1αの
硝酸溶液で、また、蒸発缶9は211の硝酸溶液で満た
し、蒸発缶内を200maHgの減圧とした後に加熱、
蒸発処理を始めた。蒸発処理は毎時200mAの定速度
で行なうと同時に、容器1へは導入管5より蒸発量に等
しい量の硝酸溶液を、かつ蒸発缶9へも同量の硝酸溶液
を容器1から供給するようにした。蒸発缶9内の濃縮硝
酸溶液中に含まれる金属元素の濃度は蒸発時間に伴って
直線的に増加し、210時間の経過後には金属濃度は1
20g/Q、このうちルテニウム濃度は4g/Ωとなり
、硝酸濃度は8規定となった。
ここで、本発明の効果は以下の2つの方法によって比較
、確認された。
最初の方法では、容器1に供給した硝酸溶液はそのまま
蒸発缶9に移送された。この場合、蒸発缶9から蒸発し
、下部液留16から回収された硝酸溶液中には2 m 
g / Qのルテニウムが検出された。
一方、容器1を経由して蒸発缶9に入るすべての硝酸溶
液に対して、容器1内において65℃に保ちつつ毎時1
j1の一酸化窒素を吹込んだ場合には、回収された硝酸
中には0.2mg/FILかルテニウムが検出されず、
被蒸発液に一酸化窒素を吹込む操作は明らかに蒸発液中
に揮発するルテニウム量を低減することが判る。
同一の条件において一酸化窒素の吹込を毎時0、I Q
と減じた場合にも回収硝酸中に検出されたルテニウムは
0.2mg/nであったが毎時o、oi nと減じた場
合には1mg/Qとなった。
本実施例において、−酸化窒素を吹込まない硝酸溶液中
におけるルテニウムと比較して一酸化窒素を吹込んだ後
の硝酸溶液中のルテニウムは加熱下で徐々に一酸化窒素
を放出することがわかった。
−a化窒素の放出量は1グラムモルのルテニウム当り1
グラムモルを越えることはなく、ここで起り得る化学反
応は、 (RuNo(No、)、(H,O)、)+ +2NO2
−NO吹込↑↓HNO,中庸熱 (RuNO(NO,)!(H,0)2)+ +2NO,
−と推定される。
本実施例において、−酸化窒素で飽和された硝酸溶液が
200nnHgの減圧下で沸騰している濃縮液に連続的
に供給されている時に液に浸した白金電極が銀−塩化銀
標準電位に対して示す電位は10108Oを越えず、一
方、受入れた硝酸溶液のままで供給された場合には11
80mVに達した。他の金属は実施例と同様に含むが、
ルテニウムのみは含まない8規定の硝酸溶液に80’C
で一酸化窒素を吹込むと白金極が示す電位は吹込前と比
較して100mV低下するが吹込を停止すれば直ちに元
の電位に戻る。一方、硝酸溶液中にルテニウムが存在す
ると一酸化窒素の吹込によって同様の電位低下を生ずる
が一酸化窒素の吹込を中止しても電位は直ちに元に復せ
ず、約5時間を経て徐々に元に復した。これは、硝酸溶
液中にルテニウムが存在する場合に、−酸化窒素の吹込
によってルテニウムのニトロシル錯体に配位するニドラ
ド基(No、)がニトロ基(−Not)に変化し、この
ニトロ基が配位した錯体は硝酸中で徐々に一酸化窒素を
発生しながらニドラド基を配位した錯体に転移するもの
と考えられる。この転移速度は硝酸濃度が高く、温度が
高いほど急速となるため、大気圧における硝酸溶液の比
較的温度の高い蒸発では効果が著しくならない。
硝酸溶液中でルテニウムのニトロシル錯体にニトロ基を
配位する反応は上記実施例にあるように槽液に一酸化窒
素を吹込むことによる特異的なものではなく、−殻内に
亜硝酸イオンの存在によって存在するものである。
亜硝酸イオンを存在せしめる手段として水溶性の亜硝酸
塩、酸化窒素などの直接添加、硝酸を還元する作用のあ
る元素、イオン、有機物等の添加により硝酸を分解して
発生する酸化窒素の間接作用、あるいは電解還元作用で
発生する酸化窒素の間接作用などが利用できる。
一般に硝酸溶液中のルテニウム含量は必ずしも一定に保
たれず、化学形態も一定せず、硝酸濃度や共存イオンも
一定ではないため、必要にして十分な亜硝酸イオンの量
は一義的には定められない。
しかし、同一の亜硝酸イオン濃度の条件では水素イオン
及び硝酸イオン濃度が低いほどルテニウムニトロシル錯
体に配位されるニトロ基の量は増加する。このため、蒸
発装置内の濃縮液と比較して水素イオン及び硝酸イオン
濃度が低い供給液ではルテニウムニトロシル錯体に配位
するニトロ基は増える。ニトロ基の配位数としては4ま
で存在するが、酸性溶液中では2程度と考えられる。
前述のように、ニトロ基とニドラド基の置換は平衡反応
であり、温度が高くなると平衡に達する時間は著しく短
縮するが、同時にニトロ基の平衡配位数は高温度で低下
する。それ故、操作条件によって最適温度が存在する。
本発明において、硝酸溶液は酸素と接触させないことに
よってニトロ基の平衡配位数を増やすことが可能である
本発明の方法が成立する条件は、蒸発装置中に存在する
全ルテニウム濃度とルテニウムニトロシル・ニトロ錯体
の比率ではなく、ルテニウムニトロシル・ニトロ錯体の
絶体量が一定値以上となることである。従って、供給硝
酸溶液中のルテニウム濃度が高いほうが効果が著しい。
逆に、ルテニウム濃度が極端に低い場合には蒸発装置内
のニトロ錯体濃度は必要な水準に達せず濃縮液中のルテ
ニウムの相当部分が揮発する可能性がある。この様な場
合に本発明の方法を適用する場合はむしろ供給硝酸溶液
中にルテニウムニトロシル錯体を添加した方が蒸発装置
から発生するルテニウム揮発量を低減できる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、蒸発装置本体の構造、運転等のシステ
ムに係わり全く関係なく、被蒸発液の前処理を行うため
既存の蒸発装置概念と容易に結びつけて蒸発装置内にお
けるルテニウムの揮発抑制が可能となり、結果的に蒸発
装置の放射能除去能力が増大し、併せて、蒸発装置を構
成するステンレス鋼の腐食が減少してプラントの信頼性
が向上する。
本発明の特徴的な効果は、ルテニウムの濃度が高いほど
容易に達成され、有効である。また、本発明の方法は減
圧下に低い沸点を利用して運転される蒸発装置と組み合
わせて特に顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の一実施例に係わる試験装置の構成図である
。 1・・・容器、2・・・硝酸溶液、3・・・給液管、4
・・・ヒータ、5・・・導入管、6・・・多孔板、7・
・・排出管、8・・・移送管、9・・・蒸発缶、10・
・・排気管、11・・・濃縮液、12.−・・ヒータ、
13・・・分留管、14・・・冷却器、15・・・上部
液留、16・・・下部液留、17・・・給気管、18・
・・液抜出管。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、ルテニウム含有硝酸溶液からなる被蒸発液を蒸発装
    置に継続的に供給しながら加熱蒸発を行うルテニウム含
    有硝酸溶液の蒸発処理方法において、前記被蒸発液を蒸
    発装置に供給するに当り、該被蒸発液中に含まれるルテ
    ニウムの一部ないし全部の化学形態をニトロ基が配位し
    たニトロシル錯体に変換してから前記蒸発装置に継続的
    に供給しながら蒸発処理を行なうことを特徴とするルテ
    ニウム含有硝酸溶液の蒸発処理方法。 2、前記硝酸溶液中に、硝酸を還元して亜硝酸を生成す
    る作用を有する物質を添加することによって該被蒸発液
    中に含まれるルテニウムの一部ないし全部の化学形態を
    ニトロ基が配位したニトロシル錯体に変換することを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載のルテニウム含有硝
    酸溶液の蒸発処理方法。 3、蒸発装置に供給される被蒸発液に該被蒸発液中のル
    テニウム濃度よりも高濃度のルテニウム溶液を添加する
    ことによりルテニウム「の濃度を高めて蒸発処理を行な
    うことを特徴とする特許請求の範囲第1項又は第2項記
    載のルテニウム含有硝酸溶液の蒸発処理方法。 4、ルテニウム含有硝酸溶液からなる被蒸発液を蒸発装
    置に継続的に供給しながら加熱蒸発を行うルテニウム含
    有硝酸溶液の蒸発処理方法において、前記被蒸発液を蒸
    発装置に供給するに当り、該被蒸発液中に含まれるルテ
    ニウムの一部ないし全部の化学形態を非酸化性雰囲気に
    おいてニトロ基が配位したニトロシル錯体に変換してか
    ら前記蒸発装置に継続的に供給しながら蒸発処理を行な
    うことを特徴とするルテニウム含有硝酸溶液の蒸発処理
    方法。 5、蒸発装置に供給される被蒸発液に該被蒸発液中のル
    テニウム濃度よりも高濃度のルテニウム溶液を添加する
    ことによりルテニウムの濃度を高めて蒸発処理を行なう
    ことを特徴とする特許請求の範囲第4項記載のルテニウ
    ム含有硝酸溶液の蒸発処理方法。 6、被蒸発液に添加されるルテニウムはその一部または
    全部の化学形態がニトロ基を配位したニトロシル錯体で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第5項記載のルテ
    ニウム含有硝酸溶液の蒸発処理方法。 7、ルテニウム含有硝酸溶液からなる被蒸発液を蒸発装
    置に継続的に供給しながら加熱蒸発を行うルテニウム含
    有硝酸溶液の蒸発処理方法において、前記被蒸発液を蒸
    発装置に供給するに当り、前記硝酸溶液中に、硝酸を還
    元して亜硝酸を生成する作用を有する物質を添加するこ
    とによって該被蒸発液中に含まれるルテニウムの一部な
    いし全部の化学形態をニトロ基が配位したニトロシル錯
    体に変換してから前記蒸発装置に継続的に供給しながら
    蒸発処理を行なうことを特徴とするルテニウム含有硝酸
    溶液の蒸発処理方法。 8、ルテニウム含有硝酸溶液からなる被蒸発液を蒸発装
    置に継続的に供給しながら加熱蒸発を行うルテニウム含
    有硝酸溶液の蒸発処理方法において、前記被蒸発液を蒸
    発装置に供給するに当り、非酸化性雰囲気において前記
    硝酸溶液中に、硝酸を還元して亜硝酸を生成する作用を
    有する物質を添加することによって該被蒸発液中に含ま
    れるルテニウムの一部ないし全部の化学形態をニトロ基
    が配位したニトロシル錯体に変換してから前記蒸発装置
    に継続的に供給しながら蒸発処理を行なうことを特徴と
    するルテニウム含有硝酸溶液の蒸発処理方法。 9、ルテニウム含有硝酸溶液からなる被蒸発液を蒸発装
    置に継続的に供給しながら加熱蒸発を行うルテニウム含
    有硝酸溶液の蒸発処理方法において、前記被蒸発液を蒸
    発装置に供給するに当り、前記硝酸溶液中に酸化窒素あ
    るいは亜硝酸塩を添加することによつて該硝酸溶液中に
    含まれるルテニウムの一部ないし全部の化学形態をニト
    ロ基が配位したニトロシル錯体に変換してから前記蒸発
    装置に継続的に供給しながら蒸発処理を行なうことを特
    徴とするルテニウム含有硝酸溶液の蒸発処理方法。 10、ルテニウム含有硝酸溶液からなる被蒸発液を蒸発
    装置に継続的に供給しながら加熱蒸発を行うルテニウム
    含有硝酸溶液の蒸発処理方法において、前記被蒸発液を
    蒸発装置に供給するに当り、非酸化性雰囲気において前
    記硝酸溶液中に酸化窒素あるいは亜硝酸塩を添加するこ
    とによつて該硝酸溶液中に含まれるルテニウムの一部な
    いし全部の化学形態をニトロ基が配位したニトロシル錯
    体に変換してから前記蒸発装置に継続的に供給しながら
    蒸発処理を行なうことを特徴とするルテニウム含有硝酸
    溶液の蒸発処理方法。 11、ルテニウム含有硝酸溶液からなる被蒸発液を蒸発
    装置に継続的に供給しながら加熱蒸発を行うルテニウム
    含有硝酸溶液の蒸発処理方法において、前記被蒸発液を
    蒸発装置に供給するに当り、硝酸を電気的に還元して亜
    硝酸を生成することによつて被蒸発液中に含まれるルテ
    ニウムの一部ないし全部の化学形態をニトロ基が配位し
    たニトロシル錯体に変換してから前記蒸発装置に継続的
    に供給しながら蒸発処理を行なうことを特徴とするルテ
    ニウム含有硝酸溶液の蒸発処理方法。 12、ルテニウム含有硝酸溶液からなる被蒸発液を蒸発
    装置に継続的に供給しながら加熱蒸発を行うルテニウム
    含有硝酸溶液の蒸発処理方法において、非酸化性雰囲気
    において前記被蒸発液を蒸発装置に供給するに当り、硝
    酸を電気的に還元して亜硝酸を生成することによつて被
    蒸発液中に含まれるルテニウムの一部ないし全部の化学
    形態をニトロ基が配位したニトロシル錯体に変換してか
    ら前記蒸発装置に継続的に供給しながら蒸発処理を行な
    うことを特徴とするルテニウム含有硝酸溶液の蒸発処理
    方法。 13、ルテニウム含有硝酸溶液からなる被蒸発液を継続
    的に供給しながら蒸発処理を行なう蒸発装置とその前段
    に設けられたルテニウム含有硝酸溶液中の該ルテニウム
    の一部ないし全部の化学形態をニトロ基が配位したニト
    ロシル錯体に変換するための還元手段を備えた装置とを
    含むことを特徴とするルテニウム含有硝酸溶液の蒸発処
    理装置。 14、前記還元手段が亜硝酸を生成させるための電解還
    元装置であることを特徴とする特許請求の範囲第13項
    記載のルテニウム含有硝酸溶液の蒸発処理装置。 15、前記還元手段が亜硝酸を供給する装置であること
    を特徴とする特許請求の範囲第13項記載のルテニウム
    含有硝酸溶液の蒸発処理装置。
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