JPH0776799B2 - ルテニウム含有硝酸溶液の蒸発処理方法及びその装置 - Google Patents

ルテニウム含有硝酸溶液の蒸発処理方法及びその装置

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JPH0776799B2 JP63162551A JP16255188A JPH0776799B2 JP H0776799 B2 JPH0776799 B2 JP H0776799B2 JP 63162551 A JP63162551 A JP 63162551A JP 16255188 A JP16255188 A JP 16255188A JP H0776799 B2 JPH0776799 B2 JP H0776799B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は使用済原子燃料再処理における核分裂生成物を
含有する硝酸溶液の蒸発方法及びその装置に係り、特に
放射性ルテニウムの揮発と蒸発装置の腐食との防止に有
効で減圧下に適用するに好適なルテニウム含有硝酸溶液
の蒸発方法に関する。
〔従来の技術〕
従来の方法は、特開昭61−260196号に記載されるよう
に、ルテニウムを含んだ硝酸の蒸発処理において蒸発装
置内における溶液の平均加熱時間を短縮することによつ
てルテニウムの揮発が抑制され、その除染係数と装置構
成材料の耐食性とを改善することを特徴とし、さらに、
蒸発処理中の溶液温度を常圧下の沸点より低く保ち、特
に、蒸発処理に先立つて硝酸溶液中のルテニウムイオン
をニトロシルルテニウム錯化合物に変化させておくこと
によつて効果が示されていた。
しかし、この方法では蒸発装置について、平均加熱時間
を短縮するという条件があり、一般の蒸発装置に適用す
る点については配慮されていなかった。
また、他の従来例として、ジヤーナル・オブ・ケミカル
・アンド・エンジニヤリング・データ第5巻 第4号
(1960年)第521頁から第524頁(Journal of Chemical
Engineering Data,vol.5,No.4,1960,p521〜p524)にお
いてルテニウムを含んだ硝酸溶液を蒸発する場合、蒸気
に含まれるルテニウムの濃度が蒸発缶液中のルテニウム
濃度に対する比率であるルテニウムの揮発係数は蒸発装
置内をほぼ大気圧下で二酸化窒素で満たすことによつて
10-2から10-5台に低下するため、これによりルテニウム
の揮発が抑制されることが示されている。
さらに、特開昭60−46380号に記載のように、重金属及
び/またはその化合物を含有する硝酸溶液を取扱う装置
の防食方法において、該硝酸溶液にNOXガスを強制添加
することの効果を示している。
これら従来の例は、ルテニウムを含んだ硝酸の蒸発装置
において、蒸発装置内に酸化窒素ガスを吹込めばルテニ
ウムの揮発抑制と同時にステンレス鋼の防食が可能であ
ることを示している。しかし、この従来の方法は、特開
昭60−46380号に記載されているように、防食に必要なN
OXガスの吹込量はいちがいには規定できず、基本的には
過不働態領域にあるステンレンス鋼の腐食電位を不働態
化領域に移行させるために必要な量といわれており、硝
酸中におけるルテニウムの化学的挙動に明確に基づくも
のではなかつた。
熱中性子の存在下にウラン−235の核分裂によつてルテ
ニウムの生成する確率は22.0%であり、一方、プルトニ
ウム−239の場合には46.5%であることが知られてい
る。
核分裂によつて生成するルテニウムの同位体としては質
量数が98から109までに種類があるが、質量数が105,10
7,108,109のものは短半減期の同位体であつて使用済燃
料の再処理を行う時点では実質的に存在し得ない。
実質的に問題となる放射性のルテニウムの質量数103
(半減期=3.98日)と106(半減期=368日)で残余は安
定同位体である。
再処理を行う時点(原子炉から取出後4年)で代表的な
軽水炉使用済燃料に含まれるルテニウムの重量は全核分
裂生成物重量の約6.5%であるが放射能の比率は約12%
である。
現在、再処理技術の主流となつているピユレツクス法で
は、使用済燃料の硝酸溶液からトリブチル燐酸−ドデカ
ン混合物でウランとプルトニウムを溶媒抽出し、核分裂
生成物を含んだ硝酸溶液は蒸発処理して硝酸を回収して
再使用し、濃縮液は貯蔵することが原則となつている。
核分裂生成物を含有する硝酸溶液を蒸発、濃縮する過程
でルテニウムの揮発は蒸発缶から留出する硝酸の濃度に
依存することが知られており、留出液の硝酸濃度が2な
いし3規定である通常の場合に、ルテニウム揮発抑制手
段を講じない大気圧下蒸発で留出液中のルテニウム濃度
は缶液濃度の100ないし10分の1程度であるとされてい
る。使用済燃料の再処理において、使用済燃料を硝酸に
溶解する反応は、 UO2+3HNO3→UO2(NO3+1/2NO+1/2NO2+3/2H2O で示され、270グラムの二酸化ウランが溶解する際に22.
4リツトルの酸化窒素が発生する。270グラムの燃料中に
存在する約0.5グラムのルテニウムは硝酸に溶解すると
ともに酸化窒素と遊離硝酸の影響を受けて、一般式が 〔RuNO(NO)(NO)(OH)-(HO)SXYZ3-X-Y-Z であるニトロシルルテニウム錯化合物を生成することが
知られている。
同様の反応はルテニウムイオンを含む硝酸溶液に酸化窒
素,亜硝酸または亜硝酸塩を加温下に反応させることに
よつても見出される。
上記のニトロシルルテニウム錯化合物は亜硝酸が共存し
ない硝酸溶液中でニトロ基(NO2)とヒドロキシル基(O
H)の配位数が減少する傾向があり、放置された硝酸溶
液中では大部分のルテニウムはニトラト基(NO3)と水
(H2O)のみを配位するニトロシルルテニウム・ニトラ
ト錯体となつている。ニトロシルルテニウム・ニトラト
錯体が濃厚な硝酸中で加熱されると酸化して分解し、さ
らに酸化すれば揮発性の四酸化ルテニウムを生成して硝
酸蒸気とともに揮発することにより蒸発装置の除染係数
を低下する。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、ルテニウムを含んだ硝酸の蒸発処理に
おいて、ルテニウムの揮発を抑制し、その除染係数と装
置構成材料の耐食性を改善する方法において、蒸発装置
内における硝酸の平均加熱時間を短縮する条件があり、
一般の蒸発装置に適用する点については配慮されていな
かつた。
本発明の目的は、蒸発装置におけるルテニウムの揮発を
より抑制できるルテニウム含有硝酸溶液の蒸発処理方法
及びその装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成する本発明の特徴は、ルテニウム含有硝
酸溶液に含まれるルテニウムの一部ないし全部の化学形
態を、非酸化雰囲気中において、ニトロ基が配位された
ニトロシル錯体に変換し、その後、そのルテニウム含有
硝酸溶液を蒸発装置に供給することにある。
〔作用〕
ルテニウム含有硝酸溶液に含まれるルテニウムの一部な
いし全部の化学形態を、非酸化雰囲気中において、ニト
ロ基が配位されたニトロシル錯体に変換しているので、
ルテニウムのニトロ基が配位されたニトロシル錯体への
転移速度及び転移率を高めることができ、ニトロ基が配
位されたニトロシル錯体が多量に生成される。ニトロ基
が配位されたニトロシル錯体を多量に含む硝酸溶液が蒸
発装置に供給されるので、蒸発装置内でニトロ基がニト
ラト基に置換されている間は、ルテニウムニトロシル・
ニトラト錯体の酸化分解及び揮発性の四酸化ルテニウム
の生成が抑制される。従って、蒸発装置におけるルテニ
ウムの揮発をより抑制できる。
本発明は、具体的には、ルテニウムイオン及びニトロシ
ルルテニウム・ニトラト錯体を硝酸溶液中で酸化窒素ま
たは亜硝酸と反応させることによりニトロ基を配位した
ニトロシルルテニウム錯化合物を転移する現象にもとづ
いてなされたものである。
ニトロ基を配位したニトロシルルテニウム錯化合物への
転位速度は溶液の温度と亜硝酸濃度が高いほど大となる
ことが知られているが、溶液の温度と硝酸あるいは硝酸
塩濃度が高いほど生成した錯体の分解速度も大きくなる
ため転移率は低下する。更に、非酸化雰囲気中でルテニ
ウムをニトロ基が配位されたニトロシル錯体に変換する
ことはルテニウム化合物のニトロ基を配位したニトロシ
ルルテニウム錯化合物への転移速度と転移率を高めるた
めに効果がある。
硝酸溶液中のルテニウムのすべてもしくは一部がニトロ
基を配位したニトロシルルテニウム錯化合物となつてい
る様な硝酸溶液を蒸発操作が行われている蒸発装置に供
給するとニトロシルルテニウム錯化合物に配位したニト
ロ基はニトラト基に置換してゆくが、この置換過程にお
いて硝酸溶液の酸化還元電位がニトロ基の放出が続いて
いる間は低く保たれている効果があり、従つて、この間
はルテニウムニトロシル・ニトラト錯体の酸化分解と最
終生成物としての四酸化ルテニウムへの酸化が抑制され
ることになる。
そこで、本発明が採用している技術的手段の基本的な作
用は、蒸発装置への供給液中のルテニウムニトロシル錯
体を、予めニトロ基が配位したものに変換したものを供
給するようにし、蒸発装置内に常に一定濃度以上のルテ
ニウムニトロシル・ニトロ錯体を存在せしめることによ
り、ルテニウムの揮発を抑制するものである。
本発明でいう、継続的に供給とは、連続的又は間歇的に
供給することを意味する。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面により説明する。
1は容器であり、2はルテニウムを含んだ硝酸溶液であ
り、3の溶液管を経由して容器1に供給される。硝酸溶
液はヒータ4によつて一定温度に加熱される。5は導入
管であり酸化窒素ガスが容器内に導入される。6は多孔
板であつて硝酸溶液中に酸化窒素ガスを小気泡として分
散し、気液接触を促進させる。過剰の酸化窒素ガスは排
出管7から容器外に流出する。8は移送管であつて容器
1内の硝酸溶液を蒸発缶9に送り込むために用いられ
る。蒸発缶9の内部は、10の排気管を通じて減圧に保た
れ、11の濃縮液は12のヒータで加熱されて減圧下におけ
る沸騰点に保たれる。濃縮液の沸騰によつて発生する硝
酸蒸気は、13の分留管を通つて14の冷却器で液化され、
15の上部液留に入り、弁の操作によつて16の下部液留に
移された後、17の給気管から空気を導入して下部液留内
を大気圧としてから留出液を外部に取り出す。蒸発缶9
内の濃縮液は塩の濃度で一定値に達するまで蒸発を続け
た後、給気管17から蒸発缶内に空気を導入して大気圧と
してから、液抜出管18によつて濃縮液を外部に抜き出す
ように構成してある。
本実施例で用いた被蒸発液である硝酸溶液は大部分が二
酸化ウランからなる使用済原子燃料の溶解のために用い
たもので、この溶液を、トリブチル燐酸と正ドデカンの
混合物でウランとプルトニウムの大部分を抽出除去した
残液である。該硝酸溶液の濃度は3規定、金属濃度は6g
/であり、このうちルテニウムの濃度は0.2g/であつ
た。
本実施例において、蒸発操作の開始前に容器1は1の
硝酸溶液で、また、蒸発缶9は2の硝酸溶液で満た
し、蒸発缶内を200mmHgの減圧とした後に加熱、蒸発処
理を始めた。蒸発処理は毎時200mlの定速度で行なうと
同時に、容器1へは導入管5より蒸発量に等しい量の硝
酸溶液を、かつ蒸発缶9へも同量の硝酸溶液を容器1か
ら供給するようにした。蒸発缶9内の濃縮硝酸溶液中に
含まれる金属元素の濃度は蒸発時間に伴つて直線的に増
加し、210時間の経過後には金属濃度は120g/、このう
ちルテニウム濃度は4g/となり、硝酸濃度は8規定と
なつた。
ここで、本実施例の効果は以下の2つの方法によつて比
較、確認された。
最初の方法では、容器1に供給した硝酸溶液はそのまま
蒸発缶9に移送された。この場合、蒸発缶9から蒸発
し、下部液留16から回収された硝酸溶液中には2mg/の
ルテニウムが検出された。
一方、容器1を経由して蒸発缶9に入るすべての硝酸溶
液に対して、容器1内において65℃に保ちつつ毎時1
の一酸化窒素を吹込んだ場合には、回収された硝酸中に
は0.2mg/しかルテニウムが検出されず、被蒸発液に一
酸化窒素を吹込む操作は明らかに蒸発液中に揮発するル
テニウム量を低減することが判る。
同一の条件において一酸化窒素の吹込を毎時0.1の減
じた場合にも回収硝酸中に検出されたルテニウムは0.2m
g/であつたが毎時0.01と減じた場合には1mg/とな
つた。
本実施例において、一酸化窒素を吹込まない硝酸溶液中
におけるルテニウムと比較して一酸化窒素を吹込んだ後
の硝酸溶液中のルテニウムは加熱下で徐々に一酸化窒素
を放出することがわかつた。一酸化窒素の放出量は1グ
ラムモルのルテニウム当り1グラムモルを越えることは
なく、ここで起り得る化学反応は、 〔RuNO(NO3(H2O)+2NO2 - NO吹込↑↓HNO3中加熱 〔RuNO(NO2(H2O)+2NO3 - と推定される。
本実施例において、一酸化窒素で飽和された硝酸溶液が
200mmHgの減圧下で沸騰している濃度液に連続的に供給
されている時に液に浸した白金電極が銀−塩化銀標準電
位に対して示す電位は1080mVを越えず、一方、受入れた
硝酸溶液のままで供給された場合には1180mVに達した。
他の金属は実施例と同様に含むが、ルテニウムのみは含
まない8規定の硝酸溶液に80℃で一酸化窒素を吹込むと
白金極が示す電位は吹込前と比較して100mV低下するが
吹込を停止すれば直ちに元の電位に戻る。一方、硝酸溶
液中にルテニウムが存在すると一酸化窒素の吹込によつ
て同様の電位低下を生ずるが一酸化窒素の吹込を中止し
ても電位は直ちに元に復せず、約5時間を経て徐々に元
に復した。これは、硝酸溶液中にルテニウムが存在する
場合に、一酸化窒素の吹込によつてルテニウムのニトロ
シル錯体に配位するニトラト基(−NO3)がニトロ基
(−NO2)に変化し、このニトロ基が配位した錯体は硝
酸中で徐々に一酸化窒素を発生しながらニトラト基を配
位した錯体に転移するものと考えられる。この転移速度
は硝酸濃度が高く、温度が高いほど急速となるため、大
気圧における硝酸溶液の比較的温度の高い蒸発では効果
が著しくならない。
硝酸溶液中でルテニウムのニトロシル錯体にニトロ基を
配位する反応は上記実施例にあるように溶液に一酸化窒
素を吹込むことによる特異的なものではなく、一般的に
亜硝酸イオンの存在によつて存在するものである。
亜硝酸イオンを存在せしめる手段として水溶性の亜硝酸
塩、酸化窒素などの直接添加,硝酸を還元する作用のあ
る元素、イオン、有機物等の添加により硝酸を分解して
発生する酸化窒素の間接作用、あるいは電解還元作用で
発生する酸化窒素の間接作用などが利用できる。
一般に硝酸溶液中のルテニウム含量は必ずしも一定に保
たれず、化学形態も一定せず、硝酸濃度や共存イオンも
一定ではないため、必要にして十分な亜硝酸イオンの量
は一義的には定められない。
しかし、同一の亜硝酸イオン濃度の条件では水素イオン
及び硝酸イオン濃度が低いほどルテニウムニトロシル錯
体に配位されるニトロ基の量は増加する。このため、蒸
発装置内の濃縮液と比較して水素イオン及び硝酸イオン
濃度が低い供給液ではルテニウムニトロシル錯体に配位
するニトロ基は増える。ニトロ基の配位数としては4ま
で存在するが、酸性溶液中では2程度と考えられる。
前述のように、ニトロ基とニトラト基の置換は平衡反応
であり、温度が高くなると平衡に達する時間は著しく短
縮するが、同時にニトロ基の平衡配位数は高温度で低下
する。それ故、操作条件によつて最高温度が存在する。
本実施例において、硝酸溶液は酸素と接触させないこと
によつてニトロ基の平衡配位数を増やすことが可能であ
る。
本実施例の方法が成立する条件は、蒸発装置中に存在す
る全ルテニウム濃度とルテニウムニトロシル・ニトロ錯
体の比率ではなく、ルテニウムニトロシル・ニトロ錯体
の絶体量が一定値以上となることである。従つて、供給
硝酸溶液中のルテニウム濃度が高いほうが効果が著し
い。逆に、ルテニウム濃度が極端に低い場合には蒸発装
置内のニトロ錯体濃度は必要な水準に達せず濃縮液中の
ルテニウムの相当部分が揮発する可能性がある。この様
な場合に本発明の方法を適用する場合はむしろ供給硝酸
溶液中にルテニウムニトロシル錯体を添加した方が蒸発
装置から発生するルテニウム揮発量を低減できる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、蒸発装置におけるルテニウムの揮発を
より抑制でき、結果的には蒸発装置の放射能放出抑制能
力が向上し、併せて蒸発装置を構成する材料の腐食を抑
制できる。
請求項2によれば、ルテニウムの濃度が高いので、上記
の効果をより向上できる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の一実施例に係わる試験装置の構成図であ
る。 1……容器、2……硝酸溶液、3……給液管、4……ヒ
ータ、5……導入管、6……多孔板、7……排出管、8
……移送管、9……蒸発缶、10……排気管、11……濃縮
液、12……ヒータ、13……分留管、14……冷却器、15…
…上部液留、16……下部液留、17……給気管、18……液
抜出管。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ルテニウム含有硝酸溶液を蒸発装置に継続
    的に供給しながら前記ルテニウム含有硝酸溶液の加熱蒸
    発を行うルテニウム含有硝酸溶液の蒸発処理方法におい
    て、前記硝酸溶液に含まれるルテニウムの一部ないし全
    部の化学形態を、非酸化雰囲気中において、ニトロ基が
    配位されたニトロシル錯体に変換し、その後、前記ルテ
    ニウム含有硝酸溶液を前記蒸発装置に供給することを特
    徴とするルテニウム含有硝酸溶液の蒸発処理方法。
  2. 【請求項2】前記蒸発装置に供給される前記ルテニウム
    含有硝酸溶液中のルテニウム濃度よりも濃度が高いルテ
    ニウム溶液を、前記蒸発装置に供給する前記ルテニウム
    含有硝酸溶液に添加する請求項1のルテニウム含有硝酸
    溶液の蒸発処理方法。
  3. 【請求項3】前記ルテニウム溶液に含まれるルテニウム
    は、その一部ないし全部の化学形態がニトロ基が配位さ
    れたニトロシル錯体である請求項2のルテニウム含有硝
    酸溶液の蒸発処理方法。
  4. 【請求項4】ルテニウム含有硝酸溶液を蒸発装置に継続
    的に供給しながら前記ルテニウム含有硝酸溶液の加熱蒸
    発を行うルテニウム含有硝酸溶液の蒸発処理方法におい
    て、非酸化雰囲気中で前記硝酸溶液に硝酸を還元して亜
    硝酸を生成する作用を有する物質を添加することによっ
    て、前記硝酸溶液に含まれるルテニウムの一部ないし全
    部の化学形態を、ニトロ基が配位されたニトロシル錯体
    に変換し、その後、前記ルテニウム含有硝酸溶液を前記
    蒸発装置に供給することを特徴とするルテニウム含有硝
    酸溶液の蒸発処理方法。
  5. 【請求項5】ルテニウム含有硝酸溶液を蒸発装置に継続
    的に供給しながら前記ルテニウム含有硝酸溶液の加熱蒸
    発を行うルテニウム含有硝酸溶液の蒸発処理方法におい
    て、非酸化雰囲気中で前記硝酸溶液に硝酸を電気的に還
    元して亜硝酸を生成することによって、前記硝酸溶液に
    含まれるルテニウムの一部ないし全部の化学形態を、ニ
    トロ基が配位されたニトロシル錯体に変換し、その後、
    前記ルテニウム含有硝酸溶液を前記蒸発装置に供給する
    ことを特徴とするルテニウム含有硝酸溶液の蒸発処理方
    法。
  6. 【請求項6】ルテニウム含有硝酸溶液を蒸発装置に継続
    的に供給しながら前記ルテニウム含有硝酸溶液の加熱蒸
    発を行うルテニウム含有硝酸溶液の蒸発処理方法におい
    て、非酸化雰囲気中で前記硝酸溶液に酸化窒素または亜
    硝酸塩を添加することによって、前記硝酸溶液に含まれ
    るルテニウムの一部ないし全部の化学形態を、ニトロ基
    が配位されたニトロシル錯体に変換し、その後、前記ル
    テニウム含有硝酸溶液を前記蒸発装置に供給することを
    特徴とするルテニウム含有硝酸溶液の蒸発処理方法。
  7. 【請求項7】継続的に供給されるルテニウム含有硝酸溶
    液の蒸発処理を行う蒸発装置と、この蒸発装置の前段に
    設けられ、前記蒸発装置に供給される前記硝酸溶液に含
    まれるルテニウムの一部ないし全部の化学形態を、非酸
    化雰囲気中で、ニトロ基が配位されたニトロシル錯体に
    変換する還元手段とを備えたことを特徴とするルテニウ
    ム含有硝酸溶液の蒸発処理装置。
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