JPH02138519A - 磁性流体シール装置付転がり軸受 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （ａ業上の利用分野） この発明に係る磁性流体シール装置付転がり軸受は、ハ
ードディスクドライブ装置（ＨＤＤ）の回転軸を支承す
る為の転がり軸受として利用する。

（従来の技術） コンピュータやワードプロセッサ等の外部記憶装置とし
て、ハードディスクが一般的に使用されているが、ハー
ドディスクは使用時に高速で回転させる必要がある一方
、表面に塵芥等が付着しない様にする為、ハードディス
クの周囲を清浄な状態に維持しなければならない。

この為従来から、清浄空気を封入したケーシング内にハ
ードディスクを収納すると共に、このケーシングの外側
に設けた電動モータにより、上記ハードディスクを回転
駆動する様にしている。

上記電動モータにより回転駆動される回転軸は、上記ケ
ーシングの壁面を貫通しており、ケーシングの内部に於
いてこの回転軸の端部に、上記ハードディスクが固定さ
れている。

回転軸がケーシングの壁面を貫通する部分にはシール装
置を設け、この貫通部分を通じてケーシング内に、塵芥
等が進入しない様にしている。

この様に、ハードディスク駆動用回転軸の貫通部分に設
けるシール装置としては、回転軸が高速で回転する事を
妨げない様に、回転軸の回転に対する抵抗が小さく、し
かも微小な塵芥もケーシング内に進入させない、シール
性に優れた構造である事が必要である。

この為従来から、例えば実開昭６１−７９０７０号公報
に開示されている様に、永久磁石の磁力によって保持さ
れる磁性流体により、上記貫通部分のシール性を保持す
る、磁性流体シール装置が使用されている。

この磁性流体シール装置は、第２図に示す様に、磁性材
により造られた１対のポールピース１．１により、軸方
向（第２図の左右方向）に着磁された永久磁石２を挟持
し、この永久磁石２の磁力により、前記各ポールピース
１．１の内周縁と磁性材製の回転軸３の外周面との間に
、磁性流体４．４を保持する事で構成されている。

これら磁性流体シール装置を構成するポールピース１．
１と永久磁石２とは、弾性材製のオイルシール５の内側
に保持しており、このオイルシール５の外周縁をハウジ
ング６の内周面に支持する事で、前記磁性流体シール装
置をハウジング６の内側に支持している。

そして、この様な磁性流体シール装置は、ポールピース
１．１の内周縁と回転軸３の外周面との間に保持された
磁性流体４．４が、回転軸３の回転を許容しつつ、ハウ
ジング６の内周面と回転軸３の外周面との間の隙間７を
通じて、ケーシング内等に塵芥等が進入するのを防止す
る。

（発明が解決しようとする課題） ところが、上述の様に構成され作用する、従来の磁性流
体シール装置の場合、小型で高性能のシール装置を造る
事が難しいと言った問題があった。

即ち、前記従来の磁性流体シール装置の場合、１対のポ
ールピース１．１と永久磁石２とを、オイルシール５の
内側に嵌合支持している為、ポールピース１．１と永久
磁石２との半径方向に亙る幅寸法を十分に確保出来ない
場合が生じる。上記隙間７の半径方向に亙る寸法Ｈは、
磁性流体シール装置を組み付ける軸受の大きさ等によっ
て予め決まっている場合が多い為、１対のポールピース
１．１と永久磁石２とを、オイルシール５の内側に嵌合
支持する構造とした場合、オイルシール５が各ポールピ
ース１．１と永久磁石２との外側に存在する分だけ、各
部材１．２の、半径方向に亙る幅寸法が小さくなってし
まう。

特に、永久磁石２の幅寸法が小さくなった場合、この永
久磁石２によって得られる磁力が小さくなり、各ポール
ピース１．１の内周縁と回転軸３の外周面との間での、
磁性流体４．４の保持力が小さくなってしまう。

磁性流体シール装置を所定位置に支持する為の構造とし
ては、他にも例えば、実開昭５８−１９１４２３号公報
、同６１−１３０２５号公報、同６２−２０４０２７号
公報、同６３−８４１９号公報、同６３−１３９３２５
号公報、実公昭６３−２９９４４号公報、米国特許第４
６９２８２６号明細書等に記載されたものがあるが、何
れも同様の問題があったり、或は構造が複雑で組立が面
倒である等の問題がある。

本発明の磁性流体シール装置付転がり軸受は、この様な
不都合を解消するものである。

（課題を解決する為の手段） 本発明の磁性流体シール装置付転がり軸受は、円筒状の
第一の局面を有する第一のレースと、同じく円筒状で前
記第一の周面と間隔を開けて対向する第二の周面を有し
、前記第一のレースと同心に配置された磁性材製の第二
のレースと、互いに対向する第一、第二の周面同士の間
に、前記第、第二のレース同士の相対的回転を自在とす
る為に設けた複数の転動体と、この複数の転動体を設け
た部分に存在するグリースと、前記第一、第二の周面同
士の間に設けられた磁性流体シール装置と、この磁性流
体シール装置と前記転動体との間に、前記第一の周面の
中間部に固定する状態で設けられたグリースシール板と
から構成されている。

そして、本発明の磁性流体シール装置付転がり軸受に於
いては、前記磁性流体シール装置を、軸方向に亙って着
磁された円輪状の永久磁石と、それぞれが円輪状に形成
され、前記永久磁石を挟持する１対のポールピースと、
少なくとも転動体側のポールピースの前記第二の周面と
対向する周縁と前記第二の周面との間の隙間に、前記永
久磁石の磁力によって保持された磁性流体とから構成し
ている。

又、前記磁性流体シール装置は、前記第一の周面と半径
方向の位置決め関係で係合しており、前記グリースシー
ル板は、前記永久磁石よりも前記転動体側に存在する事
で、半径方向に互って前記永久磁石と重なり合う事がな
く、且つ前記グリースシール板は、側面に形成した位置
決め部を、前記転動体側のポールピースの側面で前記周
縁から離れた部分に、磁性流体シール装置の軸方向の位
置決め関係にて接触させている。

且つ、前記グリースシール板の前記第二の局面側のスカ
ート部の側面と前記転動体側のポールピースの側面との
間に、ポケットを設けている。

（作　　用） 上述の様に構成される本発明の磁性流体シール装置付転
がり軸受に於いては、少なくとも転動体側のポールピー
スの周縁と、この周縁が対向する第二の周面との間に、
永久磁石の磁力によって保持された磁性流体により、第
一、第二の側周面同士の間のシール性が確保される。

又、磁性流体シール装置の位置決めは、第一の周面との
半径方向に亙る位置決め関係と、グリースシール板の側
面に形成した位置決め部と転動体側のポールピースとの
軸方向に亙る位置決め関係とにより図られる。この為、
ポールピースと永久磁石との、半径方向に亙る幅寸法を
十分に大きくする事が出来、永久磁石の磁力による、前
記磁性流体の保持力を十分に大きくする事が出来る。

更に、グリースシール板のスカート部側面と転動体側の
ポールピースの側面との間に存在するポケットが、ラビ
リンス空間として機能する為、グリース等の転動体側に
存在する流体が磁性流体シール装置の側に進入する事を
有効に防止する事が出来、この磁性流体シール装置を構
成する磁性流体が、グリース等の混入により劣化する事
が防止される。

（実施例） 次に、図示の実施例を説明しつつ、本発明を更に詳しく
説明する。

第１図は本発明の磁性流体シール装置付転がり軸受の実
施例を示す断面図である。

８は、第二のレースであるインナーレースで、軸受鋼等
の磁性材により造られた、このインナーレース８の片半
部（第１図の右手部）外周面（第二の周面）には、外方
軌道９を形成している。

又、１０は、第一のレースであるアウターレースで、こ
のアウターレース１０の片′半部内周面（第一の周面）
には、内方軌道１１を形成している。

そして、この内方軌道１１と前記外方軌道９との間には
、転動体である複数の玉１２．１２を設けて、前記イン
ナーレース８とアウターレース１０との相対的回転を自
在とする、転がり軸受を構成している。

アウターレース１０の内周面中間部で、前記内方軌道１
１が設けられた小径部１３と、後述する磁性流体シール
装置１４を装着する大径部１５との間部分には、段部１
６を形成している。そして、前記大径部１５の段部１６
側端部に、第一の凹溝１７を形成し、この第一の凹溝１
７に、グリースシール板１８の外周縁を支持している。

このグリースシール板１８は、ゴム部材１９と金属製補
強板２０とから構成されており、更にこの内のゴム部材
１９は、前記金属製補強板２０の外周寄り部分に沿った
取付部１９ａと、この取付部１９ａから側方に突出した
位置決め部１９ｂと、この位置決め部１９ｂよりも内方
に突出したスカート部１９ｃとから構成されている。

そして、この様に構成されるグリースシール板１８は、
前記取付部１９ａの外周縁を、前記第一の凹溝１７に嵌
合させる事で、アウターレース１０の中間部内周面に支
持されている。この状態で、前記取付部１９ａの一側面
は、前記段部１６に当接し、この結果グリースシール板
１８はアクタ−レース１０に対して、軸方向と半径方向
との何れの方向に就いても位置決めされた状態で、前記
アウターレース１０の内側に支持されている。

一方、アウターレース１０の他生部（第１図の左半部）
内側に装着される磁性流体シール装置１４は、それぞれ
が円輪状に形成された第一、第二のポールピース２１．
２２と、やはり円輪状に形成され、両ポールピース２１
．２２によつて挟持された永久磁石２３とから構成され
ている。この永久磁石２３は、軸方向（第１図の左右方
向）に互って着磁されている。又、第一、第二のポール
ピース２１．２２の内径は、前記インナーレース８の外
径よりも僅かに大きくして、各ポールピース２１．２２
の内周縁とインナーレース８の外周面との間に環状の間
隙を形成し、この間隙に磁性流体２４．２４を、前記永
久磁石２３の磁力によりて保持している。

前記第一　第二のポールピース２１．２２の内、グリー
スシール板１８側の、第一のポールピース２１の外径は
、前記アクタ−レース１０の大径部１５の内径と同じか
、この内径よりも僅かに大きくする事で、この第一のポ
ールピース２１を大径部１５内に挿入した場合に、第一
のポールピース２１の外周縁と、大径部１５の内周面と
が当接し、第一のポールピース２１を含む磁性流体シー
ル装置１４が、半径方向に亙って位置決めされる様にし
ている。

又、上述の様に、第一のポールピース２１を大径部１５
内に挿入した場合に、第一のポールピース２１の側面が
、前記グリースシール板１８の位置決め部１９ｂに当接
し、第一のポールピース２１を含む磁性流体シール装置
１４が、軸方向に互って位置決めされる様にしている。

そして、この状態で、前記グリースシール板１８のスカ
ート部１９ｃの側面と、第一のポールピース２１の側面
との間には、十分な容積を有するポケット２５が、全周
に亙って形成される。

一方、前記インナーレース８の中間部外周面で、前述の
様にアクタ−レース１０の内周面所定位置に支持された
グリースシール板１８のスカート部１９ｃの内周縁が対
向する部分には、第二の凹溝２６を、インナーレース８
の全周に亙フて形成している。

この結果、前記スカート部１９ｃの内周縁と第二の凹溝
２６との間には、ラビリンス空間２７が形成される。こ
のラビリンス空間２７と前記ポケット２５との間、及び
このラビリンス空間２７と、前記玉１２．１２が存在す
るベアリング空間２８との間には、それぞれ幅の狭くな
った通路２９ａ、２９ｂが存在する様になる。

尚、図示の実施例の場合、永久磁石２３と第二のポール
ピース２２との外径を、ぞれぞれ大径部１５の内径より
も小さくすると共に、永久磁石２３及び第二のポールピ
ース２２の外周縁と前記大径部１５の内周面との間に形
成される隙間空間に、接着剤３０を充填している。

上述の様に構成される本発明の磁性流体シール装膜何社
がり軸受に於いては、第一、第二のポールピース２１．
２２の内周縁と、インナーレース８の外周面との間に、
永久磁石２３の磁力によって保持される磁性流体２４．
２４により、インナーレース８の外周面とアウターレー
ス１０の内周面との間のシール性が確保される。

又、第一、第二のポールピース２１．２２と永久磁石２
３とによって構成される磁性流体シール装置１４の半径
方向に亙る位置決めは、第一のポールピース２１の外周
縁とアウターレース１０の大径部１５の内周面との係合
により、同じく軸方向に亙る位置決めは、グリースシー
ル板１８の側面に形成した位置決め部１９ｂと第一のポ
ールピース２１との当接により、それぞれ図られる。

この為、磁性流体シール装置１４を構成する第、第二の
ポールピース２１．２２と永久磁石２３との、半径方向
に亙る幅寸法を十分に大きくする事が出来、永久磁石２
３の磁力による、磁性流体２４．２４の保持力を十分に
大きくする事が出来、この磁性流体２４．２４が失われ
るのを防止して、磁性流体２４．２４によるシール力を
、長期間に互って保持する事が出来る。

更に、グリースシール板１８を構成するゴム部材１９の
スカート部１９ｃの側面と、第一のポールピース２１の
側面との間に存在する環状のポケット２５が、ラビリン
ス空間として機能し、しかも前記スカート部１９ｃの内
周縁とインナーレース８の外周面に形成された第二の凹
溝２６との間に、別のラビリンス空間２７が形成されて
いる為、玉１２．１２を潤滑する為にベアリング空間２
８内に存在するグリースが、磁性流体シール装置１４の
側に進入する事を、ラビリンスシール効果によって有効
に防止する事が出来、この磁性流体シール装置１４を構
成する磁性流体が、グリースの混入により劣化する事が
防止される。

尚、本発明の構造によりインナーレース８の外周面とア
ウターレース１０の内周面との間に位置決め固定される
磁性流体シール装置１４の構造自体は、第１図に示した
様な構造のものに限定されるものではなく、従来から知
られた他の構造のものとする事も出来る。

（発明の効果） 本発明の磁性流体シール装置は、以上に述べた通り構成
され作用する為、比較的簡単な構成で安価に製作出来、
組立作業も容易に行なえるにも拘らず、磁性流体シール
装置を構成する永久磁石の、半径方向に亙る幅寸法を十
分に大きくする事が出来て、磁性流体の保持力を十分に
確保する事が出来る為、磁性流体の消耗を少なくして、
長期間に亙フて十分なシール性能を確保する事が出来る
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の磁性流体シール装置付転がり軸受の実
施例を示す断面図、第２図は従来の磁性流体シール装置
の１例を示す断面図である。 １：ポールピース、２：永久磁石、３：回転軸、４；磁
性流体、５ニオイルシール、６：ハウジング、７：隙間
、８：インナーレース、９：外方軌道、１０：アクタ−
レース、１１：内方軌道、１２：玉、１３：小径部、１
４：ｌ１ｉｉ性流体シール装置、１５：大径部、１６：
段部、１７：第一の凹溝、１８ニゲリースシール板、１
９：ゴム部材、１９ａ：取付部、１９ｂ＝位置決め部、
１９Ｃニス力−ト部、２０：金属製補強板、２１：第一
のポールピース、２２：第二のポールピース、２３：永
久磁石、２４：磁性流体、２５：ポケット、２６：第二
の凹溝、２７：ラビリンス空間、２８：ベアリング空間
、２９ａ、２９ｂ：通路、３０：接着剤。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）円筒状の第一の周面を有する第一のレースと、同
   じく円筒状で前記第一の周面と間隔を開けて対向する第
   二の周面を有し、前記第一のレースと同心に配置された
   磁性材製の第二のレースと、互いに対向する第一、第二
   の周面同士の間に、前記第一、第二のレース同士の相対
   的回転を自在とする為に設けた複数の転動体と、この複
   数の転動体を設けた部分に存在するグリースと、前記第
   一、第二の周面同士の間に設けられた磁性流体シール装
   置と、この磁性流体シール装置と前記転動体との間に、
   前記第一の周面の中間部に固定する状態で設けられたグ
   リースシール板とから成る磁性流体シール装置付転がり
   軸受に於いて、前記磁性流体シール装置は、軸方向に亙
   って着磁された円輪状の永久磁石と、それぞれが円輪状
   に形成され、前記永久磁石を挟持する１対のポールピー
   スと、少なくとも転動体側のポールピースの前記第二の
   周面と対向する周縁と前記第二の周面との間の隙間に、
   前記永久磁石の磁力によって保持された磁性流体とから
   構成され、且つ前記磁性流体シール装置は、前記第一の
   周面と半径方向の位置決め関係で係合しており、前記グ
   リースシール板は、前記永久磁石よりも前記転動体側に
   存在する事で、半径方向に亙って前記永久磁石と重なり
   合う事がなく、且つ前記グリースシール板は、側面に形
   成した位置決め部を、前記転動体側のポールピースの側
   面で前記周縁から離れた部分に、磁性流体シール装置の
   軸方向の位置決め関係にて接触させており、且つ前記グ
   リースシール板の前記第二の周面側のスカート部の側面
   と前記転動体側のポールピースの側面との間に、ポケッ
   トを有する事を特徴とする磁性流体シール装置付転がり
   軸受。