JPH0213364Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はエンドレスベルトの往路側を合掌タイ
プとした構造の円筒形ベルトコンベヤに関する。
更に詳しくは、復路側においてベルトに付着して
いる付着物の落下を抑えるように改良を加えた円
筒形ベルトコンベヤに関する。本考案の円筒形ベ
ルトコンベヤは、例えば、石炭、ペレツト、石
灰、アルミナ、穀物、塩といつた荷こぼれ、飛散
しやすい粉粒体などの輸送物の搬送に利用するこ
とができる。

［従来の技術］ 合掌タイプの円筒形ベルトコンベヤは一般に、
第９図のように、エンドレスベルト１００の横断
方向の中央部に相当する搬送部１０１の両端であ
る首部１０５に一定角度傾斜した耳部１０２を設
け、円筒案内ローラ１０３でエンドレスベルト１
００の搬送部１０１を円筒形状に変形し、かつ、
耳部１０２を一対の耳部案内ローラ１０４で合掌
接触させてシールし、以て荷こぼれなどを抑制す
る構造である。

しかし上記コンベヤでは耳部１０２の肉厚がか
なり厚く設定されている関係上ヘツドプーリやテ
ールプーリで巻かれて反転する際に、耳部１０２
に大きな歪が作用しやすく、そのため、耳部１０
２に損傷が生じてエンドレスベルトの寿命に問題
があつた。

そこで近年本出願人は耳部１０２の歪、損傷の
不具合を良好ならしめた合掌タイプ用のエンドレ
スベルトを開発した。このエンドレスベルトは、
該耳部の厚さを該搬送部の厚さとほぼ等しくする
と共に首部の弾性部を小さくしたものである（本
出願の出願時では未公知）。

このエンドレスベルトを用いた円筒形ベルトコ
ンベヤでは、エンドレスベルトの耳部の歪、損傷
を抑え得る。しかしながら、復路側全体が平ベル
ト状となるため曲走した場合にはエンドレスベル
トが不規則にねじれる。そのため曲走が事実上で
きず設置する際に制約があり、場所によつては設
置できないといつた問題点があつた。又、円筒形
ベルトコンベヤは、エンドレスベルトが円筒形と
なるためエンドレスベルトの幅寸法が平ベルトの
場合に比して小となり、設置幅寸法を小さくしう
る利点が本来ならばあるが、復路側全体が平ベル
ト状であるため、前記利点を充分にいかすことは
できなかつた。

ここで、曲走、設置幅寸法といつた問題点を解
決するには、復路側も円筒形状にすることが考え
られる。しかし単に復路側を円筒形にしただけで
は、搬送面が下向きとなつたエンドレスベルトを
円筒形状にするため、シール部たる耳部が真下に
位置し、そのためエンドレスベルトの搬送面に付
着している輸送物が耳部側から落下しやすかつ
た。特に輸送物が粒径の小さな粉粒体である場合
には、搬送面に一旦付着しても、乾燥等により搬
送面から分離しやすいため、落下しやすかつた。
又、耳部が真下に位置すると、エンドレスベルト
の重い荷重を耳部が受けたまま走行することにな
り、耳部に異常摩耗が生じやすくなり、更にエン
ドレスベルトの走行安定性も低下しがちであつ
た。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案は、上記した数々の問題点を一挙に解決
せんとなされたものであり、本考案の目的は、復
路においてエンドレスベルトに付着している付着
物の落下を抑制し得、かつ曲走も可能となり、設
置幅寸法も平ベルトの場合に比して少なくし得、
耳部の異常摩耗、走行安定性の低下といつた問題
も解決しうる円筒形ベルトコンベヤを提供するに
ある。

［問題点を解決するための手段］ 本考案の円筒形ベルトコンベヤは、 基台と、 該基台に軸支されたヘツドプーリおよびテール
プーリと、 該ヘツドプーリおよびテールプーリ間に張設さ
れ、横断方向で中央部に相当する搬送部と該搬送
部の両側につながる首部と該首部の両側につなが
る耳部とで構成され、該耳部の厚さが該搬送部の
厚さとほぼ等しく且つ首部の弾性率が搬送部、耳
部の弾性率よりも小さいエンドレスベルトと、 該基台に保持され、該テールプーリから該ヘツ
ドプーリへ向う該エンドレスベルトの搬送面の裏
面と接触係合し、該エンドレスベルトを断面で耳
部が上方で重なつた合掌形状、中央部が円筒形状
となるように変形させて案内する往路案内部材
と、 該エンドレスベルトの復路側に設けられ、該ヘ
ツドプーリで巻回されたエンドレスベルトを反転
させて該エンドレスベルトの該搬送面を上向きと
する第１のベルト反転装置と、 該基台に保持され、該第１のベルト反転装置を
通過した該エンドレスベルトの該搬送面を内側と
し該エンドレスベルトを断面で少なくとも該中央
部が円筒形状となるように変形させて案内する復
路案内部材と、 該エンドレスベルトの復路側に設けられ、該復
路案内部材から該テールプーリに向う該エンドレ
スベルトを該第１のベルト反転装置の反転方向と
逆方向へ反転して該エンドレスベルトの該搬送面
を下向きとする第２のベルト反転装置とで構成さ
れていることを特徴とするものである。

以下、本考案の円筒形ベルトコンベヤについて
構成要素に分けて更に説明を加える。

本考案の構成要素である基台は、円筒形ベルト
コンベヤのプーリ、往路案内部材、復路案内部材
などを保持する部材である。

本考案の構成要素であるヘツドプーリ及びテー
ルプーリは、基台に回転自在に軸支された回転体
であり、従来の円筒形ベルトコンベヤで用いられ
たものをそのまま使用することができる。例えば
モータ等によつて回転駆動させる構造とすること
ができる。なお、テールプーリは、一般に、従動
プーリとされ、輸送物を積込む側に設けられ、ヘ
ツドプーリは、一般に、駆動プーリとされ、輸送
物を排出する側に設けられる。

本考案の構成要素であるエンドレスベルトは、
ヘツドプーリとテールプーリとの間に張設されて
いる。エンドレスベルトは、横断方向で中央部に
相当する搬送部と、該搬送部の両側につながる首
部と、該首部の両側につながる耳部とで構成され
ている。ここで搬送部は、輸送物をのせて搬送す
る部位であり、エンドレスベルトが合掌形状にな
る際、円筒形状に変形される。首部は搬送部の横
断方向の両側に位置する。この首部は、円筒形状
に曲げられた搬送部の開口部分に相当する。耳部
は、搬送部が円筒形状に変形されたときに互いに
合掌接触し、円筒形となつた搬送部の開口を塞い
でシールする部位である。このエンドレスベルト
では、弾性率特に横断方向の弾性率は、首部が最
も小さい。首部の弾性率を最も小さくした場合に
は、首部はエンドレスベルトの中で最も弾性変形
しやすくなる。首部の弾性率を小さくする構造と
しては、例えば、エンドレスベルトに埋設される
補強層の数を少なくした構造、あるいは剛性の大
きな補強層、剛性の小さな補強層を組合わせてエ
ンドレスベルトに埋設する構造、更にはエンドレ
スベルトの長さ方向に沿つて首部に溝を形成する
構造があげられる。なお、横断方向におけるエン
ドレスベルトの一体性を保つために、搬送部に埋
設される補強層は、首部や耳部にまで達している
ことが好ましい。

このエンドレスベルトでは、耳部の厚さと搬送
部の厚さとがほぼ等しく設定されている。よつて
搬送部の上面と耳部の上面とを同一とし、かつ搬
送部の下面と耳部の下面とを同一とした平ベルト
を用いることができる。

首部や耳部の幅は、エンドレスベルト全体の大
きさ、輸送物の大きさなどによつて定められる。
一般に円筒形となる搬送部の横断方向の長さを
100とした場合に、首部の幅は0.5〜10程度が適当
であり、耳部の幅は２〜10程度が適当である。

本考案の構成要素である往路案内部材は、エン
ドレスベルトを合掌形状に変形させて案内する部
材であり、該テールプーリから該ヘツドプーリへ
向う該エンドレスベルトの搬送面の裏面と接触係
合する。往路案内部材は、例えば、従来の合掌タ
イプの円筒形ベルトコンベヤで用いられていたも
のと同様のものを用いることができる。

本考案を特色づける構成要素の１つである第１
のベルト反転装置は、該エンドレスベルトの復路
側に設けられ、該ヘツドプーリで巻回されたベル
トを反転させて該エンドレスベルトの該搬送面を
上向きとする。ここで上向きとは斜め上向きをも
含む意味である。第１のベルト反転装置は、平ベ
ルトを駆動する従来のベルトコンベヤで用いてい
た反転装置をそのまま使用できる。

例えば、第１のベルト反転装置は、エンドレス
ベルトの移動方向に対して軸芯が直角なローラ
を、該エンドレスベルトの移動方向に多数本並設
し、それぞれのローラの角度を順次変えることに
よつて構成することができる。又第１のベルト反
転装置は、該エンドレスベルトの移動方向に沿つ
て配設された棒状体と、該棒状体に所定の間隔を
存して配設され軸芯が該棒状体の長手方向とほぼ
直角となるようにかつ該棒状体の長手方向に対す
る角度を順次変えた複数個のローラとで構成する
ことができる。又、第１のベルト反転装置は、ヘ
ツドプーリで巻回された平ベルト状のエンドレス
ベルトを反転させつつ円筒形に順次近づける構成
としてもよい。この場合には、一般に、多数個の
小さなローラを円形又は円形に近い形状に配置す
る構成とする。

本考案の構成要素である復路案内部材は、第１
のベルト反転装置を通過したエンドレスベルトの
搬送面を内側とし、断面で少なくとも中央部が円
筒形状になるように変形させて案内する部材であ
る。復路案内部材は、該エンドレスベルトの搬送
面の裏面と接触係合し、該エンドレスベルトを断
面で両端部が上方で重なつた合掌形状、中央部が
円筒形状となるように変形させて案内する構成と
することができる。

又復路案内部材は、例えば、従来の渦巻タイプ
の円筒形ベルトコンベヤで用いられていたものを
使用することもできる。即ち復路案内部材は、エ
ンドレスベルトの搬送面の裏面と接触係合し、該
エンドレスベルトを断面で両端部が上方で渦巻き
状に重なり中央部が円筒形状となるように変形し
て案内する構成とすることができる。

本考案を特色づける構成要素の１つである第２
のベルト反転装置は、該復路案内部材から該テー
ルプーリに向う該エンドレスベルトを該第１のベ
ルト反転装置の反転方向と逆方向へ反転して該エ
ンドレスベルトの該搬送面を下向きとするもので
ある。第２のベルト反転装置は、第１のベルト反
転装置と同様に、平ベルトを駆動する従来のベル
トコンベヤで用いていた反転装置をそのまま使用
できる。

［作用］ 前記のように構成された円筒形ベルトコンベヤ
において、駆動モータ等によつてヘツドプーリな
どを回転させると、エンドレスベルトがテールプ
ーリとヘツドプーリとの間を回動駆動する。回転
駆動の際、テールプーリ付近及びヘツドプーリ付
近のコンベヤベルトは、従来の円筒形ベルトコン
ベヤと同様に平ベルト状になつている。

輸送物は通常テールプーリ付近の位置で乗せら
れる。輸送物を乗せたエンドレスベルトは、ヘツ
ドプーリへ向つて移動する。移動の途中、往路案
内部材によつてエンドレスベルトは、従来の合掌
タイプのものと同様に形状を次第に合掌形状に変
化させてゆく。よつてエンドレスベルトの搬送部
は円筒形状になり、かつ該搬送部の両側の耳部は
合掌接触した形状となる。このとき、首部の弾性
率を最も小さくしたので、首部が弾性変形しやす
いため、首部の外側の耳部は容易に合掌接触する
ことができる。

エンドレスベルト上の輸送物が目的地付近に搬
送されると、例えばヘツドプーリ付近に搬送され
ると、往路案内部材によつて、且つエンドレスベ
ルト自体の弾性による復元力などによつて、エン
ドレスベルトの耳部及び首部が次第に開き該エン
ドレスベルトは平ベルト状となる。目的地では、
輸送物が自然落下等によりエンドレスベルトから
排出される。

しかして、ヘツドプーリによつてエンドレスベ
ルトが方向転換すると、該エンドレスベルトは復
路に移行する。そして第１のベルト反転装置によ
つてエンドレスベルトは反転されエンドレスベル
トの搬送面が上向となる。更に、エンドレスベル
トは復路案内部材によつて中央部が円筒形状とな
るように変形される。このとき耳部の厚みと搬送
部の厚みがほぼ等しいので、耳部は邪魔にならな
い。

更に、前記エンドレスベルトがテールプーリに
近づくと、第２のベル反転装置によつてエンドレ
スベルトは反転され搬送面が下向きとなる。この
様にして復路を終了すると、エンドレスベルトは
テールプーリによつて方向転換されて再び往路に
移行し、前記エンドレスベルトの形状の変化は継
続される。

［考案の効果］ 前記したように本考案の円筒形ベルトコンベヤ
においては、往路および復路ともにエンドレスベ
ルトが円筒形状となるため、往路を円筒形状、復
路を平ベルト状にした場合に比して、それだけ曲
走が容易となり、設置幅寸法も小さくし得る。

又本考案では、復路では第１のベルト反転装置
によつてエンドレスベルトを反転させエンドレス
ベルトの搬送面を上向とし、このようにエンドレ
スベルトの搬送面を上向としたまま、搬送面が内
側となるようにエンドレスベルトの中央部を円筒
形状に変形させる。そのため、復路においてはシ
ール部たる耳部が上方に位置する。故に、エンド
レスベルトの搬送面に付着していた輸送物の付着
物が耳部側から落下することを抑制することがで
きる。そのため、復路案内部材を構成する、ロー
ラの数やローラ間のピツチを狭くして、耳部で確
実にシールを行なうといつた特別な配慮をせずと
もよく、故に円筒形ベルトコンベヤの価格を抑え
得る。

又耳部が上方に位置したままで走行するため、
耳部がエンドレスベルトの重い荷重をうけたまま
走行することを防止できる。よつて耳部の異常摩
耗を抑制でき、エンドレスベルトの走行安定性も
良好に確保できる。また本考案では首部の長さ方
向の弾性率も小さいので、エンドレスベルトを表
裏反転させる際にエンドレスベルトの長さ方向に
作用する張力の大きさを軽減でき、そのぶん反転
し易くなる。

［実施例］ 第１図〜第７図は本考案の第１の実施例を示
す。

（第１実施例の構成） 第１図において、本例の基台１には、駆動用の
ヘツドプーリ１１と従動用のテールプーリ１２と
がそれぞれ支軸１１ａ，１２ａによつて回動可能
に軸支されている。両プーリ１１，１２間にはエ
ンドレスベルト２が、回動可能に張設されてい
る。

第２図はエンドレスベルトの概略を示す図であ
る。このエンドレスベルト２は、第２図に示すよ
うに、エンドレスベルト２の横断方向（第２図の
矢印Ｘ方向）の中央部に相当する搬送部２０と、
搬送部２０の両側につながる首部２１と、首部２
１の両側につながる耳部２２とで構成されてい
る。エンドレスベルト２の厚さはどの部分でも全
て約20ミリメートルの平ベルト状であり、第２図
に示すように帆布で構成された補強層２３が搬送
部２０，首部２１及び耳部２２に連通して埋設さ
れている。尚補強層２３の積層数は、首部２１が
最も少なくなつている。そのため、該ベルト２の
横断方向及び長さ方向の弾性率は、首部２１が最
も小さい。故に首部２１は搬送部２０や耳部２２
よりも弾性変形しやすくなつている。

第１図において、往路案内部材３は、エンドレ
スベルト２の往路側を合掌形状の円筒にするため
基台１に保持された部材である。この往路案内部
材３は、第１図イに示す先行ローラユニツト３０
と、第１図ロに示す中間ローラユニツト４０と、
第１図ハ，ニに示す主ローラユニツト５０とを含
む構成である。

ここで先行ローラユニツト３０は、第７図イに
示すように、ローラ３１，３２，３３を有し、こ
れらの各ローラ３１〜３３をエンドレスベルト２
を横切る方向で略水平方向に配置することによつ
て構成されている。なお、両端部のローラ３１，
３３は外方へ向かうにつれて上向きに傾斜して配
置されている。

又、中間ローラユニツト４０は、第７図ロに示
すようにローラ４１，４２，４３，４４，４５，
４６，４７とを有し、これらの各ローラ４１〜４
７をエンドレスベルト２を横切る方向で上端開口
の略Ｕ字形状に配置することによつて構成されて
いる。

主ローラユニツト５０は、第７図ハ，ニに示す
ようにエンドレスベルト２の中央部を断面円筒形
状に変形させて案内するために円周方向に配置さ
れた複数個の円形案内ローラ５１，５２，５３，
５４，５５，５６，５７と、該エンドレスベルト
２の横断方向の両端部を合掌形状に変形させて案
内する１対の耳部案内ローラ６０，６１と、該エ
ンドレスベルト２の端部を案内する端部案内ロー
ラ６３とで形成されている。

第１図において、復路案内部材７は、往路案内
部材３と同様に、エンドレスベルト２の往路側を
合掌形状の円筒にするために基台１に保持された
部材である。よつて、復路案内部材７は、往路案
内部材３とほぼ同じ構造である。即ち、第１図
ニ′，ハ′に示す主ローラユニツト５０と、第１図
ロ′に示す中間ローラユニツト４０と、第１図
イ′に示す先行ローラユニツト３０とを含む構成
である。

第１図において、第１のベルト反転装置５は、
エンドレスベルト２の復路側のヘツドプーリ１１
寄りの位置に設けられている。又第２のベルト反
転装置４はエンドレスベルト２の復路側のテール
プーリ１２寄りの位置に設けられている。第１の
ベルト反転装置５及び第２のベルト反転装置４
は、エンドレスベルト２を180度反転させて表裏
逆とする装置である。

第４図〜第６図は第１のベルト反転装置５を示
す。第１のベルト反転装置５は、第４図及び第５
図に示すようにエンドレスベルトの移動方向に沿
つて枠体５８０及び５９０に配設された棒状体５
００と、棒状体５００に所定の間隔を存して配設
された複数個のローラ５１０，５２０，５３０，
５４０，５５０とで構成されている。ローラ５１
０〜５５０は、第４図や第６図から明らかなよう
にこれの軸芯が棒状体５００の長手方向とほぼ直
角にかつ棒状体５００の長手方向に対する角度を
順次変えて配設されている。

ここで第４図に示すように第１のベルト反転装
置５の両側には２本１組のガイドローラ５７が設
けられている。

第２のベルト反転装置４も第１のベルト反転装
置５と同様に、図示はしないが棒状体と、棒状体
に沿つて配設された複数個のローラとを含む構成
である。なお、第２のベルト反転装置４の両側に
は第１図に示すように２本１組のガイドローラ５
７が設けられている。

（第１実施例の作用） 次に本例の円筒形ベルトコンベヤを駆動させた
ときのエンドレスベルト２の形状変化について説
明する。

まず、第１図を参照してテールプーリ１２から
ヘツドプーリ１１に矢印Ａ方向へ向かう往路にお
いて説明すると、第１図のイの位置で、エンドレ
スベルト２は、第７図イに示すように略水平形状
（上向に略湾曲した形状）となり、該ベルト２の
搬送部２０は複数個のローラ３１，３２，３３で
保持される。次に、第１図の往路のロの位置に進
むと、エンドレスベルト２の搬送部２０は第７図
ロに示すように複数個のローラ４１，４２，４
３，４４，４５，４６，４７により保持され、よ
つてエンドレスベルト２は略Ｕ字形状に変形され
る。更に、第１図の往路のハの位置に進むと、エ
ンドレスベルト２の搬送部２０が複数個のローラ
５１，５２，５３，５４，５５，５６，５７によ
り保持され、よつてエンドレスベルト２は円形状
となり、耳部２２は耳部案内ローラ６０，６１に
より合掌接触し、且つ、端部案内ローラ６３によ
り耳部２２の端部が規制され完全な合掌形状とな
る。更に、第１図ニの位置においては、エンドレ
スベルト２は前記ハの場合と同様な合掌形状の状
態にある。

そして、このように該ベルト２は、合掌形状と
なつたまま所定距離に進む。更にエンドレスベル
ト２が進んでヘツドプーリ１１に近づくと、エン
ドレスベルト２は第１図のハ，ロ，イの順の形態
で拡開し、順々に平ベルトに近い形状となり、そ
してヘツドプーリ１１で巻回され、輸送物を図示
しないホツパーなどに排出する。

このようにヘツドプーリ１１で巻回したエンド
レスベルト２は復路に至る。復路では、第１図に
示す矢印Ｂ方向へ進む。そして第１のベルト反転
装置５に至る。するとエンドレスベルト２は第１
のベルト反転装置５によつて表裏逆に180度反転
されてエンドレスベルト２の搬送面は上向きの状
態となる。第６図Ａ〜Ｇは反転する過程を示す。
即ち第６図Ａでは、エンドレスベルト２は平ベル
ト状となつている。次に第６図Ｂでは、ローラ５
１０によつてエンドレスベルト２の横断方向の中
央部が持ち上げられると共に該ベルト２の耳部２
２側は下方へ撓み、よつて該ベルト２は上向きぎ
みに曲成される。そして第６図Ｃ〜Ｆへと進むに
つれて順次反転され、第６図Ｆでは、エンドレス
ベルト２の搬送面はほぼ上向きとなる。そして該
ベルト２は搬送面を上向きとしたまま進み、復路
案内部材７によつて順次円筒形状にされる。即
ち、第３図Ｂに示すように、エンドレスベルト２
の断面で耳部２２が上方で重なつた合掌形状、中
央部たる搬送部２０が円筒形状となるように変形
する。更にエンドレスベルト２が進んで第２のベ
ルト反転装置４の位置に至る。すると、第１のベ
ルト反転装置５の反転方向と逆方向へエンドレス
ベルト２は180度回転して表裏逆となる。その結
果エンドレスベルト２の搬送面が下向きとなる。
そして、エンドレスベルト２の搬送面が下向きと
なつたまま、テールプーリ１２によつて巻回さ
れ、再び往路に至る。

（第１実施例の効果） 上記実施例では、往路、復路ともにエンドレス
ベルト２が円筒形状となるため、往路を円筒形状
に復路を平ベルト状にした場合に比して、それだ
けエンドレスベルト２の曲走が容易となり、設置
幅寸法も小さくしうる。

又、第１のベルト反転装置５によつてエンドレ
スベルト２を表裏逆に反転している本実施例で
は、復路において、耳部２２が合掌形状となつた
シール部を、第３図Ｂに示すように、上方特には
真上に位置させうる。そのため、復路において、
エンドレスベルト２の搬送面に残つた輸送物の付
着物の落下を防止することができる。

又耳部２２が上方に位置したまま走行する本例
では、耳部２２がエンドレスベルト２の重い荷重
をうけたまま走行することを防止でき、エンドレ
スベルト２の走行安定性も良好にしうる。

上記したように往路及び復路においてエンドレ
スベルト２の搬送部２０を真円に近い形状に変形
させるに際しては、首部２１に最も大きな曲げ歪
が作用する。この点本例では、エンドレスベルト
２の首部２１の横断方向の弾性率を最も低く設定
しているため、首部２１の曲げ変形が容易であ
る。よつて往路及び復路において、曲げ変形が容
易な首部２１によつて、１対の耳部２２を第３図
のＡ，Ｂで示すように互いに合掌接触させるのが
容易となる。また首部２１の長さ方向の弾性率も
小さいので、エンドレスベルト２を表裏反転させ
る際に、エンドレスベルト２の長さ方向に作用す
る張力の大きさを軽減できる。

（他の実施例） 第８図Ａ，Ｂは本考案の第２実施例を示す。こ
の例では、復路においては、第８図Ｂに示すよう
にエンドレスベルト２は、断面で渦巻形状に変形
している。即ち、両端部たる耳部２２が上方で渦
巻状に重なり、中央部たる搬送部２０が円筒形状
となるように変形している。

なお、第１実施例では、第１のベルト反転装置
５は、エンドレスベルト２を180度反転させて表
裏を全く逆にし、エンドレスベルト２の搬送面を
真上あるいはほぼ真上とする構造であるが、これ
に限らず、第１のベルト反転装置は、反転角度を
180度以内としエンドレスベルト２の搬送面が斜
め上向きとなる構造としてもよい。この場合に
は、耳部２２が合掌形状あるいは渦巻形状に重な
つたシール部は斜め上方、場合によつては横方に
位置することになる。この場合でも該シール部が
真下に位置しないため、輸送物の落下防止に有効
である。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第７図は本考案の第１実施例を示す。
第１図は円筒形ベルトコンベヤ全体の概略側面
図、第２図はエンドレスベルトの要部を横断方向
に切断した概略断面図、第３図Ａ，Ｂは第１図の
−線に沿う概略斜視図、第４図は第１のベル
ト反転装置付近の斜視図、第５図は第１のベルト
反転装置の要部の斜視図、第６図Ａ〜Ｇは第１の
ベルト反転装置の反転過程を示す説明図、第７図
イ〜ニは第１図の往路におけるイ〜ニの各位置の
説明図である。第８図は本考案の第２実施例を示
し、第３図相当図である。第９図は従来の円筒形
コンベヤベルトの主要部の断面図である。 図中、１は基台、１１はヘツドプーリ、１２は
テールプーリ、２はエンドレスベルト、２０は搬
送部、２１は首部、２２は耳部、３は往路案内部
材、３０は先行ローラユニツト、４０は中間ロー
ラユニツト、５０は主ローラユニツト、５１〜５
７は円形案内ローラ、６０，６１は１対の耳部案
内ローラ、７は復路案内部材、５は第１のベルト
反転装置、４は第２のベルト反転装置、５００は
棒状体、５１０〜５５０は反転用のローラを示
す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 基台と、 該基台に軸支されたヘツドプーリおよびテー
   ルプーリと、 該ヘツドプーリおよびテールプーリ間に張設
   され、横断方向で中央部に相当する搬送部と該
   搬送部の両側につながる首部と該首部の両側に
   つながる耳部とで構成され、該耳部の厚さが該
   搬送部の厚さとほぼ等しく且つ該首部の弾性率
   が該搬送部、該耳部の弾性率よりも小さいエン
   ドレスベルトと、 該基台に保持され、該テールプーリから該ヘ
   ツドプーリへ向う該エンドレスベルトの搬送面
   の裏面と接触係合し、該エンドレスベルトを断
   面で該耳部が上方で重なつた合掌形状、中央部
   が円筒形状となるように変形させて案内する往
   路案内部材と、 該エンドレスベルトの復路側に設けられ、該
   ヘツドプーリで巻回されたエンドレスベルトを
   反転させて該エンドレスベルトの該搬送面を上
   向きとする第１のベルト反転装置と、 該基台に保持され、該第１のベルト反転装置
   を通過した該エンドレスベルトの該搬送面を内
   側とし該エンドレスベルトを断面で少なくとも
   該中央部が円筒形状となるように変形させて案
   内する復路案内部材と、 該エンドレスベルトの復路側に設けられ、該
   復路案内部材から該テールプーリに向う該エン
   ドレスベルトを該第１のベルト反転装置の反転
   方向と逆方向へ反転して該エンドレスベルトの
   該搬送面を下向きとする第２のベルト反転装置
   とで構成されていることを特徴とする合掌式円
   筒形ベルトコンベヤ。 (2) 該復路案内部材は、該エンドレスベルトの搬
   送面の裏面と接触係合し、該エンドレスベルト
   を断面で耳部が上方で重なつた合掌形状、中央
   部が円筒形状となるように変形させて案内する
   ものである実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の合掌式円筒形ベルトコンベヤ。 (3) 復路案内部材は、エンドレスベルトの搬送面
   の裏面と接触係合し、該エンドレスベルトを断
   面で両端部が上方で渦巻き状に重なり中央部が
   円筒形状となるように変形して案内するもので
   ある実用新案登録請求の範囲第１項記載の合掌
   式円筒形ベルトコンベヤ。 (4) 第１のベルト反転装置及び第２のベルト反転
   装置の少なくとも一方は、それぞれ、該エンド
   レスベルトの移動方向に沿つて配設された棒状
   体と該棒状体に所定の間隔を存して配設され軸
   芯が該棒状体の長手方向とほぼ直角となりかつ
   該棒状体の長手方向に対する角度を順次変えた
   複数個のローラとで構成されている実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の合掌式円筒形ベルト
   コンベヤ。