JPH02119867A - 医療用材料ならびに医療用器具 - Google Patents

医療用材料ならびに医療用器具

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JPH02119867A
JPH02119867A JP1173188A JP17318889A JPH02119867A JP H02119867 A JPH02119867 A JP H02119867A JP 1173188 A JP1173188 A JP 1173188A JP 17318889 A JP17318889 A JP 17318889A JP H02119867 A JPH02119867 A JP H02119867A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は抗血栓性に優れた医療用材料ならびに医療用器
具に関するものである。
〈従来の技術〉 従来より、人工肺、カテーテル、人工心臓などに利用す
るための抗血栓性材料はさまざまなものが考案されてい
る。 ヘパリンを基材表面に固定する方法もその1つで
ある。 その方法にはヘパリンを基材にイオン的に結合
する方法(特公昭54−18317号)、ヘパリンを基
材に共有結合させる方法(特公昭55−46741号)
がある。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかしイオン的結合では血液に接触したとぎにヘパリン
が外れたり、あるいはヘパリンの活性発現に重要である
硫酸基と強固に結合しすぎるため、表面の活性が十分で
はなく、また共有結合では、AT−II+(アンチトロ
ンビンm )との結合部の多くを基材との結合点にして
おり、ヘパリンの表面活性は十分ではなかった。
また、ヘパリンを固定する際にプレポリマーをコーティ
ングする方法がとられる場合が多いが、弾性特性を要求
される部位てはポリマーのはがれ、ひび割れが生じてし
まう欠点を有していた。
したがって、本発明は上記問題点を解決した抗血栓性に
優れた医療用材料ならびに医療用器具を提供することを
目的とする。
〈課題を解決するための手段〉 本発明者らは従来のごとく単に基材表面に、ヘパリンを
固定しようとしても十分な抗血栓性を得ることができに
くい、あるいは有用部位の多くをこの固定のために用い
てしまうことに鑑み、研究を重ねた結果、有用部位の殆
どは残したまま固定を行い、また弾性体にもヘパリンを
安定的に固定を行なうことに成功し本発明に至った。
本発明の医療用材料は、基材においては、オゾン処理に
よって基材上に直接または1つあるいは複数のカップリ
ング剤を介してヘパリンを結合しつる官能基を導入する
。 この官能基はアミノ基、アルデヒド基あるいはエポ
キシ基であるのがよい。
このような基材およびヘパリンを用意して、基材表面に
ヘパリンを固定させる。 基材上に導入された上記官能
基とヘパリンとの固定は、直接、または1種類あるいは
複数種のカップリング剤を介して共有結合により行う。
  1種類のカップリング剤を用いる場合は、カップリ
ング剤として2つ以上のアルデヒド基や、エポキシ基を
有する化合物を用いることができる。
また、複数種のカップリング剤を用いる場合は、基材上
に導入された上記官能基にアミノ基等の官能基を2つ以
上有する化合物からなるカップリング剤を予め結合させ
て基材にアミノ基等を導入した後、ヘパリンを2つ以上
のアルデヒド基やエポキシ基を有する化合物からなるカ
ップリング剤を用いて基材に結合させることが好ましく
、更にはヘパリンを結合する際に、カップリング剤をヘ
パリンと同時、あるいはヘパリン投入以降に反応系内に
投入することが好ましい。
このようにすると、ヘパリンが基材近傍に高密度で存在
している状態でカップリング剤を反応させるのでカップ
リング剤を有効に作用させることができ、ヘパリンがよ
り多く基材上に固定される。
特に、前者のカップリング剤においてアミノ基を導入す
るようなカップリング剤を用いたときは、ヘパリンのア
ミノ基と反応系内でほぼ同様な反応性を示すので、より
効率的に後者のカップリング剤によるヘパリンの基材へ
の固定を行わせることができる。
また、ヘパリンと直接結合するカップリング剤の官能基
または基材に導入された官能基がアルデヒド基である場
合は、ヘパリンとして、ヘパリンのN−硫酸基の一部を
脱硫化して第1級アミノ化したものを用いることが好ま
しい。
以上のような製法で得られる医療用材料は種々の抗血栓
性材料として利用でき、この抗血栓性材料は特に血液を
接触する部分を有する医療用器具に用いることができる
。 医療用材料としては中空糸、チューブなどを挙げる
ことができ、医療用器具としては人工肺、人工心肺回路
、カテーテル、人工心臓などを挙げることができる。
また、中空糸、人工肺のガス交換膜はともに多数の細孔
を有する多孔質膜を用いるのがよく、予め細孔には細孔
より小径のシリカのような微粒子を充填したものがよい
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の医療用材料は、エポキシ基、アルデヒド基のよ
うな官能基を有する基材に、ヘパリンを直接または1つ
あるいは複数のカップリング剤を介して固定したもので
ある。 また、ヘパリンは、カップリング剤を用いた場
合、力・ツブリング剤の官能基がアルデヒド基である場
合は、反応性の点からN−硫酸基の一部を脱硫酸化して
第1級アミノ化したヘパリンを用いることが好ましい。
まず上記官能基を有する基材について説明する。
基材としては、用途に応じて使い分けられることもある
が、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルな
どが一般に使用される。
この基材自体は一般にヘパリンと直接、あるいはカップ
リング剤を介して結合しつる官能基を有していない場合
が多い。 このような場合には基材に上記官能基を導入
する。 導入方法には種々あるが、以下に述べるような
方法によるのが好ましい。
本発明においては、上記官能基を導入するために、オゾ
ン酸化を利用する。 一般に有機化合物をオゾン酸化す
るとさまざまな官能基、例えば、アルデヒド、ケトン、
エポキシなど反応性の高い官能基が生成される。
そこで基材をオゾン処理し、表面に導入されたこれらの
反応性の高い官能基を使用し、ヘパリンを固定化するこ
とを考案した。 これらの官能基に直接官能基を結合さ
せることも可能ではあるが、立体障害等の問題もあり、
これらの官能基にスペーサー(カップリング剤)を導入
し、ヘパリンを結合する方法が、容易で、しかも表面の
ヘパリン活性発現の点からも有用である。
次に、オゾン処理法について説明する。
オゾン処理は、02をオゾン発生機で酸化させた031
02ガスを基材と接触させればよい。 また、オゾンを
溶媒に溶解させて用いてもよいが、用いる溶媒はオゾン
により酸化されるのを防止するため、水、酢酸、トリク
ロロフルオロエタン、四塩化炭素等がよい。
またオゾンの処理条件は、濃度、反応時間、反応温度等
、その材質により千差万別である。
たとえばある材質には至適条件でも、他の材質には十分
官能基が導入できなかったり反応が強すぎて材質が劣化
しすぎたりする。 一つの目安として気体状態で接触さ
せる時は、1〜20 m g / 、Qの濃度、50〜
100100O/minの流量、0〜70℃の反応温度
で0.5〜120m1 nの反応時間のうちからその材
質に合った至適条件を選択することが可能である。
これらの手法により、ポリウレタン、ポリアミド/ポリ
エーテルのコポリマーなどの弾性体に直接官能基を導入
することができるため、ポリマー表面の剥離等もなく、
容易にヘパリンを結合することができる。
次に、上述した官能基を有する基材に固定するためのヘ
パリンについて述べる。
ヘパリンは抗血栓性を示す化合物として広く知られ、N
H303NaというN−硫酸部位を有している。 ヘパ
リンなそのまま基材表面に固定することもできるが、ヘ
パリンと結合する相手の官能基がアルデヒド基のように
元来ヘパリンが持つアミン基だけでは十分に固定しきれ
ない官能基である場合は特に、ヘパリンのN−硫酸部位
の一部の脱硫酸化を行って第1級アミノ化しておく。
この場合、第1級アミン化の程度は、ヘパリン中の全ア
ミノ基の内、第1級アミノ基の量が5〜25%にするの
がよい。 より好ましくは10〜20%、更に好ましく
は10〜15%がよい。 ここで、ヘパリン中の第1級
アミノ基の量とは、N−硫酸部位を脱硫酸化して第1級
アミノ化したもの、およびヘパリン自体が持っていたも
の両方を含む。 ヘパリン中の第1級アミノ基の量が5
%未満では基材に固定されにくくなり、25%を越える
とヘパリンの活性が低下してくるので、5〜25%にし
ておくのがよい。
ヘパリンのN−硫酸部位の脱硫酸化は次のようにして行
うことができる。 その具体例を挙げて説明する。
一市販のヘパリンを蒸留水に溶かし、10%ヘパリン溶
液を作製した。 このヘパリン溶液10mflに5.5
N硫酸0.4mj2を加え、95℃にて反応させ、経時
的にサンプリングし、そのアミノ基量の増加をニンヒド
リン法(注1)、ヘパリン活性を合成基質法で測定した
。 結果を第1図に示す。
また文献上、ヘパリン中の全スルホアミノ基を脱硫酸化
するとされる条件(2%ヘパリン、0.04N塩酸、9
5℃)にて反応を行ない、経時的なアミノ基量の増加を
同様に測定した。
結果を第2図に示す。
(注1) ニンヒドリン試薬:ニンヒドリン2g1トヒトリンダン
チン0.3gをメチルセロソルブ75mJ2に溶かし、
4N酢酸ナトリウム(pH5,5)を25mJ2加える
検体0.75mJ2にニンヒドリン試薬0.5mflを
加え、沸騰水中で15分間加熱する。
急冷した後25%エタノール5mAを加え、570nm
で吸光度を測定する。  アミン基の定量はロイシンの
発色度として数値化する。
第1図において、○印は血液の凝固第2因子に対する抗
凝固性を示すもので、・印は血液の凝固第10因子に対
する抗凝固性を示すものである。 ヘパリンが高分子量
域でなければその抗凝固性を発現しない凝固因子と、低
分子量域でもその抗凝固性を発現する凝固因子とがある
。 そこで、第1図ではそれぞれの凝固因子の代表する
第2と第10因子を例にとフでヘパリンの高低両分子量
域に対する抗凝固活性はほぼ同じであることを示した。
第1図および第2図かられかるように、インキュベーシ
ョン時間とともにヘパリン中の第1級アミノ基は増加す
るが、第1図かられかるように、ヘパリン活性は徐々に
低下する。 したがってヘパリン活性が不適当に低下し
ないような領域でヘパリンのN−硫酸部位の第1級アミ
ノ化を行う必要がある。
具体的にはヘパリンのロイシン当量が 0.05〜0.18 (4moj2710mg)である
ことが好ましく、更には0.05〜0.13 (μmo
A/10mg)あることが好ましい。 即ち、ロイシン
当量が0.05(μmoA/1 omg)より低いと、
第1級アミノ基が十分でなく、基材表面へのヘパリンの
固定量が低下してしまい、018(μm0Il/ 10
 m g )より高いと、ヘパリン活性が低下してしま
うので好ましくない。
次に、前述のようにして得た官能基を有する基材と、ヘ
パリンとの固定について述べる。
基材とヘパリンとの上記固定はカップリング剤の少なく
とも1つ好ましくは2つ以上のアルデヒド基やエポキシ
基等を有する化合物を用い、アミノ基とこれらの官能基
の反応により結合することができる。 このようなアル
デヒド化合物としては、グルタルアルデヒドなどを挙げ
ることができる。 カップリング剤としては、アルデヒ
ド化合物の他にエポキシ化合物であるポリエチレングリ
コールジグリシジルエーテルなどを用いてもよい。 こ
れらの場合、基材上のオゾン処理により得た官能基に、
2つ以上の第1級アミノ基を有するカップリング剤(例
えば、ポリエチレングリコールジアミン、ポリエチレン
イミン)をあらかじめカップリングすることが好ましく
、以下にその説明をする。
まず、基材上の導入された官能基に2つ以上の第1級ア
ミノ基を有するカップリング剤を、基材が成形されたも
のであれば、カップリング剤溶液を塗布、またはその溶
液中に基材を浸漬し、基材が液状であれば、カップリン
グ剤を混合することによって結合させ、基材にアミノ基
を導入する。 例えば、水、低級アルコール、クロロホ
ルム、アセトン等の反応液中で基材と2つ以上の第1級
アミノ基を有するカップリング剤とを接触させることに
より行なわれ、その際の条件は、水系溶媒の場合、PH
4〜12、温度0〜80℃、反応時間は10分〜24時
間とするのが好ましい。 即ち、pHが4未満である。
とカップリング剤の基材表面への結合性が低下し、また
材質によっては基材の劣化のおそれがあり、12より大
きいと、基材の材質によっては劣化のおそれがあ□るの
で好ましくない。 温度が0℃未満であると、反応性が
低下してしまい、80℃より高いと、第11&アミノ基
が変性するおそれがあるので好ましくない。
また、反応時間は10分未満であると反応が十分に進行
せず、24時間より長いとpHが極端に低かったり高か
フたりする場合や、温度が極端に高がりたりする場合に
基材等に悪影響を及ぼしたり、アミノ基の変性のおそれ
があるので好ましくない。
アミノ基を2以上有するカップリング剤としては、ポリ
エチレンイミン(PEI)、ポリエチレングリコールジ
アミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン等
が挙げられる。
また、本発明に用いられる基材としては、末端に前記ア
ミノ基と結合可能な反応性基を有するものであればよく
、カルボキシメチルセルロース、グリシジルメタクリレ
ート−メチルメタクリレート共重合体などがある。 ま
た、ポリ塩化ビニルをはじめ塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−
塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニル−ウレタン共
重合体、ポリ塩化ビニルーアクリロニトリル共重合体、
塩化ビニル−メタクリル酸メチル共重合体、および上記
ポリマーと可塑剤とからなる軟質ポリ塩化ビニル変性体
、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ア
クリロニトリル−ブタジェン−スチレン(ABS)、ア
クリロニトリル−スチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチ
ルなどについてはこれらをオゾン酸化や、部分加水分解
等の処理を行なうことにより、容易にアミノ基と反応す
る官能基に変換させることで用いることができる。
このようにして基材にアミノ基を導入した後、このアミ
ノ基とヘパリンのアミノ基とを2つ以上のアルデヒド基
やエポキシ基を有するカップリング剤により結合し、基
材にヘパリンを固定する。  2つ以上のエポキシ基を
有するカップリング剤を例にとって説明する。 このカ
ップリング剤としては、2つ以上のエポキシ基を有する
化合物であればいかなるものでもよいが、反応に有利な
点で水溶性の化合物であることが好ましい。 具体的に
は、ブナコール■EX−421,512,521,61
1,612,614,614B、あるいはジェポキシ化
合物として、1.4−ブタンジオールジグリシジルエー
テル、ブナコール■EX−313,810,811,8
51,821,830,832,841,861(ナガ
セ化成社製)等が挙げられる。 さらにエポキシの反応
性のちがいから、ブナコールEX−313,421,5
12,521,810,811,821,851等がさ
らに好ましい。
さらに前述の方法によって共有結合した基材上のアミノ
基とヘパリンのアミノ基とが、エポキシ基を2以上有す
る化合物のエポキシ基と、それぞれ結合するその反応方
法は、アミノ基が導入された基材と、上記カップリング
剤と、ヘパリンとを同時に混合し反応させてもよいし、
はじめに基材のアミノ基とヘパリンの官能基とを反応さ
せ、軽く結合させた後、カップリング剤のエポキシ基と
反応させてもよい。
例えば、同時に混合し反応させる際には、反応条件とし
て、pH2,0〜10,0、反応時間1hr 〜200
hr、反応温度15〜80℃とするのがよい。
pHがこの範囲にあるとヘパリンの安定性が好ましい。
反応時間はlhr未満では反応が十分でなく、200h
r超ではヘパリンの分解、過度の架橋による表面に固定
されたヘパリンの表面活性低下のため好ましくない。
反応温度は15℃未満では反応が十分に進まず、80℃
超ではヘパリンの安定性が低下するため好ましくない。
また溶媒は、例えば、水等を用いることができる。
また、はじめに基材のアミノ基と、ヘパリンの官能基と
を反応させて、これらをイオン結合させておき、その後
エポキシ基を有する化合物と架橋反応させる場合は、は
じめの基材とヘパリンとの反応条件として、pH2,0
〜5.0とするのがよい。
pH2,0未満ではヘパリンの安定性が低下し、pH5
,0超では基材表面の陽荷電が低下し、結合ヘパリン量
が低下するため好ましくない。
反応温度は、0〜80℃とするのがよい。
0℃未満ではイオン結合速度が著しく低下し、80℃超
ではヘパリン、の安定性が低下するため好ましくない。
また反応時間は、10〜1500分とするのがよい。 
 10分未満ではイオン結合が不十分であり、1500
分超ではイオン結合量が完全に飽和してしまい、新たに
結合することはないため無駄である。
反応方法としては、基材にヘパリン溶液を浸漬させても
よいし、塗布してもよい。
また、基材が液体の場合は、ヘパリン溶液と混合すれば
よい。
さらに前記基材とヘパリンとの反応生成物とエポキシ基
を有する化合物とを架橋反応させる際、pHはアルカリ
下でも酸性下でもよい。
しかし、本発明において、酸性下でなければアミノ基を
もった表面が、■にチャージしないため、ヘパリンが表
面からすみやかに離脱するため酸性でないと効果的な架
橋はできず、好ましくない。
化合物の濃度は効率的な架橋のため、エポキシ基の含量
で0.01〜2moL/I!、とするのがよい。
また、反応温度としては、15〜80℃とするのがよい
。  15℃未満では反応が十分でなく、80℃超では
ヘパリンの安定性が低下するため好ましくない。
反応時間はIhr〜200hrとするのがよい。  I
hr未満では反応が十分でなく、200hr超ではヘパ
リンの分解、過度の架橋による固定ヘパリンの表面活性
の低下のため好ましくない。
また反応方法としては、前記基材とヘパリンとの反応生
成物が成形済の場合は、化合物中に浸漬させてもよいし
、塗布してもよい。
また、成形前の液体の場合は、化合物の溶液と混合すれ
ばよい。
この反応によって得られる生成物は、 ■基材のアミン基と化合物のエポキシ基とが反応し、網
目構造になっている中に、ヘパリンが閉じ込められてい
る。
■基材のアミノ基とヘパリン中のアミノ基がエポキシ基
と架橋されている場合の2つの固定状態が考えられる。
しかし、ヘパリンの溶出実験の結果、ヘパリンの溶出は
初期から全く認められないことにより、はとんどが■に
ょるものと思われる。
架橋にアルデヒドではなく、エポキシ化合物を用いるこ
とで、還元剤等を用いた工程上繁雑な後処理は必要では
なく、エタノールアミン等を接触させるだけの、より簡
便な処理で行なうことができる。
また、アルカリ下でエタノールアミン等を用いることで
、イオン結合性のヘパリンを除去することができるため
、使用時でのイオン結合性のヘパリンの大量脱離による
出血傾向を防止する点において優れたものとなる。
また親水性のエポキシ化合物を用いれば、水系で処理を
行なうことができ、かつ表面の血液とのなじみもよくな
ることから、より大きな表面活性を発現することが可能
となる。
またヘパリンをあらかじめスルフオアミノ基の脱硫酸化
をする必要がないため、工程が簡略化できるだけでなく
、反応条件の微妙なちがいによるバッチ間のヘパリンカ
価の変動、力価の低下を生じることなく高力価のヘパリ
ンを安定して固定することができる。
また医療用器具は、前記抗血栓性材料に例示したと同様
の樹脂を用いて、成形したものを基材として用い、後ヘ
パリンおよびカップリング剤と反応させてもよいし、抗
血栓性材料をシート状に加工したものを医療用器具の成
形品表面に貼付けてもよい。
また、基材とヘパリンとは直接結合することもできる。
 このとき、官能基としてはアミノ基と結合しつるエポ
キシ基、アルデヒド基が共通結合点となる。
このように、上記官能基を有する基材にヘパリンを固定
した医療用材料は、ヘパリンの抗血栓性を利用した抗血
栓性材料であり、これは種々の医療器具、例えば、人工
肺、人工心肺回路、カテーテル、人工心臓などに少なく
とも血液と接触する部分に用いることができる。 特に
人工心肺回路、体内留置カテーテルに用いれば、抗血栓
性に優れ、しかも折れ、曲げ、クランプにも安定な人工
心肺回路、体内留置カテーテルが得られる。 また、ガ
ス交換膜として多数の細孔を有する多孔質膜(たとえば
中空糸)を上記のごとく処理すれば、抗血栓性を有する
中空糸が得られ、上記多孔質膜(たとえば中空糸)を人
工肺に用いれば、抗血栓性のすぐれた人工肺が得られる
また、人工肺に用いる多孔質膜の細孔中には予め細孔よ
り小径の微粒子を充填しておくのがよい。 その理由は
、ガス交換膜が多孔質で疎水性でしかもオゾン処理によ
り官能基が出現しない場合、官能基が出現するようなポ
リマーをあらかじめコーティングしなければならないが
、その場合ガス交換膜に均一にポリマーをコーティング
することができず、このため抗血栓性が十分に発揮でき
ない、またヘパリンの固定により膜が親水化するため、
長時間循環時に細孔からの血漿の漏れが生じてくること
があるのでそれを防ぐためである。
多孔質膜への微粒子の充填については特開昭62−64
374号に記載されているようにすルトヨイ。 ここで
は簡潔に述ヘル。
多孔質膜にとの細孔よりも小径の微粒子の分散液をちょ
うど細孔内に微粒子が目詰りするように流す。
該微粒子の材質としては、シリカ、アルミナ、ジルコニ
ア、マグネシア、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ケイ
酸塩、酸化チタン、シリコンカーバイト、カーボンブラ
ック、ホワイトカーボン等の無機物質、あるいは、ポリ
スチレンラテックス、スチレンゴム(SBR)ラテック
ス、ニトリルゴム(N B R)ラテックス等の高分子
ラテックスなどが用いられ得るが、特にシリカが望まし
い。
また、該微粒子の平均直径は0.003〜1.0μm1
好ましくは0.003〜0.5μm程度のものである。
 該微粒子は、分散液とされて、該ガス交換膜にかけら
れる。 分散媒としては、該微粒子および該ガス交換膜
に対して安定なものであればいずれを用いても良いが、
たとえば水、アルコール類等が用いられる。 しかしな
がら分散媒が水である場合には、該ガス交換膜が疎水性
の場合は、分散液を流す前にエタノール、イソプロパツ
ール等のアルコール類を該ガス交換膜の表面に接触させ
てガス交換膜の表面を親水化させておくことが必要であ
る。
ガス交換膜が中空糸の場合には、中空糸の内部から適当
に加圧した微粒子分散液を通過させると、微粒子の充填
が好適になされる。
〈実施例〉 以下に本発明を実施例を挙げて具体的に説明する。
A、カップリング剤として2以上のアルデヒド基を有す
る化合物を用いた場合 ■、基材への官能基の導入 (実施例1) ナイロンとポリエーテルのブυツクコポリマーであるP
EBAX6333SAOO1同2533SAOO(At
ochem社)および溶媒可溶性ポリウレタン(NKY
−9LH7日木ポリウレタン)(以下各々A、B、Cと
する)のシートを作製した。  これらのシートを、オ
ゾン発生機(日本オゾン■)にて、0.81/mt n
o2.50℃の条件で、Aは10分、B、Cは20分処
理した(以下各々A1、B1、C1とする)。
ESCAにより、オゾン処理前後での表面光素組成比の
変化を測定した。 その結果を表1に示す。
またシッフ試薬により、表面のアルデヒドの確認を行な
った。 その結果、オゾン処理をしたもの(At、B1
、CI)は赤紫から青紫色に染色されたが、オゾン処理
をしていないもの(A、B%C)は染色されなかった。
表I  ESCAによる表面組成分析 ■ 一部脱硫酸化ヘバリンの作製 (実施例2) 市販のヘパリンを蒸留水に溶かし、10%ヘパリン溶液
を作製した。 このヘパリン溶液10mjLを5.5N
硫酸0.4mJl中に入れ、97℃で10分間インキュ
ベートした。
得られたヘパリン中の全アミノ基内の第1級アミノ基は
、ヘパリンが最初から有するものおよびN−硫酸部位が
脱硫酸化されて第1級アミノ化されたものを含めて11
%であった。
■■■  基材へのヘパリンの固定および評価(実施例
3) 実施例1にしたがって作製したシート(A。
B、C,AI、B1、CI)をpH10に調整した1、
7%PGD−10(ポリエチレングリコールジアミン)
または0.5%ポリエチレンイミン(PEI)(BAS
F社)に45℃、24時間浸漬した。 続いて実施例2
により反応させた一部脱硫酸化ヘバリンおよび反応前の
ヘパリンについて0.5%、p)(4,5酢酸緩衝溶液
を作製し、この膜をこの溶液中に45℃、24時間浸漬
した。 続いて2.5%グルタルアルデヒドロ)14.
5酢酸緩?#溶液中に、室温で24時間浸漬した。 続
いて1%NaB)I4、pH10炭酸緩衝溶液中に、室
温、4時間浸漬した。
これらの処理をしたシートを0.0IN塩酸に浸漬した
後、トルイジンブルーにより染色した結果、オゾンIA
理をしないシート(A、B、C)は、いずれもほとんど
染色されなかった。
また、オゾン処理したもの(AI、B1、Ct)では、
反応前のヘパリンを反応させたものについてはわずかに
染色されたのみであったが一部脱硫酸化したヘパリンを
反応させたものはA1、B1、C1とも紫〜赤紫色に染
色された。
また、実施例1にしたがって作製したシート(A、B、
C,AI、B1、CI)をPEI、PGD−10を反応
させる工程を除いて同様に処理したものについて確認し
たところ、オゾン処理した後、一部脱硫酸化されたヘパ
リンを反応させたもののみ青紫色に染色された。
(実施例4)ヘパリン固定化チューブの抗血栓性 実施例1に示したポリマーBにて、内径1.4mmのチ
ューブを作製した。 また、ポリウレタンの内面にポリ
マーCをコーティングした内径1.4mmのチューブを
作製した。
ついで実施例1と同様のオゾン処理条件にてこれらのチ
ューブの内側をオゾン処理した後、実施例2で得た一部
脱硫酸化ヘバリンを実施例3のようにして固定化した(
以下各々B2、C2、B3、C3とする)。 また上記
チューブをオゾン処理せずに同様にヘパリン固定処理し
たものも作製した(以下各々B4、C4、B5、C5と
する)@ ここで、B2、C2、B4、C4はポリエチレングリコ
ールジアミンを、B3、C3、B5、C5はポリエチレ
ンイミンを基材とヘパリンのカップリング剤として用い
たものである。
これらのチューブついて、pH9のホウ酸緩衝溶液で1
5時間洗浄し、さらにpH7,4の一リン酸緩衝溶液で
2時間洗浄した後、各チューブの表面抗トロンビン活性
を測定した。 具体的な方法は、ヘパリン固定チューブ
を56cmにて切断し、トロンビン0〜10 U / 
c c(4%AJ2b生食溶液)を0.5mA注入し、
15mi nロータリーミキサーで内面と接触させる。
 その後、内液のトロンビン濃度を測定し、内面吸着ト
ロンビン量を算出する。
トロンビン吸着チューブは生食で洗浄後、0.6mn 
 S−22381,0mj!を2mβ/ m i nで
チューブ内を流し、チューブから出てきた液は50%酢
酸0.2mIL中に滴下し、反応を止める。 その反応
液の吸光度を測定し、内面吸着トロンビン量に対するS
−2238の発色性の検量線を作成する。
次にトロンビンを吸着させたチューブにA T 111
 1 U / c cを入れ、インキュベーションした
後、同様にS−2238を内面残存トロンビンで発色さ
せ、その発色度と検量線より内面残存トロンビンを算出
する。
A T Illのインキュベーション時間を変化させた
時の内面残存トロンビン量の変化が第3図である。 そ
の結果を第3図に示す。 以上よりオゾンJA理したも
のは活性があった。
また、同チューブをさらに30分血漿で洗浄し、血漿中
に洗い出されるヘパリンを洗浄した後、チャンドラーズ
ループテストを行なフた。
その結果を表2に示す。 これからオゾン処理をしたも
のでヘパリン固定の効果が実際の血液中で表われている
ことがわかる。
チャンドラーズループテストの方法および意義は以下の
通りである。
抗凝固されていない新鮮血が凝固するまでの時間を測定
することによりその新鮮血がふれている材質の抗血栓性
のレベルを評価できる。
同チューブを20cmに切断し、その中に家兎耳静脈よ
り採血した新鮮血88μ℃を入れ、輪にして8r、p、
m、で回転させる。
そして血液が凝固してチューブと一緒に回り出すまでの
時間を測定する。
以上の結果よりオゾン処理をする事によりヘパリンが固
定され、抗血栓性が付与されることがわかる。
(実施例5) 実施例4で得たB3、C3、B4、C4およびB5.C
5の各チューブについて15kgの雑犬の左右大腿静脈
にカニュレーションし、内側に乳酸リンゲルを5 m 
It / h r流しながら、8hr放置し、その後、
取り出してチューブの血栓の形成度を目視で観察した。
 その結果、B3、C3共にチューブの内外ともほとん
ど血栓は形成されなかったが、B4、C4、B5、C5
では内側はほとんど閉塞し、外面にも血栓が多数付着し
ており、オゾン処理によるヘパリン固定化の効果は明ら
かであった。
■ 人工肺へのへバリンの固定および評価(実施例6) 内径200μm、肉厚25μm、空孔率45%、平均孔
径700人のポリプロピレン性中空糸型人工肺(膜面積
0.8m’)の中空糸にポリエーテル・ポリアミドブロ
ックコポリマーをコーティングした後、実施例1と同様
のオゾン処理をし、さらにpH10に調整した0、5%
PEI (ポリエチレンイミン)に45℃、24時間浸
漬した。
続いて実施例2により反応させた一部脱硫酸化ヘバリン
0.5%、pH4,5酢酸緩衝溶液を作製し、この中空
糸をこの溶液中に45℃、24時間浸漬した。 続いて
2.5%グルタルアルデヒド、pH4,5酢酸緩衝溶液
中に、室温で24時間浸漬した。 続いて1%NaBH
4、pH10炭酸緩衝溶液中に、室温、4時間浸漬して
人工肺Aを得た。
方間様の人工肺について、血液人口からエタノールを流
入させガス交換膜を親水化した後、蒸留水で置換した後
、平均粒径が0.0125μmのコロイダルシリカ/水
分散液を流入させガス交換膜に濾過させ、シリカを細孔
に充填した。 次に蒸留水を流入してガス交換膜内部に
残留するシリカ/水分散液を十分排除した後、乾燥を行
なった。 その後、人工肺Aと同様の処理を行なって人
工肺Bを得た。
また、オゾン処理をしていない同様の人工肺を比較とし
て人工肺Cとする。
(抗血栓性の評価実験) 人工肺A、BおよびCについて、25Kgの雑犬にて大
腿動静脈A−Vシャントを行ない、m a x 400
 m It / m i nで血液を循環させた。
その結果、人工肺A、Bとも8時間の循環中圧損の増加
に伴う流量の低下は生じなかった。
人工肺Aは9時間より流量の低下が見られたが、人工肺
Bでは12時間後も流量の低下は見られな力じた。
これに対し、人工肺Cにおいては、人工肺中の血栓形成
のため、2時間で循環は不能になった。
また、人工肺Aでは6hrより血漿の漏出が見られたが
、人工肺Bでは12hr後も血漿の漏出は見られなかっ
た。
B カップリング剤として2以上のエポキシ化合物を用
いた場合 (実施例7) 軟質塩化ビニルチューブ(チル千社製No、CBT65
0)に溶媒可溶性ポリウレタン(NKY−9LH/日本
ポリウレタン)をコーティングした。このチューブをオ
ゾン発生機にて、0 、81L/m1no250℃の条
件で10m1n処理した。 このチューブに0.05%
ポリエチレンイミン(PEI)に45℃ 20hr浸漬
し、続いて0.5%へパリ’J (pH4,0゜0、I
M酢酸Buffer)に45℃、4hr浸漬した。
これとはべつにポリエポキシ化合物(ブナコール EX
−421(ナガセ化成社製))、ジェポキシ化合物(ブ
ナコールEX−313(ナガセ化成社製))をpH4,
0,10mM  酢酸Bufferに溶かし、5%ポリ
エポキシ化合物、10%ジェポキシ化合物の水溶液を作
り、続いて3000rpm 、  10 m i nの
遠心分離により水不溶分を沈殿させ、上滑を分取し、上
記処理チューブをそれぞれ浸漬し、各々を1.11とす
る。 なお、比較対照としてエポキシ化合物を含まない
pH4,0,10mM酢酸Bufferを上記処理チュ
ーブに浸漬し、これをII+とする。
これらを45℃で20hr、44hr反応させ各々を1
−20 (hr)、l−44(hr)、  It−20
(hr)、  It−44(hr)とする。 その後、
pH10,1Mエタノールアミンに16hr浸漬させた
後水洗した。 これらのサンプルについてトルイジンブ
ルー染色を行なったところ表3のようになった。
表       3 (実施例8) 溶媒可溶性ウレタン(NKY−9LH)のシートを、デ
ィッピングにより作製した。 このシートについて実施
例7のように処理し、このシートにヘパリンを固定し、
さらに実施例7と同じポリエポキシ化合物およびジェポ
キシ化合物を20hrあるいは44hr浸漬させ、エポ
キシ処理■をし、次いでIMエタノールアミン処理■と
してpH10,0,1Mエタノールアミン浸漬を16h
rし、さらにpH10,1M塩化ナトリウムに浸漬し、
イオン結合性のヘパリンの除去■を行なった。
これらについて、各操作時のシートをESCAにより、
N、O,C,Sの元素組成比を測定した。結果を表4に
示す。
表 4(S元素組成比 %) インキュベーションし、さらに余剰の吸着ヘパリンを徹
底的に洗浄したものとについて行なフた。 その結果を
表5に示す。
以上の結果よりエポキシ化合物にヘパリンを固定したこ
とにより抗血栓性が付与された。
またpH10,1Mエタノールアミン処理により余剰ヘ
パリンはほぼ除去されていると思われる。
(実施例9) 内径1.4mmの軟質塩化ビニールチューブに溶媒可溶
性ポリウレタン(NKY−9LH)を内面コートし、実
施例7と同様に処理し、エニ44 (h r ) 、I
I −20(h r ) 、lI44(hr)の3種に
ついてヘパリン化チューブを作製した。 このチューブ
についてチャンドラループ法による抗血栓性評価を行な
った。 また比較対照としては実施例7のILIを用い
た。 なおこれは、そのまま行なったもの、24hrを
3回、6%アルブミンにより(実施例10) 内径1.4mm、外径2mmの軟質塩化ビニールチュー
ブの内外面に溶媒可溶性ポリウレタン(NKY−9LH
)をコーティングし、実施例7と同様にl−44(hr
)(比較対照111としてエポキシ化合物0%−44h
rlA理)にしたがってヘパリン化チューブを作製した
これを15kgの雑犬の左右大腿動静脈にカニユーレ−
ジョンし、内側を5  mft/hrの乳酸リンゲルで
流しながら、8hr放置し、その後取り出してチューブ
の血栓の形成度を目視で観察した。 その結果、■−4
4はほとんど血栓はみられなかったが、II+ −44
は内外とも血栓が多・数みられた。
〈発明の効果〉 本発明においては、予め基材に所定の官能基を導入し、
これらの基材およびヘパリンの官能基同士を直接、ある
いは1つもしくは複数のカップリング剤を介して結合す
ることにより、ヘパリンを基材に固定しているために、
得られる医療用材料、またこれを用いた人工肺、心肺回
路のような医療用器具における抗血栓性、基材に固定さ
れたヘパリンの安定性が著しく改良され、血液潅洗時に
もヘパリンの流出のおそれが少なく、長時間の使用に耐
えられるようになった。
【図面の簡単な説明】
第1図はヘパリンのN−硫酸部位の脱硫酸化と活性の変
化を示すグラフである。 第2図はヘパリンのN−硫酸部位の脱硫酸化による第1
級アミノ基量の変化を示すグラフである。 第3図は実施例4で得られた試料(医療用材料)の表面
ヘパリン活性を示すグラフである。 F I G、2 インへユベーション日1間(min) F I G、 3 ATI[AQ 日前間(min)

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)基材上にヘパリンが固定されてなる医療用材料で
    あって、 基材表面の酸化物中に含まれる官能基と、ヘパリンのア
    ミノ基とが、直接、または少なくとも一種のカップリン
    グ剤を介して共有結合していることを特徴とする医療用
    材料。
  2. (2)基材表面の酸化物中に含まれる官能基がアルデヒ
    ドまたはエポキシ基である請求項1記載の医療用材料。
  3. (3)ヘパリンはN−硫酸基の一部が脱硫酸化して第1
    級アミノ化されたものである請求項1記載の医療用材料
  4. (4)抗血栓性材料として用いられるものである請求項
    1ないし3のいずれかに記載の医療用材料。
  5. (5)少なくとも血液と接触する部分が請求項1ないし
    4のいずれかに記載の医療用材料から形成されてなる医
    療用器具。
  6. (6)少なくとも血液と接触する部分が請求項1ないし
    4のいずれかに記載の医療用材料から形成されてなる中
    空糸。
  7. (7) (a)基材をオゾン処理することにより基材上に官能基
    を導入し、 (b)この官能基と、ヘパリンとを、直接、または少な
    くとも一種のカップリング剤を介して共有結合させる、 ことを特徴とする医療用材料の製法。
  8. (8)前記(b)工程は、官能基に、ヘパリンのN−硫
    酸基の一部を脱硫酸化して第1級アミノ化したヘパリン
    を直接、または少なくとも一種のカップリング剤を介し
    て共有結合させることにより行う請求項7記載の製法。
  9. (9)カップリング剤の少なくとも1つが少なくとも2
    つのアルデヒド基を有する化合物である請求項8記載の
    製法。
  10. (10)少なくとも2つのアルデヒド基を有する化合物
    がグルタルアルデヒドである請求項9記載の製法。
  11. (11)カップリング剤が少なくとも2つのエポキシ基
    を有する化合物である請求項8記載の製法。
  12. (12)少なくとも2つのエポキシ基を有する化合物が
    水溶性のものである請求項11記載の製法。
  13. (13)医療用器具を構成する基材の血液との接触面に
    、請求項7ないし12のいずれかに記載の(a)工程お
    よび(b)工程を施すことにより、前記接触面に抗血栓
    性を付与する工程を含むことを特徴とする医療用器具の
    製法。
  14. (14)ガス交換膜として多数の細孔を有する多孔質膜
    を用いた人工肺において、血液流通面が請求項1ないし
    3のいずれかに記載の医療用材料で形成されていること
    を特徴とする人工肺。
  15. (15)前記多孔質膜の細孔中には該細孔より小径の微
    粒子が多数充填されている請求項14記載の人工肺。
  16. (16)前記微粒子がシリカである請求項15記載の人
    工肺。
  17. (17)ガス交換膜として使用される多数の細孔を有す
    る多孔質膜の血液流通面を基材として、請求項7ないし
    10のいずれかに記載の(a)工程および(b)工程を
    施すことを特徴とする人工肺の製法。
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