JPH02119854A - 金属歯冠鋳造用ワックスパターンの形成法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は歯科医療において補綴用などとして用いられる
金属歯冠を製作するための歯冠鋳造用ワックスパターン
の形成法に関する。

〔従来の技術〕

歯科医療において欠損した歯を補綴するために、義歯等
として金属歯冠が用いられる。かかる歯冠では金属面が
口腔内に露出していると、口を開けたときにキラリと光
ることがあって見苦しいことがあるばかりでな（、食物
の味にも影響を与えるなどのことがあるので、歯冠の表
面を乳白色の合成樹脂やセラミックス等で被覆すること
が行われる。このような場合、金属と被覆層との接合を
強固なものとするために金属歯冠の表面の接合面積を大
きくしかつアンダーカットのある凹凸すなわちリテンシ
ョンをつけることが行われる。

金属製鋳造歯冠を製作するに当たっては、歯冠を装着し
ようとする部位の石膏模型の上に歯科用ワックスを用い
て歯冠形状のパターンを彫塑成形し、こうして得たワッ
クスパターンを例えば水硬性の埋没材などによって包埋
して鋳造型を得、この鋳造型により金属歯冠を鋳造して
いた。そして金属歯冠の表面にリテンションをつけるた
めに、前述のワックスパターンの表面に前記リテンショ
ンと同様な形状の凹凸を設けるようにしていた。

ところがかかる目的で用いられる歯科用ワックスは、蜜
ロウなどを用いて調製されたもので軟化点が低くまた軟
らかいので、ワックスパターンの表面上に凹凸を設ける
に際しては、ワックスを溶解しない常温乾燥型の接着剤
をワックスパターンの表面に塗布し、この上にリテンシ
ョンビーズと呼ばれる熱分解性合成樹脂の径５０〜１０
０μｍの微粒を散布して乾燥固着させる方法が用いられ
ていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

上述のような従来技術にあっては常温乾燥型の接着剤は
溶剤が揮発するまでに時間がかかるうえ、ワックスパタ
ーン表面とビーズ下側面との間のくびれ部分が表面張力
によって接着剤で埋められたりビーズが重なり合って接
着したりしてアンダーカット部が消失するばかりでなく
、被覆層との接合面積が減少する。このような現象を避
けるために接着剤の塗布量を少なくすると乾燥の早い部
分が生じリテンションビーズの付着が不均一となったり
脱落し易くなったりする問題がある。

このために、従来技術ではリテンションビーズの接着に
は高度の熟練を必要とするばかりでなく、その接着状態
の差によって金属歯冠面と被覆層との接合強度の変化や
被覆層の厚味の部分的な差による色調むらなど、製作し
た歯冠の品質にばらつきが生ずることを避けられなかっ
た。

そこで本発明は、被覆層との接合強度が優れた高品質の
金属歯冠を高信頼度で製作する方法を提供することを目
的としたものであり、更に具体的には、金属歯冠の表面
に接合強度を高めるに最良なリテンション形状を均一に
形成しろるようなワックスパターンの形成法を提供しよ
うとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

前記のような本発明の目的は、歯牙の模型上に形成した
歯冠形状のワックスパターンの表面に１００ｃｐ以上の
粘度を有する光硬化性接着剤を塗布したのち合成樹脂製
のビーズを付着させ、次いで熱線を減衰させた光源によ
り光照射して該接着剤を硬化させることを特徴とする金
属歯冠鋳造用ワックスパターンの形成法によって達成さ
れる。

本発明において用いられる光硬化性接着剤は、たとえば
アクリル系の架橋性単量体と感光性重合開始剤を配合し
たものが用いられ、その光波長範囲は熱線範囲を包含し
ない限り特に限定されないが、その取り扱いの上からは
紫外線硬化性のものが好ましい。また、かかる光硬化性
接着剤の粘度は１００ｃｐ以上のものが必要で、粘度が
低いときは金属歯冠と被覆層との接合強度がばらつくよ
うになる。

本発明において用いられる合成樹脂製ビーズは熱分解性
合成樹脂を材料としたもので、通常使用されているリテ
ンションビーズをそのまま用いることができる。

また、本発明において接着剤を硬化するために用いられ
る光源は熱線を減衰させたものであり、熱線が含まれて
いると光照射中にワックスパターンが加熱されて変形を
起こすなどの不都合がある。

従って光源から放射される熱線はフィルタなどによって
前記の不都合が生じない程度まで吸収するなどして減衰
させておくことが必要である。

〔実施例〕

常法に従って歯冠形状のワックスパターンを形成し、こ
のパターンの被覆層を設ける側の面を上向きとして支持
器に取り付けて把持した。次いで紫外線硬化性接着剤（
ノガヮケミカル■、ダイアポンドＤＡ−８５５Ｋ、粘度
的５００ｃｐ）を刷毛を用いて厚さ約１５μｍに塗布し
、この上にアクリル樹脂製リテンションビーズ（径約５
０μｍ）を散布して付着させた。そして直ちに紫外線照
射装置（アイグラフィックス■、アイキュアーライ）Ｈ
Ｌ−１５０）を用い、５ｍＷ／ｃＪの強さで２０秒間紫
外線照射し、接着剤を硬化させた。

このようにしてワックスパターン上に固着したリテンシ
ョンビーズは指で摩擦しても離脱しなかった。

一方、従来方法に従って溶液型接着剤（歯科用リテンシ
ョンポンド）を被膜厚さが１５μｍとなるように塗布し
たのち前記と同じリテンションビーズを散布し、１５分
間風乾し固着させてワックスパターン（従来例）を作成
した。

この場合のリテンションビーズ固着面は本発明にくらべ
て不均一であり、指で摩擦すると一部離脱するものがあ
った。

これらのワックスパターンの表面部を縦に切断して断面
を観察したところ、本発明によって得たパターンの表面
のビーズは第１図のように狭い面積で接着してアンダー
カット部が大きかったのに対して、従来例のパターンの
表面のビーズは第２図のように広い面積で接着してアン
ダーカット部が殆どなかった。

このようなワックスパターンを用いて鋳造した金属面は
、いづれもほぼ忠実にパターンの形状を再現しており、
熱硬化性合成樹脂を塗布し焼き付けて得た樹脂被覆層と
金属面との接合強度を比較したところ、本発明のワック
スパターンを用いて得た金属面は、明らかに従来例のも
のよりも優れた接合強度を示した。

〔発明の効果〕

本発明の金属歯冠鋳造用ワックスパターンの形成法によ
れば、被覆層との接合強度の大きく均一な表面構造を有
する金属製鋳造歯冠を再現性よく製作することができる
ワックスパターンを、高熟練度を必要とせずに能率よく
作成することができる特長がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の金属歯冠鋳造用ワックスパターン形成
法によって得たパターン表面の縦断面図、 第２図は従来法によって得たパターン表面の縦断面図で
ある。 １・・・ワックスパターン本体、２・・・接着剤、３・
・・リテンションビーズ、４・・・アンダーカット部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　歯牙の模型上に形成した歯冠形状のワックスパターン
   の表面に１００ｃｐ以上の粘度を有する光硬化性接着剤
   を塗布したのち合成樹脂製のビーズを付着させ、次いで
   熱線を減衰させた光源により光照射して該接着剤を硬化
   させることを特徴とする金属歯冠鋳造用ワックスパター
   ンの形成法。