JPH0211505B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は繊維産業における糸巻返工程で利用さ
れる巻返機で、特に多数の糸巻返装置並びにコツ
プマガジンを列設して構成した自動巻返機におい
て、少なくとも２種類の糸をグループ別に区分け
した巻返部のコツプマガジンへ自動的に供給する
様にしたもので、１台の自動巻返機で同時に複数
種の糸を自動的に供給しながら巻き返えす様にし
たものである。

〔従来の技術〕

１台の巻返機が多数の巻返装置並びにコツプマ
ガジンを列設して構成される自動巻返機は一般に
よく知られている。またこれらの巻返装置のコツ
プマガジンは管糸を複数本保留して順次回転して
巻返装置に供給するものであることもよく知られ
ている。一方これらのコツプマガジンへ管糸を供
給するに当つては各種の管糸自動供給装置が提案
され且つ実用に供されているが、取扱いや操作面
において支障があつたり或は設備費が高騰して実
用的なものが少なかつた。例えば第８図（平面略
図）は実用的な自動管糸供給装置を併設した自動
巻返機の一例を示したもので、自動巻返機１は多
数（40〜50個）の糸巻返装置１ａ，１ａ……を組
み付けて構成され、それぞれの巻返装置１ａに
個々にコツプマガジン２が設けられている。そし
てこれらのコツプマガジン２は第１１図（第８図
の一部拡大図）に示すように固定マガジンケース
の内側にマガジンクリール２ａを設け、該クリー
ル２ａの周辺に形成した管糸保留穴に管糸を保留
して１ピツチずつの回転によつて保留管糸を巻返
装置１ａへ供給している。この様なコツプマガジ
ン２へ管糸を自動的に供給するには、第８図に示
す様にコツプマガジン２の列に平行させて管糸供
給ベルトコンベア３を配設し、該ベルトコンベア
上にほぼ一定の間隔を保持して供給管糸４を供給
し、管糸供給を必要とするコツプマガジンにおい
て開放状態にある開閉扉２ｂによつて供給管糸４
をこのコツプマガジンへ導き入れ、この導入が終
了すると直ちに開閉扉２ｂが閉塞して供給管糸を
次位のマガジン側へ通過させる様になつている。

ところでこの様な管糸自動供給装置では、相当
に長い距離で管糸を搬送して供給しており、かつ
自動巻返機１を円滑で連続的に運転させるために
自動巻返機１の処理能力以上の管糸を該供給ベル
トコンベア３で供給する必要があり、管糸供給ベ
ルトコンベア３の端末側にはいずれのコツプマガ
ジンへも導入されなかつた余剰管糸が残留する。
この余剰管糸は別の貯留箱に投入して再び供給側
に供給するが、この余剰管糸を供給側へ自動的に
返還させる手段として第９図（管糸供給ベルトコ
ンベアのみ示した側面略図）のものが知られてい
る（特公昭56−14570号公報）。即ち管糸供給ベル
トコンベア３の下側裏面３ａを返還側として利用
するもので、管糸供給ベルトコンベア３の端末側
にリターン装置５を設けて余剰管糸４ａをすべて
ベルトコンベアの返還側へ導き、管糸供給側に管
糸引き上げ装置６を並設して返還側の余剰管糸４
ａを該引き上げ装置６の上昇移動ベルト側へ導い
て再び管糸供給ベルトコンベア３へ供給してい
る。そしてベルト３からリターン装置５へ、ベル
ト返還側３ａから引き上げ装置６のベルトへ及び
該ベルトから供給ベルト３への管糸移し替えはそ
れぞれ一方のベルトを傾斜案内して塔載管糸を他
側へ転落移動させている。第１０図は第８図の一
部拡大右側断面図で管糸供給ベルトコンベア３は
壁板にそれぞれ樋形レール７，７ａを取り付けて
案内しており、前記リターン装置側では第１２図
（第１０図と同様に示す側断面図）に示す様に樋
形レール７側に楔片８を介装して余剰管糸４ａを
返還側３ａへ矢印のように転落させている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところでこの様に多数の巻返装置を列設した自
動巻返機において、一種類の糸を仕掛けるに当つ
ては極めて好都合であるが、異種類の糸を仕掛け
ようとすると前記自動管糸供給装置をそのまま利
用することができず、異種類の管糸は別な収納箱
に収容して異種糸巻き返しグループのコツプマガ
ジンへ入手で供給しなければならず、仕掛糸種が
小ロツトである場合は自動巻返機を合理的に利用
することができない。これからこの様な自動巻返
機において多種類の糸を同時に巻き返すと共にそ
れぞれ自動的に供給できる様な供給装置の開発が
要望される。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで本発明は前記した様な自動巻返機におい
て、他品種の糸を仕掛けるコツプマガジンをグル
ープ別に区分すると共に前記管糸供給ベルトコン
ベアとほぼ同じ高さ位置に平行させて他品種糸の
管糸供給ベルトコンベアを並設すると共に、コツ
プマガジン側の近接管糸供給ベルトコンベアの途
中グループ仕分け部にリターン装置を設けて１グ
ループの余剰管糸を近接管糸供給ベルトコンベア
の供給側へ返還させ、他側の他品種管糸供給ベル
トコンベアの供給管糸を前記リターン装置の後方
側で近接管糸供給ベルトコンベア側へ導入する様
に構成し、近接管糸供給ベルトコンベア端末側に
同じくリターン装置を設け、該リターン装置から
の管糸を再び他側の管糸供給ベルトコンベアの裏
面返還側へ導入する様にし、それぞれの管糸供給
ベルトコンベアの管糸供給側に返還管糸を供給側
へ導く管糸引き上げ装置を対設して構成したもの
である。

〔作用及び実施例〕

以下本発明を図面に基づいて詳細に説明する
が、図は本発明の具体的な実施の１例を示したも
ので本発明は図示例に限定されず、前・後記の趣
旨に沿つて一部の設計を変更したり或は他の装置
を併設してもよい。第１図（平面略図）は本発明
を利用した自動巻返機１を示し、１台の巻返機を
Ａ及びＢのグループに区分けして仕掛ける場合を
示し、各グループＡ、Ｂの錘数は仕掛品によつて
適当に区分する。そして本発明では従来から設け
られている管糸供給ベルトコンベア、或は新しく
設ける管糸供給ベルトコンベア３をＡグループ巻
返部供給用として利用し、他側の管糸供給ベルト
コンベア１０をＢグループの管糸供給用として異
品種糸管糸供給用に利用するものを示している。
そしてこれらの管糸供給ベルトコンベア３，１０
はほぼ水平に同じ高さで設け、その配設に当つて
は第２図（第１図の一部拡大側断面図）に示す様
に、ベルトコンベアの樋形レール７ｂ，７ｃを複
列形として隔壁に取り付け、上方のレール７ｂ側
に供給コンベアベルトの搬送側を下方のレール７
ｃ側に返還側をそれぞれ底面に沿わせて配設す
る。一方各管糸供給ベルトコンベア３，１０の管
糸供給側（図面で右側）には、管糸供給装置９，
９ａを設けており、該供給装置９，９ａは適当な
手段で間欠的に個々の管糸をベルトコンベア３，
１０に投下供給するものであり、ベルトコンベア
３，１０にはほぼ一定の間隔で管糸が塔載され
る。尚ベルトコンベア３，１０の幅寸法は管糸外
径より僅かに大きい寸法とし、塔載される管糸は
それぞれ管糸の軸線方向に搬送されるものであ
る。また図示例では該管糸供給装置９，９ａの前
方（管糸移送方向）ベルトコンベア上に管糸検知
装置１４，１４ａを設け、該検知装置が管糸の存
在を検知しなかつたとき管糸供給を行なうものを
示しており、この検知装置１４，１４ａの取付位
置によつてベルトコンベア上の管糸塔載間隔を決
めることができる。

そして管糸供給ベルトコンベア３（以下マガジ
ン２側へ近接しているので近接ベルトコンベア３
と言う）のＡグループ端末側にリターン装置５を
設け、Ａグループのマガジン２群に受け渡されな
かつた余剰管糸４ａを近接ベルトコンベア３の返
還側３ａへ導く様にする。第３図（第２図と同様
に示した側断面図）に示す様に近接ベルトコンベ
ア３の上にガイド板３ｂを設けて余剰管糸４ａを
すべてリターン装置５に導く、リターン装置５と
しては第３図で示す様な箱形シユートで構成し、
投入された管糸は矢印のごとく転落して返還側３
ａに塔載される。

一方異種類管糸供給ベルトコンベア１０（以下
他側ベルトコンベアと言う）のＢグループ対応位
置の始端側にはガイド１０ｂを設けると共に樋形
レール７ｂの隔壁部を開口させて他側ベルトコン
ベア１０上の異種管糸１２をすべて近接ベルトコ
ンベア３へ導く様に構成し、異種管糸１２はＢグ
ループの近接ベルトコンベア３に乗り移つてＢグ
ループのマガジン群に沿つて搬送され、Ｂグルー
プの管糸必要マガジンに投入される。そして近接
ベルトコンベア３の端末側に前記したと同じ様な
ガイド板１０ｃ及びリターン装置５ａを設け、異
種管糸の余剰管糸１２ａを先ず近接ベルトコンベ
ア３の返還側３ａに塔載する。この返還余剰管糸
１２ａは、第４図（第２図と同様に示した側断面
図）に示すごとく、近接ベルトコンベアの返還側
３ａ上に設けたガイド板１０ｄ並びに樋形レール
７ｃの隔壁部を開口させた通路によつて、他側ベ
ルトコンベア１０の返還側１０ａに乗せ替えられ
管糸供給側へ返送される。尚必要によつては該リ
ターン５ａの余剰管糸１２ａを直接他側ベルトコ
ンベアの返還側へ乗せ替える様に構成してもよ
い。

他方近接ベルトコンベア３及び他側ベルトコン
ベア１０の管糸供給側には、それぞれのベルトコ
ンベアの返還側３ａ，１０ａから返送される余剰
管糸４ａ，１２ａをそれぞれのベルトコンベアの
管糸供給側へ乗せ替える様な管糸引き上げ装置
６，１１が設けられており、該引き上げ装置６，
１１は第１図に示した様に管糸供給ベルトコンベ
アを挾んで対設することが推奨される。またこれ
らの構成は対称的に形成され同一駆動源によつて
駆動されることが望まれる。第６図（一部構成見
取略図）は管糸引き上げ装置の構成を示したもの
で、図は余剰管糸の引き上げ方向を管糸供給側へ
向けて構成したものを示したが、第１３図（一部
構成見取略図）に示すごとく管糸の引き上げ方向
を管糸供給方向に沿つて構成してもよく、これら
は実施者並びに管糸別によつて適当に選択するこ
とができ、必要によつてはいずれか一方のみを逆
方向へ引き上げる様に構成してもよい。そしてこ
れらの管糸引き上げ装置６，１１は１本のフラツ
トベルト１１ａを駆動ローラ１１ｂとガイドロー
ラ１１ｃとによつて供給ベルトの返還側とほぼ同
じ高さの受け入れ平面部を形成し、ガイドローラ
１１ｃ，１１ｅによつて引き上げ傾斜部を形成
し、ガイドローラ１１ｅと懸張ローラ１１ｆとで
供給ベルトの管糸供給側とほぼ同じ高さの受け渡
し平面部を形成する。そして受け入れ平面部の返
還側ベルトコンベア３ａ，１０ａ側にガイド板３
ｃ，１０ｅ（第１図）を設けて余剰管糸４ａ，１
２ａを管糸引き上げ装置６，１１へ導く、そして
引き上げられた余剰管糸はそれぞれの受け渡し平
面部の端側に設けたガイド板３ｄ，１０ｆによつ
てそれぞれの管糸供給ベルトコンベア３，１０に
乗せ替えられ、他の供給管糸と共に供給搬送され
る。尚これらの引き上げ装置６，１１はベルト駆
動の構成のみを示し壁板を略したが適当なフレー
ム枠内に構成される。またこの引き上げ装置６，
１１の適所に管糸検知装置を設け、余剰管糸が供
給ベルトコンベアに乗り移る時を検知して前記管
糸供給装置９，９ａの管糸供給を中断し、供給ベ
ルトコンベア上の供給管糸間隔をほぼ一定にす
る。第７図（第１図の一部拡大見取略図）はＡグ
ループとＢグループの境目における構成を示した
もので、他側ベルトコンベア１０の供給管糸はガ
イド１０ｂによつて近接ベルトコンベア３側へ導
かれ、近接ベルトコンベアの返還側３ａに乗つた
余剰管糸１２ａはガイド板１０ｄ開口部１３ａか
ら他側ベルトコンベアの返還側１０ａに乗せ替え
られる。尚供給管糸並びに余剰管糸のリターン装
置５，５ａへの導入及びベルトコンベア間の乗せ
替え案内はガイド板３ｂ，３ｃ，３ｄ及び１０
ｂ，１０ｃ，１０ｄ，１０ｅ，１０ｆによるもの
を示したが、受け渡し側のベルトコンベアを受け
入れ側ベルトコンベアの方へ傾斜させて案内する
様にしてこの部に到達したベルトコンベアを受け
渡し側へ転落させる様に構成したり、或は他の回
転盤で構成することもできる。またガイド板３
ｃ，３ｄ及び１０ｅ，１０ｆ（第６図例）は管糸
の頭部を案内するものであり、例えば糸端を管糸
ボビンの天穴に保持するものでは、これらのガイ
ド板を管糸の糸巻胴部を案内する様なワイヤ形で
形成してもよく、この様な管糸を仕掛けるに当つ
ては管糸頭部のガイドが少ない第１３図のごとき
管糸引き上げ装置であることが推奨される。尚第
５図（第４図の他の構成例側断面図）に示す様に
管糸受け渡し部のベルトコンベアの樋型レール７
ｂ，７ｃの底面に押し上げ案内部材８ａ，８ｂを
配設して、該管糸受け渡し部のベルトコンベア間
に高低差を設けておけば管糸の移し替えを円滑に
行なうことができる。また図は近接ベルトコンベ
ア３と他側ベルトコンベア１０を同じ長さで設け
たものを示したが、他側ベルトコンベア１０のＢ
グループ対応部は必要によつて省略した短かい長
さとしてもよい。

〔発明の効果〕

本発明はこの様に構成したから、１台の自動巻
返機で異種類の糸を同時に巻き返えすことがで
き、しかもこれらの管糸を自動的に供給すること
ができ、従来手作業でしか仕掛けることができな
かつた異種管糸を自動的に仕掛けることができ、
自動巻返機を効率よくしかも合理的に利用するこ
とができ、また装置の構造は簡単で設置スペース
も小面積とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を示す平面略図、第２図は第１
図の一部拡大側断面図、第３図も第１図の一部拡
大側断面図、第４図も第１図の一部拡大側断面
図、第５図は第４図の他の構成を示す側断面図、
第６図は第１図の一部を示す拡大構成説明見取
図、第７図も第１図の一部を示す拡大構成説明見
取図、第８図は従来の自動巻返機の一例を示す平
面略図、第９図は第１図の管糸供給ベルトコンベ
アを示した側面図、第１０図は第８図の一部拡大
側断面図、第１１図は第８図の一部を拡大した構
成説明図、第１２図は第８図の一部拡大側断面、
第１３図は第６図の他の構成例を示す説明見取図
である。 １…自動巻返機、２…コツプマガジン、３…管
糸供給ベルトコンベア、４…供給管糸、５…リタ
ーン装置、６…管糸引き上げ装置、７…樋形レー
ル、８…楔片、９…管糸供給装置、１０…異種管
糸供給ベルトコンベア、１１…管糸引き上げ装
置、１２…異種管糸、１３…隔壁、１４…管糸検
知装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 多数のコツプマガジンを列設した１台の自動
   巻返機に、グループ別に他種類の糸を仕掛けると
   共にこれらの管糸をグループ毎のコツプマガジン
   へ自動的に供給する装置であつて、コツプマガジ
   ン列にわたつて複数列の管糸供給ベルトコンベア
   をほぼ水平高さに並設し、コツプマガジン側の近
   接管糸供給ベルトコンベアの途中グループ仕分け
   部分に、該ベルトコンベア上の余剰管糸を該ベル
   トコンベアの裏面返還側へ導いて供給側へ返還さ
   せるリターン装置を設け、他側の異種類管糸供給
   ベルトコンベアの供給管糸は前記リターン装置を
   過ぎた位置において近接管糸供給ベルトコンベア
   側へ導入する様に構成し、近接管糸供給ベルトコ
   ンベアの端末側に前記と同じ様なリターン装置を
   設け、該リターン装置からの異種類余剰管糸は近
   接管糸供給ベルトコンベアの裏面返還側を通つて
   異種類管糸供給ベルトコンベアの裏面返還側へ導
   入する様にし、それぞれの管糸供給ベルトコンベ
   アの管糸供給側には、裏面返還側のそれぞれの余
   剰管糸を供給側へ案内する管糸引き上げ装置を設
   けて構成したことを特徴とする自動巻返機の多品
   種糸供給装置。