JPH019418Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は釣竿用ハンドル、詳しくは、釣竿の基
端に結合して使用する釣竿用ハンドルに関する。

（従来の技術） 一般に、此種ハンドルは、握り部をもつた杆状
のハンドル本体に、一端に固定受体をもつた凹状
のリール取付部をハンドル本体の長さ方向に沿つ
て設け、該リール取付部の他端に、基端部を外方
に開放し、かつ、可動押体を案内する摺動孔を設
けて、該摺動孔に前記可動押体を摺動自由に取付
け、前記可動押体に螺合するねじ環の回転で、前
記可動押体を前記固定受体に体し進退移動させ、
前記リール取付部に釣用リールの取付脚を着脱自
由に固定する如く構造されている。

所で、以上の如くハンドル本体に、リール取付
部及び摺動孔を設けると、これらリール取付部及
び摺動孔部分における強度が低下するのである。

しかし、釣用リールの取付脚を前記リールの取
付部に取付けると、この取付脚が補強部材を兼ね
て前記リール取付部を補強するため、魚釣時、ハ
ンドル本体に大きな曲げ力が作用しても前記リー
ル取付部が折損することはないのである。

（考案が解決しようとする問題点） 所が、前記摺動孔の基端部は、可動押体が進出
移動して前記取付脚をリール取付部に固定した場
合、空洞となるため、魚釣時、ハンドル本体に大
きな力が作用すると、前記摺動孔の前記空洞とな
る基端部が折損することがあつた。

本考案は、従来技術において、摺動孔の基端部
から折損する問題点を解決しようとするもので、
前記摺動孔に立壁を設けて、この立壁によつて摺
動孔部分を補強し、摺動孔部分から折損しないよ
うにしたものである。

（問題点を解決するための手段） しかして、本考案は、握り部をもつたハンドル
本体に、一端に固定受体をもつたリール取付部を
設け、該リール取付部の他端に、基端部を外方に
開放し、かつ可動押体を案内する摺動孔を設け
て、該摺動孔に前記可動押体を摺動自由に取付
け、前記可動押体に螺合するねじ環の回転で、前
記可動押体を前記固定受体に対し進退移動させ、
前記リール取付部に釣用リールの取付脚を着脱自
由に固定するごとくした釣竿用ハンドルであつ
て、前記摺動孔における開放部位に、前記摺動孔
の幅方向中間部位から該摺動孔の長さ方向に沿
い、かつ該摺動孔の後面と底面とに連続する立壁
を設けたものである。

（作用） 前記ねじ環の回転操作で、前記可動押体が進出
移動してリールの取付脚を固定した場合に、前記
立壁が前記摺動孔を補強するので、魚釣時、ハン
ドル本体に大きな曲げ力が作用しても摺動孔部分
からの折損を防止できるのである。

（実施例） 以下本考案ハンドルの実施例を図面に基づいて
説明する。

図において、１は略直杆状に形成するハンドル
本体であつて、その長さ方向一端側には中空釣竿
２の基端部を結合する竿取付部１１を、また他端
側には握り部１２を設けている。また、ハンドル
本体１の竿取付部１１との間の中間部一端面に
は、一端に固定受体３をもつた凹条のリール取付
部１３をハンドル本体１の長さ方向に沿つて設
け、該リール取付部１３の前記握り部１２側他端
に、基端部５１を半径方向外方に開放し、かつ、
一側面にねじ部４１をもつた可動押体４を案内す
る摺動孔５を前記ハンドル本体１の長さ方向に沿
つて設けて、該摺動孔５に前記可動押体４を摺動
自由に取付け、前記可動押体４のねじ部４１に螺
合するねじ環６の回転で前記可動押体４を前記固
定受体３に対し進退移動させ、これら可動押体４
及び固定受体３により前記リール取付部１３に釣
用リールの取付脚Ａを着脱自由に固定するごとく
している。

又、前記摺動孔５は、その基端部５１のみがハ
ンドル本体１の半径方向外方に開放している。そ
して、この基端部５１と前記リール取付部１３と
の間の先端部５２は、前記半径方向外方に開放す
ることなく閉鎖して前記リール取付部１３に開放
している。

又、前記可動押体４は、細長矩形状に形成し
て、その一側面にねじ部４１を設け、前記摺動孔
５の両側面５ａ，５ｂで案内されて移動するよう
になつている。

また、前記ねじ環６は、ハンドル本体１に対し
回転のみ自由に支持して、その内周面に、前記可
動押体４のねじ部４１と螺合するねじ部６１を設
けている。

しかして、前記摺動孔５における基端部５１の
開放部位に、前記摺動孔５の幅方向中間部位から
該摺動孔５の長さ方向に沿い、かつ該摺動孔５の
後面と底面とに連続する立壁７を設けたのであ
る。

第１図に示した実施例では、前記立壁７を、前
記摺動孔５の底面中央部位から外方への開放口に
亘つて立設する一方、前記可動押体４に、その基
端縁から先端に向つて延びる割溝４２を設けて、
この割溝４２における両側面を、前記立壁７の両
側面７ａ，７ｂに対向する前記ガイド面４ａ，４
ｂとし、前記割溝４２部分を前記立壁７に嵌合し
て、可動押体４を、立壁７の両側面７ａ，７ｂ及
び摺動孔５の両側面５ａ，５ｂで案内する如く成
している。

又、前記立壁７は、その先端縁を摺動孔５の閉
鎖部５２に結合して摺動孔５部分における耐強度
をより一層高めている。尚、前記立壁７の高さ及
び長さは特に制限されない。

尚、前記釣竿２は、カーボン繊維などの高強度
繊維に合成樹脂を含浸したプリプレグを芯金に巻
装し、加圧焼成して形成したもので、この釣竿２
の基端部を、竿先側部分における径の変化率より
大きい変化率で拡径させて、該基端部に拡径テー
パー部２１を設けると共に、この拡径テーパ部の
端縁を略直筒状に延長して嵌合部２２を設け、こ
の嵌合部２２を前記竿取付部１１に嵌合してい
る。尚、前記嵌合部２２は、第６図の如く前記竿
取付部１１端縁から前記リール取付部１３の基端
部に亘つて嵌合する長さに形成して前記リール取
付部１３に対応する部位を切欠いている。

又、図中８は、Ｅ形の止め輪、９は座金であ
る。

以上の如く構成したハンドルは、竿取付部１１
に釣竿２を取付ける一方、釣用リールにおける取
付脚Ａをリール取付部１３に嵌めて、前記取付脚
Ａの前端部を固定受体３の凹状受部３ａに係止す
ると共に、ねじ環６を回転操作して、可動受体４
を前記固定受体３に対し進出移動させ、この可動
受体４を前記取付脚Ａの後端部に係合させて、前
記取付脚Ａをリール取付部１３に固定するのであ
る。

このとき、前記可動押体４は、摺動孔５の両側
面５ａ，５ｂ及び立壁７の両側面７ａ，７ｂでガ
イドされて移動するのである。従つて、可動押体
４の移動時におけるガタ付きを非常に少なくで
き、それだけ前記ねじ環６の回転操作が行い易い
のである。又、以上の如く釣竿及び釣用リールを
取付けたハンドルの握り部１２を握つての魚釣
時、魚が針掛かりすると、前記釣竿２は勿論、前
記ハンドル本体１に大きな曲げ力が作用するので
あるが、この場合、ハンドルにおいて折損し易い
部位、即ち、前記可動押体４の進出移動により空
洞となる摺動孔５の基端部５１には、立壁７を設
けて補強しているため、前記曲げ力による摺動孔
５部分からの折損を確実に防止てきるのである。

尚、以上説明した実施例では、可動受体４を一
つのブロツク状に形成したが、その他例えば第
７，８図の如く複数個に分割して形成してもよ
い。

この第７，８図のものは、一側面にねじ部４１
をもつ１対のねじ片４３，４３と、先端に受部４
４ａをもつ押片４４との三つの部片により形成し
たもので、各ねじ片４３，４３の先端に第１係合
部４５，４５を、また押片４４の基端に第２係合
部４６，４６を設けて、これら第１及び第２係合
部の係合により前記ねじ片４３，４３と押片４４
とを連結し、一体化して進退移動するごとく成し
ている。尚、前記ねじ片４３，４３は、摺動孔５
における立壁７の両側に振分けて嵌め込み、又、
押片４４は、リール取付部１３から摺動孔５に嵌
め込むのである。

又、前記可動押体４は、前記摺動孔５の両側面
５ａ，５ｂと立壁７の両側面７ａ，７ｂとの四つ
の側面で案内する如く構成する他、この四つの側
面のうち例えば三つの側面で案内するごとく構成
してもよい。

（考案の効果） 以上の如く本考案は、基端部を外方に開放し、
かつ、可動押体を案内する摺動孔における開放部
位に、前記摺動孔の幅方向中間部位から該摺動孔
の長さ方向に沿い、かつ該摺動孔の後面と底面と
に連続する立壁を設けたのであるから、前記摺動
孔の基端部を補強することができ、従つて、魚釣
時、ハンドル本体に曲げ力などの大きな力が作用
しても、前記摺動孔部分から折損するのを確実に
防止できるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のハンドルの一実施例を示す要
部のみの分解斜視図、第２図は要部のみの横断面
図、第３図は第１図−線断面図、第４図は第
１図−線断面図、第５図は第１図−線断
面図、第６図は使用状態を示す説明図、第７図は
別の実施例を示す可動押体のみの斜視図、第８図
はその分解斜視図である。 １……ハンドル本体、１２……握り部、１３…
…リール取付部、３……固定受体、４……可動押
体、４ａ，４ｂ……ガイド面、５……摺動孔、５
１……基端部、６……ねじ環、７……立壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 握り部をもつたハンドル本体に、一端に固定受
   体をもつたリール取付部を設け、該リール取付部
   の他端に、基端部を外方に開放し、かつ可動押体
   を案内する摺動孔を設けて、該摺動孔に前記可動
   押体を摺動自由に取付け、前記可動押体に螺合す
   るねじ環の回転で前記可動押体を前記固定受体に
   対し進退移動させ、前記リール取付部に釣用リー
   ルの取付脚を着脱自由に固定するごとくした釣竿
   用ハンドルであつて、前記摺動孔における開放部
   位に、前記摺動孔の幅方向中間部位から該摺動孔
   の長さ方向に沿い、かつ該摺動孔の後面と底面と
   に連続する立壁を設けたことを特徴とする釣竿用
   ハンドル。