JPH018958Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は高温粉粒体の冷却装置に関する。

従来の技術 従来、高温粉粒体例えば焼結鉱の冷却装置は、
焼結鉱を円環状経路に沿つて移動させている間
に、その下方から上方に冷却用空気を流すことに
より、焼結鉱を冷却するようにしたものである。
この冷却装置を第６図に基づき説明すると、１は
回転自在に配設された焼結鉱などの高温粉粒体２
の支持用環状体であつて、連結梁３により互いに
連結された内側円形枠４および外側円形枠５と、
その内外両円形枠４，５間の底面に配設されると
共に車輪６を介して案内レール７上に配置された
トラフ８とから構成されている。９は内外両円形
枠４，５間の上面を覆う固定フード、１０は内側
円形枠４の外側面に配設されたサイドローラであ
つて、環状レール１１に当接している。１２はト
ラフ８の下方に配設されたホツパ状風箱、１３は
その風箱１２に設けられた冷却空気供給口であ
る。

上記構成において、冷却空気供給口１３から風
箱１２内に入つた冷却空気はトラフ８を介して高
温粉粒体２内を通過し、その高温粉粒体２を冷却
した後、フード９に回収される。

考案が解決しようとする問題点 上記従来の構成によれば、風箱１２は、トラフ
８より落下する落鉱を排出するためにその高さを
高くとる必要があるため建屋を高くする必要があ
り、また、落鉱排出装置の故障を考慮して強度を
大にするため大形、大重量となり、風箱１２に接
続する排出装置のスペース、費用なども伴い、建
設費が高いものであつた。また、冷却空気のシー
ルは、固定された風箱１２と移動するトラフ８と
の間で行うため、完全なシールは困難であつた。

本考案は上記問題点を解消した高温粉粒体の冷
却装置を提供することを目的とする。

問題を解決するための手段 上記問題を解決するため、本考案の高温粉粒体
の冷却装置は、同心状に配置されると共に連結梁
により互いに連結された内側円形枠および外側円
形枠と、その内外両円形枠間の底面に配設されて
前記内外両円形枠とともに移動するトラフと、内
外両円形枠間の上面を覆う固定フードを設けた高
温粉粒体の冷却装置において、前記トラフ上面
に、前記内外両円形枠間に連通する通気ボツクス
を設け、前記内外両円形枠の両方またはその一方
の外側面に、前記通気ボツクスに連通する冷却空
気流通路を配設したものである。

作 用 上記構成において、環状体内に投入された高温
粉粒体は、冷却空気流通路および通気ボツクスを
介して吹き上げられ、または吸引される冷却空気
によつて冷却されるものである。

実施例 以下、本考案の一実施例を第１図〜第５図に基
づいて説明する。なお第６図に示す部品と同一部
品については同一品番をつけて説明を省略する。
１５は内側円形枠４の外側面に配設されると共に
後述する通気ボツクス４６内に連通させられた冷
却空気流通路であつて、内側円形枠４の上端に固
着された水平環状板１６と、内側円形枠４に対し
て一定間隔をおいて平行する環状内側板１７と、
周方向適当間隔ごとに配設された仕切板１８とか
ら構成されている。１９は環状内側板１７の上部
を折り曲げて形成された水平折り曲げ部１７Ａと
水平環状板１６との間に形成された吹込口２０を
塞ぐ断面コの字形の環状塞ぎ板、２１はその塞ぎ
板１９の適所に形成された冷却空気吹込ダクト、
２２は上記各仕切板１８の吹込口対向箇所のピー
ス２３に固定されると共に塞ぎ板１９に当接する
ゴムシール、２４はダクト２１および塞ぎ板１９
と冷却空気流通路１５との間のシールをおこなう
第１シール装置であつて、水平環状板１６の上面
および水平折り曲げ部１７Ａの下面に固着された
シール板２５と、中央に固着したロツド２６Ａが
ダクト２１の上下面のブラケツト２７に回動自在
にピン２８連結されたレバー２６と、該各レバー
２６の先端に固定されると共に上記シール板２５
に当接するシールバー２９と、各レバー２６の基
端に配設されたウエイト３０と、一端が塞ぎ板１
９に固定されると共に他端が各レバー２６の先端
部に固定されたアスベストシール３１と、そのア
スベストシール３１内に配設されたグラスウール
３２とから構成されている。なお、上側レバー２
６のウエイト３０はシールバー２９の重量を軽減
してそれがシール板２５に押さえされすぎるのを
防ぎ、下側レバー２６のウエイト３０はシールバ
ー２５がシール板２５から難れないようそれをシ
ール板２５を押し付けるものである。３３は内外
両円形枠４，５とフード９との間のシールをおこ
なう第２シール装置であつて、水平環状板１６の
上面に固定されたシール板３４と、中央部がフー
ド９のブラケツト３５に回動自在にピン３６連結
されたレバー３７と、該レバー３７の先端にピン
３８連結された水平板３９と、その水平板３９に
固定されると共にシール板３４に当接させられた
シールバー４０と、レバー３７の基端に配設され
てシールバー４０の重量を軽減するウエイト４１
と、一端がフード９に固定されると共に他端が上
記水平板３９に固定されたアスベストシール４２
とから構成されている。内外両円形枠４，５とと
もに移動するトラフ８は、連結梁３の軸受４３に
ピン４４を介して上下回動自在に支持されたトラ
フ本体４５と、該トラフ本体４５に固定されると
共に上面が連結梁３に接近して上面の開口を介し
て内外両円形枠４，５内に連通する通気ボツクス
４６と、そのボツクス４６の上面の開口に配設さ
れた高温粉粒体支持用通気板４７とから構成され
ている。４８はボツクス４６の冷却空気流通路対
向側板および中央仕切板に形成された流通口であ
る。

以下、上記構成における作用について説明す
る。まず矢印Ａ方向へ環状体１を走行させている
状態において、その環状体１内に焼結鉱などの高
温粉粒体２を投入する。次にダクト２１から吹込
口２０を介して冷却空気流通路１５内に入つた冷
却空気は矢印Ｂで示すごとくトラフ８の通気ボツ
クス４６内に入り、通気板４７の間を通つて吹き
上げられ、高温粉粒体２内を通つてこの粉粒体２
を冷却した後、フード９内に入り、回収される。
粉粒体２が約300゜回転させられた時点で、案内レ
ール７のくぼみ（図示せず）によつて第２図仮想
線で示すごとくトラフ本体４５が下向きに回動
し、そのトラフ本体４５上の冷却された粉粒体２
が下方へ払い出されるものである。

ところで、トラフ８の通気板４７からの落鉱は
トラフ本体４５の底板で受けられ、粉粒体２が払
い出される時に同時に払い出される。従つて従来
設置されていた風箱やそれに接続する落鉱排出装
置が不要となり設備費が大巾に減少する。また、
通気板４７への空気流入部におけるシールは、相
対移動のない、トラフ本体４５と内外両円形枠
４，５および連結梁３相互のシールでありシール
が確実に行える。また、水平環状板１６の開口部
等のシールは第３図に示すようにシンプルな構造
で実施できるためシール性も改善される。

上記実施例では、冷却空気流通路１５を内側円
形枠４に設けたが、これ以外に、外側円形枠５に
設けるようにしてもよいし、その両方４，５に設
けるようにしてもよい。また冷却空気流通路１５
から環状体１内に下から上へ冷却空気を吹き込ん
だが、これとは逆に流通路１５内に冷却空気を吸
い込んで、環状体１の上から下へ冷却空気が通る
ようにしてもよい。

考案の効果 以上述べたごとく本考案によれば、前記トラフ
上面に、前記内外両円形枠間に連通する通気ボツ
クスを設け、前記内外両円形枠の両方またはその
一方の外側面に、前記通気ボツクスに連通する冷
却空気流通路を配設したことにより、落鉱はトラ
フの底板で受けられ、粉粒体と同時に払い出され
るので、従来必要であつた大形、大重量の風箱
や、この風箱に接続する落鉱排出装置が不要とな
り、その分だけ建屋の高さを低くすることがで
き、経済的である。またレイアウトが単純とな
り、メンテナンスが容易である。さらに、内外両
円形枠と、通気ボツクスが設けられているトラフ
との間のシールは相対移動がないため容易に確実
に行える。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本考案の一実施例を示し、第
１図は横断面図、第２図は第１図の−矢視
図、第３図は第１図の部分の拡大図、第４図は
第１図の部分の拡大図、第５図は第１図の−
矢視図である。第６図は従来例を示す横断面図
である。 １……環状体、２……高温粉粒体、３……連結
梁、４……内側円形枠、５……外側円形枠、８…
…トラフ、９……固定フード、１５……冷却空気
流通路、２１……冷却空気吹込ダクト、２４……
第１シール装置、３３……第２シール装置、４６
……通気ボツクス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 同心状に配置されると共に連結梁により互いに
   連結された内側円形枠および外側円形枠と、その
   内外両円形枠間の底面に配設されて前記内外両円
   形枠とともに移動するトラフと、内外両円形枠間
   の上面を覆う固定フードを設けた高温粉粒体の冷
   却装置において、前記トラフ上面に、前記内外両
   円形枠間に連通する通気ボツクスを設け、前記内
   外両円形枠の両方またはその一方の外側面に、前
   記通気ボツクスに連通する冷却空気流通路を配設
   したことを特徴とする高温粉粒体の冷却装置。