JP2508749Y2 - 冷却機におけるシ―ル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、例えば高温粉粒体の冷却機におけるシール
装置に関するものである。

従来の技術 粉粒体、例えば焼結鉱の冷却機は、焼結鉱を円形状経
路に沿って移動させている間に、その下方から上方に冷
却用空気を流すことにより、焼結鉱を冷却するようにし
たものである。

この種の冷却機としては、特公平1-25277号公報に開
示されたものがある。

すなわち、この冷却機は、円形状経路を移動自在にさ
れた搬送体（連結梁により連結された左右の円形側壁
と、これら両側壁間の底面に配設されるとともに上面に
焼結鉱が載置されるトラフとから構成されたもの）のト
ラフ内に設けられた通気ボックス内に冷却用空気を供給
するようにしたものであり、しかも通気ボックスに冷却
用空気を供給するために、円形状経路に沿って固定側冷
却ダクトを設けるとともに搬送体の内側円形枠に沿って
かつこの内側円形側壁にトラフ側冷却ダクトを一体的に
設け、固定側冷却ダクトとトラフ側冷却ダクトとのシー
ルを水封により行うようにしたものである。

ところで、搬送体１は、排鉱部において、トラフ上に
積載された焼結鉱を排出するために、トラフだけが下方
に揺動される構造とされており、したがってトラフ側と
両円形側壁および連結梁との接触部をシールする必要が
ある。

このため、従来、各トラフに対応して、内側および外
側円形側壁並びにその前後位置の連結梁の下面の全周囲
に亘って、シール材が配設されていた。

考案が解決しようとする課題 しかし、上記のシール構造によると、シール材には保
護部材が設けられておらず、したがってトラフの上方部
の構成部材（円形側壁等）の全重量がシール材に加わ
り、また排鉱部では落下する焼結鉱がシール材に当った
り、さらに給鉱部ではシール材が焼結鉱の熱に曝された
りして、シール材が著しく劣化し、その寿命が非常に短
くになるという問題があった。

そこで、本考案は上記課題を解消し得る冷却機におけ
るシール装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するため、本考案の冷却機におけるシ
ール装置は、同心状に配置されるとともに連結梁により
互いに連結された内側円形側壁および外側円形側壁と、
これら両円形側壁間の底部に上下方向で揺動自在に配設
されるとともに円形状の移動経路に沿って移動自在にさ
れた複数個のトラフとから構成されるとともに、これら
各トラフ上に載置された高温粉粒体を、その載置面下方
から供給された冷却用空気により冷却する高温粉粒体の
冷却機におけるシール装置であって、上記内側および外
側円形側壁並びに連結梁の上記トラフとの下側接触面
に、シール材を配設するとともに、このシール材の両側
部にかつ全周に亘って鋼製の保護部材を垂下して設け、
かつそのシール時に、この保護部材により、上方部の構
成部材の重量を支持させるように構成したものである。

作用 上記構成によると、トラフとその上方部の構成部材と
の間をシールするシール材の、両側部に鋼製の保護部材
が配設されているので、構成部材の全重量は保護部材に
より支持されるため、シール材に大きな力が加わるのが
防止され、また積載物の排出時に、積載物がシール材に
当たるのを防止できるとともに、シール部が熱風に曝さ
れている場合でも、シール材には殆どその影響を受ける
ことが無い。

実施例 以下、本考案の一実施例を第１図〜第３図に基づき説
明する。

第１図〜第３図において、１は円形状の移動経路に沿
って移動自在に設けられた搬送体で、高温粉粒体である
焼結鉱を給鉱部から排鉱部に移動させる間、すなわち冷
却部で冷却用空気により冷却を行うためのものである。

この搬送体１は、同心状に配置されるとともに連結梁
２により互いに連結された内側および外側円形側壁（一
方しか、図示せず）3,3と、これら両円形側壁3,3間の底
部に上下方向で揺動自在に設けられるとともに案内車輸
４を介して円形状に敷設された案内レール５上を移動自
在にされた複数個のトラフ６とから構成されている。

上記各トラフ６は、案内車輸４を有するトラフ本体７
と、このトラフ本体７の上部に設けられた風箱８とから
構成されており、この風箱８には、搬送体１の移動経路
に沿って配置された環状エアーダクト部（図示しない
が、固定側エアーダクトおよび可動側エアーダクトとか
らなる）から冷却用空気が供給されるように構成されて
いる。

そして、上記トラフ１側と、その上方の構成部材との
間には、風箱８から供給される冷却用空気の漏れを防止
するためのシール装置10が設けられている。

すなわち、内側および外側円形側壁3,3並びにそのト
ラフ６に対応する前後位置の連結梁２の各トラフ６との
下側接触面に、断面が四角形状の弾性シール材（例え
ば、金網入り石綿布）11が、各トラフ６の全周に囲むよ
うにして設けられ、さらにこのシール材11の左右側部位
置には、シール材11の高さよりも少し背の低い鋼製の保
護部材（例えば、角棒が使用される）12が、シール材11
と同様に両円形側壁3,3および連結梁２に設けられてい
る。勿論、この保護部材12は、その両側位置で、内側お
よび外側円形側壁3,3並びにそのトラフ６に対応する前
後位置の連結梁２の各トラフ６との下側接触面からその
全周に亘って垂下して設けられる。

なお、各連結梁２は隣接するトラフ６間に設けられて
いるため、第２図に示すように、その下面の前後位置に
おいてそれぞれシール材11および保護部材12が、やはり
垂下して設けられることになる。

したがって、上記の構成によると、給排鉱部以外の冷
却部においては、トラフ６上方部の構成部材の全重量が
シール材11に加わるが、シール材11の保護部材12よりも
突出している部分は、その重量により凹み、したがって
保護部材12側に構成部材の全重量が加わり支持されるた
め、シール材11には殆ど大きな力が作用することが無
く、しかも保護部材12によりシール材11の両側部が保護
されているため、給鉱部において、直接熱の影響を受け
ることは無い。

さらに、排鉱部においても、保護部材12によりシール
材11の両側部が保護されているため、落下する焼結鉱が
直接シール材11に当たることは殆ど無い。

考案の効果 以上のように本考案の構成によると、トラフとその上
方部の構成部材との間をシールするシール材の、両側部
に鋼製の保護部材を配設したので、シール材に構成部材
の全重量が加わるのを防止でき、また積載物の排出時
に、積載物がシール材に当たるのを防止できるととも
に、シール部が熱風に曝されている場合でも、殆どその
影響を受けることが無く、したがってシール材の寿命を
著しく延ばすことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図はシール
装置の要部断面図、第２図は第１図のＩ−Ｉ断面図、第
３図はシール材および保護部材の拡大断面図である。 １……搬送体、２……連結梁、３……円形側壁、６……
トラフ、10……シール装置、11……シール材、12……保
護部材。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 戸沢 喜久 大阪府大阪市此花区西九条５丁目３番28 号 日立造船株式会社内 (72)考案者 中原 隆 大阪府大阪市此花区西九条５丁目３番28 号 日立造船株式会社内 (72)考案者 安井 靖彦 大阪府大阪市此花区西九条５丁目３番28 号 日立造船株式会社内 (56)参考文献 実開 昭60−63555（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−134495（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭59−28031（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】同心状に配置されるとともに連結梁により
   互いに連結された内側円形側壁および外側円形側壁と、
   これら両円形側壁間の底部に上下方向で揺動自在に配設
   されるとともに円形状の移動経路に沿って移動自在にさ
   れた複数個のトラフとから構成されるとともに、これら
   各トラフ上に載置された高温粉粒体を、その載置面下方
   から供給された冷却用空気により冷却する高温粉粒体の
   冷却機におけるシール装置であって、上記内側および外
   側円形側壁並びに連結梁の上記トラフとの下側接触面
   に、シール材を配設するとともに、このシール材の両側
   部にかつ全周に亘って鋼製の保護部材を垂下して設け、
   かつそのシール時に、この保護部材により、上方部の構
   成部材の重量を支持させるように構成したことを特徴と
   する冷却機におけるシール装置。