JPH018443Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輛における収納装置に関する。

車輛にはその部品、小物等を収納する収納部が
各種設けられており、エンジンルーム、トランク
ルーム、グローブボツクス等はその代表例であ
る。かかる収納部は、物を収納しやすくするとい
う意味ではその数を多くし、容積も大きくとるこ
とが望ましい。ところが車輛の大きさは、その型
式等によつて制限されるため、収納部の占めるス
ペースをあまり大きくとることはできない。従つ
て、車輛ボデイ内の空間を無駄なく利用し、末だ
利用されていないスペースがわずかでもあれば、
これを収納部として積極的に利用することが理想
的である。

本考案は上記認識に基きなされたものであり、
その目的とするところは、上述した理想的な考え
に従つて構成された収納部を提供することであ
る。

本考案は、車輛ボデイにおけるコーナパネルの
内側に、空間が存在することに着目し、この空間
を、収納部として積極的に利用する構成をその特
徴とするものである。

以下、本考案の実施例を図面に従つて説明す
る。

第１図は車輛の一例としてトラツクを示し、１
はそのボデイ２の前部に位置するフロントパネ
ル、３はフロントガラス、４はルーフパネルをそ
れぞれ示している。また５は矢印Ａ方向に回動さ
れるドア、６はフロントピラーである。

ドア５とフロントパネル１との間の領域、即ち
ボデイ２の前隅部にはコーナパネネル７が設けら
れ、既述のフロントピラー６は第２図に示す如
く、コーナパネル７よりも車内側の領域を下方へ
延びている（第３図も参照）。第２図から明らか
なように、フロントピラー６は、車内側のインナ
パネル６ａと、これより車外側のアウタパネル６
ｂとから成り、これらのパネル６ａ，６ｂは互い
に溶着されている。またインナパネル６ａの前端
縁はフロントパネル１に溶接されている。

第２図において、コーナパネルとフロントピラ
ー６との間には空間８が区画形成されており、こ
れは従来のトラツクにおいても同様である。ただ
従来はこの空間が有効に利用されておらず、無駄
なスペースとなつていた。そこで本考案では、コ
ーナパネル７をヒンジ９によつてフロントパネル
１に回動可能に枢着し、該コーナパネル７を矢印
Ｂ方向に開閉可能とし、空間８を収納部として利
用できるように構成されている。コーナパネル７
をフロントピラー６に枢着してもよいことは当然
である。このようにして構成された収納装置の収
納部には適宜な物、例えば工具、ウエス等を収め
ることもできるが、図示した実施例ではウインド
ウオツシヤ液用のタンク１０を収納するようにな
つている。即ち、第３図乃至第５図に明示する如
く、フロントピラー６に支持台１１の基部１２を
固定し、該支持台１１の受け部１３にタンク１０
を載置してある。その際、受け部１３に突設され
た板ばね状の押え板１４によつて、タンク１０が
支持台１１から脱落することを防止している。タ
ンク１０に接続されたチユーブ１５は、支持台１
１に形成された切欠１６を通り、フロントピラー
６のインナパネル６ａを貫通し、図示していない
ノズルに接続されている。タンク１０内の液は、
チユーブ１５を通してノズルへ送られ、該ノズル
からフロントガラス３に吹きかけられることは周
知の通りである。

コーナパネル７は通常第１図及び第２図に示す
ように閉じられており、従つてそのの外観は従来
と何ら変りはない。タンク１０に液を補充すると
きは、コーナパネル７を、第３図に示し且つ第２
図に鎖線で示したように開けばよく、その操作は
いたつて簡単である。

コーナパネル７を閉じた後、これが車輛の振動
等によつて開いてしまう不都合を防止するため、
図示した実施例では第２図及び第６図に明示する
如くばね性を有する２枚の板１７，１８を重ね合
せて成るクリツプ１９をフロントピラー６の外面
に固定し、他方、コーナパネル７の内側面に、取
付部材２０によつてほぼロの字状の掛止部材２１
を固定してある。そして、コーナパネル７を閉じ
るとき、掛止部材２１の係合部２２を、クリツプ
１９を構成する２枚の板１７，１８の間に挾み込
み、該板１７，１８をわずかに弾性的に開拡さ
せ、しかる後板１７，１８に形成された凹部２３
に係合部２２を係合させる。かくして掛止部材２
１をクリツプ１９に係止し、コーナパネル７を確
実に閉位置に保持することができる。コーナパネ
ル７を開くべく、これを矢印Ｂ方向に引けば、係
合部２２が凹部２３から係脱し、該パネル７を支
障なく開放できる。

コーナパネル７を簡単に開けるようにするた
め、ドア５とコーナパネル７との間の隙間ｇ（第
２図）を大きくし、この隙間ｇに指２４を入れて
コーナパネル７を開くようにすることもできる
が、ただこのように構成しただけであると、第三
者がコーナパネル７を無断で開き、その内部に収
納された物、本例ではタンク１０に悪戯をする恐
れもある。これを防止するには、コーナパネル７
にシリンダ錠（図示せず）等の錠止装置を付設
し、これをキーでロツクできるように構成すれば
よい。或いは特別な錠止装置を用いずとも次のよ
うに構成すれば第三者によつてコーナパネル７を
開けられる恐れを低減できる。即ち、ドア５の回
動中心が、第２図に符号Ｃを付した点にあるとす
ると、このドア５を矢印Ａ方向に開いたとき、該
ドアは鎖線で示す如く位置する。この場合、ドア
５の回動中心Ｃとコーナパネル７との位置関係を
適宜に選択することによつて、ドア５を開いたと
きの該ドア５とコーナパネル７との間の隙間を、
ドア５が閉じているときの同隙間ｇよりも大きく
することが可能である。そこで、ドア５が閉じた
際の隙間ｇについてはここに指を入れることがで
きない程狭くしておき、ドア５を開いた際の同隙
間には指を入れることができるようにすれば、ド
ア５を開くことのできる特定人（例えばドライバ
ー）以外の第三者は、コーナパネル７を開くこと
はできず、コーナパネル内の物が悪戯され、或い
は盗まれることはない。

コーナパネル７を手動ではなく、車内から操作
される電動機等によつて開閉するようにすれば、
盗難、悪戯等に対する安全性をより一層高めるこ
とが可能である。

ところで本例の如く収納装置にウインドウオツ
シヤ液用のタンク１０を収納すると、次のような
利点も得られる。即ち、従来の車輛においては、
ウインドウオツシヤ液を、車内にてそのタンクに
補充するようになつていることが多いが、その作
業中に液をこぼすようなことがあると、車内が汚
れてしまう不都合を免れない。ところが本考案に
係る収納装置にタンク１０を収納しておけば、車
外からコーナパネルを開き、車外からタンク１０
に液を補充できるため、車内を何ら汚すことなく
液の補充作業を行うことができる。同様に、本考
案に係る収納装置に、ブレーキ液用のタンクを収
納した場合も、車内を汚すことなく簡単にブレー
キ液を補充することができる。

またコーナパネルを開閉自在に支持すると、車
輛の製作時にそのボデイを塗装する際、コーナパ
ネルを開いておくことができるため、該パネルの
内側面の塗装のつきまわり性を向上できる利点も
得られる。

尚、車輛ボデイの横方向における他側のコーナ
パネル７ａ（第１図）も、コーナパネル７と同様
に開閉自在に支持し、その内側を収納部として利
用してもよいことは当然である。また本考案はト
ラツク以外の車輛、例えばバス等にも適用できる
ことも明らかである。

以上の説明からも理解できるように、本考案に
よれば、従来デツドスペースとなつていたコーナ
パネルの内側空間を、収納部として有効に利用で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はトラツクの前部を示す斜視図、第２図
は第１図の−線断面図、第３図はコーナパネ
ルを用いた状態を示す斜視図、第４図は第３図の
矢印方向に見た図、第５図は支持台の斜視図、
第６図はコーナパネルの係止装置を示す斜視図で
ある。 ２……車輛ボデイ、７，７ａ……コーナパネ
ル、８……空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輛ボデイの前隅部に位置するコーナパネルを
   回動可能に支持し、該コーナパネルの内側空間を
   収納部として利用したことを特徴とする、車輛に
   おける収納装置。