JPH0225708Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用ルーフコンテナに関するもの
である。

近年の乗用自動車の後部のトランクルームは、
車体のデザイン等により高さが低くなつており、
比較的大きな旅行用のトランクケースを提手を有
する側を上面にして立てて置いた場合はトランク
リツドがトランクケースに当つて閉止不能とな
る。従つて、トランクケースは横に寝かせるよう
にして格納する以外に方法はないが、長期間の旅
行等で多数個のトランクケースを必要とする場合
には、トランクルーム内に通常格納している物品
を取り除いて格納しなければならないし、それも
大型のトランクケースでは２個位いが限度であ
る。

また、トランクルーム以外の積載として、ルー
フトランクに積み込む方法があるが、この場合は
トランクケースが脱落しないように結束バンド等
によつて固定しなければならず、簡単に着脱する
ことはできない。

本考案は上記従来の問題に鑑み、自動車のルー
フ上に取付けられるルーフコンテナベースに、単
独で使用可能な複数個のトランクケースを着脱可
能に設置するようにしたルーフコンテナを提供す
るものである。

以下本考案の実施例を図面によつて説明する。
第１図において、１はルーフコンテナベースであ
る。このルーフコンテナベース１は第２図に示す
ように、前方側に流線形凸前面壁１ａと後面に後
面壁１ｂとが形成され、さらに前記流線形凸前面
壁１ａと後面壁１ｂとの対向間の中央で前後方向
に延在し、かつ流線形凸前面壁１ａ並びに後面壁
１ｂと連続一体の区分壁２が形成され、この区分
壁２の左右に上面と側面とを開口した大きな凹所
３ａ，３ｂが設けられている。

この凹所３ａ，３ｂには、前記区分壁２の上面
と同一平面となり、かつ凹所３ａ，３ｂの空間を
埋める複数個のトランクケース４が着脱可能に設
置される。

前記トランクケース４は第３図に示すように提
手５と、この提手５を上面にしたときに底面とな
る部分に接地用の突起６が設けられた単独で使用
可能な形態である。

前記区分壁２の垂直面には前記トランクケース
４の突起６が係合する固定用の穴７が開設され、
また、凹所３ａ，３ｂの水平面にはトランクケー
ス４をロツクするフツク８が設けられている。こ
のフツク８は第４図に示すように、キーシリンダ
９に差し込まれるキーによつて回動可能であり、
トランクケース４に設けたストライカー１０と係
脱されるものである。

さらに、前記フツク部８の近傍にトランクケー
ス４のポツプアツプ用バネ１１を配設すると共
に、第６図に示すように凹所３ａ，３ｂの側縁に
凸ビード１２を形成する。尚１３は水抜き穴、１
４は車両のルーフを示す。

本考案は上記の通りの構造であるから、ルーフ
コンテナベース１は車両のルーフ上に公知のクラ
ンプ金具によつて着脱可能に固定される。また、
複数個のトランクケース４は提手５を側方に向け
てルーフコンテナベース１の左右の凹所３ａ，３
ｂに着脱可能に設置される。このトランクケース
４の設置状態は、トランクケース４の提手５を取
付けた反対側の面に設けられている突起６をルー
フコンテナベース１の区分壁２の垂直面に開設し
た穴７に係合すると共に、凹所３ａ，３ｂの水平
面に設けたフツク８をトランクケース４に設けた
ストライカー１０に係合してロツクされる。この
フツク８の係合は第５図に示すように、凹所３
ａ，３ｂ上に置かれたトランクケース４はポツプ
アツプ用バネ１１にて持ち上げられている。従つ
て、ストライカー１０はフツク８の上端部に位置
する。この状態よりトランクケース４を押し上げ
てポツプアツプ用バネ１１を圧縮することにより
ストライカー１０はフツク８を回動してストライ
カー１０の通過を許容し、さらに押し下げること
によつてフツク８は係合方向に自動的に戻つてス
トライカー１０に係合するのである。このロツク
を解除するときにはキーをキーシリンダ９に挿入
して回転することによりフツク８は係合から離れ
る方向に回転し、ストライカー１０との係合を解
脱する。このロツク解除と同時にトランクケース
４はポツプアツプ用バネ１１にて押し上げられ
る。。

さらに、トランクケース４を凹所３ａ，３ｂに
出し入れするに際しては第６図に示すように凹所
３ａ，３ｂの側縁に形成した凸ビード１２上にト
ランクケース４が支持され、凹所３ａ，３ｂの水
平面より突出しているフツク８の頭部でトランク
ケース４に対する擦過傷を防止する。

このように本考案では、複数個のトランクケー
スをルーフコンテナベースにロツク装置によつて
確実に固定して目的地まで運搬できるので、荷物
の積載スペースが拡大されると共に、トランクケ
ースはルーフコンテナベースから取外すことによ
り一般旅行用として扱かわれるので非常に便利に
使用することができる利点がある。

また、ルーフコンテナベースは、その前方が流
線形凸前面壁であり、凹所に格納されたトランク
ケースの上面は区分壁の上面と同一平面を形成し
ているため、ハイルーフのような外観を呈し違和
感を解消していると共に、走行による空気抵抗を
低減し、ルーフコンテナによる風切騒音を低下す
る。

さらに、凹所に設けたポツプアツプスプリング
によりトランクケースを弾機的に支持しているた
め、ロツク装置のフツクとトランクケースのスト
ライカーとの係合を確実にし、ルーフコンテナベ
ースとトランクケースとの相対振動を防止してい
る。

また、凹所の側縁に形成されているテーパ突起
により、トランクケースを凹所に出し入れする際
に、トランクケースを傾斜持ち上げし、これによ
り凹所に突出しているロツク装置のフツクがトラ
ンクケースに接触することがなく傷付きを防止
し、円滑な出し入れが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の斜視図、第２図は同分解斜視
図、第３図はトランクケースの斜視図、第４図は
ロツク装置の斜視図、第５図Ａ，Ｂ，Ｃはトラン
クケースのロツク状態の説明図、第６図はトラン
クケースの出し入れ状態の説明図である。 １……ルーフコンテナベース、２……区分壁、
３ａ，３ｂ……凹所、４……トランクケース、５
……提手、６……突起、７……穴、８……フツ
ク、９……キーシリンダ、１０……ストライカ
ー、１１……ポツプアツプ用バネ、１２……凸ビ
ード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車のルーフ上に着脱可能に固定されるルー
   フコンテナベースと、このルーフコンテナベース
   に着脱可能に格納される複数個のトランクケース
   との組付わせよりなり、前記ルーフコンテナベー
   スは、その前方側に流線形凸前面壁と、後端に後
   面壁と、前記流線形凸前面壁と後面壁との対向間
   中央で前後方向に延在し、かつ流線形凸前面壁並
   びに後面壁と連続一体に設けられた区分壁と、こ
   の区分壁の左右に上面と側面とを開口した前記ト
   ランクケースの格納凹所とを有し、この格納凹所
   にはトランクケースを弾機支持するポツプアツプ
   部材とトランクケースのロツク装置とを備え、前
   記区分壁にはトランクケースの係合穴が設けら
   れ、前記凹所の側端にはトランクケースを傾斜持
   ち上げするテーパ突起が形成され、前記トランク
   ケースは、前記区分壁に設けられている係合穴に
   係合する突起と、前記ロツク装置が係脱するスト
   ライカーとを有し、複数個で前記格納凹所の空間
   を埋め、かつ前記区分壁の上面と同一平面とする
   形態で構成されていることを特徴とする自動車用
   ルーフコンテナ。