JPH017859Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、デイスクホイール内に侵入した、
小石、泥等の異物が、キヤリパーとデイスクホイ
ールの間や、キヤリパーとローターとの間隙に巻
込まれることを防止するように形成した、デイス
クブレーキにおける異物巻込防止プレートに関す
る。

デイスクブレーキは、アンカープレートに二個
のリテーナーによつてキヤリパーが保持され、制
動時にレール部をスライドし、回転するローター
をパツドで挾んでブレーキを掛けるように形成さ
れている。またローターにはデイスクホイールが
結接され、同時にデイスクホイールにタイヤが装
着される。此等は、いずれもせまい空間内に配置
されているため、車輛の走行中に跳上げた小石、
泥等がデイスクホイール内に入ると、デイスクホ
イールの回転に曳ずられて、キヤリパーとデイス
クホイールの間や、キヤリパーとローターの間隙
に巻込まれ、リテーナーの保持力に抗して、キヤ
リパーを押上げたり、泥つまりのためキヤリパー
の摺動を妨げ、デイスクブレーキの制動機能を損
うだかりか、キヤリパー自体を損傷させる問題点
がある。

この考案は上述の問題点を解決した、アンカー
プレートに固定し、デイスクホイールとローター
間に張出して形成し、デイスクホイール内に入つ
た小石、泥等の異物が巻込まれないように形成し
た、デイスクブレーキにおける異物巻込防止プレ
ートを提供することを目的とするものである。

この考案を図示の実施例に基づいて詳細に説明
する。

第１図は、この考案に係る異物巻込防止プレー
トを取付けたデイスクブレーキの断面図、第２図
はその正面図である。図中１はキヤリパー、２，
３はパツド、４はローター、５はデイスクホイー
ル、６はデイスクホイール５に装着されるタイヤ
に空気を出し入れするタイヤ空気弁、７はアンカ
ープレート、８が異物巻込防止プレートである。
キヤリパー１は、第２図に示されるように、アン
カープレート７の両側のレール部９，１０に、脚
部１１，１２を載置状に当接した状態で、各々リ
テーナー１３，１４によつて制動時にレール部
９，１０上を脚部１１，１２が摺動し得る程度に
固定されている。一方制動時にパツド２，３に挾
持されて制動力を発生するローター４は、パツド
２，３に挾持される摺動部１５に筒状部１６が一
体に形成され、この筒状部１６の端縁部に鍔部１
７が設けられ、該鍔部１７にデイスクホイール５
が螺着固定されるように形成されている。この状
態では、走行中の車輛が跳上げた異物がデイスク
ホイール５の内側に入ると、ローター４の筒状部
１６の外周面又はデイスクホイール５に接して巻
き上げられ、異物はキヤリパー１とローター４の
筒状部１６の外周面の間隙や、キヤリパー１とロ
ーター４の鍔部１７背面、特にデイスクホイール
５を螺着固定する固定子頭との間隔に押込まれ
る。そこでこの考案においては、デイスクホイー
ル５の内側に入つた異物が巻き上げられる始点位
置、つまりローター４の上縁部に位置するキヤリ
パー１と対向するローター下縁とデイスクホイー
ル５の間隔内に位置するようにアンカープレート
７に固定した異物巻込防止プレート８を設けて形
成する。異物巻込防止プレート８は、小石等が衝
突するので容易に変形若しくは凹部を生じない程
度の厚さを有する金属材料で形成し、巾板状に形
成し、上縁近部に貫通孔を設けた取付部１８と、
矩形形状の板状に形成した巻込防止部１９で構成
する。巻込防止部１９は、取付部１８の取付孔を
設けた平面と直交するように両平面を設けると共
に、取付部１８を、矩形形状の長辺の中点よりず
らして設け、取付部１８に対する巻込防止部１９
の長辺の長さを左右異にして形成する。また取付
部１８に対する巻込防止部の長辺長さを短く形成
した、左側巻込防止部２０に対する長辺の長さを
長く形成した右側巻込防止部２１の右側端下縁部
に切欠き部２２を設けて形成する。この切欠き部
２２は前述のタイヤ空気弁６と接するを防止する
ためのものであるから適当な形状に切欠いて形成
する。この異物巻込防止プレート８はアンカープ
レート７の縦軸線上の最下端に設けた突出部の取
付孔２３に取付部１８の貫通孔を重合させて螺着
固定する。この場合取付部１８の長さは、取付部
１８と結接する巻込防止部１９の上辺がローター
４の摺動部１５外周とわずかな隔接間隔を設けて
対峙するように形成し、また巻込防止部１９の短
辺縁の長さは、この状態で、下縁長辺縁がデイス
クホイール５とわずかな間隙を設けて対峙するよ
うに形成する。また異物巻込防止プレート８は、
巻込防止部１９の右側巻込防止部２１がローター
４方向に位置するように固定し、右側短辺縁がロ
ーター４の摺動部１５から充分突出するように形
成する。またローター４の反対側に突出する左側
巻込防止部１９も左側短辺縁がデイスクホイール
４の端縁位置に来るように突出して形成する。こ
の異物巻込防止プレート８は厚板鋼板を溶接して
形成してもよく、また鋳造して一体に形成しても
よい。このように異物巻込防止プレート８を設け
ることで、デイスクホイール５内に侵入しようと
する異物は巻込防止部１９に衝突して跳ね返さ
れ、ローター４に巻き込まれる可能性が極端に少
くなる。

次に第２実施例について説明する。

第１の実施例においては、異物巻込防止プレー
ト８は、取付部１８と巻込防止部１９が直交する
よう形成され、取付部１８をアンカープレート７
に取付けた状態では巻込防止部１９はローター４
の軸線と平行するように形成されたが、第２の実
施例においてはデイスクホイール５内に侵入しよ
うとする異物をデイスクホイールの端縁方向に跳
ね返すように形成する。すなわち、第５図並びに
第６図に示すように、巻込防止部２４は、取付部
１８の取付孔を設けた面と斜交するように角度を
設けて形成する。斜交する巻込防止部２４の角度
は、ローター４の回転方向、つまり異物の侵入方
向に対して右側巻込防止部２１が負の勾配となる
ように形成する。このように形成することによ
り、取付部１８の取付孔を設けた平面に平行して
侵入する異物は、巻込防止部２４に衝突する際
に、左側巻込防止部２０方向に跳ね返るので、衝
突後の異物は、デイスクホイール５の端縁方向に
飛び、いわゆる泥はけ効果を高めることが可能と
なる。

この考案は上述の実施例に基づいて実用新案登
録請求の範囲のように構成したので、車輛の走行
中に跳上げられ、デイスクホイール内に入る異物
は、回転するデイスクホイールやローターに接し
て巻上げられても、巻込防止プレートがローター
の外周とデイスクホイールの間隔内にわずかな隔
接代で設けられており、当該巻込防止プレートに
衝突するので、キヤリパーとデイスクホイールの
間や、キヤリパーとローターの間隙に巻込まれる
ことが少くなり、デイスクブレーキの機能の劣化
や、キヤリパーの損傷を防止することが可能とな
る。巻込防止プレートはアンカープレートに簡単
に脱着し得るので、取付や点検が容易である。ま
た巻込防止部をローターと直交するように形成し
たものでは、車輛の前進走行および後進走行時に
も同時に機能する実益を有し、巻込防止部を時計
方向に回転させて斜交するように形成したもので
は、車輛の前進走行時におけるいわゆる泥はけ効
果を高くし得る実益を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は異物巻込防止プレートを取付けたデイ
スクブレーキの断面図、第２図はその正面図、第
３図は異物巻込防止プレートの正面図、第４図は
その側面図、第５図は第２の実施例を示す異物巻
込防止プレートの平面図、第６図はその正面図で
ある。 １……キヤリバー、４……ローター、５……デ
イスクホイール、６……タイヤ空気弁、７……ア
ンカープレート、８……異物巻込防止プレート、
１５……摺動部、１６……筒状部、１７……鍔
部、１８……取付部、１９，２４……巻込防止
部、２０……左側巻込防止部、２１……右側巻込
防止部、２２……切欠き部、２３……取付孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ キヤリパーを保持するアンカープレートの、
   当該キヤリパーの取付位置と対向する、軸線上
   の最下部とデイスクホイール５の間隔内に、ア
   ンカープレート７の最下端の突出部の取付孔２
   ３に脱着自在に取付固定する貫通孔を設けた巾
   板状の取付部１８と、当該取付部１８と一体に
   形成した矩形形状の板状に形成し、矩形形状の
   長辺の中点よりずらして短く形成した長辺を有
   する左側巻込防止部２０と取付部１８に対する
   長辺長さを長く形成した右側巻込防止部２１に
   形成した巻込防止部１９とを設けてなる異物巻
   込防止プレート８を設け、当該異物巻込防止プ
   レート８の巻込防止部１９の上側長辺縁がロー
   ター４の摺動部１５外周とわずかな隔接間隔を
   設けて対峙し、下側長辺縁がデイスクホイール
   ５とわずかな間隙を設けて対峙し、右側巻込防
   止部２１の短辺縁がローター４の摺動部１５か
   らデイスクホイール５の内側に突出して設けた
   ことを特徴とするデイスクブレーキにおける異
   物巻込防止プレート。 ２ 平板状の巻込防止部を、平板平面がローター
   と直交するように形成した実用新案登録請求の
   範囲第１項記載のデイスクブレーキにおける異
   物巻込防止プレート。 ３ 平板状の巻込防止部を、平板平面を時計方向
   に回転させ、ローターと斜交するように形成し
   た実用新案登録請求の範囲第１項記載のデイス
   クブレーキにおける巻込防止プレート。