JPH0159337B2 - - Google Patents
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- JPH0159337B2 JPH0159337B2 JP11411684A JP11411684A JPH0159337B2 JP H0159337 B2 JPH0159337 B2 JP H0159337B2 JP 11411684 A JP11411684 A JP 11411684A JP 11411684 A JP11411684 A JP 11411684A JP H0159337 B2 JPH0159337 B2 JP H0159337B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/02—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
- C21D8/04—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips to produce plates or strips for deep-drawing
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- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は連続鋳造法により製造される非時効性
連続焼鈍冷延鋼板に関する。 (発明の目的) 冷延鋼板の焼鈍を極めて短時間に行うことがで
き、省エネルギ・工程時間短縮など生産能率が高
いという大きな利点を有する連続焼鈍法は、鋼板
の材質に関して時効性が大きいという欠点があ
る。これは、焼鈍均熱時に鋼中に固溶するCが冷
却中・後に十分析出することができないためであ
り、特に均熱後の冷却速度が比較的緩やかなサイ
クルまたは過時効処理が十分でないときに顕著に
なる。本発明は連続焼鈍のかかる欠点を除き、低
コストで非時効性連続焼鈍冷延鋼板の製造方法を
提供することを目的とする。 (従来技術) 連続焼鈍法により非時効性冷延鋼板を製造する
技術としては、時効の原因である固溶C、Nを固
定する元素としてたとえばTiを添加する方法が
特公昭44−18066号公報記載のように確立されて
いる。しかし、Tiなどの合金元素添加によるコ
スト上昇が避けられない。一方、Tiなどの特殊
元素を使用しないで連続焼鈍冷延鋼板の時効性を
改善するためには均熱後の冷却速度を高めること
が有効であることが、たとえば「鉄と鋼」52巻、
1973年、S190に示されている。そして、特公昭
55−51412号公報のように、再結晶焼鈍後適当な
温度からたとえば1000℃/秒のような高い冷速で
急冷してから復熱・過時効する方法が開示されて
いるが、この場合は均熱帯の後に水冷タイプの冷
却帯を必要とするなどの設備上の制約が大きく、
一方冷速をいたずらに高めると硬質化し延性を害
することもよく知られている。 (発明の構成と作用) 本発明はいずれも再加熱圧延であるこれらの従
来技術の難点を克服し、現在では最も進んだ工程
として連鋳スラブの持つ顕熱を利用し再加熱する
ことなく、高温鋳片をそのまま熱延する連鋳−熱
延を直結した工程(以下連鋳直送圧延法と呼ぶ)
の金属学的な特徴を、連続焼鈍冷延鋼板の非時効
化に利用したものである。連鋳直送圧延法は今日
省エネルギ・省工程面で最も有利なプロセスであ
り、この工程で製造された熱延鋼帯を冷延後焼鈍
する際に最初に述べた連続焼鈍法を用いるときは
コストが最も低い冷延鋼板製造工程となる。 本発明者らは連鋳直送圧延鋼板の材質を種々検
討した結果、適正な成分範囲の熱延鋼帯を上記連
続焼鈍プロセスに適用すると、この焼鈍で問題に
なる時効性が改善されるという新しい事実を見出
し、非時効性連続焼鈍冷延鋼板の製造方法を発明
するに至つた。すなわち本発明の要旨とするとこ
ろは(1)C0.015%〜0.08%、Si0.03%以下、Mn0.13
〜0.50%、Al0.03〜0.08%、N30ppm以下を含む
鋼を連続鋳造して得られる高温鋳片を再加熱する
ことなく直接圧延するか、短時間の保熱および/
または部分的な加熱の後に熱延し、650℃以上の
温度で巻取り、所定の板厚に冷延・連続焼鈍し連
続焼鈍後の一次冷速を50℃/秒以上で冷却後250
〜400℃の温度範囲で1分以上過時効処理するこ
とを特徴とする非時効性連続焼鈍冷延鋼板の製造
方法、およびさらに材質を改善する方法として、
(2)C0.015〜0.06%、Si0.03%以下、Mn0.13〜0.50
%、P0.008%以下、Al0.03〜0.08%、N30ppm以
下を含む鋼を連続焼鈍して得られる高温鋳片を再
加熱することなく直接圧延するか、短時間の保熱
および/または部分的な加熱の後に熱延し、650
℃以上の温度で巻取り、所定の板厚に冷延・連続
焼鈍し連続焼鈍後の一次冷速を50℃/秒以上で冷
却後250〜400℃の温度範囲で1分以上過時効処理
することを特徴とする非時効性連続焼鈍冷延鋼板
の製造方法である。 以下、本発明の構成要件である成分元素限定の
理由を説明する。まず、Cは連続焼鈍冷延鋼板の
時効性に強い影響を有する元素で、高いほうが炭
化物析出が容易になるので時効性が改善される。
しかし、上限をこえると硬くなり冷間加工性が低
下し、また下限以下では時効性が急激に大きくな
るので制限が必要になる。Siは脱酸剤として有用
であり、微量の添加は問題はないが上限をこえる
と硬化するので0.03%以下に制限される。Mnは
低下すると値が向上するので低くするほうが望
ましいが、本発明の目的である時効性の改善には
高いほうが良く、最低0.13%を必要とする。上限
はCと同じく硬質となり、値・延性の低下を招
くことから0.5%に決められる。Alは脱酸のため
必要であるほか、固溶NをAlNとして析出固定
し、Nによる時効を抑えるため0.03%以上を要す
るが、0.08%以上添加しても効果は飽和し、経済
的でないので上限となる。Nを30ppm以下に制限
する理由は、第1図から明らかなように連鋳直送
圧延材の時効劣化が著しくなるからである。 次に熱延前のプロセスを制限する点であるが、
これが本発明の核心的な部分であつて従来その例
は全く知られていない。すなわち第2図はそれぞ
れ熱延後の巻取温度730℃、800℃×1分の焼鈍
後、680℃から70℃/秒で冷却したものの350℃で
の過時効時間と時効指数の関係を、0.028%C、
0.31%Mn、0.038%Al、15ppmNを含む鋼につき
連鋳直送圧延と再加熱圧延材について比較したも
のである。ここで実質上の非時効の限界としては
時効指数3Kg/mm2をとつた。時効指数は、10%引
張後の応力と100℃、1時間時効後の降伏点の差
を用いた。これから連鋳直送圧延材の方が時効性
が小さいことがわかる。さらに同一試料の熱延板
中の析出MnS密度と時効指数の関係を第3図に
示す。析出物の密度が大きいほど時効性が改善さ
れること、連鋳直送圧延材の方が密度が大きいこ
とが示されており、これが時効性改善の原因とな
つていることが推定される。 以上で述べたように、上記成分鋼を連鋳後得ら
れた高温鋳片を再加熱しないでそのまま直接圧
延、または短時間の保熱および/または部分的な
加熱の後に熱延することにより、熱延板中の
MnSを微細に分散させることができ、これを冷
延・連続焼鈍時の冷却・過時効時の炭化物の析出
核として利用するものである。この効果は、直接
圧延時にMnSの析出が遅れるため、より低温域
で析出し密に分散することによるもので、直接圧
延特有のものであるということができ、前記成分
との組合せによる全く新しい連続焼鈍冷延鋼板の
製造方法を提供するものである。この直接圧延は
連続鋳造鋳片の直接圧延でもよいし、たとえば1
時間程度以内の短時間に鋳片自身の保有熱により
温度を均一化し温度の低下を防止するため鋳片移
送ラインに設けられたたとえば保熱カバーまたは
その他の保熱手段を用いた保熱の後に圧延しても
よい。また、上記保熱に引続いてまたは単独に鋳
片表面または端部などの温度の低下した部分をガ
スバーナーまたは誘導加熱などの手段により部分
的に加熱後圧延してもよい。これらの保熱およ
び/または均熱は製品の品質を改善する必要に応
じて実施してよく、そのことによつて前記の連続
直送圧延による時効性改善の効果は少しも失われ
ない。次に、熱延後の巻取温度は650℃以上とす
ることによりAlNの固定が十分となり本発明の
効果はより確実なものとなる。 かくして得られた熱延鋼板は、酸洗などの通常
の脱スケールを行つた後、所定の板厚に冷延し、
連続焼鈍に供せられる。冷延は従来用いられてい
るいずれの方法によつても良く、連続焼鈍は短時
間で再結晶を完了させるために充分な温度、すな
わち600℃以上Ar3点以下の温度で行えばよい。
焼鈍後の冷却速度は50℃/秒に限定するが、これ
は冷速がこれ以下では過時効処理時のCの過飽和
度が不足し、非時効化させることが困難になるか
らである。次に、過時効温度範囲を250〜400℃に
限定するのは、上限を超えるとCの過飽和度が不
十分であり、下限未満ではCの拡散速度が小さく
長時間を要するからである。また、過時効時間は
第2図にみられるように効果が大きい1分以上に
限定される。 さらに、本発明において材質を一層改善するた
めにはCを0.06%以下にするが、これは鋼板を軟
化させ、加工性を改善するためである。また、P
を0.008%以下に制限するのは加工性、特にr値
の改善が大きいからである。 (実施例) 次に本発明の作用を実施例により説明する。第
1表に供試鋼の化学成分を、第2表に製造方法・
引張試験値を示す。
連続焼鈍冷延鋼板に関する。 (発明の目的) 冷延鋼板の焼鈍を極めて短時間に行うことがで
き、省エネルギ・工程時間短縮など生産能率が高
いという大きな利点を有する連続焼鈍法は、鋼板
の材質に関して時効性が大きいという欠点があ
る。これは、焼鈍均熱時に鋼中に固溶するCが冷
却中・後に十分析出することができないためであ
り、特に均熱後の冷却速度が比較的緩やかなサイ
クルまたは過時効処理が十分でないときに顕著に
なる。本発明は連続焼鈍のかかる欠点を除き、低
コストで非時効性連続焼鈍冷延鋼板の製造方法を
提供することを目的とする。 (従来技術) 連続焼鈍法により非時効性冷延鋼板を製造する
技術としては、時効の原因である固溶C、Nを固
定する元素としてたとえばTiを添加する方法が
特公昭44−18066号公報記載のように確立されて
いる。しかし、Tiなどの合金元素添加によるコ
スト上昇が避けられない。一方、Tiなどの特殊
元素を使用しないで連続焼鈍冷延鋼板の時効性を
改善するためには均熱後の冷却速度を高めること
が有効であることが、たとえば「鉄と鋼」52巻、
1973年、S190に示されている。そして、特公昭
55−51412号公報のように、再結晶焼鈍後適当な
温度からたとえば1000℃/秒のような高い冷速で
急冷してから復熱・過時効する方法が開示されて
いるが、この場合は均熱帯の後に水冷タイプの冷
却帯を必要とするなどの設備上の制約が大きく、
一方冷速をいたずらに高めると硬質化し延性を害
することもよく知られている。 (発明の構成と作用) 本発明はいずれも再加熱圧延であるこれらの従
来技術の難点を克服し、現在では最も進んだ工程
として連鋳スラブの持つ顕熱を利用し再加熱する
ことなく、高温鋳片をそのまま熱延する連鋳−熱
延を直結した工程(以下連鋳直送圧延法と呼ぶ)
の金属学的な特徴を、連続焼鈍冷延鋼板の非時効
化に利用したものである。連鋳直送圧延法は今日
省エネルギ・省工程面で最も有利なプロセスであ
り、この工程で製造された熱延鋼帯を冷延後焼鈍
する際に最初に述べた連続焼鈍法を用いるときは
コストが最も低い冷延鋼板製造工程となる。 本発明者らは連鋳直送圧延鋼板の材質を種々検
討した結果、適正な成分範囲の熱延鋼帯を上記連
続焼鈍プロセスに適用すると、この焼鈍で問題に
なる時効性が改善されるという新しい事実を見出
し、非時効性連続焼鈍冷延鋼板の製造方法を発明
するに至つた。すなわち本発明の要旨とするとこ
ろは(1)C0.015%〜0.08%、Si0.03%以下、Mn0.13
〜0.50%、Al0.03〜0.08%、N30ppm以下を含む
鋼を連続鋳造して得られる高温鋳片を再加熱する
ことなく直接圧延するか、短時間の保熱および/
または部分的な加熱の後に熱延し、650℃以上の
温度で巻取り、所定の板厚に冷延・連続焼鈍し連
続焼鈍後の一次冷速を50℃/秒以上で冷却後250
〜400℃の温度範囲で1分以上過時効処理するこ
とを特徴とする非時効性連続焼鈍冷延鋼板の製造
方法、およびさらに材質を改善する方法として、
(2)C0.015〜0.06%、Si0.03%以下、Mn0.13〜0.50
%、P0.008%以下、Al0.03〜0.08%、N30ppm以
下を含む鋼を連続焼鈍して得られる高温鋳片を再
加熱することなく直接圧延するか、短時間の保熱
および/または部分的な加熱の後に熱延し、650
℃以上の温度で巻取り、所定の板厚に冷延・連続
焼鈍し連続焼鈍後の一次冷速を50℃/秒以上で冷
却後250〜400℃の温度範囲で1分以上過時効処理
することを特徴とする非時効性連続焼鈍冷延鋼板
の製造方法である。 以下、本発明の構成要件である成分元素限定の
理由を説明する。まず、Cは連続焼鈍冷延鋼板の
時効性に強い影響を有する元素で、高いほうが炭
化物析出が容易になるので時効性が改善される。
しかし、上限をこえると硬くなり冷間加工性が低
下し、また下限以下では時効性が急激に大きくな
るので制限が必要になる。Siは脱酸剤として有用
であり、微量の添加は問題はないが上限をこえる
と硬化するので0.03%以下に制限される。Mnは
低下すると値が向上するので低くするほうが望
ましいが、本発明の目的である時効性の改善には
高いほうが良く、最低0.13%を必要とする。上限
はCと同じく硬質となり、値・延性の低下を招
くことから0.5%に決められる。Alは脱酸のため
必要であるほか、固溶NをAlNとして析出固定
し、Nによる時効を抑えるため0.03%以上を要す
るが、0.08%以上添加しても効果は飽和し、経済
的でないので上限となる。Nを30ppm以下に制限
する理由は、第1図から明らかなように連鋳直送
圧延材の時効劣化が著しくなるからである。 次に熱延前のプロセスを制限する点であるが、
これが本発明の核心的な部分であつて従来その例
は全く知られていない。すなわち第2図はそれぞ
れ熱延後の巻取温度730℃、800℃×1分の焼鈍
後、680℃から70℃/秒で冷却したものの350℃で
の過時効時間と時効指数の関係を、0.028%C、
0.31%Mn、0.038%Al、15ppmNを含む鋼につき
連鋳直送圧延と再加熱圧延材について比較したも
のである。ここで実質上の非時効の限界としては
時効指数3Kg/mm2をとつた。時効指数は、10%引
張後の応力と100℃、1時間時効後の降伏点の差
を用いた。これから連鋳直送圧延材の方が時効性
が小さいことがわかる。さらに同一試料の熱延板
中の析出MnS密度と時効指数の関係を第3図に
示す。析出物の密度が大きいほど時効性が改善さ
れること、連鋳直送圧延材の方が密度が大きいこ
とが示されており、これが時効性改善の原因とな
つていることが推定される。 以上で述べたように、上記成分鋼を連鋳後得ら
れた高温鋳片を再加熱しないでそのまま直接圧
延、または短時間の保熱および/または部分的な
加熱の後に熱延することにより、熱延板中の
MnSを微細に分散させることができ、これを冷
延・連続焼鈍時の冷却・過時効時の炭化物の析出
核として利用するものである。この効果は、直接
圧延時にMnSの析出が遅れるため、より低温域
で析出し密に分散することによるもので、直接圧
延特有のものであるということができ、前記成分
との組合せによる全く新しい連続焼鈍冷延鋼板の
製造方法を提供するものである。この直接圧延は
連続鋳造鋳片の直接圧延でもよいし、たとえば1
時間程度以内の短時間に鋳片自身の保有熱により
温度を均一化し温度の低下を防止するため鋳片移
送ラインに設けられたたとえば保熱カバーまたは
その他の保熱手段を用いた保熱の後に圧延しても
よい。また、上記保熱に引続いてまたは単独に鋳
片表面または端部などの温度の低下した部分をガ
スバーナーまたは誘導加熱などの手段により部分
的に加熱後圧延してもよい。これらの保熱およ
び/または均熱は製品の品質を改善する必要に応
じて実施してよく、そのことによつて前記の連続
直送圧延による時効性改善の効果は少しも失われ
ない。次に、熱延後の巻取温度は650℃以上とす
ることによりAlNの固定が十分となり本発明の
効果はより確実なものとなる。 かくして得られた熱延鋼板は、酸洗などの通常
の脱スケールを行つた後、所定の板厚に冷延し、
連続焼鈍に供せられる。冷延は従来用いられてい
るいずれの方法によつても良く、連続焼鈍は短時
間で再結晶を完了させるために充分な温度、すな
わち600℃以上Ar3点以下の温度で行えばよい。
焼鈍後の冷却速度は50℃/秒に限定するが、これ
は冷速がこれ以下では過時効処理時のCの過飽和
度が不足し、非時効化させることが困難になるか
らである。次に、過時効温度範囲を250〜400℃に
限定するのは、上限を超えるとCの過飽和度が不
十分であり、下限未満ではCの拡散速度が小さく
長時間を要するからである。また、過時効時間は
第2図にみられるように効果が大きい1分以上に
限定される。 さらに、本発明において材質を一層改善するた
めにはCを0.06%以下にするが、これは鋼板を軟
化させ、加工性を改善するためである。また、P
を0.008%以下に制限するのは加工性、特にr値
の改善が大きいからである。 (実施例) 次に本発明の作用を実施例により説明する。第
1表に供試鋼の化学成分を、第2表に製造方法・
引張試験値を示す。
【表】
【表】
ここでA−1、A−2は成分Aの、B−1、B
−2は成分Bの、C−1、C−2は成分Cの、D
−1からD−3は成分Dの、E−1、E−2は成
分Eの、F−1、F−2は成分Fの、G−1、G
−2は成分Gの鋼を用いたものである。第2表は
それぞれのプロセス・巻取温度に従つて、製造さ
れた熱延コイルを80%冷延し、820℃、1分均熱
処理後、680℃から70℃/秒で急冷し、350℃5分
過時効後、1.2%スキンパス、100℃×60分人工時
効後の引張試験値を示す。各試験値を連鋳直送圧
延材と再加熱圧延材で比較すると、N量が高いB
−1および巻取温度が低いE−2を除けば降伏点
伸びでは連鋳直送圧延材が小さくなつており(非
時効限界は0.2%以下)、本発明の効果が認められ
る。鋼G、鋼BはそれぞれC、N量が本発明の範
囲外であり、連鋳直送圧延によつても時効性が改
善されない例である。E−2は巻取温度以外は本
発明の範囲内にあるが、巻取温度が低いために非
時効になつていない例である。 さらに、本発明において材質を改善した例はP
を低下させたA−1およびCを低下させたA−
1、C−1、D−1、E−1である。 (発明の効果) 本発明は、連鋳・連続焼鈍冷延鋼板の製造に対
して連鋳直送圧延を適用することにより、経済
性・品質が共に優れた非時効性冷延鋼板を製造し
得る、工業的に価値がある発明である。
−2は成分Bの、C−1、C−2は成分Cの、D
−1からD−3は成分Dの、E−1、E−2は成
分Eの、F−1、F−2は成分Fの、G−1、G
−2は成分Gの鋼を用いたものである。第2表は
それぞれのプロセス・巻取温度に従つて、製造さ
れた熱延コイルを80%冷延し、820℃、1分均熱
処理後、680℃から70℃/秒で急冷し、350℃5分
過時効後、1.2%スキンパス、100℃×60分人工時
効後の引張試験値を示す。各試験値を連鋳直送圧
延材と再加熱圧延材で比較すると、N量が高いB
−1および巻取温度が低いE−2を除けば降伏点
伸びでは連鋳直送圧延材が小さくなつており(非
時効限界は0.2%以下)、本発明の効果が認められ
る。鋼G、鋼BはそれぞれC、N量が本発明の範
囲外であり、連鋳直送圧延によつても時効性が改
善されない例である。E−2は巻取温度以外は本
発明の範囲内にあるが、巻取温度が低いために非
時効になつていない例である。 さらに、本発明において材質を改善した例はP
を低下させたA−1およびCを低下させたA−
1、C−1、D−1、E−1である。 (発明の効果) 本発明は、連鋳・連続焼鈍冷延鋼板の製造に対
して連鋳直送圧延を適用することにより、経済
性・品質が共に優れた非時効性冷延鋼板を製造し
得る、工業的に価値がある発明である。
第1図は、本発明の範囲のC、Si、Mn、Alを
含む鋼の連鋳直送圧延、再加熱圧延材の降伏点、
降伏点伸びをN量に対して示した図である。第2
図は、0.028%C、0.31%Mn、0.038%Al、
15ppmNを含む鋼の熱延後の巻取温度700℃、820
℃×1分の焼鈍後、680℃から70℃/秒で急冷し
350℃での過時効時間と時効指数の関係を連鋳直
送圧延と再加熱圧延材について比較した図であ
る。第3図は第2図と同一試料の熱延板中の析出
MnS密度と時効指数の関係を示す図である。
含む鋼の連鋳直送圧延、再加熱圧延材の降伏点、
降伏点伸びをN量に対して示した図である。第2
図は、0.028%C、0.31%Mn、0.038%Al、
15ppmNを含む鋼の熱延後の巻取温度700℃、820
℃×1分の焼鈍後、680℃から70℃/秒で急冷し
350℃での過時効時間と時効指数の関係を連鋳直
送圧延と再加熱圧延材について比較した図であ
る。第3図は第2図と同一試料の熱延板中の析出
MnS密度と時効指数の関係を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C 0.015〜0.08%、 Si 0.03%以下、 Mn 0.13〜0.50%、 Al 0.03〜0.08%、 N 30ppm以下 を含む鋼を連続鋳造して得られる高温鋳片を再加
熱することなく直接圧延するか、短時間の保熱お
よび/または部分的な加熱の後に熱延し、650℃
以上の温度で巻取り、所定の板厚に冷延・連続焼
鈍し連続焼鈍後の一次冷速を50℃/秒以上で冷却
後250〜400℃の温度範囲で1分以上過時効処理す
ることを特徴とする非時効性連続焼鈍冷延鋼板の
製造方法。 2 C 0.015〜0.06%、 Si 0.03%以下、 Mn 0.13〜0.50%、 P 0.008%以下、 Al 0.03〜0.08%、 N 30ppm以下 を含む鋼を連続焼鈍して得られる高温鋳片を再加
熱することなく直接圧延するか、短時間の保熱お
よび/または部分的な加熱の後に熱延し、650℃
以上の温度で巻取り、所定の板厚に冷延・連続焼
鈍し連続焼鈍後の一次冷速を50℃/秒以上で冷却
後250〜400℃の温度範囲で1分以上過時効処理す
ることを特徴とする非時効性連続焼鈍冷延鋼板の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11411684A JPS60258430A (ja) | 1984-06-04 | 1984-06-04 | 非時効性連続焼鈍冷延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11411684A JPS60258430A (ja) | 1984-06-04 | 1984-06-04 | 非時効性連続焼鈍冷延鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60258430A JPS60258430A (ja) | 1985-12-20 |
JPH0159337B2 true JPH0159337B2 (ja) | 1989-12-15 |
Family
ID=14629531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11411684A Granted JPS60258430A (ja) | 1984-06-04 | 1984-06-04 | 非時効性連続焼鈍冷延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60258430A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6130628A (ja) * | 1984-07-23 | 1986-02-12 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 低炭素アルミキルド鋼帯の製造方法 |
JPS6318023A (ja) * | 1986-07-10 | 1988-01-25 | Nippon Steel Corp | 加工性の優れた高強度冷延鋼板の製造方法 |
JPS63277724A (ja) * | 1987-05-08 | 1988-11-15 | Nippon Steel Corp | 深絞り性の優れた冷延鋼板の製造方法 |
-
1984
- 1984-06-04 JP JP11411684A patent/JPS60258430A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60258430A (ja) | 1985-12-20 |
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