JPH0157719B2

JPH0157719B2 -

Info

Publication number: JPH0157719B2
Application number: JP55131335A
Authority: JP
Inventors: Kyohisa Eguchi; Norio Kitamura; Joji Oota; Koshin Okamura; Seiji Yamada
Original assignee: Agency of Industrial Science and Technology; Taihei Chemical Industrial Co Ltd; Hanano Shoji KK
Current assignee: Taihei Chemical Industrial Co Ltd; National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST; Hanano Shoji KK
Priority date: 1980-09-19
Filing date: 1980-09-19
Publication date: 1989-12-07
Also published as: FR2490670B1; DE3137272C2; JPS5773089A; GB2086934B; DE3137272A1; FR2490670A1; JPS5755247A; GB2086934A; US4402838A

Description

【発明の詳細な説明】

産業上の利用分野本発明は、鍛造または押出加工用潤滑剤に関す
る。従来技術とその問題点鍛造または押出加工用潤滑剤として従来から最
も良く使用されてきたのは、鉱物油、鉱物油と黒
鉛との混合物、黒鉛と水との混合物などである。
しかしながら、鉱物油は、潤滑性並びに離型性共
に充分ではなく、さらに熱間加工工程で使用した
場合には、発煙および粉塵が発生する、火災の危
険性があるなどの点で環境面や作業面に於て難点
がある。また鉱物油と黒鉛との混合物、および黒
鉛と水との混合物は、鉱物油に対して潤滑性や離
型性は改善されているが、環境面及び作業面に於
ける難点は殆んど改善されていない。本発明者は、従来から鍛造または押出加工用潤
滑剤について研究を続けて来たが、この研究に於
て、特定の組成を有する水溶性ガラスがこの種の
潤滑剤として極めて好適であることを見出し、こ
れに基づく発明をすでに出願した。この水溶性ガ
ラスはP₂O₅40〜55モル％、B₂O₃9モル％以下及び
M₂O（但しＭはアルカリ金属）30〜60モル％を含
有するものである。一方、雲母の如き層状珪酸塩は、その層間に水
が存在する場合には、かなりの潤滑性を有するこ
とが従来から知られている。しかしながら、これ
等層状珪酸塩は、その層間に水が存在しなくなる
と、著しく潤滑性が低下する。このため、これ等
層状珪酸塩は、高熱にさらされる鍛造または押出
加工用潤滑剤としては、使用出来ない。問題点を解決するための手段本発明者は、従来からこれ等層状珪酸塩を鍛造
または押出加工用潤滑剤として使用せんとして研
究を続けて来た結果、これ等層状珪酸塩と上記水
溶性ガラスとを併用する場合には、所期の目的が
達成されることを見出し、ここに本発明を完成す
るに至つた。即ち、本発明は、下記の鍛造または押出加工用
潤滑剤を提供するものである： (イ) 燐酸及びその塩から選ばれた少くとも１
種、 (ロ) 硼酸及びその塩から選ばれた少くとも１
種、 (ハ) アルカリ金属の炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩及
び水酸化物から選ばれた少くとも１種、及び (ニ) 層状珪酸塩の混合物からなり、上記(イ)〜(ハ)の化合物の割合が酸化物換算で
夫々P₂O₅40〜55モル％、B₂O₃9モル％以下、
M₂O（Ｍはアルカリ金属）30〜60モル％であ
り、混合物中の(ニ)の化合物の割合が10〜60重量％
である鍛造または押出加工用潤滑剤。 (イ) 燐酸及びその水溶性塩から選ばれた少くと
も１種、 (ロ) 硼酸及びその水溶性塩から選ばれた少くと
も１種、 (ハ) アルカリ金属の水溶性塩から選ばれた少く
とも１種、及び (ニ) 層状珪酸塩と水とから成る懸濁液であつて、上記(イ)〜(ハ)の化合物の割合が酸化物換算で
夫々P₂O₅40〜55モル％、B₂O₃9モル％以下、
M₂O（Ｍはアルカリ金属）30〜60モル％であ
り、上記(イ)〜(ニ)の化合物中の(ニ)の化合物の割合が
10〜60重量％である鍛造または押出加工用潤滑
剤。 P₂O₅40〜55モル％、B₂O₃9モル％以下及び
M₂O（Ｍはアルカリ金属）30〜60モル％を含有
する水溶性ガラス粉末と層状珪酸塩との混合物
からなり、混合物中の層状珪酸塩の割合が10〜
60重量％である鍛造または押出加工用潤滑剤。 P₂O₅40〜55モル％、B₂O₃9モル％以下及び
M₂O（Ｍはアルカリ金属）30〜60モル％を含有
する水溶性ガラスの水溶液と層状珪酸塩との混
合物からなり、水溶性ガラスと層状珪酸塩との
合量中の層状珪酸塩の割合が10〜60重量％であ
る鍛造または押出加工用潤滑剤。本発明者の研究に依れば、次のことが明らかと
なつた。即ち、上記特定の水溶性ガラスと層状珪
酸塩とを併用する場合には、層状珪酸塩は、鍛造
や押出加工用の如き高温条件下に於いても、優れ
た潤滑性を示し、それ自体優れた潤滑性を発揮す
る上記特定の水溶性ガラスとの相乗作用により、
極めて顕著な潤滑性を発揮する。この混合物は、
特に複雑な形状の型を使用する加工に際しても、
充分に潤滑性を発揮するばかりでなく、潤滑剤の
堆積に基づく欠肉等も殆んど生じないという極め
て優れた特性を有することも見出された。本発明の潤滑性は、優れた潤滑性並びに離型性
を有し、熱間に於ても発煙や粉塵を全く生ぜず、
作業面並びに環境面のいずれに於いても従来の難
点を解消し得るものである。本発明に於いて使用される層状珪酸塩として
は、天然の層状珪酸塩ばかりでなく、合成層状珪
酸塩も使用出来る。天然層状珪酸塩としては、各
種のものが広い範囲で使用出来、代表例として各
種雲母たとえば白雲母〔KAl₂（AlSi₃O₁₀）
（OH）₂〕、ソーダ雲母〔NaAl₂（AlSi₃O₁₀）
（OH）₂〕、金雲母〔KMg₃（AlSi₃O₁₀）（OH）₂〕、
黒雲母〔Ｋ（Mg、Fe）₃（AlSi₃O₁₀）（OH）₂〕、鱗
雲母〔KLi₂Al（Si₄O₁₀）（OH）₂〕、チンワルド雲
母〔KLi₂FeAl（AlSi₃O₁₀）（OH）₂〕、真珠雲母
〔CaAl₂（Al₂Si₂O₁₀）（OH）₂〕等、カオリナイト、
ハロイサイト、モンモリロナイト、バーミユキユ
ライト、イライト、葉ロウ石、滑石、ベントナイ
ト等を例示出来る。また合成層状珪酸塩として
も、現在知られている各種のものが、いずれも有
効に使用出来、その代表例として各種の合成雲母
を例示出来る。より具体的な例としては、特公昭
52−44758号、特公昭53−29320号などに記載のも
のを例示出来る。これ等層状珪酸塩としては、膨
潤性層状珪酸塩が特に好ましく、より具体的に
は、モンモリロナイト並びに上記各公報に記載さ
れた各種合成雲母を挙げることが出来る。また、本発明に於いて使用される水溶性ガラス
は、P₂O₅40〜55モル％、B₂O₃9モル％以下及び
M₂O（但しＭはアルカリ金属）30〜60モル％を含
有するガラスである。該ガラスは、鍛造もしくは
押出加工時の200〜800℃程度の温度において、数
百〜数千ポアズという適度の粘性を有する。
P₂O₅、B₂O₃及びM₂Oの含有割合が上記の範囲外
となる場合には、該ガラスは、200〜800℃におい
て適当な粘性を示さないため、潤滑剤として重要
な潤滑性が低下することとなり、不都合である。
B₂O₃の割合は、好ましくは３〜９モル％、特に
好ましくは６〜９モル％であり、この範囲で特に
優れた潤滑性が達成される。水溶性ガラスの製造に使用される原料として
は、この分野で通常使用されているものが広く使
用出来る。P₂O₅源としては、具体的には燐酸、
第一燐酸ナトリウム、第一燐酸カリウム、メタ燐
酸ナトリウム、第二燐酸ナトリウム、第二燐酸カ
リウム、縮合燐酸ナトリウム、縮合燐酸カリウム
等の燐酸塩を例示出来る。B₂O₃源としては、具
体的には硼酸、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム等
の硼酸塩を例示出来る。M₂O源としては、具体
的には炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硝酸ナト
リウム、硝酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カ
リウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属の炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、水酸化
物等を例示出来る。上記水溶性ガラスは、それ自体でもまた該ガラ
スを水に溶解させた形態であつても良い。水溶液
の形態のものは、水溶性ガラスを水に溶解させる
ことにより、製造される。水溶性ガラスとして
は、粉砕したものを使用することが望ましい。水
溶性ガラスと水との配合割合は、特に限定がな
く、広い範囲から適宜選択されるが、通常水溶性
ガラスの濃度が２〜60重量％、好ましくは20〜50
重量％となるように配合すればよい。水溶液は、
水溶性ガラスを水と混合し、常温で撹拌するだけ
で容易に製造される。尚、使用に先立ち、適当量
の水で希釈して使用するのが通常である。使用時
の濃度は、一般に0.2〜10重量％とするのがよい。更に、本発明に於いては、上記水溶性ガラスに
代えて、水溶性ガラスを形成するような原料混合
物を使用することも出来る。即ち、P₂O₅源とな
る物質、B₂O₃源となる物質及びM₂O源となる物
質（以下これ等を源物質という）をP₂O₅が40〜
50モル％、B₂O₃が９モル％以下、M₂Oが30〜60
モル％となるように混合し、該混合物をそのまま
或いは水溶液の形態で使用することが出来る。こ
のような混合物または水溶液を鍛造または押出加
工工程における約200〜800℃に加熱された金型に
塗布すると、加熱により、混合物は、溶融されて
ガラス化し、また水溶液は、水分が蒸発して同様
にガラス化する。従つて、本発明潤滑剤の形態は、四つに分類出
来る。即ち、P₂O₅源、B₂O₃源及びM₂O源となる
各源物質と層状珪酸塩とを混合して成るもの、上
記各源物質の水溶液に層状珪酸塩を混合したも
の、上記特定組成の水溶性ガラスと層状珪酸塩と
を混合したもの、及び上記水溶性ガラスの水溶液
に層状珪酸塩を混合したものである。この際の源
物質の混合物または水溶性ガラスに対する層状珪
酸塩の配合割合は、広い範囲で適宜に決定され、
たとえば型の形状等が特に複雑でない場合には、
通常得られる潤滑剤中の固形分中層状珪酸塩が10
〜60重量％含まれるような広い範囲内で適宜に決
定される。また、型が特に複雑な形状の場合に
は、同様に層状珪酸塩が約30〜60重量％、好まし
くは約30〜50重量％程度となる様にすることが好
ましい。後者の場合に、層状珪酸塩が、約30重量
％に達しないと、欠肉が生じる傾向があり、また
約60重量％よりも多くなると、潤滑性並びに離型
性が低下する傾向がある。本発明に於いて使用する源物質、水溶性ガラ
ス、層状珪酸塩を粉末状態で使用する場合には、
その粒度は、350メツシユ通過程度とすることが
好ましい。また、源物質または水溶性ガラスを水
溶液の状態で使用する場合には、層状珪酸塩を水
溶液に直接混合しても良いが、層状珪酸塩をあら
かじめ水に懸濁せしめ、これを水溶液に混合する
ことが好ましい。。発明の効果本発明潤滑剤の使用に際しては、鍛造または押
出加工用型に本発明潤滑剤を塗布、噴霧、散布、
浸漬等の適宜な手段により付与すれば良い。鍛造
または押出加工用型は、通常200〜800℃程度に加
熱されているので、水懸濁液の形態のものは直ち
に水が揮散し、また粉末状のものは、急速に溶融
して、いずれに於いても潤滑性並びに離型性の優
れた皮膜を形成する。また層状珪酸塩を上記水溶
性ガラスと併用する場合には、これを粉末で使用
する場合にも、水懸濁液の形態で使用する場合に
も、極めて優れた潤滑性並びに離型性を発揮す
る。この理由は、本発明者の研究にもかかわらず
なおその詳細は判然としないが、層状珪酸塩の層
間に存在する水がたとえ高温で揮散しても、上記
特定のガラスが溶融して該層間に侵入するか、ま
たは層間に存在する水の揮散が上記ガラスにより
抑制されるものと推測される。実施例以下に実施例および比較例を示し、本発明をさ
らに具体的に説明する。実施例１酸化物換算でP₂O₅41.2モル％、B₂O₃7モル％及
びNa₂O39.3モル％及びK₂O12.5モル％となるよ
うに燐酸、炭酸ナトリウム、第一燐酸カリウム及
び硼酸を混合し、これを900℃で30分間加熱溶融
してガラス化した。得られたガラスを20重量％水
溶液となるように水に溶解した。一方、下記の如
き合成雲母を水に懸濁せしめて、10重量％濃度の
懸濁液を調製した。次いで、上記ガラス水溶液と
雲母懸濁液とをガラスと雲母の割合が第１表に示
す所定の割合となるように混合し、各種の潤滑剤
を調製した。尚、使用した合成雲母は、「ダイモ
ナイト（DIMONITE）−DM（Na−TS）」（トピ
ー工業株式会社製、NaMg_2.5Si₄O₁₀F₂）であつ
た。かくして得られた各種潤滑剤を用いて潤滑剤と
しての各性能を試験した。試験条件、並びに方法
は下記の通りであり、また試験結果は第１表の通
りである。＜試験条件＞鍛造機：ドロツプハンマー（25トン）テスト品：ロツド材料加熱温度：1370〜1380℃ 加工温度：1270〜1280℃ 型温度：200℃ 材質：SCM−３（モリブデン鋼、鋼材第３種）潤滑剤の希釈率：水で５倍に希釈＜試験方法＞各種潤滑剤を刷毛により金型上に均一に塗布
し、ハリツキ、欠肉および離型性を測定した。測
定方法は夫々次の通りである。ハリツキ：型に付着した製品の割合。欠肉：肉眼で欠肉の有無を測定。離型性：型から製品を取り出すときの付着力の大
小により決定。＜試験結果＞第１表に示す通りである。

【表】上記第１表の夫々の物性の評価は、下記の基準
により行なつた。ハリツキ〇：100個中90個以上付着なし。 △：100個中85〜89個が付着なし。 ×：100個中84個以下が付着なし。欠肉〇：発生せず。 ×：発生した。離型性〇：殆んど付着なし。 △：手に付着力を感ずる。 ×：手に大きな付着力を感ずる。実施例２実施例１と同様にしてガラスと合成雲母との割
合を種々変えると共に、水の希釈率も種々変えて
各種の潤滑剤を調製した。これ等各種の潤滑剤を
用いて下記試験方法に依り、その潤滑剤としての
性能を評価した。＜試験条件＞鍛造機：フオージングプレス（1600トン）テスト品：ボールナツト材料加熱温度：1200〜1250℃ 材質：SKD61（合金工具鋼）＜試験方法＞各種潤滑剤を刷毛により金型に均一に塗布し、
ハリツキ個数を測定した。＜試験結果＞第２表に示す通りである。

【表】

【表】実施例３実施例１と同様にしてガラス水溶液と層状珪酸
塩の水懸濁液を調製した。かくして得られた両液を混合し、ガラス固形分
並びに層状珪酸塩の濃度が夫々５重量％となるよ
うに混合して潤滑剤を調製した。下記方法によ
り、これらの潤滑剤の性能を評価した。＜試験条件＞鍛造機：フオージングプレス（1600トン）テスト品：リンク、シンクロコーン素材：SKD61 材料加熱温度：1200〜1250℃ 希釈率（水により）：５倍塗布手段：刷毛塗り＜試験結果＞発煙、油の揮散もなく、また合成雲母単独の場
合に生ずる焼付けもなかつた。更に、水溶性ガラ
ス単独の場合に比して、堆積に基づく製品の欠肉
性に於いて、本発明潤滑剤は、一段と優れてい
た。実施例４実施例１と同じ水溶性ガラスを濃度14重量％に
なるように水に溶解して水溶液を調製した。一
方、実施例１と同様の合成雲母を水に懸濁させて
６重量％の水性懸濁液を調製した。次いで、両者
をガラス成分と合成雲母との重量比が７：３で且
つ全体の量が10重量％となるように混合して潤滑
剤を調製した。該潤滑剤の性能を下記の方法によ
り評価した。＜試験条件＞鍛造機：フオージングプレス（1600トン）テスト品：ボールナツト素材：SKD61 材料加熱温度：1200〜1250℃ 希釈率：５倍塗布手段：刷毛塗り＜試験結果＞機械および作業者の汚染は殆んどなく、5000個
の製造後にも、サイクルの乱れはなく、金型の摩
耗度、ヒートチエツク、塑性変形等の異常もな
く、製品品質や欠肉等も極めて優れていた。実施例５実施例３の潤滑剤を用いてその性能を下記の方
法に依り評価した。＜試験条件＞押出機：UBE複動式押出プレス（1800トン、宇
部興産(株)社製）テスト品：伸管素材：黄銅（64−36合金）押出管寸法：71φ×60.55φ×Ｌ温度条件ビレツト：840℃ コンテナースリーブ外部：約450℃ コンテナースリーブ内部：約700℃ ダイス：650〜700℃ ＜試験方法＞ダイスに対し、押出後ダイスがスライスした時
点でダイ端面及びベアリング部分に潤滑剤をハン
ドスプレーし、潤滑性能を調べた。＜試験結果＞何等の支障なく作業出来た。実施例６実施例１と同様にしてガラス水溶液を調製し
た。一方、ベントナイト（局方ベントナイト）の
350メツシユ全通品を水に懸濁させて10重量％の
水懸濁液を調製した。次いで、両者をガラス対ベ
ントナイトの重量比が５：５となるように且つ全
体の濃度が10重量％となるように混合して、潤滑
剤を調製した。得られた潤滑剤の性能を下記条件
に依り調べた。＜試験条件＞押出機：淀川P.F.S.1000 テスト品：クラツチギヤー材料加熱温度：1200℃ 加工温度：1150〜1050℃ 型温度：200〜300℃ 材質：ASCM−17H（特殊鋼）希釈率（水）：４倍＜試験方法並びに結果＞潤滑剤を刷毛塗りにより金型に均一に塗布し、
作業状況を観察した。機械並びに作業者いずれも
汚染なく、ハリツキおよび金型の摩耗もなく、ヒ
ートチエツクおよび塑性変形もなく、且つ欠肉も
生じなかつた。実施例７実施例３と同様にして潤滑剤を調製した。その
性能を下記の様にして測定した。＜試験条件＞押出機：フオージングプレス（1600トン）テスト品：リンク素材：SKD61 材料加熱温度：1200〜1250℃ 型温度：200〜300℃ 希釈率：20倍塗布手段：刷毛により１回毎に金型に塗布＜試験結果＞実施例６とほぼ同様の優れた性能を発揮した。実施例８実施例１と同様にして水溶性ガラスを調製し
た。得られたガラスを100メツシユ全通程度に粉
砕した。一方、実施例１と同じ合成雲母を100メ
ツシユ全通程度に粉砕した。次いで、上記２種類
の粉末を同量混合して潤滑剤を得た。得られた潤
滑剤の性能を下記方法により測定した。＜試験条件＞押出機：フオージングプレス（1600トン）テスト品：リンク素材：SKD61 材料加熱温度：1200〜1250℃ 型温度：200〜300℃ 塗布手段：ハンドスプレーにより上下型に１回毎
に金型に塗布＜試験結果＞実施例６とほぼ同様の優れた結果が得られた。実施例９実施例３の合成雲母に代えて350メツシユ全通
の絹雲母を使用し、その他はすべて実施例３と同
様に処理して、潤滑剤を調製した。この潤滑剤の
性能を下記方法により評価した。押出機：淀川P.F.S.1000 テスト品：クラツチギヤー材料加熱温度：1200℃ 材料加工温度：1150〜1050℃ 金型温度：200〜300℃ 材質：ASCM−17H 希釈率：３倍塗布手段：刷毛により金型に塗布＜試験結果＞実施例８と同様の結果が得られた。実施例 10 実施例１に於いて用いた合成雲母「ダイモナイ
ト−DM（Na−TS）」に代えてLiMgLi（X₄O₁₀）
F₂（但しＸはSiまたはGe）及びNa_1/3Mg₂2/3Li_1/3
（Si₄O₁₀）F₂を各々用い、その他は実施例１と同
様にして処理した。各々の場合とも実施例１と殆
んど同様の優れた効果を発揮した。実施例 11 酸化物換算でP₂O₅41.3モル％、B₂O₃7.0モル％
及びNa₂O30.0モル％及びK₂O21.7モル％となる
ように燐酸、炭酸ナトリウム、第一燐酸カリウム
及び硼酸を混合し、これを900℃で30分加熱溶融
してガラス化した。得られたガラス５重量部、合
成雲母５重量部からなる固形分10重量％濃度の懸
濁液を調製した。尚、使用した合成雲母は、「ダ
イモナイト（DIMONITE）−DM（Na−TS）：
（トピー工業株式会社製NaMg_2.5Si₄O₁₀F₂）であ
つた。かくして得られた潤滑剤を用いて、その性
能を試験した。試験条件並びに方法は下記の通り
であり、また試験結果は下記の通りである。＜試験条件＞押出機：宇部興産製、ES1500A（1500トン）ビレ
ツトサイズ６インチES2350A（2350トン）ビレ
ツトサイズ８インチテスト品：アルミサツシビレツト加熱温度：420〜480℃ コンテナ温度：400〜450℃ ダミー温度：300〜400℃ ダイス温度：400〜500℃ 材質：6063 潤滑剤の希釈率：30倍に水で希釈＜試験方法＞潤滑剤を自動スプレーでダミーブロツクに２方
向より５〜８秒吹付ける。コンテナ端面及びシヤ
ー面（ダイス内側表面）にハンドスプレーで２秒
吹付けた後、押出成形する。＜試験結果＞発煙、油の揮散、焼付けもなく、堆積に基づく
製品の欠肉もなかつた。このように全体として良
好な離型潤滑性を示した。比較例１上記実施例１に於いて、第１表のガラスと雲母
との割合が５／５のものを調製するに際し、ガラ
スに代えてCaF₂を用い、その他は同様にして潤
滑剤を得た。比較例２上記実施例１に於けるCaF₂に代えてZn₂P₂O₇
を用い、その他は比較例１と同様にして潤滑剤を
調製した。上記で得られた比較例１〜２及び実施例１の三
種の潤滑剤を用いて、その潤滑性を測定した。結
果を第３表に示す。但し試験は、曽田式試験方法
により、下記の条件で行なつた。＜試験条件＞型式：４球式回転数：200r.p.m. 負荷方法 (A)：ステツプ法で7.5Kgｆ／cm²まで回転し、その
まま20分間継続した。 (B)：シヨツク法で、約40秒間で7.5Kgｆ／cm²まで
負荷し、そのまま20分継続した。

【表】る。
実験例１また、本発明の特定組成の水ガラスと層状珪酸
塩との併用による相乗効果をより明確とするため
に、下記の実験を行なつた。下記に示す７種の潤滑剤について高温（400℃）
での摩擦係数を測定した。 (1) 使用機器カムプラストメーター（東京試験機製作所製
35トン） (2) 測定条件 Γ速度：5.6mm／sec Γ温度：400℃ 但し電気炉内で型を400℃まで予熱後、潤
滑剤を塗布したテストピースを挿入し、炉内
で10分間加熱後直ちに測定 Γ加工度（テストピースの）：40％ Γ材質（テストピースの）：アルミニウム5052 Γ寸法（テストピースの）：外径20mm、内径8.5
mm、高さ７mm (3) 使用した潤滑剤実施例１で使用した水溶性ガラスの水溶液
からなる潤滑剤。但し水溶性ガラスの使用割
合は10重量部。上記の水溶性ガラス、実施例１で使用し
た合成雲母（「Na−TS」）及び水からなる潤
滑剤。但し、水溶性ガラス７重量部と合成雲
母３重量部の使用割合である。上記に於て水溶性ガラスと合成雲母の使
用割合を夫々５重量部としたもの。上記に於いて使用した合成雲母「Na−
TS」を水に懸濁させた潤滑剤。但し合成雲
母の使用割合は10重量部。 B₂O₃67重量％、シリカガラスフリツト31
重量％及び酸化コバルト２重量％から調製し
たガラス、上記合成雲母「Na−TS」及び水
からなる潤滑剤。但し両者の使用割合はガラ
ス７重量部、雲母「Na−TS」３重量部であ
る。 SiO₂49重量％（以下同じ）、Na₂O2％、
K₂O6％、PbO49％、LiO₂1％の組成を有す
るガラス、上記合成雲母「Na−TS」及び水
からなる潤滑剤。但し両者の使用割合はガラ
ス７重量部、雲母「Na−TS」３重量部であ
る。 SiO₂40.3重量％（以下同じ）、B₂O₃11.2％、
Na₂O36％及びAl₂O₃1.5％を組成を有するガ
ラス、上記合成雲母「Na−TS」及び水から
なる潤滑剤。但し両者の使用割合はガラス７
重量部、雲母３重量部である。 (4) 試験結果下記第４表に示す。

【表】

Claims

【特許請求の範囲】１ (イ) 燐酸及びその塩から選ばれた少くとも１
種、 (ロ) 硼酸及びその塩から選ばれた少くとも１種、 (ハ) アルカリ金属の炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩及び
水酸化物から選ばれた少くとも１種、及び (ニ) 層状珪酸塩の混合物からなり、上記(イ)〜(ハ)の化合物の割合が酸化物換算で夫々
P₂O₅40〜55モル％、B₂O₃9モル％以下、M₂O（Ｍ
はアルカリ金属）30〜60モル％であり、混合物中の(ニ)の化合物の割合が10〜60重量％で
ある鍛造または押出加工用潤滑剤。２ (イ) 燐酸及びその水溶性塩から選ばれた少く
とも１種、 (ロ) 硼酸及びその水溶性塩から選ばれた少くとも
１種、 (ハ) アルカリ金属の水溶性塩から選ばれた少くと
も１種、及び (ニ) 層状珪酸塩と水とから成る懸濁液であつて、上記(イ)〜(ハ)の化合物の割合が酸化物換算で夫々
P₂O₅40〜55モル％、 B₂O₃9モル％以下、M₂O（Ｍはアルカリ金属）30
〜60モル％であり、上記(イ)〜(ニ)の化合物中の(ニ)の化合物の割合が10
〜60重量％である鍛造または押出加工用潤滑剤。３ P₂O₅40〜55モル％、B₂O₃9モル％以下及び
M₂O（Ｍはアルカリ金属）30〜60モル％を含有す
る水溶性ガラス粉末と層状珪酸塩との混合物から
なり、混合物中の層状珪酸塩の割合が10〜60重量
％である鍛造または押出加工用潤滑剤。４ P₂O₅40〜55モル％、B₂O₃9モル％以下及び
M₂O（Ｍはアルカリ金属）30〜60モル％を含有す
る水溶性ガラスの水溶液と層状珪酸塩との混合物
からなり、水溶性ガラスと層状珪酸塩との合量中
の層状珪酸塩の割合が10〜60重量％である鍛造ま
たは押出加工用潤滑剤。