JPH0157017B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 電動一発電機によつて駆動される巻戻し軸に
支持された帯状製品のロールと、駆動される転向
ローラとを有する、帯状製品、とりわけ合成樹脂
フイルムの巻戻し装置において、 (a) 内部が中空の孔明き壁を有し、帯状製品が少
なくとも140の角度で巻き付けられる転向ガイ
ド手段と、 (b) 前記転向ガイド手段に連結され、圧力空気を
前記転向ガイド手段の内部に供給し、孔明き壁
を通して吹き出す圧力空気で前記転向カイド手
段と帯状製品との間にエアクツシヨンを形成
し、前記転向ガイド手段内の空気の圧力は、帯
状製品のロールの非円形性により生ずる帯状製
品の脈動の間、帯状製品が転向ガイド手段に接
触することを防止するため、エアクツシヨンの
圧力より少なくとも３倍以上である圧力空気の
供給源と、 (c) エアクツシヨン内の空気圧を測定する圧力測
定手段と、 (d) 圧力測定手段と電動一発電機に接続され、エ
アクツシヨン内の圧力を関数として電動一発電
機を制御する制御手段と、 (e) 前記転向ガイド手段の出口側に隣接して配置
された孔明き板により形成され、前記孔明き板
の孔からエアクツシヨンを消失させるために帯
状製品のフイルムとほぼ平行に配設されている
流出壁手段と、 を備えてなる巻戻し装置。

２ 駆動される転向ローラ９が転向ガイド６のす
ぐ後に続いていることを特徴とする請求の範囲第
１項に記載の巻戻し装置。

３ 駆動される転向ローラ９が少なくとも140あ
るいはそれ以上巻付けられ、ゴム引きされた外周
層を有していることを特徴とする請求の範囲第１
項に記載の巻戻し装置。

４ 転向ガイド６と転向ローラ９の共通接線の長
さが150mmより小さいことを特徴とする請求の範
囲第１項ないし第３項のいずれかに記載の巻戻し
装置。

技術分野 本発明は、電動−発電機によつて駆動される巻
戻し軸、加圧状態にあるその内部室がエアクツシ
ヨンを供給する転向ガイド、および駆動される転
向ローラをもつた帯状製品特に合成樹脂フイルム
の巻戻し装置に関する。

背景技術 合成樹脂フイルムは、製造設備において幅出し
領域などに続いて多少加熱した状態で巻取られ
る。どんな場合でも、巻取り後においても、フイ
ルム長さを短縮するような老化現象、収縮現象、
晶出現象などが生ずる。巻取り済の合成樹脂フイ
ルムが全体として収縮するこの過程によつて害さ
れないようにするため、非常に緩い巻付けを行な
い、それによつて合成樹脂フイルムの収縮ができ
るようにしなければならない。かかる緩い巻付け
ロールを貯蔵した場合、非円形および別の形に変
形する。このロールは非円形であり、いわゆる太
鼓腹の形に垂れ下がる。

ある加工設備においてそのように変形したロー
ルを巻戻す場合、いわゆる脈動が生じ、この脈動
は帯状製品の張力ないしロールの張力の突発的な
変動を生ずる。かかる脈動は、その後の加工特に
長さを切断およびそれに続く巻取りを困難にす
る。この脈動によつて特に加工速度が害される。

巻戻し回転数を合わせることによつてこの脈動
を防止する試みは、巻戻すべきロールが大きな質
量である場合巻戻し回転数の短期的な追従が技術
的にできないので、利用できないことがわかつ
た。その場合ロールの幅が数メートルであること
が考慮される。

帯状製品がエアクツシヨンの上に浮いているよ
うな転向ガイドは、米国特許第2945637号明細書
で知られている。それによつて紙加工機の帯状製
品の張力調整における脈動のほとんど無慣性の補
整が達せられ、その場合巻戻しローラと接続され
た電動−発電機が、エアクツシヨンを発生する転
向ガイドの内部室の加圧力によつて制御される。
帯状製品は約90゜だけ転向され、駆動されない案
内ローラのまわりを導かれる。

実験で明らかにされているように、合成樹脂フ
イルムを巻戻す場合、予想されるロールの非円形
を完全に補整するためには、ただ90゜の巻付けで
は不十分である。また90゜だけ巻付けられて駆動
されない案内ローラは、残留脈動を後続の加工領
域から絶縁するためには不十分であることもわか
つた。

また上述の米国特許第2945637号明細書に記載
されたようなエアクツシヨンを供給する加圧力を
利用した巻戻しの制御は、合成樹脂フイルムに対
しては役立たないことがわかつた。この原因は、
一様なエアクツシヨン圧力を発生するために転向
ガイドとエアクツシヨンとの間の空気流出開口で
大きな圧力損失が考慮されねばならず、エアクツ
シヨンの圧力に対して供給圧力が代表されないと
いうことにある。

発明の開示 本発明の目的は、緩いロールの傷つき易い合成
樹脂フイルムを巻戻す際も、脈動が防止されるよ
うに巻戻し装置を形成することにある。

この目的は次の特徴の組合せによつて達成され
る。

(a) 転向ガイドにおける帯状製品の巻付け角が
140゜より大きい。

(b) 転向ガイドの内部室内の空気圧がエアクツシ
ヨンの圧力の少くとも３倍大きい。

(c) エアクツシヨンの圧力を測定するために圧力
測定装置が設けられ、その出力信号が電動−発
電機を制御するために関与される。

転向ガイドにおける大きな巻付け角は効果的で
あることがわかつた。更に転向ガイドの内部室内
の圧力はエアクツシヨンの圧力より少くとも３倍
大きくなければならない。それによつて脈動の際
もエアクツシヨンの確実な供給が達成される。帯
状製品の張力に対して比例するエアクツシヨン自
体の圧力は、電動−発電機に対する制御量として
利用される。

詳しくはエアクツシヨン−圧力信号は、変換器
において直接電気的な比例信号に変換され、調整
器に供給される。これは設定値発信器の出力信号
と共に比較回路に入力され、この比較回路の出力
導線は電動−発電機に対する制御量を案内する。
この制御は一定回転数による巻戻しを保証する。
エアクツシヨンの平均空気圧が変動した場合、調
整器が専ら変更され、電動−発電機の回転数が調
整される。この過程は巻戻しロールの直径の減少
につれて次第に行なわれる。この場合米国特許第
2945637号明細書に記載された高価なブースタ装
置および巻取り用の駆動的な継手は全く省略され
る。

エアクツシヨンを形成する空気は、母線および
端面側の円形リングセグメントにおいて周囲に流
出する。このことによつてフイルムがばたばた揺
れ動く危険が生ずる。フイルムが静かに案内さ
れ、空気がエアクツシヨンからできるだけ均一に
流出するようにするために、転向ガイドの入口側
およびないし出口側に帯状フイルムに対してほゞ
平行に孔明き板の形をした流出壁が配置されてい
る。流出する空気によつて孔明き板の孔を通して
大気が吸込まれるので、流れの安定性および乱流
の抑制が保証される。

本発明の別の実施例において、転向ガイドおよ
び次に続く駆動されるローラの共通接線の長さが
150mmよりも小さいことが提案されている。合成
樹脂フイルムができるだけ短かい距離でこの駆動
されるローラによつて受けられるようにするため
に、このローラができるだけエアクツシヨン付き
転向ガイドに近づけて設けることが目的に適つて
いることがわかつた。

【図面の簡単な説明】

本発明の実施例を以下図面を参照して説明する
に、図面には本発明に基づく巻戻し装置の全体が
概略的に示されている。

発明を実施するための最良の形態 この巻戻し装置は、巻戻すべき合成樹脂フイル
ムのロール３をもつた巻戻し軸２に対する支持装
置１を有している。巻戻し軸２は電動−発電機４
によつて駆動される。合成樹脂フイルム５はロー
ル３から直接転向ガイド６に向けて走り、この転
向ガイド６は少くとも140゜の角度に亘つて伸びる
孔明き板の形をした円筒壁７を有している。転向
ガイド６の内部室１７の中には送風機８によつて
圧力が発生されているので、空気が孔明き板の孔
を通して流出する。この空気は転向ガイド６と合
成樹脂フイルム５との間でエアクツシヨン２０を
形成する。この装置は内部室１７の圧力がエアク
ツシヨン２０の圧力より2.5倍から４倍程大きい
ようにされている。この内部室１７の圧力は、脈
動を吸収するに十分であるようなエアクツシヨン
の均一な供給を可能にするため、エアクツシヨン
の圧力よりも少くとも３倍大きくしなければなら
ない。

転向ガイド６の後で合成樹脂フイルム５は駆動
される転向ローラ９によつて受け取られる。帯状
フイルムの経路に対してほゞ平行に孔明き板の形
をした流出壁１０が配置されている。

転向ガイド６に対する合成樹脂フイルムの接触
圧力およびそれに伴なつてエアクツシヨンに対し
て必要な圧力は周知の次式で求められる。

ｐ＝２・σ・ｓ／Ｄ この式においてσは約２〜3N／mm²である単位
巻戻し荷重、ｓは合成樹脂フイルム５の厚さ（ミ
リメートル）、およびＤは転向ガイド６の円筒壁
の直径（ミリメートル）である。従つて転向ガイ
ド６の直径が増大するにつれて圧力は小さくな
る。このことは小さな圧力が僅かな乱流を意味
し、それに伴なつて僅かな騒音を意味するので有
利である。また上述の式は、圧力がフイルムの厚
さに比例しているので、フイルムの厚さに応じて
エアクツシヨン２０の圧力が予め調整されること
を示している。

転向ガイド６から孔明き板７を通つて流出する
空気によつて発生されるエアクツシヨン２０は帯
状フイルムの脈動をほゞ無慣性で吸収する。なぜ
ならエアクツシヨン２０の質量およびその上を走
る帯状フイルムの質量が非常に僅かであるからで
ある。エアクツシヨン２０の空気は主に円周方向
に流出する。軸方向に流出する空気量は比較的わ
ずかであり、エアクツシヨン２０に害を与えるこ
とはない。流出壁１０は流出する空気の領域にお
いて空気を吸込むために用いる。それによつて流
出領域における乱流は防止されるので、均一な流
出が達せられる。

駆動される転向ローラ９は目的に適つてできる
だけ転向ガイド６の近くに設置されているので、
転向ガイド６および続く駆動ローラ９の共通接線
は150mm以下の長さである。

本発明は巻戻し回転数の制御およびそれに伴な
つて一様な巻戻しを可能にしている。圧力測定管
１１が孔明き板７の流出開口の範囲に配置されて
いるので、この圧力測定管１１によつてエアクツ
シヨン２０の圧力が測定できる。この圧力は変換
器１２において電流値に変換され、この電流値は
増幅器１３で増幅された後で比較回路１４に入力
される。この比較回路１４の別の入力端子は設定
値発信器１５の出力導線に接続されている。比較
回路１４は、その出力導線に制御電圧を発信し、
この制御電圧は増幅器１６で増幅される。増幅済
みの制御電圧は電動−発電機４に供給され、この
電動−発電機の回転数およびそれに伴なつて巻戻
し軸２の回転数を、エアクツシヨン２０の内部の
圧力が設定値発信器１５で与えられた一定の値を
維持するように制御する。エアクツシヨン２０の
内部の一定圧力は巻戻しの帯状フイルムの張力が
一定であることを意味している。それによつて本
発明の枠内において巻戻しの回転数が簡単に調整
できる。