JPH0155323B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は運動部材を軸に回転可能かつ並進可
能に結合する関節接合装置に関し、該装置は運動
部材の外側リングと線接触しかつ軸の軸線と平行
で、さらに外側リングの内孔と中間支持部材との
間に配置された外側転動部材と、前記軸線と垂直
に線接触しかつ中間支持部材に設けられた溝と、
軸に形成されたそれぞれの軸方向に延びるレース
との間に配置された内側転動部材列とを含む。

これらの装置は線接触している転動部材が、同
一長さの点接触しているボール列に比し、極めて
高い荷重（硬化クロム鋼に対し約50倍もの大きさ
の）に耐えられるから、部材が可成りの力を軸に
加える場合に用いて有効である。

米国特許第3490251号には、中間支持要素がす
べての溝が形成された内側表面に、単列のリング
を形成した構造の関節接合装置が記載されてい
る。しかしながらこのような関節接合装置は、中
間レース部材が４つの半月形部分が一体的に結合
されたものとなつているので、内側転動部材のレ
ース面のトラニオンのレース面に対する寸法精度
を出すための加工が非常に困難であつて、きわめ
て高価になるという欠点を有する。

この発明の目的は、製造が容易で、従つて価格
の低廉な同一型式の関節接合装置を提供するにあ
る。

この発明は、各溝が半月形部材に形成された関
節接合装置を提供する。

この発明の好適な実施例において、半月形部材
は軸の一部分と組合わされて中間支持部材を構成
し、軸の一部分の直径は半月形部材の円筒形表面
の直径よりも僅かに小さい。このような構造とす
ることによつて、並進運動時に摩擦を低減できる
と同時に、良好な回転運動が確保できる。

もし軸に伝達される力が２つの限定された方
向、例えば２つの相反する方向に加わるならば、
内側転動部材を２つの転動部材列によつて形成
し、各転動部材が軸のレースに沿つて転動し、か
つこれらのレースを２つの当該方向に面するよう
に構成すれば極めて経済的に構成されることにな
る。もしこれらの力が任意の方向をとるならば、
上記の構造とは異り内側組立体は、少くとも３つ
の転動部材列によつて構成される。

好ましくは、内側転動部材の各列は保持具内に
保持されかつ保持具はそれらの両端にフランジを
もち、このフランジに保持具の再心出し用のばね
が当接され、このばねはフランジと中間支持部材
との間に圧縮装着される。１変形実施例として、
内側転動部材は組合わされた転動部材の再循環用
装置を具備することができる。

何れの場合も、運動部材の内孔よりも長い中間
支持部材を用いることによつて、内側転動部材に
対する運動部材の張出しを無くすことができる。

この発明の他の特色および利点は以下の説明か
ら明らかになるが参照する図面に記載の実施例は
単なる例示の目的のものである。

第１図および第２図に示す関節接合装置１は水
平軸２に運動部材たる球形ローラ３を取付けるの
に用いられ、該水平軸はローラ３と同一の軸線Ｘ
−Ｘをもちかつ軸の一端において垂直壁２Ａに固
定され、これによつて球形ローラ３を自由に、か
つ実質的に摩擦を生ぜずにしかも軸２に垂直荷重
を伝えつつ、軸線Ｘ−Ｘに沿つて並進させかつ該
軸線Ｘ−Ｘのまわりに回転させる。

軸線Ｘ−Ｘと垂直な直径に沿う平面Ｐに対して
対称な２つの平坦端面４を有するローラ３は、可
動部材（図示せず）の２個の平行あご部材５間に
保持され、該あご部材５は同一直径の部分円筒形
摺動面６をもち、その共通軸線Ｙ−Ｙは水平で、
かつ平面Ｐに含まれる。さらに詳しくは、あご部
材５によつてローラ３に垂直力ＦまたはF′を加え
ると、摺動面６の内径とローラ３の外側面の外径
との間の差異による、わずかな半径方向間隙が提
供される結果、この力の方向に対応した一方の摺
動面６によつてこのローラ３は自由に転動する。

この軸２はその全長に亘つて２つの水平な平坦
面７をもち、装置１は２つの同一の半月形部材
８、および軸線Ｘ−Ｘと平行なニードル１０を含
む回動部９および軸線Ｙ−Ｙと平行な２列のニー
ドル１２を含む並進部１１を含む。

各半月形部材８は円筒の一部分として形成され
るが、この円筒はローラ３の長さよりも長い、例
えばローラの長さの２倍の長さをもち、かつこの
部材８の横断面形は軸２の横断面形と組合わされ
て真円を形成するようになつている。（第２図）。
組合つた平坦面７に隣接する月形部材８の平坦面
には、その長さ方向に亘つて溝１３が形成され、
この溝は長方形の横断面形をもち、１列のニード
ル１２を受入れる。これらのニードル１２は軸２
を覆い、かつローラ３の長さを超えて殆んど半月
形部材８の長さに等しい長さにわたつて配置され
る。

２つの半月形部材８は軸２の対応する部分とで
円筒形軸の一部を構成する。外側ニードル１０は
ローラ３の円筒形内孔と、ローラ３の長さにほぼ
等しい長さに亘り、軸２及び半月形部材８の外側
表面との中間部に配置される。

この装置１はニードル１０，１２ならびにロー
ラ３を保持する装置によつて完成される。半月形
部材８は各端の近くに円周溝１５を有し、この溝
内にその形状を第４図に示すリング１６が係合し
ている。このリング１６の内側形状は円形で水平
直径の両端において切込み１６ａが設けられ、こ
れらの切込み１６ａの半径は溝１５の区域におけ
る軸２の直径の1/2となつている。２個のリング
１６は２個のワツシヤ１７を介して半月形部材８
に対してローラ３およびニードル１０を軸方向に
保持する。これらのワツシヤは随意に使用され
る。リング１６はまた半月形部材８を相互に軸方
向に位置づける。

各列のニードル１２は保持具１８によつて保持
され、該保持具１８は一般に平面形状で、かつそ
の各端に孔２０を形成した立上りフランジ１９を
含む。各保持具１８は組合つた半月形部材８の溝
１３を自由に貫通し、かつこの装置１の各端に軸
２を取囲むコイルばね２１が保持具１８のフラン
ジ１９と隣接するリング１６との間に圧縮装着さ
れている。１つの変形として、ニードル１２は適
当な軸方向保持具を用いて溝１３の両側とニード
ル１２の両端を接触することによつて直接案内す
ることもできる。

上記の装置１はローラ３をニードル１０の作用
によつて軸線Ｘ−Ｘのまわりに回動させ、力Ｆま
たはF′の方向によつて２列のニードル１２の一方
のニードルに沿つて転動することによつて軸線Ｘ
−Ｘに沿つて自由に並進させる。この運動中に、
当該ニードル列は対応する平坦面７に沿つてロー
ラ３の移行距離のわずか1/2の距離だけ移行する。
もし前記後者の移行距離が短ければ、ばね２１は
ニードル１２の転動を伴わずに交互に圧縮され
る。もしこの移行が充分に長ければ、一方のばね
２１は充分に圧縮されて保持具１８を半月形部材
８に対して再度心合せさせ、この運動は同一方向
に継続される。

さらに、ローラ３が球形状となつているから、
あご部材５は軸線Ｙ−Ｙに沿つて並進かつローラ
３の垂直軸線Ｚ−Ｚのまわりに回転するように自
由に動くことができる。

この回転運動は中程度の荷重に対する接触楕円
の長軸線を短縮するようにローラ３又は摺動面６
のいずれかの球形状をわずかに後退させることに
よつて既知の方法でさらに助成することができ
る。

軸２へのローラ３の取付は次の方法で容易に実
施できる。

ローラ３はグリースを含ませたニードル１０を
内側に具備し、リング１６（および場合により中
間ワツシヤ１７）が各端に配置される。次に一方
の半月形部材８がこれに挿入され、２個のリング
１６の内孔に対し半径方向の移動によつて押当て
られるから、この内孔は実際には半月形部材８の
溝１５と接触される。次に第２の半月形部材８が
同様の方法で所定位置に装着され、２個所の切込
み１６ａがそれらの正規の位置に配置される。

次にグリースを含んだニードル１２が半月形部
材８の溝１３内に配設され、ついで保持具１８が
共に内孔に挿入され、保持具が背中合せに配置さ
れ、ばれがそれらの両端に取付けられる。次に保
持具１８が半径方向に拡げられて、軸２を導入す
ることによつて半径方向に固定される。ばね２１
の彎曲外端２２をつぎにフランジ１９の２つの孔
２０に挿入する。

このようにして完成した装置は、完全に信頼性
を有しかつ軸２を引抜かない限り分解できないこ
とが明らかである。従つて、構成部品の寸法決め
がそれぞれ特別の用途においてこの軸を取外すこ
とが不可能なことを充分に保証する。

ニードル１０は軸２の円筒形部分２３によつて
半月形部材８の外側に案内され、かつ軸線Ｘ−Ｘ
と垂直方向へのローラ３の如何なる運動も阻止さ
れることが判る。

この円筒形部分２３の直径は、並進運動する場
合にニードル１０とこの部分２３との間の摩擦を
避けるために軸線Ｚ−Ｚ上で半月形部材８の円筒
形表面上で測つた直径よりも僅かに（例えば0.01
〜0.1mm）小さくつくることが有効である。さら
に、半月形部材８は仏国特許第1380557号に記載
されているように、これらのニードルによつて作
用される推力の均等な分布を得るために変更され
た円形状とすることも有効である。

さらに、半月形部材８の軸線Ｘ−Ｘに沿つた自
由な軸方向移動を許し、かつ軸２に対するこれら
の部材の摩擦を避けるために、軸２の平坦面７と
半月形部材８の隣接する平坦面との間に僅かな間
隙（例えば0.1mm）が設けられている。

回転および並進が可能な関節接合装置１によつ
て提供される利点をまとめれば次のとおりであ
る。回転および並進運動のいずれの場合において
も実際上完全に摩擦を生ぜず、従つて優れた効率
が得られ、さらに苛酷に使用した場合に発熱がな
く従つて潤滑が容易で使用命数が長く、全体の寸
法が小さいにも拘らず高い荷重伝達能力をもち、
せいぜい極めて僅かな間隙（0.01〜0.1mm程度の）
しかもたない種々の構成部品間に確実な結合を有
しているから、これらの結合を負荷状態において
さえ配置することが可能であり、この装置１の構
成部品は構造が簡単で特別な機械加工作業やその
ための機械を必要とせず、その組立が容易であ
り、従つてスラストが減じ、保証された機能が確
信され、この装置は信頼性に富みかつ強固で、な
お高度の安全度を必要とする機構に組入れること
ができる。

この装置１の使用目的は数多くあり、ローラを
用いた滑動結合ばかりでなくローラを含まない結
合および軸に対して少くとも回転運動および並進
運動を必要とする一般に任意な結合手段に適用で
きる。装置１は特に所与の重量性能に対し高い伝
達能力を要する機構、さらには自動車に使用する
機構に適用可能である。この装置は壁が可動であ
ご部材５が固定フレーム或は他の可動要素と剛接
された構造にも配置できることが判るであろう。

変形実施例として、ニードル１２はこれと同様
に軸線Ｘ−Ｘと垂直である樽形の転動部材をもつ
て置換できる。これらの部材は内方に対しては軸
２上に、平坦面の代りに設けられた同一半径の部
分円形部をもつ２つの凹状レースに沿い、かつ外
方は同一半径の２つのレース上を転動する。保持
具１８の本体部分の形状は、これらの転動部材を
正確に軸線Ｘ−Ｘと垂直に維持し、これによつて
これらの転動部材とレースとの間に効果的な線接
触を確保するために、これらの転動部材の形状と
適合されている。

前述したこの装置１は軸２に限定された方向
（図示の実施例において垂直）をもつ荷重を伝達
するように設計されている。もし荷重Ｆが任意の
方向をもつ場合には、第５図および第６図に示す
装置１ｂが用いられ、この装置が装置１と異ると
ころは、軸２は、丸味をもつ隅部をもつ正三角形
の横断面形をもつように３つの平坦面７ｂを有す
ることである。ニードル１０は内方は、第２図の
半月形部材８と類似でかつそれぞれ120゜づつに亘
つて延びる３個の半月形部材８ｂの外側表面によ
つて形成された円形レースに沿つて転動する。３
個の半月形部材８ｂの組立体は、前述の実施例に
おけるように２個のサークリツプ２４によつて各
部材間に僅かな円周方向の間隙（例えば0.01〜
0.1mm）をもつて構成されており、中間ワツシヤ
１７が半月形部材８ｂの半径方向肩部２５に当接
されている。

装置１ｂはニードル１２を保持するために３個
の保持具１８ｂを含む。これらの保持具１８ｂは
ニードル離隔部分およびニードルを内外両半径方
向に保持する手段を具備し、これによつてニード
ル１２を半月形部材８ｂよりも大きい長さに配置
し、従つて２個のばね２１の作用を受けて再心出
しを必要とさせない並進移動量を増大することが
可能となる。

変形例として、３個のレースの代りに、軸２は
多数のレースをもつことができ、これらのレース
は平坦面７ｂ又は凹形にすることができる。

別の変形例として、ニードル１２又は樽形部材
１２ａを再心出しするためのばねの代りに、これ
らの転動部材を再循環させる装置（図示せず）が
特に長い並進移動を必要とする使用目的に対し用
いられる。

さらに、この転動組立体は軸線に対し円周方向
又はこれと平行なボール列によつて形成すること
もでき、これらのボールは隣接部材に形成された
同一半径の溝内を転動する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例の縦断正面図、第２
図は第１図の線２−２に沿つてとられた断面図、
第３図および第４図は同上の一部の平面図、第５
図はこの発明の他の実施例の縦断正面図、第６図
は第５図の線６−６に沿つてとられた断面図であ
る。 １，１ｂ……関節接合装置、２……水平軸、３
……運動部材（ローラ）、４……平面状端面、７，
７ｂ……水平平坦面、８，８ｂ……半月形部材、
９……回転部、１０……ニードル、１１……並進
部、１２……ニードル、１３……溝、１４……円
筒形内孔、１５……円周方向溝、１６……リン
グ、１６Ａ……切込み、１８，１８ｂ……保持
具、１９……フランジ、２１……ばね、２３……
円筒形部分、２４……サークリツプ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 軸と、その軸上において回転および並進運動
   をする運動部材と、軸と線接触しかつ軸の軸線と
   平行であつて、運動部材の外側レース面を構成す
   る内孔と中間レース部材のレース面との間に配置
   された外側転動部材と、軸に対し軸の軸線と垂直
   方向を向いていて、中間レース部材に設けられた
   溝と、軸の軸線と平行に延びている縦方向の軸の
   レース面との間に配置された内側転動部材とを有
   する関節接合装置において、前記中間レース部材
   は複数個のほぼ半月形部材によつて構成され、各
   半月形部材には内側転動部材を保持する保持具が
   設けられ、この保持具には軸と半月形部材との間
   に保持具を保持するための保持部材が設けられて
   いることを特徴とする関節接合装置。 ２ 複数の半月形部材が軸の一部と協働する中間
   レース部材を構成し、前記軸の一部のレース面の
   直径が半月形部材の円筒形レース面の直径よりも
   僅かに小さくなつている特許請求の範囲第１項記
   載の関節接合装置。 ３ ２列の内側転動部材を有し、軸の２つのレー
   ス面が軸に伝達される２つの力の方向に面してい
   る特許請求の範囲第１項又は第２項記載の関節接
   合装置。 ４ ３列の転動部材列と、３つの半月形部材とを
   有する特許請求の範囲第１項記載の関節接合装
   置。 ５ 保持具の保持部材が、保持具がその両端に保
   持具を再心出しするための２個のばねと当接する
   フランジからなり、ばねがフランジと中間レース
   部材との間に圧縮して取付けられている特許請求
   の範囲第１項乃至第４項のいずれか１項記載の関
   節接合装置。 ６ 内側転動部材を再循環させる装置を有する特
   許請求の範囲第１項乃至第５項のいずれか１項記
   載の関節接合装置。 ７ 中間レース部材の長さが運動部材の内孔の長
   さよりも長くなつている特許請求の範囲第１項乃
   至第６項のいずれか１項記載の関節接合装置。