JP2001304251A - パラレルリンク機構支持用軸受とパラレルリンク機構と移動装置 - Google Patents

パラレルリンク機構支持用軸受とパラレルリンク機構と移動装置

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JP2001304251A
JP2001304251A JP2000384631A JP2000384631A JP2001304251A JP 2001304251 A JP2001304251 A JP 2001304251A JP 2000384631 A JP2000384631 A JP 2000384631A JP 2000384631 A JP2000384631 A JP 2000384631A JP 2001304251 A JP2001304251 A JP 2001304251A
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Shoji Noguchi
昭治 野口
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NSK Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C23/00Bearings for exclusively rotary movement adjustable for aligning or positioning
    • F16C23/06Ball or roller bearings
    • F16C23/08Ball or roller bearings self-adjusting
    • F16C23/082Ball or roller bearings self-adjusting by means of at least one substantially spherical surface
    • F16C23/086Ball or roller bearings self-adjusting by means of at least one substantially spherical surface forming a track for rolling elements

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で、且つ、高性能なパラレルリンク機構
支持用軸受8を、低コストで実現する。 【解決手段】 内輪13の外周面に、球の両端を切断し
た場合にその外周面となる部分球面部14を設ける。こ
の内輪13の周囲に設ける外輪15の軸方向各半部毎の
内周面の、それぞれ円周方向複数個所に、断面円弧形の
係合溝21a、21bを形成する。これら各係合溝21
a、21bと上記部分球面部14との間に、これら各係
合溝21a、21b毎に1個ずつのボール17、17
を、これら各係合溝21a、21bと上記部分球面部1
4とに沿う転動を自在に設ける。上記内輪13は第一の
リンク素子5又は第二のリンク素子6の端部に外嵌固定
し、上記外輪15は移動台又は固定台の隅部に結合固定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るパラレルリン
ク機構支持用軸受とパラレルリンク機構と移動装置は、
例えば移動台の上面に載置した試料又は加工物等の載置
物を、固定台に対し空間上で所定位置に移動させると共
に、この載置物を所定の向きに傾ける等の為に利用す
る。
【0002】
【従来の技術】試料や被加工物等の載置物を、空間上で
所定位置から別の所定位置に移動させると共に、この載
置物を所定の向きに傾ける等する為の移動装置として従
来から、例えば図7に示す様な構造のものが用いられて
いる。この移動装置1は、それぞれがパラレルリンク機
構を構成する、固定台2と、この固定台2の上方に設け
た移動台3と、これら固定台2と移動台3との間に設け
た複数本(図示の例では6本)の脚部9、9とを備え
る。これら各脚部9、9は、互いに直列に配置した第
一、第二のリンク素子5、6と、これら第一、第二のリ
ンク素子5、6の間部分に設けた伸縮機構7、7とを備
える。そして、上記移動台3の隅部複数個所と上記各第
一のリンク素子5、5の上端部との間部分、及び、上記
固定台2の隅部複数個所と上記各第二のリンク素子6、
6の下端部との間部分に、それぞれパラレルリンク機構
支持用軸受8、8を設けている。
【0003】上記各伸縮機構7、7は、例えば図示の様
に、上記各第一のリンク素子5、5の下端部に結合固定
したピストン10、10と、上記各第二のリンク素子
6、6の上端部に結合固定したシリンダ11、11とか
ら構成する。そして、これら各シリンダ11、11内
を、図示しない給排装置に通じさせ、この給排装置から
上記各シリンダ11、11内に圧縮空気等の作動流体を
給排する事により、上記各脚部9、9の全長を伸縮させ
る様にしている。上記給排装置による各シリンダ11、
11内への作動流体の給排は、図示しない制御器により
制御している。又、上記各パラレルリンク機構支持用軸
受8、8は、上記移動台3又は固定台2の隅部複数個所
を、上記各第一のリンク素子5、5又は各第二のリンク
素子6、6の端部に対して、揺動変位を自在に支持して
いる。
【0004】上述の様な移動装置1の使用時には、上記
給排装置により上記各シリンダ11、11内に作動流体
を給排する。この様な作動流体の給排により、上記各脚
部9、9の全長が、所定の長さ分伸張又は収縮し、これ
に伴って、上記移動台3の上記固定台2に対する傾斜角
度及び高さが変化する。従って、この移動台3の上面に
試料等の載置物12を載置すれば、空間上で所定位置か
ら別の所定位置にこの載置物12を移動すると共に、こ
の載置物12を所定の向きに傾けた状態とし、又は、傾
けた載置物12を水平な状態とする事ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の様な移動装置1
を構成するパラレルリンク機構支持用軸受8、8として
従来から、球体部と、この球体部の外側に設けこの球体
部との滑りを自在とする部分球面部をその内面に設けた
球形部とから成る、所謂ボール継手を用いたものが多く
使用されている。この様なボール継手を用いたパラレル
リンク機構支持用軸受の場合、構造が単純である為、安
価に造れるが、内側の球体部と、外側の球形部との接触
部が滑り状態となる為、この接触部が摩耗し易く、耐久
性を十分に確保する事が難しい。
【0006】又、この様なボール継手を用いたものは、
全体を鍛造加工で造る為に、摺動部分の形状を高精度に
する事が難しく、又、上記球体部と球形部とを緩く接触
させる為、剛性を十分に確保する事が難しい。この為、
軸受の全長が負荷の変動に伴って伸縮したり、この軸受
を用いたパラレルリンク機構の運動精度を十分に確保で
きなくなる可能性がある。又、この様な軸受は、上記球
体部の外側の大半部を上記球形部が覆う構造となる為、
軸受の全長が大きくなる事が避けられず、このパラレル
リンク機構を用いた移動装置の大型化を招く原因とな
る。
【0007】一方、上記球体部と球形部との間に複数の
玉を組み込んで、上記パラレルリンク機構支持用軸受
8、8とする事も、従来から行なわれている。但し、こ
の場合には、上記各玉と球体部及び球形部との隙間の調
整が難しい。この為、前記第一のリンク素子5又は第二
のリンク素子6を、移動台3又は固定台2に対し揺動さ
せるのに要するトルク(揺動トルク)が不安定になる可
能性がある。
【0008】又、上記各パラレルリンク機構支持用軸受
8、8の代わりに、複数の転がり軸受を組み込んだ継手
装置を使用する事も、従来から行なわれている。但し、
上記移動台3又は固定台2の隅部を、上記第一のリンク
素子5又は第二のリンク素子6の端部に対して揺動変位
を自在に支持する為には、各継手装置に少なくとも3個
の転がり軸受を組み込む必要がある。この為、これら各
継手装置が大きくなる事が避けられず、パラレルリンク
機構を用いた移動装置の大型化を招く原因となる。又、
各揺動支持部の剛性を確保する為には、これら各揺動支
持部に設ける継手装置を構成する各転がり軸受の内部隙
間を調整する必要があり、組み付け作業が面倒になる。
【0009】又、特許2556820号公報、同258
9276号公報に記載された、球体の外面と球状ハウジ
ングの内面との間に複数個の玉を設けた転がり軸受を、
上記各パラレルリンク機構支持用軸受8、8として利用
する事も考えられる。但し、これら各公報に記載された
転がり軸受を用いた場合でも、やはり軸受の全長が大き
くなる事が避けられない。又、この転がり軸受を用いた
場合、複数の玉を球状ハウジングの内部に組み込む作業
が面倒である。又、軸受の剛性を確保する為に設定する
予圧は、これら複数の玉と、これら複数の玉と接触す
る、球体の外面及び球状ハウジングの内面との形状精度
により影響を受ける為、この予圧を適正に確保した軸受
を安定して造るのは難しい。又、上記軸受に組み込む玉
の数が少ない場合には、これら各玉の配置が上記軸受内
で何れかの側に片寄って、この軸受の剛性が不均一にな
る可能性がある。
【0010】この様な問題を解決する為に、特許261
4430号公報、又は特開平11−125237号公報
に記載された軸受を用いて、上記各パラレルリンク機構
支持用軸受8、8とする事も考えられる。即ち、これら
各公報には、2個の部材を一体に結合し、内面を部分球
面状にした外輪と、この外輪の内側に配置した球体部と
の間に、複数の玉を設け、これら各玉を保持器により転
動自在に保持した軸受が記載されている。この様な軸受
を用いた場合、上記各玉の組み込み性が比較的良好にな
り、しかも、これら各玉の配置が軸受の内部で何れかの
側に片寄って、この軸受の剛性が不均一になる事をなく
せる。但し、この軸受の剛性を確保する為に設定する予
圧を適正値とした軸受を安定して造るのは、やはり難し
い。又、上記各玉を保持する保持器を設けている為、こ
の保持器を設けた分、コストが嵩む事が避けられない。
【0011】又、特開2000−230546号公報に
は、自動調心玉軸受の構造を応用したパラレルリンク機
構支持用軸受が記載されている。この公報に記載された
パラレルリンク機構支持用軸受の場合には、内部に組み
込む各玉の外径を変えるだけで、これら各玉と外輪の内
周面及び内輪軌道との隙間の調整を行なえる。又、これ
ら各玉は、従来から玉軸受に組み込んでいるものを使用
でき、しかもこれら各玉では、外径が種々異なるものが
ある為、上記調整を容易に行なえる。この為、パラレル
リンク機構支持用軸受の剛性を確保する為に設定する予
圧を適正値とした軸受を安定して造る事が容易になる。
又、構成部品が少なくなり、全長を小さくできる。又、
パラレルリンク機構支持用軸受を造る際に、自動調心玉
軸受の生産設備の一部を利用できて、コストの低減を図
れる。但し、上記特開2000−230546号公報に
記載されたパラレルリンク機構支持用軸受の場合、固定
台2又は移動台3の隅部を、上記各第一のリンク素子
5、5又は各第二のリンク素子6、6の端部に対して揺
動させる際に、内部に組み込んだ各玉と外輪の内周面と
の接触部が滑り状態となる為、揺動トルクの低減や、十
分な耐久性の確保を図るのには、未だ改良の余地があ
る。
【0012】この様な事情に鑑みて本発明者は先に、特
願平11−345018号に開示されている様なパラレ
ルリンク機構支持用軸受を考えた。このパラレルリンク
機構支持用軸受は、内輪と、外輪と、複数のボールと、
保持器とから成る。このうちの内輪の外周面には、断面
が円弧形である内側係合溝を複数本、円周方向に関して
間欠的に且つ等間隔に、それぞれ円周方向に対し直角方
向に形成している。又、この内輪の周囲に設ける上記外
輪の内周面で上記各内側係合溝と対向する位置に、やは
り断面円弧形の外側係合溝を、それぞれ円周方向に対し
直角方向に形成している。上記複数のボールは、上記内
輪の外周面と外輪の内周面との間に設けた上記保持器に
より保持した状態で、上記各内側係合溝と各外側係合溝
とに沿う転動を自在としている。
【0013】この様な特願平11−345018号に開
示されたパラレルリンク機構支持用軸受によれば、外輪
を支持した部材に対する内輪を支持した部材の揺動を、
複数のボールの転動により行なえる為、剛性及び耐久性
を十分に確保できる。更に、このパラレルリンク機構支
持用軸受の剛性を確保する為には、適正な予圧を設定す
る事が必要となるが、上記各外側、内側両係合溝と各ボ
ールとの形状精度を確保する事は容易である為、適正な
予圧を確保した軸受を安定して造る事が容易になる。し
かも、パラレルリンク機構支持用軸受の全長を小さくで
きて、このパラレルリンク機構支持用軸受を組み込んだ
装置の小型化を図れる。更に、従来から自動車の動力伝
達部等に用いられているツェッパ型の等速ジョイントと
同様の構造を用いる事ができる等により、コスト低減を
図れる。
【0014】但し、上述の様な特願平11−34501
8号に開示された先発明の構造の場合、複数のボール
を、上記各内側係合溝と各外側係合溝との間で、上記内
輪及び外輪の軸方向に関して中央部付近に組み込む必要
がある為、組み込み作業が面倒になる可能性がある。
又、上記外輪の内周面の円周方向複数個所に設けた内側
係合溝と、上記内輪の外周面の円周方向複数個所に設け
た外側係合溝との間に、それぞれボールを1個ずつ組み
込んでいる為、剛性を十分に確保するのには未だ改良の
余地がある。即ち、上記外輪及び内輪の軸方向一端から
他端まで達する外側、内側両係合溝同士の間に、それぞ
れ1個ずつのボールを設けただけである為、ラジアル方
向の剛性は十分に確保できても、アキシアル方向の剛性
を十分に確保する事は難しい。本発明は、前述した従来
構造及び上述した先発明の構造で生じる様な問題をなく
すべく発明したものである。
【0015】
【課題を解決する為の手段】本発明のパラレルリンク機
構支持用軸受のうち、請求項1に記載したパラレルリン
ク機構支持用軸受は、支持部材の一部をリンクに対し揺
動変位自在に支持するものである。そして、この支持部
材とリンクとのうちの一方の部材に結合固定される内輪
と、この内輪の外周面に設けられた、少なくとも一部が
球の両端を切断した場合にその外周面となる形状を有す
る部分球面部と、上記内輪の周囲に設けられ、上記支持
部材とリンクとのうちの他方の部材に結合固定される外
輪と、この外輪と上記内輪とのうち、少なくとも一方の
軌道輪の軸方向各半部毎の周面の円周方向複数個所に間
欠的に、それぞれ円周方向に対し直角方向に形成され
た、断面円弧形でその底面とこの底面が直径方向に対向
する相手面との間隔が軸方向に関して均一となる係合溝
と、これら各係合溝と相手面との間に、これら各係合溝
毎に、それぞれがこれら各係合溝と上記相手面とに沿う
転動を自在として設けられた、複数のボールとを備え
る。そして、好ましくは、使用時にこれら各ボールを、
上記内輪の外周面又は上記外輪の内周面で、上記内輪又
は外輪の中心軸からの直径方向の長さが最大となる最大
外径部に関して何れか片側にのみ位置させる。
【0016】又、請求項2に記載したパラレルリンク機
構支持用軸受は、上記内輪の外周面と上記外輪の内周面
との間に、これら内輪及び外輪の軸方向に関して片側に
存在する複数のボールを転動自在に保持する為の複数の
ポケットを有する、保持器を設けている。
【0017】又、請求項1又は請求項2に記載したパラ
レルリンク機構支持用軸受で、より好ましくは、外輪の
外周面にフランジ部を、このフランジ部の円周方向複数
個所にボルトを挿通自在な取り付け孔を、それぞれ設け
る。
【0018】
【作用】上述の様に構成する本発明のパラレルリンク機
構支持用軸受の場合には、前述した従来及び先発明の支
持軸受で生じる様な問題の全部又は一部をなくせる。先
ず、請求項1に記載したパラレルリンク機構支持用軸受
によれば、リンクに対する支持部材の揺動を、複数のボ
ールの転動により行なえる為、パラレルリンク機構支持
用軸受の剛性及び耐久性を十分に確保する事ができる。
特に、軸方向各半部毎に形成した各係合溝と相手面との
間にボールを設けている為、外輪と内輪との間に、何れ
の方向のアキシアル荷重が加わった場合でも、何れか一
方の半部側のボールに圧縮方向の力が加わる。従って、
ラジアル剛性は勿論、アキシアル剛性を十分に高くでき
る。この様な本発明に於いては、パラレルリンク機構支
持用軸受の剛性を確保する為に予圧を設定する必要があ
る。そして、この予圧は、外輪と内輪とのうち、一方の
軌道輪の軸方向各半部毎の周面の一部に設けた各係合溝
と、これら各係合溝の底面が直径方向に対向する相手面
と、各ボールとの、形状精度及び寸法精度に大きく影響
される。一方、上記各係合溝と上記相手面と上記各ボー
ルとの形状精度及び寸法精度を確保する事は、比較的容
易に行なえる。この為、適正な予圧を確保したパラレル
リンク機構支持用軸受を安定して造る事が容易になる。
しかも、本発明の場合には、上記各ボールを保持する保
持器を設けなくても、これら各ボールを上記各係合溝に
より案内して転動させる事により、上記揺動を行なう事
ができる。これら各係合溝は、上記一方の軌道輪の周面
の軸方向各半部毎に複数個所ずつ設けられている為、こ
れら各ボールが軸受内で何れかの側に片寄ってこの軸受
の剛性が不均一になる事を防止できて、しかも上記保持
器をなくせる分、コスト低減を図れる可能性がある。
【0019】更に、本発明の場合には、上記一方の軌道
輪の軸方向各半部毎の周面の円周方向複数個所に設けた
係合溝と、上記相手面との間に、上記ボールを上記各係
合溝毎に設けている為、これら複数のボールの総数を多
くする事ができる。従って、アキシアル荷重が加わった
場合に、必ず一部のボールに圧縮方向に力が加わってこ
の荷重を効果的に支承する事と相まって、パラレルリン
ク機構支持用軸受の剛性を、前述した先発明の構造の場
合よりも更に向上できる。しかも、上記各ボールの組み
込み作業を容易に行なえる。更に、上記内輪の外周面の
少なくとも一部に設けた部分球面部は、球の両端を切断
した場合にその外周面となるものである為、パラレルリ
ンク機構支持用軸受の全長を小さくできる。更に、この
パラレルリンク機構支持用軸受は、各方向のラジアル荷
重の他、両方向のアキシアル荷重を支承できる為、各揺
動支持部毎に1個ずつ設ければ良い。従って、本発明の
パラレルリンク機構支持用軸受を組み込んだパラレルリ
ンク機構を用いた装置の小型化を図れる。又、上記内輪
と外輪とのうち、一方の軌道輪の周面のみに係合溝を設
けた場合には、他方の軌道輪の周面に係合溝を形成しな
くて済む分、コスト低減を図れる。
【0020】尚、パラレルリンク機構用支持軸受では、
外輪を内輪に対しこの外輪の中心軸を中心として回転自
在とする必要はない。これに対して、本発明では、内輪
と外輪とのうち、他方の軌道輪の周面である相手面に係
合溝を形成せず、この相手面を設けた周面の全部を部分
球面状とした場合に、外輪が内輪に対し回転する事は、
理論上は可能である。但し、本発明の場合には、外輪が
この様に回転しようとしても、上記各ボールが上記他方
の軌道輪の周面上を転動しない。この為、これら各ボー
ルの表面と他方の軌道輪の周面との接触部が滑り状態と
なり、この部分で摩擦抵抗を生じる。従って、本発明で
は、上記外輪が上記内輪に対し上述の様に回転しにくく
できる。
【0021】尚、請求項2に記載したパラレルリンク機
構支持用軸受の場合には、保持器を設けている為、この
保持器を設ける分、請求項1に記載したパラレルリンク
機構支持用軸受に比べて部品コストが嵩む。但し、請求
項2に記載したパラレルリンク機構支持用軸受によれ
ば、内輪の外周面と外輪の内周面との間の所定位置に複
数のボールを組み込む作業を、請求項1に記載したパラ
レルリンク機構支持用軸受よりも容易に行なえて、組み
付け性の向上を図れる。
【0022】又、外輪の外周面にフランジ部を、このフ
ランジ部の円周方向複数個所にボルトを挿通自在な取り
付け孔を、それぞれ設けた構造によれば、パラレルリン
ク機構を構成するリンクと支持部材との間に、パラレル
リンク機構支持用軸受を装着する作業が容易になる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1〜3は、請求項1、3、4に
対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。
尚、請求項1に記載したパラレルリンク機構支持用軸受
の特徴は、支持部材の複数個所を複数本のリンクに対し
揺動変位自在に支持するパラレルリンク機構支持用軸受
に於いて、前述した従来構造及び先発明の構造で生じる
様な問題を何れもなくすべく、構造を工夫した点にあ
る。本例のパラレルリンク機構支持用軸受8を組み込む
パラレルリンク機構及び移動装置のその他の部分の構成
及び作用に就いては、前述した従来構造と同様である
為、重複する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし
て、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0024】本発明のパラレルリンク機構支持用軸受8
は、内輪13と、この内輪13の周囲に設けた外輪15
と、複数のボール17、17とから成る。このうち、内
輪13の外周面には、球の両端を切断した場合にその外
周面となる形状を有する、部分球面部14を設けてい
る。そして、上記内輪13を、第一のリンク素子5又は
第二のリンク素子6(図7参照)の端部に、外嵌固定自
在としている。
【0025】又、上記外輪15は、それぞれが円環状で
ある、第一の外輪素子18と、第二の外輪素子19と
を、互いに同心に重ね合わせた状態で結合固定して成
る。このうちの第一の外輪素子18の外径は、第二の外
輪素子19の外径よりも大きい。従って、上記第一、第
二の両外輪素子18、19を結合して上記外輪15を構
成した状態で、この外輪15の外周面で上記第一の外輪
素子18に対応する部分には、直径方向外方に突出する
フランジ部20が、全周に亙り形成される。尚、上記第
一、第二の各外輪素子18、19の円周方向複数個所
(図示の例では6個所)で互いに整合する位置には結合
孔16a、16bを、それぞれ上記各外輪素子18、1
9を軸方向に貫通する状態で形成している。そして、こ
れら各結合孔16a、16bを挿通した複数のボルト
(図示せず)により、上記両外輪素子18、19同士を
結合している。
【0026】一方、上記外輪15の内周面で軸方向各半
部毎に存在する、上記第一、第二の各外輪素子18、1
9の互いに整合する部分に、断面が円弧形である係合溝
21a、21bをそれぞれ6本ずつ(合計12本)、円
周方向に関して間欠的に且つ等間隔に、それぞれ円周方
向に対し直角方向(図1、3の左右方向、図2の表裏方
向)に形成している。これら各係合溝21a、21bの
底面24、24は、請求項に記載した相手面である、上
記部分球面部14の曲率中心oをその中心とする、単一
の仮想球面上に位置させている。又、本例の場合、上記
各係合溝21a、21bを、上記第一の外輪素子18と
第二の外輪素子19とで互いに円周方向同位置に(円周
方向に関する位相を一致させた状態で)設けている。そ
して、上記各係合溝21a、21bと上記部分球面部1
4の外周面との間に、これら各係合溝21a、21b毎
にボール17、17を1個ずつ、それぞれこれら各係合
溝21a、21b及び部分球面部14の外周面に沿う転
動を自在として設けている。従って、本例の場合には、
上記外輪15の内周面と内輪13の外周面との間の円周
方向同位置に、それぞれ2個ずつのボール17、17が
存在する。尚、上記各係合溝21a、21bの底面2
4、24の曲率半径と、上記部分球面部14の曲率半径
との差は、上記各ボール17、17の直径と等しいか、
若しくはこれよりも僅かに小さくしている。
【0027】又、本発明のパラレルリンク機構支持用軸
受8の使用時に、上記内、外両輪13、15同士が揺動
しても、この揺動は後述する様に一定の範囲内に制限さ
れる。そして、この範囲内で上記外輪15が上記内輪1
3に対し揺動しても、上記各ボール17、17は、上記
部分球面部14の外周面で上記内輪13の中心軸aから
の直径方向の長さが最大となる、最大外径部22を越え
て転動する事がない様にしている。従って、パラレルリ
ンク機構支持用軸受8の使用時に、上記各ボール17、
17は常に、各ボール17、17毎に定められた、上記
最大外径部22に関して何れか一方の側にのみ位置す
る。従って、上記外輪15と上記内輪13との間に何れ
の方向のアキシアル荷重が加わった場合でも、上記各ボ
ール17、17のうち、上記最大外径部22に対して何
れかの側(アキシアル荷重の作用方向と反対側)に存在
する半分のボール17、17が圧縮方向の力を受けて、
上記アキシアル荷重を支承する。
【0028】又、本例の場合には、上記外輪15の外周
面に設けたフランジ部20の円周方向複数個所(図示の
例では6個所)に取付孔23、23を、それぞれこのフ
ランジ部20を軸方向に貫通する状態で形成している。
これら各取付孔23、23には、このフランジ部20を
支持部材である固定台2又は移動台3(図7参照)に固
定する為のボルト(図示せず)を、それぞれ挿通自在と
している。更に、本例の場合には、前記パラレルリンク
機構支持用軸受8の内部、即ち、上記外輪15の内周面
と上記内輪13の外周面との間で上記各ボール17、1
7を設置した空間内に、図示しない固形油を設けてい
る。そして、この固形油により、上記各ボール17、1
7の転動部分の潤滑を行なわせる様にしている。この様
な固形油として、例えば合成樹脂と潤滑剤とを混合した
ものを固化して成る潤滑剤含有ポリマーの他、従来から
知られている各種のものを使用できる。
【0029】上述の様に構成する本発明のパラレルリン
ク機構支持用軸受は、前述の移動装置1を構成する、第
一のリンク素子5又は第二のリンク素子6の端部と、移
動台3又は固定台2(図7参照)の隅部複数個所との間
に設ける。この為に、本例の場合には、前記外輪15に
設けたフランジ部20と、上記移動台3又は固定台2の
隅部とを、上記各取付孔23、23を挿通した複数本の
ボルト(図示せず)により結合固定する。そして、前記
内輪13を、上記第一のリンク素子5又は第二のリンク
素子6の端部に外嵌固定する。
【0030】前述の様に構成し、上述の様に移動装置1
に組み付ける本発明のパラレルリンク機構支持用軸受に
よれば、上記移動台3又は固定台2の端部複数個所を上
記各第一のリンク素子5又は各第二のリンク素子6の端
部に対し、揺動自在に支持できる。即ち、図3に示す様
に、内外両輪13、15同士が揺動して、これら内外両
輪13、15の中心軸両軸a、b同士が不一致となり、
これら両軸a、bが角度θ分互いに傾斜する際には、前
記各ボール17、17が前記各係合溝21a、21b及
び前記部分球面部14の外周面に沿って転動する事によ
り、上記中心軸a、b同士の変位を許容する。尚、この
様な内外両輪13、15同士の揺動変位は、第一のリン
ク素子5又は第二のリンク素子6の端部が上記外輪15
の一部と衝合するか、上記各ボール17、17が上記各
係合溝21a、21bの外端部に達するか迄行なう事が
できる。但し、実際の一般的な使用状態に於いては、上
記両軸a、b同士が角度θ分傾斜しても、上記各ボール
17、17は前記部分球面部14の曲率中心(=内外両
輪13、15の揺動中心)oに関して約(0.4×θ)
分しか変位しない。この為、適宜のストッパ機構を設け
れば、上記第一のリンク素子5又は第二のリンク素子6
の端部が上記外輪15の一部と衝合する以前に、上記各
ボール17、17が上記内外両輪13、15の端部に達
して、この端部から外部に脱落する事はない。
【0031】上述の様な本発明のパラレルリンク機構支
持用軸受8を組み込んで構成する本発明の移動装置の使
用時には、図示しない給排装置により、各伸縮機構7、
7を構成する各シリンダ11、11(図7参照)内に作
動流体を給排する。そして、この作動流体の給排により
各脚部9、9(図7)の全長を、それぞれ所定の長さ分
伸張若しくは収縮させて、上記移動台3の上記固定台2
に対する傾斜角度及び高さを変化させる。この結果、上
記移動台3の上面に載置した試料等の載置物12(図
7)を、三次元空間上で所定位置から別の所定位置に移
動させると共に、この載置物12を所定の向きに傾けた
状態とし、又は、傾けた載置物12を水平な状態とする
事ができる。
【0032】特に、本例のパラレルリンク機構支持用軸
受8によれば、前述した従来の支持軸受及び先発明の支
持軸受で生じる様な問題を、何れもなくせる。即ち、本
発明のパラレルリンク機構支持用軸受8によれば、第一
のリンク素子5又は第二のリンク素子6に対する移動台
3又は固定台2の揺動を、複数のボール17、17の転
動により行なえる為、パラレルリンク機構支持用軸受8
の剛性及び耐久性を十分に確保する事ができる。先ず、
本発明の場合には、前述の様に、上記各ボール17、1
7が、ラジアル荷重だけでなく、何れの方向のアキシア
ル荷重も効果的に支承する。従って、ラジアル剛性だけ
でなく、アキシアル剛性も十分に高くできる。この様な
本発明の場合には、パラレルリンク機構支持用軸受8の
剛性を確保する為に、予圧を設定する必要がある。そし
て、この予圧は、外輪15の軸方向各半部毎の内周面の
一部に設けた各係合溝21a、21bと、内輪13の外
周面に設けた部分球面部14と、各ボール17、17と
の、形状精度及び寸法精度に大きく影響される。一方、
これら各係合溝21a、21bと部分球面部14と各ボ
ール17、17との形状精度及び寸法精度を確保する事
は、比較的容易に行なえる。この為、適正な予圧を確保
したパラレルリンク機構支持用軸受8を安定して造る事
は容易である。そして、この様にパラレルリンク機構支
持用軸受8に適正な予圧を付与する事ができれば、上記
各ボール17、17と上記係合溝21a、21b及び部
分球面部14との間の隙間をなくして、上記パラレルリ
ンク機構支持用軸受8の、ラジアル方向及びアキシアル
方向の剛性を十分に確保できる。この結果、このパラレ
ルリンク機構支持用軸受8を組み込んで構成する移動装
置1の剛性及び運動精度を十分に確保する事ができる。
【0033】尚、この様にパラレルリンク機構支持用軸
受8に適正な予圧を付与する為の調整は、内部に組み込
む各ボール17、17の外径を適切に選択する事により
行なう。この様な各ボール17、17は、従来から玉軸
受に組み込んでいるものをそのまま使用でき、しかも、
この玉軸受に組み込んでいるボールには、外径がμmの
単位で異なったものがある為、上記調整を行なう事は容
易である。又、この様な調整は、上述した方法以外に、
第一の外輪素子18と第二の外輪素子19との間に所定
の厚さ寸法を有する間座を設ける事によっても行なえ
る。更に、本発明の場合には、前記内外両輪13、15
同士の揺動を上記複数のボール17、17の転動に基づ
いて行なう為、この揺動の際に生じる摩擦力を十分に小
さくして、上記移動装置1を作動させるのに要する駆動
力を十分に小さくできる。この為、この移動装置1を作
動させる為に設ける駆動装置を小さくして、本発明のパ
ラレルリンク機構支持用軸受8を組み込んだパラレルリ
ンク機構を用いた移動装置1の小型化を図れる。
【0034】しかも、本例の場合には、上記各ボール1
7、17を保持する保持器を設けなくても、これら各ボ
ール17、17を前記各係合溝21a、21bにより案
内して転動させる事により、上記揺動を行なう事ができ
る。従って、これら各ボール17、17が上記パラレル
リンク機構支持用軸受8内で何れかの側に片寄って、こ
のパラレルリンク機構支持用軸受8の剛性が不均一にな
る(特に特定方向のアキシアル剛性が低くなる)事を防
止できる。更には、上記保持器を省略した分、コスト低
減を図れる。
【0035】更に、本発明の場合には、上記外輪15の
軸方向各半部の内周面の円周方向複数個所に設けた係合
溝21a、21bと、上記部分球面部14の外周面との
間に、上記各ボール17、17を上記各係合溝21a、
21b毎に1個ずつ設けている。この為、これら複数の
ボール17、17の総数を多く(本例の場合は12個
に)する事ができる。従って、前述した様に、何れの方
向のアキシアル荷重に対しても、半分のボール17、1
7が圧縮方向の力を受けてこのアキシアル荷重を支承す
る為、アキシアル剛性が高くなる事と相まって、パラレ
ルリンク機構支持用軸受8の軸受剛性を、前述した先発
明の構造の場合よりも更に向上できる。しかも、上記各
ボール17、17は、上記内輪13の外周面と外輪15
の内周面との間でこれら内外両輪13、15の軸方向両
端寄り部分に組み込めば良く、これら各ボール17、1
7の組み込み作業を容易に行なえる。更に、上記内輪1
3の外周面に設けた部分球面部14は、球の両端を切断
した場合にその外周面となるものである為、外輪15の
内側に設ける部材を球体状とする場合に比べて、パラレ
ルリンク機構支持用軸受8の全長を小さくできる。更
に、このパラレルリンク機構支持用軸受8は、各揺動支
持部毎に1個ずつ設ければ良い。従って、このパラレル
リンク機構支持用軸受8を組み込んだパラレルリンク機
構を用いた移動装置1の小型化を図れる。
【0036】尚、パラレルリンク機構用支持軸受8で
は、外輪15を内輪13に対しこの外輪15の中心軸b
を中心として回転自在とする必要はない。これに対し
て、本例の場合には、内輪13の外周面を部分球面部1
4としている為、上記外輪15がこの内輪13に対し回
転する事は、理論上は可能である。但し、本発明のパラ
レルリンク機構支持用軸受8の場合には、上記外輪15
がこの様に回転しようとしても、上記各ボール17、1
7が前記各係合溝21a、21bに抱き込まれた状態
で、上記部分球面部14上を転動しない。この為、これ
ら各ボール17、17の表面と上記部分球面部14の外
周面との接触部が滑り状態となり、この部分で摩擦抵抗
を生じる。従って、本発明では、上記外輪15を上記内
輪13に対し、この外輪15の中心軸bを中心として回
転しにくくできる。
【0037】更に、本例のパラレルリンク機構支持用軸
受8の場合には、上記外輪15の外周面に、この外輪1
5を前記移動台3又は固定台2に結合する為のフランジ
部20及び取付孔24、24を設けている。この為、前
記第一のリンク素子5又は第二のリンク素子6の端部
と、前記移動台3又は固定台2の隅部複数個所との間
に、上記パラレルリンク機構支持用軸受8を装着する事
が容易になる。
【0038】更に、本例の場合には、上記各ボール1
7、17の転動部分での潤滑を、内部に設けた固形油に
より行なう様にしている為、メンテナンスフリー化や軸
受8内のシール性確保の効果を期待できる。更に、グリ
ース等の漏れ防止を図る為のシール部材を設ける必要が
なくなる為、このシール部材をなくせる分、コスト低減
を図れる。
【0039】尚、上記各ボール17、17は、前記部分
球面部14の曲率中心oに関して互いにほぼ対称となる
位置に1対ずつを設ける事が、上記パラレルリンク機構
支持軸受8の剛性の均一性を確保する上からは好まし
い。又、本例の場合には、前記第一の外輪素子18と第
二の外輪素子19とにそれぞれ設ける係合溝21a、2
1bを、互いに同数としているが、これら第一の外輪素
子18と第二の外輪素子19とのうち、一方の外輪素子
18(又は19)に設けるものを他方の外輪素子19
(又は18)に設けるものよりも多くする事もできる。
例えば、パラレルリンク機構支持用軸受8が、このパラ
レルリンク機構支持軸受8に加わるスラスト荷重のう
ち、何れか一方向(外輪15を固定する支持部材と内輪
13を固定するリンクとを引き離す方向、又はこれら両
部材を近づける方向)のスラスト荷重が大きい状態で使
用される場合には、この一方向のスラスト荷重により面
圧が高くなるボール17、17に対応する係合溝21a
(又は21b)を、別の係合溝21b(又は21a)よ
りも多くする事もできる。この様にすれば、パラレルリ
ンク機構支持軸受8を上述の様な状態で使用する場合で
も、このパラレルリンク機構支持軸受8の十分な剛性
を、必要最小限のボール17、17により確保できる。
この様に本発明では、上記各係合溝21a、21bを、
外輪15の軸方向各半部で互いに円周方向に異なる位置
に設ける事も、互いに異なる数を設ける事もできる。
又、上記各係合溝21a、21bの数が互いに異なる場
合は勿論、同じ場合でも、一方の係合溝と他方の係合溝
とで、円周方向に関する位相を互いに異ならせる事もで
きる。この様に位相を異ならせれば、上記各ボール1
7、17が、前記最大外径部を越えて転動する事を確実
に防止できる。
【0040】又、本例の場合には、上記内輪13を上記
第一のリンク素子5(又は第二のリンク素子6)の端部
に結合固定し、上記外輪15を上記移動台3(又は固定
台2)の端部に結合固定している。これに対して、上記
内輪13をこの移動台3(又は固定台2)の端部に固定
した軸に外嵌固定し、上記外輪15を上記第一のリンク
素子5(又は第二のリンク素子6)の端部に結合固定す
る事もできる。又、上記外輪15の外周面に設けるフラ
ンジ部20は、この外輪15の軸方向両側のうち、本例
と別の側(図1、3の左側)に設ける事もできる。
【0041】次に、図4は、請求項1、2に対応する、
本発明の実施の形態の第2例を示している。本例のパラ
レルリンク機構支持用軸受8aの場合には、上述した第
1例の場合と異なり、内輪13の外周面と外輪15の内
周面との間に、1対の保持器25、25を設けている。
これら各保持器25、25は、合成樹脂を射出成形する
事により、断面が略L字形で、全体を傾斜円筒状に造っ
ている。そして、これら各保持器25、25を構成する
傾斜円筒部26の円周方向等間隔の複数個所に、それぞ
れの内側に上記各ボール17、17を保持自在なポケッ
ト27を形成している。
【0042】そして、上記内輪13の外周面と上記外輪
15の内周面との間に上記各保持器25、25を配置し
ている。これら各保持器25、25の上記各ポケット2
7の内側には、上記内輪13及び外輪15の軸方向各半
部毎に設ける各列のボール17、17を、それぞれ1個
ずつ転動自在に保持している。この状態で、上記各保持
器25、25を構成する傾斜円筒部26、26の大径側
端縁同士を、互いに突き当てている。そして、第一のリ
ンク素子5又は第二のリンク素子6に対して、移動台3
又は固定台2(図7参照)を揺動させる際に、上記各保
持器25、25が、上記各傾斜円筒部26、26の大径
側端縁同士を突き当てた状態で、互いに同期して揺動す
る様にしている。
【0043】上述の様に構成する本例のパラレルリンク
機構支持用軸受8aの場合には、1対の保持器25、2
5を設ける分、上述した第1例の構造に比べて部品コス
トが嵩む。但し、本例の場合、パラレルリンク機構支持
用軸受8aを組立てるべく、内輪13の外周面と外輪1
5の内周面との間に複数のボール17、17を組み込む
作業が容易になる。即ち、この組み込み作業は、上記内
輪13の外周面と上記外輪15の内周面との間に、各ポ
ケット27内に上記各ボール17、17を組み込んだ上
記各保持器25、25を組み付けるだけで良い。各ボー
ル17、17毎に、設置位置を独立して調整する必要は
ない。この為、上記内輪13の外周面と上記外輪15の
内周面との間に上記各ボール17、17を組み込む作業
を、前述した第1例の場合よりも容易に行なえて、組み
付け性の向上を図れる。又、本例の様に、上記各傾斜円
筒部26、26の大径側端縁同士を突き当てた状態で上
記1対の保持器25、25を、上記内輪13の外周面と
上記外輪15の内周面との間に組み付ければ、上記各ボ
ール17、17を、上記内輪13の外周面に設けた部分
球面部14の曲率中心oに関して互いにほぼ対称となる
位置に1対ずつ、確実に配置できる。又、この様な組み
付け作業は容易に行なえる為、剛性を均一に確保したパ
ラレルリンク機構支持用軸受8aを安定して造れる。
【0044】尚、本例の場合には、上記各保持器25、
25を合成樹脂により造っているが、これら各保持器2
5、25は、鋼鈑等の金属板をプレス成形したり、金属
製の素材から削り出し(切削加工)で造る事もできる。
但し、上記各保持器25、25を、合成樹脂を射出成形
して造った本例の場合には、コスト低減を図り易い。そ
の他の構成及び作用に就いては、上述した第1例の場合
と同様である為、重複する説明は省略する。
【0045】次に、図5〜6は、やはり請求項1、2に
対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。
本例のパラレルリンク機構支持用軸受8bの場合には、
上述した各例のパラレルリンク機構支持用軸受8a、8
b(図1〜4)の場合と異なり、各ボール17、17の
転動を案内する為の係合溝28a、28bを、外輪15
の内周面ではなく、内輪13の外周面に設けている。即
ち、本例の場合には、上記外輪15を構成する各第一、
第二の外輪素子18、19の内周面を、単一の部分球面
状に形成している。又、これら各外輪素子18、19の
内周面の曲率中心を点oに一致させると共に、これら各
外輪素子18、19の内周面の曲率半径を互いに同じに
している。
【0046】そして、上記内輪13の外周面に設けた部
分球面部14の軸方向各半部毎に、断面が円弧形である
係合溝28a、28bをそれぞれ6本ずつ(合計12
本)、円周方向に関して間欠的に且つ等間隔に、それぞ
れ円周方向に対し直角方向(図5の左右方向)に形成し
ている。これら各係合溝28a、28bの底面29、2
9は、上記各外輪素子18、19の内周面の曲率中心o
をその中心とする単一の仮想球面上に位置させている。
又、本例の場合、上記各係合溝28a、28bを、上記
内輪13の円周方向同位置に(円周方向に関する位相を
一致させた状態で)設けている。そして、上記各係合溝
28a、28bと上記各外輪素子18、19の内周面と
の間に、これら各係合溝28a、28b毎にボール1
7、17を1個ずつ、それぞれこれら各係合溝28a、
28bと上記各外輪素子18、19の内周面とに沿う転
動を自在として設けている。上述の様に構成する本例の
場合に於いて、上記内輪13と外輪15とで、係合溝2
4a、24bを設ける側が反対になる以外の構成及び作
用に就いては、上述の図4に示した第2例の場合と同様
である。
【0047】尚、図示は省略するが、本発明の場合に
は、内輪13の外周面と外輪15の内周面との双方に、
各ボール17、17の転動を案内する為の係合溝を設け
る事もできる。この場合でも、前述した先発明の場合と
は異なり、最大外径部を挟んで軸方向両側に、それぞれ
複数個ずつのボール17、17を配置して、両方向のア
キシアル荷重に対する剛性を確保する。特に、双方に係
合溝を設けた場合には、各ボール17、17の転動面と
内輪13の外周面及び外輪15の内周面との接触部の接
触楕円の面積を大きくして、ラジアル剛性及びアキシア
ル剛性をより高くできる。これに対して、上述した各例
の様に、上記内輪13の外周面と上記外輪15の内周面
とのうち、一方の軌道輪13(又は15)の周面のみに
係合溝を設けた場合には、内輪13の外周面と外輪15
の内周面との双方に係合溝を設ける場合に比べて、コス
ト低減を図れる。
【0048】
【発明の効果】本発明のパラレルリンク機構支持用軸受
とパラレルリンク機構と移動装置は、以上に述べた通り
構成され作用するので、小型で、且つ、高性能なパラレ
ルリンク機構と移動装置とを、低コストで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を、第一のリンク
素子(第二のリンク素子)と結合した状態で示す、図2
のB−X−C断面図。
【図2】第一のリンク素子(第二のリンク素子)を省略
した状態で示す、図1の右方から見た図。
【図3】内輪が外輪に対して揺動した状態で示す、図1
と同様の図。
【図4】本発明の実施の形態の第2例を示す、図1のA
部に相当する拡大断面図。
【図5】同じく第3例を、第一のリンク素子(第二のリ
ンク素子)と結合した状態で示す、図6のD−Y−E断
面図。
【図6】第一のリンク素子(第二のリンク素子)を省略
した状態で示す、図5の右方から見た図。
【図7】移動装置の1例を示す略斜視図。
【符号の説明】
1 移動装置 2 固定台 3 移動台 5 第一のリンク素子 6 第二のリンク素子 7 伸縮機能 8、8a、8b パラレルリンク機構支持用軸受 9 脚部 10 ピストン 11 シリンダ 12 載置物 13 内輪 14 部分球面部 15 外輪 16、16b 結合孔 17 ボール 18 第一の外輪素子 19 第二の外輪素子 20 フランジ部 21、21b 係合溝 22 最大外径部 23 取付孔 24 底面 25 保持器 26 傾斜円筒部 27 ポケット 28a、28b 係合溝 29 底面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持部材の一部をリンクに対し揺動変位
    自在に支持するパラレルリンク機構支持用軸受であっ
    て、この支持部材とリンクとのうちの一方の部材に結合
    固定される内輪と、この内輪の外周面に設けられた、少
    なくとも一部が球の両端を切断した場合にその外周面と
    なる形状を有する部分球面部と、上記内輪の周囲に設け
    られ、上記支持部材とリンクとのうちの他方の部材に結
    合固定される外輪と、この外輪と上記内輪とのうち、少
    なくとも一方の軌道輪の軸方向各半部毎の周面の円周方
    向複数個所に間欠的に、それぞれ円周方向に対し直角方
    向に形成された、断面円弧形でその底面とこの底面が直
    径方向に対向する相手面との間隔が軸方向に関して均一
    となる係合溝と、これら各係合溝と相手面との間に、こ
    れら各係合溝毎に、それぞれがこれら各係合溝と上記相
    手面とに沿う転動を自在として設けられた複数のボール
    とを備えるパラレルリンク機構支持用軸受。
  2. 【請求項2】 内輪の外周面と外輪の内周面との間に、
    これら内輪及び外輪の軸方向に関して片側に存在する複
    数のボールを転動自在に保持する為の複数のポケットを
    有する保持器を設けた、請求項1に記載したパラレルリ
    ンク機構支持用軸受。
  3. 【請求項3】 1対の支持部材と、これら両支持部材同
    士の間に設けられた複数本のリンクと、これら各リンク
    の両端部と上記各支持部材との間にそれぞれ設けられ
    た、請求項1又は請求項2に記載したパラレルリンク機
    構支持用軸受とを備えるパラレルリンク機構。
  4. 【請求項4】 1対の支持部材を、それぞれ固定台と移
    動台とし、各リンクを、互いに直列に配置した第一のリ
    ンク素子及び第二のリンク素子と、これら第一、第二の
    両リンク素子の端部同士の間に設けられ、これら第一、
    第二の両リンク素子を組み合わせた部分の全長を伸縮自
    在とする伸縮機構とにより構成する、請求項3に記載し
    たパラレルリンク機構を備える移動装置。
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