JPH0155098B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は積層反射パネルに関する。

かかるパネルは多くの潜在的な用途を有する
が、特別な用途に太陽光線収集機の分野がある。

裏銀めつき鏡を用いるとき、入射エネルギーの
一部はそれがシート材料の厚さを通つて進むとき
吸収されることは明らかである。従つてかかる鏡
はこの吸収を減少させるためできる限り薄くすべ
きことが望ましい、しかしこれは鏡の脆さをもた
らす。

本発明はこのことを改良することにある。

本発明によれば、積層反射パネルを提供し、こ
のパネルは厚さ2.0mm未満であり、背面に反射被
覆を担持する少なくとも一つのガラスシート（以
後鏡シートと称する）を有し、これは各鏡シート
よりも厚い平らなガラス裏支持シートに積層して
ある。

薄い鏡シートは非常に少ない入射放射線を吸収
する間にやけ（tarnishing）に対してその反射面
を保護する作用をする。平らなガラス裏支持シー
トは鏡シートに対する支持体を提供し、パネルに
強度を与えるために望まれるだけの厚さで作ると
よい。裏支持シートはガラスから作る、何故なら
この材料は平面で容易に形成できるからである。
パネルの任意のまたは全てのガラスを所望によつ
て強化することができる、例えば化学的に強化し
て破壊に対する増大した抵抗性を与えることがで
きる。

この裏支持シートは、磨き板ガラス（plate
glass）程費用をかけずに、機械引き板ガラス
（drawn sheet glass）上に改良された平滑度を
与えるため、フロートガラスから形成する。かか
るフロートガラスは適切な強度を与えるため厚さ
少なくとも４mmであるのが好ましい。５〜６mmの
範囲の厚さを有するフロートガラスは特に良好な
平滑度を有する。

良く知られている如く、フロートガラスの製造
において、ガラスは溶融金属のタンクを含有する
フロート室の一端に導入し、リボンとして金属上
に浮いたタンクに沿つて引き出す。好ましくは各
鏡シートは、製造中フロートタンク中の金属と接
触していた裏支持シートの面に結合させる。使用
する溶融金属が一般に錫（または大部分が錫）で
あるため、しばしば錫面と称される面は他の面
（しばしば空気面と称される）よりも良好な平滑
度を有する。フロートガラスの仕上りシートにお
いて、錫面はシートの表面中の金属イオンの割合
によつて空気面と区別できる。

上記鏡シートまたは各鏡シートは、機械引き板
ガラスである。何故ならそれは他の方法でそれを
作るよりも要求される小さい厚さのガラスを（例
えばリビー・オーウエンス法、フルコール法また
ピツツバーグ法によつて）引き抜くことが非常に
容易であるからである。

鏡シートの小さい厚さのため、それは裏支持シ
ートにそれを結合させる前に脆いものであり、こ
れは大きな鏡シートの場合取扱い上の問題を生ぜ
しめうる。従つて特に日光反射装置に普通に使用
されるような大きな反射パネルの製造に於ては共
通裏支持シートに複数の上記鏡シートを結合させ
ることが好ましい。例を示せば1.2×1.5mの寸法
の三つの鏡シートを3.6×1.5mの共通裏支持シー
トに結合させるとよい。勿論鏡シート面積および
裏支持シート面積は同じである必要はなく、本発
明のある例では裏支持シートの縁を残し、それを
フレームに把持させてもよい。これは鏡シート上
へのフレーム把握圧力を避ける。

ガラスリボンがガラス引き抜き機中で製造中引
き延ばされるとき、表面波しわとしてその山およ
び凹みが引き抜き方向に並んで明らかなその幅を
横切つてリボンの厚さに顕微鏡的な大きさの差を
生ぜしめることがある。

本発明によるパネルにおいてその反射効率を促
進するため、同じ意味でかかる欠陥を整えるた
め、共通裏支持シートに結合した上記複数の鏡シ
ートの各々の引き抜き方向を相互に実質的に平行
に置くことが好ましい。かかる引き抜き方向は同
じ方向または反対方向に並べるとよい。更に積層
パネルを組立後曲げたとき、例えば筒状日光反射
装置を形成させるときの如き場合、反射光の集中
は、鏡シート引き抜き方向が曲率軸に対し平行で
あるとき、上述した長手方向欠陥によつて影響を
受けることが少ない。

フロートガラスのリボンを溶融金属の浴の表面
を横切つて引き抜くとき、その引き抜き方向に並
んだ表面の不規則性を同様に有する。反射面の平
滑度は、鏡シートの引き抜き方向および裏支持シ
ートの引き抜き方向が横切つて、実質的に直角に
並んだとき改良される。

長方形シートから本発明によるパネルを作るの
が好都合である、そしてその各々の引き抜き方向
はその長い側に実質的に平行にする。鏡シートは
厚さ0.6mm〜1.5mmが好ましい。これは組立てる前
の取扱いの容易さと使用に当つての光吸収の少な
いことの折衷である。

シートを積層するため使用する結合材料に関し
ては、集成体を加熱および加圧することによつて
積層体層に接着させるシートの形例えば薄い箔の
形で付与しうる例えば１種以上のフイルム形成性
重合体を使用しうる。

一つのかかる結合媒体はポリビニルブチラール
である。この材料は使用に便利であり、使用温度
範囲および他の変動性環況条件の下で耐久性であ
る非常に強力なガラス／ガラス結合を達成するこ
とができる。

非常に良好な結果を与えることが判つた他の結
合媒体の例にはエポキシ樹脂、シリコーンを基に
した接着剤、ポリウレタン接着剤およびホツトメ
ルト接着剤の群がある。

ホツトメルト接着剤は150℃以下の温度、好ま
しくは60〜120℃の温度で溶融するものが好まし
い。

本発明の好ましい実施態様において、ガラスシ
ートは二つ以上の異なる結合媒体によつて結合す
る。例えば本発明は異なる組成の二つ以上の結合
層によつて上記シートを結合させた反射器を含
む。このカテゴリーの一定の製品においては、積
層条件通常熱および／または圧力を付与する前に
ガラスシート間にそのまま付与した接着的に被覆
した熱可塑性箔によつて上記シートを結合する。
非常に良好な結果を与える特別の例では結合機能
のためその両側にアクリル樹脂を基にした接着剤
の被覆を有するポリエステルの箔を使用する。か
かる二重被覆箔は市場で入手できる。好適なかか
る箔には例えば商標名マクボンド
（MACBOND）2800およびマクボンド2132の名
で市販されているものがある。これらの接着剤被
覆箔は、平滑度を保持するよう局部的圧力による
厚さにおける変化に耐える利点を有する。

反射器の製造における実際の結合工程は、カレ
ンダーロールまたはプレスによつて達成するとよ
い。シート間の空気または他のガスの吸蔵を避け
るため、熱および圧力の下での結合を、シートと
結合媒体の集成体を予め定めたスケジユールの熱
および圧力変動に曝すような室内で達成できる。
集成体の縁を吸引装置と連通した形に置き、これ
によつて吸引力をシート相互の帯域に発展させて
そこからガスの排出を促進させる。かかる吸引力
の作用は、上記室内での加熱および加圧サイクル
中予め定めた周囲の熱および／または圧力条件の
入力に対する時間関係で制御できる。かかる結合
法はそれ自体他の種類の積層体の製造に関連し
て、特に積層自動車防風ガラスの製造において知
られている。

上記反射被覆は銀の被覆が好ましく、鏡製造に
おいて良く知られている如く銅およびペイントの
保護層で被覆するのが好ましい。

鏡シートと裏支持シートの間の結合材料の層に
沿つて水が侵入することによる反射層の腐蝕に対
する追加の防水性を与えるため、上記ペイント層
は次に防水層例えばビチユーメンの層で被覆する
のが好ましい。

本発明の好ましい例を図面を参照して詳細に説
明する。

第１図において、薄いガラスの鏡シート１（厚
さは大きくても1.5mm好ましくは少なくとも0.6
mm）は、それぞれ銅およびペイントの保護層３お
よび４を被覆された銀の光反射被覆２を担持して
いる。任意の防水層５はペイント層４に付与して
示してある。銀、銅およびペイント層２，３，４
および存在するときは任意防水層５例えばビチユ
ーメン層５は一緒になつて鏡シート１の鏡被覆６
を構成する。鏡シート１は接着剤結合層８によつ
てガラスの裏支持シート７に積層してある。裏支
持シート７はフロートガラスのシートが好まし
く、厚さ５〜６mmであることができ、好ましくは
接着剤層８に隣接していわゆる錫面を有するよう
にする。

鏡シート１の厚さが小さいため、かかる反射パ
ネルは非常に大なる反射率を有する。反射被覆２
の非常に高度の平滑度は平らな裏支持シート７に
よつて確実にされ、この裏支持シート７はまた鏡
シート１の破壊に対する低抗性を増大する。

第２図および第３図は接着剤材料の層８によつ
て裏支持シート７に三つの鏡シート１が結合され
ている別の反射パネルを示す。第２図および第３
図において、それらの鏡被覆を有する三つの鏡シ
ート１が接しているように示してある。それは所
望によつては僅かに間隔をあけて置くこともでき
る。これは組立工程中更に好都合であることが判
つた。鏡シート１は裏支持シート７にフレーム
（図示せず）によつて把握するため明瞭な縁９を
残して結合してあり、かくしてフレームは鏡シー
トそれ自体上に担持される必要はない。

第３図において、各鏡シート１は長方形である
ことが判る。これらの鏡シートは、引き抜きガラ
スから作り、これら各シートの引き抜き方向は矢
印１０で示してある。これらの矢印１０は平行で
あり、事実それらは全て同じ方向を指している。
ここではフロートガラスの長方形シートである裏
支持シート７は矢印１１で示したその引き抜き方
向を有する。各鏡シート１の引き抜き方向１０は
フロートガラス裏支持シート７の引き抜き方向１
１に対して直角であることが判るであろう。これ
は各反射鏡面および全体としてパネルの平滑度を
改良する。各シートの引き抜き方向はその長い側
に対して平行であることも判るであろう。鏡シー
ト１はフロートガラス裏支持シート７のいわゆる
錫面に結合させる。

第３図に示したパネルは日光反射装置に使用す
るのに好適である。例えばそれは裏支持シート７
の引き抜き方向を一般に水平に置くとよい。所望
によつてはパネルは鏡シート１の引き抜き方向に
対して平行の軸の周囲で曲げることができる。

第４図は第１図または第２図および第３図に示
した如きパネルに導入するためのガラスシートに
如何にして接着剤層を付与する方法を示す。

第４図において、ロール１２は、例えばシリコ
ーン被覆紙１４のウエブで各側が保護されている
両面接着剤フイルム１３のウエブを担持してい
る。非常に好適なかかるフイルムは商標名マクボ
ンドの名で市場で入手でき、これは厚さ60μm〜
120μmの接着剤の層で各面が被覆された厚さ
12μmのポリエステルのウエブからなる。保護さ
れた接着剤フイルム１４，１３，１４は第二ロー
ラー１６と隣接するローラー１５上に導びかれ、
保護紙１４の一つのウエブはそのローラー１６上
で剥離され、ロール１７上に廃物として貯蔵され
る。ここで紙１４の一つのウエブのみで保護され
た接着剤フイルム１３は上方カレンダーローラー
１８に導き下される、カレンダーローラー１８の
軸１９は垂直に動くことができ、かくして圧力が
ローラー１８と固定下方カレンダーローラー２０
の間に働くことができるようにする。送入および
押出コンベヤーテーブル２１，２２はカレンダー
ローラー１８，１９の両側に置き、それらの面の
高さは固定下方カレンダーローラー２０の頂部と
一致させる。ガラスシート２３はカレンダーロー
ラー１８，２０のニツプに送入コンベヤーテーブ
ル２１に沿つて送られる。接着剤フイルム１３の
ウエブはシート２３上に圧延され、そのシートは
押出コンベヤーテーブル２２上に通過し出され
る。押出コンベヤーテーブル２２上に、なおシリ
コーン被覆紙１４の一つの層で保護されている両
側接着剤フイルム１３の層を担持したガラスシー
ト２３が示されている。実際には、シート２３は
カレンダーローラー１８，２０の間に近接して連
続的に供給することができ、押出テーブル２２上
でナイフの刃（図示せず）を用いて紙１４の保護
ウエブと接着剤フイルム１３のウエブを切断して
分離することができる。更に必要なトリミングは
もつと後の段階で行なうことができる。カレンダ
ーローラー１８，２０を出た接着剤被覆シート２
３は適宜薄い鏡シートまたは裏支持シートである
ことができる。

かかる接着剤被覆シートは次に手で補助シート
に対して組立て、本発明による反射パネルに作る
ことができる（勿論、残つている保護紙１４を剥
離した後）、次いでこれらは再び圧延して緊い結
合を行なわせる。

あるいはかかる組立および圧延は自動的な方法
で行なうことができる。かかる方法を第５図に示
す。第５図において、例えば第４図について説明
した如き接着剤を持つた鏡シートであることので
きるガラスシート２３、およびかかる接着剤を持
たず例えばフロートガラスの厚い裏支持シートで
ある補助ガラスシート２４を一緒にコンベヤーラ
イン２５に沿つて垂直にまたは垂直に対して僅か
に傾斜させて運ぶ。接着剤被覆シート２３がその
ラインの端に達したとき、それを停止させて、保
護紙シート（第４図の１４）を剥ぎとる。この間
に次の接着剤をもたないシート２４を第一のコン
ベヤーライン２５と平行の第二コンベヤーライン
２６に移す。シート２４が第一コンベヤーライン
２５の端と整合した位置に達したとき、ここでは
保護紙シート１４を有しないガラスシート２３を
好ましくは回転運動によつてその補助ガラスシー
ト２４と接触状態にする、かくしてそれらは相互
に接着し、次いで二つのシート２３，２４は一対
の垂直カレンダーローラー２７の間を通り、緊い
結合を生ぜしめる。

第２図および第３図に示した如きパネルの製造
のため、第５図に示したシート２３またはシート
２４は共通裏支持シートに結合させるため複数の
鏡シートによつて置き換えることができる。

この集成法はシート２３，２４の組成によつて
限定されることなく、また他の積層体例えばガラ
ス−金属積層体（鏡−金属積層体を含む）の間の
結合を行なうのに同じく使用しうることを理解す
べきである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明によるパネルの二
つの具体例の断面図であり、第３図は第２図のパ
ネルの平面図であり、第４図はかかるパネルの製
造における第一段階を示し、第５図はかかる製造
の第２段階の略示である。 １は鏡シート、２は光反射被覆、３，４は保護
層、５は防水層、６は鏡被覆、７は裏支持シー
ト、８は接着剤層、９は縁、１２はロール、１３
は接着剤フイルム、１４はシリコーン被覆紙、１
５は第一ローラー、１６は第二ローラー、１７は
ロール、１８は上方カレンダーローラー、１９は
ローラー１８の軸、２０は固定下方カレンダーロ
ーラー、２１は送入コンベヤーテーブル、２２は
押出コンベヤーベルト、２３はガラスシート、２
４は補助ガラスシート、２７は一対の垂直カレン
ダーローラー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 背面に反射被覆を有する少なくとも一つのガ
   ラスシート（以後鏡シートと称する）を含む積層
   反射パネルにおいて、上記鏡シートが引き抜きガ
   ラスのシートで厚さ２mm未満であり、各鏡シート
   よりも厚いフロートガラスの平らなガラス裏支持
   シートに積層されており、各鏡シートの引き抜き
   方向および裏支持シートの引き抜き方向が横断的
   に、実質的に直角に配置されていることを特徴と
   する積層反射パネル。 ２ フロートガラスが厚さ少なくとも４mm、好ま
   しくは５〜６mmである特許請求の範囲第１項記載
   のパネル。 ３ 各鏡シートを、製造中フロートタンク中で金
   属と接触状態においた裏支持シートの面に結合さ
   せた特許請求の範囲第１項または第２項記載のパ
   ネル。 ４ 複数の上記鏡シートを共通裏支持シートに結
   合させた特許請求の範囲第１項〜第３項の何れか
   一つに記載のパネル。 ５ 上記鏡シートの引き抜き方向が実質的に相互
   に平行にある特許請求の範囲第１項または第４項
   記載のパネル。 ６ 各鏡シートが厚さ0.6〜1.5mmである特許請求
   の範囲第１項〜第５項の何れか一つに記載のパネ
   ル。 ７ 鏡シートおよび裏支持シートが、熱可塑性箔
   の各側に接着剤例えばアクリル樹脂接着剤の被覆
   を有する熱可塑性箔例えばポリエステル箔によつ
   て結合された特許請求の範囲第１項〜第６項の何
   れか一つに記載のパネル。 ８ 各上記鏡シートが、銅の層およびペイントの
   層で被覆された銀の反射被覆を担持する特許請求
   の範囲第１項〜第７項の何れか一つに記載のパネ
   ル。 ９ 上記ペイント層を次に防水性層例えばビチユ
   ーメンの層で被覆した特許請求の範囲第８項記載
   のパネル。