JPH0153398B2 - - Google Patents

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JPH0153398B2
JPH0153398B2 JP3249983A JP3249983A JPH0153398B2 JP H0153398 B2 JPH0153398 B2 JP H0153398B2 JP 3249983 A JP3249983 A JP 3249983A JP 3249983 A JP3249983 A JP 3249983A JP H0153398 B2 JPH0153398 B2 JP H0153398B2
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JP
Japan
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synthetic leather
foam
fabric
glossy
entire surface
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JP3249983A
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Yasuo Shikinami
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Takiron Co Ltd
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Takiron Co Ltd
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Publication date
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  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、表層に編織布を用い、明瞭な立体模
様と、凸部或いは全体に織目編目を幾分残した穏
やかなぬめり感、ウエツト感のある光沢を併せ持
つた新規な合成皮革に関する。更に詳しくは、天
然皮革の銀面層に相当する表層が、モダクリル繊
維よりなる毛羽立ちが少ないか全く無い編織布
(編物や織物)からなり且つ深い凹凸を有し、皮
革の網状層に相当する基層が熱成形可能な合成樹
脂の軟質発泡体で構成され、しかも表面の凸部が
織目編目を残した状態で平滑化された光沢面であ
り、表層が基層に食い込んで形成される凹部が織
目編目を幾分残した状態或いは完全にフイルム状
に平滑化された光沢面である凹凸模様を有する合
成皮革に関する。従来、衣類、家具類、壁装材、
インテリヤ、乗物のシート、鞄・袋物、靴等の素
材として、天然或いは合成皮革やレザー及び繊維
製品が極めて多様な形態で用いられている。ただ
これらの素材にも時代の流れにより流行り廃りが
あり、合成皮革のように技術の進歩に伴つて次々
新しい素材が提供され古いものにとつてかわるこ
とがある一方、レザーやエナメル調合成皮革で代
表される光沢を有するフイルム表面の外観・風合
が好まれる時代と、布地表面の編織組織の外観・
風合が好まれる時代が交互に繰り返されてきてい
る。
殊に近年はこの流行の回転が早くなり、しかも
より新規なものが好まれる傾向にある。例えばス
エード調合成皮革、ジヤガード織布地、シンプル
で光沢があり軽量なタフタ、布地表面をオイルコ
ートするか透明乃至半透明のポリウレタンフイル
ムを薄手の布にダイレクトコート或いは張り合わ
せたもの等は、布地面とフイルム面の中間的要素
をもつ素材として好んで用いられている。特に布
面にコートしたり張り合わしたものは、下地の編
織物の組織や色合がフイルム層を通して表面に現
れ、近年の衣料や袋物の感覚にもマツチしたもの
として好評を博してきた。しかし、これらは根本
的には布や合成皮革の従来技術から逸脱した素材
とは言い難い。また立体感も出にくく、布に前以
つて凹凸を与えていてもラミネート時に戻つてし
まうし、シユライナー加工で艶出ししてもムラが
できたり後工程で戻つてしまい変化に富んだもの
は得にくく、又多用されて最近多分に飽きられつ
つあり、新たな素材の提供が切望されている。
そこで本発明者は、上記新素材開発の観点から
種々試作研究を続け、天然皮革を目指す従来の合
成皮革とはその構成特に表層において全く異な
り、その外観・風合がスキン面と布地面の両面を
備えた新規な合成皮革を開発した。この合成皮革
は、モダクリル繊維よりなる編織布であつて表面
に毛羽立ちがないように毛羽処理を施したものを
表層とし、熱可塑性合成樹脂の軟質発泡体を基層
とするフオームラミネートの布面側に、凸部が布
地面、凹部がスキン様の平滑面であるエンボス模
様を施したもので、モダクリル合皮とでも称すべ
きものである。そして毛羽処理により温雅な光沢
のある深くて鮮明な立体模様が得られ、従来の合
成皮革と繊維布地の両方の外観風合と独特な感
触・物性を有するものである。
ところで、この合成皮革は凸部が布地面凹部が
スキン面という面白い性質を有しているが、凸部
にはスキン面の如き光沢がないことから一部ユー
ザーには受け入れ難い欠点があつた。そこで本発
明者は、上記合成皮革の布地表面に薄い透明な塗
料層(例えばウレタンフオーム)を施して全体に
光沢と深みのある透明感を持たせた合成皮革を開
発した。しかし、これは塗料層が厚すぎたりする
とその持味が薄れて、単に布に樹脂をコートした
従来品と同様のものになつてしまう。また、前記
合成皮革は布地とフイルムの両方の性質を有する
とは言つても、それらが凹凸に従つてモザイク状
に配置されているに過ぎない。
そこで本発明者は更に研究を続け、上記モダク
リル合皮を基礎として、全体が布地とフイルムの
両性質を渾然一体として備えた合成皮革を開発し
た。また、本発明の合成皮革を加工方法によつて
は凸部のみを織目編目を残した緩やかな滑り感の
有る光沢仕上げとし、凹部は完全なフイルム状と
することも出来る。以下、本発明を図面に示す実
施例に基づいて詳細に説明する。
第1図及び第2図は、本発明に係る合成皮革1
の一例を示す。これは第3図(第2図と同様位置
に於ける断面した部分拡大斜視図)に示す素材合
成皮革10を更に加熱加圧して表面全体を織目編
目をのこした状態で平滑化したものである。
まずこの素材合成皮革10は、ポリアクリル系
繊維、特に商品名「カネカロン」(鐘ケ淵化学工
業(株)製)、「ダイネル」(ユニオンカーバイド(株)製

等で知られるモダクリル繊維よりなる朱子組織の
布地2を表層とし、1,2−ポリブタジエン樹脂
単独またはこれを一成分とするポリマーブレンド
物の発泡体3(以下「1,2−PBD発泡体」と
する)を基層とするフオームラミネート(フオー
ムバツクス)4の布面側に、凸部aが布地面、凹
部bがスキン面であるエンボス模様を施したもの
である。尚図中5は両者2,3を接着する接着剤
層、6は補強裏打材としてのメリヤス布地、7は
両者3,6を接着する接着剤層である。また、凹
部bは高周波による誘電加熱を利用して形成さ
れ、該部分の1,2−PBD発泡体は加熱金型に
従つて軟化圧縮され、深度分だけ未発泡の1,2
−PBD樹脂に近づいた状態となる。
一方モダクリル繊維は同じく加熱金型によつて
軟化乃至一部溶融し、1,2−PBD発泡体に沿
つて延展変形するとともに、底部では表面が薄層
のフイルム状を呈している。しかし、加圧されな
い他の部分(凸部a)はなんら変化を受けず、表
面は布地のまま残り、1,2−PBD発泡体も元
の状態を保つたままクツシヨン作用を有し、しか
も凸部aと凹部bの境界が明確に表れる。更に、
モダクリル繊維は一般にステープル状のもので布
面に毛羽立ちが見られるが、この合成皮革10は
毛羽処理して毛羽が無いか少ない状態にすること
により、スキン面の平滑さ及び凹凸模様の輪郭を
より明確にしている。毛羽処理としては、糸や布
の段階で毛焼きにより毛羽を除去するのが最も好
ましい。
又布地としては、下地の樹脂が目剥き状態にな
ることを防ぎ、且つ平滑さ、柔らかさとフレキシ
ビリテイを与えるため、ブロードや朱子など地合
が比較的密で地薄であり、且つ布面が平で変化の
少ない組織から成るものか好ましい。尚、素材に
モダクリル繊維を用いるのは、ナイロン、テトロ
ンなど他の合成繊維に比べて熱成形性が極めて優
れていること、及び誘電加熱が容易に行われるこ
とによる。そしてエンボス加工の適温は80〜160
℃であるが、140℃以上ではエンボス面が溶融硬
化により硬くなり、変色して風合・外観も悪くな
る。従つて140℃以下、特に100〜130℃が最適で、
この場合凹部bは平滑化されながらも元の布地の
柔らかさをとどめている。
従つて、表層とエンボスにより一体化される基
層の軟質発泡体の熱成形温度も又、80〜160℃の
ものであることが必要で、とくに100〜130℃のも
のであれば最適である。この観点から軟質発泡体
としては、前述の1,2−PBD発泡体のほか、
熱可塑性ポリウレタンエラストマー発泡体、部分
架橋エチレン−酢酸ビニル共重合体の発泡体、軟
質(一部架橋)ポリ塩化ビニル発泡体、その他の
熱可塑性エラストマー発泡体が用いられる。
尚、本発明において樹脂層が軟質発泡体に限定
されるのは、低モジユラス体で伸縮性弾力性に富
み、布地の風合を損なわずドレープ性のある合成
皮革を得るためである。そして、本発明において
は凹の部分が圧縮されて密度を増して硬くなる。
そのため比較的高倍率(5〜20倍)の発泡体が必
要である。特に、深いエンボス模様を得るにはシ
ートを厚くしなければならず、重量軽減のために
も本発明における樹脂層は発泡体であることが必
要十分条件である。尚、発泡体の厚みは発泡倍率
にもよるが0.6〜2.0mm程度のものが好ましい。ま
た、布地に軟質発泡体をラミネートしたフオーム
ラミネートを布面からエンボス加工した場合、布
地と軟質発泡体が同時に成形されるので、モダク
リル繊維布地の熱成形が緩衝されて、成形の展開
倍率の大きい凹部と小さい凸部の硬さが殆ど変わ
らないものが得られる。更にフオームラミネート
である実用上の大きな利点は、暖かい感触を有
し、保温性があり、鞄・袋物などの携帯品に使用
した場合軽量で使いやすいことである。
かかる条件を満足する軟質発泡体には前述の如
く各種のものがあるが、特に、1,2−ポリブタ
ジエン樹脂またはこれを一成分とするポリマーブ
レンド物を、その発泡前に、例えば紫外線架橋法
によつてゲル分率が10〜75%(煮沸トルエン15時
間後のゲル分率)の範囲内となるように前架橋
し、次いで発泡剤分解法によつて発泡させて得ら
れる1,2−PBD発泡体は、熱成形適性温度が
80〜130℃であり、しかもモダクリル繊維と同様
誘電加熱が可能であり最も好ましいものの一つで
ある。しかもその発泡倍率は広範囲にわたつて自
在に変えられ、弾力性に富み永久伸び、圧縮永久
歪の極めて少ない復元性の良いゴム的挙動を有し
且つ軽量なものである。もつとも、他の軟質発泡
体を使用することも可能であり、軟質ポリ塩化ビ
ニル発泡体の場合は幾分重いが安価に得られるも
のである。そして、これらのフオームラミネート
は、モダクリル繊維の成形温度域80〜160℃の間
で、各発泡体の軟化点に合わせて成形すればよ
い。またこれらの軟質発泡体は製造効率の点から
エンドレス体であることが好ましく、且つエンボ
ス加工時の模様のエツジ部で亀裂を生じないよう
に伸びのよいものであることが必用である。
一方、布地2と軟質発泡体3をラミネートする
接着剤としては、ウレタン系のもの、アクリル共
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸共重合体等、モダクリル繊維布地
と発泡体の接着性に優れたものが好適に用いられ
る。また、発泡体の裏面に接着される補強裏打材
6は、編物のほか織物、不織布が用いられるが、
これらの裏打材は発泡体の保護及び全体の物理的
強度を向上させる目的を有するものである。又、
軟質発泡体3と補強裏打材6を接着する接着剤も
前記同様のものが用いられる。
ところで、第1図及び第2図に示す本発明合成
皮革1は、前述したとおり素材合成皮革10を更
に瞬時に加熱加圧処理して凸部を平滑化し、全面
に穏やかでぬめり感のある光沢を持たせたもので
ある。その方法としては、例えば第4図の如く加
熱ロールR1とプレスロールR2からなる艶出し装
置に通して行なう。そして、加熱ロールR1の温
度、加圧力(両ロール間のクリヤランス)、加熱
時間等の条件をうまく調整すると、エンボスが戻
らず様々な状態の艶が得られる。また、加熱ロー
ルR1の表面を鏡面のほか梨地仕上げして変化を
持たせることも出来る。
加熱ロールR1の温度は、下限がエンボス時よ
りかなり高い約120℃、上限はエンボス時と同様
約160℃で、特に135〜145℃の範囲が好ましい。
加熱ロールR1の温度が120℃以下の場合は、ロー
ル間の間隙を殆ど0にして圧力を増しても凸部A
にはあまりはつきりした光沢がでない。130〜140
℃程度の場合は半透明に近い光沢が得られやす
い。150〜160℃では極めてウエツト感のある光沢
が得られるが、粗野な感じとなりやすい。160℃
以上ではエンボスが消滅したり表面が硬化する傾
向にあり、ロールとの接触時間が長い場合も同様
の現象が生じる。また、プレスロールR2の温度
は、常温〜160℃の範囲を採ることができる。
一方加熱時間は、ロールとの瞬時の接触による
極短時間例えば1秒前後でよい。加熱時間の調整
は加熱ロールR1の回転速度を調整して行つても
良く、あるいは第4図鎖線の如くガイドロール
R3により素材合成皮革10と加熱ロールR1との
接触長さを調整することにより行つてもよい。更
に加圧力の調整は、両ロールR1,R2間の間隙
(クリヤランス)を調整することにより行なう。
なお、第2図の場合はこのクリヤランスを殆ど
0にし(合成皮革1の厚みは1mm程度)、140℃程
度の温度で1秒前後処理したものである。かくす
ると合成皮革10は全面が加圧され、その凸部a
はかなりの加圧力をうけるが処理が短時間のため
該部分の1,2−PBD発泡体は殆ど変化せず、
布地表面のモダクリル繊維のみが一部溶融して織
目編目を残した状態で平滑化され、得られた合成
皮革1の凸部Aは穏やかなぬめり感のある光沢を
呈する。この際、布地2に施されている表面処理
剤、撥水剤、サイジング剤(これらは単独または
複合して用いられる)が加熱により布地表面に極
薄膜8を形成し、ぬめり感や光沢を助長する。ま
た、この極薄膜8は合成皮革1の撥水性も良くす
る効果がある。尚、表面処理剤にはポリウレタン
系のもの、サイジング剤としてはアクリル系のも
の、撥水剤としてはフツ素系、シリコン系のもの
等がある。一方、合成皮革1の凹部Bは、素材合
成皮革10の凹部bの表面が既にスキン状乃至フ
イルム状になつているため熱の影響はあまり受け
ず、逆に加圧力により一部戻り現象を生じて表面
全体が略同様な外観を呈する。また一種のもみほ
ぐし作用を受け、且つ凸部Aのエツジが丸味を帯
びるため合成皮革10より柔らかな感じを与え
る。
次に、前記クリヤランスを例えば合成皮革10
の半分程度とし、加熱ロールR1の温度を150℃、
プレスロールR2の温度を室温程度にして瞬時に
処理すると、第5図に示す如く合成皮革1の凸部
Aのみが加熱作用を受けて略前記例同様の状態に
平滑化されたものが得られる。一方凹部Bは殆ど
変化せず元のままのスキン状乃至フイルム状の表
面をしており、凹部Bと凸部Aは異なつた外観を
示す。
なお、素材合成皮革10の凹部や凸部を予め塗
料に依つて谷汚し、山汚しておくと凹凸模様がよ
り鮮明に現れる。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。
実施例 経糸40番単糸150本/インチ、緯糸30番単糸65
本/インチ(いずれもダルのモダクリル繊維「カ
ネカロン」製品)を用いて5枚朱子組織で織り上
げた布地(目付約160g/m2)を、バーナー法で
片面のみ毛焼きし、次いでカチオン染料によりビ
ーム染色法で染めた後、アクリル樹脂で柔軟処
理、フツ素系樹脂で撥水処理をして、毛羽のほと
んどない朱子光沢面のある布地を得た。次いでこ
の布地の毛焼きしていない面と、エンドレスの
1,2−PBD発泡体〔商品名「カルソフト」、タ
キロン(株)製〕(比重0.1厚さ1mm)を、リバースコ
ータ方式にて二液性溶剤タイプのポリウレタン系
接着剤を用いてラミネートした。また発泡体の他
の面に、ナイロントリコツト(40d/28G)を同
様の接着剤を介してラミネートして、中間層が発
泡体であるフオームラミネートを得た。
このフオームラミネートを、80℃に予備加熱し
てある高周波ウエルダーのプレス上盤に固定され
ている金型(比較的微細な凸部分の多い所望の模
様を刻設したもの)の直下に、布面を上にして供
給し、直ちにプレス盤を閉鎖して加圧する(約30
Kg/cm2)。同時に13.56MHzの高周波を発振して加
圧部を120℃程度に昇温してエンボスし(2〜5
秒間)、次いで2〜5秒間金型温度(80℃)で冷
却した。その後プレス盤を開放して、エンボスさ
れた布地を金型のピツチ分だけ引出し(この間の
サイクルはエンボス模様により異なるが、約10
秒)、継続的にエンボスを繰り返し、立体模様が
鮮明で温雅な光沢を有する合成皮革を得た。
この合成皮革の凸部は、元のモダクリル繊維布
地の組織をそのまま留めるか、凸部の周辺の模様
の状態によつては組織が幾分開いた状態に変形さ
れる。また微細な模様にエンボスされた凹部は、
繊維が軟化乃至半溶融状態を得て、表面が元の組
織を殆ど留めない程であり、金型の凸部が平坦な
鏡面状の場合は光沢のあるスキン状態を呈する
(第3図)。このスキン状態を呈する部分は、従来
の合成皮革や繊維布地とは外観を全く異にする特
殊な合成皮革とも言えるべきもので、平な布地表
面と合わせて、全体が独特の皮革に類似した風
合・感触を与えるものである。そして、エンボス
によりラミネートされた全体の腰が抜け、“ホネ”
や“ツノ”のない、柔軟で適度のクツシヨン性と
ドレープ性を有し、軽量で温かい感触があり、表
面の耐摩耗性に優れたものが得られる。尚、誘電
加熱が行えない他の軟質発泡体の場合には、赤外
線加熱、熱風加熱などの通常の加熱方法が採られ
るが、いずれにしても金型に刻印された模様の繰
り返しを工夫して継目を消去すると、繰り返し模
様の長尺の立体模様を有する合成皮革が得られ
る。
一般にこの立体模様の凹部と凸部は同色のコン
トラストが大きく、凸部はモダクリル繊維自体の
有する光沢不足と織り組織による光の乱反射のた
めに温雅で重厚な感じを与えるものである。市場
のニーズは更にフイルム面の光の反射から受ける
光沢と艶を要求する場合が多々あり、これに応え
れば更に合成皮革として多くのグレードを有する
ことになる。
そのため、次いでこのエンボスされたフオーム
ラミネートを第4図のロール間を通過させて表面
全体に光沢を付与させた。
即ち加熱ロールR1は直径30cm、温度142℃、プ
レスロールR2は直径30cm、温度130℃、ラインの
スピードは10m/min、両ロールの間隙は約200μ
である。このような条件では、凸部は布地表面の
モダクリル繊維のみが一部溶融して織目編目を残
した状態で平滑化され、凹部は加圧により幾分戻
り現象を生じて凹部凸部ともにほぼ同様な光沢を
呈する。また同じ条件で加熱ロールR1を150℃、
プレスロールR2を室温、ロール間隙を0.5mm程度
とした場合、凸部のみが前記同様の変化をして光
沢を生じ、凹部はほぼそのままフイルム状を保
つ。
また、高周波加熱によるエンボスされた布面を
ポリウレタン系合成皮革に使用されるウレタン系
表面処理剤で凸部のみ塗布する、所謂“山汚し”
の処理をし(着色も可能)、同様にロール間を通
過させれば、表面の引掻き、摩耗強度などの機械
強度が向上し、エナメル光沢感の増した合成皮革
が得られる。
以上詳述したように、本発明の合成皮革は、ポ
リアクリル系繊維の一種であるモダクリル繊維製
編織布(地合が比較的密で地薄なものが好まし
い)の表面を毛羽処理したものを表層とし、成形
温度がモダクリル繊維と近似した熱可塑性合成樹
脂の軟質発泡体を基層とするフオームラミネート
の布面側に、凸部が布地面、凹部が平滑面(金型
のエンボス模様によつては多段になる場合もあ
る。)であるエンボス模様を施し、更に該フオー
ムラミネートを瞬時に加熱加圧処理して、凸部或
いは全体を、織目編目を残した状態で平滑化した
ものである。従つて、従来のウレタンや塩化ビニ
ル製の合成皮革とは全く異なり、布地とフイルム
の両方が渾然一体となつた如く穏やか、ウエツト
で且つぬめり感のある光沢を有する表面と、高級
ななめし皮にも似た独特な風合及び深くて鮮明な
立体模様を有した合成皮革が得られる。また、物
理的強度や防汚性、防水性などの表面物性も優
れ、近来の新素材探究の要望に十分応え得るもの
である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明合成皮革の1例を示す平面図、
第2図は第1図におけるX−X線部分で断面した
部分拡大斜視図、第3図は第2図と同じ位置にお
ける素材合成皮革の断面した部分拡大斜視図、第
4図は艶出し装置の概略図、第5図は他の実施例
の断面した部分拡大斜視図である。 1……合成皮革、2……布地、3……1,2−
PBD発泡体、4……フオームラミネート、5,
7……接着剤層、6……補強裏打材、8……極薄
膜。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 モダクリル繊維よりなる編織布であつて表面
    が毛羽立ちのないように毛羽処理を施すかフイラ
    メント糸を用いたものを表層とし、80〜160℃の
    成形温度を有する熱可塑性合成樹脂の軟質発泡体
    を基層とするフオームラミネートの布面側に凸部
    が布地面凹部がスキン状乃至フイルム状のエンボ
    ス模様を施したものにおいて、凸部をその織目編
    目を構成するモダクリル繊維の一部を加熱加圧に
    より溶融して織目網目を残した状態で平滑化した
    光沢面とし、凹部はフイルム状のまま或いは加圧
    による戻り現象で表面に織目編目が一部戻つた状
    態の平滑化された光沢面としたことを特徴とする
    全面に光沢のある凹凸模様を有する合成皮革。 2 光沢面が、編織布に施した表面処理剤、撥水
    処理剤、サイジング剤の内1種又は2種以上のも
    のの加熱により生じた極薄膜により覆われている
    ものである特許請求の範囲第1項記載の全面に光
    沢のある凹凸模様を有する合成皮革。 3 80〜160℃の成形温度を有する熱可塑性合成
    樹脂の軟質発泡体と、表面に毛羽立ちが少ないか
    全く無いモダクリル繊維よりなる編織布からなる
    フオームラミネートの布面側に凸部が布地面凹部
    がスキン状乃至フイルム状であるエンボス模様を
    施した後、更に該フオームラミネートを瞬時に加
    熱加圧処理して、凸部の織目編目を構成するモダ
    クリル繊維の一部を加熱加圧により溶融して織目
    編目を残した状態で平滑化することを特徴とする
    全面に光沢のある凹凸模様を有する合成皮革の製
    造方法。 4 エンボス模様の凸部のみを瞬時に加熱加圧処
    理するものである特許請求の範囲第3項記載の全
    面に光沢のある凹凸模様を有する合成皮革の製造
    方法。 5 表面全体を瞬時に加熱加圧処理するものであ
    る特許請求の範囲第3項記載の全面に光沢のある
    凹凸模様を有する合成皮革の製造方法。
JP3249983A 1983-02-28 1983-02-28 全面に光沢のある凹凸模様を有する合成皮革及びその製造方法 Granted JPS59157385A (ja)

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JP3249983A JPS59157385A (ja) 1983-02-28 1983-02-28 全面に光沢のある凹凸模様を有する合成皮革及びその製造方法

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