JPH0151321B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は木材の切断加工に使用される丸鋸盤
において、被切断材から切離された切断残片の通
路を遮断して切断作業の安全性を高めるための遮
断装置に関する。

（従来の技術） 従来の技術としては例えば特願昭59−138710号
がある。

（発明が解決しようとする問題点） ワークに対する切断角度の変更に際し、ワーク
をガイドルールに当接させた状態で定置し、ブレ
ードをターンテーブルとともに水平回動してブレ
ードの回動角度を設定するように構成された丸鋸
盤において、切断残片が開口部を通過してブレー
ドとブレードケースとの間等に喰込む危険を防止
するために開口部を遮断する場合にブレードが開
口部と交差する位置および角度がブレードの回動
角度によつて変動するため、開口部をブレードの
設定角度の変更に対応して的確に遮断しえない問
題点や、遮断機構が複雑化する問題点があつた。

本発明の目的は上記問題点を回避して切断残片
の通過を的確に阻止しうるとともに機構を簡易化
しうる丸鋸盤における切断残片の遮断装置を提供
することである。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上記目的を達成するために、ベースに
対し回動可能に装設されたターンテーブルと、該
ターンテーブル上に載置されるワークを昇降動作
により切断しかつ前記ターンテーブルとともに回
動可能なブレードと、前記ベースに対し前記ター
ンテーブル上を跨いで設けられかつ前記ブレード
の回動範囲に対応する開口部を有するワーク定置
用のガイドルールとを備えた丸鋸盤において、前
記ガイドルールには前記開口部に臨むシヤツター
を同ガイドルールに沿つて移動可能に設け、この
シヤツターは前記ブレードが挿通する挿入口を形
成するとともに、前記ターンテーブルと同テーブ
ルの回動に伴つて移動して前記開口部を常に閉塞
するように連繋せしめたことを要旨とするもので
ある。

（作用） 本発明にあつては、ターンテーブルの回動に伴
なつてシヤツターがガイドルールに沿つて移動さ
れ、このシヤツターの移動により、ガイドルール
の開口部を常に閉塞するものである。

（実施例） 続いて、本発明の一実施例を図面にしたがつて
説明する。

丸鋸盤Ｍのベース１はほぼ方形台状に形成さ
れ、その中央部にはテーブル嵌合部１ａが円形状
に凹設されている。

円盤状のターンテーブル２はベース１のテーブ
ル嵌合部１ａ内に対し水平回動可能に嵌装され、
このターンテーブル２にはほぼ楕円状のガイド孔
２ｂがその回動中心より若干偏位して貫設されか
つ該ガイド孔２ｂから若干幅を狭くした溝部２ａ
が半径方向にほぼ外周まで刻設されている。刃口
板３は前記ガイド孔２ｂ及び溝部２ａに合致した
形状に形成されていて、同ガイド孔２ｂ及び溝部
２ａに嵌合され、このガイド孔２ｂに対応する部
位にはほぼ楕円形状のシヤツタ挿入口３ｂが貫設
され、かつ溝部２ａに対応する部位にはスリツト
状の刃口３ａが該シヤツタ挿入口３ｂからターン
テーブル２の半径方向に刻設されている。

前記ターンテーブル２の裏面にはホルダ４が締
着され、このホルダ４は前記刃口板３と同方向に
配置されてその先端部がベース１の外周に延出さ
れていて同先端部にはグリツプ５が締着されてい
る。しかして、ターンテーブル２はグリツプ５に
よる操作によつて回動され、同グリツプ５の螺進
による締付けに伴ないそのねじ部がベース１の外
周に当接することによつて任意の回動角度（位
置）で固止されるように構成されている。なお、
ホルダ４の先端部上面に止着された目盛板６の指
針６ａと、ベース１の中央部の前側上面に表示さ
れた目盛７とによつてターンテーブル２の回動角
度が指示される。

前記ターンテーブル２上には前記刃口板３と対
向する端縁付近に支持アーム９が立設され、この
支持アーム９の上端に対し上下方向への傾動動作
及び下傾端からの弾性復帰動作可能にブレードケ
ース１０が装設されている。そして、ブレードケ
ース１０の一側にはモータを収納したモータハウ
ジング１１が装着されており、そのモータ軸の軸
端部が同ブレードケース１０内に突出されていて
ブレード８を固止手段（図示しない）によつて取
付けている。しかして、ブレード８はターンテー
ブル２の上方に対し、昇降動作及びターンテーブ
ル２と一体の回動動作可能でかつ垂直回動可能
に、さらに、その下端部が下傾端で前記刃口板３
の刃口３ａからターンテーブル２のガイド孔２ｂ
内にわたつて挿入されるように対向配設されてい
る。

前記ブレードケース１０にはセフテイーカバー
１２がセンターキヤツプ１３を介して垂直方向へ
の回動動作可能に装設されていて、ブレード８の
下降に追従して同ブレード８の前下側付近を覆蓋
するように構成されている。

ガイドルール１４はワークＷの側面を当接させ
てワークＷをベース１上で定置させるためにベー
ス１上の後端にターンテーブル２を跨いで設置さ
れており、このガイドルール１４は所定の間隔を
おいて直列状に並立された垂直状の定規面１５を
もつ左右１対のガイド片１４ａ，１４ａと、この
両ガイド片１４ａの相対向する内端を連結する円
弧状の連結片１４ｂとから構成され、両ガイド片
１４ａ間にはターンテーブル２の全回動範囲（本
例では約90°）にわたつてブレード８の下降動作
を許容するために開口部１６が開口されるととも
に、両ガイド片１４ａの開口部１６側の下コーナ
ー部付近にはそれぞれ前方、内方および下方を開
放した１対の係合凹部２１，２１が左右対称に凹
設され、この係合凹部２１，２１内の上面から垂
下片２１ａがそれぞれ突出されている。

ガイドルール１４の開口部１６の下部を閉塞し
て切断残片が同開口部１６間の通過を阻止するよ
うに配設されるシヤツタ１７は、合成樹脂材から
成形されていて、下降したブレード８の下端付近
を挿通するために形成されたブレード挿入口２０
を隔てて直列状に並設された左右１対のシヤツタ
プレート１８，１８と、この両シヤツタプレート
１８の内端にそれぞれ連設されて下方へ突出され
たほぼ円柱状の連動片１９とから構成されてお
り、両シヤツタプレート１８は前記ガイドルール
１４の定規面１５の一部を形成するように同定規
面１５にそれぞれ整合される閉塞面１８ａ，１８
ａが垂直状に形成されるとともに、その後側外端
付近にはそれぞれ断面ほぼＩ形状の掛止片１８ｂ
が係合凹部２１の垂下片２１ａとの掛合可能に突
設されている。そして、シヤツタ１７は連動片１
９を刃口板３のシヤツタ挿入口３ｂ内に対し半径
方向へのスライド及び回動可能に嵌挿されるとと
もに、両シヤツタプレート１８をガイドルール１
４の両係合凹部２１内に対し両ガイド片１４ａの
内端付近下部にそれぞれ位置させかつ定規面１５
と同方向への水平スライド可能に嵌合して取付け
られるものである。なお、シヤツタ１７の両シヤ
ツタプレート１８は係合凹部２１に対するスライ
ドを許容するために該係合凹部２１の長さより短
く形成されている。しかして、シヤツタ１７は、
ターンテーブル２の水平回動に連動してその連動
片１９が同ターンテーブル２の回動とともに変位
される刃口板３のシヤツタ挿入口３ｂ内を回動し
ながら半径方向に変位されるので、両シヤツタプ
レート１８も前記ターンテーブル２の回動に応じ
てともに定規面１５に沿つて水平移動されてガイ
ドルール１４の開口部１６を常に閉塞するととも
に、ブレード挿入口２０が前記ターンテーブル２
と一体的に水平回動されるブレード８に対応して
常に同ブレード８の直下へ変位され、前記ターン
テーブル２の回動、すなわちブレード８の一方の
回動端から他方の回動端にわたる全回動範囲でガ
イドルール１４の開口部１６をブレード８の下降
時の通路を常に確保して閉塞するように構成され
るものである。

なお、連通片１９にはその上部にブレード８の
全回動範囲での挿入を許容するためにブレード挿
入口２０に連通された逃げ部１９ａが凹刻されて
いる。

本実施例は上述のように構成したものであり、
その作用と効果について説明する。

ベース１に対しターンテーブル２を回動状態に
ない第１図イの状態からロの状態に回動する場合
について説明すると、グリツプ５の螺退による締
付け解除の後、同グリツプ５による操作によつて
ターンテーブル２を図示時計方向に回動すると、
同ターンテーブル２の回動と一体となつてブレー
ド８がブレードケース１０及びセフテイーカバー
１２とともに同様に回動偏位される。

そして、前記ターンテーブル２の回動に伴なつ
て刃口板３のシヤツタ挿入口３ｂも該ターンテー
ブル２の回動中心で同方向に回動変位されるの
で、シヤツタ１７の連動片１９が前記刃口板３の
シヤツタ挿入口３ｂ内を回動しかつ半径方向に変
位しながら該シヤツタ挿入口３ｂとともに変位さ
れ、この連動片１９のシヤツタ挿入口３ｂ内にお
ける回動及び半径方向への変位によつて、シヤツ
タ１７の両シヤツタプレート１８がそれぞれ定規
面１５に沿つて係合凹部２１，２１内において図
示右方へ水平移動される（第１図ロ参照）。この
両シヤツタプレート１８によりガイドルール１４
の開口部１６を常に閉塞、すなわち、第１図ロの
状態では図示左側のシヤツタプレート１８が定規
面１５の係合凹部２１から長く延出されかつ図示
右側のシヤツタプレート１８がその長く延出した
分だけ定規面１５の係合凹部２１に没入すること
になり、これにより、ガイドルール１４の開口部
１６を常に閉塞するものである。しかも、シヤツ
タ１７のブレード挿入口２０も前記ターンテーブ
ル２と一体的に水平回動されるブレード８に対応
して常に同ブレード８の直下へ変位されるので、
前記ターンテーブル２と共に回動するブレード８
の回動変位に追従して該ブレード８の昇降通路を
常に確保し得るものである。なお、ターンテーブ
ル２を前記とは逆に回動した場合も前記シヤツタ
１７は、同様にガイドルール１４の開口部１６を
ブレード８の下降時の通路を確保して閉塞するも
のである。

すなわち、本例にあつてはワークに対する切断
角度の変更に際し、ターンテーブル２をブレード
８とともに回動したとき、シヤツタ１７の両シヤ
ツタプレート１８を、ターンテーブル２に連動す
る連動片１９を介して自動的に定規面１５に沿つ
て水平移動させると同時にシヤツタ１７のブレー
ド挿入口２０をブレード８の回動変位に追従して
常にブレード８の直下へ変位させることができ、
このシヤツタ１７によつてターンテーブル２の全
回動範囲にわたり常にガイドルール１４の開口部
１６をブレード８の下降時の通路を確保して閉塞
することができる。

したがつて、ガイドルール１４の開口部１６間
を通過した切断残片がブレード８の下降時にブレ
ードケース１０とブレード８との間などに喰込ん
で切断作業が阻害される不具合を的確に防止し、
かつ、切断残片の通過路を閉塞するための機構を
簡略化し得る効果がある。

とくに、両シヤツタプレート１８はガイドルー
ル１４の一部を分割した形状をもつ小片状で、定
規面１５の一部を分担するように構成しているた
め、閉塞機構をコンパクト化及び軽量化しかつシ
ヤツタ１７を移動させるための操作力を軽減して
シヤツタ１７を円滑かつ的確に移動し得るととも
に、ワークの切断部位付近に対するガイド機能を
高め得る特長がある。

（発明の効果） 以上のように、本発明は、ガイドルールの開口
部に臨むシヤツターを同ガイドルールに沿つて移
動可能に設けるとともに、シヤツターに前記ブレ
ードが挿通する挿入口を形成し、同シヤツターを
ターンテーブルの回動に伴つて移動して前記ガイ
ドルールの開口部を常に閉鎖するものであるか
ら、ブレードの昇降通路を同ブレードの昇降通路
をブレードの全回動範囲で常に確保して該開口部
を的確に閉塞し得るとともに、閉塞機構を簡略化
およびコンパクト化し得る効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
イ，ロはそれぞれ要部の平面図、第２図は要部の
分解斜視図、第３図は丸鋸盤の側面図、第４図は
第１図ロのＡ−Ａ線拡大断面図である。 １……ベース、２……ターンテーブル、８……
ブレード、１４……ガイドルール、１５……定規
面、１６……開口部、１７……シヤツタ、１８…
…シヤツタプレート、１９……連動片、２０……
ブレード挿入口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ベースに対し回動可能に装設されたターンテ
   ーブルと、該ターンテーブル上に載置されるワー
   クを昇降動作により切断しかつ前記ターンテーブ
   ルとともに回動可能なブレードと、前記ベースに
   対し前記ターンテーブル上を跨いで設けられかつ
   前記ブレードの回動範囲に対応する開口部を有す
   るワーク定置用のガイドルールとを備えた丸鋸盤
   において、前記ガイドルールには前記開口部に臨
   むシヤツターを同ガイドルールに沿つて移動可能
   に設け、このシヤツターは前記ブレードが挿通す
   る挿入口を形成するとともに、前記ターンテーブ
   ルと同テーブルの回動に伴つて移動して前記開口
   部を常に閉塞するように連繋せしめたことを特徴
   とする丸鋸盤における切断残片の遮断装置。