JPH0149431B2 - - Google Patents

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JPH0149431B2
JPH0149431B2 JP60075366A JP7536685A JPH0149431B2 JP H0149431 B2 JPH0149431 B2 JP H0149431B2 JP 60075366 A JP60075366 A JP 60075366A JP 7536685 A JP7536685 A JP 7536685A JP H0149431 B2 JPH0149431 B2 JP H0149431B2
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JP
Japan
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dispersant
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pigment
hydrophilic
group
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Application number
JP60075366A
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English (en)
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JPS61235478A (ja
Inventor
Yoshifumi Sugito
Keiji Nakajima
Michei Nakamura
Kazuo Kano
Takamitsu Shinoda
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Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Original Assignee
Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、筆記および記録用水性顔料インキ組
成物に関し、更に詳しく云えば、顔料および特定
の重合体分散剤を使用することにより耐光性、耐
水性等の諸物性が良好で、かつ顔料の分散安定
性、保存安定性に優れた筆記および記録用に有用
な水性顔料インキ組成物に関する。
(従来の技術) 従来、水性のサインペン、プラスチツクペン、
ボールペン、フエルトペン、万年筆、毛筆、製図
用ドローイングペン等の筆記具用の水性インキ
や、情報記録端末用のプロツターやインクジエツ
ト記録用の水性インキ等はその色素成分としては
主に水溶性染料が使用されている。しかし、耐水
性、耐光性等の物性が劣るという欠陥を有するた
め、それらの物性の優れた顔料を水性インキの色
素成分として使用する試みがなされ、例えば特公
昭55−35434号公報の如く、多くの提案がなされ
ている。
(発明が解決しようとする問題点) 顔料はそれ自体では水性インキ媒体に不溶のも
のであり、媒体中にて顔料粒子を摩砕して非常に
微細な粒子にすると共に、分散剤の作用で媒体中
に安定に分散させることによつて水性顔料インキ
として使用することが可能となつた。
しかし、顔料分散剤としてポリビニルアルコー
ルなどの水溶性重合体を使用した場合には顔料の
分散安定性に劣り、また筆記後の耐水性にも劣つ
た。
顔料の分散剤として親水性部分のほかに親油性
部分を併せ有する重合体を使用することも提案さ
れ(特公昭55−35434号公報)、親油性部分が顔料
と親和性を有するためか、低粘度の水性インキ中
であつても顔料の分散安定性が向上された。
しかるに水性顔料インキ組成物はその保管中、
輸送中あるいは陳列中等の様々な条件において品
質が安定で実質的変化を起さないことが必要なこ
とである。
かかる観点から上記の顔料分散剤を用いた顔料
水性インキ組成物をみるに、常温では優れた安定
性を有するものであるが、高温の環境にて長期間
保管されると、インキが増粘したり、極端な場合
はゲル化の傾向を示し、筆記不能となつてしまう
おそれがあつた。そこで更に優れた水性顔料イン
キ組成物の開発が要望されている。
本発明者らは上記の如き要望に応えるべく鋭意
研究の結果、顔料の分散剤として特定の親水性重
合体を使用して得られた水性顔料インキ組成物が
上述の要望に十分応え得るものであることを知見
し、本発明を完成した。
(問題点を解決するための手段) すなわち、本発明は、顔料および分散剤を含
み、媒体が水性媒体である筆記および記録用水性
顔料インキ組成物において、上記分散剤が親油性
部分、カチオン性部分および親水性部分を併せ有
する重合体であり、上記水性媒体が低揮発性ない
し不揮発性の親水性有機溶剤を含有することを特
徴とする筆記および記録用水性顔料インキ組成物
である。
本発明を詳細に説明すると、本発明で使用する
顔料は、従来公知の有機および無機顔料がすべて
使用でき、例えばアゾ系、フタロシアニン系、キ
ナクリドン系、アンスラキノン系、ジオキサジン
系、インジゴ・チオインジゴ系、ペリノン・ペリ
レン系、イソインドレノン系、アゾ―メチンアゾ
系等の有機顔料、酸化チタン、酸化鉄系、カーボ
ンブラツク系等の無機顔料である。
これらの顔料は粉末状でも瀘過ケーキの水性ペ
ースト状でも使用されるが、分散のしやすさから
は水性ペーストを使用することが好ましい。
水性顔料インキ組成物中の顔料の含有量はイン
キとして使用して書かれたり、記録された情報が
読めたり、認識されたり、識別される濃さである
ことが必要であり、特に規定されるものではない
が好ましくは、凡そ3〜30重量%である。
特にカーボンブラツク顔料は筆記および記録用
のインキとして最も多く使用される黒色インキに
使用される顔料であるが、極性が強くまた粒子が
著るしく細かいため、通常分散が困難な顔料とさ
れていたが、本発明による分散剤を使用して分散
を行なつた場合には特に優れた効果をもたらすこ
とができ、優れた顔料インキを得ることができ
た。
本発明に使用する分散剤は、親油性部分、親水
性部分に、更にカチオン性部分を併め有するもの
であることに大きな特徴を有するものであつて、
その効果は次の如くである。
顔料例えば前記した様なカーボンブラツク顔料
は水性媒体中においては負電荷を有しており、本
発明の分散剤を使用した場合にはその有する親油
性部分による吸着のほか、カチオン性部分による
電気的吸引力によつて分散剤が強固に顔料表面に
固着しているものと考えられ、また該分散剤の親
水性部分は水性の媒体に溶解しているものであ
り、従つて、顔料粒子は分散剤のそれらの三つの
部分の作用により媒体中に安定に保持され、分散
されているものと考えられる。
本発明の分散剤として使用する重合体はα,β
―エチレン性不飽和基を有する単量体の付加重合
体である。分散剤の親油性部分を形成する単量体
は親油性をもたらす従来公知の疎水性単量体であ
り、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸のアルキル
エステル、シクロアルキルエステル、アリールア
ルキル(arylalkyl)エステル、アリール(aryl)
エステル等であり、また芳香族ビニル化合物等で
ある。更に具体的には、例えばアクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸
等の炭素数1〜20のアルキルエステル、シクロヘ
キシルエステル、ベンジルエステル、フエニルエ
ステル等、スチレン、α―メチルスチレン、ビニ
ルトルエン等である。
上記において特に炭素数4〜16のアルキル基、
シクロアルキル基、アリールアルキル基、アリー
ル基を有する単量体が好ましいものである。この
ような単量体からなる親油性部分は分散剤中で約
10〜93重量%であり、好ましくは30〜90重量%で
ある。
分散剤のカチオン性部分を形成する単量体とし
ては、分子中に第一級、第二級、第三級アミノ
基、第四級アンモニウム基、ピリジニウム基を有
する従来公知の単量体が使用される。
例えば前記した如き不飽和カルボン酸類のN―
アルキルアミノアルキルエステル、N,N―ジア
ルキルアミノアルキルエステル、N,N,N―ト
リアルキルアンモニウムアルキルエステル、γ―
(N―アルキルアミノ)―β―ヒドロキシ―プロ
ピルエステル、γ―(N,N―ジアルキルアミ
ノ)―β―ヒドロキシ―プロピルエステル、γ―
(N,N,N―トリアルキル―アンモニウム)―
β―ヒドロキシ―プロピルエステル等;N,N―
ジアルキルアミノアルキルアミド等でありまたビ
ニルピリジン等である。
また、本発明の分散剤中の親水性部分とは、 (a) アニオン性親水基およびその水媒体可溶性
塩、 (b) カチオン性親水基およびその水媒体可溶性
塩、 (c) ノニオン性親水基、 およびそれらの混合物を有する重合体部分であ
る。
(a) アニオン性親水性基としては例えばカルボキ
シル基、スルホン酸基、硫酸エステル基および
リン酸エステル基等であり、アルカリ金属の塩
類例えばナトリウム塩、カリウム塩等、アンモ
ニウム塩、低級アミンの塩類例えばモノ―、ジ
―、トリ―の炭素数1〜3のアルキルアミン、
アルカノールアミン、アルキルアルカノールア
ミン、モルホリン、アルキルモルホリン等の塩
であり、またスルホン酸塩のカルシウム塩等で
ある。
(b) カチオン性親水性基としては、第一級、第二
級、第三級アミノ基、第四級アンモニウム基お
よびピリジニウム基であり、第一級アミノ基、
置換基が炭素数1〜4の第二級、第三級アミノ
基、第四級アンモニウム基およびその低級脂肪
酸の塩例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸の塩お
よび無機酸の塩例えば塩酸塩、臭酸塩、スルホ
ン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸塩等である。
(c) ノニオン性親水性基としては、ヒドロキシル
基、カルボアミド基、エーテル基等であり、ヒ
ドロキシエチル基、グリセリル基、ポリエーテ
ルグリコール基、カルボン酸アミド基等であ
る。
更に上記親水性部分を形成する単量体の例とし
ては、 (a) アニオン性のものとして、アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール
酸;上記のイタコン酸等に塩基酸のモノアミド
モノカルボン酸類;上記不飽和カルボン酸のヒ
ドロキシエチルエステル、ヒドロキシプロピル
エステル類の硫酸エステル、リン酸エステル;
上記不飽和カルボン酸のスルホエチルエステ
ル、スルホエチルアミド;スチレンスルホン酸
およびそれらの前記した水媒体可溶性塩であ
る。
また重合体形成後上記した単量体の重合体に
変えうる、例えば酸無水物、低級アルキルエス
テル等も同様に使用される。
(b) カチオン性のものとして、(a)で述べた不飽和
カルボン酸類のアミノアルカノールエステル、
N―アルキルアミノアルカノールエステル、
N,N―ジアルキルアミノアルカノールエステ
ル、N,N,N―トリアルキルアンモニウムア
ルカノールエステル、γ―アミノ―β―ヒドロ
キシ―n―プロピルエステル、γ―(N―アル
キルアミノ)―β―ヒドロキシ―n―プロピル
エステル、γ―(N,N―ジアルキルアミノ)
―β―ヒドロキシ―n―プロピルエステル、
N,N―ジアルキルアミノアルキルアミド等お
よびそれらの前記した水媒体可溶性塩である。
上記においてアルキル基は炭素数1〜4の低
級アルキル基が好ましいものであり、アルカノ
ールとしては炭素数2〜4の低級アルカノール
が好ましいものである。
また、これらは反応性を有する重合体を形成
させてのちカチオン性基を導入することによつ
ても得られる。
(c) ノニオン性のものとして、(a)で述べた不飽和
カルボン酸類のヒドロキシエチルエステル、ヒ
ドロキシプロピルエステル、ポリエチレングリ
コールエステル、アルコキシポリエチレンオキ
サイドエステル、グリセリルエステル、カルボ
アミド等である。
これらの使用量は分散剤を水性媒体中に実質的
に溶解ないし超微粒子的に分散さすに必要な量が
使用されるものであり、分散剤中の親油性部分、
カチオン性部分との関連によつても変つて来るも
のであるが、イオン性の親水性基をもたらす単量
体は比較的少量の使用でよく、非イオン性の親水
性基をもたらす単量体は比較的多量使用すること
が必要とされる。
分散剤中の好ましい凡その含有量としては重量
比で (a) アニオン性親水性部分としては約5〜40%、 (b) カチオン性親水性部分としては約10〜50%、 (c) ノニオン性親水性部分としては約20〜60%、 位が好ましいものである。
必要以上に多量に使用することは本発明の水性
顔料インキ組成物を使用して筆記または記録した
ものの耐水性を低下させることになり、好ましい
ことではない。
また、上記の単量体に加えて必要に応じて例え
ば、アルコキシエチルアクリレート、アルコキシ
エチルメタクリレート、酢酸ビニル、アクリロニ
トリル、塩化ビニリデンなどを添加して使用する
こともできる。
本発明において使用する上記の分散剤は上記単
量体を適切に混合し、従来公知の混合重合方法、
例えば溶液重合方法、懸濁重合方法、乳化重合方
法等いずれの重合方法によつても得ることができ
る。必要に応じて重合調節剤等公知の添加剤も使
用される。その際に使用される媒体はそのまま水
性媒体として使用される水または親水性溶媒であ
ればそのまま得られた重合液を使用することもで
きるし、また重合物を分離してのち溶解させて使
用することもできる。
このように重合して得られる本発明の分散剤は
特にその分子量によつて規定されるものではない
が、凡そ1000〜100000の範囲位のものが、溶液中
の重合体含有率、溶液粘度および、それを使用し
た水性顔料インキ組成物の粘度等の性質、堅牢性
等の品質等よりみて好ましいものである。
本発明の水性顔料インキ組成物において上記の
分散剤の使用量は、顔料の種類およびそれぞれの
銘柄によつて顔料の性質が異なるものであるため
規定しうるものではないが、凡そ約3〜300部、
好ましくは凡そ5〜100部である。無機系顔料は
密度も高く、粒子も比較的大きいので表面積は比
較的小さく、従つて分散剤は比較的少ない量で良
い。有機系顔料は密度は比較的低く、粒子は細か
いものが使用されることが多く、従つて比較的多
く使用される。
特にカーボンブラツク顔料は粒子が特に細かい
ため比較的多量に使用することが特に好ましもの
である。
また、本発明の水性顔料インキ組成物中に含ま
れる水性媒体は低揮発性ないし不揮発性の親水性
有機溶媒の水溶液が使用される。例えばエチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、グリセリン、ジグリセリン、メ
チルカルビトール、エチルカルビトール、ブチル
カルビトール等を水100部に対して5〜200部の比
率で混和、溶解した水溶液が好ましいものであ
る。
更に従来公知の添加剤、保湿剤、防錆剤、防腐
剤、分散剤、潤滑剤等は必要に応じて添加され
る。
本発明の水性インキ組成物は上記の構成々分お
よび配合からなり、その製造方法は各種の方法が
採用できる。例えば、上記の各成分を配合し、こ
れをボールミル、ホモミキサー、サンドグライン
ダー、スピードラインミル、ロールミル等の従来
公知の分散機により混合摩砕する方法が代表的で
ある。
上記製造方法においては不揮発性の親水性有機
溶剤は顔料の分散処理後に添加することも可能で
あるが、通常は同時に混合後分散処理するのが好
ましい。このような分散工程は経済性を考慮し
て、できるだけ顔料が高濃度の状態で行い、分散
処理後に水性インキとして適当な粘度、すなわち
約1〜20センチポイズ、好ましくは約3〜10セン
チポイズの粘度に低下させるのが好ましい。
(作用・効果) 以上の如くして得られた本発明の筆記および記
録用水性顔料インキ組成物は長期間貯蔵、保管し
ても、輸送、陳列等の様々な条件下においても品
質が安定であり、顔料粒子が凝集したり沈降する
現象は実質的に全く認められない。
これは顔料に対して分散剤がその有する親油性
部分による吸着に加えて、カチオン性部分による
電気的吸引力によつて強固にその表面に固着して
いるためであろうと考えられ、かつ該分散剤の親
水性部分の水性媒体への溶解力もあいまつて微細
化された顔料粒子が水性媒体中に安定に分解して
いるものと考えられる。
従つて、サインペン、プラスチツクスペン、ボ
ールペン、フエルトペン、万年筆、毛筆、製図用
ドローイングペン等の筆記具や、情報記録端末用
のプロツターやインクジエツト記録用の水性イン
キとして安定に使用されるものである。それらの
容器中やペン先部分で凝集したり目詰りを生じる
ことなく、良好な筆記が可能であり、更に低揮発
性ないし不揮発性の親水性有機溶剤を含有してい
るのでペン先の乾燥による目詰も生じない理想的
なインキであると云える。更に、用いている色素
が従来の染料と異なり水不溶性の顔料であるの
で、長期間の露光によつても全く褪色せず、筆記
後水にぬれてもニジミ等を全く生じない。
次に参考例および実施例をあげて本発明を具体
的に説明する。なお、文中、部および%とあるの
は重量を表わす。
参考例 1 スチレン15部、エチルアクリレート45部、N,
N―ジメチルアミノエチルメタアクリレート20部
およびメタクリル酸20部を混合し、別に溶媒とし
てイソプロピルアルコール50部、ブチルカルビト
ール50部にアゾビスイソブチロニトリル2部を加
え溶解し通常の方法にて溶液重合を行う。
重合が完結した時点で水酸化カリウム20%水溶
液50部を添加して、アルカリ水溶性重合物250部
を得た。
参考例 2 スチレン30部、ブチルイタコネート35部、N,
N―ジエチルアミノエチルメタアクリレート20
部、イタコン酸15部を混合し、別に溶媒としてエ
タノール70部、エチレングリコール70部、ジエチ
レングリコール70部に重合開始剤としてベンゾイ
ルパーオキサイド2部を加え溶解し通常の方法に
て溶液重合を行つた。重合が完結した時点で、ジ
エタノールアミン20部、水50部を加え攪拌溶解
し、水溶性重合物380部を得た。
参考例 3 メチルメタアクリレート30部、ヒドロキシエチ
ルメタクリレート20部、ブチルアクリレート20
部、N,N―ジメチルアミノエチルメタアクリレ
ート15部、メタクリル酸15部を混合し、別に溶媒
としてイソプロピルアルコール50部、ブチルカル
ビトール50部、アゾビスイソブチロニトリル2部
を加え、溶解し通常の方法にて溶液重合を行つ
た。重合が完結した時点で、ジエタノールアミン
15部、水35部を添加して、アルカリ水溶性重合物
250部を得た。
参考例 4 スチレン15部、エチルアクリレート15部、エチ
ルメタクリレート15部、エトキシエチルアクリレ
ート15部、γ―(N,N,N―トリメチルアンモ
ニウム)―β―ヒドロキシ―プロピルメタアクリ
レートの50%水溶液40部、メタクリル酸20部を混
合し、別に溶媒としてイソプロピルアルコール50
部、ブチルカルビトール50部、アゾビスイソブチ
ロニトリル2部を加え、溶解し通常の方法にて溶
液重合を行つた。重合が完結した時点で、ジエタ
ノールアミン15部、水15部を添加して、アルカリ
水溶性重合物250部を得た。
実施例 1 参考例1で得た重合液5.0部、カーボンブラツ
ク顔料10.0部、水25.0部、水酸化カリウム0.1部を
加え、ボールミルで約20時間分散し、顔料濃度で
10%になる様にエチレングリコール27部、水22.9
部を加え、更に30分間分散させ、黒色の水性顔料
分散液を得た。
次に、この分散液を超遠心分離機にかけ、分散
不良の粗大粒子を除き、粒度の均一な黒色の水性
分散液を得た。
このインキの顔料含有率9.7%、粘度4.7cpsで
低粘度であり、この組成物を中芯(吸蔵体)と、
プラスチツク成形で作つたペン先を有するプラス
チツクのサインペンに詰め試験したところ、従来
の染料水性サインペンに比較し、次のとおり画期
的に改良されたインキであることが判明した。
〈本発明のインキを用いたサインペン〉 1 耐水性…紙上に筆記後直ちに水につけてもに
じまない。
2 耐光性…筆記後フエードメーターにより40時
間褪色せず。
3 隠蔽力…充分にある。
4 保存性(60℃促進試験)…実用上問題なし 5 着色力…大 6 筆記特性…実用上問題なし 〈従来の染料を用いたサインペン〉 1 耐水性…紙上に筆記後直ちに水につけると全
く字が判読できない位にじむ。
2 耐光性…筆記後フエードメーターにより40時
間で殆んど褪色 3 隠蔽力…全くない。
4 保存性(60℃促進試験)…実用上問題なし 5 着色力…やや劣る 6 筆記特性…実用上問題なし また、この組成物を針ペン、万年筆、筆ペン、
ボールペンに使用したところ、上記のサインペン
の場合と同様、従来品に比し、耐水性、耐光性が
格段によく、隠蔽力があり、着色力も大きく、筆
記特性も良好な保存性に優れた水性の着色組成物
であることが明らかとなつた。
また、上記の特徴以外にも隠蔽力があり、重ね
書きした場合でも加色性が少ないため、また筆記
後の耐水性が良好なため、鮮明な字または像が書
けるなどの特徴を有する。
実施例 2 参考例2で得た重合液7.4部、フタロシアニン
ブルー顔料ペースト27.0部(顔料分10.0部)ジエ
タノールアミン2.0部を加え、ペイントシエーカ
ーにて5時間分散し、顔料濃度で10%になる様に
ジエチレングリコール20部、エチレングリコール
6.0部、水27.1部、ベンゾトリアゾール(防錆剤)
0.5部を加え、更に30分間分散させ水性顔料分散
液を得た。
次にこの分散液を超遠心分離機にかけ、分散不
良の粗粒子を除去し、9.7%の顔料含有率を有し
粘度4.5センチポイズの筆記具用水性インキを得
た。このものを金属ボールのペン先を有するボー
ルペンに詰め、各種の試験を行なつた結果、鮮明
な青色を有し、実施例1の結果と同様に耐水性、
着色力、隠蔽力、耐光性等に諸物性の優れ、また
保存性にも優れたものであり、長時間使用後にお
いてもペン先の腐食や錆の発生は認められなかつ
た。
実施例 3 参考例1で得た重合液5.0部、カーボンブラツ
ク顔料10.0部、水15.0部、エチレングリコール5.0
部、水酸化カリウム0.1部を加え、サンドミルに
て3時間分散した。更に水46.9部、グリセリン
18.0部、チオ尿素11.1部を添加し、顔料濃度で9.0
%にし、更に30分間分散させ、黒色の水性顔料分
散液を得た。
次に、この分散液を超遠心分離機にかけ、粗大
粒子を除去し、8.7%の顔料含有率を有し、4.2セ
ンチポイズの粘度の筆記具用水性インキを得た。
このものをフエルトペンに詰め各種の試験を行
つた結果、従来のフエルトペンのインキ中に比較
し、耐水性、耐光性、隠蔽力等の諸物性の優れ、
また保存性も優れたものであつた。
実施例 4 参考例3で得た重合液6.0部にジエタノールア
ミン3.0部、エチレングリコール5.0部、赤色不溶
性アゾ顔料ペースト36部(顔料分9.0部)をボー
ルミルにて6時間分散し、更にエチレングリコー
ル10.2部、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル6.3部、水28.0部、ベンゾトリアゾール(防
錆剤)0.5部を添加し、更に15分間混合分散し、
粗大粒子を除去するためにカートリツジフイルタ
ーを通過させ、顔料分8.8%、粘度4.6センチポイ
ズの赤色筆記具用水性顔料インキを得た。このも
のを実施例1で用いたものと同様なサインペンに
詰め、各種テストを行つところ、実施例1と同様
に隠蔽力があり、耐水性、耐光性などの諸物性に
優れ、また保存性に優れた赤色水性インキであつ
た。
実施例 5 参考例4で得た重合液5.0部、ハンザエロー
10G10.0部、水23.0部、ジエタノールアミン2.0部
をサンドミルにて約4時間分散した。ついで顔料
濃度が9.0%になる様にエチレングリコール10.7
部、グリセリン7.1部、水53.3部を添加し、更に
15分間混合分散し、粗大粒子を除去するために超
遠心分離機に掛け顔料分8.7%、粘度4.5センチポ
イズの筆記具用水性インキを得た。
このものをサインペンおよびフエルトペンに詰
めて、各種試験を行つたところ、実施例1と同様
に耐水性、耐光性、隠蔽性、筆記性等の優れまた
保存性に優れた黄色の水性インキであつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 顔料および分散剤を含み、媒体が水性媒体で
    ある筆記および記録用水性顔料インキ組成物にお
    いて、上記分散剤が親油性部分、カチオン性部分
    および親水性部分を併せ有する重合体であり、上
    記水性媒体が低揮発性ないし不揮発性の親水性有
    機溶剤を含有することを特徴とする筆記および記
    録用水性顔料インキ組成物。 2 分散剤中の親油性部分がアクリル酸、メタク
    リル酸、イタコン酸、フマール酸を包含するα,
    β―エチレン系不飽和カルボン酸のアルキルエス
    テル、シクロアルキルエステル、アリールアルキ
    ルエステルおよびアリールエステル、スチレン、
    α―メチルスチレン、ビニルトルエンあるいはそ
    れらの二種以上の混合物からなる重合体であり、
    該親油性部分が分散剤中で10〜93重量%を占める
    特許請求の範囲第1項に記載の顔料インキ組成
    物。 3 分散剤中のカチオン性部分が、第一級、第二
    級、第三級アミノ基、第四級アンモニウム基、ピ
    リジニウム基あるいはそれらの二種以上の基を有
    する重合体部分であり、該カチオン性部分が分散
    剤中で2〜50重量%を占める特許請求の範囲第1
    項に記載の顔料インキ組成物。 4 分散剤中の親水性部分が(a)カルボキシル基、
    スルホン酸基、硫酸エステル基またはリン酸エス
    テル基等のアニオン性基の水性媒体可溶性塩、(b)
    第一級、第二級、第三級アミノ基、第四級アンモ
    ニウム基またはピリジニウム基等のカチオン性基
    の水性媒体可溶性塩、(c)水酸基、ポリエチレンオ
    キサイド基またはカルボアミド基等のノニオン性
    基あるいはそれらの二種以上の基を有する重合体
    部分であり、親水性部分として分散剤中で (a) アニオン性親水性部分では5〜40重量%、 (b) カチオン性親水性部分では10〜50重量%、 (c) ノニオン性親水性部分では20〜60重量%、 を占める特許請求の範囲第1項に記載の顔料イン
    キ組成物。 5 低揮発性ないし不揮発性の親水性有機溶剤が
    エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
    リエチレングリコール、プロピレングリコール、
    ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセ
    リン、メチルカルビトール、エチルカルビトー
    ル、ブチルカルビトールあるいはそれらの混合物
    である特許請求の範囲第1項に記載の顔料インキ
    組成物。
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