JP3961733B2 - 顔料分散液及び筆記用又は記録用顔料インキ - Google Patents

顔料分散液及び筆記用又は記録用顔料インキ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔料分散液及び筆記用又は記録用インキに関し、更に詳しくは流動性、分散安定性、貯蔵安定性等に優れ、特に筆記用又は記録用顔料インキの製造に適した顔料分散液に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、繊維束芯やフエルト芯を使用した筆記用具に使用するマーキングインキは、樹脂と色素と溶剤とから作られ、色素としては染料が使用されている。溶剤は樹脂に対する溶解性や染料に対する溶解性の点からエステル系や芳香族系の溶剤が使用されている。
【0003】
しかしながら、芳香族系溶剤は作業者の健康に対して悪影響(有機溶剤中毒)を及ぼしたり、大気汚染物質であるために使用しないことが望ましい。筆記用インキは水性化が進んでいるが、未だに溶剤系のマーキングペンが広く使用されている。これは溶剤系のインキがポリエチレン等のプラスチックフィルムに対する筆記性や、プラスチックフィルムに筆記した直後の乾燥性が優れているからである。
【0004】
又、インクジェット印刷は、コンピューターに制御されたデジタル印刷であり、その印刷情報信号はコンピューターからプリンターに直接供給され、製版は必要ない。そのため印刷部数の少ない各種画像の印刷には特に適しており、近年のインクジェット印刷機の進歩は高精細で大きな各種画像の印刷を可能にしている。
【0005】
インクジェット印刷用インキは、低粘度で、安定性に優れていることが必要であり、有機溶剤系で染料を使用したインキはあるが、顔料を使用したインクジェット印刷用インキは技術的に困難なため、顔料タイプでは水性インキが使われている。しかしながら、水性インキは樹脂を展色剤として少ししか含んでいないので、そのため良好な発色が得られていない。又、プラスチックフィルムに対する接着の問題もある。このような事情から、顔料を使用した発色の良いアルコール系のインクジェット印刷用インキの開発が強く望まれている。
【0006】
ところで、従来の技術では塗料等で見られる如く、顔料を樹脂溶液に分散させる際には、樹脂の顔料に対する分散力に多くを期待し、樹脂の顔料に対する分散力が不十分な場合には、顔料分散剤(顔料処理剤)(以下単に分散剤という)が使用されてきた。通常の塗料では従来の分散剤で十分な顔料の分散が得られた。
【0007】
しかしながら、筆記用又は記録用顔料インキは、塗料と比べ、要求される粘度が極端に低く、更に要求される顔料の分散程度も極めて高度である。このような要求に対して、従来の樹脂や分散剤の使用では、顔料の十分な分散が得られなかったり、分散剤の顔料からの脱着や顔料と樹脂との親和性不足から、顔料分散液の粘度に経時変化が起こり、要求される性能を有する顔料分散液を得ることは極めて困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
有機溶剤系の顔料インキにおいて、溶剤としてエチルアルコール等のアルコール系の溶剤が使用できれば、筆記具を使用している人や、同一環境にいる人の健康に及ぼす悪影響が少なく、又、芳香族系溶剤を使用しないことで大気汚染の問題も改善が可能となり、更に水性インキの欠点である乾燥性やプラスチックフィルムに対する濡れの問題も解消される。そのうえ、アルコール系溶剤は自然界からの再生可能な資源であり、このような溶剤の使用は好ましいことである。しかしながら、従来公知のアルコール系溶剤に可溶な樹脂では、分散剤を使用しても低粘度、高分散及び高分散安定性の要求が満足された顔料インキを得ることは極めて困難である。
【0009】
従って本発明の目的は、顔料の分散性に優れ、粘度安定性に優れた顔料分散液、特にアルコール系溶剤に可溶な樹脂を顔料に対して十分な量を使用し、低粘度で且つ顔料分散性が良好で、粘度安定性にも優れ、筆記具又は記録器具を使用している人や、同一環境にいる人の健康に及ぼす悪影響が少ない、顔料を着色剤とする顔料分散液、筆記用インキ又は記録用インキを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、有機顔料と分散剤と被膜形成樹脂とアルコール系有機溶剤とからなる顔料分散液において、分散剤が、下記の一般式(I)で表わされる化合物からなることを特徴とする顔料分散液;該分散液からなる筆記用又は記録用顔料インキ;及び該インキを有する筆記具及び記録用機器を提供する(以下「顔料分散液、筆記用インキ又は記録用インキ」を纏めて単に「インキ」という)。
Figure 0003961733
(但し、上記式中のXは、水素原子、水酸基、アルコキシ基、1級、2級又は3級アミノ基、又はアシルアミノ基であり、Yは5位に水素原子、水酸基、アルコキシ基、1級、2級又は3級アミノ基、又はアシルアミノ基を有するアントラキノニルアミノ基、フェニルアミノ基或いはフェノキシ基であり、A及びBはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、A又はBの少なくとも一方は塩基性窒素原子を有する置換基を少なくとも1個有する上記の基を表し、Zは水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基又はベンゾイルアミノ基を表す。)
上記「塩基性窒素原子を有する置換基」とは、1級、2級又は3級アミノ基、第4級アンモニウム基及び/又はピリジニウム基であり、特に3級アミノ基が好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。本発明で用いる分散剤は、各種塗料、各種印刷インキ、各種顔料捺染剤、合成樹脂の着色剤等に使用される従来公知の各種顔料の分散剤として有用である。特に有用な用途はインキにおける顔料の分散剤としての用途であり、以下本発明をインキを代表例として説明する。
【0012】
本発明で用いる分散剤は、例えば、特公昭46−33232号公報、特公昭46−33233号及び特公昭46−34518号公報に開示されている製造方法或いはそれに準じる方法で製造される。1例を挙げれば、1−アミノ−5−ベンゾイルアミノアントラキノン1モルとアニリン又はフェノール1モルと塩化シアヌル1モルとをo−ジクロロベンゼン等の不活性な溶媒中で130℃〜160℃で2〜6時間、更に少なくとも1個の2級アミノ基と少なくとも1個の3級アミノ基を有し且つ1級アミノ基を有さないポリアミン1モルを添加して150〜170℃で3〜4時間反応させることによって得られる。
【0013】
上記方法において使用する「少なくとも1個の2級アミノ基と少なくとも1個の3級アミノ基を有し、且つ1級アミノ基を有さないポリアミン」としては、例えば、
N,N,N’−トリメチル−エチレンジアミン
N,N−ジメチル−N’−エチル−エチレンジアミン
N,N−ジエチル−N’−メチル−エチレンジアミン
N,N−ジメチル−N’−エチル−プロピレンジアミン
N,N,N’−トリメチル−プロピレンジアミン
N,N,N’−トリエチル−プロピレンジアミン
N,N,N’−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン
N,N−ジエチル−N’−メチル−p−フェニレンジアミン
N,N−ジプロピル−N’−メチル−p−フェニレンジアミン
N,N,N’−トリメチル−p−フェニレンジアミン
N,N,N’−トリメチル−m−フェニレンジアミン
N,N,N’−トリエチル−p−フェニレンジアミン
N,N−ジエチル−N’−メチル−1,4−ジアミノシクロヘキサン
N,N−ジエチル−N’−メチル−1,3−ジアミノシクロヘキサン
N,N,N’−トリメチル−1,4−ジアミノシクロヘキサン
N,N,N’−トリエチル−1,4−ジアミノシクロヘキサン
N−メチルピペラジン
N−エチルピペラジン
N−イソブチルピペラジン
2−クロロフェニルピペラジン
N−(2−ピリジル)ピペラジン
N−(4−ピリジル)ピペラジン
メチルホモピペラジン等が挙げられる。
【0014】
上記化合物に加えて、特に好ましいものとしては,
N,N,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン
N,N,N”,N”−テトラ(n−プロピル)ジエチレントリアミン
N,N,N”,N”−テトラ(i−プロピル)ジエチレントリアミン
N,N,N”,N”−テトラ(n−ブチル)ジエチレントリアミン
N,N,N”,N”−テトラ(i−ブチル)ジエチレントリアミン
N,N,N”,N”−テトラ(s−ブチル)ジエチレントリアミン
N,N,N”,N”−テトラ(t−ブチル)ジエチレントリアミン
3,3’−イミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)
3,3’−イミノビス(N,N−ジエチルプロピルアミン)
3,3’−イミノビス〔N,N−ジ(n−プロピル)プロピルアミン〕
3,3’−イミノビス〔N,N−ジ(i−プロピル)プロピルアミン〕
3,3’−イミノビス〔N,N−ジ(n−ブチル)プロピルアミン〕
3,3’−イミノビス〔N,N−ジ(i−ブチル)プロピルアミン〕
3,3’−イミノビス〔N,N−ジ(s−ブチル)プロピルアミン〕
3,3’−イミノビス〔N,N−ジ(t−ブチル)プロピルアミン〕
4,4’−イミノビス(N,N−ジメチルブチルアミン)
4,4’−イミノビス(N,N−ジエチルブチルアミン)
2,9−ジメチル−2,5,9−トリアザデカン
2,12−ジメチル−2,6,12−トリアザトリデカン
2,12−ジメチル−2,5,12−トリアザトリデカン
2,16−ジメチル−2,9,16−トリアザヘプタデカン
3−エチル−10−メチル−3,6,10−トリアザウンデカン
5,13−ジ(n−ブチル)−5,9,13−トリアザヘプタデカン
2,2’−ジピコリルアミン
3,3’−ジピコリルアミン等が挙げられる。
【0015】
上記方法により得られる分散剤のうちで、好ましい分散剤は下記の一般式(1)で表される化合物であり、更に好ましい分散剤は下記の一般式(2)で表される化合物であり、特に好ましい分散剤は下記の一般式(3)で表される化合物である。
Figure 0003961733
(但し、上記式中のX、Y及びZは前記定義の通りであり、R1〜R4は、同じでも異なってもよく、置換若しくは未置換のアルキル基又は置換若しくは未置換のシクロアルキル基であり、R1とR2及び/又はR3とR4は、夫々隣接する窒素原子と結合して更に窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を含んでもよい複素環を形成してもよく、R5及びR6は、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基である。)
【0016】
Figure 0003961733
(但し、上記式中のX、Y、Z及びR1〜R4は前記定義の通りであり、n及びmは2〜30の整数である。)
尚、前記の式(I)及び上記の式(1)〜(2)におけるアシルアミノ基は、−NHCORで示される基であり、Rはフェニル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等である。
【0017】
Figure 0003961733
(但し、上記式中のXは水素原子又はベンゾイルアミノ基であり、Zは水素原子であり、R1〜R4は、同じでも異なってもよく、メチル基又はエチル基を、n及びmは2又は3を表す。)
【0018】
本発明において好ましい分散剤の具体例を以下に挙げるが、本発明で使用する分散剤はこれらの例示に限定されるものではない。尚、以下の式中のXはベンゾイルアミノ基を表わす。
Figure 0003961733
【0019】
Figure 0003961733
【0020】
Figure 0003961733
【0021】
Figure 0003961733
【0022】
Figure 0003961733
【0023】
Figure 0003961733
【0024】
Figure 0003961733
【0025】
Figure 0003961733
及び上記具体例1〜6の第4級アンモニウム化合物及び具体例7〜8のピリジニウム化合物。
【0026】
本発明のインキは、上記の分散剤と顔料と被膜形成樹脂と有機溶剤とから構成される。本発明で使用される顔料としては、従来公知の顔料はいずれも使用することができる。例えば、アゾ系、縮合アゾ系、アンスラキノン系、ペリレン・ペリノン系、インジゴ・チオインジゴ系、イソインドリノン系、アゾメチン系、アゾメチンアゾ系、キナクリドン系、フタロシアニンブルー、ジオキサジンバイオレット、アニリンブラック系等の顔料が使用できる。特に好ましい顔料としては、C.I.ピグメントレッド(以下P.R.と称す)177、P.R.254、P.R.242、C.I.ピグメントグリーン(以下P.G.と称す)36、C.I.ピグメントブルー(以下P.B.と称す)15:2、P.B.15:6、P.B.60、C.I.ピグメントイエロー(以下P.Y.と称す)138、P.Y.185、P.Y.150、P.Y.139、C.I.ピグメントバイオレット23等が挙げられる。
【0027】
本発明で使用される有機溶剤としては、本発明のインキを筆記用又は記録器具用のインキとして使用する場合にはアルコール系溶剤を使用する。アルコール系溶剤としては、沸点が150℃以下のアルコールを含む溶剤が好ましい。アルコール系溶剤中のアルコールの使用割合は、少なくとも10重量%であり、好ましくは50〜100重量%である。
【0028】
アルコールとしては、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、プロピルオキシエタノール等が好ましい。これらは単独で又は二種以上を混合して使用することができる。又、これら以外の溶剤についても本発明の趣旨に反しない範囲で使用することができ、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン等が併用できる。
【0029】
本発明で使用する被膜形成樹脂(以下単に樹脂と称する。)は、前記有機溶剤、特に前記アルコール系溶剤に可溶であることが必要であり、このような樹脂はカルボキシル基、水酸基又はアミド基を有する付加重合性単量体及びこれらと付加共重合可能な単量体を構成単量体とする樹脂である。以下に本発明に使用される樹脂を構成する単量体について説明する。
【0030】
カルボキシル基を有する単量体は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、及びこれらのアルキルモノエステル、ヒドロキシアルキルモノエステル等;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルと二塩基酸、例えば、無水琥珀酸、無水フタル酸、又は無水シクロヘキサンジカルボン酸等とのモノエステル等が挙げられる。尚、本発明では、アクリル酸及びメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と称する。
【0031】
水酸基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル又はヒドロキシプロピル;上記の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルと二塩基酸とのモノエステルとジヒドロキシアルキル化合物とのエステル、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル又はヒドロキシプロピル等と琥珀酸、フタル酸、又はシクロヘキサンジカルボン酸等とのモノエステルとエチレングリコール又はプロピレングリコール等のジヒドロキシアルキル化合物とのモノエステル等がある。尚、上記のカルボキシル基や水酸基を有する単量体におけるアルキル基の炭素数は1〜12程度である。
【0032】
又、アミド基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、例えば、(メタ)アクリル酸ブトキシメチルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−tert−ブチルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−アルキルオキシエチル(メタ)アクリルアミド等が使用できる。
【0033】
上記単量体以外にも樹脂に耐水性や可撓性その他の物性を付与するために、アルコール系溶剤に可溶な範囲で上記の各単量体と共重合可能な付加重合性単量体を用いることができる。例えば(メタ)アクリル酸のエステル、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸べンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸テトラフルフリル等;スチレン、スチレン誘導体、例えば、α−メチルスチレン等;二塩基酸のジアルキルエステル、例えば、マレイン酸のジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、イタコン酸のジアルキルエステル等;更に酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル等が使用できる。
【0034】
本発明で使用する樹脂は、上記の単量体を使用し、従来公知のラジカル重合開始剤を用いて、或いは用いずに、例えば、懸濁重合やアルコール系溶剤を用いる溶液重合によって共重合させることで得ることができる。本発明で使用する樹脂としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルと二塩基酸のモノエステル(一般式CH2=C(R1)−COO−R2−O−CO−R3−COOH(式中のR1は水素原子又はメチル基、R2は分岐鎖を有してもよい炭素数が2〜6のアルキレン鎖、R3は分岐鎖又は不飽和基を有してもよいアルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基である。)で表わされる)モノマーを共重合体の少なくとも一部として共重合させた樹脂を使用することが好ましい。又、該共重合体と、上記特定のモノマーを含まない共重合体との混合物を使用してもよい。何れの場合にも樹脂全体の中で1〜50重量%、好ましくは3〜40重量%が(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルと二塩基酸とのモノエステルモノマー単位を含むことが好ましい。該単量体単位の含有量が少なすぎると、顔料の分散効果が少なく、多すぎると筆記物又は印字物の耐アルカリ性が悪くなるので好ましくない。
【0035】
上記の単量体の混合物を共重合して樹脂を得る場合には、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルと二塩基酸とのモノエステルが、単量体混合物中1〜50重量%、好ましくは3〜40重量%であることが好ましい。その他の単量体の使用割合は、得られる樹脂がアルコール系溶剤に可溶である範囲で、樹脂に要求される性能を満足するように適宜決められ、使用割合は特に限定されない。該樹脂の数平均分子量(該樹脂をGPCで測定し、得られたデータを標準ポリスチレンの対応するデータを参照して換算して得られる数平均分子量)は、通常、2,000〜100,000、好ましくは2,000〜50,000である。又、該樹脂の酸価は、通常、0.5〜300mgKOH/g、好ましくは5〜180mgKOH/gである。
【0036】
本発明のインキは、前記の顔料と分散剤と被膜形成樹脂と有機溶剤とを使用し、従来のインキや塗料の製造におけると同様にして製造することができ、製造方法自体は特に限定されない。例えば、顔料を予め前記の分散剤で処理した後、前記の樹脂のアルコール系溶剤溶液に分散させる方法、未処理の顔料と前記の分散剤とを上記の樹脂溶液と混合し、更に分散機で顔料を分散処理する方法等が挙げられる。
【0037】
顔料を予め分散剤で処理した後、樹脂のアルコール系溶剤溶液に分散させる方法を採用する場合には、顔料の処理は例えば次のように実施できる。(1)硫酸等に顔料及び分散剤を溶解した後、この溶液を水中に注いだ後、液をアルカリ性にして両者を固溶体として析出させ、濾過、水洗、乾燥及び粉砕により処理顔料を得る、(2)分散剤を硫酸、塩酸、又は酢酸等の塩とし、これを水中で顔料と混合し、必要に応じ、分散機で分散処理して顔料の表面に分散剤を吸着させた後、アルカリ析出し、濾過、水洗、乾燥及び粉砕により処理顔料を得る、又は(3)酢酸等の液状の有機酸に分散剤を溶解し、これに顔料を加えて、必要により、分散機で分散処理をして顔料表面に分散剤を吸着させた後、濾過、アルカリ洗浄、水洗、乾燥及び粉砕により処理顔料を得る。このようにして得られる処理顔料を、樹脂のアルコール系溶液に分散させることにより本発明のインキが製造される。
【0038】
又、未処理顔料と分散剤を樹脂溶液に混合し、分散機で分散処理する方法を用いる場合には、樹脂のアルコール系溶剤溶液に顔料と分散剤とを添加し、必要であれば、予備混合し、分散機で分散してインキとする。本発明において使用できる分散機は特に制限されず、例えば、ニーダー、アトライター、ボールミル、ガラスやジルコン等を使用したサンドミルや横型メディア分散機、コロイドミル等が挙げられる。分散処理した顔料を使用する場合には、更に処理顔料を固形の樹脂に分散させて顔料チップを得、該顔料チップをアルコール系溶剤に溶解し、必要であれば、更に樹脂を追加してインキを得ることもできる。
【0039】
顔料チップを得る方法としては、例えば、(1)懸濁重合で得た固形の樹脂又は溶液重合で得た樹脂の溶液から分離した固形の樹脂と分散処理顔料とを、ニーダー、バンバリーミキサー、ミキシングロール又は三本ロール等で混練する操作のいずれかを単独で又は組み合わせて加熱下に顔料を樹脂中に分散させ、次いで粉砕又は切断してチップを得る方法、(2)樹脂の水溶性溶剤溶液と、処理顔料のプレスケーキをニーダーで混合し、樹脂の軟化温度又はそれ以上に加熱して水を除去し、必要であれば、更に三本ロールや押し出し機等を用いて顔料を分散させ、粉砕又は切断して顔料チップを得る方法、(3)分散処理顔料のプレスケーキと固形の樹脂とを、樹脂の軟化温度以上でフラッシングする方法等がある。
【0040】
本発明のインキにおいては、前記の分散剤は、顔料100重量部に対して、通常、0.5〜50重量部、好ましくは、1〜30重量部の割合で使用する。又、前記の樹脂に対する顔料の使用割合は、樹脂100重量部に対して、通常、5〜500重量部の範囲である。
本発明のインキ中の顔料濃度は、顔料の種類にもよるが、通常0.3〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%である。又、インキの粘度は、通常1〜50ミリパスカル・秒(mPa・s)、好ましくは2〜30mPa・sであるが、筆記具の構造により7mPa・sより低いことが必要な場合もある。インキにおいて特に重要なことは、粘度の経時安定性に優れていることであるが、本発明のインキは、顔料とともに前記の分散剤及び樹脂を用いることで、優れた粘度の経時安定性が付与される。
【0041】
尚、本発明のインキには、更に各種の添加剤を加えることができる。かかる添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、抗酸化剤等の耐久性向上剤;沈降防止剤;剥離剤又は剥離性向上剤;芳香剤、抗菌剤;可塑剤、乾燥防止剤等が使用でき、更に必要であれば、染料を添加することもできる。又、樹脂として、前記の本発明で使用する樹脂と相溶性のある樹脂を、顔料の分散安定性を低下させない限りにおいて併用することもできる。
得られたインキは通常そのままで使用できるが、遠心分離機、超遠心分離機又は、ろ過機で、場合により僅かに存在するかも知れない顔料の粗大粒子を除去することにより、筆記用具又は記録用具の信頼性を高めることができるので好ましい。
【0042】
このようにして得られた本発明のインキを、多孔質芯を有する容器に充填することで本発明による筆記具が得られる。容器は従来公知の多孔質芯を有する各種筆記具と同様、筆記し易い大きさと形状であればよく、特に制限されない。容器の材質は蓋を含めて、溶剤の透過が実質的にないものであれば金属でも、プラスチックでもよく、或いはこれらの複合材料でもよい。
【0043】
又、多孔質芯は容器の中から筆記に応じてインキが芯の先端まで移動できるものであれば構造や材質は問わないが、優れた筆記性、耐久性及び耐溶剤性が必要である。例えば、繊維束やフエルト状芯の繊維としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ビニロン等の合成繊維やセルロース及びセルロース系再生繊維、更には羊毛や絹や綿等の天然繊維等が使用でき、プラスチックの連続気泡性発泡体としては硬質及び軟質のウレタン樹脂発泡体やポリビニルアルコールのアセタール化物の発泡体や再生繊維の発泡体が使用できる。インキ吸蔵体としては繊維を束にしたもの、フエルト状にしたもの、編んだもの等、プラスチックの連続気泡性発泡体等が使用できる。
【0044】
【実施例】
次に、合成例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、文中部又は%とあるのは重量基準である。
【0045】
合成例1
o−ジクロロベンゼン600部に62部の1−アミノアントラキノンと25部の塩化シアヌルを加え130℃で5時間撹拌する。冷却後、更にN,N,N”,N”−テトラエチルジエチレントリアミン50部を添加して170℃にて3時間撹拌する。濾過後得られたフィルターケーキをエチルアルコールで洗浄し、乾燥後、前記具体例(1)の分散剤1を得た。
【0046】
合成例2
合成例1と同様にして、塩化シアヌルに1−アミノアントラキノン及び3,3’−イミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)を順次縮合反応させて前記具体例(2)の分散剤2を得た。
【0047】
合成例3
合成例1と同様にして、塩化シアヌルに1−アミノアントラキノン及び3−エチル−10−メチル−3,6,10−トリアザウンデカンを順次縮合反応させて前記具体例(3)の分散剤3を得た。
【0048】
合成例4
合成例1と同様にして、塩化シアヌルに1−アミノ−5−ベンゾイルアミノアントラキノン及び3,3’−イミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)を順次縮合反応させて前記具体例(4)の分散剤4を得た。
【0049】
合成例5
合成例1と同様にして、塩化シアヌルに1−アミノ−5−ベンゾイルアミノアントラキノン、アニリン及び3,3’−イミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)を順次縮合反応させて前記具体例(5)の分散剤5を得た。
【0050】
合成例6
合成例1と同様にして、塩化シアヌルに1−アミノアントラキノン及び5,13−ジ(n−ブチル)−5,9,13−トリアザヘプタデカンを順次縮合反応させて前記具体例(6)の分散剤6を得た。
【0051】
合成例7
合成例1と同様にして、塩化シアヌルに1−アミノアントラキノン及び2,2’−ジピコリルアミンを順次縮合反応させて前記具体例(7)の分散剤7を得た。
【0052】
合成例8
合成例1と同様にして、塩化シアヌルに1−アミノアントラキノン及び3,3’−ジピコリルアミンを順次縮合反応させて前記具体例(8)の分散剤8を得た。
【0053】
被膜形成樹脂の合成例
ヒドロキシエチルメタクリレート75部、α−メチルスチレン25部、メチルメタクリレート100部、アクリロイルオキシエチルフタレート75部、ラウリルメタクリレート75部、ジアセトンアクリルアミド150部、アゾビスイソブチロニトリル15部、エタノール550部、メチルシクロヘキサン150部及び酢酸エチル50部を重合容器に仕込み、冷却管をセットして75℃で10時間重合する。冷却後、樹脂溶液を重合容器から取り出した。これを樹脂液とする。樹脂分は40%で、粘度は250mPa・sであり、樹脂の数平均分子量(GPCで測定、標準ポリスチレン換算)は8,600で、酸価は39であった。
【0054】
実施例
上記の樹脂液の250部とベンジジンイエロー(P.Y.83)50部、合成例1の分散剤(1)4部、エタノール536部、メチルシクロヘキサン60部及びエトキシプロパノール100部を横型メディア分散機を使用して分散させ、更に、超遠心分離により粗大粒子を除去して本発明のインキを得た。顔料の平均の粒子径は95nmで、粘度は3.5mPa・sであった。又、該インキを50℃で1週間保存したが顔料の沈降は認められず、粘度を計ったところ3.5mPa・sであり、粘度変化はなかった。
【0055】
次に、上記のインキを繊維束の芯を有するペン体に詰めてポリエチレンフィルムに筆記したところ、良好に筆記できた。又、該インキ100部にエトキシプロパノール20部とベンジルアルコール5部を追加して得たインキを使用して、インキジェット印刷機にて印刷したところ、良好な印刷物が得られた。
【0056】
実施例
分散剤として、合成例2〜8の分散剤のそれぞれを用いた以外は、実施例と同様にして黄色インキを得、実施例と同様にして評価した。この結果を実施例の結果とともに表1に示す。表中の○は筆記性が良好な場合及びインキジェット印刷性が良好な場合を、△は筆記性が不充分な場合を、又、インキジェット印刷性が不充分な場合を示している。
比較例1
分散剤を使用しなかった以外は実施例と同様にして黄色インキを得、実施例と同様にして評価した。この結果を表1に示す。
【0057】
Figure 0003961733
【0058】
実施例
分散剤2の10部を氷酢酸5部を含む100部の水溶液に溶解させ、この溶液を赤色顔料(P.R.254)のスラリー(顔料分100部)中に添加して60分間撹拌する。次に水酸化ナトリウムの10%水溶液を徐々に加えて系のpHを8.5に調整する。更に30分間撹拌した後、生成した固形物を濾過及び洗浄して90℃で乾燥及び粉砕して、分散剤で表面処理された108部の赤色顔料粉末を得た。
【0059】
このようにして得られた表面処理顔料を、市販のメラミン/アルキド塗料中にボールミルにて分散(顔料分15%)したところ、得られた着色塗料は低粘度であり、ほぼニュートニアン流動に近い流動性を示した。又、この赤色塗料を市販のメラミン/アルキドの白塗料と混合して淡赤色塗料を作成し、1週間保存したところ、色の分離が無く均一な状態であった。
比較例2
分散剤2で表面処理をしない赤色顔料(P.R.−254)を使用した以外は実施例と同様にして塗料を作製し、実施例と同様にして評価したところ、該塗料は高粘度であり、白塗料との混合塗料では赤色顔料が凝集を起こして、分離及び沈降を起こしていた。
【0060】
実施例1
分散剤3の8部を氷酢酸5部を含む100部の水溶液に溶解させ、この溶液を赤色顔料(P.R.−254)のスラリー(顔料分100部)中に添加して60分間撹拌する。次に水酸化ナトリウムの10%水溶液を徐々に加え、系のpHを8.5に調整する。更に30分間撹拌した後、生成した固形物を濾過及び洗浄して90℃で乾燥及び粉砕して分散剤で表面処理された105部の赤色顔料粉末を得た。
【0061】
このようにして得られた顔料組成物を、市販のアクリルラッカーにビーズミルを使用して分散し、顔料分13%の赤色塗料を作成した。この塗料をラッカー用シンナーにて粘度調整し、鉄板にスプレー塗装を行い、乾燥膜厚32μmの赤色塗装板を得た。このものは鮮映性に優れ、高光沢を示した。
比較例3
分散剤3で表面処理をしない赤色顔料(P.R.−254)を使用した以外は実施例1と同様にして塗料を作製し、同様に粘度調整し、実施例1と同様にして評価したところ、赤色塗装板の塗膜表面が平滑ではなく光沢も低いものであった。
【0062】
【発明の効果】
上記本発明によれば、従来公知の各種顔料の分散剤として有用であり、インキ、各種塗料、各種印刷インキ、各種顔料捺染剤、合成樹脂の着色剤等に使用される各種顔料の分散剤が提供される。特に本発明の分散剤を赤、緑、青、黄、紫のインキの分散剤として添加して使用することにより、低粘度のインキを安定に製造することができ、最終的に優れたインキを得ることができる。

Claims (13)

  1. 有機顔料と分散剤と被膜形成樹脂とアルコール系有機溶剤とからなる顔料分散液において、分散剤が、下記の一般式(I)で表わされる化合物からなることを特徴とする顔料分散液
    Figure 0003961733
    (但し、上記式中のXは、水素原子、水酸基、アルコキシ基、1級、2級又は3級アミノ基、又はアシルアミノ基であり、Yは5位に水素原子、水酸基、アルコキシ基、1級、2級又は3級アミノ基、又はアシルアミノ基を有するアントラキノニルアミノ基、フェニルアミノ基或いはフェノキシ基であり、A及びBはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、A又はBの少なくとも一方は塩基性窒素原子を有する置換基を少なくとも1個有する上記の基を表し、Zは水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基又はベンゾイルアミノ基を表す。)
  2. 前記塩基性窒素原子を有する少なくとも1個の置換基が、1級、2級又は3級アミノ基、第4級アンモニウム基又はピリジニウム基であり、該塩基性窒素原子を有する置換基が2個以上存在する場合には、それらは同種であっても異種であってもよい請求項1に記載の顔料分散液
  3. 一般式(I)で表わされる化合物が、下記の一般式(1)で表わされる請求項1に記載の顔料分散液
    Figure 0003961733
    (但し、上記式中のX、Y及びZは前記定義の通りであり、R1〜R4は、同じでも異なってもよく、置換若しくは未置換のアルキル基又は置換若しくは未置換のシクロアルキル基であり、R1とR2及び/又はR3とR4は、夫々隣接する窒素原子と結合して更に窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を含んでもよい複素環を形成してもよく、R5及びR6は、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基である。)
  4. 一般式(I)で表わされる化合物が、下記の一般式(2)で表わされる化合物である請求項1に記載の顔料分散液
    Figure 0003961733
    (但し、上記式中のX、Y及びZは前記定義の通りであり、R1〜R4は、同じでも異なってもよく、置換若しくは未置換のアルキル基又は置換若しくは未置換のシクロアルキル基であり、R1とR2及び/又はR3とR4は、それぞれ隣接する窒素原子と結合して更に窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を含んでもよい複素環を形成してもよく、n及びmは2〜30の整数である。)
  5. 一般式(I)で表わされる化合物が、下記一般式(3)で表わされる化合物である請求項1に記載の顔料分散液
    Figure 0003961733
    (但し、上記式中のXは水素原子又はベンゾイルアミノ基であり、Zは水素原子であり、R1〜R4は、同じでも異なってもよく、メチル基又はエチル基を、n及びmは2又は3を表す。)
  6. アルコール系有機溶剤が、沸点が150℃以下のアルコールを含む溶剤である請求項に記載の顔料分散液。
  7. 被膜形成樹脂が、アルコール系有機溶剤に可溶である請求項に記載の顔料分散液。
  8. 被膜形成樹脂が、1〜50重量%の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルと二塩基酸のモノエステル(一般式CH2=C(R1)−COO−R2−O−CO−R3−COOH(式中のR1は水素原子又はメチル基、R2は分岐鎖を有してもよい炭素数が2〜6のアルキレン鎖、R3は分岐鎖又は不飽和基を有してもよいアルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基である。)で表わされる)モノマー単位を含む請求項に記載の顔料分散液。
  9. 被膜形成樹脂の数平均分子量(GPCで測定し、標準ポリスチレン換算の数平均分子量)が、2,000〜100,000であり、且つ該樹脂の酸価が0.5〜300mgKOH/gである請求項に記載の顔料分散液。
  10. 有機顔料が、赤色顔料、緑色顔料、青色顔料、黄色顔料又は紫色顔料である請求項に記載顔料分散液。
  11. 請求項〜1の何れか1項に記載の顔料分散液からなることを特徴とする筆記用又は記録用顔料インキ。
  12. 分散剤を、顔料100重量部に対して0.5〜50重量部の割合で使用し、顔料を樹脂100重量部に対して5〜500重量部の範囲で使用し、インキ中の顔料濃度が0.3〜50重量%であり、インキの粘度が1〜50ミリパスカル・秒(mPa・s)である請求項1に記載の筆記用又は記録用顔料インキ。
  13. 請求項1又は1に記載の筆記用又は記録用顔料インキを有することを特徴とする筆記具又は記録用機器。
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