JP4374928B2 - 処理顔料およびインキ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被覆処理顔料およびその処理顔料を液媒体に分散してなるインキに関する。さらに詳しくは顔料粒子の表面に色素誘導体を結合し、その塩基性基と酸性基を有する反応性乳化剤とを造塩し、さらに重合して被覆層を形成してなることを特徴とする被覆処理顔料とその処理顔料を分散してなるインキに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、顔料を樹脂で表面処理を施す場合、吸着や析出および反応等で行っている。未処理顔料に比べて、表面処理を施した顔料は分散体、インキおよび塗料の粘性およびその分散安定性に優れているので、微細分散が求められかつ製品としての要求物性の高い用途のインキや塗料には不可欠なものとなってきている。中でも表面架橋を施した顔料は耐溶剤性が高いので、種々な用途へ展開可能となる易分散性を有する表面処理顔料が望まれていた。しかし顔料が微細になればなるほど表面処理顔料の品質が不安定であったり、表面処理に使用される被覆樹脂が徐々に溶解して吸着平衡のバランスを失うことにより顔料の分散体が増粘や凝集を引き起こし製品特性を悪化させるなどの問題点もあった。これは顔料の一次粒子の微細化に伴って表面自由エネルギーが増大し、一次粒子まで凝集を解すことが困難となることが要因である。通常、樹脂系分散剤を使用する場合でも一次粒子まで分散させることは容易ではない。ましてやその顔料表面に樹脂被覆を同時に行わせることは不十分な分散状態で行えば凝集物つくることにもなり困難を極めた。
【0003】
再公表特許WO96/23032号公報(特許文献1)には、顔料と塩基性の色素誘導体を併用し、水分散体を作成すること、分散安定性がよくインクジェットインキにもちいられている。これは、顔料が樹脂で被覆されたものではなく汎用性に難があった。
【0004】
特開平8−183920号公報(特許文献2)には、顔料と自己分散性樹脂の溶剤溶液とを転相乳化し、その後、溶剤をストリッピングして水分散体とする方法が開示されている。この方法においては、顔料への樹脂の吸着に種々の制約があり、その選択が必要となる。
【0005】
特開2002−285028(特許文献3)には、顔料と塩基性の誘導体と熱可塑性の樹脂とを混合し、顔料のまわりに樹脂の被覆を機械的な力にて行なうことが開示されている。この方法では、機械的なエネルギーの消費量が多い点がネックとなる。
【0006】
【特許文献1】
再公表特許WO96/23032公報
【0007】
【特許文献2】
特開平8−183920号公報
【0008】
【特許文献3】
特開2002−285028号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、易分散で顔料分散体の粘性およびその分散安定性に優れた被覆処理顔料およびその処理顔料を分散してなるインキを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねて開発したもので、
表面に塩基性基を有する色素誘導体を結合した顔料に、酸性基を有する反応性乳化剤を結合した後、付加重合性モノマーの存在下に重合してなる処理顔料に関する。
【0011】
また、顔料100重量部に対して、塩基性基を有する色素誘導体1〜30重量部、酸性基を有する反応性乳化剤4〜50重量部および反応性モノマー5〜30重量部からなる処理顔料に関する。
【0012】
また、上記記載の処理顔料を液媒体に分散してなるインキに関する。
【0013】
本発明は水または、溶剤分散液中ないし強力に混練できる分散機中で、顔料粒子表面が、色素誘導体の色素骨格部を非常によく吸着する作用を利用するもので、顔料親和性の高い色素誘導体のその色素骨格部が、顔料表面に吸着し、また色素誘導体のもう一方の塩基性の官能基が酸性基を有する反応性の乳化剤との造塩作用により結合する。これにより、顔料表面に色素誘導体が仲立ちとなって反応性乳化剤の吸着層を顔料表面に形成させる。
【0014】
これにより、一次粒子レベルまで分散を行いその状態を保持しながら、反応性乳化剤の反応を行なうことができ、微細顔料表面に被覆層を有した顔料を提供することを可能とした。本発明は、また、この被覆処理顔料を液媒体に分散してなるインキを提供しようとするものである。
【0015】
このように得られた被覆処理顔料をオフセットインキ、インクジェットインキ、プラスチックや塗料などに着色剤して利用しようとするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をさらに詳しく説明する。
本発明における色素誘導体としては一般式〔1〕で示されるものである。
一般式〔1〕 P−Fn
(式中、Pは色素残基、Fは以下に示す置換基、nは1〜4の整数を示す。)
塩基性を有する置換基Fとしては、下記式(1)、式(2)、式(3)および式(4)で示される群よりなる少なくとも1つの置換基を有するものである。
式(1)
【0017】
【化1】
Figure 0004374928
【0018】
X:−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−または直接結合を表す。
n:1〜10の整数を表す。
1、R2:それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR1 とR2 とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
式(2)
【0019】
【化2】
Figure 0004374928
【0020】
1、R2:それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR1 とR2 とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
式(3)
【0021】
【化3】
Figure 0004374928
【0022】
X:−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−または直接結合を表す。
3:置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
4、R5、R6、R7:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
式(4)
【0023】
【化4】
Figure 0004374928
【0024】
X:−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−または直接結合を表す。
Y:−NR8−Z−NR9−または直接結合を表す。
8、R9:それぞれ独立に水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
Z:置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいアルケニレン基、または置換されていてもよいフェニレン基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜8が好ましい。
P:式(5)で示される置換基または式(6)で示される置換基を表す。
Q:水酸基、アルコキシル基、式(5)で示される置換基または式(6)で示される置換基を表す。
式(5)
【0025】
【化5】
Figure 0004374928
【0026】
n:1〜10の整数を表す。
1、R2:それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR1 とR2 とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
式(6)
【0027】
【化6】
Figure 0004374928
【0028】
3:置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
4、R5、R6、R7:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
Pで表される色素残基としては、例えばジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、金属錯体系色素、アントラキノン残基、トリアジン残基などがある。
また、トリアジン残基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基またはアミノ基またはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基等のアルキルアミノ基またはニトロ基または水酸基またはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基または塩素等のハロゲンまたはメチル基、メトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、水酸基等で置換されていてもよいフェニル基またはメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、水酸基等で置換されていてもよいフェニルアミノ基等の置換基を有していてもよい1,3,5−トリアジンである。
本発明を構成する顔料は、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等の有機顔料、または、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、黒色酸化鉄、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、モリブデートオレンジ、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、ビクトリアグリーン、群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトシリカブルー、コバルト亜鉛シリカブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機顔料、または、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックである。
本発明の一般式〔1〕の色素誘導体と顔料の組み合わせは類似の色相あるいは構造の化合物を用いた方が色相の変化が少なく好ましい。
本発明の被覆処理顔料は反応性乳化剤による被覆層を形成することができればどのような組成や手段でもよいが、顔料100重量部に対して色素誘導体1〜30重量部および反応性乳化剤が4〜60重量部であることが好ましい。色素誘導体が1重量部以下あるいは30重量部以上では被覆することが困難となる。反応性乳化剤が4重量部以下では被覆の効果が低く、60重量部以上は被覆効果を十分得ることが困難であり、顔料の実質的な濃度低下となる。
反応性乳化剤としては、分子中、好ましくは末端に重合性基(ビニル基、アリル基など)を有するものであって、例えば下記の一般式(1)〜(9)で表される化合物が挙げられる。
【0029】
【化7】
Figure 0004374928
【0030】
【化8】
Figure 0004374928
【0031】
(RおよびRは水素原子または炭素数1−8のアルキル基、Xはアルカリ金属またはNH、nおよびmは1−200の整数を表す)
【0032】
【化9】
Figure 0004374928
【0033】
【化10】
Figure 0004374928
【0034】
(式中、Mは金属原子、好ましくはNa、Kなどのアルカリ金属原子を示す。mは5〜10、pは7〜12、rは7〜12、sは6〜11、tは7〜12、uは8〜13、wは8〜13の整数を示す。Xはアニオン、好ましくは塩素、臭素などのハロゲン原子を示す。)
反応性乳化剤と共に重合させてよい付加重合性モノマーとしては、水性では、例えばN−アクリロイルモルフォリン、スチレンスルホン酸塩、アミノエチルメタクリレート、アクリルアミド類などが挙げられ、これらのうち2種以上を混合して使用することもできる。
反応性界面活性剤と共に重合させてよい付加重合性モノマーとして非水溶性モノマーとしては、例えばスチレン、ピバリン酸ビニルなどの酢酸ビニル系モノマーなどが挙げられ、これらのうち2種以上を混合して使用することもできる。
【0035】
処理顔料は、前記顔料を水中に分散させて、反応性乳化剤および水溶性重合開始剤を加え、さらに水溶性モノマーおよび非水溶性モノマーの少なくとも一種を加えて、攪拌しながら重合を行わせて得られる。重合反応は、通常40〜100℃の温度で5〜10時間、より好ましくは60〜80℃の温度で5〜8時間行われる。
顔料の添加量は特に限定されないが、水に対して2〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%の濃度である。反応性乳化剤の添加量は、顔料の重量に対して0.1〜10倍量、より好ましくは0.25〜4倍量である。
【0036】
水溶性重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−N−ベンジルアミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−N−(2−ヒドロキシエチル)アミジノプロパン〕二塩酸塩などが挙げられる。水溶性重合開始剤の添加量は特に限定されないが、全モノマー成分に対して5〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
水溶性モノマーおよび非水溶性モノマーのモノマー成分の添加量は特に限定されないが、顔料100重量部に対して50〜300重量部、より好ましくは80〜200重量部である。但し、非水溶性モノマーの添加量は、水溶性モノマーとの総量中で0〜50重量%、より好ましくは10〜25重量%である。
本発明の被覆処理顔料の被覆層の厚さは顔料に被覆している樹脂量を仕込み顔料の比表面積から算出した値である。被覆層の厚さに制限はないが、0.5〜5nmであることが好ましい。0.5nm以下では被覆処理の効果が低く、5nm以上は被覆重合処理することが困難となる。
本発明の被覆処理顔料は顔料、色素誘導体、反応性乳化剤、付加重合性モノマーからなる組成物を
混合、溶解、分散、重合反応等をして製造する。組成物の配合比は顔料100重量部に対して、色素誘導体1〜30重量部、反応性乳化剤4〜60重量部、付加重合性モノマー5〜30重量部、必要に応じて水または、溶剤4〜200重量部の範囲が好ましい。
顔料、色素誘導体が均一になるように予め混合してから分散機による分散を行う。その後、反応性乳化剤を加えて分散する。反応性乳化剤と同時に、または、その後で、付加重合性モノマーを加え、水または溶剤は上記組成物を機械の特性に応じて数量を調節することが望ましい。
溶剤としては芳香族炭化水素系、脂肪族炭化水素系、エステル系、ケトン系、アルコール系等から選ばれる1種または2種以上の溶剤であり、例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ジアセトンアルコール、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチルセロソルブアセテート、メトキシプロピルアセテート等がある。
分散機としては、サンドミル、アトライター、ダイノミル、GPミル、ホモジナイザー、超音波分散機、高圧メディアレス分散機、ニーダー、ロールミル、ボールミル、バンバリーミキサー、ローラーミル、石臼式ミル等の分散機を単独あるいは組み合わせて使用できる。
第1工程として顔料への色素誘導体の濡れと吸着を進行させる。
第2工程は色素誘導体の吸着物に反応性乳化剤を造塩させる工程である。
第3工程は反応性乳化剤、付加重合性モノマーを重合反応させ顔料表面に被覆処理を施す。
【0037】
この反応は重合開始剤の存在下または、不存在下、熱ないしエネルギー放射線(紫外線、電子線等)で反応させる。
本発明の被覆処理顔料を効果的に製造するためには、使用する反応性乳化剤は、塩基性色素誘導体の塩基性基と造塩する官能性基を含有していることが必須である。造塩するための酸性基としては、特にカルボキシル基、スルホン酸基であることが好ましい。
被覆量は処理顔料を溶媒抽出することにより、測定される。被覆物が十分に溶解する溶剤を選択し、処理顔料の10〜100倍の溶剤を添加し、超音波分散等によって被覆物を溶出させる。遠心分離等により分離した溶液を採取し、その重量測定等を行うことで全体の溶出量を算出することから被覆量を測定することがもっとも簡単で精度が高く好ましい。
顔料の被覆に使われなかった分は使用されるインキや塗料の溶剤等により洗浄し、ろ過等により除去することが望ましいが、余剰ないし残留の反応性乳化剤が物性に影響を及ぼさない場合は洗浄する必要がない。また、処理顔料を洗浄後、乾燥することは凝集がない場合に可能であるが、使用されるインキ等と同じ溶剤であればあえて乾燥する必要がない。
被覆処理した顔料は通常の顔料と同様に使用できる。顔料をビヒクル等に分散する際使用する分散機は、サンドミル、ダイノミル、ホモジナイザー、アトライター、ボールミル、ペイントシェーカー、フルイダイザー、高速ミキサー、超音波分散機等であり、ミル媒体として、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、ステンレスビーズなどを使用してもよいし、しなくてもよい。分散時間は5分〜24時間、好ましくは30分〜8時間である。
本発明の被覆処理顔料を使用した分散体は、低粘度で分散安定性に優れるので、この分散体を着色剤として含むインキや塗料に使用できる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。例中、部および%は、重量部および重量%を示す。
【0039】
[素材]
顔料:青色顔料(銅フタロシアニンブルー東洋インキ製造 リオノールブルーFG7351) 赤色顔料(キナクリドン顔料 クラリアント製 ポスターピンクE)
黄色顔料(クラリアント社製“ホスタパームエローH3G)
色素誘導体(a):
【0040】
【化11】
Figure 0004374928
【0041】
色素誘導体(b)
【0042】
【化12】
Figure 0004374928
【0043】
色素誘導体(c)
【0044】
【化13】
Figure 0004374928
【0045】
色素誘導体(d)
【0046】
【化14】
Figure 0004374928
【0047】
色素誘導体(e)
【0048】
【化15】
Figure 0004374928
【0049】
反応性乳化剤
【0050】
【化16】
Figure 0004374928
【0051】
(1)
【0052】
【化17】
Figure 0004374928
【0053】
(2)
【0054】
【化18】
Figure 0004374928
【0055】
(3)
(RおよびRは水素原子、XはNH、nおよびmは10である。)
【0056】
【実施例1】
銅フタロシアニンブルー顔料90部と色素誘導体(10)8部 酢酸1.2部 精製水 390部とをサンドミルにて均一に分散し、顔料表面に色素誘導体を十分吸着させた混合物を得た。
【0057】
水洗後、中和し、水分量を50%以下にしたウェットケーキに、酸性基を有する反応性乳化剤を加えて分散し、顔料周辺に反応性乳化剤のついた水性の分散体を製造した。
【0058】
さらに、撹拌機, 温度計, 滴下ロート, 還流器を備えた反応容器に付加重合性モノマーメタクリル酸メチル、α―メチルスチレン、アクリル酸エチル、アクリル酸(1/0.6/1.4/0.1)を反応釜量を仕込み、窒素ガスで飽和させる。内温を55℃に昇温した後、重合開始剤(t−ブチルハイドロパーオキサイド5%品)ロンガリット(有効成分1%)を5 分後に滴下を開始した。滴下量を1 時間で滴下し、60〜65℃の間で重合を行い、さらに1 時間熟成した後に冷却を行い、アンモニアでpH8 〜9 に調製した。 得られた分散液の粒子径の測定はレーザー散乱式微粒子径測定装置( UPA)日機装社製 で測定した。この分散液をインキ化し、充分に乾燥した後、記録面に水を垂らしてインキのにじみを調べたが、インキのにじみ,流れ出しはなく充分な耐水性を有していた。
【0059】
反射濃度 1.35 耐水性 良好 貯蔵安定性 変化なし 処理顔料の被覆量を測定したところ16g/100g(顔料)、被覆厚さ2.2nmであった。
【0060】
【表1】
Figure 0004374928

Claims (3)

  1. 表面に塩基性基を有する色素誘導体を結合した顔料に、酸性基を有する反応性乳化剤を結合した後、付加重合性モノマーの存在下に重合してなる処理顔料。
  2. 顔料100重量部に対して、塩基性基を有する色素誘導体1〜30重量部、酸性基を有する反応性乳化剤4〜50重量部および反応性モノマー5〜30重量部からなる請求項1記載の処理顔料。
  3. 請求項1または2記載の処理顔料を液媒体に分散してなるインキ。
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