JPH0148630B2 - - Google Patents
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- JPH0148630B2 JPH0148630B2 JP59149620A JP14962084A JPH0148630B2 JP H0148630 B2 JPH0148630 B2 JP H0148630B2 JP 59149620 A JP59149620 A JP 59149620A JP 14962084 A JP14962084 A JP 14962084A JP H0148630 B2 JPH0148630 B2 JP H0148630B2
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- Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、情報化社会における今後一層の進歩
発展が期待されるOA分野において、人間と機器
との接点の役割を果すデイスプレイパネルに関す
るものである。その中で本発明に係る薄膜ELパ
ネルは、薄膜軽量の全固体式で、かつ見易い特徴
を持ち、キヤラクターおよびグラフイツクデイス
プレイとして、パソコン端末デイスプレイ等に最
適なものである。 (従来例の構成とその問題点) 一般にELパネルは、ガラス基板の上に透明電
極(インジウム・スズ混晶酸化物:ITO)、下部
絶縁体層、蛍光体層、上部絶縁体層および背面電
極(普通はAl金属)の順に、Al以外は透明な薄
膜を積層した構造を持つ。従つて観測者側のガラ
ス基板側から見た場合、積層された薄膜が透明で
あり、外光(周囲光)はAl電極面で反射される
ために、パネル全体が鏡面になつてしまう。 外光がパネル面に垂直に入射した場合について
説明する。表面ガラスおよび薄膜界面により、
Al電極入射直前までに約8%が反射される。残
り92%の光のうち、Al電極により90%が反射さ
れて、すべて表面に出てくるとすると、パネル全
体で91%の高い反射率となる。実際には薄膜内の
吸収や界面での散乱で光が失なわれ、80〜90%と
なる。従つて外光が全く無い時の輝度が標準的な
100nitのパネルは、かなり明るいオフイスの照度
400lxと同じ面照度で、かつ光が面に垂直入射し
垂直に反射して、その方向から見た場合入射した
400lxが反射して約100nitの輝度分としてブラツ
クレベル(消灯時)をあげ、コントラストは約
2:1と低くなる欠点があつた。このことは次に
示すコントラストを求める式から明らかである。 コントラスト=ブライトレベル/ブラツクレベル =LO+AL×R×0.318/AL×R×0.318 LO:映像の輝度(nit) AL:パネル面における外光の強さ(lx) R:パネルの外光反射率 上式において、LO=100nit,R=0.8〜0.9、
AL=400lxを入れれば前記の結果が導き出せる。
一般にパネル面が400lxの照度でも5:1以上の
コントラストが望ましい。 コントラストを改善するために、パネル前面に
円偏光フイルターを配置する方法や、蛍光体層と
背面電極の間に黒色絶縁膜を介在させる方法が考
えられている。前者は輝度が40%程度に減少し、
かつ高価であるという欠点を持つ。後者は最高50
%まで輝度が落ちることがあるが、コントラスト
改善にはコストも低く、優れた方法といえる。し
かし一般に光を十分吸収する黒色で、かつ絶縁性
の高い薄膜は得難い。一般に黒色絶縁薄膜は約
108Ω/□以上のシート抵抗を持つことが要求さ
れる。もちろん薄膜の透過率は可視領域におい
て、0%に近い程よく、また誘電率が高い方がパ
ネルの駆動電圧を低くするのに都合がよい。すで
に本発明者らは、プラセオジウムPr酸化物黒色
絶縁薄膜で構成したELパネルを提案した(特願
昭59−56954号参照)。プラセオジウム酸化物は
ELパネルにおける高コントラスト化に良好な特
性を示しているが、希土類元素であるのでコスト
高になる欠点があつた。従つて性能、コスト共に
優れた黒色絶縁薄膜はいまだ見い出されていな
い。 (発明の目的) 本発明は、パネル面の照度がたとえば400lxと
大きい場合でも、5:1以上の高いコントラスト
を持つ見易いELフラツトパネルを提供すること
を目的とする。 (発明の構成) 本発明は、(従来例の構成とその問題点)の項
で述べた黒色絶縁薄膜に必要な特性、すなわち可
視光をほとんど吸収し、かつ絶縁性と誘電率も高
いという性能を持つ薄膜を新たに見い出し、それ
をELフラツトパネルに適用したものであり、端
末グラフイツクあるいはキヤラクターデイスプレ
イとしてELフラツトパネルの実用性を一層向上
させたものである。すなわち、黒色絶縁薄膜とし
て、プラセオジウムとマンガンの複合酸化物を新
たに見い出し、その高い光吸収特性と高誘電率お
よび高絶縁抵抗を利用し、蛍光体層と背面電極層
との間に配置して、優れたコントラストのELパ
ネルを提供するものである。また上記薄膜は従来
のプラセオジウム酸化物薄膜に比し、廉価なマン
ガンを使用しており、かつ、スパツター法で薄膜
を作製する場合、酸素なしのアルゴン雰囲気で作
製できるのでデポジシヨンレートが速く効率的で
あり、総合的により廉価で作製容易である特徴を
持つ。 (実施例の説明) はじめにPr−Mn複合酸化物系を選定した理由
を以下述べる。 (1) Prは希土類元素であり、Y2O3,Sm2O3の例
のごとく、ZnS:Mn蛍光膜や他の酸化物に対
し強い付着強度を有し、EL素子に適した絶縁
薄膜となる。またMnもZnS−MnS固溶体の例
のごとく、ZnSとの付着強度は強いと考えられ
る。 (2) Pr酸化物は希土類元素の中で、需要が多い
ため、最も廉価に入手できるが、しかし典型元
素や通常の遷移元素より高価である。従つて
ZnS:Mn蛍光膜に対し、発光の害の少いと考
えられるMnとPrの複合酸化物とすれば、Prの
使用量が減少してコストをより低くすることが
できる。 (3) Pr,Mn酸化物は両者とも強く黒色系に着色
しており、強い光吸収能力が期待できる。 (4) Pr,Mn酸化物は両者とも高い電気抵抗率が
期待される。Mnはp型のMnOあるいはMnO2
にならなければよいし、たとえp型の他のMn
酸化物でも一般に抵抗は高く、還元性雰囲気で
作製した場合、p型がおさえられ、より高抵抗
になる。 Pr−Mn複合酸化物の薄膜は、高周波あるいは
直流スパツター法、EB蒸着法にて作製できた。
以下スパツター法について説明する。PrとMn金
属を適当な面積比に組合せたターゲツトを用い、
酸素中活性スパツターで薄膜は作製できるが、よ
り廉価なPr6O11酸化物とMnCO3を原料にし、そ
れらを適当な原子比で配合し、仮焼(1000℃)、
焼結(1380℃で2時間)して厚み5mmのセラミツ
ク板となし、それをスパツターターゲツトとし
た。RFマグネトロンスパツター装置を用い、基
板温度200℃でArガスあるいはO2ガス中で、ガラ
ス基板あるいはAlを蒸着したガラス基板上に薄
膜を形成した。PrとMnの原子比を変えてターゲ
ツトを作り、それらを3×10-2TorrのAr中でス
パツターして作製した薄膜の光吸収係数を測定
し、第1表にまとめた。
発展が期待されるOA分野において、人間と機器
との接点の役割を果すデイスプレイパネルに関す
るものである。その中で本発明に係る薄膜ELパ
ネルは、薄膜軽量の全固体式で、かつ見易い特徴
を持ち、キヤラクターおよびグラフイツクデイス
プレイとして、パソコン端末デイスプレイ等に最
適なものである。 (従来例の構成とその問題点) 一般にELパネルは、ガラス基板の上に透明電
極(インジウム・スズ混晶酸化物:ITO)、下部
絶縁体層、蛍光体層、上部絶縁体層および背面電
極(普通はAl金属)の順に、Al以外は透明な薄
膜を積層した構造を持つ。従つて観測者側のガラ
ス基板側から見た場合、積層された薄膜が透明で
あり、外光(周囲光)はAl電極面で反射される
ために、パネル全体が鏡面になつてしまう。 外光がパネル面に垂直に入射した場合について
説明する。表面ガラスおよび薄膜界面により、
Al電極入射直前までに約8%が反射される。残
り92%の光のうち、Al電極により90%が反射さ
れて、すべて表面に出てくるとすると、パネル全
体で91%の高い反射率となる。実際には薄膜内の
吸収や界面での散乱で光が失なわれ、80〜90%と
なる。従つて外光が全く無い時の輝度が標準的な
100nitのパネルは、かなり明るいオフイスの照度
400lxと同じ面照度で、かつ光が面に垂直入射し
垂直に反射して、その方向から見た場合入射した
400lxが反射して約100nitの輝度分としてブラツ
クレベル(消灯時)をあげ、コントラストは約
2:1と低くなる欠点があつた。このことは次に
示すコントラストを求める式から明らかである。 コントラスト=ブライトレベル/ブラツクレベル =LO+AL×R×0.318/AL×R×0.318 LO:映像の輝度(nit) AL:パネル面における外光の強さ(lx) R:パネルの外光反射率 上式において、LO=100nit,R=0.8〜0.9、
AL=400lxを入れれば前記の結果が導き出せる。
一般にパネル面が400lxの照度でも5:1以上の
コントラストが望ましい。 コントラストを改善するために、パネル前面に
円偏光フイルターを配置する方法や、蛍光体層と
背面電極の間に黒色絶縁膜を介在させる方法が考
えられている。前者は輝度が40%程度に減少し、
かつ高価であるという欠点を持つ。後者は最高50
%まで輝度が落ちることがあるが、コントラスト
改善にはコストも低く、優れた方法といえる。し
かし一般に光を十分吸収する黒色で、かつ絶縁性
の高い薄膜は得難い。一般に黒色絶縁薄膜は約
108Ω/□以上のシート抵抗を持つことが要求さ
れる。もちろん薄膜の透過率は可視領域におい
て、0%に近い程よく、また誘電率が高い方がパ
ネルの駆動電圧を低くするのに都合がよい。すで
に本発明者らは、プラセオジウムPr酸化物黒色
絶縁薄膜で構成したELパネルを提案した(特願
昭59−56954号参照)。プラセオジウム酸化物は
ELパネルにおける高コントラスト化に良好な特
性を示しているが、希土類元素であるのでコスト
高になる欠点があつた。従つて性能、コスト共に
優れた黒色絶縁薄膜はいまだ見い出されていな
い。 (発明の目的) 本発明は、パネル面の照度がたとえば400lxと
大きい場合でも、5:1以上の高いコントラスト
を持つ見易いELフラツトパネルを提供すること
を目的とする。 (発明の構成) 本発明は、(従来例の構成とその問題点)の項
で述べた黒色絶縁薄膜に必要な特性、すなわち可
視光をほとんど吸収し、かつ絶縁性と誘電率も高
いという性能を持つ薄膜を新たに見い出し、それ
をELフラツトパネルに適用したものであり、端
末グラフイツクあるいはキヤラクターデイスプレ
イとしてELフラツトパネルの実用性を一層向上
させたものである。すなわち、黒色絶縁薄膜とし
て、プラセオジウムとマンガンの複合酸化物を新
たに見い出し、その高い光吸収特性と高誘電率お
よび高絶縁抵抗を利用し、蛍光体層と背面電極層
との間に配置して、優れたコントラストのELパ
ネルを提供するものである。また上記薄膜は従来
のプラセオジウム酸化物薄膜に比し、廉価なマン
ガンを使用しており、かつ、スパツター法で薄膜
を作製する場合、酸素なしのアルゴン雰囲気で作
製できるのでデポジシヨンレートが速く効率的で
あり、総合的により廉価で作製容易である特徴を
持つ。 (実施例の説明) はじめにPr−Mn複合酸化物系を選定した理由
を以下述べる。 (1) Prは希土類元素であり、Y2O3,Sm2O3の例
のごとく、ZnS:Mn蛍光膜や他の酸化物に対
し強い付着強度を有し、EL素子に適した絶縁
薄膜となる。またMnもZnS−MnS固溶体の例
のごとく、ZnSとの付着強度は強いと考えられ
る。 (2) Pr酸化物は希土類元素の中で、需要が多い
ため、最も廉価に入手できるが、しかし典型元
素や通常の遷移元素より高価である。従つて
ZnS:Mn蛍光膜に対し、発光の害の少いと考
えられるMnとPrの複合酸化物とすれば、Prの
使用量が減少してコストをより低くすることが
できる。 (3) Pr,Mn酸化物は両者とも強く黒色系に着色
しており、強い光吸収能力が期待できる。 (4) Pr,Mn酸化物は両者とも高い電気抵抗率が
期待される。Mnはp型のMnOあるいはMnO2
にならなければよいし、たとえp型の他のMn
酸化物でも一般に抵抗は高く、還元性雰囲気で
作製した場合、p型がおさえられ、より高抵抗
になる。 Pr−Mn複合酸化物の薄膜は、高周波あるいは
直流スパツター法、EB蒸着法にて作製できた。
以下スパツター法について説明する。PrとMn金
属を適当な面積比に組合せたターゲツトを用い、
酸素中活性スパツターで薄膜は作製できるが、よ
り廉価なPr6O11酸化物とMnCO3を原料にし、そ
れらを適当な原子比で配合し、仮焼(1000℃)、
焼結(1380℃で2時間)して厚み5mmのセラミツ
ク板となし、それをスパツターターゲツトとし
た。RFマグネトロンスパツター装置を用い、基
板温度200℃でArガスあるいはO2ガス中で、ガラ
ス基板あるいはAlを蒸着したガラス基板上に薄
膜を形成した。PrとMnの原子比を変えてターゲ
ツトを作り、それらを3×10-2TorrのAr中でス
パツターして作製した薄膜の光吸収係数を測定
し、第1表にまとめた。
【表】
第1表から波長5000Å付近の、可視光の中で最
も視感度の高い領域において、SiやGaAsの基礎
吸収に匹適する105(cm-1)オーダーの吸収係数
は、35〜100原子%のMnを含む複合酸化物ある
いはMn酸化物で得られることが判る。一般に短
波長ほど吸収が強くなる傾向を示す。前出願の
Pr酸化物と異り、Arのみの雰囲気で作製した膜
でも上記のような良好な結果が得られている。こ
のことは一般にO2を含むことによるデポジシヨ
ンレイトの低下をまねかず、生産上非常に有利な
ことといえる。もちろん酸素を含んでもかまわ
ず、純粋な酸素中スパツターの場合、たとえば第
1表におけるNo.4の組成の場合、波長5000Åでの
吸収係数が約40%上昇する。しかしデポジシヨン
レイトは約1/4に低下してしまう。上記光吸収の
結果、肉眼ではMnが多い程より黒褐色に、Prが
多い程より黄味がかつた褐色になる。 第1図に、第1表のいくつかの組成のガラス基
板上に形成した薄膜の光透過分光曲線を示した。
図中のNo.は第1表のNo.と同一であり、薄膜の厚さ
も第1表に記した値と同じである。図中Gは0.8
mm厚のガラス基板を透過したタングステンハロゲ
ンランプのスペクトルで、これを基準にして比較
すると、No.1,2,3,5のカーブで示されるよ
うに、光をほとんど吸収してしまうことが明らか
である。すなわち、黒色絶縁膜として好適な光学
特性を持つている。 以上説明した光学特性から、Pr−Mn複合酸化
物系薄膜は本発明の目的に合つた光吸収特性を備
えているが、より好ましくは、105cm-1以上の吸
収係数を持ち、肉眼でより黒褐色を呈する35原子
%以上のMnを含むPr−Mn複合酸化物薄膜が適
当である。 x線回折の結果、第1表中No.1のMnのみの組
成はMn2O3相が見い出された。他のNo.2〜5は
すべてブロードなハローピークであつた。一方電
気特性は、アルミニウムを蒸着したガラス基板の
上に前記黒色絶縁薄膜を形成し、更にその上に
Al電極をつけてサンドイツチ状にして測定した。
比抵抗ρと誘電率εを求め、第2図にそれらの組
成に対する変化を示した。Mnが多い程ρが低く
なり、逆にεは増加する。35〜100原子%のMn
を含む組成領域で比抵抗3〜8−108×Ω・cm、
ε300〜600を有する。薄膜の面積抵抗R□と比抵
抗ρの関係式 R□=ρ/t(Ω/□)(t:厚さ) においてt=4000Åとすると、ρ=3×108Ω・
cmの時でR□=7.5×1012Ω/□となり、108Ω/
□以上を十分満足する。また高いεは、ZnSのそ
れ(ε8)と比較して判るように、十分大き
く、駆動電圧を高めることはない。 つぎに上記のようにして作製したPr,Mn複合
酸化物あるいはMn酸化物を第2絶縁層として組
込んだELパネルについて説明する。作製したEL
パネルの構造を第2表に示した。
も視感度の高い領域において、SiやGaAsの基礎
吸収に匹適する105(cm-1)オーダーの吸収係数
は、35〜100原子%のMnを含む複合酸化物ある
いはMn酸化物で得られることが判る。一般に短
波長ほど吸収が強くなる傾向を示す。前出願の
Pr酸化物と異り、Arのみの雰囲気で作製した膜
でも上記のような良好な結果が得られている。こ
のことは一般にO2を含むことによるデポジシヨ
ンレイトの低下をまねかず、生産上非常に有利な
ことといえる。もちろん酸素を含んでもかまわ
ず、純粋な酸素中スパツターの場合、たとえば第
1表におけるNo.4の組成の場合、波長5000Åでの
吸収係数が約40%上昇する。しかしデポジシヨン
レイトは約1/4に低下してしまう。上記光吸収の
結果、肉眼ではMnが多い程より黒褐色に、Prが
多い程より黄味がかつた褐色になる。 第1図に、第1表のいくつかの組成のガラス基
板上に形成した薄膜の光透過分光曲線を示した。
図中のNo.は第1表のNo.と同一であり、薄膜の厚さ
も第1表に記した値と同じである。図中Gは0.8
mm厚のガラス基板を透過したタングステンハロゲ
ンランプのスペクトルで、これを基準にして比較
すると、No.1,2,3,5のカーブで示されるよ
うに、光をほとんど吸収してしまうことが明らか
である。すなわち、黒色絶縁膜として好適な光学
特性を持つている。 以上説明した光学特性から、Pr−Mn複合酸化
物系薄膜は本発明の目的に合つた光吸収特性を備
えているが、より好ましくは、105cm-1以上の吸
収係数を持ち、肉眼でより黒褐色を呈する35原子
%以上のMnを含むPr−Mn複合酸化物薄膜が適
当である。 x線回折の結果、第1表中No.1のMnのみの組
成はMn2O3相が見い出された。他のNo.2〜5は
すべてブロードなハローピークであつた。一方電
気特性は、アルミニウムを蒸着したガラス基板の
上に前記黒色絶縁薄膜を形成し、更にその上に
Al電極をつけてサンドイツチ状にして測定した。
比抵抗ρと誘電率εを求め、第2図にそれらの組
成に対する変化を示した。Mnが多い程ρが低く
なり、逆にεは増加する。35〜100原子%のMn
を含む組成領域で比抵抗3〜8−108×Ω・cm、
ε300〜600を有する。薄膜の面積抵抗R□と比抵
抗ρの関係式 R□=ρ/t(Ω/□)(t:厚さ) においてt=4000Åとすると、ρ=3×108Ω・
cmの時でR□=7.5×1012Ω/□となり、108Ω/
□以上を十分満足する。また高いεは、ZnSのそ
れ(ε8)と比較して判るように、十分大き
く、駆動電圧を高めることはない。 つぎに上記のようにして作製したPr,Mn複合
酸化物あるいはMn酸化物を第2絶縁層として組
込んだELパネルについて説明する。作製したEL
パネルの構造を第2表に示した。
【表】
表中ITOはインジウムスズ混晶酸化物からなる
透明電極、STは厚さ6000ÅのSrTiO3薄膜で第1
絶縁層を形成しており、誘電率約140を有する。
ZSMはZnS:Mn(0.8原子%)の蛍光体膜で4500
Åの厚さである。その他は実際の化学式で示しカ
ツコ中はその膜厚(Å)を示した。発光の観測は
ITO側から行う。発光輝度は60Hzで30μsec幅の交
流パルスを印加し、1サイクルあたり1.8μC/cm2
の電荷密度を蛍光体層に流した時の値を求めた。
この電荷密度は通常のパネルの駆動条件にほぼ合
つている。コントラストはパネルの面照度が
400lxの時の発光セグメントが発光している時と
発光していない時の輝度比として求めた。更に発
光開始しきい電圧を求め、これらをまとめて第3
表に示した。No.は第2表に記したものと同じEL
パネル構造に対応する。
透明電極、STは厚さ6000ÅのSrTiO3薄膜で第1
絶縁層を形成しており、誘電率約140を有する。
ZSMはZnS:Mn(0.8原子%)の蛍光体膜で4500
Åの厚さである。その他は実際の化学式で示しカ
ツコ中はその膜厚(Å)を示した。発光の観測は
ITO側から行う。発光輝度は60Hzで30μsec幅の交
流パルスを印加し、1サイクルあたり1.8μC/cm2
の電荷密度を蛍光体層に流した時の値を求めた。
この電荷密度は通常のパネルの駆動条件にほぼ合
つている。コントラストはパネルの面照度が
400lxの時の発光セグメントが発光している時と
発光していない時の輝度比として求めた。更に発
光開始しきい電圧を求め、これらをまとめて第3
表に示した。No.は第2表に記したものと同じEL
パネル構造に対応する。
【表】
第3表の結果から、第2絶縁層の一部あるいは
全部をPr+Mn複合酸化物あるいはMn酸化物に
することによつてコントラストの良好な低電圧駆
動のELフラツトパネルを作製できることが判る。
黒色絶縁層の光吸収により、いくぶん輝度は落ち
るが、高いコントラストが、より効果的で見易く
なる。前出願のPr酸化物に比し、酸素を含まぬ
Ar中でスパツターできるので、より高いデポジ
シヨンレートが得られ、かつ廉価なMn元素を含
むのでより製造コストを低減することができる長
所を持つ。また本発明のPr,Mn複合酸化物を黒
色絶縁層として用いた上記ELパネルは、発光な
らびに絶縁破壊に対してすこぶる安定な特性を示
し、3000時間後ほとんど輝度劣化や絶縁破壊を示
さなかつた。 以上ELパネルに光吸収性薄膜として応用した
Pr−Mn系複合酸化物の薄膜は、ELパネル以外
にも、光吸収膜として光学デバイスに応用され得
ることは、前に説明した特性より明らかである。
また非常に高抵抗の薄膜抵抗体としても応用でき
る可能性を持ち、更に、光吸収性と高抵抗の両方
を利用した応用も考えられる工業上有用な薄膜材
料である。 (発明の効果) Pr−Mn複合酸化物をELパネル構造の第2絶
縁層の一部あるいは全部に適用したパネルは、
400lxの外囲光の中でも、従来に比し、2倍強の
コントラストを持ち、かつ低電圧で駆動できる。
従つて、明るい所でも優れた見易い表示画質によ
つて、ELパネルのキヤラクターあるいはグラフ
イツクデイスプレイとしての実用性が一層高ま
る。
全部をPr+Mn複合酸化物あるいはMn酸化物に
することによつてコントラストの良好な低電圧駆
動のELフラツトパネルを作製できることが判る。
黒色絶縁層の光吸収により、いくぶん輝度は落ち
るが、高いコントラストが、より効果的で見易く
なる。前出願のPr酸化物に比し、酸素を含まぬ
Ar中でスパツターできるので、より高いデポジ
シヨンレートが得られ、かつ廉価なMn元素を含
むのでより製造コストを低減することができる長
所を持つ。また本発明のPr,Mn複合酸化物を黒
色絶縁層として用いた上記ELパネルは、発光な
らびに絶縁破壊に対してすこぶる安定な特性を示
し、3000時間後ほとんど輝度劣化や絶縁破壊を示
さなかつた。 以上ELパネルに光吸収性薄膜として応用した
Pr−Mn系複合酸化物の薄膜は、ELパネル以外
にも、光吸収膜として光学デバイスに応用され得
ることは、前に説明した特性より明らかである。
また非常に高抵抗の薄膜抵抗体としても応用でき
る可能性を持ち、更に、光吸収性と高抵抗の両方
を利用した応用も考えられる工業上有用な薄膜材
料である。 (発明の効果) Pr−Mn複合酸化物をELパネル構造の第2絶
縁層の一部あるいは全部に適用したパネルは、
400lxの外囲光の中でも、従来に比し、2倍強の
コントラストを持ち、かつ低電圧で駆動できる。
従つて、明るい所でも優れた見易い表示画質によ
つて、ELパネルのキヤラクターあるいはグラフ
イツクデイスプレイとしての実用性が一層高ま
る。
第1図は、タングステンハロゲンランプを光源
としたときのガラス基板、およびこのガラス基板
上に形成したPr,Mn複合酸化物あるいはMn酸
化物薄膜の光透過スペクトルを示す図で、 G:ガラス基板、No.1:Mn酸化物、No.5,No.
2,No.3:Pr,Mn複合酸化物、 第2図は、Pr,Mn複合酸化物系の組成による
比抵抗と誘電率を示す図である。
としたときのガラス基板、およびこのガラス基板
上に形成したPr,Mn複合酸化物あるいはMn酸
化物薄膜の光透過スペクトルを示す図で、 G:ガラス基板、No.1:Mn酸化物、No.5,No.
2,No.3:Pr,Mn複合酸化物、 第2図は、Pr,Mn複合酸化物系の組成による
比抵抗と誘電率を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 蛍光体層と背面電極層との間の絶縁体層の一
部あるいは全部を、プラセオジウムPrとマンガ
ンMnを主成分とする複合酸化物で構成し、前記
背面電極層と対向して設けられた透明電極層を介
してEL発光を取り出すことを特徴とする薄膜EL
パネル。 2 前記PrとMnを主成分とする複合酸化物にお
いて、Mnの原子数をx、Prの原子数をyとした
とき、x/(x+y)が0.35以上であることを特
徴とする特許請求の範囲第1項記載の薄膜ELパ
ネル。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14962084A JPS6129095A (ja) | 1984-07-20 | 1984-07-20 | 薄膜elパネル |
EP85103125A EP0159531B1 (en) | 1984-03-23 | 1985-03-18 | Thin film el panel |
DE8585103125T DE3561435D1 (en) | 1984-03-23 | 1985-03-18 | Thin film el panel |
US06/713,597 US4668582A (en) | 1984-03-23 | 1985-03-19 | Thin film EL panel |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14962084A JPS6129095A (ja) | 1984-07-20 | 1984-07-20 | 薄膜elパネル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6129095A JPS6129095A (ja) | 1986-02-08 |
JPH0148630B2 true JPH0148630B2 (ja) | 1989-10-19 |
Family
ID=15479194
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14962084A Granted JPS6129095A (ja) | 1984-03-23 | 1984-07-20 | 薄膜elパネル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6129095A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63307693A (ja) * | 1987-06-08 | 1988-12-15 | Toppan Printing Co Ltd | 表示素子に於ける遮光性絶縁膜 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5743392A (en) * | 1980-08-28 | 1982-03-11 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Electric field light emitting element |
-
1984
- 1984-07-20 JP JP14962084A patent/JPS6129095A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5743392A (en) * | 1980-08-28 | 1982-03-11 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Electric field light emitting element |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6129095A (ja) | 1986-02-08 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |