JPH0325916B2 - - Google Patents

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JPH0325916B2
JPH0325916B2 JP60088318A JP8831885A JPH0325916B2 JP H0325916 B2 JPH0325916 B2 JP H0325916B2 JP 60088318 A JP60088318 A JP 60088318A JP 8831885 A JP8831885 A JP 8831885A JP H0325916 B2 JPH0325916 B2 JP H0325916B2
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light absorption
absorption layer
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thin film
light
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Takao Matsudaira
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、平面薄型デイスプレイ・デバイスと
して文字、記号及び図形等を含むコンピユータの
出力表示端末機器、その他種々の表示装置に文
字、記号及び図形等の静止画像や動画像の表示手
段として利用される薄膜EL素子に関し、詳しく
はコントラストを向上させた薄膜EL素子に関す
るものである。
〔従来の技術〕
従来、この種の薄膜EL素子としては、第7図
a及びbに示すものが紹介されており、同図にお
いて、1はガラス基板、2はIn2O3、SnO2等から
なる透明電極、3はY2O3、Si3N4、Ta2O5等から
なる第1誘電体層、4は発光中心として0.1〜
2.0wt%Mn(又はTb、Sm、Cu、Al、Br等)をド
ープしたZnS(又はZnSe等)のEL発光層、5は
Y2O3、Si3N4、Ta2O5等からなる第2誘電体層、
6はAl等からなる背面電極、7はV2O3、BC4
からなる光吸収層、及び8はAl低級酸化物とAl
との多層膜からなる複合電極である。ここで、透
明電極2はガラス基板1上に複数帯状に平行配列
され、背面電極6と複合電極8は透明電極2と直
交する方向に複数帯状に平行配列されており、透
明電極2と背面電極6又は複合電極8とが平面図
的に見て交叉した位置がパネルの1絵素に相当す
る。そして、両電極2,6(又は8)間にAC電
圧を印加することにより、EL発光層4内に発生
した電界によつて伝導帯に励起され、かつ加速さ
れて十分なエネルギーを得た電子が、直接Mn発
光中心を励起し、この励起されたMn発光中心が
基底状態に戻る際に橙黄色の発光を呈する。その
際、光吸収層7は、ガラス基板1側から入射した
外部光を吸収して、EL素子のコントラストを高
くすることができる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、第7図aによる薄膜EL素子は、印加
電圧に対する発光輝度の立ち上りがゆるやかであ
り、発光輝度を高くするためには、印加電圧を相
当高くしなければならず、高電圧の印加に伴つて
絶縁破壊を起こしやすい欠点があつた。ここで、
印加電圧に対する発光輝度の立ち上りを急峻にす
るために、第7図aに示す光吸収層7と第2誘電
体層5とを逆にして形成、すなわちEL発光層4
上に、第2誘電体層5を積層し、次に光吸収層7
を積層することも考えられる。ところが、前述し
たV2O3、BC4等からなる従来の光吸収層は光吸
収効果が十分でないと共に、比抵抗が比較的小さ
い。そこで、光吸収量を多くするために、このよ
うな小さい比抵抗の光吸収層の膜厚を大きくした
場合、マトリツクス型の薄膜EL素子においては
クロストークが発生する欠点があつた。また、前
述した第7図bに示す薄膜EL素子においては、
単に背面電極をAlで形成したときよりも光吸収
効果はあるが、前述した同図aの薄膜EL素子と
比較してコントラストは劣化することを余儀なく
される。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、コントラストを向上させ、印加
電圧−発光輝度特性を良好に維持し、クロストー
クを防止した薄膜EL素子を提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
前述した目的を達成するために、本発明は、光
吸収層が、ゲルマニウムに酸素と窒素を含有して
いる層であることを特徴とする薄膜EL素子であ
る。
そして、本発明の実施態様としては、光吸収層
中の酸素と窒素の一方又は両方が実質的に均一に
分布していること、光吸収層中の酸素と窒素の一
方又は両方がEL発光層側から背面電極側に向つ
て連続的又は段階的に減少していること、EL発
光層上に誘電体層と、光吸収層と、誘電体層又は
半導体層と、背面電極とを順次積層したこと、及
びEL発光層上に誘電体層と、光吸収層と、背面
電極とを順次積層したことをそれぞれ特徴とする
薄膜EL素子である。
以下、本発明の実施例を図に基づき詳細に説明
する。
実施例 1 本実施例を第1図に基づいて詳述する。
先ず、アルミノシリケートガラス(例えば、
HOYA(株)製のNA40)からなる透光性基板1の観
測表面9と対向する表面10上に、スズ酸化物を
混入した酸化インジウムからなる透明導電膜(膜
厚:2000Å)を真空蒸着法により成膜した後、こ
の透明導電膜を、フオトリソ法によりエツチング
液として、塩酸と塩化第2鉄の混合溶液を用いて
複数帯状(第1図において左右方向)に配列し、
透明電極2を形成した。次に、金属タンタルをス
パツタターゲツトとして、酸素ガスを30%混入し
たArガス(分圧:6×10-1Pa)のスパツタ装置
に導入し、高周波出力9W/cm2で反応性スパツタ
を行い、Ta2O5からなる第1誘電体層3(膜厚:
3000Å)を成膜した。次に、前記第1誘電体層3
上に、活性物質として0.5重量%のMnを添加した
ZnS:Mn焼結ペレツトを蒸着源として真空蒸着
法によりZnS:MnからなるEL発光層4(膜厚:
6000Å)を成膜し、次に前記第1誘電体層3と同
様に反応性スパツタリング法によりTa2O5からな
る第2誘電体層5(膜厚:3000Å)を成膜した。
次に、ゲルマニウムのスパツタターゲツトを用い
て、酸素ガス3%と窒素ガス30%を混入したAr
ガス(分圧:6×10-1Pa)のスパツタ装置に導
入し、高周波出力6W/cm2にて反応性スパツタを
行い、ゲルマニウムに酸素と窒素を実質的に均一
に含有してなる光吸収層11(膜厚:2000Å、比
抵抗:105Ω・cm、成膜速度:120Å/分)を前記
第2誘電体層5上に積層した。次に、前述した第
1、第2誘電体層3,5と同様に反応性スパツタ
リング法によりTa2O5からなる第3誘電体層12
(膜厚:1000Å)を成膜した。そして、この第3
誘電体層12上に、Al膜(膜厚:3000Å)を真
空蒸着法により成膜した後、このAl膜を、フオ
トリソ法によりエツチング液として硝酸とリン酸
の混合溶液を用いて、複数帯状(第1図において
紙面垂直方向)に配列して背面電極6を形成し
た。したがつて、透明電極2と背面電極6とは、
従来と同様に互いに直交するように複数帯状に配
列している。
このようにして製作した本実施例の薄膜EL素
子は、透明電極2と背面電極6との間に交流電圧
(周波数100Hzの正弦液)を印加することにより、
ピーク波長580nmで橙黄色に発光し、そのとき
の発光輝度は100cd/m2であつた。
以上、本実施例によれば、透光性基板1側から
入射した外部光は、光吸収層11によりほとんど
吸収されて、背面電極6への到達が防止され、一
部到達して背面電極6から反射した戻り光があつ
ても、この光吸収層11により同様に吸収され
る。その結果、透光性基板1から入射した外部光
の強さと、観測表面9から観測した入射光の戻り
光の強さとの比、すなわち透光性基板1の観測表
面9側の反射率特性は、第4図の曲線Aに示すよ
うに低く、可視光領域(波長400〜700nm)にお
ける平均反射率は約9%であり、コントラストの
良好な薄膜EL素子が得られた。
第5図a及びbは、それぞれArガス中の窒素
ガス混入率30%を一定にし、酸素ガス混入率を変
化した場合及びArガス中の酸素ガス混入率3%
を一定化にし、窒素ガス混入率を変化した場合に
おける、光吸収層11の光学定数(n:屈曲率、
K:消衰係数)を波長600nmにおいて測定した
特性図である。ここで、第5図から言えること
は、反応性スパツタリング法において酸素ガスま
たは窒素ガスの混入率が高くなれば、膜中に含ま
れる酸素または窒素の含有量が増え、その結果、
特性が変化しているのであろうということであ
る。
なお、光吸収層の構造は、はつきりしたことは
言えないが、全てのゲルマニウムに酸素と窒素が
化学量論的に結合しているものではなく、不完全
な結合となつているようである。本実施例の光吸
収層11の屈折率n及び消衰係数Kは、酸素ガス
3%と窒素ガス30%の混入率であることから、波
長600nmにおいてn=3.2及びK=0.4であり、第
2誘電体層5と光吸収層11との界面における反
射率を後述する式(1)に準じて計算すると4.0%で
ある。なお、第2誘電体層5と光吸収層11との
界面における反射を低減するために、本実施例の
光吸収層11の可視光領域における平均屈折率n
及び平均消衰係数kは、第2誘電体層5のTa2O5
やその他HfO2、Si3N4及びY2O3等の誘電体の屈
折率が2前後であることから、n≦4、k≦1で
あることが望ましい。光吸収層11の光学定数
は、薄膜EL素子の反射率特性が良好になるよう
に、前述した窒素ガス及び酸素ガスの各混入率と
成膜速度を適宜選定して設定される。
また、本実施例によれば、EL発光層4と光吸
収層11との間に第2誘電体層5を設けているの
で、第6図の印加電圧−発光輝度特性図において
曲線Eで示すように(比較例として前述の第7図
aで示した薄膜EL素子の特性を曲線Dで示す。)
発光輝度の立ち上りが急峻となり、かつ前述した
発光輝度100cd/m2を得るための印加電圧も低く
抑えることができ、絶縁破壊をも防止することが
できる。さらに、光吸収層11の比抵抗は、光吸
収効果を得る膜厚(数百Å以上)のもとでは、一
般的に103Ω・cm以上であれば、クロストークの
防止効果を奏する。したがつて、本実施例の光吸
収層11の膜厚が2000Åであり、かつその比抵抗
が105Ω・cmであることから、クロストークも十
分に防止することができる。さらに、本実施例の
光吸収層はゲルマニウムに酸素と窒素を含有させ
たことで耐薬品性に優れ、電界中における計時変
化が極めて少なく安定している。
光吸収層11と背面電極6との間に挿入した第
3誘電体層12(Ta2O5)は、背面電極6(Al)
を形成する湿式エツチング液である硝酸酸性液に
よつて、光吸収層11が侵されることを防止する
のみならず、薄膜EL素子の絶縁破壊を防止する
上でも有効である。第2誘電体層5の膜厚を小さ
くして(例:3000Å→1000Å)、第3誘電体層1
2の膜厚を大きくしても(例:1000Å→3000Å)、
印加電圧−発光輝度特性及びコントラスト比は、
基本的には本実施例と同様である。第3誘電体層
12の代わりにSi、SiC等の半導体層を使用して
も、本実施例と同様な効果を奏し、この半導体層
の比抵抗もクロストークを防止する上で、103
Ω・cm以上であることが望ましい。
一方、本実施例の製造方法は、スパツタリング
法によつて、前記光吸収層11を成膜しているの
で、膜質を緻密にし、かつ経時変化も抑えること
ができる。
実施例 2 本実施例を第2図に基づいて詳述する。
先ず、前述した透光性基板1の観測表面9と対
向する表面10上に透明電極2、第1誘電体層
3、EL発光層4及び第2誘電体層5を前記実施
例1と同様に順次積層する。次に、ゲルマニウム
のスパツタターゲツトを用いて、酸素ガス10%と
窒素ガス30%を混入したArガス(分圧:6×
10-1Pa)をスパツタ装置に導入し、高周波出力
6W/cm2にて反応性スパツタを行い、ゲルマニウ
ムに酸素と窒素を実質的に均一に含有してなる第
1光吸収層13(膜厚:300Å、比抵抗:106Ω・
cm、成膜速度110Å/分)を成膜し、引き続き、
酸素ガス3%と窒素ガス30%を混入したArガス
(分圧:6×10-1Pa)をスパツタ装置内に導入
し、高周波出力6W/cm2にて反応性スパツタを行
い、ゲルマニウムに酸素(第1光吸収層中の酸素
と比較して少量である。)と窒素を実質的に均一
に含有してなる第2光吸収層14(膜厚:1000
Å、比抵抗:105Ω・cm、成膜速度125Å/分)を
成膜し、更に引き続いて、酸素ガスを排除して、
窒素ガス30%を混入したArガス(分圧:6×
10-1Pa)をスパツタ装置内に導入し、高周波出
力6W/cm2にて反応性スパツタを行い、ゲルマニ
ウムに窒素を実質的に均一に含有してなる第3光
吸収層15(膜厚:500Å、比抵抗:104Ω・cm、
成膜速度125Å/分)を成膜する。したがつて、
前記第1光吸収層13と前記第2光吸収層14と
前記第3光吸収層15とからなる光吸収層16
は、後記する背面電極6側に向つて窒素の含有を
実質的に一定にし、酸素の含有を段階的に酸素含
有率を減少させている。
次に、第3誘電体層12及び背面電極6を前記
実施例1と同様に成膜し形成した。
このようにして製作した本実施例の薄膜EL素
子は、前記実施例1と同様に電圧印加して、ピー
ク波長580nmで橙黄色に発光し、通常の動作条
件で容易に100cd/m2の輝度が得られた。
本実施例によれば、透光性基板1の観測表面9
側の反射率特性は、第4図の曲線Bに示すように
低く、可視光領域における平均反射率は約8%で
あり、コントラストの良好な薄膜EL素子が得ら
れた。
このように本実施例の薄膜EL素子の平均反射
率が低いのは、第2誘電体層5の屈折率がn5
2.2であり、第1光吸収層13の光学定数が第5
図aに示すとおり、屈折率n13=2.6、消衰係数
K13=0.2であることから、第2誘電体層5と第1
光吸収層13との界面での反射率R5・13は、次の
式(1)によりR5・13=0.9%となり、また、第1光
吸収層13と第2光吸収層14(n14=3.2、K14
=0.4)との界面の反射率R13・14及び第2光吸収
層14と第3光吸収層15(n15=3.5、K15=0.6)
との界面の反射率R14.15はそれぞれ、式(1)に準
じて近似計算すると、R13・14≒1.5%及びR14.15
≒1.0%となり、かつ、第1光吸収層13(K=
0.2)、第2光吸収層14(K=0.4)及び第3光
吸収層15(K=0.6)と消衰係数を段階的に増
大していることから、第1光吸収層13内に入り
込んだ光がその第1光吸収層13、更に第2光吸
収層14及び第3光吸収層15において有効に光
吸収されているからである。
R5・13=〔(n5−n132 +k13 2〕/〔(n5+n132+K13 2〕 ……(1) 本実施例による印加電圧−発光輝度特性は、第
6図の曲線Fで示すように実施例1による曲線E
と同様、発光輝度の立ち上りが急峻となり、かつ
発光輝度100cd/m2を得るための印加電圧も低く
抑えることができ、絶縁破壊も十分防止すること
ができる。さらに、本実施例の光吸収層16を構
成する第1光吸収層13、第2光吸収層14及び
第3光吸収層15が十分に光吸収している比較的
薄い膜厚(それぞれ300Å、1000Å及び500Å)で
あり、かつそれぞれの比抵抗が約103Ω・cmであ
る106Ω・cm、105Ω・cm及び104Ω・cmであるこ
とから、クロストークも十分に防止することがで
きる。なお、光吸収層16の表面抵抗は4.5×109
Ω/□である。
その他、本発明の効果については、前記実施例
1のものと同様である。
実施例 3 本実施例を第3図に基づいて詳述する。
先ず、透光性基板1の観測表面9と対向する表
面10上に透明電極2、第1誘電体層3、EL発
光層4及び第2誘電体層5を前記実施例1と同様
に順次積層する。次に、ゲルマニウムのスパツタ
ターゲツトを用い、流量制御装置を通して、最初
は、酸素ガス3%と、窒素ガス50%を混入した
Arガス(分圧:6×10-1Pa)をスパツタ装置内
に導入し、高周波出力6W/cm2にて反応性スパツ
タを行い、ゲルマニウムに酸素と窒素を含有して
なる光吸収層17を前記第2誘電体層5上に成膜
し始める。この光吸収層17は、成膜開始と同時
に酸素ガスの混入率3%を一定に維持しながら、
窒素ガスの混入率を流量制御装置により徐々に下
げ、Arガスに対する窒素ガスの混入率を50%→
25%にし、ゲルマニウム中の窒素含有率の割合を
連続的にEL発光層4から後記する背面電極6側
の膜厚方向に沿つて減少させて成膜した(膜厚:
2000Å、比抵抗:約107Ω・cm〜104Ω・cm)。な
お、成膜速度は100Å/分→125Å/分に徐々に変
化させた。次に、前記光吸収層17上に、前記実
施例1と同様にして背面電極6(膜厚:3000Å)
を積層し形成した。なお、本実施例においては、
前記実施例1、2と異なり、硝酸酸性に対して耐
酸性の第3誘電体層を光吸収層17上に積層して
いないことから、背面電極6(Al)のストライ
プ化は、湿式エツチングにおいてKOH等のアル
カリ性溶液を使用することになる。
以上、本実施例によれば、窒素ガス混入率を変
化させると、前述した第5図で示すように、光吸
収層17の屈折率n17及び消衰係数K17がそれぞ
れ、n17=2.5〜3.5及びK17=0.2〜0.6と連続的に増
大する。したがつて、第2誘電体層5(屈折率n5
=2.2)と光吸収層17との界面での反射率は前
記実施例1及び2よりも小さくなり、かつ光吸収
層17の屈折率n17が連続的に変化していること
から、前記実施例2のような第1光吸収層13と
第2光吸収層14との界面等での反射が存在しな
いために、前記実施例2よりもコントラスト比が
一層向上する。また、第4図の曲線Cで示すよう
に可視光領域における平均反射率を約6%まで低
くすることができる。
また、本実施例によれば、前記実施例1及び2
と同様に、第6図の曲線Gで示すように、印加電
圧−発光輝度特性も良好で、クロストークも防止
することができる。なお、本実施例も光吸収層の
比抵抗が約103Ω・cm以上であればよい。そして、
本実施例もスパツタリング法によつて光吸収層1
7を成膜しているので前記実施例1及び2と同様
の効果を奏する。
以上、実施例1、2及び3について詳述した
が、本発明はこれ等の実施例の材料、膜厚及び成
膜方法に限定されない。先ず、光吸収層について
は、酸素ガスの混入率を一定にして、窒素ガスの
混入率を段階的に減少しながら成膜し、若しくは
窒素ガスの混入率を一定にして、酸素ガスの混入
率を連続的に減少しながら成膜することにより、
それぞれ光吸収層中の窒素含有率をEL発光層側
から背面電極側に向つて段階的に減少し、又は酸
素と窒素の各含有率を共に段階的若しくは連続的
に減少してもよい。光吸収層形成のスパツタリン
グ法においてArガスの代わりにne、Kr、Xe等の
不活性ガスを使用してもよい。光吸収層の膜厚に
ついては酸素と窒素を含有するゲルマニウムの光
学定数と比抵抗及び製造工程を考慮して500〜
5000Åが望ましい。成膜方法についてはスパツタ
リング法の代わりに、活性化反応蒸着法、イオン
プレーテイング法及びCVD法等を使用してもよ
い。透光性基板についてはソーダライムガラス等
の多成分系ガラス又は石英ガラスでもよく、透光
性基板の観測表面にMgF2等の反射防止膜を被着
してもよい。透明電極についてはIn2O3若しくは
これにWを添加したもの又はSnO2にSb、F等を
添加したものであつてもよい。第1、第2及び第
3誘電体層については、Al2O3、SrTiO3
BaTa2O6、Y2O3、HfO2等の酸化物、Si3N4、シ
リコンオキシナイトライド又はこれらの複合物で
もよい。EL発光層については母材としてZnSe、
CaS又はSrS等、ドーパントとしてEu、Sm、
Tb、Tm等の希土類元素を使用してもよい。
さらに、背面電極については、Ta、Mo、Fe、
Ni、NiAl、NiCr等の金属を使用してもよい。透
明電極と背面電極のストライプ化手段として湿式
法の代わりに、CCl4等のガスを主成分として用
いるドライエツチング法や、マスク蒸着法等を用
いて複数帯状に形成してもよい。
〔発明の効果〕
以上のとおり、本発明によれば、光吸収層がゲ
ルマニウムに酸素と窒素を含有している層である
ことから、コントラストを向上させることがで
き、印加電圧−発光輝度特性を良好に維持するこ
とができ、クロストークも防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す断面図であ
る。第2図は本発明の他の実施例を示す断面図で
ある。第3図は本発明のもう一つの他の実施例を
示す断面図である。第4図は本発明の実施例によ
る反射率を示す特性図である。第5図a及びbは
Arガス中の窒素ガス混入率を30%に一定にし、
酸素ガス混入率を変化した場合及びArガス中の
酸素ガス混入率を3%に一定にし、窒素ガス混入
率を変化した場合におけるそれぞれの光吸収層の
屈折率と消衰係数とを示す特性図である。第6図
は従来例と本発明の実施例による印加電圧−発光
輝度を示す特性図である。第7図a及びbはそれ
ぞれ従来の薄膜EL素子を示す断面図である。 1……透光性基板、2……透明電極、3……第
1誘電体層、4……EL発光層、5……第2誘電
体層、6……背面電極、11,16,17……光
吸収層、12……第3誘電体層、13……第1光
吸収層、14……第2光吸収層、15……第3光
吸収層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 EL発光層と、入射光を吸収する光吸収層と、
    誘電体層とを透明電極と背面電極との間に介在し
    てそれぞれ透光性基板上に積層し、両電極間に電
    圧印加することにより前記EL発光層からEL発光
    を呈する薄膜EL素子において、前記光吸収層が
    ゲルマニウムに酸素と窒素を含有している層であ
    ることを特徴とする薄膜EL素子。 2 光吸収層中の酸素の含有が実質的に均一に分
    布していることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の薄膜EL素子。 3 光吸収層中の窒素の含有が実質的に均一に分
    布していることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の薄膜EL素子。 4 光吸収層中の酸素と窒素の含有がそれぞれ実
    質的に均一に分布していることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の薄膜EL素子。 5 光吸収層中の酸素の含有がEL発光層側から
    背面電極側に向つて連続的又は段階的に減少して
    いることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の薄膜EL素子。 6 光吸収層中の酸素の含有がEL発光層側から
    背面電極側に向つて連続的又は段階的に減少して
    いることを特徴とする特許請求の範囲第3項記載
    の薄膜EL素子。 7 光吸収層中の窒素の含有がEL発光層側から
    背面電極側に向つて連続的又は段階的に減少して
    いることを特徴とする特許請求の範囲第1項、第
    2項又は第5項記載の薄膜EL素子。 8 EL発光層上に、誘電体層と、光吸収層と、
    誘電体層又は半導体層と、背面電極とを順次積層
    したことを特徴とする特許請求の範囲第1項、第
    2項、第3項、第4項、第5項、第6項又は第7
    項記載の薄膜EL素子。 9 EL発光層上に、誘電体層と、光吸収層と、
    背面電極とを順次積層したことを特徴とする特許
    請求の範囲第1項、第2項、第3項、第4項、第
    5項、第6項又は第7項記載の薄膜EL素子。
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