JPH0145713B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は通信装置間の接続に用いられるケー
ブルのデイスクリートワイヤ（電線）を圧接保持
する圧接形コネクタに関する。

従来、この種のコネクタはそれぞれ電線受入溝
を有する複数個の導電性接触子（コンタクト）を
絶縁性筺体（ハウジング）に配設して成る。この
コンタクトにおける電線受入溝は対向する第１お
よび第２の電線保持部に設けられ、溝の開口部か
ら互いに逆に整列する幅の広い歪軽減部とこれに
連通する幅の狭い芯線接触部とを有する。しかし
ながら、このような構造のコンタクトに例えば芯
線径0.26mmφの細芯ケーブル電線を複数本圧接す
る場合、第１および第２の電線保持部の対向する
電線受入溝の位置が高精度に整合されていない
と、ステフネスの小さい受入溝開口側に圧入され
る電線の圧接が充分に成されず安定接触を提供で
きなくなる。

ここで、従来の圧接形コネクタについて図面を
参照して説明する。このコネクタに配設されるコ
ンタクトは、第１図に示すように、一方の端部に
対向する第１および第２の電線保持部１および２
を、且つ他方の端部に他の電気端子と接触する舌
片部３をそれぞれ設けている。連結部４によつて
結合された第１および第２の電線保持部１および
２は、それぞれ電線受入溝５および６を有する。
第１の電線保持部１の電線受入溝５はその開口端
側から幅の広い歪軽減部５ａとそれに連通し且つ
幅の狭い芯線接触部５ｂとより成る。一方、第２
の電線保持部２の電線受入溝６は電線受入溝５の
歪軽減部５ａに対向する位置に芯線接触部６ｂ
を、且つ芯線接触部５ｂに対向する位置に歪軽減
部６ａを形成している。

このように構成されるコンタクト１０に２本の
電線を圧接した状態を第２図に示す。この図に示
すように、第１の電線７ａはその芯線を第１の電
線受入溝５の芯線接触部５ｂに圧接する上に、第
２の電線受入溝６の歪軽減部６ａにその絶縁被覆
を接触して保持される。また、第２の電線７ｂは
その芯線を第２の電線受入溝６の芯線接触部６ｂ
に圧接する上に、その被覆を第１の電線受入溝５
の歪軽減部５ａに接触して保持される。溝幅の広
い歪軽減部５ａおよび６ａではそれぞれ電線７ｂ
および７ａの被覆に接触してこれら電線を保持す
る程度の押圧力が与えられる。すなわち、特に芯
線接触の必要性が無い歪軽減部５ａ，６ｂで電線
受入溝５，６が電線から大きな応力を与えられる
ことがないように構成されている。なぜならば、
歪軽減部５ａ，６ａで電線受入溝５，６に大きな
圧力が加わると、発生する歪により芯線接触部５
ｂ，６ｂでの接触力に影響が及び、適正な接触圧
が得られなくなるからである。しかしながら、細
芯ケーブル電線を複数本圧接する場合、対向する
第１および第２の電線受入溝５，６の位置が高精
度に整合されていないと、第３図に示すように、
受入溝の奥側よりステフネスの小さい受入溝開口
側に圧入される電線７ｂが歪軽減部５ａに拘束さ
れて片あたり接触状態となり、接触の安定性を欠
くことになる。また、この片あたり接触状態は電
線７ａ，７ｂを受入溝５，６に圧入する治具の挿
入方向に対する傾きによつても生じる。

この発明の目的は、それぞれ電線受入溝を有し
て対向する一対の電線保持部の一方の歪軽減部を
除去したコンタクト形状とし、その電線保持部に
圧接される電線をハウジングとこれに装着される
蓋体とによつて保持することにより、復数本の電
線の圧接保持を確実に成す高信頼度な圧接形コネ
クタを提供することにある。

本発明の圧接形コネクタは、対向して設けられ
た第１および第２の電線保持部を一方の端部にか
つ外部から挿入される導電性棒状体との接触片を
他方の端部にそれぞれ有し、前記第１の電線保持
部には圧入される第１の電線の芯線に接触する第
１の芯線接触部を有する第１の電線受入溝が設け
られ、前記第２の電線保持部には前記第１の芯線
接触部に対向し前記第１の電線の被覆に接触して
この電線を保持するよう前記第１の芯線接触部よ
りも溝幅が広く形成された歪軽減部とこの歪軽減
部に連通し前記第１の電線保持部に非係合に圧入
される第２の電線の芯線に接触する第２の芯線接
触部とを有する第２の電線受入溝が設けられた導
電性接触子と、 この接触子の前記第１および第２の電線保持部
を突出させて前記導電性接触子を受容するよう構
成され、かつ、前記第２の電線の被覆に接触して
この電線を保持する電線保持突片が設けられた筺
体と、 この筺体に装着され前記第２の電線を前記電線
保持突片に押圧する蓋体とを備えることを特徴と
する。

次にこの発明の実施例について図面を参照して
説明する。

第４図はこの発明による圧接形コネクタに用い
られるコンタクトの斜視図、第５図はこの発明に
よる圧接形コネクタの分解斜視図、および第６図
は第５図に示すコネクタの電線圧接状態を示す断
面図である。まず、第４図を参照すると、コンタ
クト２０は互いに高さ（l₁＜l₂）の異なる第１の
電線保持部１１と第２の電線保持部１２を有し、
第１の保持部１１の電線受入溝１５は芯線接触部
１５ｂを且つ第２の保持部１２の電線受入溝１６
は歪軽減部１６ａとこれに連通する芯線接触部１
６ｂをそれぞれ設けている。したがつて、第１の
保持部１１の芯線接触部１５ｂと第２の保持部１
２の歪軽減部１６ａが整列する。他の構成は従来
のものと同様である。次に、第５図および第６図
を参照すると、ハウジング２１はプラスチツク樹
脂成形品であり、上述したコンタクト２０を嵌装
する収納穴２２と、ドレイン線位置表示マークか
つ電線結線治具への誤挿入防止を兼ねた切欠き２
３と、コンタクト２０に圧接された電線に作用す
る外力に抗し保持するための電線保持突片２４と
を備える。また、押え蓋体２５はハウジング２１
に装着されたとき、電線７ｂに当接する突出部２
６を有する。

コンタクト２０の芯線接触部１５ｂに第１の電
線７ａを挿入治具により圧接した後、第２の電線
７ｂを芯線接触部１６ｂに圧入する。この場合、
第２の電線７ｂは第１の電線保持部１１に非係合
であり、この保持部によつて拘束されることはな
いため両側均等接触状態（第２図参照）となる。
しかし、電線７ｂは電線保持突片２４と押え蓋体
２５の突出部２６とにより押圧されるため、外力
が芯線接触部に作用することを防止できる。

上述したように構成される圧接形コネクタは、
第７図Ａに示すように絶縁性カバー３０ａ，３０
ｂ内に納設されて実用に供される。また、第７図
Ｂに示すように、取付板３１に搭載されたピンヘ
ツダ３２と嵌合して電気的、機械的接続を形成す
る。

以上説明したようにこの発明によれば、１本の
コンタクトに対し複数の電線を高信頼度に接続可
能であり、その電線に働く外力が芯線接触部へ作
用することをハウジングと押え蓋体との挟持構造
によつて阻止し得るので長期間に及ぶ安定接触を
成せる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の圧接形コネクタのコンタクト形
状を示す斜視図、第２図および第３図は第１図に
示すコンタクトへの電線圧接状態を示す図、第４
図はこの発明による圧接形コネクタのコンタクト
形状を示す斜視図、第５図は同コネクタの分解斜
視図、第６図は同コネクタへの電線圧接状態を示
す図、第７図Ａおよび第７図Ｂは同コネクタの実
用形態の例を示す図である。 ７ａ，７ｂ：電線、１１：第１の電線保持部、
１２：第２の電線保持部、１５，１６：電線受入
溝、１６ａ：歪軽減部、１５ｂ，１６ｂ：芯線接
触部、２０：コンタクト、２１：ハウジング、２
４：電線保持突片、２５：押え蓋体、２６：突出
部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 対向して設けられた第１および第２の電線保
   持部を一方の端部にかつ外部から挿入される導電
   性棒状体との接触片を他方の端部にそれぞれ有
   し、前記第１の電線保持部には圧入される第１の
   電線の芯線に接触する第１の芯線接触部を有する
   第１の電線受入溝が設けられ、前記第２の電線保
   持部には前記第１の芯線接触部に対向し前記第１
   の電線の被覆に接触してこの電線を保持するよう
   前記第１の芯線接触部よりも溝幅が広く形成され
   た歪軽減部とこの歪軽減部に連通し前記第１の電
   線保持部に非係合に圧入される第２の電線の芯線
   に接触する第２の芯線接触部とを有する第２の電
   線受入溝が設けられた導電性接触子と、 この接触子の前記第１および第２の電線保持部
   を突出させて前記導電性接触子を受容するよう構
   成され、かつ、前記第２の電線の被覆に接触して
   この電線を保持する電線保持突片が設けられた筺
   体と、 この筺体に装着され前記第２の電線を前記電線
   保持突片に押圧する蓋体とを備えることを特徴と
   する圧接形コネクタ。