JPH0145444B2

JPH0145444B2 -

Info

Publication number: JPH0145444B2
Application number: JP56030362A
Authority: JP
Inventors: Mitsuo Nonokawa; Yoshifumi Kawai; Satoru Nakada; Tomonori Katada
Original assignee: NONOGAWA SHOJI JUGEN
Current assignee: NONOGAWA SHOJI JUGEN
Priority date: 1981-03-03
Filing date: 1981-03-03
Publication date: 1989-10-03
Also published as: JPS57144210A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、多層型化粧料に関するものであり、
目的とするところは使用時において乳濁性が極め
て優れていると共に、油性のべたつきがなく、一
時的に油分補給能を持ち、かつ静止状態で速かに
分離して透明な三層となる製品価値の高い三層型
化粧料を提供せんとするものである。

従来より、静置状態において二層あるいは三層
に分離しているタイプの液体化粧料は、よく知ら
れており、一般に多層型化粧料と呼ばれている。
これは外観の美麗さおよび奇抜さを呈することは
勿論のこと、各層にそれぞれ化粧用成分、薬効成
分、香料等を安定に配合できるという効果があ
る。

また、従来から知られている多層型化粧料とし
ては、比重差を有し、互いに溶解しない二種以
上の油成分から成る二層以上の油性層から構成さ
れるもの、一層がアルコールからなる水性層
で、他の一層が水およびアルコールと混和しない
油性層からなるもの、一層が水層で、他の一層
がアルコール層のもの、上記，およびを
組み合せたものが知られている。

また、多層型化粧料の報告例も種々あるが、
のタイプの水性層とアルコール層の分離をし、使
用感がさつぱりしていてよいものを目的としたも
のに、特開昭49−1734（ピロリドンカルボン酸ナ
トリウム50％水溶液と界面活性剤を併用）および
特開昭54−41335（乳酸ナトリウムと界面活性剤を
併用）などが挙げられる。のタイプの例として
は、特開昭54−62329（油層とアルコールおよび水
の混合液による二層型化粧料）および特開昭55−
47611（油層、アルコールおよび水の混合液と香料
および香料溶剤の混合層からなる三層フレグラン
ス）などが報告されている。

一方、本発明は、単に各層成分の比重差、粘度
および相溶性を用いて三層に分離するものであ
り、他の多層型化粧料と異なり界面活性剤を全く
使用していないのが特徴であり、皮膚刺激もなく
処方設計が容易であるのも本発明の特徴である。
すなわち、本発明はジメチルポリシロキサン層と
して10〜50重量％、液状オイル層として20〜50重
量％、アルコールまたはアルコール水溶液の層と
して20〜50重量％からなる三層型化粧料用組成物
である。この種の多層型化粧料においては、油層
成分が多くなるので油層成分の選択が大きな問題
となる。

一時的に油分の補給能を有し、かつべたつかな
い油性成分としては、ジメチルポリシロキサンが
良好である。粘度範囲としては常温で５〜500CS
のものよく、特に20CS付近のものは、常温での
揮発性が高いため、皮膚に残留しないので化粧料
（水）用の油性成分として好ましいことを見出し
た。粘度が500CS以上になると、さらつとした感
じがなくなり、使用感もよくなく、他層成分（油
およびアルコール水溶液）との分離が悪くなり、
一方5CS以下の粘度のものは、他層成分との相溶
性が出てくるため分離状態が悪くなるので本発明
の油性成分として不適である。また前記のジメチ
ルポリシロキサンと相溶性が少なく、かつ比重差
のある常温で液体のオイルを検索したところ、エ
ステル油としては、オレイン酸オクチルドデシル
（以下OODと略称する）のような分子内に側鎖ま
たは不飽和結合を有するもの、また植物油として
は小麦胚芽油、サフラワー油、ヒマワリ油等が良
好である。特にOODは皮膚に対してべたつきが
なく、伸が良く、皮膚上での保湿性が優れ、かつ
安全性が非常に高いので本発明の三層型化粧料の
油性成分としては好適なものである。

上記のジメチルポリシロキサンとOOD等の液
状オイルとアルコールあるいはアルコール水溶液
とは相溶性がとぼしく、上記三層は良好な分離状
態を示す。本発明に適用されるアルコールとして
は、エチルアルコールおよびプロピルアルコール
が目的として用いられる。

図１に、ジメチルポリシロキサン（トーレ・シ
リコーン(株)シリコンSH 200，20CS，ｄ＝
0.955），OOD（ｄ＝0.860±0.005）およびエタノ
ール水溶液の比重の相関関係を示した。図より明
らかなように、エタノール水溶液中に含まれるエ
タノール含有量により三種のタイプの三層型化粧
料が可能であり、エタノール含有量が０〜24重量
％の時(A)、上層からOOD―シリコンオイル―エ
タノール水溶液の順に三層に分離する。また、エ
タノール含有量が32〜70重量％の範囲においては
(B)、上層からOOD―エタノール水溶液―シリコ
ンオイルの順に、78〜100重量％の範囲において
は(C)、上層からエタノール水溶液―OOD―シリ
コンオイルの順に分離した三層型化粧料が得られ
る。各層の比重の類似した領域例えば、エタノー
ル水溶液中のエタノール含有量が、24〜32重量％
および70〜78重量％の範囲においては、分離状態
が悪く、また分離に時間がかかるので本発明の目
的物としては不適である。しかし、これらの主成
分の他にピロリドンカルボン酸ナトリウム（以下
PCA―Naと略称する）50％水溶液、グリセリン
等を加えることにより、エタノール水溶液の比重
を容易にかえることが可能であるので、上記の分
離状態の悪い領域においても、良好な分離状態を
持つ三層型化粧料を得ることができる。

本発明は、前記の組成物によつて十分その目的
を達成することができるが、更に、前述のごとき
PCA―Na50％水溶液を全体量の8.0重量％以下、
好ましくは1.0〜5.0重量％を添加させることによ
り、分離状態が極めて良好となり、かつ使用時の
感触も良好となる。8.0重量％以上にすると、多
少色とびの現象が生じて来るのであまり好ましく
ない。

次に本発明の実施例を示す。配合量は重量パー
セントである。

実施例１三層型化粧水（上層から油層―シリコ
ンオイル層―エタノール水溶液層の三層に分離
するタイプ）Ａ OOD 40.0 小麦胚芽油 1.0 ビタミンＡパルミテート 0.1 色素（油溶性）適量香料 0.5 Ｂジメチルポリシロキサン（例えば、トー
レ・シリコーン(株)シリコンSH200，20CS）
20.0 Ｃエチルアルコール 11.0 グリセリン 9.0 PCA―Na50％水溶液 2.0 アラントイン 0.1 色素（水溶液）適量精製水 17.0 製造法；成分〜を成分に加えて均一にす
る(A)。成分を成分に加えて溶解した後、成分
，およびを加えて均一にした後、さらに成
分を加えて均一にする(B)。調製した(A)，(B)およ
び(C)を室温を撹拌しながら混合し、その一定量を
容器に充填し、静置すれば、透明な三層型化粧水
が得られる。

実施例２三層型化粧料（上からエタノール層―
油層―シリコンオイル層の順で、三層に分離し
ているタイプ）Ａエチルアルコール 40.0 パントテニルエチルエーテル 0.1 色素（アルコール可溶性）適量Ｂ OOD 40.0 小麦胚芽油 1.0 ビタミンＥ・アセテート 0.1 色素（油溶性）適量香料 0.5 ジメチルポリシロキサン20CS 18.0 製造法；実施例１と同様の操作を行い三層型化
粧料を得る。

【図面の簡単な説明】

図１は、ジメチルポリシロキサン（トーレ・シ
リコーン(株)シリコンSH200，20CS，ｄ＝0.955），
OOD（ｄ＝0.860±0.005）およびエタノール水溶
液の比重の相関関係を示した。

Claims

【特許請求の範囲】１ジメチルポリシロキサン層として10〜50重量
％、液状オイル層として20〜50重量％アルコール
またはアルコール水溶液の層として20〜50重量％
からなる三層型化粧料用組成物。２液状オイルが植物油、または、分子内に側鎖
または不飽和結合を持つエステル油である特許請
求の範囲第１項記載の三層型化粧料用組成物。