JPH0144516Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、積載された用紙を１枚ずつ搬送する
給紙装置、特に摩擦分離方式の給紙装置に関す
る。

従来技術 この種の給紙装置は複写機、フアクシミリ、プ
リンタ等に用いられる。給紙台に積載された用紙
の上面には、用紙搬送方向に回動するピツクアツ
プローラが接触し、用紙を順次送り出している。
このピツクアツプローラが常に用紙を１枚ずつ送
り出すとは限らないので、該ピツクアツプローラ
から搬送方向下流側に間隔をおいて重送防止手段
が設けられている。重送防止手段は、用紙搬送方
向に回動するフイードローラと、該フイードロー
ラと用紙搬送路を挾んで対向し所定のトルクで反
給紙方向に負荷されているリバースローラから構
成され、その場合上記リバースローラにより用紙
に作用する反給紙方向の摩擦力が、重合した用紙
間にはたらく摩擦力よりは大きく、しかしフイー
ドローラと用紙との間に作用する搬送方向の摩擦
力よりは小さく設定されている。それによつてピ
ツクアツプローラから１枚の用紙のみが送られて
きた場合には、リバースローラはフイードローラ
に従動して給紙方向へ回動し、一方ピツクアツプ
ローラから２枚の用紙が重合して送られてきた場
合には、上述のごとくリバースローラの用紙に及
ぼす摩擦力が用紙間にはたらく摩擦力よりは大き
く設定されているため、リバースローラはこれに
接合する下側用紙を連行してフイードローラに対
し逆方向へ回動し、即ち反給紙方向へ回動する。
従つて、ピツクアツプローラより２枚の用紙が送
られてきた場合でも、上の用紙だけが搬送方向へ
送り出され、下の用紙は元の位置へ送り返され、
よつて適確な給紙が行なえるようになつている。

上記の摩擦分離ローラ対のさらに下流側にはレ
ジストローラが配設されている。レジストローラ
は、用紙の感光体ドラムへの供給と感光体ドラム
の回転とのタイミングをとるために用いられる。
このタイミングをとるために、用紙をレジストロ
ーラの前で一時的に停止させるのであるが、その
ために用紙搬送方向にてこのレジストローラの上
流側にセンサを設け、該センサによる用紙検知
後、用紙をレジストローラに当接させたままフイ
ードローラを駆動させ、そして所定時間経過後フ
イードローラを停止させて紙のたるみを得てい
る。即ち、レジストローラとセンサとの距離を
ｌ、たるみ量を△ｌ、フイードローラによる用紙
搬送速度をＶ、用紙先端がセンサに到達してから
フイードローラが停止されるまでの時間をｔとす
ると、 ｔ＝ｌ＋△ｌ／Ｖ が成立する。ここでＶはフイードローラの周速等
を想定し一定としているが、実際にはフイードロ
ーラと用紙間のスリツプ率等の影響で一定になら
ないことが判明している。

なお、本考案者らは、用紙搬送速度とスリツプ
率との関係を明らかにするため種々の実験を重ね
た結果、スリツプ率は用紙搬送速度に依存しない
こと、逆に用紙搬送速度はスリツプ率に依存する
こと、より厳密には、スリツプ率は用紙搬送力
（フイードローラの摩擦係数に加圧力を乗じたも
の）とこれに対する負荷抵抗との比によつて決定
され、従つて用紙搬送速度も用紙搬送力と負荷抵
抗によつて決定されるという結論に達した。

いずれにしろ、用紙搬送速度に変化が生じ、例
えば用紙搬送速度が所定の値より大きくなると紙
の折れ等が生じ、所定の値よりも小さくなると、
レジストのバラツキ、スキユー、不送り等の不具
合が生じるので、用紙搬送速度を測定して、この
測定された用紙搬送速度に基づき用紙に常に一定
のたるみをもたせることにより、適確な給紙を行
なう必要がある。

目 的 本考案は、用紙搬送速度を測定してフイードロ
ーラを制御することにより、用紙搬送方向にてレ
ジストローラ上流側で用紙に常に一定のたるみを
もたせ適確な給紙を行なうことができる給紙装
置、特に摩擦分離方式の給紙装置を提供すること
を目的とする。

構 成 本考案は、上記目的を達成するため、 給紙台に積載された用紙を１枚ずつ送り出すフ
イードローラと、かく送られた用紙を感光体ドラ
ム上へ適時に送り出すレジストローラと、用紙の
搬送方向にてこのレジストローラの上流側に配置
されて上記フイードローラの駆動を制御するため
のセンサとを有する給紙装置に於て、 上記第１センサの上流側にてフイードローラの
下流側に配置された第２センサ、及び第１センサ
と第２センサとの紙検知時間のずれから用紙の搬
送速度を演算し、この演算された搬送速度に基づ
き第１センサによる用紙検知後のフイードローラ
の駆動時間を制御する回路を設け、その場合上記
駆動時間の制御がレジストローラに当接して待機
する用紙に一定のたるみを付すように選択されて
いる ことを特徴とするものである。

実施例 以下に、本考案の実施例を添付の図面を用いて
説明する。

第１図は本考案による給紙装置の図式図であ
る。１は給紙台、２は該給紙台上に集積されてい
る用紙、３はピツクアツプローラ、４はフイード
ローラ、５はリバースローラ、６はレジストロー
ラ対、７は用紙搬送方向にてレジストローラ上流
側にある第１のセンサ、８はレジストガイド板、
９は用紙、１０は用紙搬送方向を示す矢印、各ロ
ーラに付された矢印はローラの回動方向を示す。
ここまでの構成は、従来の給紙装置と変わりな
い。

本考案による給紙装置では、第１のセンサ７の
他にさらに第２のセンサ１１が第１のセンサ７の
上流側にてフイードローラ４の下流側に設けられ
ている。その際両センサ７，１１の間隔は、後述
する搬送速度の算出上、可能な限り離れているの
が望ましい。第１のセンサ７と第２のセンサ１１
はCPU１２に接続されている。

第１図に示す給紙装置の作動態様を、第２図に
示すフローチヤートにより説明する。まずプリン
トキーが押され給紙信号が出ると、フイードロー
ラ４がONする（ステツプ）。次に第２のセン
サ１１がONになつたかを判別し（ステツプ）、
NOの場合には判別をくりかえし、YESであれば
ステツプからの信号がカウンターに入力しカウ
ントアツプする（ステツプ）。次にセンサ７か
らの信号により用紙が搬送され第１のセンサ７に
到達したかどうかを判別し（ステツプ）、NO
であればステツプに戻りステツプ−をくり
かえす。このくりかえし数はステツプにおいて
カウントされる。第１のセンサ７がONになる
と、このステツプ−のくりかえし数（カウン
トした数）に基づき、用紙先端が第２のセンサ１
１から第１のセンサ７に到達するまでに要した時
間t′が出され、この時間t′と、ROMに記憶されて
いるセンサ１１、センサ７間の距離のデータによ
り搬送速度Ｖが算出される（ステツプ）。そし
て紙に一定のたるみ量△ｌをもたせるために必要
な、用紙先端がセンサ７に到達してからフイード
ローラ４が停止されるまでの時間 ｔ＝ｌ＋△ｌ／Ｖ が算出される（ステツプ）。なお、用紙先端の
レジストローラ６への衝き当たり位置にはバラツ
キがあるが、このバラツキはレジストローラ６と
センサ７との間隔ｌに比して無視できるほど小さ
なものであり、用紙先端がセンサ７に到達してか
らフイードローラ４が停止されるまでの時間ｔを
算出するうえで問題はない。次に、ｔ時間経過し
たかどうかが判別され（ステツプ）、NOであ
れば判別をくりかえし、YESであればフイード
ローラ４がOFFにされる（ステツプ）。

上述のとおり、時間t′は、センサ７がONにな
るまでステツプ−が何度くりかえされたかに
より算出されるが、他にクロツクによるカウント
等が考えられる。

第３図は両センサ７，１１とフイードローラ４
のタイミングチヤートである。給紙信号によりフ
イードローラ４がONする（タイムＡ）。フイー
ドローラ４の回動により用紙が搬送されてセンサ
１１がONする（タイムＢ）。センサ１１がONし
て時間t′が経過した後用紙はセンサ７に達しセン
サ７がONする（タイムＣ）。センサ７による用
紙検知後フイードローラ４は時間ｔだけ駆動され
て停止される（タイムＤ）。

効 果 本考案により、紙の搬送速度が正確に算出さ
れ、従つてフイードローラの制御も適確に行なわ
れるため、紙種、コピーモード（両面コピー等）
に関係なくレジストローラ前で常に一定のたるみ
量を得ることが可能となり、適確な給紙が可能と
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による給紙装置の１例を示す図
式図、第２図はフイードローラに対するCPU動
作のフローチヤート、第３図は両センサとフイー
ドローラのタイミングチヤートである。 ３……ピツクアツプローラ、４……フイードロ
ーラ、５……リバースローラ、６……レジスタロ
ーラ、７……第１のセンサ、１１……第２のセン
サ、１２……CPU。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 給紙台に積載された用紙を１枚ずつ送り出すフ
   イードローラと、かく送られた用紙を感光体ドラ
   ム上へ適時に送り出すレジストローラと、用紙の
   搬送方向にてこのレジストローラの上流側に配置
   されて上記フイードローラの駆動を制御するため
   のセンサとを有する給紙装置に於て、上記第１セ
   ンサの上流側にてフイードローラの下流側に配置
   された第２センサ、及び第１センサと第２センサ
   との紙検知時間のずれから用紙の搬送速度を演算
   し、この演算された搬送速度に基づき第１センサ
   による用紙検知後のフイードローラの駆動時間を
   制御する回路を設け、その場合上記駆動時間の制
   御がレジストローラに当接して待機する用紙に一
   定のたるみを付すように選択されていることを特
   徴とする給紙装置。