JPH0144505Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は金属製のシート材を積重ねた状態か
ら１枚ずつ取出して供給するシート材供給装置に
関するもので、特にシヤーリングマシンへシート
材を積重ねた状態から１枚ずつ取出して自動的に
供給するのに適するものである。

従来のシヤーリングマシンへ自動的にシート材
を供給するには例えばテーブルリフター上又はそ
の他の所定位置に積重ねて配置したシート材を真
空吸着装置により１枚ずつ吸着して例えば全体に
多数の球状コロを配置した支持面上へ運んだ後自
動的に送出する装置でシヤーリングマシンへ供給
することが行われていた。また、実公昭55−
10365号公報に示されるように積重ねた板材の最
上部のものを吸着して持ち上げた状態でプーラー
を挿入して引き出すようにした提案があり、プー
ラーには挿入端側に上下に少し間隔をもつて複数
個ずつのローラーが設けてある。このようにして
も取り出した板材はプーラーと共に取り出される
ため、板材を積重ねる部分と取出して支持する部
分で少くとも板材の広さの２倍以上のスペースが
必要になり、さらに吸着装置等により次工程に移
すことになる旨の記載がしてある。

この考案は積重ねた状態からシート材を１枚ず
つ分離して取出す場合にそのまま次工程に供給で
きるようにして特別の支持用のスペースが不要に
なるようにしたシート材供給装置を提供するもの
である。

以下図面を参照しながらこの考案の一実施例に
ついて説明する。

図に示すこの考案の一実施例において、１０は
枠状に形成した本体、１１はこの本体内に配置し
て自動的に昇降できるようにして積重ねたシート
材９０を支持するテーブルリフター、１２は本体
１０の前方上部を横切るように配置した取付部
材、１３はこの取付部材に固着して適当間隔をも
つて配置してシート材９０の前端縁の位置を後述
するようにして規制する複数個の突き当て板、１
５はこの突き当て板の外側端のものの上部にそれ
ぞれ設けたラツクである。１６は吸着装置で台１
７を有しており、この台はハンドル１８を回転す
ることによりラツク１５にかみ合うピニオン２０
が回転して前後方向に進退するようになつてい
る。２１は台１７に取付けたエアシリンダーで、
真空吸着を行う複数個の吸着部材２２を昇降させ
るようになつている。台１７を前方へ移動させる
場合吸着部材２２は突き当て板１３と交互に配置
するようになつており、突き当て板１３の後端に
シート材９０を当接させることができるようにな
つている。２３は本体１０の一方側上部に突出さ
せて設けた複数個の当接部材である。

積重ねたシート材９０はワイヤでつるして運ば
れてきてテーブルリフター１１が上昇した状態で
受取るようになつている。この場合吸着装置１６
は前方へ移動させてあつてシート材９０の隣接す
る端縁部を突き当て板１３と当接部材２３に当接
させてその位置を規制するようになつており、ワ
イヤをはずした後テーブルリフター１１を下降さ
せるようになつている。その後吸着装置１６を後
方へ移動させる。吸着装置１６はエアシリンダー
２１により吸着装置２２を下降させてシート材９
０を１枚ずつ吸着して持上げるようになつてい
る。この場合吸着部材２２からシート材９０まで
の距離が大きくて吸着されないとその検出信号に
よつて自動的にテーブルリフター１１が上昇する
ようになつている。２５は公知のマグネツトセパ
レーター等よりなる分離装置で、シート材９０が
２枚吸着されるのを防止するものである。２６は
シート材９０が２枚吸着されたことを検出すると
信号を発してすべての動作が停止できるようにす
る２枚検知センサーである。

２７は支持送出装置で、次に述べるように構成
してある。すなわち、２８は上面に適当間隔で球
状転子３を配置した複数個の棒状の支持部材、３
１はこの支持部材に続いて最後部に設けた周面を
ゴムで構成したローラーよりなるもう一つの棒状
の支持部材である。支持部材２８及び３１は横方
向に延びておりかつ前方へ集まつた状態で吸着装
置１６がシート材９０の前端近くを吸着して持上
げると次のシート材９０との間へ分布するように
挿入されて持上げられたシート材９０を支持する
ようになつている。支持部材２８，３１はその両
端部をそれぞれパンタグラフ３２により支持して
ある。３３は一方のパンタグラフ３２に設けた減
速モーターで、チエーン３５を介して支持部材３
１を上面が前方へ向かう方向に回転させるように
なつている。３７は本体１０に設けた正逆転可能
な減速モーターで、チエーン３８を介して軸４０
を回転させるようになつている。この軸が回転す
ると本体１０の上部両側でローラーチエーン４１
が同時に駆動される。このローラーチエーンは接
続金具４２により支持部材３１の端部及びパンタ
グラフ３２の後端部とともに進退するように連結
してある。減速モーター３７はチエーン４３を介
してもう一つの横方向に延びる軸４４を回転させ
るようになつている。この軸が回転すると両側で
それぞれ一端をパンタグラフ３２の前端付近に接
続金具４５により連結しかつスプリング４６で引
張られたチエーン４７を前記ローラーチエーン４
１よりも短くかつこれと一定の比率の長さだけ進
退させるようになつている。４８は本体１０の一
方側に設けた案内部材で、一方のパンタグラフ３
２の後端部を検出して信号を発する検出素子５０
が種々の長さのシート材９０に対応するため移動
可能に固定してある。

前記パンタグラフ３２が第４図に示すように収
縮して前方に配置した状態で吸着装置１６がテー
ブルリフター１１に支持された最上部のシート材
９０の前端部を吸着して持上げると減速モーター
３３，３７が駆動される。したがつて、パンタグ
ラフ３２が第５図に示すように移動して支持部材
３１は回転しながら後退して吸着されたシート材
９０と次のシート材９０の間へ挿入され各支持部
材２８も吸着されたシート材９０を支持できるよ
うに等間隔に分布されることになる。この場合検
出素子５０が一方のパンタグラフ３２の後端付近
が近接してきたのを検出して発する信号により吸
着装置１６は吸着したシート材９０を釈放しかつ
減速モーター３７を停止した後逆転してパンタグ
ラフ３２が前方へ収縮するように移動させる。減
速モーター３３は継続して同一方向に支持部材３
１を回転させて釈放されたシート材９０を前方へ
送出するようになつている。５１は本体１０の前
部に設けた送出ローラーで、減速モーター５２に
より駆動されシヤーリングマシンへシート材９０
を送出するようになつている。

この考案によるシート材供給装置は前述したよ
うに構成してあるから、積重ねた金属製のシート
材９０をテーブルリフター１１で支持した状態で
上方から１枚ずつを支持するものなくして直接送
出することができるようになり、例えばそのまま
シヤーリングマシンへ自動的にシート材を供給す
る装置へ送り出したりあるいはシヤーリングマシ
ンのテーブル上に送り出して供給できるようにな
るため著しくスペースが節減できるという効果を
有している。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す正面図、第
２図はその平面図、第３図は要部の斜視図、第４
図と第５図は動作説明図である。 １０は本体、１１はテーブルリフター、１６は
吸着装置、２２は吸着部材、２７は支持送出装
置、２８，３１は支持部材、３２はパンタグラ
フ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 積重ねた金属製のシート材を水平に支持して自
   動的に上昇させるテーブルリフターと、このテー
   ブルリフターに支持された上端のシート材の前端
   部を吸着して持上げたり釈放できるようにした吸
   着装置と、吸着装置がシート材を吸着して持上げ
   た状態でこのシート材と次のシート材間へ挿入さ
   れかつ吸着装置がシート材を釈放するとこれを前
   方へ送出する支持送出装置とを有する金属製のシ
   ート材を供給するシート材供給装置であつて、前
   記支持送出装置は横方向に延びた複数個の棒状の
   支持部材と、この各支持部材の両端部をそれぞれ
   連結して互いに等間隔になるように支持する２個
   のパンタグラフとを包含し、前記各支持部材は吸
   着装置がシート材を吸着して持上げる場合吸着装
   置の前方下部において互いに接近して配置されて
   おり吸着装置がシート材を吸着して持上げた状態
   でこのシート材と次のシート材間の全体に分布す
   るように前記パンタグラフにより後方へ移動して
   持上げられたシート材を支持しかつ吸着装置がシ
   ート材を釈放すると前方の位置へ互いに接近しな
   がら移動するようになつておりこの前方へ移動す
   る場合少くとも一つの支持部材が動力により上面
   が前方へ向かうように回転してシート材を前進さ
   せて送出するものであることを特徴とするシート
   材供給装置。