JPH0143843Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンデンサを端子板に装着してなる高
周波コイルに関するもので、コンデンサの取付け
が簡単で、しかもコンデンサの外部衝撃による破
壊防止に効果があり、信頼性の向上と小形化が図
れる高周波コイルを提供しようとするものであ
る。

従来における高周波コイルを第１図〜第３図に
より説明する。

第１図〜第３図に示す高周波コイルは、端子１
を植設した端子板２の上面に一体に形成されたコ
イルボビン３を有し、このコイルボビン３の外周
にコイル４が巻回され、かつこのコイル４のイン
ダクタンスを調整するためにコイルボビン３内に
コア５が挿入されている。そして、前記端子板２
の底面に設けた凹部６にコンデンサ７が収納さ
れ、端子板２の上端に設けた貫通孔８を通してコ
ンデンサ７のリード線９が引き出され、配線溝１
０に沿つて端子１に接続されている。また、コイ
ル４のリード線１１もコンデンサ７と同様に配線
溝１０に沿つて端子１に接続されている。なお、
１２はコンデンサ７のリード線９を端子板２の上
端に設けた貫通孔８に通すために設けた遊びの部
分である。

以上のような従来例では、半田付け時にコンデ
ンサ７の電極部に、半田やフラツクスが付着して
特性が変化したり、半田の熱がコンデンサ本体に
直接加わり特性劣化をきたす場合があつた。また
端子板２の下面が開放の状態なので、コンデンサ
７に外部より衝撃が加わつた場合、コンデンサ７
に簡単にひびが入つたり破壊したりするなど種々
の欠点があつた。また、端子板２の上端に設けら
れた貫通孔８にコンデンサ７のリード線９を通す
ため、コイルボビン３に遊びの部分１２を設けね
ばならず形状的にも大きくなるなど種々の欠点が
あつた。

本考案はこのような従来の欠点を除去しようと
するもので、コンデンサを機械的、熱的に保護
し、その性能劣化を防止するとともに、信頼性の
向上と小形化が図れる高周波コイルを提供しよう
とするものである。

以下、本考案の実施例を示す第４図〜第１１図
により説明する。

第４図〜第６図に本考案の一実施例による高周
波コイルを示しており、図において端子１３を植
設した端子板１４の上面に一体に形成されたコイ
ルボビン１５の外周にコイル１６が巻回され、さ
らにコイル１６のインダクタンスを調整するため
にコイルボビン１５内にコア１７が挿入されてい
る。前記端子板１４の一側面には、コンデンサ収
納用凹部１８が設けられており、このコンデンサ
収納用凹部１８の底面にコンデンサ２０のリード
線巻付け部２０ａ挿入用の２つの切欠き部１９が
このコンデンサ収納用凹部１８の端面から凹部１
８の奥に向かつて設けられている。そして、コン
デンサ２０がコンデンサ収納用凹部１８に装着さ
れている。この時、前記切欠き部１９にコンデン
サ２０のリード線巻付け部２０ａを乗せるように
すれば、コンデンサ収納用凹部１８の高さを低く
することができる。

また、コンデンサ収納用凹部１８を設けた側面
と相対する側面には、コイル１６のリード線１６
ａとコンデンサ２０のリード線２０ｂを配線する
ための配線溝２１が設けられ、この配線溝２１の
一部には前記コンデンサ収納用凹部１８に貫通す
る貫通孔２２が左右２個所に設けられており、こ
の貫通孔２２の上面は、前記コンデンサ収納用凹
部１８の上面と同一面となつている。そして、コ
ンデンサ２０のリード線２０ｂをコンデンサ収納
用凹部１８側から前記貫通孔２２に挿通し、端子
板１４の前面よりリード線２０ｂを引つぱりなが
ら、コンデンサ２０をコンデンサ収納用凹部１８
内に収納するとともに、コンデンサ２０のリード
線２０ｂを配線溝２１に沿つて引きおろし、端子
１３に接続している。すなわち、一般に絶縁材料
で被覆した円筒形のコンデンサは第７図に示すよ
うにエポキシ樹脂などからなるコーテイング剤
が、コンデンサ２０のリード線２０ｂの一部まで
付着しており、このリード線２０ｂのコーテイン
グ部２０ｃは半田が付かないので半田付け時に
は、コーテイング部２０ｃが端子１３にかからな
いようにしなければならず、そのためコーテイン
グ部２０ｃを配線で逃げる必要がある。

本考案においては、コンデンサ２０のリード線
２０ｂのコーテイング部２０ｃの長さを配線で逃
げることができ、半田付けの問題も解消できる。
また、この場合、端子板１４の下面が従来のよう
に開放のままとなつておらず、半田付け時に半田
の熱がコンデンサ２０に直接加わつたり、半田や
フラツクスがコンデンサ２０に付着したりしない
ため、コンデンサ２０の特性劣化を防止できると
ともに、端子板１４の下面の突起部２３が保護板
のような働きをして、端子板１４の下面から受け
る衝撃を緩和しコンデンサ２０にひびが入つた
り、破壊したりすることも防止できるという効果
もある。一般に、このような構造の高周波コイル
は、外部に金属もしくはプラスチツクなどよりな
るケースを被せるため前記の効果は一般と増長さ
れる。またコンデンサ２０のリード線２０ｂを端
子板１４の上端に引き出す必要もないため、コイ
ルボビン１５の遊び部分も不要となり、高さを低
くして小型化を図ることができる。

また、一般に円筒形コンデンサの場合、リード
巻付け部２０ａが太くなつており、コンデンサ中
央部では細くなつている。このため、第８図に示
すようにコンデンサ収納用凹部１８の底面に設け
た切欠き部１９をコンデンサ２０収納側が広く端
子板１４の底面側が狭い、いわゆるテーパー状と
し、この切欠き部１９にコンデンサ２０のリード
巻付け部２０ａが一部入るようにして、コンデン
サ収納用凹部１８の高さを低くすれば、高周波コ
イルの小型化をさらに図ることができる。また同
様にして、コンデンサ収納用凹部１８の上面部の
左右にコンデンサ２０のリード巻付け部２０ａの
一部入るような凹部２４を設ければ、さらにコン
デンサ収納用凹部１８の高さを低くすることが可
能である。この凹部２４の形状は図示した台形状
以外に、円弧状のものも考えられる。

第９図〜第１１図はコンデンサ２０のリード線
２０ｂをコンデンサ収納用凹部１８と配線溝２１
間の貫通孔２２に挿通しやすくするための例を示
すもので、すなわち第９図、第１０図のものは、
貫通孔２２をコンデンサ収納用凹部１８側に広く
配線溝２１側に狭くした、片テーパーもしくは両
テーパー状の孔としてコンデンサのリード線を挿
通しやすくしたものである。

また第１１図のものは、貫通孔２２の上面をコ
ンデンサ収納用凹部１８の上面と一致させ、下面
を配線溝２１側よりコンデンサ収納用凹部１８側
に貫通孔２２が広くなるようにテーパー状にする
ことにより、コンデンサ２０のリード線２０ｂを
挿通しやすくしたものである。なお、第８図で説
明した凹部２４の上面と第１１図で説明した貫通
孔２２の上面を一致させておき、コンデンサ２０
のリード線２０ｂをこの凹部２４に沿わせて貫通
孔２２に挿通すれば作業性は一層改善される。

ここで、以上の説明では、コンデンサ２０に絶
縁材料で被覆した円筒コンデンサを用いて説明し
たが、絶縁材料で被覆する以外の円筒コンデンサ
などについても適用できる。

以上のように本考案による高周波コイルは、コ
ンデンサが熱的、機械的に保護されることによ
り、特性の劣化の防止と信頼性の向上が図れると
ともに、コンデンサ収納用凹部の高さを低くでき
て小形も可能で、しかもコンデンサの取付け作業
も比較的簡単であるなど実用価値の高いものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高周波コイルの正面図、第２図
はその底面図、第３図は第１図のＡ−A′線で切
断した断面図、第４図は本考案一実施例による高
周波コイルの正面図、第５図はその底面図、第６
図は第４図のＢ−B′線で切断した断面図、第７
図は絶縁材料で被覆した一般の円筒コンデンサの
正面図、第８図は本考案の他の実施例による高周
波コイルの背面図、第９図、第１０図および第１
１図はそれぞれ本考案の高周波コイルの要部構造
の形状例を示す断面図である。 １３……端子、１４……端子板、１５……コイ
ルボビン、１６……コイル、１６ａ，２０ｂ……
リード線、１８……コンデンサ収納用凹部、１９
……切欠き部、２０……コンデンサ、２０ａ……
リード線巻付け部、２１……配線溝、２２……貫
通孔、２４……凹部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) コイルを巻装したコイルボビンの下部に設け
   られた端子板の一側面にコンデンサ収納用の凹
   部を設けるとともに、この凹部の底面にこの凹
   部端面から凹部の奥に向かつて２つの切欠き部
   を設け、かつ前記端子板の前記凹部を設けた側
   面と相対する側面にコイルのリード線およびコ
   ンデンサのリード線が配線される配線溝を設け
   るとともに、その配線溝と前記凹部との間の壁
   板に前記コンデンサのリード線が貫通する貫通
   孔を設け、前記コンデンサをコンデンサのリー
   ド線巻付部が２つの切欠き部にはまりこむよう
   に前記凹部に収納するとともに、前記コンデン
   サのリード線を前記貫通孔を通して前記端子板
   に植設した端子に接続した高周波コイル。 (2) コンデンサ収納用の凹部の底面に設けた２つ
   の切欠き部を凹部内側に広く、凹部外側に狭く
   してテーパーを持たせ、このテーパー部にコン
   デンサのリード線巻付け部の一部を装着し、前
   記コンデンサ収納用の凹部の高さを低くした実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の高周波コイ
   ル。 (3) コンデンサ収納用の凹部の上面部に凹部を設
   け、この凹部に円筒形コンデンサのリード線巻
   付け部の一部を装着し、前記コンデンサ収納用
   の凹部の高さを低くした実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の高周波コイル。