JPH0143106B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 不特定多数の人が使用する公衆用水洗便所は、
無責任な使用のため、甚しく汚れたり或いは詰り
を生じて故障の状態となることが多い。

本発明は公衆用水洗便所について上記問題点の
解決を図り、公衆用水洗便所の清掃が簡単に行わ
れ得るようにすると共に、詰りを生じてもそれが
速やかに修復され得るようにすることを目的とす
るもので、本発明によるものは、対向し合う便所
室壁の一方より他方に至る長い開口を床材に設
け、この開口の部位に該開口の長さに対応する長
さをもつ長い便器本体を配置し、便器本体を上記
の床材により直接または間接に支持させ、便器本
体内の空間を汚物の受入れ部と洗滌水配管の受入
れ部とに仕切る第１の部分とこの第１の部分より
上方に延長させられていてきんかくしとして作用
する部分とより成る仕切りと、上記洗滌水配管の
受入れ部を覆う前蓋と、トラツプの天蓋として作
用すると共に上記汚物の受入れ部の尾端を形成す
る後蓋とを着脱自在に設けると共に、便器本体と
上記の仕切り、前蓋および後蓋との間に便所室の
清掃水の流過を許容する間隙を設けたことを特徴
とする。

上記本発明によるものは、「便器は便所室の床
上の穴に嵌合させて取付けるもの」と云う従来の
考え方より離れているもので、以下においては前
蓋と仕切りと一体化して設けた実施例について本
発明の説明を行うこととする。

第１図および第２図において、１，２は対向し
合う便所側壁、３はこれらの壁間の距離に対応す
る長さをもつ長い便器本体である。便器本体３の
支持構造は第１図の−線方向に断面をとつた
第３図に示される。この図において、４は床材、
５は床材４上に設けられた長い開口である。便器
本体３はこの長い開口５の部位においてそのフラ
ンジ部６を床材４により支持される。７は床材４
上に張られた床である。床７はフランジ部６を延
長した部分として設けることができ、その場合、
便器本体３は床７の部分をもつパネル構造のもの
とされる。なお、８はコンクリート打ちにより形
成された基礎である。

第１図および第２図に示す如く、便器本体３内
の空間は第１の部分９と第２の部分１０とより成
る仕切り１１により仕切られる。仕切り１１にお
ける第１の部分９は仕切りとしての本来の作用を
行う部分で、この部分９は便器本体内の空間１２
を汚物の受入れ用空間１２ａ（この空間は従来の
便器における便器内空間に相当する。）と洗滌水
配管１３の受入れ用空間１２ｂとに仕切る。空間
１２ａと空間１２ｂとを連通させるため、部分９
の下端９ａと便器本体３の底３ａとの間には間隙
１４が設けられる。一方、仕切り１１における第
２の部分１０は第１の部分９より上方に延長する
部分で、この部分１０はきんかくしとしての使用
を行う。１５は洗滌水配管１３の受入れ用空間１
２ｂを覆う前蓋で、この前蓋１５と便器本体３と
の間には床面の洗滌を行つたときの清掃水の流入
を許容する間隙１５ａ，１５ｂ，１５ｃが設けら
れる。これらの間隙を経て便器本体３の空間１２
ｂ内に流入した清掃水は仕切り９の下方の間隙１
４を通つて汚物の受入れ用空間１２ａに至る。

１６はトラツプの天蓋１７として作用すると共
に汚物の受入れ部の尾端を形成する後蓋で、この
後蓋１６と便器本体３との間にも床面の洗滌を行
つたときの清掃水の汚物受入れ用空間１２ａへの
流入を許容する間隙１６ａ，１６ｂが設けられ
る。

前蓋１５、仕切り１１および後蓋１６は着脱自
在の要素で、それらを外す便器本体３の全体が現
われる。１９は排水管、２０はこの排水管１９に
連なる短管である。短管２０は後蓋１６と共働し
てトラツプ２１を構成する。

便器本体３は便所室を横断して設けられた容量
の大きな要素で、前蓋１５および後蓋１６との間
には間隙１５ａ−１５ｃおよび間隙１６ａ，１６
ｂがあるため、床面に多量の水を散布しつつ行う
清掃が可能となり、清掃作業が迅速に進められる
ものである。また、トラツプ２１の天蓋１７とし
て作用する後蓋１６はそれを外すことにより詰り
を生じていた個所としての短管２０を露出させる
ので、詰りによる故障の修理は極めて簡単な作業
として行われる。

以上の説明は、便所の清掃および故障の修理の
面についてのものであるが、本発明による水洗便
所の大きな利点はそれを設置する工事に際して行
う配管が広い空間を利用しつつ行われる点、工事
が速やかに進渉される点および構成部品が単純な
ものであるためにそれらの製造が著しく合理化さ
れる点にある。

なお、図示のものの場合には洗滌水を流すため
のフラツシユバルブが別の個所に設けられるもの
として示されていないが、フラツシユバルブは仕
切り１１におけるきんかくしとして作用する部分
１０に内蔵させて設けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による水洗便所の要部を示す平
面図、第２図は第１図に示すものの縦断正面図、
第３図は第１図の−線方向にとられた垂直断
面図である。 １，２……便所室壁、３……便器本体、４……
床材、５……床材上の開口、６……フランジ部、
７……床、８……基礎、９……仕切りの第１の部
分、１０……仕切りの第２の部分、１１……仕切
り、１２……便器本体内の空間、１２ａ……汚物
の受入れ用空間、１２ｂ……洗滌水配管の受入れ
用空間、１３……洗滌水配管、１４……間隙、１
５……前蓋、１５ａ，１５ｂ，１５ｃ……間隙、
１６……後蓋、１６ａ，１６ｂ……間隙、１７…
…トラツプの天蓋、１９……排水管、２０……短
管、２１……トラツプ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 対向し合う便所室壁の一方より他方に至る長
   い開口を床材に設け、この開口の部位に該開口の
   長さに対応する長さをもつ長い便器本体を配置
   し、便器本体を上記の床材により直接または間接
   に支持させ、便器本体内の空間を汚物の受入れ部
   と洗滌水配管の受入れ部とに仕切る第１の部分と
   この第１の部分より上方に延長させられていてき
   んかくしとして作用する部分とより成る仕切り
   と、上記洗滌水配管の受入れ部を覆う前蓋と、ト
   ラツプの天蓋として作用すると共に上記汚物の受
   入れ部の尾端を形成する後蓋とを着脱自在に設け
   ると共に、便器本体と上記の仕切り、前蓋および
   後蓋との間に便所室の清掃水の流過を許容する間
   隙を設けたことを特徴とする水洗便所。