JPH0143074Y2

JPH0143074Y2 -

Info

Publication number: JPH0143074Y2
Application number: JP9676586U
Authority: JP
Priority date: 1986-06-26
Filing date: 1986-06-26
Publication date: 1989-12-14
Also published as: JPS633837U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は消臭剤等を含む揮散液を蒸発して室内
の消臭等を行なう揮散装置に関するものである。

（従来の技術）従来、第５図に示すように、芳香消臭液Ａを貯
留した容器１内に、毛細管現象を起こす芯材２を
挿入し、該芯材２に吸入された該芳香消臭液Ａを
自然蒸発させる揮散装置が知られている（実公昭
56−152642号）。

（考案が解決しようとする問題点）前記従来の揮散装置では芳香消臭液Ａが自然蒸
発するものでなければ使用することが出来ず、汎
用性に乏しいという問題点を有している。また、
かかる問題点を解決するため、該芳香消臭液Ａを
スプレー等で噴霧する図示しない揮散装置もある
が、噴霧される粒子が大きく、生活衛生上におい
て人に非衛生感を起こさせるという問題点を有し
ていたし、また、該粒子が壁等に付着し該壁等を
べと付かせたり、室内全体に充分に行渡らないと
いう問題点を有していた。

〔考案の目的）本考案は前記従来の問題点に鑑み、他種類の揮
散液に使用することが出来、且、該揮散液を容易
に蒸発させる揮散装置を提供しようとするもので
ある。

（問題点を解決するための手段）本考案は前記目的を達成するため、タンク内に
貯留された消臭剤等を含む揮散液と、該揮散液を
蒸発させる温度に加熱し得る電気発熱体とを備
え、該電気発熱体は毛細管現象を起こす耐熱導電
繊維で形成するとともに一端を該揮散液に浸漬し
たことを特徴とする。

（作用）本考案によれば、揮散液は電気発熱体に浸透
し、更に加熱され蒸発する。従つて、自然蒸発す
る揮散液は勿論のこと、蒸発温度の高い揮散液を
も蒸発する。また、該電気発熱体は吸水部材とし
ての作用も有し、発熱体と吸水部材とを別個に設
けることを要しない。

（実施例）第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示すも
ので、１０は揮散液、例えば消臭液Ｂを貯留した
貯留タンクで、一側上面には該消臭液Ｂの保給タ
ンク２０を取付け、該貯留タンク１０の液面水位
を所定レベルに維持するようになつている。該貯
留タンク１０の他側上面には揮散装置本体３０を
設置している。また、前記消臭液Ｂは、例えば消
臭作用を有することが周知となつている植物のエ
キスを抽出し、これに水等を混合して形成したも
ので、安全性を有するものであり、且、所定温度
で蒸発するものである。

前記揮散装置本体３０は、第２図及び第３図に
も示すように、両側に電極３１ａ，３１ｂを装着
した電気発熱体３２を有しており、該電気発熱体
３２は耐熱導電繊維、例えばカーボン繊維を織つ
て形成したいわゆるカーボンクロスを複数枚積層
して構成している。また、該電気発熱体３２の横
方向両端は一対の取付け枠３３に嵌着している。
また、該取付け枠３３は断面Ｌ字状の支持枠３４
の垂直片３４ａに螺着し、更に、該支持枠３４の
水平片３４ｂは前記貯留タンク１０の上面に螺着
し、該揮散装置本体３０を該貯留タンク１０上に
立設している。更に、前記電気発熱体３２は毛細
管現象を起こすもので、その下端は第１図及び第
３図に示すように、該貯留タンク１０の貫通孔１
０ａを介しての前記消臭液Ｂに浸漬している。

第４図は前記揮散装置の電気回路を示すもの
で、図示しない商用電源に前記電気発熱体３２の
電極３１ａ，３１ｂと温度調整回路４０とをそれ
ぞれ並列にコンセント４１を介して接続し、ま
た、該電気発熱体３２内には温度センサ４２を装
着し、更に該電気回路に該電気発熱体３２への通
電を制御する常閉の開閉スイツチ４３を挿入して
いる。該温度調整回路４０は該温度センサ４２の
検知信号に基づき該電気発熱体３２への通電をオ
ン・オフし、該電気発熱体３２を所定温度に維持
するようになつている。

本実施例によれば、前記消臭液Ｂは前記電気発
熱体３２に浸透し、毛細管現象により該電気発熱
体３２全体が該消臭液Ｂで満たされる。このと
き、該電気発熱体３２に通電するときは、該ヒー
タ３１は所定程度まで温度上昇し該消臭液Ｂを蒸
発させる。これにより、蒸発した該消臭液Ｂは室
内等に拡散し、悪臭を放つ物に直接に作用し消臭
効果を発揮する。

また、前述の如く、前記消臭液Ｂは前記電気発
熱体３２により蒸発することから、該消臭液Ｂが
自然蒸発しにくいものであつても、容易に蒸発す
るし、また、該電気発熱体３２全体が該消臭液Ｂ
の吸水部材ともなつていることから、前述の蒸発
作用は効率良く行なわれることとなる。

更に、前述の如く、前記消臭液Ｂは蒸発拡散す
ることから、該消臭液Ｂは微粒化し、容易に室内
全体に拡散することは勿論のこと、該微粒子が容
易に視認されることがない。

尚、前記実施例では電気発熱体３２としてカー
ボンクロスを使用しているが、これに限るもので
はなく、多孔絶縁物質に導電繊維をまぜ込み発熱
させるものでも良い。また、図示しないがセラミ
ツクにて形成された絶縁板に導電繊維製の不織布
を被覆し発熱させるものであつても良い。更に、
図示しない送風機を設け、蒸発した消臭液Ｂを速
やかに室内全体に供給するようにしても良い。

（考案の効果）以上説明したように、本考案はタンク内に貯留
された消臭剤等を含む揮散液と、該揮散液を蒸発
させる温度に加熱し得る電気発熱体とを備え、該
電気発熱体は毛細管現象を起こす耐熱導電繊維で
形成するとともに一端を該揮散液に浸漬したの
で、揮散液は電気発熱体により加熱されて蒸発
し、自然蒸発する揮散液は勿論のこと、蒸発温度
の高い揮散液をも容易に蒸発させ汎用性を有する
揮散装置が提供されるという利点を有する。ま
た、揮散液の粒子が微小となり視認が因難となる
から、該揮散液の拡散において非衛生感を起こさ
せることがないという利点を有する。更に、該電
気発熱体が吸水部材としての作用も有することか
ら、電気発熱体と吸水部材とを別個に設けること
を要せず、構造が簡単となるし、該揮散液の蒸発
効率も向上するという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示すも
ので、第１図は揮散装置を示す一部切り欠き正面
図、第２図は揮散装置本体を示す一部切り欠き斜
視図、第３図は揮散装置本体を示す側面断面図、
第４図は揮散装置の電気回路図、第５図は従来の
揮散装置を示す断面図である。図中、１０……タンク（貯留タンク）、３２…
…電気発熱体、Ｂ……揮散液（消臭液）。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

タンク内に貯留された消臭剤等を含む揮散液
と、該揮散液を蒸発させる温度に加熱し得る電気
発熱体とを備え、該電気発熱体は毛細管現象を起
こす耐熱導電繊維で形成するとともに一端を該揮
散液に浸漬したことを特徴とする揮散装置。