JPH0142750Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は自動車用ベンチレータグリルに関す
る。

従来の技術 第３図Ａ，Ｂは従来のベンチレータグリルを示
すもので、図中１はベンチレータ吹出口を示し、
該ベンチレータ吹出口１には複数枚の縦ルーバー
２をピン２ａを介して水平方向に回動自在に配設
してある。これら各縦ルーバー２はその一端部が
リンク３にピン２ｂを介して連結され、各縦ルー
バー２が平行状態を保つたまま水平方向に連動し
て回動するようになつている。４は前記吹出口１
にピン５により水平方向に回動自在に軸支した操
作レバーで、その一端のノブ４ａは吹出口１の前
方に突出配置されていると共に、他端を前記リン
ク３の中央部にピン６連結してあり、該操作レバ
ー４を水平方向に回動操作することによつて前述
のようにルーバー２をリンク３を介して連動し、
空気の吹出し方向を左右方向い任意に調整できる
ようになつている。図中７は空気吹出口１の開口
部に上下方向に回動自在に装着した横ルーバー
で、空気の吹出方向を上下方向に調整する。この
類似構造は、例えば実開昭59−12712号公報に示
されている。

考案が解決しようとする問題点 例えば、車両を炎天下に放置しておいた状態で
の乗車直後には、ベンチレータ吹出口より乗員に
向けてスポツト的に冷風が強く吹当ることが望ま
しく、また、室内温度がある程度均一化した後は
ベンチレータ吹出口からの冷風が広く拡散して穏
かに空気が吹出されることが望まれる。

しかし、前述の従来の構造では縦ルーバー２の
水平回動によつて空気の吹出し方向を左右方向に
任意に変化させることはできるものの、隣接する
ルーバー２，２，…間は常に一定であるため、ユ
ーザーが要求するようなスポツト的な吹出し、あ
るいは拡散吹出しは実現できない。

そこで、本考案は操作レバーの簡単なプツシ
ユ・プル操作によつてスポツト的な吹出しや拡散
吹出しを任意に調節することができる自動車用ベ
ンチレータグリルを提供することを目的とするも
のである。

問題点を解決するための手段 リンクを水平作動する操作レバーをベンチレー
タ吹出口にプツシユ・プル自在に軸支する一方、
複数枚の縦ルーバーをピン連結する前記リンクの
各ピン連結部に、操作レバーのプツシユ・プル操
作に応じてこれら各ピンを摺動ガイドして縦ルー
バーの開き角度を変化させるガイドスリツトを形
成してある。

作 用 操作レバーを水平方向に回動すると、リンクを
介して複数枚の縦ルーバーがルーバー間隔を一定
に保つたまま水平方向に回動して空気の吹出し方
向を左右方向に変化させる。操作レバーをプツシ
ユ又はプル操作すると、各縦ルーバーの連結ピン
がリンクのガイドスリツトに摺動ガイドされて、
縦ルーバーのベンチレータ吹出口開口側の開き角
度が先窄まり状にもしくは末広がり状に変化す
る。

実施例 以下、本考案の実施例を図面と共に前記従来の
構成と同一部分に同一符号を付して詳述する。

第１図において、ベンチレータ吹出口１にピン
５により水平方向に回動自在に軸支されて、リン
ク３を介して複数枚の縦ルーバー２を同時に水平
方向に回動する操作レバー４は、本実施例にあつ
ては前記リンク３と一体成形してあり、そして、
前記ピン５の挿通部を軸方向のスリツト８として
このスリツト８の長さ範囲でプツシユ・プル自在
にしてある。

一方、複数枚の縦ルーバー２の一端をピン２ｂ
連結したリンク３のピン連結部分は、前記操作レ
バー４のプツシユ・プル操作に応じてこれら各ピ
ン２ｂを摺動ガイドして縦ルーバー２の開き角度
を変化させるガイドスリツト９としてある。本実
施例ではこれらガイドスリツト９をリンク３中央
の操作レバー４の先端側に向けて左右対称に適宜
の傾斜角度をもつて形成して、該操作レバー４を
プル操作すると縦ルーバー２のベンチレータ吹出
口開口側の開き角度が先窄まり状に変化し、プツ
シユ操作すると前記開き角度が末広がり状に変化
するようにしてある。１０はリンク３の位置決
め、従つて、縦ルーバー２の開き角度位置決めを
兼ねた摺動節度機構を示し、ベンチレータ吹出口
１の上面中央部に固設した鋸歯状のガイドプレー
ト１０ａと、リンク３の中央部に形成した取付孔
１１に固設されて前記ガイドプレート１０ａに弾
接係合する板ばね材からなる摺動子１０ｂとから
構成されている。

以上の実施例構造によれば、第２図Ａに示すよ
うに隣接する縦ルーバー２が平行となつている状
態から操作レバー４をプル操作すると、各縦ルー
バー２の連結ピン２ｂがガイドスリツト９に摺動
ガイドされて各縦ルーバー２をピン２ａを支点と
して後端（ベンチレータ吹出口の開口側）をベン
チレータ吹出口開口部の中心に向けて回動する。
この結果、縦ルーバー２のベンチレータ吹出口１
開口側の開き角度が第２図Ｂに示すように先窄ま
り状に変化され、吹出し空気の流速を強め、か
つ、スポツト的に空気を吹出させる。

逆に操作レバー４をプツシユ操作すると、各縦
ルーバー２が前述と逆方向に回動され、縦ルーバ
ー２のベンチレータ吹出口１開口側の開き角度が
末広がり状に変化され、吹出し空気の流速が弱め
られると共に吹出し空気が広く拡散され、隠かな
空気吹出しを行わせる。

操作レバー４を水平方向に回動すれば従来と同
様に水平方向に回動して、空気の吹出し方向を左
右方向に変化させる。

なお、前記実施例では操作レバー４をリンク３
と一体成形してあるが、これは別体成形してリン
ク３にピン連結するようにしてもよいことは勿論
である。また、ガイドスリツト９はベンチレータ
吹出口１の奥の方向にその中心を向けて傾斜角度
をもつて形成して、操作レバー４をプル操作する
と縦ルーバー２のベンチレータ吹出口１開口側の
開き角度が未広がり状に変化し、操作レバー４の
プツシユ操作により縦ルーバー２の前記開き角度
が先窄まり状に変化するようにしてもよい。

考案の効果 以上のように本考案によれば、操作レバーの水
平方向の回動による左右吹出し方向の調節はもと
より、該操作レバーのプツシユ・プル操作によつ
て縦ルーバーの開き角度を変化させてスポツト的
な空気吹出し、あるいは拡散的な空気吹出しを任
意に調節することができ、従つて、乗員の好みに
応じた空気吹出しパターンが得られるという実用
上多大な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す略示的分解斜
視図、第２図Ａ，Ｂは同実施例の作動状態を示す
略示的平面図、第３図Ａ，Ｂは従来のベンチレー
タグリルを示す断面説明図である。 １……ベンチレータ吹出口、２……縦ルーバ
ー、２ａ，２ｂ……ピン、３……リンク、４……
操作レバー、９……ガイドスリツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベンチレータ吹出口に、一端がリンクにピンを
   介して連結されて水平方向に連動して回動する複
   数枚の縦ルーバーを配設すると共に、該ベンチレ
   ータ吹出口に前記リンクを作動する操作レバーを
   軸支した構造において、前記操作レバーをプツシ
   ユ・プル自在に軸支する一方、リンクの各ピン連
   結部に、前記操作レバーのプツシユ・プル操作に
   応じてこれら各ピンを摺動ガイドして縦ルーバー
   の開き角度を変化させるガイドスリツトを形成し
   たことを特徴とする自動車用ベンチレータグリ
   ル。