JPH0142632Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、戸袋に雨戸摺動枠の突条レールに略
延長する段差部を設けて、戸車付の雨戸の建付け
を円滑とする雨戸の走行装置に関する。

従来、窓枠の屋外側に形成させた雨戸摺動枠に
突条レールを突設して、この突条レールへ雨戸の
下部に附設した戸車を係合させて雨戸を開け建て
自在に嵌めた雨戸の走行装置が存したが、この種
の突条レールを有する雨戸摺動枠は、之れに突設
した突条レールと、戸袋に於ける下皿板との間に
段差が生じて、戸袋に収納させた雨戸を上記雨戸
摺動枠の突条レールへ係合させて雨戸を建付ける
場合は、戸袋内の雨戸を上方へ持ち上げながら、
そのまま突条レールへのせて建付ける為、雨戸の
円滑・軽快な建付けを行うことは出来なく、又、
最近では戸袋内に雨戸の位置規制装置等を備へた
ものも存するが、この種のものは、その装置の設
置や部品などの附設に軽費が嵩み、施工上並びに
使用上に極めて不便なものであつた。

本考案は、雨戸摺動枠に連設させた戸袋の下皿
板に、雨戸摺動枠に突設した突条レールへ略延長
し、且、連続する段差部を設けて雨戸に於ける戸
車を直接段差部へ摺接し得る様にし、戸車の突条
レールへの係合を自動的に行へる様にして、上記
した従来の欠点を解消することを目的とした雨戸
の走行装置に関するもので、その一実施例を図面
に付き説明すれば下記の通りである。

図中１は戸車２付の雨戸で、上下の横框３、４
の左右両端に一対の縦框５，６を当接して方形の
戸框を形出させながら、その戸框の内側屋外側に
パネル７を張設してある。尚、上記戸車２は、第
５図の例を除き、弧状溝イの両側に設けた輪鍔
ロ，ロ′のうち、屋内側の輪鍔ロ′を小径としてあ
る。尚、この雨戸１は後記する戸袋内に於いて、
戸車２の屋外側の輪鍔ロのみにて支持される。８
は雨戸１を開け建て自在に建込む雨戸摺動枠で、
第１図で示すように、建物９に嵌着させた窓枠１
０に於ける屋外側に形出させた上枠部１１と下枠
部１２及び戸当り１３とよりなる正面コの字形を
なし、且、下枠材１２には段部１４を形出して、
該段部１４の垂片１５を上方へ延長し、その上端
に半円弧状の膨出部１６付の突条レール１７を突
設してある。１８は雨戸摺動枠８に連設させた戸
袋で、上皿板１９と下皿板２０並びに戸尻縦板２
１とより構成され、逆コの字形に枠組みされて、
その戸先側を雨戸摺動枠８へ連結する。２２は戸
袋１８の下皿板２０に形出させた段差部で、上記
雨戸摺動枠８の突条レール１７へ略延長して設
け、且、下皿板２０の長手方向の寸法と同一長さ
に延設し、雨戸１の戸袋１８からの引き出し時、
雨戸１を屋内側へ引き寄せて、之れの戸車２に於
ける屋外側の輪鍔ロを段差部２２へ当接し案内さ
せて、段差部２２と連結する上記雨戸摺動枠８の
突条レール１７へ戸車２を案内し、雨戸１の雨戸
摺動枠８への建付けを円滑化する。２３は上記突
条レール１７の端部に切欠いた傾斜案内部で、突
条レール１７の端部、即ち戸袋１８の段差部２２
側に位置する突条レール１７の端部に形出して、
段差部２２に案内された雨戸１の戸車２が突条レ
ール１７へ自動的に係合する様に段差部２２の上
縁と連続する逆斜角度を以つている。２４，２５
は建物９に嵌着させた窓枠１０へ建込む引違い戸
で、所定に框組みした戸框２６へガラス２７を嵌
込んで形成される。２８は窓枠１０へ嵌めた網戸
である。

尚、本考案に於ける戸車２並びに突条レール１
７は、図面第５図に示す様に、戸車２に於いて屋
内側・屋外側の輪鍔ロ′，ロを夫々同一径とし、
又、雨戸摺動枠８の突条レール１７を段差部２２
より僅か屋外側に位置させて、段差部２２により
案内された雨戸１の戸車２をそのまま突条レール
１７へ係合出来る様にする場合があり、この装置
によるときは、通常の戸車をそのまま使用出来る
こと。並びに戸車２の内外両輪鍔ロ′，ロにて雨
戸１を安定した状態で支持出来ること。等の実施
上の効果がある。

本考案に関する雨戸の走行装置に於ける一実施
例は上記の様に構成されているから、実施例に基
づいて雨戸１を開け建てする場合は、建物９へ嵌
着する窓枠１０の屋外側に形成された雨戸摺動枠
８へ、予め所定に組立てた戸袋１８を連結して、
之れの下皿板２０に形出させた段差部２２を、雨
戸摺動枠８の突条レール１７と一直線状をなす様
に配置させた後、戸袋１８へ異径の輪鍔ロ，ロ′
を有する戸車２を附設した雨戸１を収納させるも
ので、今この雨戸１を戸袋１８より引き出して雨
戸摺動枠８へ建付ける場合は、先ず戸袋１８内の
雨戸１を屋内側へ引き寄せて、雨戸１に於ける戸
車２の屋外側の輪鍔ロを下皿板２０の段差部２２
の外縁へ当てて、戸車２の弧状溝イが雨戸摺動枠
８の突条レール１７に係合する位置に案内させて
から、雨戸１を雨戸摺動枠８側へ建込んで、雨戸
１に於ける戸車２の弧状溝イをそのまま突条レー
ル１７へのせて雨戸１を摺動させ、他の雨戸１も
同様に雨戸摺動枠８へ摺動させて雨戸１を建込む
ものである。

又、建込んだ雨戸１を戸袋１８へ収納させる場
合は、そのまま雨戸１を戸袋１８側へ摺動させれ
ば、雨戸１の戸車２は突条レール１７より外れ、
更に戸車２の屋外側の輪鍔ロが戸袋１８の段差部
２２に案内されて、雨戸１は戸袋１８内に入り、
そのまま雨戸１を屋外側方向へ押して戸袋１８内
へ順次収納させるものである。

尚、図面第５図に示す通常の戸車２を用いると
共に、突条レール１７を段差部２２より僅か屋外
側へ配置させたものの場合も、上記と全く同様に
雨戸１を開け建てを行うものである。

本考案に関する雨戸の走行装置は上記の様に、
戸車付の雨戸を雨戸摺動枠に形出させた突条レー
ルへ係合させる雨戸の走行装置に於いて、雨戸摺
動枠に連設させた戸袋の下皿板に、上記雨戸摺動
枠の突条レールへ略延長上に位置する段差部を設
けて、該段差部へ雨戸に於ける戸車を摺接させる
ものであるから、雨戸を戸袋より雨戸摺動枠へ建
付ける場合、雨戸の戸車を戸袋の段差部へ当てて
そのまま走行させれば、戸車は必然的に雨戸摺動
枠の突条レールへ係合して、雨戸は雨戸摺動枠へ
建込まれるので、従来の様に雨戸を持ち上げなが
ら突条レールへのせて建付けたものと違つて、雨
戸の建付けを円滑・軽快に行うことが出来るし、
又、装置は、戸袋の下皿板へ突条レールに連続す
る段差部を設けるに過ぎないから、装置の設置
や、部品などの附設に経費が嵩むことはなく、極
めて安価に設置出来るので、雨戸の開け建てが円
滑に行へて、設備のかからない雨戸の走行装置と
して大きな実用的効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に関する雨戸の走行装置の一実施
例を示すもので、第１図は装置の使用状態を示す
正面図、第２図は仝上一部切欠拡大縦断側面図、
第３図は戸車の走行状態を示す説明図、第４図は
雨戸の戸袋への収納状態を示す一部切欠縦断側面
図、第５図は他実施例の一部切欠縦断側面図であ
る。 尚、図中１は雨戸、２は戸車、８は雨戸摺動
枠、１７は突条レール、１８は戸袋、２０は下皿
板である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 戸車付の雨戸を雨戸摺動枠に形出させた突条レ
   ールへのせて走行させる下記要件からなることを
   特徴とする雨戸の走行装置。 (イ) 雨戸摺動枠に連設させた戸袋の下皿板に、上
   記雨戸摺動枠の突条レールの略延長上に位置す
   る段差部を設けること。 (ロ) 雨戸に於ける戸車を上記段差部へ摺接する構
   成にしたこと。