JPH0140847Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は荷物の運搬、保管等に使用するパレ
ツトに関し、詳しくはフオークリフトで荷扱いす
る際に使用する段ボール製のパレツトに関する。

従来のパレツトは、一般に木材を釘打ちした構
造であつたので、重量および製作費がかさむとと
もに、輸出用として用いる場合は燻蒸処理が必要
とされ一層コストがかかるものであつた。そこで
最近段ボールを素材とするパレツトが提案されて
いるが、たとえば実公昭56−48035号公報の組立
て式パレツトでは、荷物を支承する天板部の強度
を上げようとすると、筒状の台部材全体を厚肉の
ものとする必要があるので、強度を必要としない
部分まで厚肉となり、重量および製作費がかさむ
という欠点があつた。

この考案は上記従来の欠点を解消するもので、
各部の板厚をパレツトの必要強度に応じて選定す
ることができ軽量で安価に製作できる段ボール製
のパレツトを提供しようとするものである。

しかしてこの考案のパレツトは、下向きに開口
してフオーク挿入空間を形成する断面コ字状の２
条の平行な凸部と、上記両凸部の内側側板下端部
を連結する中央底板と、上記各凸部の外側側板下
端部に連設された端部底板と、上記各端部底板に
連設された上向きの端側板とをそなえ、上記内側
側板の前後端部を上記中央底板上の空間内に折曲
げ、上記外側側板の前後端部を上記端部底板上の
空間内に折曲げた、段ボールを屈曲成形して成る
底材に、天板の左右両縁部に下向きの側壁を連設
して成る段ボール製の主板を、上記天板の下面を
上記凸部の頂板に当接させ上記側壁を上記端側板
に重合させて被着するとともに、段ボールを角筒
状に折曲成形し各側板を貫通するフオーク挿入口
を設けて成る筒材を、上記主板と上記底材の前後
端部との間に形成された前側空間および後側空間
内に嵌込み、上記底材の頂板の前後端部を上記筒
材のフオーク挿入口に嵌込んで、上記フオーク挿
入口を上記フオーク挿入空間に連通させた構成を
有するものである。そしてこの考案のパレツトに
おいては、主板と底材と筒材の各部の段ボール板
厚を必要強度に応じて適宜選定することにより、
余肉が少なく軽量安価なパレツトを製造すること
ができる。

以下第１図乃至第８図によりこの考案の一実施
例を説明する。

図中、１はパレツトで、紙製の段ボールの成形
品である主板２と、底材３と、筒材４との組合せ
から成る。主板２は、第２図に示すように方形の
段ボールの左右両縁部を下方へ折曲げて、天板５
に側壁６，６を連設して成る。なおこの考案にお
いて上下、前後、左右の各方向は、パレツトを使
用状態と同様な水平状態とし、フオーク挿入口側
を正面に位置させて前側とし、これを基準に各方
向を定めるものとする。底材３は第７図に示すよ
うな長方形の段ボール７を、前後方向に延びる折
線８によつて屈曲成形して、段ボール７の左右両
縁部を上方へ折曲げた端側板９部と、下向きに開
口する断面コ字状の２条の平行な凸部１０を設け
てある。両凸部１０の内側（底材中央側）側板１
１間は中央底板１２により連結され、また各凸部
１０の外側底板１３と端側板９は端部底板１４に
より連結されている。段ボール７には第７図に示
すように前後端部に切込１５を設けるとともに、
この切込の底に左右方向に折線１６が設けてあ
り、これらを利用して第２図に示すように各凸部
１０の内側側板１１の前端部１１ａおよび後端部
１１ｂは中央底板１２上の空間内に折曲げるとと
もに、各凸部１０の外側側板１３の前端部１３ａ
および後端部１３ｂは端部底板１４上の空間内に
折曲げてある。

一方筒材４は、第８図に示すように長方形の段
ボール２０に左右端部閉鎖片形成用の切込２１を
設けるとともに、側板２２部にＨ形の切込２３、
重ね合せられる側板２４および２５部にＴ形の切
込２６および２７を設け、第２図に示すように全
体を角筒状に折曲成形するとともに、切込２６お
よび２７部分を内方へ折曲げて各側板２２，２
４，２５を貫通するフオーク挿入口２８を設けた
ものである。側板２４と２５、および必要に応じ
て筒材４の左右両端の重ね合せ部は、接着剤やワ
イヤステツチなどにより固定する。なお各段ボー
ル内の波形中芯の走行方向は、主板２および底材
３は左右方向、筒材４は前後方向とするのが強度
上好ましいが、他の組合せとしてもよい。

上記の底材３には、凸部１０の頂板１７に天板
５の下面を当接させるとともに端側板９の外面に
側壁６を当接させた状態で、主板２を被せ、ワイ
ヤステツチ３０や接着剤で相互に固着してある。
また主板２の天板５部と、底材３の前後端部との
間には、内側側板１１および外側側板１３の前後
端部の折曲げにより、左右に連続する角柱状の前
側空間３１および後側空間３２が形成されてお
り、これらの空間内に筒材４を嵌込むとともに、
各凸部１０の頂板１７の前端部１７ａおよび後端
部１７ｂを筒材４のフオーク挿入口２８内に嵌込
んである。これによつて凸部１０の下方に形成さ
れたフオーク挿入空間１８とフオーク挿入口２８
は連通する。筒材４と主板２および底材３とはワ
イヤステツチ３０や接着剤で固着する。なおフオ
ーク挿入口２８の上縁部は粘着テープ３３等によ
り被覆接着するのが好ましく、また天板５と端部
底板１４間には、段ボールをジグザグ状に折曲げ
た補強材３４等を入れるのが好ましい。

上記構成のパレツト１を使用するには、フオー
クリフトのフオークをフオーク挿入口２８からフ
オーク挿入空間１８内に挿入して、天板５上の荷
物を支承する。屈曲状の底材３とこの前後端に取
付けた筒材４とで強固な枠組が構成され、この上
にコ字状の主板２を固着してあるので、パレツト
１は全体としてすぐれた曲げ強度、圧縮強度、剛
性を有する。底材３、主板２、筒材４は、それぞ
れ別個に板厚を選定でき、たとえばかさ比重の大
きい荷物の場合は主板２のみを３層乃至４層の段
ボールとすれば、パレツト全自重の大幅増をきた
すことなく軽量で所望の強度のパレツトが得られ
る。

この考案は上記実施例に限定されるものではな
く、たとえば上記実施例では筒材４は側板部を２
重構造としたので圧縮強度が高いという長所を有
するが、上板部又は下板部を２重構造とすること
もできる。また主板２の側壁６の外側に底材３の
端側板９の内面を当接させるようにして組立てて
もよい。またこの考案は紙製の段ボールのほか、
プラスチツク製の段ボールを用いるパレツトにも
適用できるものである。

以上説明したようにこの考案のパレツトは、主
板、底材および筒材の３種の主要部材から成り、
これら各部材の段ボール板厚の選定により余肉が
少なく軽量安価で充分な強度を有するすぐれたパ
レツトを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示すパレツトの
斜視図、第２図は同じく分解斜視図、第３図は第
１図のＡ−Ａ線水平断面図、第４図は第３図のＢ
−Ｂ線断面図、第５図は同じくＣ−Ｃ線断面図、
第６図は同じくＤ−Ｄ線断面図、第７図は第２図
の底材の展開平面図、第８図は同じく筒材の展開
平面図である。 １……パレツト、２……主板、３……底材、４
……筒材、５……天板、６……側壁、９……端側
板、１０……凸部、１１……内側側板、１１ａ…
…前端部、１１ｂ……後端部、１２……中央底
板、１３……外側側板、１３ａ……前端部、１３
ｂ……後端部、１４……端部底板、１７……頂
板、１７ａ……前端部、１７ｂ……後端部、１８
……フオーク挿入空間、２２……側板、２４……
側板、２５……側板、２８……フオーク挿入口、
３１……前側空間、３２……後側空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下向きに開口してフオーク挿入空間を形成する
   断面コ字状の２条の平行な凸部と、上記両凸部の
   内側側板下端部を連結する中央底板と、上記各凸
   部の外側側板下端部に連設された端部底板と、上
   記各端部底板に連設された上向きの端側板とをそ
   なえ、上記内側側板の前後端部を上記中央底板上
   の空間内に折曲げ、上記外側側板の前後端部を上
   記端部底板上の空間内に折曲げた、段ボールを屈
   曲成形して成る底材に、天板の左右両縁部に下向
   きの側壁を連設して成る段ボール製の主板を、上
   記天板の下面を上記凸部の頂板に当接させ上記側
   壁を上記端側板に重合させて被着するとともに、
   段ボールを角筒状に折曲成形し各側板を貫通する
   フオーク挿入口を設けて成る筒材を、上記主板と
   上記底材の前後端部との間に形成された前側空間
   および後側空間内に嵌込み、上記底材の頂板の前
   後端部を上記筒材のフオーク挿入口に嵌込んで、
   上記フオーク挿入口を上記フオーク挿入空間に連
   通させたことを特徴とするパレツト。