JPS5827926Y2 - 組立式包装箱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は組立式包装箱、特にいちご、びわ等のような果
物の包装用として有用な組立式包装箱に関する。

一般にいちご、びわ等の果物は、合成樹脂フィルム等か
ら成形された簡易包装カップに入れられた状態で、２個
又は４個を一組として箱詰めされて出荷される。

この種箱詰用の包装箱は、一度に多数個が出荷されるた
め、組立てが容易（作業性）であって且つ安価（経済性
）である、ことが望まれる。

また流通過程に於ては、多数段積重されて輸送、保管さ
れることが多いので、積重時の安定性と耐荷重性のよい
ものが望まれる。

更に箱詰めのまま商品が展示されることが多く、箱の損
傷は商品のイメージダウンを招くので、構造的に堅牢で
あることが望まれる。

ところが従来提供されているこの種包装箱は、作業性及
び経済性を満足し得るようなものは、構造的に強度に欠
けたり或はまた積重時の安定性や耐荷重性に問題があり
、また構造的に堅牢でしかも積重時の安定性や耐荷重性
のよいものは、作業性や経済性に欠けるなど、いずれも
一長一短があり、いまだ全ての要件を満足し得るものは
提供されていない。

本考案は構造的に堅牢であってしかも作業性、経済性、
積重時の安定性及び耐荷重性の全てを満足し得るような
この種包装箱を提供することを目的としてなされたもの
で、以下に本考案の実施例を添附図面にもとづき説明す
ると次の通りである。

第１図は不考案の好ましい一具体例を示す展開平面図で
あって、本考案包装箱は、折目ａを介して左右に順次連
成された糊代１、底面板２、左側面板３、天面板５と、
右側面板５と、天面板４の前後側縁に折目ａを介して連
成された差込み６付の側蓋板７の前後−組と、左右側面
板３，５の前後側縁に折目ａを介して連成された折込み
８，９の左右−組を有している。

上記天面板４は、比較的太幅の前後縁部１０ａ、１０ａ
、極く細幅の左右縁部１０ｂ、１０ｂ及び各コーナ部の
曲縁１０ Ｃを残して、開口されており、左右縁部１０
ｂ 、１０ ｂの内端には、開口からの打出片の一部
から形成されていて、上記曲縁１０ Ｃの打出によって
生じた凹縁１２ ａを上部のコーナ部に有する補強用板
１２．１２が折目ａを介して連成されている。

尚図には曲縁１０ Ｃ及び凹縁１２ａとして円弧状のも
のが示されている。

この補強用板１２は左右側面板３，５と同じ上下幅を有
していて、下端に差込み１３を有し、この差込み１３は
箱の組立時に底面板２の切込み１４に挿入止着される。

尚第１図に示すように縁部１０ ｂ 、１０ ｂの部分
に開口１５．１５を形成するときは、これより箱を組立
てたときに、その側部上端に凹所１６を形成できる。

この凹所１６は包装箱を積重したとき、箱内を外気と連
通させる。

本考案包装箱は上記展開図の通り原紙から打抜かれた後
、底面板２及び右側面板５が裏面側に折曲され、その後
糊代１がこれに対応する右側面板５の接合端部に接着さ
れ製品とされる。

この状態か゛第２図に示されている。

このようにして得られた製品は扁平に折畳まれていて、
この折畳み状態に於て、保管、輸送される。

使用に際しては第２図に示す状態から左右側面板３，５
が垂直に起立され箱本体が組立てられると共に箱本体の
前後の開口が折込み８，９及び側蓋板７によって閉蓋さ
れ、更に補強用板１２．１２が下向きに折曲され、下端
の差込み１３が底面板２の切込み１４に挿入止着され、
舷に包装箱が組立てられる。

この組立て車中の状況が第３図に、また組立て完成状況
が第４図に示されている。

またこの逆の手順をとることにより、再び第２図に示す
折畳み状態が得られる。

本考案に於ては、側蓋部を２重構造とするために、第５
図の展開図に示す通り、底面板２の前後側縁のそれぞれ
に、折目ａを介して補助側蓋板１７を連成することかで
きる。

この場合箱の組立時に於て、側蓋板７の差込み６は補助
側蓋板１７の基端部の切目１８に差込まれる。

そのため差込み６の左右幅は切目１８に対応する程度の
幅とされる。

本考案包装箱は折畳み、組立てが自在であって、組立て
を上述のように爪の係入止着等の面倒な操作を必要とす
ることなく簡単容易に行い得ると共に、組立てられた箱
に於ては、各コーナ部が縁部１０ ａ及び１０ｂを介し
て実質的に一体に連続しているのみならず、左右側壁部
が２重構造になっているので、構造的に極めて堅牢であ
り、積重使用等の過酷な使用に充分に耐え得る。

この耐荷重性は第５図の実施例に示すように側蓋部を２
重にし得るような構成を採用することにより一層向上で
きる。

更に箱を組立てた状態に於ては、第４図から明らかなよ
うに、包装箱の天面部の前後両側部に縁部１０ ａ 、
１０ ａが形成されているので、この縁部１０ａ、１０
ａを受座として本考案包装箱を多段的に積重し得ると共
に、箱の側壁の上端面には従来品が見られるような段差
が全く生しないので、安定確実な積重状態が得られる。

更に本考案に於ては、開口の前後、左右に縁部１０ａ、
１０ｂが形成されているが、左右の縁部１０ ｂは極く
細幅でありまた前後の縁部１０ａは比較的大幅であると
はいえ下面側は完全に開放されているので、このような
前後、左右の縁部１０ ａ 、１０ ｂの形成に拘わら
ず広い収納スペースが得られる。

更に左右縁部１０ ｂは極く細幅であるので、これに連
成された補強用板１２を内方に折曲した時、箱本体の左
右側面板３，５に略々重なり合い、丈夫で頑丈な２重壁
が得られる。

更に本考案に於ては、前後、左右の縁部１０ａ、１０ａ
、１０ｂ、１０ｂの各コーナ部に曲縁１０ Ｃを形成し
たので、この曲縁１０Ｃｉよってコーナ部の強度を増強
し得ると共に、この曲縁１０ Ｃの形成にもとずく凹縁
１２ Ｃが補強用板１２の上部コーナ部に形成されるの
で、補強用板１２と左右側面板３，５が略々重なり合っ
ているに拘わらずこの凹縁１２ Ｃを指掛は部として利
用することにより、この補強用板１２を底面板２から簡
単に外すことができ、再折畳み操作の容易化に寄与でき
る。

更にこの曲縁１０ Ｃの面積分だけ箱のコーナ部の受座
面積が増加するので、箱の積重使用時の安定性より一層
向上でき、特に荷崩れ時に於ける上段箱コーナ部の下段
箱内への落込み防止に大きく寄与できる。

このように本考案包装箱に於ては、組立て及び再折畳み
が容易であって、組立て使用時並びに再折畳み時の労力
を著しく軽減できると共に構造的に堅牢であって流通過
程に於て不用意に箱が損傷損壊されることがなく、従っ
て例えば顧客に箱詰めのまま商品が展示されるような場
合であっても商品にイメージダウンを招くような虞れが
ない。

更に安定確実な積重状態が得られるので、保管、運搬時
等に於ける箱の倒壊等の事故を防止できる。

更に構造的に極めて簡素であるばかりでなく補強用板を
天面部の開口よりの打出片刃鳴構成するようにしたので
、構造的に無駄がなく製品−個当りの用紙の消費量を著
しく節減でき、また使用用紙量の割には広い収納スペー
スが得られるなどの利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案実施の一例を示し、第１図はその展開平面
図、第２図はその折畳み状況を示す平面図、第３図はそ
の組立て途中の状況を示す斜面図、第４図はその組立て
完成状況を示す斜面図、第５図は本考案に適用される側
蓋部の補強手段の一例を示す展開平面図である。 図に於て、１は糊代、２は底面板、３は左側面板、４は
天面板、５は右側面板、６は差込み、７は側蓋板、８．
９は折込み、１０ ａ 、１０ ｂは縁部、１２は補強
用板、１３は差込み、１４は切込み、１５は開口、１６
は凹所、１７は補助側蓋部、１８は切目である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 箱本体の前後の側部開口を開閉する前後の側蓋を有して
   いて、該側蓋を開いた状態で左右側面板を起立、伏倒し
   箱本体を組立て、折畳む方式の包装箱であって、上記箱
   本体の天面部は、比較的大幅の前後縁部、極く細幅の左
   右縁部及び各コーナ部の曲縁を残して開口されており、
   左右縁部の内端には、開口からの打出片の一部から形成
   されていて、上記曲縁の打出しによって生じた凹縁を上
   部のコーナ部に有する補強用板が連成され、この補強用
   板は箱の組立て特にそこから略々垂直下向きに折曲され
   て底面板に止着され、箱本体の左右側面板と共同して２
   重側壁を構成していることを特徴とする組立式包装箱。