JP2567826Y2 - 積み重ねトレー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、内容物を収納したまま
安定よく積み重ねて保管されたり運搬される段ボール製
積み重ねトレーに関する。

【０００２】

【従来の技術とその問題点】内容物を入れた段ボール箱
は何段かに積み重ねられて保管されたり、運搬されるこ
とが多く、積み重ねられた下段の段ボール箱はかなりの
重量を受け、箱の側壁は上からの圧縮に屈して折れ曲が
り、それが荷崩れや箱の変形、損壊などのトラブルの原
因となっていた。そのため従来から箱側壁部を２重構造
とすることにより積圧強度の高い段ボール箱が種々提案
されている。また、例えば図６に示すように、箱の相対
する妻板の上縁に桟板ａ，ａを形成させて上段の箱を下
段の箱の前記桟板ａ，ａ上に載せて積み重ねるようにし
たものや、図７に示すように、箱の両側板の上縁に押え
板ｂ，ｂを突設して、この押え板の間に上段の箱を入れ
て積み上げた箱の移動を制限したものなどが開発され、
使用されている。

【０００３】前記図６のものは、桟板ａの上に積み重ね
た箱が移動し易い欠点があり、前記図７のものは押え板
ｂで積み重ねた箱が移動し易い欠点は克服できるもの
の、箱を構成する包装資材の使用量が多くなるという欠
点があった。

【０００４】そこで本考案が解決しようとする問題点
は、特に包装資材の使用量を少なくし、簡単に組立がで
きるようにしながら、積圧強度を高めることができ、か
つ積み重ねた箱が移動しにくい積み重ねトレーを提案す
ることにある。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案の積み重ねトレーは、矩形状底板の４辺に対
向する両側板及び両妻板を連接し、前記両妻板の高さを
前記側板よりも高く形成して、その両側に延設した接合
フラップを介して隣接する側板と妻板とを相互に固定
し、かつ前記妻板の上縁に平行２本の折線を介して細幅
の頂壁を設けるとともに、頂壁の両側にＬ形の切り込み
を設けて、頂壁の延長上に妻板内面に固定する細幅の内
折込フラップを区画し、かつ前記内折込フラップの両端
延長上にコーナーフラップを設けて前記接合フラップの
内面に固定したことを特徴としている。

【０００６】

【実施例】本考案を図示の実施例に基づいて具体的に説
明する。図１は、本考案の組立斜視図、図２は同じくそ
の展開図である。図２において、符号１は矩形の底板、
２，２は前記底板１の対向する長辺に連接した側板、
３，３は同じく底板１の対向する短辺に連接した妻板で
ある。図示のように両妻板３，３の高さＬは、両側板
２，２の高さＭより高く形成しておくものである。そし
て、この両妻板３，３の両側には接合フラップ４，４を
それぞれ延設する。さらに、前記両妻板３，３の上縁に
は平行な２本の折線５，５を設けて細幅の頂壁６，６を
区画し、かつ該頂壁６をはさみその両側にＬ形の切り込
み線７を設ける。また前記頂壁６の延長上には妻板内面
に固定するための細幅の内折込フラップ８，８を区画
し、かつ前記内折込フラップ８，８の両端延長上にコー
ナーフラップ９，９を設ける。なお符号１０は両妻板の
ほぼ中央に設けた手穴であり、内折込フラップ８には手
穴１０に対応した切り欠き１１を設けることにより手穴
補強片を兼ねさせている。

【０００７】上記展開図形よりなる本考案のトレーを組
み立てる場合には、まず底板１に対して両側板２，２を
直角に立ち上げ、かつ両妻板３，３を前記と同様にして
直角に立ち上げた後、接合フラップ９，９を側板２の外
面に固着する。その際、両妻板の内面側には、折線５，
５及びＬ形の切り込み線７を介して内折込フラップ８，
８を折り返し、かつコーナーフラップ９，９を接合フラ
ップ４の内面側に折り返して、それぞれをホットメルト
などの接着剤により固着することにより、図１に示すト
レーを得る。

【０００８】このトレーに内容物を入れ、保管、運搬す
る場合は、内部に商品を納めたまま図３に示すように何
段かに積み重ねて保管したり、運搬する。すなわち、頂
壁６，６の上に上方のトレーの底板１を載置し、トレー
の４隅部において、頂壁６の上方に突出する妻板３の一
部と接合フラップ４のそれぞれの内側に上方のトレーの
隅部をはめ込むようにする。このようにして段積みした
トレー相互を前記突出した部分で前後左右に動くことが
ないように係合させるのである。

【０００９】図４と図５は本考案の他の実施例の一部を
示すものである。この実施例においては、内折込フラッ
プ８の両端に長短２枚のコーナーフラップ９ａと９ｂを
設けて、コーナーフラップ９ａを接合フラップ４の内面
側に折り返してホットメルト接着剤により固着すること
により、図４に示すようにコーナーフラップ９ｂを斜辺
とする３角形の筒部をトレーの４隅部に形成したもので
ある。このようにすると、前記の実施例に較べて上方の
トレーを受けるための面積が増加する。

【００１０】

【考案の効果】以上のように本考案は、矩形状底板の４
辺に対向する両側板及び両妻板を連接し、前記両妻板の
高さを前記側板よりも高く形成して、その両側に延設し
た接合フラップを介して隣接する側板と妻板とを相互に
固定し、かつ前記妻板の上縁に平行２本の折線を介して
細幅の頂壁を設けるとともに、頂壁の両側にＬ形の切り
込みを設けて、頂壁の延長上に妻板内面に固定する細幅
の内折込フラップを区画し、かつ前記内折込フラップの
両端延長上にコーナーフラップを設けて前記接合フラッ
プの内面に固定したものであって、トレーの４隅部側面
はいずれも二重の複層構造になっているうえに、妻板３
と接合フラップ４が、また内折込フラップ８とコーナー
フラップ９が、それぞれアングル状をなしているので、
コーナー部は堅牢となりその積圧強度ならびに横からの
衝撃に対する強度が高い。またトレーを段積みする場合
には、頂壁６の形成により上方のトレーを受けるための
面積が増加し、かつ上方に突出する妻板の一部と接合フ
ラップのそれぞれの内側に上方のトレーをはめ込み、段
積みしたトレー相互を前記突出した部分で前後左右に動
くことがないように係合させるので、上段のトレーの荷
崩れ、落ち込みが防止され、安定確実な積み重ね状態が
得られる。

【００１１】また本考案は前述したように妻板の上縁に
平行２本の折線を介して細幅の頂壁を設けるとともに、
頂壁の両側にＬ形の切り込みを設けて、頂壁の延長上に
妻板内面に固定する細幅の内折込フラップを区画し、か
つ前記内折込フラップの両端延長上にコーナーフラップ
を設けた簡単な構成であり、従来のものに較べて資材の
使用量が節減できる点で有用な考案である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図である。

【図２】同上実施例の展開図である。

【図３】本考案の積み重ね状態を説明する断面図であ
る。

【図４】本考案の他の実施例を示す一部断面図である。

【図５】同上実施例の一部展開図である。

【図６】従来型の斜視図である。

【図７】同じく他の従来型を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 底板 ２ 側板 ３ 妻板 ４ 接合フラップ ５ 折線 ６ 頂壁 ７ 切り込み線 ８ 内折込フラップ ９ コーナーフラップ １０ 手穴 １１ 切り欠き

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 矩形状底板(1)の４辺に対向する両側板
   (2)(2)及び両妻板(3)(3)を連接し、前記両妻板(3)(3)の
   高さを前記側板(2)(2)よりも高く形成して、その両側に
   延設した接合フラップ(4)を介して隣接する前記側板と
   妻板とを相互に固定し、かつ前記妻板の上縁に平行２本
   の折線(5)(5)を介して細幅の頂壁(6)を設けるととも
   に、その頂壁の両側にＬ形の切り込み(7)(7)を設けて、
   該頂壁の延長上に妻板内面に固定する細幅の内折込フラ
   ップ(8)(8)を区画し、かつ前記内折込フラップの両端延
   長上にコーナーフラップ(9)(9)を設けてこれを前記接合
   フラップの内面に固定したことを特徴とする積み重ねト
   レー。
2. 【請求項２】 前記両妻板のほぼ中央に手穴(10)を設
   け、かつ前記内折込フラップ８の端縁に手穴に対応した
   切り欠き(11)を設けて前記内折込フラップを手穴に添設
   し補強片としたことを特徴とする請求項１記載の積み重
   ねトレー。