JPS6318585Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、段ボール・フアイバーボード・厚
紙のような紙系の板状材の他、プラスチツク段ボ
ール・プラスチツク低発砲シートのようなプラス
チツク系の板状材を素材として作ることができ
る、荷役用のパレツトに関する。

〔従来の技術〕

現在最も多く使用されている木製のパレツト
は、重量が大であるところより、例えば特開昭50
−103041号公報、実開昭53−63168号公報及び実
開昭53−154557号公報等に、上記したような紙系
又はプラスチツク系の板状材を素材として、パレ
ツトを作ることが提案されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

そして、筒状の部材のみの組合せからなる組立
パレツトとしては、上記実開昭53−63168号公報
に段ボール紙などの折曲可能な版体の折曲げによ
り、所要の左右両側長と断面方形の筒体に形成し
た台部材と、所要の前後長と断面方形の筒体に形
成した孔筒部材と、所要の前後長に形成した断面
方形の筒体に形成した結合部材とを作り、これら
の三つの筒状の部材を組合わせてなる組立式パレ
ツトが開示されている。しかしこの組立パレツト
は、上記台部材の所定位置に、それを貫いて孔筒
部材挿通用の孔を形成しておく必要があり、また
上記結合部材の所定位置に、多数の切込溝を形成
しておく必要があるため、その構造が複雑であ
る。

この考案は、同じく筒状紙系又はプラスチツク
系の板状の素材を角筒状に形成した部材の組合せ
からなるパレツトではあるが、筒状の部材に上記
のような孔とか溝等を形成しておかなくても組立
ることができるようにすることで、より簡単な構
造の組立パレツトを提供しようとするものであ
る。

また、パレツトを構成している筒状の部材に、
上記のような孔とか切込溝を形成すると、該筒状
の部材の強度が低下し、それだけパレツトの耐積
圧・耐撓み強度が低下する。

この考案は、角筒状の部材に上記のような強度
低下を伴う孔又は溝を形成しておかなくても、角
筒状の部材を容易に組合せてそれをパレツトに組
立てることができる、組立式パレツトを提供しよ
うとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案のパレツトは、紙系又はプラスチツク
系の板状の素材を水平方向が開口せしめられた偏
平な角筒状に形成してなる、一個のデツキボード
筒内に、紙系又はプラスチツク系の板状の素材を
水平方向が開口せしめられた偏平な角筒状に形成
してなる、各複数個宛の充填筒を、上下二段に配
して、上段側の充填筒はその開口方向をデツキボ
ード筒の開口方向と直交させ、下段側の充填筒は
その開口方向をデツキボード筒の開口方向と一致
させて、充填固定し、下段側の充填筒開口部でも
つてフオーク挿入用の開口部を構成せしめてある
こと、及び、上段側の充填筒が該充填筒内にその
開口方向を直交させて充填された、適宜の素材を
夫々角筒状に形成してなる複数個の補強部材でも
つて補強されていることによつて構成されてい
る。

〔作用〕

この考案のパレツトにあつては、上下二段に配
してデツキボード筒内に充填固定されている充填
筒が、その開口方向を直交せしめられており、下
段側の充填筒の開口方向が、デツキボード筒の開
口方向と一致せしめられているので、上段側の充
填筒は、デツキボード筒内で、フオークリフトを
挿入される下段側の充填筒の上に架け渡された状
態になつている。また、この充填筒自身は、その
内側にその開口方向を直交させて充填された複数
個の筒材によつて補強されているので、この充填
筒は、その上に荷重がかかつてもその開口部が平
行四辺形になる方向に潰れ難い。

〔実施例〕

実施例を図について説明すると、この実施例の
パレツト１は、デツキボード筒２と、該デツキボ
ード筒２内に充填された、上段側の複数の充填筒
３と、下段側の複数の充填筒４とでもつて構成さ
れており、上記デツキボード筒２と各充填筒３及
び４は、夫々次のように構成されている。

すなわち、このデツキボード筒２は、例えば段
ボールのような板状に素材からなる、上部のデツ
キボードを構成する部材２ａと、下部のデツキボ
ードを構成する部材２ｂとを、夫々、その断面形
状がコ字形になるように折り曲げて、その両側に
側面を形成した上、両部材２ａ，２ｂの側面を互
いに貼合わせてなり、水平方向が開口された偏平
な角筒状に形成されている。各充填３及び４は、
何れも、段ボールのような板状部材を、段面形状
が角筒状になるようにその一部を重複せしめて折
り曲げた上、該重複部分を互いに貼り合わせてな
り、水平方向が開口せしめられた偏平な角筒状に
形成されているのであるが、上段側の各充填筒３
の高さh₃と、下段側の充填筒４の高さh₄は、両側
の高さの和が、前記デツキボード筒２の上下面の
間隔d₂に一致せしめられており、各上段側充填筒
３の長さl₃は、デツキボード筒２の開口部の内巾
w₂に一致せしめられており、各下段側充填筒４
の長さl₄は、デツキボード筒２の長さl₂に一致せ
しめられている。

なお、デツキボード筒２内に充填される、各充
填筒３，３間及び各下段側充填筒４，４間には、
例えば、合板などからなる偏平な長方形の補強板
５及び６を、夫々介在せしめてあつて、これらの
補強板５及び６は、充填筒３及び４の側面に貼着
するなどして、それに添接せしめられている。ま
たその開口部がフオーク挿入用の一対の開口部７
を構成している、一対の下段側充填筒４，４を除
く、各充填筒３及び４の内部には、夫々、例えば
段ボールのような板状材を角筒状に形成してな
る、複数個の補強部材８又は９を充填してあつ
て、各充填筒３又は４は、これらの補強部材８又
は９でもつて、夫々、その断面形状が、外圧によ
つて容易に平行四辺形状に変形しないよう、補強
されている。

以上、パレツトを構成している各部材、すなわ
ちデツキボード筒２、上段側充填筒３、及び下段
側充填筒４の構成について、詳細に説明したが、
このパレツト１は、上記のように構成されたデツ
キボード筒２内の下段側に、予めそれに充填され
た複数個の補強部材９でもつて補強された、１個
の下段側充填筒４を、中央に配し、それらの開口
部でもつてフオーク挿入用の一対の開口部７を構
成せしめるために、上記せる如き補強材９を充填
してない一対の下段側充填筒４を、両側に配し、
且つ各下段側充填筒４，４間に夫々前記補強板６
を添接介在させて、これら３個の下段側充填筒４
を、その開口方向がデツキボード筒２の開口方向
と一致せしめられる向きに充填し、デツキボード
筒２内の上段側に、予めそれに充填された複数個
の補強材８及びその側面に添接せしめて固定され
た偏平な補強板５等でもつて補強された、４個の
上段側充填筒３を、それらの開口方向がデツキボ
ード筒２の開口方向と直交せしめられる向きに充
填して、構成されており、各充填筒３，４は、そ
れらの相互間又はそれらとデツキボード筒２間
を、糊付け又は釘付けする等の適宜な手段によつ
て、デツキボード筒２内から抜け出さないよう、
デツキボード筒２に固定されている。

なお上記実施例においては、何れも角筒状に形
成される、デツキボード筒２、充填筒３，４、及
び補強部材８，９を、何れも段ボールにて構成せ
る例を示したが、この考案にしたがつてこれらの
各角筒状の部材を構成する素材は、段ボールに限
られるものではなく、他の実施例においては、紙
系のフアイバーボード、厚紙等の他、プラスチツ
ク系のプラスチツク段ボール、プラスチツク低発
砲シート等も、これを素材として使用しうるもの
である。

〔考案の効果〕

この考案に係るパレツトは、上記したような角
筒状の成形品の組合わせでもつて構成されている
のであるが、各充填筒内に夫々補強部材を挿入す
る作業及び一個のデツキボード筒内に複数個の充
填筒を充填固定する作業は、各充填筒内に、その
開口部から補強部材を挿入し、デツキボード筒内
に、その開口部から、充填筒を挿入すればよいの
であるから、極めて簡単であり、デツキボード
筒、充填筒及び補強部材を板状の素材から角筒状
に成形することは、公知の製箱技術の一部によつ
て、安く、且つ、省力化してこれを行うことがで
きる。

したがつて、この考案のパレツトは、冒頭に例
示した従来のパレツトに比し、その生産性が非常
に優れており、これを安価に量産できる。

また、この考案によるパレツトは、一個のデツ
キボード筒内に、複数個の充填筒が、特に上下二
段に配して充填固定されており、これらの充填筒
は、上段側のものと下段側のものとが、その開口
方向を直交せしめられており、下段側の充填筒の
開口方向が、デツキボード筒の開口方向と一致せ
しめられているので、上段側の充填筒が、デツキ
ボード筒内で、フオークリフトを挿入される下段
側の充填筒の上に架け渡された状態になつてお
り、また充填筒がその内側に挿入された補強部材
によつて補強されているので、紙系の板状材を素
材としこれを作つても、冒頭に例示したパレツト
に比し、耐積圧・耐撓み強度が特に優れており、
しかも充分な耐横揺れ強度をもつている。

またこの考案のパレツトは、これを上記せる如
き紙系の素材でもつて作つた場合には、従来の木
製パレツトに比べ、軽量に作れる他、廃棄し易い
利点、及びその側面に印刷を施し易い利点、等が
得られるので、輸出用のワイウエイパレツトとし
て好適なものとなることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るパレツトの一実施例を
示した斜視図、第２図は同分解斜視図である。 １……パレツト、２……デツキボード筒、３…
…上段側の充填筒、４……下段側の充填筒、７…
…フオーク挿入用の開口部、８……補強部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 紙系又はプラスチツク系の板状の素材を水平
   方向が開口せしめられた偏平な角筒状に形成し
   てなる、一個のデツキボード筒内に、紙系又は
   プラスチツク系の板状の素材を水平方向が開口
   せしめられた偏平な角筒状に形成してなる、各
   複数個宛の充填筒を、上下二段に配して、上段
   側の充填筒はその開口方向をデツキボード筒の
   開口方向と直交させ、下段側の充填筒はその開
   口方向をデツキボード筒の開口方向と一致させ
   て、充填固定し、下段側の充填筒開口部でもつ
   てフオーク挿入用の開口部を構成せしめてある
   こと、及び、上段側の充填筒が該充填筒内にそ
   の開口方向を直交させて充填された、適宜の素
   材を夫々角筒状に形成してなる複数個の補強部
   材でもつて補強されていることを特徴とするパ
   レツト。 ２ 前記充填筒の側面が、該側面に添接せしめ
   た、該側面と同一平面形状の、偏平な補強板で
   補強されている、実用新案登録請求の範囲第１
   項に記載のパレツト。