JPH0140581Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、板金材の端縁を折り曲げ加工するヘ
ミング機に関するものである。

〈従来の技術〉 板金材の端縁を折り曲げ加工するヘミング機
は、端縁を予め直角にプレス成形された板金材を
下型上にセツトし、油圧シリンダで昇降動する予
備曲げ刃により前記端縁を約45゜に予備曲げし、
次いで完全曲げ刃にて完全に折り曲げる機構であ
る。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上記従来のヘミング機は、ワークの形状ごとに
１台づつ設置され、異なる形状のワークをそれぞ
れの機械で加工している。従つて、ワーク形状の
種類と同数のヘミング機を必要とし、設置スペー
ス、設備費が大となつている問題がある。また、
１台のヘミング機で異なる形状のワークを加工す
る場合は、ワークの種類が変更する都度、上型で
ある曲げ刃と、これと対応する下型の段取り換の
作業を必要とし、段取り換に要する時間がロスタ
イムとなつて生産性に悪影響を及ぼす。

本考案は、１台のヘミング機で少くとも２種類
以上の異なるワークを迅速な型切り換動作によつ
て対応して加工可能とし、上記従来の問題点を解
決したものである。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、基台上に立設したガイド軸にシリン
ダ装置によつて昇降動するアツパフレームを案内
し、このアツパフレームの下面に支持体を水平方
向にシフト可能に取付け、この支持体に少くとも
四面以上の偶数多角ベース面を備え、二面のベー
ス面を１組として、これに予備曲げ刃と完全曲げ
刃を複数組固設したベースブロツクを支持体のシ
フト方向と直交する水平軸線回りに回転割出し可
能に軸承し、前記ベースブロツクの直下の基台上
には水平方向にシフト可能な可動下型と固定下型
とを設置したしたものである。

〈作用〉 本考案は、ワークの種類に応じて、それに対応
する組の予備曲げ刃と完全曲げ刃を割出し位置
し、また、下型を設定してヘミング加工を行うも
のである。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図において、１は基台、２は基台１上の
四隅に立設したガイド軸である。このガイド軸２
にはアツパフレーム３が油圧シリンダ４の作動に
よつて昇降動可能に案内されている。

このアツパフレーム３の下面には支持体５がガ
イド１０によつて水平方向にシフト可能に取付け
られている。１１は支持体５のシフト用シリンダ
である。この支持体５には、少くとも四面のベー
ス面７ａ〜７ｄを備えたベースブロツク６が前記
支持体５のシフト方向と直交する水平軸線回りに
割出し回転可能に軸承されている。１２はベース
ブロツク６の割出し用シリンダである。

前記ベースブロツク６のベース面７ａ〜７ｄに
は、二面のベース面７ａ，７ｂ及び７ｃ，７ｄを
１組とし、ベース面７ａには第１予備曲げ刃８ａ
を、ベース面７ｂには第１完全曲げ刃８ｂを固定
し、ベース面７ｃには第２予備曲げ刃９ａを、ベ
ース面７ｄには第２完全曲げ刃９ｂを固定する。

尚、ベースブロツク６のベース面は、前記四面
以上の六面、八面の偶数多角形とすれば、さらに
多くの種類のワークに対応する曲げ刃の組数が得
られる。

前記ベースブロツク６の直下の基台１上には、
支持体５のシフト方向と同方向の水平方向にシフ
ト可能な可動下型１３と固定下型１５が並設され
ている。１４は可動下型１３のシフト用シリンダ
である。

次に上記構成の動作について説明する。可動下
型１３上には第１ワークWaがセツトされる。こ
の場合、可動下型１３はシフト用シリンダ１４に
て前進シフトする。また、固定下型１５上には前
記第１ワークWaとは異なる第２ワークWbがセ
ツトされる。この場合は、可動下型１３は後退シ
フトされ、第２ワークWbへの干渉を回避する。
今、第１ワークWaをヘミング加工する場合につ
いて第２図及び第３図によつて説明する。可動下
型１３上にセツトされる第１ワークWaに対応す
る第１予備曲げ刃８ａと第１完全曲げ刃８ｂを割
出し用シリンダ１２でベースブロツク６を回転し
て所定位置に割出す。また、同時に支持体５をシ
フト用シリンダ１１で前進シフトさせ第１予備曲
げ刃８ａと第１ワークWaの端縁との位相が対応
するよう位置設定する。しかる後に、油圧シリン
ダ４によつてアツパフレーム３を下降動させ、第
１予備曲げ刃８ａにて第１ワークWaの端縁を約
45゜の予備曲げを行い、アツパフレーム３を上昇
させ、支持体５を後退シフトし、第１完全曲げ刃
８ｂと第１ワークWaの端縁との位相が対応する
よう位置設定し、再びアツパフレーム３を下降動
して第１完全曲げ刃８ｂにて約45゜に予備曲げさ
れている端縁を完全に折り曲げるのである。

第２ワークWbのヘミング加工では、前記した
ように可動下型１３を後退シフトさせ、固定下型
１５上に第２ワークWbをセツトし、この第２ワ
ークWbに対応する第２予備曲げ刃９ａと第２完
全曲げ刃９ｂを所定位置に割出しを行い、その後
は前記第１ワークWaの場合と同様に支持体５を
前進シフトさせてアツパフレーム３の下降動で第
２予備曲げ刃９ａにて予備曲げを行い、支持体５
を後退シフトさせて第２完全曲げ刃９ｂにて完全
に、折り曲げ加工を行うものである。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によると、アツパフレーム
側には複数組の予備曲げ刃と完全曲げ刃を割出し
並びにシフト可能に設け、基台上にはシフト可能
な可動下型と固定下型との複数の下型を設置し、
ワークの種類に応じて切換可能とした構成である
から、１台のヘミング機によつて少くとも２種類
以上の異なるワークのヘミング加工が可能とな
り、曲げ刃並びに下型の切換動作も自動的に、し
かも迅速に行われるため、生産性が著しく向上す
ると共に、設置スペース、設備費の低減が得られ
る効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の要部を示す側面図、第２図は
１つの種類のワークの予備曲げ加工の説明図、第
３図は同完全曲げ加工の説明図である。 １……基台、２……ガイド軸、３……アツパフ
レーム、４……油圧シリンダ、５……支持体、６
……ベースブロツク、７ａ〜７ｄ……ベース面、
８ａ……第１予備曲げ刃、８ｂ……第１完全曲げ
刃、９ａ……第２予備曲げ刃、９ｂ……第２完全
曲げ刃、１３……可動下型、１５……固定下型。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基台上に立設したガイド軸にシリンダ装置によ
   つて昇降動するアツパフレームを案内し、このア
   ツパフレームの下面に支持体を水平方向にシフト
   可能に取付け、この支持体に少くとも四面以上の
   偶数多角ベース面を備え、二面のベース面を１組
   として、これに予備曲げ刃と完全曲げ刃を複数組
   固設したベースブロツクを支持体のシフト方向と
   直交する水平軸線回りに回転割出し可能に軸承
   し、前記ベースブロツクの直下の基台上には水平
   方向にシフト可能な可動下型と固定下型とを設置
   したことを特徴とするヘミング機。