JPH0140506Y2

JPH0140506Y2 -

Info

Publication number: JPH0140506Y2
Application number: JP10329886U
Authority: JP
Priority date: 1986-07-05
Filing date: 1986-07-05
Publication date: 1989-12-04
Also published as: JPS6384230U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は内部に薬剤を封入してなるカプセル体
を有する救急用絆創膏に関するものである。

（従来の技術）従来から、救急用絆創膏としては種々のものが
考案されており、例えば、粘着シートの上面中央
部に薬剤を含浸、乾燥させたガーゼ等のパツドを
貼着し、その上面を左右に分離可能な剥離紙で被
覆してなる絆創膏が広く使用されているが、この
ような構造の絆創膏によれば、薬剤がパツドに含
有されているにも拘わらず、乾燥状態になつてい
るために、創傷口を傷める虞れがあるばかりでな
く、創傷面に当接しても、創傷部からの分泌物に
よつてパツド部の薬剤が溶出してこない限り、有
効な消毒殺菌効果を得ることができないものであ
る。

このため、本願考案者等は、実開昭60−63324
号に示すように、粘着シートの上面中央部に貼着
したバツド上に、底面がアルミ箔等の薄膜片で形
成した適宜形状のカプセル体を配設して使用時に
該カプセル体の上面壁を押圧することにより該上
面壁の下面中央に突設した突起で薄膜片を破壊さ
せて薬剤をパツド上に流出、含浸させるように構
成した救急用絆創膏を考案した。

（考案が解決しようとする問題点）しかしながら、このような構造によれば、カプ
セル体の上面壁の下面中央部に突設した突起によ
つてカプセル体の底面薄膜片を正確に破壊させる
利点を有するが、破壊が薄膜片の中央部のみで行
われて破壊による薬剤流出口の開口面積が小さく
形成され、そのため、カプセル体内からの薬剤の
流出が遅くなり、パツドに充分な薬剤を含浸させ
るのに手間を要すると共にカプセル体内の外周部
にある薬剤が完全に排出されることなくカプセル
体内に残存する場合が生じることもあるという問
題点があつた。

本考案はこのような問題点をなくしたもので、
カプセル体内の全ての薬剤を円滑且つ迅速にパツ
ド上に流出、含浸させるようにした救急用絆創膏
の提供を目的とするものである。

（問題点を解決するための手段）上記目的を達成するために、本考案の救急用絆
創膏は、実施例に対応する図面に示すように、粘
着シート１の上面中央部に貼着したパツド３上
に、底面がアルミ箔等の薄膜片５で形成され、且
つ内部に薬剤６を注入してなるカプセル体４を載
置すると共にこのカプセル体４を前記粘着シート
１に剥離可能に貼着した剥離紙９により固定して
なる救急用絆創膏において、前記カプセル体４の
上壁４ａの中央部に折曲げ用条溝７を内底面に向
かつて膨出、形成し、該折曲げ用条溝７の下面中
央部に薄膜片破壊用突起８を突設してなることを
特徴とするものである。

（作用）使用時に、カプセル体４を折曲げ用条溝７から
パツド３側に向かつて二つ折りするように折曲げ
ると、まず、該条溝７の下面中央部に突設した突
起１０によりカプセル体４の底面薄膜片５の中央
部が破壊されて該破壊部からカプセル体４の薬剤
がパツド３上に流出を開始する一方、折曲げによ
つてその破壊部が拡大すると共にカプセル体４内
の外周部の薬剤が二つ折りによつて傾斜した薄膜
片５上を破壊部に向かつて流動して完全に排出さ
れるものである。

（実施例）本考案の実施例を図面について説明すると、１
は長方形状の布、プラスチツク又は不織布等の上
面に粘着剤２を塗布してなる粘着シートで、その
上面中央部にガーゼ或いは積層吸収紙片等よりな
るパツド３を貼着してある。

４はプラスチツクシート片を膨出形成してなる
偏平矩形状のカプセル体で、上壁４ａの周辺に下
方に向かつて周壁４ｂを一体に形成し、且つ該周
壁４ｂの下端周縁に外方に向かつて水平方向に突
出したフランジ部４ｃを連設してなり、下端開口
部をアルミ箔やグラシン紙等の破壊可能な薄膜片
５で閉止し、この薄膜片５の外周上面を前記フラ
ンジ部４ｃの下面に接着剤等により一体的に貼着
して該薄膜片５で底面を構成してある。

６はカプセル体４内に充填、封入した殺菌消毒
剤等の薬液又は鎮痛剤、止血剤等の薬液剤であ
る。

７はカプセル体４の上壁４ａの中央部に全幅に
亘つて形成した折曲げ用条溝で、上壁４ａの中央
部を下方に向かつて断面Ｖ字状或いは第５図に示
すようなＵ字状等に膨出させることにより形成さ
れてあり、この条溝７の下面中央部には円錐形状
の薄膜片破壊用突起８を下方に向かつて突設し、
該突起８の下端をカプセル体４内において薄膜片
５の上面中央部に接触又は近接させてある。

条溝７は、カプセル体４の対向周壁面間に亘つ
て略同一深さで形成されていてもよいが、第６図
に示すように、突起８を有する中央部からカプセ
ル体４の対向周壁面に向かつて徐々に浅くなる傾
斜条溝に形成しておいてもよい。

９は粘着シート１の一端部を除く粘着面２に剥
離可能に貼着した剥離紙で、紙又は柔軟なプラス
クフイルムよりなる表裏２枚の剥離紙９ａ，９ｂ
をラミネート（重合接着）してなり、裏側剥離紙
９ｂの下面全面にシリコン層等の剥離層を設けて
該下面を前記粘着シート１の粘着面に剥離可能に
仮接着してある。

又、粘着シート１上に貼着した前記パツド３上
に重ね合わせる該剥離紙９の部分において、表側
剥離紙９ａには前記カプセル体４の平面形状と略
同一形状の保持孔１０を穿設している一方、裏側
剥離紙９ｂには該保持孔１０に合致させて保持孔
１０と同大、同形の透孔１１を穿設してあり、カ
プセル体４のフランジ部４ｃをこれらの表裏剥離
紙９ａ，９ｂ間に挟持させると共にカプセル体４
の周壁４ｂを保持孔１０に挿通させて該保持孔１
０を通して上方に突出させてある。さらに、カプ
セル体４の底面を形成した薄膜片５は裏側剥離紙
９ｂに設けた前記透孔１１を通じてパツド３の上
面中央部に重ねてある。

なお、剥離紙９に対するカプセル体４の取付け
は、前記のような表裏剥離紙９ａ，９ｂに挟持さ
せることなく、一枚の剥離紙に貼着、固定させて
もよく、さらには剥離紙がプラスチツクよりなる
場合には該剥離紙と一体にカプセル体４を形成し
たものであつてもよい。

１２は粘着シート１の一端部上面に剥離可能に
貼着した一端部剥離片で、その内端部を適宜幅、
上面側に折り返し重合させ、その折り返し端部１
３上に前記剥離紙９の対向端部を接着することな
く重合させて剥離紙９の剥離を容易に行えるよう
にしてある。

このように構成した救急用絆創膏は、使用に際
して、カプセル体４を折曲げ用条溝７からパツド
３側に向かつて二つ折りするように折曲げながら
押圧すると、まず、該条溝９の下面中央部に突設
した突起８によりカプセル体４の底面薄膜片５の
中央部が破壊されて該破壊部からカプセル体４内
の薬剤がパツド３上に流出を開始する一方、折曲
げによつてその破壊部が拡大すると共にカプセル
体４内の外周部の薬剤が二つ折りによつて傾斜し
た薄膜片５上を破壊部に向かつて流動して円滑且
つ完全に排出されるものである。

この時、パツド３に含入、拡散した薬剤６は裏
側剥離紙９ｂの下面側に達するが、該裏側剥離紙
９ｂの下面にはシリコン層等の剥離層を設けてい
るので、この剥離紙側に付着することなく、全て
の薬剤がパツド３に含浸させることができる。

こうして、カプセル体４内の薬剤、薬液をパツ
ド３に含浸、付着させれば、剥離紙９を剥離して
パツド３の創傷部等に当てがい、粘着シート１を
該創傷部等の周辺に貼着するものであるが、剥離
紙９の剥離時には、前述したように、粘着シート
１の一端部に貼着した剥離紙１２の内側折り返し
端部１３上に剥離紙９の内端部を重ね合わせてい
るので、該内端部を摘んで剥離紙９及び剥離片１
２を容易に剥離できるものであり、剥離後空にな
つた前記カプセル体５を剥離紙９と一体にした状
態で捨て去ることができるものである。

（考案の効果）以上のように本考案の救急用絆創膏によれば、
粘着シート１の上面中央部に貼着したパツド３上
に、底面がアルミ箔等の薄膜片５で形成され、且
つ内部に薬剤３を封入してなるカプセル体４を載
置すると共にこのカプセル体４を前記粘着シート
１に剥離可能に貼着した剥離紙９により固定して
なる救急用絆創膏において、前記カプセル体４の
上壁４ａの中央部に折曲げ用条溝７を内底面に向
かつて膨出、形成し、該折曲げ用条溝７の下面中
央部に薄膜片破壊用突起８を突設してなるもので
あるから、カプセル体４を条溝７から折り曲げる
ことにより、容易に該カプセル体４の底面薄膜片
５を破壊してカプセル体４内の薬剤６をパツド３
に含浸させることができ、しかも、折り曲げた際
に、条溝７の中央部に突設した突起８が、まず薄
膜片５の中央部に当接して該中央部を破壊させ、
その破壊部から薄膜片５がカプセル体４の折り曲
げによつてさらに破壊が進行するので、カプセル
体４内の薬剤を常にパツド３の中央部から中央部
周辺に流出させることができてパツド３外への漏
洩をなくすることができると共に薄膜片５の破壊
部を大きくしてカプセル体４内の薬剤を迅速且つ
円滑にパツド３に含浸させることができるもので
ある。

又、条溝７からカプセル体４を折り曲げると、
カプセル体４の両端部が上方に位置するようにな
つて隅部の薬剤６が条溝７に向かつて流動し、カ
プセル体４内に薬剤を残存させることなく全ての
薬剤を確実にパツド３上に流出、含浸させること
ができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
その分解状態の斜視図、第２図は縦断側面図、第
３図はカプセル体の平面図、第４図は第３図にお
けるＡ−Ａ線の拡大断面図、第５図はその変形例
を示す縦断側面図、第６図は第３図Ｂ−Ｂ線にお
ける条溝の変形例を示す縦断正面図である。１……粘着テープ、３……パツド、４……カプ
セル体、４ａ……上壁、５……薄膜片、６……薬
剤、７……条溝、８……薄膜破壊用突起、９……
剥離紙。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

粘着シート１の上面中央部に貼着したパツド３
上に、底面がアルミ箔等の薄膜片５で形成され、
且つ内部に薬剤６を封入してなるカプセル体４を
載置すると共にこのカプセル体４を前記粘着シー
ト１に剥離可能に貼着した剥離紙９により固定し
てなる救急用絆創膏において、前記カプセル体４
の上壁４ａの中央部に折曲げ用条溝７を内底面に
向かつて膨出、形成し、該折曲げ用条溝７の下面
中央部に薄膜片破壊用突起８を突設してなる救急
用絆創膏。