JPS6327710Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は内部に薬剤を封入したカプセル体を配
設している救急用絆創膏に関するものである。

（従来の技術） 従来から、救急用絆創膏としては種々のものが
考案されており、例えば、粘着シートの上面中央
部に薬剤を含浸、乾燥させたガーゼ等のパツドを
貼着し、その上面を左右に分離可能な剥離紙で被
覆してなる絆創膏が広く使用されているが、この
ような構造の絆創膏によれば、薬剤がパツドに含
有されているにも拘わらず、乾燥状態になつてい
るために、創傷口を傷める虞れがあるばかりでな
く、創傷面に当接しても、創傷部からの分泌物に
よつてパツド部の薬剤が溶出してこれに限り、有
効な消毒殺菌効果を得ることができないものであ
る。

このため、本願考案者等は、実願昭58−156260
号に示すように、粘着シートの上面中央部に貼着
したパツド上に、底面がアルミ箔等の薄膜片で形
成した適宜形状のカプセル体を配設して使用時に
該カプセル体の上面を押圧することにより、薄膜
片を破壊させて薬剤をパツド上に含浸させるよう
に構成した救急用絆創膏を考案した。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、カプセル体をパツド上に定置さ
せるには、粘着シートに粘着した剥離紙の中央部
にカプセル体の保持孔を設けてカプセル体の外周
縁部を該保持孔の周辺部により単に押さえただけ
の構造であるため、カプセル体が妄動して不安定
であるばかりでなく、カプセル体周辺部の粘着シ
ート部分に対する剥離シートの密着力のみでカプ
セル体を保持している状態であるから、カプセル
体に対する保持力が極めて弱くて僅かな外力によ
り該密着部が剥離し、カプセル体が離脱するとい
う問題点があつた。

又、使用時に、カプセル体を押圧する前に剥離
紙を剥がすと、カプセル体が不測に落下し、取扱
い上にも問題点があつた。

本考案はこのような問題点に鑑みてなされたも
ので、カプセル体を安定した状態でパツド上に保
持すると共に剥離紙を剥がしても離脱、落下する
虞れのない救急用絆創膏を提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案の救急用絆
創膏は、実施例に対応する図面に示すように、粘
着シート１の上面中央部に貼着したパツド３上
に、底面がアルミ箔等の薄膜片５で形成され、且
つ内部に薬剤６を封入してなるカプセル体４を載
置すると共にこのカプセル体４を前記粘着シート
１に剥離可能に貼着した剥離紙８により固定して
なる救急用絆創膏において、該剥離紙８を表裏２
枚の重合剥離紙８ａ，８ｂで形成し、表側剥離紙
８ａに前記カプセル体４を挿嵌させた保持孔９を
設けると共に裏側剥離紙８ｂに薬剤通孔１０を穿
設し、さらに、カプセル体４の底部周縁にフラン
ジ部４ｃを設けて該フランジ部４ｃを表裏剥離紙
８ａ，８ｂ間に挟持させてなるものであり、剥離
紙８にカプセル体４を取付けたことを特徴とする
ものである。

（実施例の説明） 本考案の実施例を図面について説明すると、１
は長方形状の布、プラスチツクフイルム、或いは
不織布等の上面に粘着剤２を塗布してなる粘着シ
ートで、その上面中央部にガーゼ等のパツド３を
貼着してある。

４はその上面４ａから周壁４ｂに亘つてプラス
チツクフイルム片より形成された矩形状のカプセ
ル体で、その下端開口部をアルミ箔やグラシン紙
等の薄膜片５で閉止し、この薄膜片５の外周上面
を、前記周壁４ｂの下端外周に水平方向に延設し
た前記プラスチツクフイルムよりなるフランジ部
４ｃの下面に接着剤等により一体的に貼着してな
り、内部には殺菌消毒液等の薬液又は鎮痛剤、止
血剤等の薬液剤６を充填、封入してある。

７はこのカプセル体４の上面４ａの中央部に下
方に向かつて膨出、形成した円錐形状、角錐形状
等の断面Ｖ字状の突起で、その尖鋭な下端を薄膜
片５の上面中央部に接触又は近接させてある。

８は粘着シート１の一端部を除く粘着面に剥離
可能に貼着した剥離紙で、紙又は柔軟なプラスチ
ツクフイルムよりなる表裏２枚の剥離紙８ａ，８
ｂをラミネート（重合接着）してなり、裏側剥離
紙８ｂの下面全面にシリコン層等の剥離層を設け
て該下面を前記粘着シート１の粘着面に剥離可能
に仮接着してある。

又、粘着シート１上に貼着した前記パツド３の
上面中央に当接する該剥離紙８の部分において、
表側剥離紙８ａには前記カプセル体４の平面形状
と略同大、同形の保持孔８を穿設している一方、
裏側剥離紙７ｂには該保持孔９に合致させて保持
孔９と同大、同形の通孔１０を穿設してあり、カ
プセル体４のフランジ部４ｃはこれらの表裏剥離
紙８ａ，８ｂ間に挟持されていると共に該フラン
ジ部４ｃに連なる周壁４ｂを保持孔９に挿嵌さ
せ、該保持孔９を通して上方に突出させてある。
さらに、カプセル体４の薄膜片５は裏側剥離紙７
ｂに設けた前記通孔１０を通じてパツド３の上面
中央部に臨ませてある。

１１は粘着シート１の一端部上面に剥離可能に
貼着した一端部剥離片で、前記剥離紙８と同一材
料で形成されてあり、その内端部を適宜巾、上面
側に折り返し重合させ、その折り返し端部１２上
に前記剥離紙８の対向内端部を接着することなく
重合させてある。

このように構成した救急用絆創膏は、使用に際
して、まず、カプセル体４の上面を押圧して該上
面４ａを僅かに下方に撓ませると、該上面中央か
らカプセル体４内に突設した突起７により薄膜片
５の中央部が破壊され、この状態からさらにカプ
セル体４を押圧、変形させれば、該カプセル体４
内の薬剤６が薄膜片５の破壊部から裏側剥離紙８
ｂの通孔１０を通してパツド３の中央部に含浸、
付着するものである。

この時、パツド３に含入、拡散した薬剤６は裏
側剥離紙８ｂの下面側に達するが、該裏側剥離紙
８ｂの下面にはシリコン層等の剥離層を設けてい
るので、この剥離紙側に付着しなく、全ての薬剤
がパツド３に円滑に含浸する。

こうしてパツド３に薬剤を含浸させれば、剥離
紙８を剥離してパツド３を創傷部に当てがい、粘
着シート１を該部周辺に貼着するものであるが、
剥離紙８の剥離時には、前述したように、粘着シ
ート１の一端部に貼着した剥離片１１の内側折り
返し端部１２上に剥離紙８の内端部を重ね合わせ
ているので、該内端部を摘んで剥離紙８及び剥離
片１１を容易に剥離できるものであり、剥離後、
空になつた前記カプセル体４を剥離紙８と一体に
した状態で捨て去ることができるものである。

（考案の効果） 以上のように本考案の救急用絆創膏によれば、
薬剤６を封入しているカプセル体４を粘着シート
１に貼着したパツド３上に配設すると共に粘着シ
ート１の粘着面に剥離紙８を貼着してなる救急用
絆創膏において、該剥離紙８を表裏２枚の重合剥
離紙８ａ，８ｂで形成し、表側剥離紙８ａに前記
カプセル体４を挿嵌させた保持孔９を設けると共
に裏側剥離紙８ｂに薬剤通孔１０を穿設し、さら
に、カプセル体４の底部周縁にフランジ部４ｃを
設けて該フランジ部４ｃを表裏剥離紙８ａ，８ｂ
間に挟持させてなるものであるから、カプセル体
４が剥離紙８に一体的に取付けられて妄動したり
剥離紙８から外れたりする虞れは全くなく、携行
や取扱いに便利であると共に、表側剥離紙８ａに
穿設した保持孔９にカプセル体４が挿嵌している
ので、このカプセル体４の底面を形成した薄膜片
５を裏側剥離紙８ｂに穿設した通孔１０に正確に
合致させておくことができ、使用時には該通孔１
０を通じてカプセル体４内部の薬剤をパツド３の
中央部に正確に含浸、付着させることができるも
のである。

又、剥離紙８を剥離すれば、カプセル体４も剥
離紙８と一体にして廃棄することができるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
表裏剥離紙の一部を分離させた状態の斜視図、第
２図は縦断側面図である。 １……粘着シート、３……パツド、４……カプ
セル体、４ｃ……フランジ部、５……薄膜片、６
……薬剤、８ａ，８ｂ……表裏剥離紙、９……保
持孔、１０……通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 粘着シート１の上面中央部に貼着したパツド３
   上に、底面がアルミ箔等の薄膜片５で形成され、
   且つ内部に薬剤６を封入してなるカプセル体４を
   載置すると共にこのカプセル体４を前記粘着シー
   ト１に剥離可能に貼着した剥離紙８により固定し
   てなる救急用絆創膏において、該剥離紙８を表裏
   ２枚の重合剥離紙８ａ，８ｂで形成し、表側剥離
   紙８ａに前記カプセル体４を挿嵌させた保持孔９
   を設けると共に裏側剥離紙８ｂに薬剤通孔１０を
   穿設し、さらに、カプセル体４の底部周縁にフラ
   ンジ部４ｃを設けて該フランジ部４ｃを表裏剥離
   紙８ａ，８ｂ間に挟持させてなる救急用絆創膏。