JPH0140136B2 - - Google Patents

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JPH0140136B2
JPH0140136B2 JP57058476A JP5847682A JPH0140136B2 JP H0140136 B2 JPH0140136 B2 JP H0140136B2 JP 57058476 A JP57058476 A JP 57058476A JP 5847682 A JP5847682 A JP 5847682A JP H0140136 B2 JPH0140136 B2 JP H0140136B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、生産性の高いウオータージエツトル
ームにより高品位の長繊維織物を製織し、これを
起毛することにより着用時の外観変化の少ないド
レープ性に優れた薄地起毛織物を製造する方法に
関するものである。
従来、起毛織物は仮撚加工糸を経糸に用い、緯
糸にフイラメント原糸を用いた織物を起毛するこ
とにより製造されており、柔軟な風合、タツチの
起毛織物を得るためにはおもに起毛される緯糸に
極細繊維が使用され、極細繊維束のフイラメント
繊度は小さい程柔軟な風合、タツチを有する起毛
織物が得られる。
ところが、極細繊維束から構成される糸条のヤ
ング率は小さく、糸条は扁平になりやすく、糸条
の集束性も悪いため、ウオータージエツトルーム
で織物を織成する際糸条への抱水が十分でなく製
織時の緯入れが困難で、いわゆる緯飛び障害によ
る織機稼動率の低下、織段、抒間段、緯糸切れ等
の繊物欠点の増大のため、低品位の生機しか生産
できなかつた。そのため生産性の低い普通織機に
より生機生産が行われているのが現状である。ま
た、緯糸の集束状態がルーズであるため、起毛処
理により得られる起毛布帛は毛羽長が長く、かつ
ドレープ性に乏しく、着用時の外観変化が大きい
等の欠点を有していた。
本発明は、かかる現状に鑑みて行われたもので
ウオータージエツトルームを用いて生機歩留りの
良好な生機を製織し、これを起毛処理することに
よりドレープ性に優れた着用時の外観変化の少な
い起毛織物を得ることを目的とするものである。
かかる目的を達成するために本発明は次の構成を
有するものである。すなわち、本発明は経糸に総
デニール50〜150デニール、フイラメント繊度1
〜5デニールの仮撚加工糸を用い、緯糸には撚数
100〜600回/mの総デニール30〜150デニール、
フイラメント繊度0.5デニール以下の極細繊維束
に仮撚加工を施した糸条を用いてウオータージエ
ツトルームにて織物を製織し、しかる後におもに
該織物の緯糸極細繊維束を起毛することを特徴と
する起毛織物の製造方法である。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明
で使用される経糸は総デニール50〜150デニール
からならるもので、総デニール50デニール未満の
場合糸条が細すぎて織物にした時の生地の重み、
ドレープ性に乏しいいわゆる張り、腰のない織物
になる。さらに、糸条が細いため織物を構成する
経糸、緯糸の屈曲が少なく平面な織物になり、起
毛に際しては起毛性が悪く、したがつて止むをえ
ず強い条件で起毛処理を行うと織物を構成する糸
条の損傷が大きくなる。一方、経糸が総デニール
150デニールを超えた場合、起毛処理後の布帛が
厚くなり過ぎ、ドレープ性に優れた起毛織物は得
られない。次に、本発明の重要な構成要件として
経糸に仮撚加工糸を用いることである。すなわち
伸縮性嵩高仮撚加工糸を使用することにより製織
時の歪みがリラツクス精練以降の加工工程で解消
されるのであるが、仮撚加工糸そのものが十分に
熱固定されており糸の歪みが解消されているので
精練以降の加工工程でシワが発生しにくく品位の
安定した織物を得るのに適している。さらに、起
毛処理において仮撚加工糸の持つ伸縮性がぜひ必
要になる。すなわち、起毛加工時における布の張
力状態を想定すると、布に張力のかかつた状態で
おもに緯糸繊維束の切断、立毛化が行われ、次に
布にかかつた張力が起毛機にはなれると弛緩し、
織物が経糸の伸縮性により経方向に収縮し、立毛
密努の向上、織物組織のチミツ化を促進する。な
お、経糸に使用される糸条を構成するフイラメン
ト繊度も経方向の伸縮性、織物のドレープ性に影
響を与え、フイラメント繊度1d未満の場合、糸
条の見かけのヤング率が低く、さらに仮撚加工糸
の伸縮性が乏しいことからドレープ性向性、毛羽
密度の向上の面で不適当で、いわゆる腰にない織
物になる。一方、フイラメント繊度が5dを超え
ると、仮撚加工糸の伸縮性が大きく毛羽密度の向
上には有利であるが、経糸と緯糸のフイラメント
繊度比が10倍以上になり、織物を染色した場合経
糸と緯糸の見かけの染着量がかわらないようにす
るのが難しく、色合せの面で高度の技術が必要と
なる。このようなわけで、ドレープ性に優れた織
物品位の良好な起毛織物を製造するための経糸の
条件として総デニール50〜150デニール、フイラ
メント繊度1〜5デニールの仮撚加工糸からなる
糸条であることが必要かつ十分条件となる。
本発明では緯糸としてフイラメント繊度0.5デ
ニール以下の極細繊維束からなる繊条を用い、こ
れに撚数100〜600回/m付与した後仮撚加工を施
した仮撚加工糸が使用される。立毛織物の柔軟な
風合、触感は、立毛を構成するフイラメント繊度
が大きく影響し、フイラメント繊度が0.5デニー
ル以上になると立毛織物の生命ともいえるやわら
かさに欠け、起毛処理後にポリウレタンエラスト
マーの付与や柔軟仕上を行つても柔軟な風合の立
毛織物を得ることはできない。極細繊維の製造方
法としては、公知の技術、すなわち多芯型複合紡
糸方法(海島繊維)や混合紡糸方法による繊維か
ら一成分を抽出除去する極細繊維の製造法、二成
分複合紡糸繊維を物理的に割繊する極細繊維の製
造法、ポリエステル繊維の減量加工のごとき化学
的溶解方法、高速紡糸延伸方法等、いずれの極細
繊維の製造方法も利用できるが、糸の長手方向の
均一性、コスト、操業性の点から高速紡糸延伸方
法による極細繊維の製造方法が最も好ましく用い
られる。本発明では上述の極細繊維束に100〜600
回/mの実撚を加えたあと、仮撚加工を施して捲
縮嵩高性を与える。これは、フイラメント原糸そ
のままでは糸条が扁平になりウオータージエツト
ルームによる製織の際、糸条への水の含みが悪く
緯飛び障害を引き起きし、織機稼動率の低下や生
機品位の低下につながる。通常のフイラメント繊
度1〜5dからなる織物の場合には、フイラメン
ト原糸での緯糸での緯打ちがごく一般的に行われ
ている。ところが、極細繊維束よりなる糸条の場
合、見かけのヤング率が低く、糸条の扁平化が避
けられないため、緯糸の抱水性を向上させ、製織
の際の正確な緯飛びを行う目的で極細繊維束の嵩
高化を図る必要がある。
しかしながら、糸条への嵩高化を与える仮撚加
工を行う場合、極細繊維束よりなる糸条そのまま
では糸条の集束性が悪く、仮撚加工時の糸切れが
多発し、操業性、歩留りの面で問題がある。さら
に、得られた仮撚加工糸からなる織物に起毛処理
を施すと、糸条の嵩高化が大きくなり過ぎ、特に
針布起毛の場合、毛羽長の長い立毛織物しか得ら
れず、着用時の外観変化の大きい織物になる。し
たがつて、操業性、歩留りの良好な嵩高性仮撚加
工糸を得るために、仮撚加工に先立つてあらかじ
めフイラメント繊度0.5デニール以下の極細繊維
束に撚数を100〜600回/m付与しておくことが必
要である。すなわち、極細繊維束に撚をダブルツ
イスター、合撚機等により付与し該極細糸条に集
束性を与えた後、仮撚加工を行うことにより、未
解撚斑のない良好な嵩高性仮撚加工糸が得られ
る。また、得られた極細仮撚加工糸を観察する
と、仮撚前に撚を付与したものは、撚工程を行わ
ずに仮撚加工を施したものに較べて嵩高性が少な
く適当な集束状態になつており、原糸タイプと仮
撚タイプの中間の糸のふくらみや集束状態を形成
している。本発明においては緯糸の総デニールが
50〜150デニールのものを用いるが、緯糸の総デ
ニールが50デニールより小さい場合には、起毛加
工時に緯糸が損傷を受けすぎ、織物を緯2重の両
面組織に設計して緯糸密度を向上させても実用に
耐える織物を得ることが困難である。また、150
デニールを超えると、起毛処理での巾入りによる
ボリユームアツプのため、ドレープ性に乏しい織
物になる。
本発明では上述のそれぞれの要件を満足する経
糸、緯糸を用いてウオータージエツトルームにて
織物を製織する。製織に際しては通常の織機普通
織機、レピア織機、エアジエツトルーム等も使用
できるが、本発明ではウオータージエツトルーム
による製織に限定し、その製織上の問題点を克服
し生機品位、稼動率の良好な起毛織物の製造方法
を提案したのである。製織の際の織物組織は平組
織、綾組織、朱子組織のいずれを使用してもよく
用途に適したものを選択すればよい。例えば、起
毛時の巾入りを大きくし毛羽密度の高い立毛織物
を得るためには緯朱子組織が適当であり、一方起
毛時の巾入りが少なく短かい毛羽長の毛羽織物を
得るためには綾組織、経朱子組織が適している。
さて、ウオータージエツトルームによる極細フ
イラメント織物の製織状態を観察した場合、織機
の停台要因を調べると、その90%以上が緯飛び障
害によるものである。すなわち、極細繊維特有の
見かけのヤング率の低いことに起因する糸条の扁
平化のため、糸条への抱水状態が悪く開口時の緯
糸の走行が不安定である。このため、開口が終る
までに緯糸が挿入されない場合、織機が停止しそ
の程度により織段(厚段、抒間段)が発生する。
通常のフイラメント織物の場合、原糸緯糸打込み
の場合、織上げ密度にもよるが1疋50m当り3〜
5回程度の停台である。これは、糸条の見かけの
ヤング率が高く、開口時の緯糸の走行が安定して
いるからで、極細フイラメント糸条の緯糸走行安
定化を図れば、生機品位の良好な織物が得られる
わけである。したがつて、緯糸に極細フイラメン
ト糸条を使用する場合、本発明方法のごとく極細
フイラメント糸に撚を100〜600回/m付与した後
仮撚加工を施した糸条を用いることにより、糸条
への抱水性が向上し、緯糸の開口時の走行が安定
し、高品位の生機が得られる。得られた織物は次
に通常のリラツクス、精練、染色を行なつた後起
毛処理を行うが、精練後起毛処理を行つてから染
色加工を行つてもよい。起毛処理は針布起毛機、
エメリー起毛機等を織物組織、用途により種々選
択して用いればよい。しかしながら、毛羽密度、
毛羽長等の製品としての外観、風合や引裂強力等
の力学的性能面から、好ましくは針布起毛機、特
に油圧式又はベルト式の複式起毛機が用いられ
る。
本発明の目的の中で、ウオータージエツトルー
ムにより高品位の生機を製造することの他に、ド
レープ性に優れかつ着用時の外観変化の少ない起
毛を得ることが、もう一つの目的である。一般に
極細起毛織物の場合、立毛を構成するフイラメン
ト繊度が、柔軟な風合を得るため0.5デニールか
ら0.01デニールの極めて細い繊維から構成されて
いる。しかも起毛品位の面から立毛密度が高いた
め、着用中に毛並が乱れる。立毛を構成する毛羽
長によるが、毛羽同志の絡みいわゆる毛寄れ現象
が起り、着用時の外観が著しく悪くなる欠点を有
していた。この解決方法として、本発明による起
毛織物の製造方法が提案される。すなわち、起毛
加工においておもに緯糸部分が起毛され、立毛部
分を構成するため、本発明方法によれば、緯糸に
仮撚加工糸が用いられているため、立毛部分の方
向性がランダムで、光沢のないダル調の起毛織物
が得られ、着用による毛羽の乱れが目立ちにく
い。さらに、仮撚加工糸特有の伸縮性が起毛加工
を行つた後でも残つており、防しわ性の向上、緯
伸び性能が良好なため着心地がよい等のいわゆる
仕立映えのする織物が得られる。
なお、本発明の目的とするドレープ性に優れか
つ着用時の多観変化の少ない起毛織物をさらに風
合、防しわ性を改良するため、ポリウレタンエラ
ストマーの付与、樹脂含浸後の液流染色機による
揉し加工、シリコンポリマーによる弾性加工等に
よる加工方法を行つてもよいのはもちろんであ
る。
なお、本発明で使用される仮撚加工糸としては
ナイロン6、ナイロン66で代表されるポリアミド
系合成繊維、ポリエチレンテレフタレートで代表
されるポリエステル系合成繊維、トリアセテート
で代表される酢酸セルローズ系半合成繊維等の熱
可塑性繊維が使用される。
次に、実施例により本発明方法の説明を行うが
本発明は、これに限定されるものではない。
実施例 1 経糸にポリエチレンテレフタレート繊維の仮撚
加工糸75D/24Fを使用し、緯糸には極細ポリエ
チレンテレフタレート繊維50D/200F(撚数300
回/m)に仮撚加工を施した仮撚加工糸を使用し
てウオータージエツトルームにより両面緯2重5
枚朱子織物を製織した。なお、極細ポリエチレン
テレフタレート繊維50D/200Fの仮撚加工の際の
糸切れはほとんどなく、歩留99%の良好なもので
あつた。製織に関しても生機織上げ巾170cm、生
機密度は経糸密度110本/吋、緯本数170本/吋に
て停台回数5回/50mと少なく、良好な生機品位
を有するものであつた。ウオータージエツトルー
ムの稼動率93%であつた。次に、通常の方法でリ
ラツクス、精練、サーキユラー型液流染色機にて
135℃×20分間分散染料を使用しネービー(10%
o.w.f.)に染色、還元洗浄後、乾燥、熱固定を行
つた。引き続き、油圧式針布起毛機により第7
回、裏4回の起毛処理を行つたところ、得られた
起毛織物は毛羽密度の高い毛羽長2mmの両面起毛
された一体感のある立毛織物で、毛羽方向がラン
ダムな光沢の少ないダル調立毛織物であり、外
確、品位、風合とも良好で、着用時の外観変化の
少ないものであつた。
参考までにこの起毛織物にポリウレタンエラス
トマー商品名パスコールV−213(無黄変性ポリウ
レタンエマルジヨン;明成化学工業株式会社製
品)にて固形分を4%沈着させた。得られた起毛
織物は、目付160g/m2厚み0.6mmの外観品位風合
とも良好な立毛織物で、着用時の外観変化の少な
いものであつた。本発明方法との比較のため、次
に記載する比較例1〜4による比較試料を作成し
本発明方法との比較を行つた。
比較例 1 経糸にポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加
工糸75D/24Fを使用し、緯糸に極細ポリエチレ
ンテレフタレート繊維フイラメント原糸50D/
200Fを使用し、ウオータージエツトルームによ
る製織工程以降樹脂仕上加工に至るまで実施例1
に準じて行つた。得られた起毛織物は、目付160
g/m2、厚さ0.55mmの光沢のある布帛であり、着
用時の外観変化の大きいものであつた。
なお、ウオータージエツトルームによる製織に
おいて開口時の緯飛びが悪く、緯飛び障害による
停台が多発し、停台回数40回/50m、稼動率60%
の極めて操業安定性の悪いものであつた。また、
得られた生機品位も織段、抒間段の多い低品位の
ものであつた。
緯糸に先撚仮撚加工糸を用いることが、生機品
位、着用時の外観変化の面で重要である。
比較例 2 経糸にポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加
工糸75D/24Fを使用し、緯糸に先撚を行わない
極細ポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸
50D/200Fを使用し、ウオータージエツトルーム
による製織工程以降樹脂仕上加工に至るまで実施
例1に準じて行つた。得られた起毛織物は、目付
160g/m2、厚さ0.7mm、立毛長2.5〜3mmの長い
ものであつた。
なお、極細ポリエチレンテレフタレート繊維の
仮撚加工の際糸切れが多発し、歩留92%の操業性
の悪いものであつた。次に、製織工程では極細繊
維への嵩高性付与により、緯飛び性能が比較的良
好で停台回数10回/50m、稼動率85%の生機品位
もほぼ合格するものであつた。
得られた起毛織物の着用時の外観変化を調べる
と、立毛長がやや長いため、本発明方法と比較し
た場合、やや着用時の外観変化の大きいものであ
つた。このことから、仮撚加工糸及び製織性の面
から緯糸の形態として適度の嵩高性、集束性を付
与することが重要である。
比較例 3 経糸にポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加
工糸75D/24Fを使用し、緯糸に先撚1000回/m
を施した後仮撚加工を行つた極細ポリエチレンテ
レフタレート繊維仮撚加工糸50D/200Fを使用
し、ウオータージエツトルームによる製織工程以
降樹脂仕上加工に至るまで実施例1に準じて行つ
た。得られた該起毛織物は、目付160g/m2、厚
さ0.6mmの仮撚加工糸の未解撚部分に残つたスラ
プヤーン調外観が少し認められた緯斑状の欠点の
多いものであつた。
なお、仮撚加工時の未解撚に起因する糸切れが
多発し、歩留90%の操業性の悪いものであつた。
次に、製織工程では製織時の緯飛び性能は良好で
停台回数10回/50m、稼動率85%のものであつ
た。得られた生機品位は、仮撚糸の未解撚部分が
各所に残つた緯斑状の一見抒間段状に見える低品
位の生機であつた。この生機の緯斑性欠点は、仕
上加工後でも残り、スラブヤーン調起毛織物とな
つた。これらのことから、緯糸仮撚加工時の先撚
回数が重要である。
比較例 4 経糸にポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加
工糸200D/48Fを使用し、緯糸に先撚300回/m
を施した後仮撚加工を行つた極細ポリエチレンテ
レフタレート繊維仮撚加工糸100D/400Fを使用
し、ウオータージエツトルームによる製織工程以
降樹脂加工に至るまで実施例1に準じて行つた。
なお、生機織上げ巾170cm、生機密度経糸本数
70本/吋、緯糸本数160本/吋であつた。仮撚加
工時の歩留99%、製織時の停止回数5回/50m、
稼動率90%と良好であつた。しかし、仕上加工後
の該起毛織物は目付300g/m2、厚さ1.3mm、光沢
の少ないダル調起毛織物であつたが、ドレープ性
に乏しい起毛織物であつた。
このことから経糸の総デニールが仕立映え、ド
レープ性に大きく影響を与える。
実施例 2 経糸にナイロン6繊維の仮撚加工糸70D/24F
を使用し、緯糸には極細ナイロン6繊維50D/
160F(撚数200回/m)に仮撚加工を施した仮撚
加工糸を使用してウオータージエツトルームによ
り両面緯2重トルコ朱子織物を製織した。なお、
極細ナイロン6繊維50D/160Fの仮撚加工の際の
糸切れはほとんどなく、歩留り99%の良好なもの
であり、製織時の停台回数も6回/50mと少な
く、稼動率は94%であつた。生機織上げ巾は170
cm、生機密度は経糸密度110本/吋、緯糸密度160
本/吋であつた。次に、通常の方法でリラツクス
精練後ロコ型液流染色機にて100℃/30分間酸性
染料にて茶色(5%o.w.f)に染色、60℃×20分
間のソーピンク及びフイツクス処理を行い、乾
燥、熱固定(160℃×20秒間)を行つた。次に油
圧式針布起毛機にて表8回、裏3回の起毛処理を
行つたところ、得られた起毛織物は毛羽密度の高
い、毛羽長1.5mmの両面起毛された一体感のある
立毛織物で毛羽方向がランダムな光沢の少ないダ
ル調の起毛織物であり、外観、品位、風合とも良
好なもので、着用時の外観変化の少ないものであ
つた。次に参考までに該起毛織物にポリウレタン
エラストマー(商品名レザミンW3012A、ポリウ
レタンエマルジヨン、大日精化株式会社製品)を
固形分で6%沈着させた。得られた起毛織物は、
目付150g/m2厚み0.5mmの外観、風合良好な布帛
であつた。該起毛織物の着用時の外観変化を調べ
ると、極めて良好な耐着用性を示した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 経糸に総デニール50〜150デニール、フイラ
    メント繊度1〜5dの仮撚加工糸を用い、緯糸に
    は撚数100〜600回/mの総デニール30〜150デニ
    ール、フイラメント繊度0.5デニール以下の極細
    繊維束に仮撚加工を施した糸条を用いてウオータ
    ージエツトルームにて織物を製織し、しかる後に
    おもに該織物の緯糸極細繊維束を起毛することを
    特徴とする起毛織物の製造方法。
JP57058476A 1982-04-07 1982-04-07 起毛織物の製造方法 Granted JPS58174653A (ja)

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JP57058476A JPS58174653A (ja) 1982-04-07 1982-04-07 起毛織物の製造方法

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JP57058476A JPS58174653A (ja) 1982-04-07 1982-04-07 起毛織物の製造方法

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JPS58174653A JPS58174653A (ja) 1983-10-13
JPH0140136B2 true JPH0140136B2 (ja) 1989-08-25

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022029515A (ja) * 2020-08-05 2022-02-18 株式会社Medi Plus 医療映像システム及び医療映像処理装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56378A (en) * 1979-06-15 1981-01-06 Teijin Ltd Production of suede like raised fabric

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