JPH0140130Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車のバツテリーポストなどのタ
ーミナルポストに接続される端子の絶縁保護具に
関する。

〔従来の技術〕

ターミナルポスト用の端子は、第６図に示す如
く、基板１の先端部にボルト通し穴２を設け、後
端部に一対の加締片３から成る電線接続部４を設
けた構成を有する。この端子Ａの正しい取付け方
は、第７図イの如く、バツテリー等の機器５の壁
面６に基板１を向い合せて、機器側の電気接触部
７に立設したスタツドボルト８に通し穴２を挿し
込んで、ナツト９で締め付け固定する。

しかし、端子Ａは、第７図ロの如く、機器の壁
面６と電気接続部４を向い合せた逆止めも可能で
あり、作業者の不注意により誤つて取り付けられ
るおそれがある。この場合、壁面６が金属製であ
れば、シヨートする危険があるし、壁面６と電線
接続部４との間隔が充分ではないから、端子Ａに
無理な力が加わり、端子Ａが変形したり、機器の
振動により、接触箇所で異音が発生する、などの
問題があつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案の目的は、上記の問題点に鑑み、ターミ
ナルポスト用の端子が機器壁面とシヨートするお
それがなく、かつ端子との位置決め手段を有して
確実な装着のできる絶縁保護具を提供するにあ
る。

考案の構成 〔問題点を解決するための手段〕 上記目的を達成するため、本考案のターミナル
ポスト用端子の絶縁保護具は、機器の壁面に立設
したスタツドボルトにナツトで締め付け固定され
る端子の基板中央部と基板後部の電線接続部とを
収容する樋状の本体とその蓋体とをヒンジにより
開閉自在に設けると共に、本体の内部には前記端
子の基板中央部に切り起し形成された固定ポスト
が係入する位置決め溝を設けたことを特徴とす
る。

以下、本考案の構成を図面を参照して具体的に
説明する。

〔実施例〕

第１図ないし第３図において、Ａはターミナル
ポスト用の端子、Ｂは絶縁保護具を示す。端子Ａ
の基板１の中央部、すなわちボルト通し穴２と電
線接続部４の間に、絶縁保護具Ｂに対する固定用
ポスト１０が切り起し形成されている。

絶縁保護具Ｂは、絶縁性を有する合成樹脂製で
あつて、端子Ａの中央部と電線接続部４とが納ま
る大きさの樋状の本体１１とその蓋体１２とから
なる。本体１１と蓋体１２の長手方向に沿う側縁
の一方はヒンジ１３により結合され、他方の側縁
には互に係止爪１４と係止孔１５を有する突片１
６からなるロツク手段を設け、開閉自在に構成さ
れている。本体１１には、その前壁１１ａ後方に
隔壁１１ｂを設けることにより、端子Ａの固定用
ポスト１０が係入する位置決め溝１７が形成され
ると共に、外壁面１１ｃには端子Ａの逆止めを防
止するための逆止め防止リブ１８が複数突設され
ている。この逆止め防止リブ１８の外壁面１１ｃ
からの高さH₁は、第４図に示す如く、端子Ａの
基板１からリブ先端までの長さがスタツドボルト
８の先端から機器の壁面６までの高さH₂以上と
なるようにするか、或いは絶縁保護具Ｂに端子Ａ
を納めたときに端子Ａの逆の取り付けが実質的に
できない高さにとる。一方、蓋体１２の先端部中
央には、端子Ａの固定用ポスト１０の切り起しに
より生じた穴１０ａに係入する位置決め突起１９
を突設する。

絶縁保護具Ｂの使用に際しては、第３図の如
く、本体１１の位置決め溝１７に固定用ポスト１
０を差し込むように端子Ａを納めて、蓋体１２を
閉め、係止爪１４と係止孔１５との係合により両
者をロツクする。これにより、端子Ａの後半部が
絶縁保護されると共に、端子Ａは固定用ポスト１
０が位置決め溝１７に係入するから、絶縁保護具
Ｂにより固定される。

この状態で、端子Ａをターミナルポストに取り
付ける際には、第４図に示す如く、本体１１の逆
止め防止リブ１８を機器の壁面６に向い合わせる
と、端子Ａのボルト通し穴２をスタツドボルト８
に差し込めないから、端子Ａは第７図イに示す如
く、常に正しい姿勢で取り付けられ、端子Ａに無
理な力が掛からない。また、端子Ａは絶縁保護具
Ｂに納まつているから、機器の壁面６が金属製で
もシヨートするおそれがない。

端子Ａを絶縁保護具Ｂに収納する際、第５図イ
に示す如く、固定用ポスト１０と位置決め溝１７
とが整合していれば、蓋体１２の突起１９が穴１
０ａに入るから、蓋体１２をロツクすることがで
きる。しかし、第５図ロ，ハのように、整合しな
い場合には、突起１９が端子Ａの基板１につき当
り、蓋体１２のロツクができないから、絶縁保護
具Ｂの不完全な装着を防止することができる。

以上は絶縁保護具Ｂの本体１１と蓋体１２をヒ
ンジ１３で結合した例について説明したが、両者
を分離し、長手方向の側縁両側に上記したロツク
手段を設けてもよく、また係止爪１４と係止孔１
５とは互い違いに設けてもよい。

〔考案の効果〕

以上から明らかな如く、本考案の絶縁保護具に
よれば、その本体と蓋体とによつてターミナルポ
ストに端子を取付ける際、端子の電線接続部が機
器の壁面などにシヨートするのを防止し、また、
本体に端子に切り起し形成した固定用ポストが係
入する位置決め溝を設けたことにより、端子を絶
縁保護具に固定し、ガタツキによる異音の発生を
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案絶縁保護具の一実施例を示す開
いた状態の平面図、第２図は同上の側面図、第３
図は同上の絶縁保護具にターミナルポスト用の端
子を納めた状態の断面図、第４図は同上の使用状
態の説明図、第５図イ〜ハはそれぞれ同上の絶縁
保護具に端子を納めたときの作用を示す部分拡大
説明図である。第６図は従来のターミナルポスト
用の端子の平面図、第７図イ，ロはそれぞれ同上
の使用状態の説明図である。 Ａ……ターミナルポスト用の端子、Ｂ……絶縁
保護具、１……基板、４……電線接続部、１０…
…固定用ポスト、１１……本体、１２……蓋体、
１７……位置決め溝、１８……逆止め防止リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機器の壁面に立設したスタツドボルトにナツト
   で締め付け固定される端子の基板中央部と基板後
   部の電線接続部とを収容する樋状の本体とその蓋
   体とをヒンジにより開閉自在に設けると共に、本
   体の内部には前記端子の基板中央部に切り起し形
   成された固定ポストが係入する位置決め溝を設け
   たことを特徴とするターミナルポスト用端子の絶
   縁保護具。